2009年12月30日
【寄稿】wonderland『年末回顧特集「振り返る私の2009-今年の3本」』
“wonderland”の年末回顧特集「振り返る私の2009-今年の3本」に参加させていただきました。⇒2008年、2007年、2006年
■しのぶの小劇場ベスト3(上演順)
1.サスペンデッズ『片手の鳴る音』(作・演出:早船聡)
2.モモンガ・コンプレックス『初めまして、おひさしぶり。』(構成・振付・演出:白神ももこ)
3.渡辺源四郎商店『ココロとカラダで考える差別といじめ-7日で作る「河童」-』(作・演出:畑澤聖悟)
シアタートラム・ネクストジェネレーション、F/T09春&秋、キレなかった14才♥りたーんず、SPAC春の芸術祭、東京芸術劇場・芸劇eyes(開催順)など、フェスティバル形式で若手および先鋭作品を紹介する企画が充実していた。今年の3本は敢えてそれら以外から選出。ストレート・プレイ、ダンス、ワークショップ発表会と多彩になったのは、作り手と観客との関わり方がより自由で幅広くなったのを実感したからだと思う。
2009年は『四色の色鉛筆があれば』『わが星』を作・演出した柴幸男(ままごと)の活躍なしには語れない。来年も新世代のアーティストが、舞台芸術と社会との新しいつながり方を示してくれる気がする。
(注)今年の3本は客席数300席以下の小劇場公演から選出。3作品の並びは上演順。2009年の観劇本数は289本の予定(2009/12/18時点)。
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【お知らせ】「CoRich舞台芸術アワード!2009」開催!(2010年1/5(火)投票〆切・1/8(金)結果発表)
CoRich舞台芸術!にて「CoRich舞台芸術アワード!2009」が開催されます。⇒投票に参加したメンバー
「観たい!」「観てきた!」のクチコミ件数等が一定条件を満たすCoRichメンバーの投票で、2009年の舞台作品ベストテンを決定し、その作品の作り手を多いに讃えよう!というイベントです。⇒2007年の結果 ⇒2008年の結果
第一位に輝いた団体には次回公演のバナー表示権(14日間)と、記念バナーが贈られます!
クチコミをしている作品に投票ができますので、この機会に2009年に出会った素敵な舞台について、みんなで語り合いましょう!色んな人のベストテンを見比べるのが面白いんですよね~。
芸術団体の皆さんは、観客が投票しやすいように公演情報をCoRich舞台芸術!に登録しておいていただけると嬉しいです♪
2009年12月27日
青年団『北限の猿』12/27-01/26こまばアゴラ劇場
平田オリザさん率いる青年団の『カガクするココロ』『北限の猿』2本立て公演です。劇団のホームであるこまばアゴラ劇場公演は全国ツアー最終地ですね。まずは『北限の猿』を拝見。『カガクするココロ』は来年1月の第2週ぐらいに行ければと思っています。1/26までのロングランです。
2008年に観た他劇団の公演と比較したり、去年の『森の奥』と重なる部分を確認したり。上演時間は約1時間20分。
⇒舞台写真
⇒CoRich舞台芸術!『「カガクするココロ」「北限の猿」』
≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
猿を人間に進化させるプロジェクトを研究している某国立大学の生物学研究室を舞台に、生命倫理の問題や日本人論、そして現代の若者の姿を鮮明に描き出す、「科学シリーズ」2本立て公演。
現在、大阪大学でロボット演劇プロジェクトに取り組む平田オリザの“「科学」と「演劇」の総合”の原点、待望の再演です。人類の文明の急速な進歩と、暖慢な進化の流れの二重奏をどうぞお楽しみください。
≪ここまで≫
『カガクするココロ』と『北限の猿』は平田戯曲「カガク三部作」の2つです(あと1つは『バルカン動物園』)。私は『北限の猿』しか観ていないですね。
実験対象である猿について論理的に語らう科学者たちこそが、猿に見えてくるのがやはり面白いです。現代的で清潔そうな、いわゆる研究室が舞台なのに、そこに居る白衣の人々が猿の群れのよう。
ここからネタバレします。
「ボノボは快楽のために乱交する」という監察結果から、人間という動物である自分自身について色々考えることができます。不倫(ただの浮気?)の末に妊娠してしまった女子大生が、“間引きするために崖を飛び越えさせられる妊婦”のようにイスとイスの間を飛び越えようとする場面から、どうしようもなく情けない人間らしさが感じられたり。
私の勘違いおよび思いこみかもしれないのですが、役者さんが段取りどおりに動いているように見える瞬間が続くと、気持ちが冷めてしまいます。「出番なので出てきました!」という空気を背負った登場とか、「今から大事なこと言いますよ!」と合図を出すような間(ま)とか。そういうことも一緒に楽しめればいいのかもしれないんですが。
新しくやってきた心理学専門の竹越役の堀夏子さん、夫婦で働いている木元妻役の工藤倫子さん、セールスマン高木役の安倍健太郎さんの演技には惹かれるものがありました。
≪伊丹、広島、鳥取、北九州、宮崎、東京≫
【出演】『北限の猿』:工藤倫子 村井まどか 山本雅幸 安倍健太郎 河村竜也 後藤麻美 小林亮子 長野海 二反田幸平 堀 夏子 村田牧子 山本裕子 海津忠 佐山和泉 中村真生
脚本・演出:平田オリザ 舞台美術:濱崎賢二 舞台美術監修:杉山至 照明:岩城保 演出助手:相馬加奈子 宣伝美術:工藤規雄+村上和子 太田裕子 宣伝写真:佐藤孝仁 宣伝美術スタイリスト:山口友里 制作:木元太郎 企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 協力:(株)アレス 国営昭和記念公園事務所
前売・予約・当日共一般=3,500円 学生・シニア(65歳以上)=2,500円 高校生以下=1,500円 2演目セット券(前売・予約のみ)一般=6,000円 学生・シニア(65歳以上)=4,000円 高校生以下=2,000円 *日時指定・全席自由席・整理番号付*学生・シニアの方は、当日受付にて学籍・年齢を確認できる証明書をご提示ください。*未就学児はご入場いただけません。*芸術地域通貨ARTS(アーツ)でもご観劇いただけます。(ARTSとは、桜美林大学内の演劇施設で施行されている地域通貨です。1ARTS=1円。)
http://www.seinendan.org/jpn/info/info090810.html
http://www.seinendan.org/jpn/info/info091009.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年12月26日
柿喰う客×三重県文化会館『スポーツ演劇「すこやか息子」』12/25-27王子小劇場
『スポーツ演劇「すこやか息子」』は三重県文化会館が劇団柿喰う客を招き、現地で作った作品です(滞在は2週間)。劇団員3人以外の出演者はすべてオーディションで選ばれた若い役者さんたち。東京公演は王子小劇場による招聘で実現しました。
“演劇とスポーツの融合を標榜する先駆的演劇作品”ということで、そういう心づもりで伺いました。確かにスポーツだし、演劇でした。とても面白く拝見しました。上演時間は約1時間20分と短めなので、1日3ステージあるのも納得です。ただ、役者さんはかなり疲労されるんじゃないでしょうか(笑)。
⇒CoRich舞台芸術!『すこやか息子』★CoRichでカンタン予約!・・・でも完売のようです。
漫画、アニメ、WEB動画などが大流行していて、「二次元の女子(男子)にしか萌えない」と公言する人ももはや珍しくない今、三次元の生命体である人間の身体の魅力を、文字通り真正面から堂々と見せてくれてました。元気であることって素敵。そんな当たり前がまぶしいです。
リズムに合わせてテキパキと振付をこなし、はつらつとセリフを発する役者さんたち。無機的に見える演技からドラマや笑いが豊かに生まれます。素舞台を大胆に色づけ&色分けする照明が映えました。音楽もかっこ良かった。
これが公共ホールの企画なのが凄いなと思います。劇団公演以外での中屋敷さん(今作品の作・演出)の活動にこれからも注目したいです。
ここからネタバレします。
赤ん坊(深谷由梨香)が世界に生まれおち、自分の目の前に居る家族、そして他人と出会い、連綿と続いていく家族関係が描かれます。役者さんの動作は基本的にずっとエアロビクス(に準ずるもの)で、客席を正面から見つめて感情を排したセリフを語るのですが、奥深いドラマを想像させる効果がありました。
主人公は“息子”(深谷由梨香)。息子には2人の姉がいて、嫁に行った長女がまだ実家にいる次女に「女は結婚して家を出なければいけない」と強く主張します。そのあたりの男女の立場(扱い)の違いが面白かったです。中屋敷さんは「東北地方(=中屋敷さんの出身地)の方には理解しやすいかも」とポスト・パフォーマンス・トークでおっしゃってたんですよね。東京暮らしが15年以上になる私は、婚姻制度や一般常識がますます実生活とかい離してるんだよな~と考えていました。
終演後のトークに続いてクリスマス会(?)がありました。一部ぐだぐだしてましたけど(苦笑)、見世物根性とサービス精神がいいなと思います。何しろ元気!一観客として嬉しくなると同時に、自分もがんばらねばと気持ちを引き締めました。
トークで中屋敷さんが「海外公演を見越しての創作」だったと告白されていました。家族という普遍的なテーマを選んでいたり、セリフの時制がすべて現在である(過去形などがない)ことなど、したたかさに感心しました。
≪三重、東京≫ 柿喰う客が三重県で仕掛ける、驚愕必死の挑戦作!
