イタリア人演出家のテレーサ・ルドヴィコさん脚本・演出の子供向け演劇です。スリリングでハッピーな最高の1時間でした。出演者がたった5人なんて信じられない!劇場でかけてもらえる理想の魔法だと思います♪
毎年、杉並区立小学校の4年生全員を招待する企画だそうです。なんて素晴らしい!貸し切り公演が多いので一般の方が観られる日程をチェックしてくださいね♪
⇒YouTube動画「座・高円寺 あしたの劇場『旅とあいつとお姫さま』」
⇒CoRich舞台芸術!『旅とあいつとお姫さま』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
ある晩夢の中で、その少年(逢笠恵祐)は、とてもきれいな少女(辻田暁)に恋をしました。
夢の中に出てきた少女に恋をした少年は、その女の子を探す旅にでます。旅の途中で、持っていたわずかなお金を全部出して掘り起こされてしまった死体を助けたり、見知らぬ男の子(楠原竜也)がついてきたり。二人で旅を続けることになった少年と男の子は、ある国で夢の中に出てきた少女に出会います。彼女はなんと、その国の王女でした。少年は、王女と結婚しようとしますが、彼女には悪い魔法がかけられていて、自分に結婚を申し込んでくる男たちの首をはねていたのです。それを知った少年と男の子は……。
≪ここまで≫
常にどこか恐ろしくて、恐怖ととなり合わせだからこそ、一瞬の幸せが際立ちます。役者さんは身体能力の高い方ばかりで、ダンスや組体操などが会話劇とシームレスに組み合わさっていました。ハっと驚かされて、我を忘れてうっとりして・・・♪ “子供向け”の枠には全くおさまらない、成熟した舞台でした。
装置は一見シンプルですが、実はライブ感を演出する仕掛けがいっぱい。舞台奥には無数のヒモが天井から吊り下がっており、幕のようになっています(それが2枚あります)。セットや大道具、小道具は常に動いていたり、不安定(に見える)な形をしていたり。光がいろんな方向に反射する床(マットを敷いてる?)も良かった。
衣裳はデザインと機能性を兼ね備えた芸術性の高いものでした。身体のどこを、どれだけ露出するかのセンスがとてもいいと思います。ドキっとできるんですよね。
少年(辻田暁)と旅仲間(楠原竜也)のコンビネーションは、仲の良い男の子同士の楽しさが伝わってきました。お姫様役の辻田暁さんは、やんちゃで乱暴な動きと上品でセクシーな動きが、くるくる入れ替わるように出てくるのがとっても刺激的。
何役も演じられた高田恵篤さんが素晴らしかったです。鍛えられた身体は素敵ですね。KONTAさんは楽器を自在に演奏してくださって、女役も良かったです。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
ランタン売り(高田恵篤)の登場から一瞬にして劇世界へ。お見事!
お姫様の心を奪った魔物(高田恵篤)が住む森への転換が凄い!木がヒモの幕を押し上げるんです(んー説明できない)。
悪に魅せられた人間の恍惚も、ちゃんと甘く美しく表現。きれいごとでまとめることのない脚本・演出に惚れぼれします。
お姫様の魔法を解く瞬間の、あのスピード感にぞっくぞく!「お姫様の頭を叩くと、まず黒いカラスになって、次に白いハトになる。そして、たらいで頭を洗えば太陽のような少女になる」というシーンは、お姫様がぐるぐると舞台を走り回る内に、スカートのポケットに入っていた黒いスカーフを投げ、白いスカーフを投げ、たらいに頭を突っ込み、そして金吹雪が一斉に舞台に降り注ぐという、本当にアっという間のクライマックスになっていました。
杉並区内の小学校等の貸切公演多数あり。
≪東京:座・高円寺1、東京:あうるすぽっと、山口、新潟、岩手、鳥取≫
出演:高田恵篤、KONTA、楠原竜也、辻田暁、逢笠恵祐
原作:アンデルセン作「旅の道づれ」、ノルウェーの昔話「旅の仲間」より 脚本・演出:テレーサ・ルドヴィコ 台本:佐藤信 美術:ルカ・ルッツァ 照明:齋藤茂男 音響:島猛 衣裳:ラウラ・コロンボ、ルカ・ルッツァ 衣裳製作:今村あずさ 小道具:ゼペット/福田秋生 舞台監督:佐藤昭子 制作協力:ジュディ・オーエン 制作:座・高円寺/NPO法人劇場創造ネットワーク
【発売日】2009/07/03 全席自由・日時指定 おとな(18歳以上) 3,000円(税込)こども(小学生以上高校生以下) 2,000円(税込)未就学児 500円(税込)※すぎなみ子育て応援券がお使いになれます。
http://www.owlspot.jp/performance/090922.html
http://za-koenji.jp/detail/index.php?id=14
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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