モダンスイマーズの劇団10周年記念公演です。岸田戯曲賞を受賞したばかりの座付き劇作・演出家の蓬莱竜太さんも、役者として出演されます。
劇団の人気作『赤木五兄弟』を下地、に劇団員5人で脚本を作ったそうです。開演前には「蓬莱戯曲の繊細なセリフ、見事な伏線は期待しないで」というアナウンスも(笑)。
劇場入り口から客席まで、劇団員総出で観客を迎えてくれました。上演時間は約1時間30分。
⇒CoRich舞台芸術!『血縁~飛んで火に入る五兄弟~』
赤木家の2009年の春夏秋冬を描きます。長男の淡い恋心やご近所の人とのバトルなど。
長年活動している劇団は、作・演出・主宰を兼ねる人材ばかりが目立っていくことが非常に多いんですよね。この公演が、そんな流れを拒否するという劇団の意思表明であるならば、一演劇ファンとしてとても嬉しいです。モダンスイマーズというのは男5人の劇団なのだなと、改めて認識しました。
客演の古川悦史さんの七変化(3役?)が可愛らしかったです。古川さんは小劇場劇団へ客演が多いですよね。
ここからネタバレします。
五男(蓬莱竜太)がハワイから帰る飛行機の中で、「帰りたくないよ~」と肩を震わせて泣くところが面白かったです。しみじみしました。
ハワイから帰ったら、家に「出て行け!」「金かえせ!」などと壁に描かれていました。“被害者の会”の仕業だと決めつけ、食事当番の五男以外は仕返しに出かけます。その場に居合わせた近所の住人・栗林(古川悦史)が警察に通報したため、おそらく仕返しは未遂。でも4日間拘留されたらしいので、警察とはケンカしたのかな(笑)。
クリスマス・イヴには「ご迷惑をおかけしました!」と言いながら、5人全員で町にお菓子をばらまくサンタとトナカイになります。これで赤木五兄弟は杉並(ですよね?)からおさらば。
最後のエピソードは蓬莱さんが書かれたのかしら。ずいぶんうまくまとまったエンディングだったので、10周年の歌とお餅つきはオープニングだけでも良かったかも。
出演:西條義将 小椋毅 古山憲太郎 津村知与支 蓬莱竜太(以上モダンスイマーズ) 室伏ひかり 古川悦史
アンサンブルメンバー:ウォーレン・リウ 海ノ幸子 梅本淳 角島美緒 久住翠希 寒河江有似・色城絶・しゃなちひろ でく田ともみ 永田歩 種本考世 平石祥子 前田朝子・真山カコ 矢ケ部哲 山増圭 吉川綾美 有賀安由子 岩崎愛 末冨真由 和田成正
脚本・演出:モダンスイマーズ 美術:伊達一成 照明:森脇清治(東京舞台照明) 照明OP:相沢大輔 音響:今西工 小道具:高津映画装飾 オプジェ製作:Kazushige Date 題字:Peco 映像制作:株式会社ムーンファクトリー 記録写真:Yoshizo Okamoto 太鼓レンタル&指導:山田貴之 衣裳:小原敏博 宣伝美術:西山昭彦 制作:神野和美 提携:赤坂RED THEATER 企画製作:モダンスイマーズ
【発売日】2009/06/13【前売】¥3,500- 【当日】¥4,000- 全席指定①M10割引 【前売】¥3,000- 【当日】¥3,500- 7/17、24のみ②M10パス 【前売】¥10,500- 全公演共通パス(5回まで観劇可)③学生割引 【前売】¥2,500- 【当日】¥3,000- 24才まで、要学生証②、③の取扱いはHabaneraのみ※M10パスは5回の公演が観劇できる共通パスです。
http://www.modernswimmers.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
便利な無料メルマガも発行しております。