出演:玉置玲央(柿喰う客) 深谷由梨香(柿喰う客) 村上誠基(柿喰う客) 串田仁美 元山未奈美(劇団スマイルバケーション) 稲葉瑞希 from愛知 今津知也(オレンヂスタ) 右角81(劇団バッカスの水族館) 伊藤寛隆(オイスターズ/フ透明少年) 池田和佳美 大村亘 大西千保 吉田沙弥(劇団ひまわり) 川面紗織 富田文子(劇団ぎゃ。) 佐賀モトキ 右手愛美 伊佐美由紀
脚本・演出:中屋敷法仁 舞台監督:藤本志穂(うなぎ計画) 照明:富山貴之 音響:上野雅 衣装:飯田裕幸 宣伝美術:山下浩介 制作:赤羽ひろみ 主催:三重県/(財)三重県文化振興事業団 共催:王子小劇場
【発売日】2009/12/01 一般:2000円 学生:1500円 高校生以下:500円※学生・高校生以下チケットは共に要学生証提示
http://kkk-sukoyaka.seesaa.net/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年12月23日
ひょっとこ乱舞『モンキー・チョップ・ブルックナー!!』12/15-23シアタートラム
広田淳一さんが作・演出される劇団ひょっとこ乱舞の新作です。シアタートラムで9日間12ステージという、小劇場劇団としてはかなり大きな規模の公演です。12/22(火)14:00の回終演後のトークに出演させていただきました。お残りくださった皆様、ありがとうございました!
私がひょっとこ乱舞の作品を観るのはこれで6作目になります。今回の作品が一番面白かったです。レビューはほぼ記録のみ。
⇒CoRich舞台芸術!『モンキー・チョップ・ブルックナー!!』
≪あらすじ≫
小田(チョウソンハ)、星野(小菅紘史)、仁村(コロ)が3人暮らしをしている一軒家。星野が偶然に助けた“監禁されていた女”を、とりあえずかくまうことになり…。
≪ここまで≫
2方向から客席に挟まれる装置。とても風通しが良い空間。
看板俳優のチョウソンハはじめ、身体訓練を積んだ役者さんたちの息の合った動きが素晴らしかったです。
上演中に怪我をされたため、車いすに乗って演技をしていた役者さんがいらっしゃいました。開演前に作・演出の広田淳一さんが上手な前振りをされていたおかげで、マイナスではなくプラスの要素になっていました。
ここからネタバレします。
誰とも関係を持たず、迷惑をかけず、ひっそりと、好きなように生きていきたいと思っても、人間で有る限りそんなことはできないんですよね。
最後に、どこかの誰かの話ではなく、自分自身の話なんだと感じられる演出があって良かったです。
※レビューは短めです。
第22回公演"MONKEY CHOP BRUCKNER"
出演:チョウソンハ、中村早香、橋本仁、笠井里美、松下仁、根岸絵美、齋藤陽介、コロ(柿喰う客)、佐藤みゆき(こゆび侍)、小菅紘史(第七劇場)、永島敬三
脚本・演出:広田淳一 舞台監督:宮田公一(Y's factory) 舞台美術:大泉七奈子 音響:角張正雄 照明:三浦あさ子(賽【sai】) 衣装:澄井葵(青年団) ヘアメイク:増田加奈 演出助手:稲垣干城 上田康文 宣伝美術:タカダユウナ(初期型) 玉利樹貴(ロロ) 宣伝写真:聡明堂 Web:堀田弘明 遠藤沙土 記録:赤坂久美 内堀義之 制作:柏戸綾 塩田友克 砂田麻里子
終演後のトーク:17日14時 中屋敷法仁様(柿喰う客)/19日14時 出演者/20日14時 野村政之様(こまばアゴラ劇場) /22日14時 高野しのぶ様 (「しのぶの演劇レビュー」主宰)×矢作勝義様(世田谷パブリックシアター)
【発売日】2009/10/15 前売 全席指定 一般3,200円 ペア5,600円(前売りのみ) 前半割引2,800円 平日昼間割引 2,800円(当日一般は300円増、各割引は200円増)※学生 2,000円 高校生以下1,000円(当日各300円増)リピーター タダ観でゴー!0円(ひょっとこ乱舞のみ取扱い) 友の会会員割引 2,800円 世田谷区民割引 3,000円
http://hyottoko.sub.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年12月22日
「萩尾望都原画展」実行委員会主催「萩尾望都原画展」12/16-23西武ギャラリー
漫画家・萩尾望都さんのデビュー40周年を記念した、初の個展「萩尾望都原画展」に行ってきました。⇒製作発表の写真レポート
鮮やかな水彩画の細部までじっくりと拝見し、美しさにうっとり。『半神』の原画16ページすべてが見られたのも嬉しかったです。何度読んでも心の奥をゆすぶられます。
スタジオライフの特設「舞台化コーナー」では、萩尾作品の舞台映像のダイジェストが流されていました。DVD化されていないのでレアな機会だったと思います。
舞台で使用した小道具が展示されており、例えば『トーマの心臓』だと図書カードや手紙などがちゃんとドイツ語の文字で書かれていました。細部までこだわってらっしゃるんですね~!
図録↓を購入。オリジナル香水は完売していました。
デビュー40周年記念「萩尾望都原画展」会場:西武池袋本店 別館2階=西武ギャラリー
主催:「萩尾望都原画展」実行委員会 共催:株式会社トラフィックプロモーション/株式会社リブロ 総監修:萩尾望都
入場料:一般700円 大学生・高校生500円 中学生以下無料
http://www.hagiomoto-gengaten.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年12月16日
ヨーロッパ企画『曲がれ!スプーン』12/10-22紀伊國屋ホール
映画化も話題になっているヨーロッパ企画の全国ツアーです(⇒前回のレビュー)。とにかく笑いに笑って、笑い疲れました(笑)。あーもー満腹。誰かと一緒に行けば良かったな~(←いつも一人)。
上演時間は約1時間50分。ロビーでパンフレット「ヨロッパ通信・第7号を」購入(700円)。映画版と舞台版の役者さんの対談が載ってました。
映画『曲がれ!スプーン』(関連記事⇒1、2、シアターガイド特集)はMovie Walker「見てよかった映画ランキング」(12/8~12/14)で第3位です。でも東京は12/18とか12/22で上映が終わっちゃうみたい。気になる方はお急ぎくださいね!本広監督&エスパーたちへのインタビュー⇒1、2、3
⇒CoRich舞台芸術!『曲がれ!スプーン』
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
クリスマスイブ。町外れの、うら寂れた喫茶店『カフェ・ド・念力』。
集まってきたのは、各種様々な超能力を持ったエスパーたち(石田剛太/酒井善史/諏訪雅/中川晴樹/本多力)。今夜はここで、秘密の「エスパーパーティ」が開かれようとしている。普段は能力を隠して暮らしている彼らが、初めてその“力”を、仲間同士で披露しあうのだ。
呼びかけ人であるマスター(角田貴志)が、少し席を外している間、痩せた男・神田(永野宗典)が店に迷い込む。仲間が来たと勘違いしたエスパーたちは、彼をパーティの輪に招き入れる。しかし、やがて神田はエスパーではないことが判明。自分達の秘密を口外されたくないエスパーたちは、あれやこれやと策を練ることに。ところがそこへ、超常現象番組のAD・桜井(山脇唯)が、神田を取材にやってきて…。
≪ここまで≫
美術は高さもあるリアルな喫茶店。木のぬくもりと、おっとりとした田舎の雰囲気があります。開演前のアナウンスで紀伊國屋ホールにひとときの静寂が。やがて音楽とともに厳かに開幕しました。劇団員の皆さんの、親しみやすくて気持ちのいいやりとりに、自然と心が開かれていきます。私はのびのびとリラックスして、すっかり笑う準備万端の状態。まんまとゲラゲラ笑わせていただきました。なんだかコテンパンにやられた気分だなー(笑)。
全国8か所を回るツアーで、東京の紀伊國屋ホール公演は約2週間という長期間です。でも出演者は劇団員のみ(有名人の客演がありません)。カーテンコールでパンフレットやDVDなどの物販告知をされるので、劇団員の皆さんがそれぞれに色んな分野で力を発揮して、劇団活動を続けていることがわかります。ヨーロッパ企画という劇団ならではの作品を楽しむことができて嬉しいです。
