spacenoid(スペースノイド)は御笠ノ忠次さんが作・演出される劇団です。御笠ノさんは外部のプロデュース公演で演出をされることも多くなってきました。今はこちらの稽古中なんですね。
今作は『石神井ハウス日記』(2006年)の改訂版再演。実話をもとにした・・・ってことはコレ実話なの?!(笑) 上演時間は約2時間。
⇒CoRich舞台芸術!『哀愁の町に霧がほにゃらら』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
作家、椎名誠とその仲間たちの共同生活が描かれた『哀愁の町に霧が降るのだ』に憧れていたスペースノイドの面々。
石神井公園駅徒歩7分、6SK、家賃8万円の奇妙な物件を見つけたところから物語は始まる。
「俺たちも共同生活してみようぜ」とミカサノは言う。
しかしながら「地権者と言い張る人が嫌がらせをするかもしれません!」という不動産屋の謎のひとこと。
当然契約するスペースノイド。
漢ばかり6人。喜怒哀楽が全力で詰まった共同生活に起こった実話にもとづいたお話。
2006年の『石神井ハウス日記』が装いも新たに登場です!!
≪ここまで≫
激弾SPACENOIDのメンバー6人が共同生活をする一軒家。ほぼ全員が本人役として登場する、半・劇中劇のような構成でした。20代中盤の貧乏男子たちの青春群像劇ではあるものの、本編には直接関係のない笑いのネタが頻発されます。スペースノイドは私好みのギャグが多いのが嬉しい(笑)。
演技なのかアドリブなのかの境い目が曖昧で、役者さんがその場で何かを考え出して披露する場面もあります。おそらくライブ感覚を大事にされているんだと思います。ただ、計算された間(ま)なのか、意図せずしてグダっとなってしまったのかも曖昧なのはもったいないですね。もっと戦略的に、緻密に組み立てる方向性もありなんじゃないかと思います。
ここからネタバレします。
石神井ハウスの出来事をそのまま次回公演の脚本にしようということになり、脚本家のミカサノ(清水洋介)はノートパソコン(ワープロ?)にその日に起きたことを記録していきます。机に向かって書きながら日記を読み上げるのですが、そのシーンが完全に独立してしまっているのが少々退屈に感じることもあり。1日経った、日記を書く、次の日が過ぎた、また日記を書く・・というサイクルが繰り返されるからでしょうね。
彼が執筆するのが決まって深夜だからか、周囲は真っ暗で彼にだけ小さく照明が当たるようになっています。たまには日常と執筆シーンを同時進行させるなり、変化を加えてもいいんじゃないかと思いました。
池袋で路上パフォーマンスをしていた時に出会った家出少年キク(船生光)を、拾って帰って同居することになるんですが、実話だとしたら本当に勇気あるっていうか、考えナシっていうか(笑)、ワイルドですね。でもそのキクっていう人はその期間、救われたでしょうね。
日替わりゲスト(村上ロック)が家に訪れて、大喜利大会が始まりました。楽しめなかったわけではないですが、物語をもっと味わいたかったので、コーナー自体をもう少し縮小して欲しいなと思いました。食パンをもっと大事にしてね!
「真矢みき」連発とか、意味分かんないけどめっちゃ可笑しい。「空にそびえる松本明子」(マジンガーZ)が一番笑ったかも。長年一緒にやってきた劇団員だからこその、あ・うんの呼吸がいいですね。
2階部分まで建てこんだ装置には私物であろう生活用品がいっぱい。電気炊飯器はなぜか3つあるよね?『ハイライフ』のチラシや『スタンレーの魔女』のポスターもチラっと。
出演:魚住和伸(ダンサー) 清水洋介(脚本家) 清水嘉邦(坊主頭) 鈴木啓文(9割セクハラ) 藤枝直之(バイトばっくれ) 船生光(キク) 矢崎進(短気・お金取られる)
20日(日)昼のゲスト:村上ロック 恩田かおり
脚本・演出:御笠ノ忠次 照明:たなか一絵(あかりやん) 音響:前田真宏 舞台美術・監督:魚往和伸 音楽:あらいふとしバ(one cake size feathers) 映像:ワタナベカズキ 宣伝美術:加藤朝彦 舞台撮影:鈴木拓実 WEB:岡崎龍夫 制作:清水嘉邦/伊藤蔵人 制作協力:佐々木康志/ささき友美(フルメタル中学) 企画製作:SPACENOID
【発売日】2009/08/17 前売2800円/当日3300円※18日昼公演は800円キャッシュバック※学生証提示で800円キャッシュバック(18日昼は除く)
http://s-noid.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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