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2009年10月04日

【稽古場レポート】Studio Life『十二夜』09/25都内稽古場

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『十二夜』キャスト集合写真

 男優集団Studio Life(スタジオ・ライフ)のシェイクスピア・シリーズ第3弾は『十二夜』です。劇団稽古場で行われた公開稽古に伺いました。Studio Lifeの記者発表⇒

 今年の夏に悲劇『LILIES』を上演したばかりの劇団とは思えない、堂々たる弾けっぷり!遊びっぷり!元気なドタバタ恋愛喜劇にすっかり引き込まれて大笑いさせていただきました。

 会場は銀河劇場や紀伊國屋ホールよりもずっと小さなシアターサンモール。α(アルファ)チームとβ(ベータ)チームの2バージョン公演ですので、お目当ての役者さんの配役をチェックして、お早めにご予約を! ※大阪公演は早々に完売しています。

 ●Studio Life『十二夜』⇒公式サイト
  10/15-11/08シアターサンモール
  ⇒公式ブログで楽しそうな稽古場の写真が紹介されています。
  ⇒CoRich舞台芸術!『十二夜

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 恋は変わり身が早い。気まぐれで変幻自在・・・ 
 双子の兄妹、セバスチャンとヴァイオラの乗った船が難破し、妹ヴァイオラはとある海岸に打ち上げられる。兄が死んだと思ったヴァイオラは、男装してシザーリオと名乗り、オーシーノ公爵の小姓として仕えることに。
 オーシーノは、伯爵令嬢であるオリヴィアに恋をしていたが、兄の喪に服している令嬢はその想いを頑なに拒んでいた。オーシーノはシザーリオに恋の使いを命じるが、密かにオーシーノへの淡い想いを抱くシザーリオにとってその命令はとても辛いものだった。
 ところが、使者として訪れたシザーリオに深窓の令嬢は一目惚れ!!
 令嬢に求婚中のアンドルー、思い込みの激しい令嬢の執事も加わって、シザーリオは令嬢をめぐる恋のスパイラルに巻き込まれていく。
 一方、ヴァイオラがてっきり死んだと思っている双子の兄セバスチャンがヴァイオラのいる街にやって来て、物語はさらにこんがらがった方向へ…
 ≪ここまで≫

 まずは劇団代表の河内喜一朗さん、座付き演出家の倉田淳さんからのご挨拶がありました。劇団の専用稽古場でとてもアットホームな雰囲気。

 河内「3度目のシェイクスピア作品を、全編オリジナル曲でお届けできることになりました。私はこれまでBGM選曲を担当しており、いつかはオリジナル曲をと見果てぬ夢のように思っていたのが、とうとう実現しました。スタジオ・ライフにとっても初挑戦で、新たな第一歩だと思っております。」

 倉田「シェイクスピアというと日本ではどうしても堅苦しい印象があるのですが、500年前にイギリスのテムズ川のほとりで上演されていた時は、絶対に庶民のものだったはず。ぶどう酒片手にみんなで楽しんでいた舞台にたどりつきたい。スタジオ・ライフならではのシェイクスピアを目指します。」

 そして、さっそくお稽古真っ最中のいくつかのシーンを目の前で演じてくださったんですが・・・いきなり凄い盛り上がり!大勢で踊る!走る!飛ぶ!歌う!・・・とっても楽しい!
 【写真:βチーム】
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 キャストの皆さんの姿勢は思いっ切り前のめり。飛びきり明るく、楽しいムードを作り出してくださいます。自由なアドリブも続出して笑いが絶えません。
 オーシーノ侯爵を演じる曽世海司さんは、身体能力の高さを生かして大きく動き、ピタっと止まり、シーンをずんずんと引っ張って行きます。ガチっと決まるポーズが面白いです。
 【写真左から:山本芳樹(ヴァイオラ:α) 曽世海司(オーシーノ)】
jyuniya_yamamoto_soze.JPG

 1人で笑いの旋風を巻き起こしていたのはアントーニオ役の牧島進一さん。共演者の皆さんも爆笑されていました。本番はいったいどんなキャラクターに進化するのかしら・・・(笑)。
 【写真左から:関戸博一(セバスチャン:β) 牧島進一(アントーニオ)】
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 ヒロイン・ヴァイオラのソロ歌唱シーンでは、両チームの差がはっきりと表れていました。
 山本芳樹さん(αチーム ↓写真)はフレーズごとに色んな表情を見せて、強い恋心と恥じらいが入り混じる様を丁寧に演じてらっしゃいました。山本さんの意図を探るように、じっくり見つめたくなります。
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 松本慎也さん(βチーム ↓写真)は秘めた思いを切々と歌い上げ、こみ上げてくる感情で体が壊れそうな、はかない姿が愛らしいです。本当に女の子みたい。
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 脚本は松岡和子さんの翻訳に忠実なものですが、倉田さんは「αは個性的に、βは可愛く」とチームごとに違う方向性を持たせているとのこと。
 【写真:劇団中堅からベテランがメインキャストのαチーム】
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 【写真:劇団若手がメインキャストのβチーム】
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 『十二夜』はシェイクスピア作品の中でも人気のある喜劇で、私も何作品か拝見しています(過去レビュー⇒)。スタジオ・ライフ版は親しみやすくて、ワッハッハと思いきり笑える、ノリノリ元気なラブコメ音楽劇になりそう♪ この作品のために作詞・作曲されたオリジナル楽曲も、劇団ならではの密度を高めてくれることと思います。

≪東京、大阪≫
【αチーム出演】ヴァイオラ/シザーリオ:山本芳樹 セバスチャン:奥田努 オーシーノ侯爵:曽世海司 オリヴィア:舟見和利 マライア:石飛幸治 サー・トービー:笠原浩夫 サー・アンドルー:青木隆敏 フェイビアン:藤原啓児 マルヴォーリオ:坂本岳大(客演) フェステ:山崎康一 アントーニオ:牧島進一 船長・司祭:河内喜一朗 コーラス隊:林勇輔/篠田仁志/冨士亮太
【βチーム出演】ヴァイオラ/シザーリオ:松本慎也 セバスチャン:関戸博一 オーシーノ:曽世海司 オリヴィア:及川健 マライア:林勇輔 サー・トービー:船戸慎士 サー・アンドルー:青木隆敏 フェイビアン:藤原啓児 マルヴォーリオ:坂本岳大(客演) フェステ:倉本徹 アントーニオ:牧島進一 船長・司祭:河内喜一朗 コーラス隊:大沼亮吉/荒木健太朗/三上俊/吉田隆太
脚本:シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出:倉田淳
【発売日】2009/09/06 FC:東京¥5000 ウィークデイマチネ¥3500 大阪¥5500 一般:東京¥5500 ウィークデイマチネ¥3500 学生:東京¥3000(劇団のみの取り扱い、要学生証、当日精算)大阪¥5800  * 未就学児童の入場は御遠慮下さい。
http://www.studio-life.com/stage/jyuuniya/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年10月04日 18:31 | TrackBack (0)