ここからネタバレします。
米(よね)の名刺の中の蜘蛛を無事に退治して(笑)、空飛ぶ偽サンタ計画も成功し、転がるボストンバッグの救世主の正体もわかった後、可愛らしい曲が流れました。音色はテレビゲームのBGMのようで、優しくて穏やかなムードに加え、少ししんみりするような切なさも感じられてとっても良かった。
最後の最後にへっちゃら男(土佐和成)が出てきてくれて、楽しくなりました。オープニングとエンディングがきれいにまとまりましたね。これは今回あらたに追加された場面です(パンフレットより)。
ヨーロッパ企画第28回公演
≪栗東(プレビュー公演)、東京、いわき、京都、広島、福岡、名古屋、大阪≫
出演:石田剛太/酒井善史/諏訪雅/角田貴志/土佐和成/中川晴樹/永野宗典/西村直子/本多力/山脇唯
脚本・演出=上田誠 音楽=滝本晃司 美術=長田佳代子 照明=葛西健一(GEKKEN staffroom) 音響=宮田充規(GEKKEN staffroom) 衣装=中嶋佑-(artburt) 映像=大見康裕 演出助手=柳原暁子 舞台監督=筒井昭善×大鹿展明 宣伝美術=太田洋晃 島田雄一(Marble.co) 宣伝写真=小檜山貴裕 制作=井神拓也 諏訪雅 本多力 吉田和睦 吉永祐子 WEB=樫木由子 柏敏行 片岡二郎 中路まリ絵 京都芸術センタ一制作支援事業 企画・製作=ヨーロッバ企画/株式会社オボス
【休演日】12/15(火)【発売日】2009/10/04 前売3,500円 当日3,800円(全席指定・未就学児入場不可)
http://www.europe-kikaku.com/projects/e28/main.htm
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Bunkamura『東京月光魔曲』12/15-01/10 Bunkamuraシアターコクーン
Bunkamura二十周年記念企画ということで、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん作・演出の新作に、超豪華キャストが揃っています。初日に伺いました。上演時間は約3時間30分(途中休憩15分を含む)。年越しのカウントダウン公演もあるようです。
ネットや雑誌からの情報によると脚本完成がやはり遅かったらしく、期待を上回る完成度ではなかったですが、役者さんがギリギリのテンションで大勝負をしている感覚はスリリングで面白かったです(観客だから言えることですけど)。小劇場俳優の活躍が嬉し過ぎた。そして瑛太さんがセクシー過ぎた!ぎゃー!
⇒CoRich舞台芸術!『東京月光魔曲』
レビューを加筆しました(2010/01/12)。
≪あらすじ、というより登場人物をサラリと紹介するのみ≫
昭和4年の東京。父を戦争で、母を地震で亡くした2人暮らしの姉弟(松雪泰子、瑛太)、田舎から大きな夢を抱いて上京した兄弟(ユースケ・サンタマリア、長谷川朝晴)、息子がフランスに留学中の夫婦(大鷹明良、伊藤蘭)、カフェを経営する成金(林和義)の放蕩息子(赤堀雅秋)とその悪友(岩井秀人)、そして連続する猟奇殺人事件の謎を追う、貧乏探偵(橋本さとし)とその助手(犬山イヌコ)と小説家(大倉孝二)らが交錯する、狂騒的でエロティックで、実はかなり怖~いお話。
≪ここまで≫
入り組んだ構造で、観ていて退屈しない回り舞台。凝った造りで衣裳も一緒に昭和のムードです。
岩井秀人さんや長谷川寧さんら小劇場で活躍してきた方々が、シアターコクーンの舞台に立っているのを見るだけでドキドキしました。「吉本菜穂子さんと赤堀雅秋さんが会話してる!!」とか(笑)。目が泳いじゃった(客なのに)。一体何を見てるんでしょうね、私ったら。※長谷川さんは『パイパー』に出演してらっしゃいますが、その時はアンサンブルでした)
達者な役者さんが笑わせてくれて、華やかな見せ場もいっぱいで、中盤以降はずんずんサスペンス・ホラーな雰囲気が高まって来ました。色っぽい空気と背筋がゾっとする怖さが良かった~!最後にはたたみかけるようなどんでん返しが続いて面白かったですが、トリックの詳細(理由)までは理解できなかったな~。まだ完成していないんだと思います(初日の時点では)。
瑛太さんが超セクシーで、あるシーンでクラクラしちゃいました(笑)。初舞台の『牡丹燈籠』では残念な感じだったので、映画で瑛太さんの素敵な姿を見ていた者としては嬉しい限り。本領発揮というか、素材を存分に生かされた姿を見せていただけたように思います。また舞台に出ていただきたいです。
ここからネタバレします。
針生澄子(松雪泰子)も倉本(大鷹明良)も動物園で働いているので、よく動物園の場面になるのですが、舞台装置は繁華街の印象が強いので、動物園を想像するのが難しかったですね。動物の鳴き声はヒントになりましたけど。
霊術(?)を使うのは澄子の弟・薫(瑛太)だけではなく、探偵(橋本さとし)もなんですね。ということは・・・伊藤蘭さんとのラブシーンの相手(=瑛太さんが演じていた)は誰だったの?薫は果たして実在したの??もう1度観て確かめたいな~。DVD出るかな~。
恐慌前夜が舞台なのは岩松了さんの『マレーヒルの幻影』もそうでしたね。劇作家同士でどこかシンクロするところがあるのかしら。
Bunkamura二十周年記念企画
出演:瑛太、松雪泰子、橋本さとし、大倉孝二、犬山イヌコ、大鷹明良、長谷川朝晴、西原亜希、林和義、長田奈麻、赤堀雅秋、市川訓睦、吉本菜穂子、植木夏十、岩井秀人、長谷川寧、桜乃まゆこ、嶌村緒里江、森加織、吉沢響子、渡邊夏樹、伊藤蘭、山崎一、ユースケ・サンタマリア
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 音楽:朝比奈尚行 美術:BOKETA 照明:小川幾雄 衣裳:前田文子 音響:水越佳一 映像:上田大樹/荒川ヒロキ ヘアメイク:河村陽子 振付:広崎うらん 演出助手:山田美紀 舞台監督:福澤諭志 ムービングプログラマー:高田和彦 音楽助手:鈴木光介 録音演奏:日高和子 アクション指導:明樂哲典 大道具:C-COM舞台装置 唐崎修 背景:櫻井俊郎 鉄骨:くれよん 藤林保 小道具:テルミック 崎山雅之 小道具協力:高津映画装飾 池上三喜 特殊効果:土屋工房 土屋武史 電飾:イルミカ東京 運搬:マイド 衣裳製作:東京衣裳 ウィッグ製作:スタジオAD かつら:細野かつら店 履物:神田屋 イラスト:菅原芳人 宣伝美術:小松清一/峰田久美(FACE DESIGN) 劇場舞台技術:伊集院正則 野中昭二 営業:加藤雅広 中川未来 票券:小瀧香 制作助手:山田智恵 武藤香織 今井信人 制作:金子紘子 プロデューサー:加藤真規 松井珠美 主催・企画・製作:Bunkamura
S席\9,500 A席\7,500 コクーンシート\5,000 (税込)
[12/31カウントダウン・スペシャルバージョン]S席\13,000 A席\11,000 コクーンシート\8,500※12/31に限り特別料金となります※18歳未満の方は保護者の同意書または保護者にあたる方(20歳以上)の同伴が必要となります。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_09_makyoku.html
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【つぶやき】USBメモリー「GRiD TAG」2GBの2本セットが5,040円♪
家族へのクリスマス・プレゼントにしようと思い、USBメモリー「GRiD TAG」2GB2本セット(数量限定・送料込み:5,040円)を購入。昨日amazonで注文したら今日届きました!⇒昨年ご紹介しました。
売り上げランキング: 15403
グッドデザイン賞2008・中小企業庁長官特別賞に続いて、ドイツやアメリカでもプロダクトデザイン賞を受賞したようです。リンク⇒1、2、3。
4GBや新色(PALE BLUE, MAGENTA)も出ています。USBメモリーのデザインを重視される方には、2GBの2本セットはお得なのではないかと思います。
売り上げランキング: 114570
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2009年12月13日
