現在TVドラマ「オトメン(乙男)」に出演中の木村了さん(過去レビュー⇒1、2)を主演に迎え、スタンダールの長編小説『赤と黒』が舞台化されます。
会場は客席数173席の“大人の小劇場”赤坂レッドシアター。テレビや映画で人気のスターが出演する作品、舞台通が注目する先鋭的な小劇団作品、または古典・文芸作品などが上演されているおしゃれな小劇場です(例えば⇒1、2、3、4、5、6、7)
演出はネオ・アングラの作風で知られる女流劇作・演出家の赤澤ムックさん(黒色綺譚カナリア派)。開幕直前の稽古場に伺いました。
■エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ『赤と黒』⇒公式サイト
2009年10/01-11赤坂RED/THEATER
⇒「『赤と黒』を知ろう!コラム」その1、その2、その3
⇒インタビュー、コメント動画:1、2、3、4、5、6 ※6はすぐ音が出ます
⇒終演後のトーク出演者決定!
⇒CoRich舞台芸術!『赤と黒』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
19世紀フランス。ナポレオンの時代が過ぎ去り、貴族社会が戻ってきた頃の物語。
貧しくとも野心に満ちた“ジュリアン・ソレル”は、司祭として出世を目指していたが、
美貌と才知を買われ、住み込みの家庭教師として町長レナール氏に雇われる。
貴族への憎しみから貞淑なレナール夫人を誘惑するも、二人の関係は明るみに出て、ジュリアンは町を追われてしまう。
更なる野望を胸にパリへ渡ったジュリアンは、再び貴族の庇護を得て、社交界の華と謳われるラ・モール侯爵令嬢マチルドの愛をも勝ち取るが……
≪ここまで≫
午後から始まったお稽古は第二幕から進んで行きました。稽古場にはたくさんの衣裳が舞台の図面どおりに並べられ、夜には通し稽古が予定されています。まさに佳境といったところ。
赤澤「小説『赤と黒』の舞台化というより、『赤と黒』という名のファッション・ショーと言った方がいいかもしれません。」
赤澤さんはご自身が役者さんなのもあってか、自分からどんどん動いて俳優に指示をしていきます。登場人物の感情のヒントとなる言葉を次々と出して、身ぶりも加えて俳優に接します。ダンスや集団演技などの振付も、自分から新たな変更を加えていらっしゃいました。舞台を見つめる目力がとても強い!
【写真左から↓富田麻帆/赤澤ムック/佐藤晴彦】
ジュリアン(木村了)と2幕のヒロイン・マチルド(富田麻帆)の愛憎のせめぎ合いを表す、無言のシーンが刺激的でした。恋人同士がきつく抱き合ったと思いきや、すぐにパっと離れて威嚇し合うなど、瞬時に気持ちが変化していくのを激しい動きと表情で作り上げて行きます。
木村さんは瞬発力があって、表情がとても繊細。富田さんは大規模ミュージカルのメインキャストとしての出演歴もある女優さんで、自らシーンを動かす大胆な行動が冴えています。
【写真左から↓木村了/富田麻帆/赤澤ムック】
豪華にショーアップする派手な演出だけでなく、赤澤さんは会話劇の掘り下げにも力を注がれていました。ジュリアンとマチルド、そしてマチルドの父親(池下重大)の3人の場面は、なんと5回も繰り返されました。決して短いシーンではないので役者さんの消耗も激しそう。赤澤さんは恋人、親子、男対男といった3人の人間関係を深く、分厚くしていくことに真剣です。
赤澤「人生の一大事だと思ってください。キャラとか声とかどうでもいいい。自分を制限しないで。自分で自分をコントロールしようと思わないで。」
【写真左から↓赤澤ムック/木村了/富田麻帆】
夕方までの繰り返し稽古では出番のなかったナポレオン役の上山竜司さんは、セリフの確認や原作の再読などを黙々と続けていらっしゃいました。上山さんはStudio Life『フルーツバスケット』で初めて拝見し、また舞台でお会いしたいなと思っていた方です。
【写真↓マントさばきを練習中の上山さん】
オリジナリティーを前面に押し出してインディペンデントの小劇場界で活動してきた赤澤さんが、出自も経験も全く異なる役者さんとのプロデュース公演で何を見せてくれるのか。稽古場で堂々とリーダーシップを取る姿を見て、自身の世界観を大切にしながら新たな一歩を踏み出されているように感じました。レッドシアターの緊密な空間でその成果を確かめたいと思います。
出演:木村了 上野なつひ 富田麻帆 本間ひとし 池下重大 眞藤ヒロシ 佐藤晴彦 上山竜司(RUN&GUN) 坂東亀三郎
原作:スタンダール 脚色・演出:赤澤ムック 脚本協力:清末浩平 美術:吉野章弘 照明:奥田賢太(オフィスダミアン)音響:中村嘉宏 衣裳:木村猛志(衣匠也) ヘアメイク:臼井寛子 演出助手:城野健 舞台監督:村岡晋 宣伝写真:引地信彦 宣伝美術:冨田中理(SelfimageProdukts) 提携:赤坂RED/THEATER 撮影協力:渋谷キリストンカフェ 主催:avex live creative/サンライズプロモーション東京 後援:フジテレビジョン 企画製作:エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ
前売・当日¥6,000(全席指定)*未就学児のご入場はご遠慮頂いております
http://www.avexlive.jp/akatokuro/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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