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Shinobu's theatre review
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REVIEW

2009年09月22日

青年団+南河内万歳一座共同企画:青年団プロジェクト公演『青木さん家の奥さん』09/11-27こまばアゴラ劇場

 青年団南河内万歳一座という、作風からすると“水と油”のように思われる2団体の共同企画です(笑)。残念ながら南河内万歳一座による『S高原から』は見逃しました。⇒作品概要

 キャッチコピーどおりに“世界一静かな『青木さん家の奥さん』”になるかと想像もしたのですが、静かではなかったです。いかにも青年団らしいお芝居だったと思います。上演時間は約1時間40分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『青木さん家の奥さん

 ≪あらすじ≫
 酒屋の倉庫。配達のアルバイトの若者たちが集まる。今日からやってきた新入り(山本雅幸)は、皆がなぜ“青木さん”の家に配達をしたがるのか見当もつかない。
 ≪ここまで≫

 ビール瓶がぎっしり入ったビールケースが積み上げられている舞台(⇒舞台写真)。
 若い血気盛んな男たちが、大声で叫んでケンカ腰で話して、取っ組みあって倒れて、でもまたすぐに談笑が始まって。

 騒いだ後でシーンと静まり返る演出が多く、それが段取りに見えてしまう上に沈黙が長いので、せっかく盛り上がった空気がへしゃげてしまうように感じました。そうすると、次に怒ったり叫んだりしても、自動的に段取りに見えてくるんですよね(舞台の段取りは当然決まっているものですが)。
 あまり暴れたり大声を出したりしない青年団の役者さんが、今回は珍しいことをしているな~とは思いましたが、演技の方法は“静かな演劇”と変わらないので、何か新しいものを期待していた私にはちょっと残念。

 ここからネタバレします。

 結局、誰も配達には行きません。青木さん家の美人の奥さんのところに配達に行くシミュレーションを、ひたすらわいわい繰り返して終幕します。そういう無駄は大好きなんですけどね。

 ニセ美人姉妹(田原礼子&村井まどか)がペアルックで踊って歌ってくれるのは、それだけで華やかで可愛いのですが、“振付通り、段取り通りにやってます”という印象。どんなシーンにせよグルーブ感が得られなかったのが私には残念でした。グルーブ感なんて最初から全く意図していない演出かもしれませんが。

≪大阪、東京≫
世界一静かな「青木さんちの奥さん」と世界一やかましい「S高原から」東西異種格闘技
出演:申瑞季 田原礼子 村井まどか 山本雅幸 海津忠 木引優子 桜町元 畑中友仁
脚本:内藤裕敬(南河内万歳一座) 演出:平田オリザ 舞台美術:杉山至 照明:岩城保 衣裳:有賀千鶴 宣伝美術:工藤規雄+村上和子 太田裕子 宣伝写真:工藤規雄 制作:服部悦子 協力:(株)アレス 企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画 こまばアゴラ劇場
【休演日】9月16日(水)、24日(木)【発売日】2009/06/12 日時指定・全席自由・整理番号付 前売・予約・当日共=3,500円 学生・シニア(65歳以上)=2,500円 高校生以下=1,500円
≪各会場20組≫セットチケット=6,000円(青年団『青木さん家の奥さん』と南河内万歳一座『S高原から』の2公演をご観劇いただけます)※セットチケットは、青年団電話予約のみの取り扱いです。予約時に観劇日時をご指定ください。※学生・シニアの方は、当日受付にて年齢・学籍を確認できる証明書をご提示下さい。※未就学児童はご入場いただけません。
http://www.seinendan.org/jpn/info/info090528.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年09月22日 19:53 | TrackBack (0)