【写真レポート】Studio Life「劇団スタジオライフ『トーマの心臓』『訪問者』連鎖公演×萩尾望都原画展 製作発表会」11/27早稲田奉仕園スコットホール
製作発表
創立25周年を迎える劇団Studio Lifeが代表作『トーマの心臓』(過去レビュー⇒1、2、3)を再演します。『トーマの心臓』の原作は漫画界の巨匠・萩尾望都さん。『トーマ…』のサイドストーリーである『訪問者』(⇒過去レビュー)も10年ぶりに再演されます。
『トーマ…』は〈Grau〉と〈Blau〉の2バージョン公演で、主要登場人物でダブルキャストなのは3人だけ。『訪問者』はシングルキャストですから、両作品とも完成度の高さに期待できるのではないかと思います。私は原作漫画の大ファンなので連鎖公演は待ちに待った企画です♪
萩尾さんのデビュー40周年を記念した初の個展「萩尾望都原画展」も今月開催されるとのことで、2つのイベントの合同制作発表会(⇒ご招待情報)に伺いました。Studio Lifeの記者発表⇒1、2、3、4、5、6
●Studio Life創立25周年記念『トーマの心臓』『訪問者』連鎖公演
期間:2009年2月27日(土)~3月22日(月・祝)
会場:紀伊國屋ホール他、名古屋、仙台公演あり
チケット:全席指定 前売・当日共¥5,800
⇒CoRich舞台芸術!『「トーマの心臓」「訪問者」』
●デビュー40周年記念「萩尾望都原画展」
期間:2009年12月16日(水)~23日(水・祝)
会場:西武池袋本店 別館2階=西武ギャラリー
入場料:一般700円 大学生・高校生500円 中学生以下無料
●男子校カフェ・エーデルシュタイン
コラボレーションカフェ「シュロッターベッツ・ギムナジウム」
期間:2010年1月10日(日)~1月31日(日)
※12月26日(土)23:00より予約開始
●萩尾望都・倉田淳トークショー
1996年に『トーマの心臓』を初めて舞台化して以来、原作者の萩尾望都さんと劇団スタジオライフは10年以上のお付き合い。劇団の全作品の脚本・演出を手掛ける倉田淳さん(↓写真左)が聞き手となり、萩尾さんからとっておきのお話を伺うことができました。
倉田「『トーマの心臓』制作秘話を教えてください。この物語を描かれたのには、何かきっかけがあったのでしょうか?」
萩尾「吉祥寺で『悲しみの天使』という映画を見ました。男子校の2人の少年が愛し合うんだけれど、先生にばれて引き離されて、年下の少年が自殺してしまうんです。残された年上の少年はその後どうやって生きていくんだろう・・・と妄想モードに入ってしまって(笑)。ちょうどその頃に編集者さんから長編のお話をいただいて、(この題材を)提案してみたらOKが出ました。」
倉田「『訪問者』についてはいかがですか?」
萩尾「『トーマの心臓』にはオスカー、エーリク、ユリスモールという主要人物がいます。それぞれの人生について妄想が広がりまして(笑)。連載当時はオスカーのエピソードも入れたかったんだけど、メインストーリーも大変なのにサイドストーリーまで膨らむのはもっと大変だと思って。それに、いつまで連載できるかもわからないし(笑)。いつか時間ができたらと思ってました。
ずいぶん経ってから、松本清張さんの小説「砂の器」が映画化されて、テレビで放送されているのを見たんです。子供が父と旅する風景が出てきて、『いいな~、オスカーもお父さんとあちこち旅をしたんだろうな~』と思って、突然描きたくなって。」
倉田「『トーマの心臓』と『訪問者』では一人では生きていけない登場人物同士が、誰かにすがりたいと思って苦しみます。でも、なかなか(その思いを成就させることは)難しい。他者を理解しようとする時に、大事にしてらっしゃることはありますか?」
萩尾「他者のことは本当にわからないですよね。親でも恋人でも相手のことがわかりづらい。人間って表に出しているのは氷山の一角のようにほんの一部で、9割は水の中に沈んでいるようなもの。その隠れている部分に興味があるんですよね。そこがわかればコミュニケーションが取りやすくなるだろうし、テレパシーとかで相手のことが理解できるといいな~と思うんですが(笑)。この年になっても勉強している最中です。」
●Studio Life創立25周年記念『トーマの心臓』『訪問者』連鎖公演
劇団代表・河内喜一朗「スタジオライフは1985年に新宿の小劇場タイニイアリスで旗揚げし、来年25周年を迎えます。ここまで劇団活動を継続できた、その原動力はひとえに、1996年に『トーマの心臓』を初演できたことに他なりません。あの公演以来、役者たちの演技が変わり、倉田の演出の方向性が定まりました。
『トーマの心臓』に登場する少年たちの心の葛藤をより深く理解するために、劇団員はNYのアクターズ・スタジオの先生にメソッド演技を学び、フランスのジャック・ルコックの演技術を学ぶ者もありました。劇団でもワークショップを企画して、今も続けています。これからもより良い芝居を、高みをもとめて精進します。」
倉田「『トーマの心臓』と『訪問者』はそれぞれに独立した物語ですが、共通する登場人物が出てきます。互いが独立しながら、後ろにもうひとつの世界があぶりだしのように浮上してくるのです。2つの世界を同時に追体験できるのは、とても贅沢なこと。上演できるのをありがたく思っています。
『トーマの心臓』初演は劇団を立ち上げて10年目の年でした。1度目の連鎖公演は15年目、そして2度目となる今回は25周年の節目です。萩尾先生の40周年とも重なって個人的にぞくぞくしています。この思いを舞台に乗せたい。」
●主要キャストから意気込みをひとこと!
【『トーマの心臓』エーリク役:松本慎也】
松本「スタジオライフにとって『トーマの心臓』は代表作で、僕自身にとってもかけがえのない、本当に特別な作品です。前回2006年に初めてエーリクをやらせていただいて、人として、役者として、たくさんのことを学びました。今僕がこうしてここに役者として立っていられるのは、『トーマの心臓』、そしてエーリクに出合えたからだと思ってます。これまで役者として過ごして得てきたものをすべてを賭けて、全力でお芝居をします。」
【『トーマの心臓』〈Blau〉ユリスモール役:青木隆敏】
青木「『トーマの心臓』は僕の初舞台の作品で、(初舞台の後も)3度参加させていただきましたが、いつも5人組のイグー役でした。イグーにとってユリスモールとは、常にあこがれの存在でありヒーローでした。そんなヒーローをイグーだった僕が演じさせていただくのは感慨深いことです。漫画界やスタジオライフにとって『トーマの心臓』は聖域だと思います。そしてユリスモール役に挑戦させていただくことを、とても神聖なことに感じます。未熟な僕にとっては不安もありますが、萩尾先生、スラジオライフ、そして僕をここまでつなげてくれた『トーマの心臓』という作品だからこそ、きちんと向き合って真摯に取りくみたいと思っています。」
【『トーマの心臓』〈Blau〉オスカー役:岩﨑大】
岩﨑「僕は『訪問者』で初舞台を踏み、2000年の『訪問者』で少年オスカーをやらせていただきました。ものすごく苦しみ、悩みながら世界観を探して試行錯誤し、(オスカーと)父との愛、母への愛など色々なことを感じさせてもらえました。今回は『トーマの心臓』で、ちょっと大人になったオスカーをやらせていただきます。劇団25周年、萩尾先生の40周年という記念の年に、オスカー・ライザーとして舞台に立てる喜びを胸にがんばります。」
【『トーマの心臓』〈Grau〉ユリスモール役:山本芳樹】
山本「『トーマの心臓』ではユリスモール役一筋でやらせていただいています。この作品と出会い、この役を演じさせていただいていることは、僕の俳優人生ですごく幸せなことだと思っています。今の僕を形成しているものの中で、大きな割合を占めていると言っても過言ではありません。そんな大切な作品を、今回も精一杯つとめさせていただきたいと思います。」
【『訪問者』オスカーの母親ヘラ役:吉田隆太】
吉田「『トーマの心臓』と『訪問者』の連鎖公演をやる意味を、観ていただいた全ての方に味わっていただけるように精一杯がんばっていきたいと思います。『訪問者』は幸せを一生懸命に探した家族3人が、色んな事に悩み苦しみながら、最後に少年オスカーがシュロッターベッツ(『トーマの心臓』の舞台となる男子校)の門をくぐるまでのお話です。稽古や本番を通じて、幸せというものを追及していきたいと思っています。お客様には2作品両方を観ていただいて、萩尾先生の世界を深く深く味わっていただきたい。」
