稽古場レポートを書かせていただいた『赤と黒』初日に伺いました。予想していたよりも若々しい、カジュアルなドラマに仕上がっていて、楽しく拝見しました。
レッドシアターは小さな劇場なので、舞台上の役者さんに手が届きそうな距離で鑑賞。んーやっぱり木村了さんはきれい~。こんな贅沢は今後味わえるかどうかわかりませんよね。上演時間は約2時間10分休憩なし。
⇒TOKYO HEADLINE web 木村了インタビュー
⇒おけぴ管理人の観劇レポ(10/1ゲネプロ)
⇒CoRich舞台芸術!『赤と黒』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
19世紀フランス。ナポレオン(上山竜司)の時代が過ぎ去り、貴族社会が戻ってきた頃の物語。
貧しくとも野心に満ちた“ジュリアン・ソレル”(木村了)は、司祭として出世を目指していたが、
美貌と才知を買われ、住み込みの家庭教師として町長レナール氏(坂東亀三郎)に雇われる。
貴族への憎しみから貞淑なレナール夫人(上野なつひ)を誘惑するも、二人の関係は明るみに出て、ジュリアンは町を追われてしまう。
更なる野望を胸にパリへ渡ったジュリアンは、再び貴族(池下重大)の庇護を得て、社交界の華と謳われるラ・モール侯爵令嬢マチルド(富田麻帆)の愛をも勝ち取るが……
≪ここまで≫
白いキャットウォークが舞台を斜めに横切り、その周囲には所狭しと衣裳が陳列されています。ファッションショー仕立てになっているんですね。照明はカラフルなムービングライトに細い蛍光灯も多数。派手に盛り上げます。
型にはまったままの演技が続くわけではなく、ライブ感やアドリブ感が生まれる余裕(遊び/隙間)も用意されていました。選曲や転換については疑問を感じる時もありましたが、好みの違いだと思います。
恥ずかしながら私はスタンダール作「赤と黒」を読んでいませんので、原作と比較する視点は全く持たずに拝見。示唆に富んだ恋愛物語で、今に通じるメッセージもあり、自分の生活と照らし合わせて色々考えることができました。
ジュリアンが崇拝するナポレオンを、彼の影の存在として登場させるアイデアが面白かったです。
木村了さんが素敵でした。イケメンなのは前提として、やはり演技がとても自然。本当に思ったことが口から出てきているように見えます。だから今を生きている若者が悩み、行動し、挫折する様を信じられたんだと思います。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
ナポレオンに憧れるジュリアンと、王妃マルゴーに憧れるマチルダが惹かれ合うのが必然に感じられました。最後の最後になって、ジュリアンがレナール夫人の慈愛の心に気づくことにも納得。「ラテン語で聖書を暗唱できるまで勉強しても、神様って一体何なのかピンと来ない」という、ジュリアンの純粋な疑問に共感できたからだと思います。
衣裳を何度もたくさん着替えてくださって、それだけで目が嬉しいところですが、生地が安っぽいのが気になりました。
出演:木村了 上野なつひ 富田麻帆 本間ひとし 池下重大 眞藤ヒロシ 佐藤晴彦 上山竜司(RUN&GUN) 坂東亀三郎
原作:スタンダール 脚色・演出:赤澤ムック 脚本協力:清末浩平 美術:吉野章弘 照明:奥田賢太(オフィスダミアン)音響:中村嘉宏 衣裳:木村猛志(衣匠也) ヘアメイク:臼井寛子 演出助手:城野健 舞台監督:村岡晋 宣伝写真:引地信彦 宣伝美術:冨田中理(SelfimageProdukts) 制作:久家彩 プロデューサー:竹岸実夏 提携:赤坂RED/THEATER 撮影協力:渋谷キリストンカフェ 主催:avex live creative/サンライズプロモーション東京 後援:フジテレビジョン 企画製作:エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ
前売・当日¥6,000(全席指定)*未就学児のご入場はご遠慮頂いております
http://www.avexlive.jp/akatokuro/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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