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2009年07月13日

世田谷パブリックシアター『奇ッ怪~小泉八雲から聞いた話』07/03-20シアタートラム

 イキウメの前川知大さんの新作。仲村トオルさん、池田成志さん、小松和重さんら豪華キャストが揃った世田谷パブリックシアターのプロデュース公演です。メルマガ号外を発行しました。

 怖い怪談も爆笑喜劇もある、5編からなる娯楽芝居。ストーリーがとても面白かったので記録を残しておこうと思います。以下はすべてネタバレ感想です。

 ⇒CoRich舞台芸術!『奇ッ怪

≪あらすじ≫ パンフレットより。(役者名)を追加。
 山の中、カーナビにも載っていない古びた旅館に、男が二人(池田成志&小松和重)やって来る。
 人気のないその宿は先客の男が一人(仲村トオル)いた。
 いつしか話し込んでいく三人。
 発端は、この土地に伝わる奇怪な言い伝えだった。
 物語が、語り部が変わるごとに、
 少しずつそれぞれの立場が見えはじめていく・・・。
 ≪ここまで≫

 ここからネタバレします。

<常識>
 【出演者】語り部:仲村トオル 猟師:池田成志 住職:小松和重 若い僧:盛隆二

 ある寺に毎夜、象に乗った菩薩様がやってくる。恐ろしくなって猟師が菩薩を撃つと、それは大きな狐だった。

<破られた約束>
 【出演者】語り部:池田成志 夫:仲村トオル 前妻:岩本幸子 夫の友人:小松和重 使用人A:浜田信也 使用人B:盛隆二 後妻:伊勢佳世 女中:歌川椎子

 病気で死んだ前妻との約束をやぶって、夫は後妻をめとる。前妻が眠る梅の木の下から鈴の音が。後妻は前妻の幽霊に首をひきちぎられて死んでしまう。

<茶碗の中>
 【出演者】語り部/ミヤジ:小松和重 タガミ:池田成志 青年:盛隆二 男:仲村トオル 警備員:浜田信也 女:岩本幸子

 ある夜、検死官の宮地(小松和重)の湯のみの中に、見知らぬ男の顔が映る。湯のみの中の男は宮地の目の前に実体となって現れ、そして遺体安置室から河野舞子(伊勢佳世)という17歳(18歳?)の少女の遺体が消えた。宮地が刑事の田神(池田成志)と生前の舞子について調べる内、黒澤(仲村トオル)という小説家の名前が浮かぶ。2人が旅館に黒澤をたずねたところ、彼は湯のみの中の男にそっくりだったのだ。
  
<お貞(てい)の話>
 【出演者】語り部:仲村トオル 祐吾:浜田信也 真琴/河野舞子:伊勢佳世 舞子の姉:岩本幸子

 黒澤には学生(浜田信也)の頃、真琴(伊勢佳世)という恋人がいた。真琴は、自分の描く絵は未来を予言すると語り、グレートフル・デッドのTシャツとロングスカートを着た自分の死体を描いた後、その格好で自殺した。18年(17年?)後、黒澤は旅館で舞子(伊勢佳世)と出会う。舞子はグレートフル・デッドのTシャツを着ていた。舞子は真琴の生まれ変わりなのか?

<宿世(すくせ)の恋>
 【出演者】語り部:歌川稚子 新三郎:仲村トオル 志丈:池田成志 良石:小松和重 伴蔵:浜田信也 お露:伊勢佳世 お米:岩本幸子 興隆:盛隆二

 仲居(歌川稚子)が「怪談牡丹燈篭」を語る。恋に落ちた新三郎(仲村トオル)とお露(伊勢佳世)は身分の違いから結ばれることができず、病弱なお露は死んでしまう。死んだお露が新三郎のもとに現れ、お露は生きていたのだと勘違いした新三郎は、死霊のお露と逢瀬を重ねる。死相が出てきた新三郎を助けようと、周囲の人々は彼を説得して死霊と引き離そうとするが、新三郎は地獄に堕ちようともお露と一緒になりたいと願い、自ら命を絶つ。
 新三郎と黒澤、お露と真琴が重なる。怪談と現実の境い目がなくなり、閉ざされていた扉が開かれるように舞台が変貌。田神(池田成志)と宮地(小松和重)が旅館だと思っていたのは廃墟となった古い寺で、ほこらの下には真琴の白骨死体と黒澤の腐乱死体があった。これも大きな狐(?)のしわざだったのか・・・。

【出演】黒澤:仲村トオル 田神:池田成志 宮地:小松和重 旅館の仲居:歌川椎子 女、他:伊勢佳世 男、他:浜田信也 男、他:盛隆二 女、他:岩本幸子
構成・脚本・演出:前川知大 美術:土岐研一 照明:松本大介 音響:青木タクヘイ 衣裳:伊藤早苗 ヘアメイク:宮内宏明 演出助手:河合範子 主催:財団法人せたがや文化財団 企画制作:世田谷パブリックシアター 企画協力:イキウメ/エッチビイ
【休演日】7月6日(月)、13日(月)【発売日】2009/05/23 一般=5,800円、高校生以下=2,900円(劇場チケットセンターのみ取扱い/要年齢確認)、SSS=2,900円(要事前登録/枚数限定) トラムシート5,000円(対象公演のみ、劇場チケットセンター電話・店頭のみ)
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/07/post_153.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年07月13日 14:21 | TrackBack (0)