【『訪問者』オスカーの父親グスタフ役:高根研一】
高根「僕も『訪問者』が俳優人生での初舞台でした。今回グスタフ・ライザー役をやらせていただくと聞いて、とても嬉しく思いました。全力でやらせていただきたいと思っています。」
【『トーマの心臓』〈Grau〉オスカー役:曽世海司】
曽世「僕が『トーマの心臓』に初めて参加させていただいたのは、1997年の2度目の上演の時でした。それ以来、萩尾先生の作品にはすべて出演させていただいています。オスカー役は何度かやらせていただいていますが、オスカーを演じるにあたって『訪問者』という存在は、自分の役作りにとって必要不可欠なバイブル。『トーマの心臓』と同時に上演させていただけることを光栄に思います。役者人生すべてをかけて演じさせていただきます。」
●萩尾望都さんより劇団スタジオライフ、および今回の連鎖公演について
萩尾「漫画や小説が舞台として立ち上がる時、演出家の意図が“全く別の作品に作り変えたい”というものである場合もあるんです。でも倉田さんの作風はとにかく原作のスピリッツを大切にして、それを壊さないで表現するということ。それに尽きるような製作をずっとやってらっしゃいます。作品をどう読むかは演出家の個性によるところが大きい。なのに(原作者の)私も及ばなかったようなところまで作品世界にどっぷりひたって、そこから全てをあらわすように具体的に構成してくださる。だから美しい倉田世界およびスタジオライフ作品はどれも信頼しています。」
萩尾「舞台上にいるのは日本人なのだけれどドイツに居るような心地になる、そんなファンタジーと言いますか、魔法を何度も観せていただいて、原作者冥利に尽きると感激しております。私の方も舞台を観ながら学ぶことがたくさんあり、本当に感謝しています。
今回の連鎖公演で新しいグスタフや少年オスカー、そしてエーリクやユーリ(=ユリスモール)をはじめ新しいシュロッターベッツの生徒たちに会えるのが楽しみです。公演ごとに色んなバージョンが生まれて、役者が違うとここまで違うのかと、見どころも尽きません。皆様にもそういったところをお楽しみいただけたらと思います。」
●デビュー40周年記念「萩尾望都原画展」@西武ギャラリー(池袋)
期間:2009年12月16日(水)~23日(水・祝)
萩尾望都原画展の紹介
萩尾望都さんのデビュー40周年を記念して、初の個展が開催されます。
デビュー初期から現在に至るまでの、萩尾さんご自身が厳選した原画数百点をはじめ、白黒の原稿、作品のイメージに使用したお人形、雑貨類も展示されます。
購入可能なグッズも盛りだくさんで、萩尾さんの出版書籍はもちろん、この展覧会の図録や『ポーの一族』をイメージした香水など、多種多様に充実しているそうです。
スタジオライフの特設「舞台化コーナー」もあり、過去の萩尾作品『トーマの心臓』『訪問者』『メッシュ』『マージナル』の衣裳や小道具、パンフレットも展示予定とのこと。
劇団員がシュロッターベッツの制服を着用し、日替わりでお客様応対するというのは、劇団ファンにとっては朗報ですね♪(※毎日16時~20時の間)
週末にはサイン会やトークショーも開催されます(※「参加整理券」が必要です。詳細をご確認ください)。
・12月19日(土)劇団Studio Lifeキャストによるトークショーとサイン会
出演:オスカー役を演じる曽世海司・岩﨑大・荒木健太朗
・12月20日(土)萩尾望都&倉田淳トークショー
・12月23日(水)萩尾望都サイン会
※『トーマの心臓』は〈Grau〉と〈Blau〉の2バージョン公演 ※『訪問者』は東京公演のみの上演
『トーマの心臓』【出演(東京公演)】ユリスモール:〈Grau〉山本芳樹〈Blau〉青木隆敏 オスカー:〈Grau〉曽世海司〈Blau〉岩﨑大 エーリク:松本慎也 レドヴィ:関戸博一 アンテ:植田圭輔(客演) バッカス:牧島進一 サイフリート:〈Grau〉奥田努〈Blau〉高根研一 シャール:〈Grau〉青木隆敏〈Blau〉山本芳樹 クローネ:〈Grau〉堀川剛史〈Blau〉平居正行(Fresh) カイザー:荒木健太朗 ヘニング:〈Grau〉篠田仁志〈Blau〉原田洋二郎 リーベ:〈Grau〉仲原裕之〈Blau〉緒方和也 アーダム:吉田隆太 アル:石井昭裕 イグー:神野明人 ヘルベルト:冨士亮太 ミュラー:船戸慎士 ブッシュ:藤原啓児 シェリー:〈Grau〉岩﨑大〈Blau〉曽世海司 エリザ:藤原啓児 シュヴァルツ:山﨑康一 ヴェルナー:河内喜一朗 アデール:石飛幸治 ※出演者は都合により変更となる場合もございます。
『訪問者』【出演】グスタフ・ライザー:高根研一 オスカー・ライザー:荒木健太朗 ヘラ:吉田隆太 ルドルフ・ミュラー:船戸慎士 ニーナ:青木隆敏 シュテファン:植田圭輔(客演) バッハマン:河内喜一朗 アズ:仲原裕之 エンゲリーカ:関戸博一 ローレンツ:牧島進一 山本芳樹・曽世海司・岩﨑大・小林浩司・奥田努・篠田仁志・冨士亮太・石井昭裕・緒方和也・神野明人・原田洋二郎・堀川剛史・山﨑康一・石飛幸治・藤原啓児・他 スタジオライフ劇団員 ※出演者は都合により変更となる場合もございます。
原作:萩尾望都(『トーマの心臓』『訪問者』小学館文庫) 脚本・演出:倉田淳
前売・当日共¥5,800 【全席指定/税込】*未就学児童の入場はご遠慮ください。
http://www.studio-life.com/stage/toma2010_new/index.html
「萩尾望都原画展」主催:「萩尾望都原画展」実行委員会 共催:株式会社トラフィックプロモーション/株式会社リブロ 総監修:萩尾望都
http://www.hagiomoto-gengaten.com/
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【情報】仕事力「文化を手放すな 野田秀樹が語る仕事」10/04-25(朝日新聞)
朝日新聞の求人欄に連載された野田秀樹さんのインタビューが、インターネットでも公開されています。
○仕事力「文化を手放すな 野田秀樹が語る仕事」全4回
⇒「ギスギスせず生きるために」
⇒「上滑りの文化交流でなく」
⇒「刺激依存に陥っていないか」
⇒「形ばかり、から離脱しよう」
野田「おそらく文化や芸術というものは、演劇はもちろん、美術や音楽も含めてそれに触れるたびに、ずっと長く人間の中に蓄えられて人生の底に流れ続けていくのだと思う。何かすぐに答えをくれるわけでもなく、能力が飛躍するわけでもない。でもだからこそ、人生がギスギスしないように生きるには必要なのだと思います。」(こちらより引用)
野田「(略)つまり日本人の文化が引き渡されていかない。でも、前述したように、昔に戻れるかといったらそれは難しいことに違いない。
おそらく、そのはざまで、「そうは言っても人間はさあ、こうではないか、ああではないか」と問い続けるのが演劇の仕事でしょう。
簡単に答えは出ない。時代は動いていく。その急ぎ足の途中で、取りあえず受け取ってもらいたいものが演劇の中にあると僕は思っています。」(こちらより引用)
カテゴリー:【演劇教育】
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【演劇教育】内閣府行政刷新会議ワーキンググループ「事業仕分け」への意見募集は12/15(火)〆切です(メールのみ)
文部科学省が「事業仕分け」対象事業についての意見(パブリックコメント)募集をしています。関連記事⇒1、2、3、4、5、6、7
〆切が近づいてきましたので、このエントリーに送り先メールアドレス、件名などをまとめてみました。
パブリックコメントは11/25の時点で14,000件以上届いていたようです。残念なことに文化についてのメールは非常に少ないとのこと(シンポジウムでの鈴木寛さんの発言より⇒【緊急告知】第1回事業仕分けに関する助成金フォーラム)。
「事業仕分けへの意見募集」〆切は12/15(火)です!※メールのみ
ほんのひとことでもいいと思います。よかったらご意見をメールで届けてください。
⇒「同じ小沢だから」征爾さん、一郎氏に抗議(読売新聞)
⇒団十郎が仕分け「待った」民主党乗り込む(朝日新聞)
⇒桂歌丸さん、事業仕分けに反発(TBS News)
⇒牧阿佐美さん「新国立劇場は世界への窓 仕分け「予算縮減」に反論」(朝日新聞)2009/12/16加筆
■文部科学省 平成21年11月16日
「行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください」(⇒公式ページ)
件名:事業番号、事業名を記入のこと。
事業番号3-4 「独立行政法人・日本芸術文化振興会関係」
※(財)新国立劇場運営財団、(財)おきなわ運営財団、芸術創造・地域文化振興事業、子どものための優れた舞台芸術体験事業、芸術文化振興基金事業のことです。
送信先:nak-got(アットマーク)mext.go.jp
宛名:中川正春・後藤斎
件名:事業番号、事業名を記入のこと。
事業番号3-5(1)「芸術家の国際交流」
事業番号3-5(2)「伝統文化子ども教室事業」
事業番号3-5(3)「学校への芸術家派遣」、「コミュニケーション教育拠点形成事業」
送信先:nak-got(アットマーク)mext.go.jp
宛名:中川正春・後藤斎
【つぶやき】
専門的なことがわからなくても、観客だからこそ伝えられることがあるのではないかと思います。
例:事業番号3-5(1)「芸術家の国際交流」について
文化庁の新進芸術家海外研修制度で留学した演劇人というと、野田秀樹さんや野村萬斎さん、鴻上尚史さんのお名前がよく上がります(⇒文化庁「新進芸術家海外研修制度・これまでの主な派遣者」)。最近だと長塚圭史さんですね。でも留学されているのは有名な劇作・演出家だけではありません。
演出家だと新国立劇場の前・現芸術監督である栗山民也さん、鵜山仁さん、照明家では沢田祐二さん、勝柴次朗さん、美術家では妹尾河童さん、島次郎さん、二村周作さんなど。有名演劇賞の受賞者に名を連ねる錚々たるアーティストの方々です。小劇場界だと、青年団系の新鋭演出家の間でひっぱりだこの美術家・杉山至さんや、ドイツから帰国したばかりの照明家・木藤歩さんも在研会の一員です(⇒帰国後最新作レビュー)。
仕分け人いわくの「投資の効果」は、彼らの素晴らしい仕事を鑑賞している、私たち観客がよくわかっているはずです。
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2009年12月12日
【つぶやき】文化芸術について自分なりに考えてみました
あと20日足らずで2009年が終わりますね。内閣府行政刷新会議「事業仕分け」は、私にとって今年一番の衝撃的な出来事となりそうです(関連エントリー⇒1、2、3、4、5)。
例えば仕分け人の評価コメントに「そもそも文化振興は国の責務か、民間中心で行うか、議論が必要。」(PDF)というものがあります。発言を短くまとめたものなので、文脈に沿っていない可能性もありますが、与党が行った会議の公式な結果としてインターネット上に公表されているので、どうしてもやり過ごすことができません。
芸術文化から生きるために必要なことを学び、助けてもらい、いま幸せに生きることができている一日本国民として、相変わらずたいしたことは書けないですが、今感じていることを言葉にしておこうと思います。
⇒「事業仕分けへの意見募集」〆切は12/15(火)です!※メールのみ
私は小学生の頃は漫画、中高生の頃は映画に夢中で、引きこもりにはならない程度ですが1人で家にいることが多く、学校が大嫌いでした。でも大学1年の時に学生演劇に出合い、はじめて本気になって友人と一緒に好きなことに没頭して、生まれ変わったように楽しくなりました。自分に変化をもたらし、人生を豊かにしてくれたのが、私にとってはたまたま演劇だったようです。
大好きな新国立劇場で上演された井上ひさし作品(東京裁判三部作⇒1、2、3)から、学校では教えてもらなかった戦争について、天皇制についての、自分の血肉になる知識が得られました。
⇒(財)新国立劇場運営財団は事業仕分けで「圧倒的に予算を縮減したい」(PDF)とまとめられている。
ジェニー・シーレイさんの演劇創作ワークショップを見学し、「人間は一人ひとりが平等で、それぞれにかけがえのない存在である」ことを体と心で確信できました。
⇒1年後に東京都世田谷区の公共ホールであるシアタートラムで上演。
青年団の本拠地であるこまばアゴラ劇場では国際交流が盛んに行われており、世界を新しい切り口で見せてくれる若い才能がどんどん輩出されています。私は非常に安いチケット代で気軽に彼らの作品を鑑賞し、ともに成長することができているように感じています。
⇒こまばアゴラ劇場は文化庁芸術拠点形成事業の支援を受けている。
勉強不足で申し訳ないですが、国が私たちから集めた税金が、文化芸術のためにどんな形で使われ、どのような経済効果を生んでいるのかを、私は正確には知りません。ただ自信を持って言えるのは、日本で生まれ育った私がこの国で鑑賞・体験した文化芸術は、私の人生を面白くしてくれて、今生きている喜びを実感させてくれる、世界中に自慢したいぐらい素晴らしいものだということです。
若者のホームレスが増加し、自殺者は毎年3万人を超え、被爆国だというのに核廃棄物による環境汚染が進んでいる・・・そんなニュースばかりを目に、耳にします。未来への希望が持てそうにないこの国を、今も愛していて、できれば死ぬまでここで暮らしたいと思っているのは、日本が大切にしてきた文化芸術が、私を生きさせてくれたからです。そしてできればこれからも、私の大切な家族や友人らとともに、それらを享受したいと切望しています。
最後に、元フランス文化大臣ジャック・ラング氏がシンポジウムでおっしゃったことを引用させていただきます。ニーチェの言葉だそうです。
「ブルジョワのエリートにとって文化は飾りだろう。でも文化は、国民の魂であり、1つのシステムの基礎。社会の基盤である。」
カテゴリー:【演劇教育】
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【演劇教育】新聞記事「平田オリザ~文化は生きる力、新産業を生む力になる~」12/05朝日新聞be Saturday
2009年12/5(土)の朝日新聞be Saturdayの一面および三面に、大きく平田オリザさんのインタビュー記事が掲載されました(文・山田厚史/写真・堀英治)。関連記事⇒1、2
●「文化は生きる力、新産業を生む力になる」
平田オリザ(劇作家・演出家・内閣官房参与)
≪記事の部分引用≫
平田「文化・芸術は「おまけ」でも「癒やし」でもなく、「生きる力そのもの」です。苦しくなったときは支えにもなる。個性など他者との違いを際だたせる感性は、新産業を生み出す力になります。かつて村落共同体には伝統芸能が根付き、コミュニティーの通過儀礼にもなっていた。地域社会が崩壊し、私たちはそれに代わる教育の場をつくらなければならない。その1つが文化政策です。
国際化の潮流の中で異文化を受け入れるには、自分を発信し、他者を認める教育が必要になる。観光や国際交流、地域振興が絡み合う文化政策をトータルにとらえる人材や組織をつくることが必要です。」
≪ここまで≫
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【お知らせ】ひょっとこ乱舞『モンキー・チョップ・ブルックナー!!』の終演後のトーク[12/22(火)14時の回]に出演します
劇団ひょっとこ乱舞の第22回公演『モンキー・チョップ・ブルックナー!!』の終演後のトークに出演させていただきます。
ひょっとこ乱舞は広田淳一さんが作・演出される劇団です。今公演には看板俳優のチョウソンハさんも出演されます。過去レビュー⇒1、2、3、4、5
一観客としてその場で初めて作品を鑑賞し、疑問に思ったことを広田さんに率直に質問したいと思っています。年末の平日お昼の公演ですが、お時間のある方はぜひ。
●劇団ひょっとこ乱舞『モンキー・チョップ・ブルックナー!!』
会場:シアタートラム
日時:12/22(火)14時開演の回終演後
⇒CoRich舞台芸術!『モンキー・チョップ・ブルックナー!!』★CoRichでカンタン予約!
グリング『jam(再演)』12/09-23東京芸術劇場小ホール1
2009年度「芸劇eyes」の3作目は、青木豪さんが作・演出される劇団グリングの活動休止公演です。⇒記者発表 レビュー⇒1、2
「日常のささやかな声に耳を傾ける」作風(パンフレットより)に大いに納得。大人が笑ってしみじみする、年の瀬にぴったりの、上質のストレート・プレイだと思います。どうぞ大人のデートに池袋へ。上演時間は約1時間45分。
※芸劇eyes作品ではスタンプカードを配布しています。「今後、東京芸術劇場によく来られる方にとっては、なにげに嬉しいプレゼント」だそうです!・・・と紹介しておきながら、私、グリングの1枚を持ち帰り忘れました(涙)。次回の『EKKKYO-!』でリベンジ。
⇒CoRich舞台芸術!『jam』
≪あらすじ≫
年末。軽井沢の小さなペンション。市民による「第九」ミュージカル(?)の本番が近付いている。東京から来てもらっていた指揮者(永滝元太郎)の送別会を開くため、ペンションのオーナー夫婦(中野英樹&萩原利映)ら数名がロビーに集合した。
≪ここまで≫
ハイバイ『て(再演)』の時のように、客席が2方向から舞台を挟む形状。初演はザ・スズナリだったそうですので、演出は全然違っているのでしょう。私はロビー側の座席でした。当然ながら席によって見えたり見えなかったりするところはあります(役者さんの表情など)。でも、役者さんの背中を見ているだけでもその人物に何が起こっているのかは伝わってきますし、人と人との間にあるものの密度がとても濃いです。
平凡で、優しくて、そして悲しい、ごくごく身近な大人たちの静かなブレークスルー。横幅が広くて風通しのいいペンションのロビーで、ベートーヴェンの「歓喜の歌」と、グリングの活動休止の意味も重なります。“今、ここ”で味わうライブ芸術である演劇の喜びも、笑いとともに味わえますし、何より、登場人物と同様平凡な人間である私自身が、「変わること」の残酷さを受け入れ、その先にはっきりとした光が見えた(ような気になった)ことを嬉しく思います。ありがとうございました。
ここからネタバレします。
オーナー夫婦は本当は夫婦ではありません。入り婿(中野英樹)の妻がジャムの材料にするブルーベリーを摘みに行って事故死して以来、妻の妹(萩原利映)が、婿とその息子と一緒に暮らしています。
美人ピアニスト(松本紀保)を口説こうとする嫌われ者の指揮者(永滝元太郎)のドタバタや、たった1人の部外者(遠藤隆太)の携帯電話での“ありない相槌”など、わかっていても笑ってしまうコミカルな場面も見事。
※レビューは短めです。
芸劇が注目する才能たち、「芸劇eyes」/グリング第18回活動休止公演
出演:中野英樹、萩原利映、小松和重、佐藤直子、澁谷佳世、永滝元太郎(劇団M.O.P.)、廣川三憲(ナイロン100℃)、松本紀保 遠藤隆太
※出演を予定しておりました杉山文雄は体調不良により降板いたしました。代わって遠藤隆太が出演いたします。
脚本・演出:青木豪 照明:日高勝彦 美術:田中敏恵 舞台監督:筒井昭善 効果:青木タクヘイ 効果オペレーター:吉岡英利子 演出助手:中村純壱郎 衣装・ヘアメイク:栗原由佳 演出部:伊倉真理恵 宣伝美術:高橋歩 宣伝写真:中西隆良 舞台写真:鏡田伸幸 制作:菊池八恵 企画制作・主催:グリング 提携:東京芸術劇場
【休演日】12月14日【発売日】2009/11/07 特割3,500円 前売4,000円 当日4,300円 (全席指定/税込) ※特割チケット:12/9(水)~11(金)は、前売りチケットに限り特別料金<3500円>にてご観劇いただけます。
http://www.gring.info/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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フェスティバル/トーキョー09秋・快快『快快の「GORILLA」~岡田利規さんとのスペシャル企画』11/13-12/18東京芸術劇場前・特設ドーム
ゴリラの写生大会に続いて、“F/T station”での快快(ファイファイ)のイベントを覗かせていただきました。⇒「F/T09秋」 ⇒記者発表 ⇒レビュー1、2、3、4、5、6、7、8、9、10。
ゴリラの着ぐるみを着た快快のメンバーが、チェルフィッチュの岡田利規さんの代表作『三月の5日間』にチャレンジします。岡田さんご自身がゴリラたちを演出するという、かなりレアな(笑)状況。私は観劇後に立ち寄ったので、観られたのは最後の30分ほど。すっごく面白かったです。
ゴリラは計4人(匹)。一番立派な体格のゴリラへの集中的な稽古でした。中に入っているのは山崎皓司さん。
『三月の5日間』はご存じのとおり、長大な独白で成り立つ現代口語劇です。それだけでも手ごわいのに、“見かけがゴリラである”という要素も増えているのでかなり難しいだろうと思います。それでも、「しゃべって動いているのは山崎皓司だが、見かけはゴリラ」という状況に嘘をつかないで演技・演出するのがすごく面白い。
岡田「今のは面白かったと思う。でもいわゆるステレオタイプなゴリラ的動きが、といってもそんなのあるのかどうかはわからないんだけど(笑)、そういう動きはあまり面白くない。」(言葉は私のうろおぼえです)
雨降りの寒い中、真剣勝負。しかも観客のことも無視しない(楽しませようとして、実際に楽しませてくれる)。今を本気で生きているアーティストの息遣いに触れられました。
来週がとうとう最終日ですね。詳細は快快公式サイトでアップされます。
■12/18(金)19時30分頃~22時頃まで※入場無料
ラスト!当然ぶちあげクロージングパーティー開催!
DJは吉沢ダイナマイトさん!
ゴリラがガチンコボクシングやります!
やばいよゴリラどうなっちやうの!?
人間の頭髪をつかったお習字もあり!
ようこそ先輩\(^o^)/・チェルフィッチュ岡田利規さんとのスペシャル企画!・「これから ゴリラやりまーす」・快快がゴリラの着ぐるみを着て、チェルフィッチュの代表作・『三月の5日間』を公開稽古!・ゴリラが岡田さんにウッホッホな演出してもらいます
※入場無料。
http://faifai.tv/
http://festival-tokyo.jp/station/faifai.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年12月11日
【オーディション】庭劇団ペニノ2010年6月公演『アンダーグラウンド』出演者募集※1/7〆切(郵送のみ)
タニノクロウさんが作・演出される庭劇団ペニノが、次回公演の出演者を募集しています。『アンダーグラウンド』を再演するんですね。劇場が変わるので全然違う演出になりそう。
オーディション申込用紙は、ただいま上演中の『太陽と下着の見える町』で配布されているパンフレットに折り込まれています。ご興味ある方は下記をどうぞ。折り込みチラシからの情報です。
■庭劇団ペニノ19th『アンダーグラウンド』
オーディション募集要項
【本番日程】
2010年6月上旬@シアタートラム
【募集要項】
応募条件:健康な18歳以上の男女
オーディション、および稽古、公演期間に全て参加できる方。
公演日時:2010年6月3日(木)~13日(日)(仕込み日を含む)
稽古日程:5月1日より(13:00-22:00都内にて)
一次審査:書類審査1月20日までに合否は郵送でお知らせします。
※1月25日までに連絡がない場合は恐れ入りますがご連絡下さい
二次審査:1月29日30日31日のいずれか1回、都内で面談審査を行います。
2月末日までに合否を連絡の上、必要があれば三次審査を行います。
※二次審査参加料として1、000円を頂戴します。
【応募方法】
下記応募書類を郵送してください。
※1月7日消印有効。メール・持参の提出は受け付られません)
【応募書類】
・オーディション申込用紙(裏面参照、コピー可)1通 ★用紙はこの公演で配布中。
・自由作文(文字数自由・A4サイズの用紙を使用のこと)
・一次審査結果通知返信用封筒 1通
(長3封筒に80円切手を添付し、返信用住所、氏名を記入したもの)
※応募書類の返却は致しません。あらかじめご了承<ださい。
書類送付先: 〒330-0803埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-375 中山宛
問合せ: 080-2040-3034(庭劇団ペニノ)
http://niwagekidan.org/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【スナップ】伊勢丹「HOW TO MAKE WONDER CHRISTMAS」11/11-12/25伊勢丹新宿店
クリスマスとお正月のお買いものは伊勢丹へ。もう10年以上続いています。百貨店は売り場を覚えていると便利ですよね。
今年のショーウィンドーと店内装飾のテーマは「HOW TO MAKE WONDER CHRISTMAS」。イラストを描かれたのはフィンランド生まれのクラウス・ハーパニエミさん。現在ロンドンで活躍中のイラストレーター兼アーティストだそうです。
可愛らしい冊子もあり、
開くと絵本のようになっています。
本館の外の大きなショーウィンドーにストーリーがあるみたい。
小さなショーウィンドーもおしゃれに商品が展示されています。
全館統一したデザインなんですよね。どの売り場に行ってもWONDER CHRISTMASです。
ピンボケしちゃってますが、フラッグも。
こういうのも空間デザインの内に入るのかしら。ジャンルは全然違いますけど、舞台美術鑑賞に通じるものがある気がしました。
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年12月10日
グレイクリスマスの会『グレイクリスマス』12/09-20俳優座劇場
斎藤憐さんの戯曲『グレイクリスマス』を有志が上演する企画だそうです。初演は1984年。
出演者は三田和代さん以外、文学座、俳優座、劇団昴に所属する方々。文学座の高瀬久男さんが演出されます。“ザ・新劇”な座組みですね。上演時間は約2時間40分(途中休憩15分を含む)。
斎藤憐さんが劇場ロビーで著書にサインをされていました。とても面白い戯曲だったので購入(1050円)。
⇒CoRich舞台芸術!『グレイクリスマス』
≪あらすじ≫ イープラス内サイトより。役者名を追加。
敗戦の冬、伯爵・五篠邸はGHQに接収されることになった。アメリカ軍のサロンとなった五篠邸。敗戦国日本を理想国と夢みた日系アメリカ人ジョージ・イトウ(石田圭祐)とその理想に深く影響を受けることになる五篠華子(三田和代)。二人の心情を軸に五篠家の人々の生き方を通して、日本の原点を鋭く問い直す。
≪ここまで≫
開幕した途端、あまりの茶番劇にひるみました。でもわざと「ひどい芝居」をしていたことがわかり、私は一命(観客生命?)を取り留めました。戯曲にも「ひどい英語劇がはじまった」という戸書きがありました。
私が最近目にしている新劇の劇団公演における、ベテラン俳優の方々の演技のわざとらしさには、毎度驚かされます。でも主役の三田和代さんと石田圭祐さんが素晴らしかったので、いろいろと考えられましたし、感動もしました。
終戦直後の5年間、毎年五篠邸にやってくるクリスマスを描いていました。この戯曲を書くにあたって、斎藤さんがどれだけの書籍を読まれたのか(おそらく数百冊)。その果実をこうやって味わわせていただけるだけでも感謝しています。しかもハーフプライスチケットデーだったので2625円。安すぎです。
ここからネタバレします。
ジョージ「いいですか。憲法というものは、たんなる言葉です。どうにでも解釈できる。憲法を支えていくのはピープルです。ピープルの心が変わった時、憲法が変わるのです。それをわれわれは不遜にも、憲法を変えればピープルが変わると思ってしまった。……もう、この国は駄目です。力を持ったウィロビーたちは、日本を合州国の盟友たる強い日本に変えていくでしょう。ピープルたちに国が栄えることが、お前たちが栄えることなのだと言いだすでしょう。」
※戯曲「グレイクリスマス」109頁より。「合州国」は原文まま。ウィロビーとは日本の保守主義者と手を組んだ情報局のナチスト。
※レビューは短めです。
≪東京、ほか≫
出演:三田和代(㈱矢島聰子事務所)、神山寛(俳優座)、小笠原良知(俳優座)、児玉泰次(俳優座)、森一(文学座)、石田圭祐(文学座)、清水明彦(文学座)、長浜奈津子(俳優座)、米倉紀之子(昴)、若井なおみ(俳優座)、藤崎あかね(文学座)、藤川三郎(文学座)、斉藤淳(俳優座)、細貝光司(文学座)、齊藤隆介(俳優座)、小田伸泰(俳優座)、藤側宏大(文学座)、野々山貴之(俳優座)
脚本:斎藤憐 演出:高瀬久男(文学座) 美術:島次郎 照明:森脇清治 音楽:川崎絵都夫 効果:田村悳 衣装:前田文子 振付:新海絵理子 演出助手:福原圭一 舞台監督:井上卓 制作:山崎菊雄・片山義夫 デザイン:及部売人・海野温子 主催:グレイクリスマスの会(劇団俳優座内)
一般:5250円 学生:3675円 ※12/9、10はハーフプライスチケットデーで一般・学生ともに2625円。
http://eplus.jp/sys/T1U90P006001P0050001P002034007P0030001P0007
http://taste.reenta.jp/event/0000000533.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【つぶやき】文化芸術推進フォーラム「『文化芸術による人づくり、社会づくり、国づくり』シンポジウム」に行きたかった(涙)
去る11/25(水)に文化芸術推進フォーラム主催「文化芸術による人づくり、社会づくり、国づくり」シンポジウム」が、日経カンファレンスルームにて開催されました。国外にいたため残念ながら私は拝聴できず。⇒芸団協提言まとめ
青年団制作部の野村政之さんが、討論の内容についてご自身のブログにまとめてくださっています(⇒1、2、3)。これはありがたい!
演劇が大好きで「あれが面白い」「これが凄い」と観客視点で観劇感想を書いてきた私ですが、それだけでは「劇場に通うことが日本人の習慣に」はならないのだと、認めざるを得なくなっています。「事業仕分け」関連記事⇒1、2、3
そもそも「文化・芸術は必ずしも人間に必要なわけではない」という考えを持つ方が、日本には多いのかもしれません。私にとっては文化・芸術が自分の生きる糧なので、ついつい前提としてしまっているんだと思います。高い場所から俯瞰するように演劇を見つめて、語る言葉を持ちたいと思います。
カテゴリー:【演劇教育】
開会:野村萬(文化芸術推進フォーラム議長)
提言:実演芸術による社会の将来ビジョン
討論:芸術の力が人と社会を変える-その仕組みづくり
パネリスト:金森穣(りゅーとぴあ舞踊部門芸術監督/Noism芸術監督) 河村建夫(衆議院議員・音楽議員連盟副会長) 斉藤鉄夫(衆議院議員・音楽議員連盟副会長) 鈴木寛(文部科学副大臣・参議院議員) 仲道郁代(ピアニスト) 平田オリザ(劇作家・演出家)
主催:音楽議員連盟 協力:社団法人企業メセナ協議会/芸術がむすぶ絆・東京実行委員会 後援:社団法人全国公立文化施設協会/財団法人地域創造 助成:社団法人私的録音補償金管理協会(sarah)
http://www.geidankyo.or.jp/06gei/s-forum/new.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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ポかリン記憶舎『「垂る」-shizuru-」』12/09-13アトリエヘリコプター
明神慈さんが作・演出されるポかリン記憶舎の新作です。8月に出演者オーディションの告知をしておりました。五反田のアトリエヘリコプターに、横幅が広い木製の抽象舞台が出現。上演時間は約1時間20分。
登場人物の1人ひとりが粒だった存在感で、一定の緊張を保ちながら、ゆるり、ぎゅるりと空気をうねらせます。お芝居が終わった後、誰もいない舞台をじっと見つめながら、彼と彼らの残り香を存分に体にしみこませました。
⇒稽古場ブログには大きな写真がいっぱい。充実しています。
⇒CoRich舞台芸術!『「垂る」-shizuru-」』
≪あらすじ≫
都内某所。乗り物が来るのを待つ人々。和服姿の見知らぬ女性がやってきて、予言したことには・・・。
≪ここまで≫
木の板(すのこのようなデザイン)で出来た装置は、幅の細いスロープがシャープで、木の温かみとの組み合わせがおしゃれ。木々の間からもれる照明のほのかな明るさがきれい。暗さの調節で空気の重さが変わります。
前回と比較すると、一見わかりやすく親しみやすい筋書きがある作品です。会話の中から徐々に伝わってくるのは、登場人物の望みや悩みなど個人々々の私的なエピソード。それぞれの背景も丁寧に作られており、最初は群像劇のような印象もありました。
役者さんの演技は、会話をしていても1人ひとりが完全に独立しているように見える状態で、ちょっと違和感がありました。でも、いま見えているものの裏に別の流れが隠れていたのがわかった時、ぱらぱらとめくれるように疑問が晴れました。
優香役の成田亜佑美さんは、全身で呼吸をするように共演者とコミュニケーションを取って、時には大きく、時には小刻みに心を揺れ動かしているように見えました。私はそういう演技が好きです。ふるふると震え続けている感じ。
ここからネタバレします。
舞台は目黒川の水上バスの乗り場。潤(日下部そう)は恋人の優香(成田亜佑美)と最終便を待っています。若い夫婦(井上幸太郎&中島美紀)や車いすの老人(二瓶鮫一)とその介助者(本多麻紀)らが次々とやってきて、大きな声で携帯電話で話しまくる奇妙な女・舞(町田カナ)が、場の空気をざわつかせます。
和服の老女(桜井昭子)が告げたのは、彼女が見た凄惨な夢のこと。これから来る最終便に乗った者は全員、無差別殺人犯(=東谷英人?)に刺殺されるというのです。彼女の話を信じてその場を去る者もあり、そのまま待つ者もあり。潤と優香は「もし今、自分たち2人が死んだら」と話をふくらませ、少し離れた場所で体を重ねます。(あーもーこれがエロすぎた。「生でヤりたい」なんて露骨なセリフがなぜちゃんと官能的に成立するのかって、明神さんに聞いてください!)
このお芝居の主人公は潤。全ては、水際にやってきた彼が頭の中で想像した出来事だったとも考えられるでしょう。舞台にいる人々がバラバラに浮遊していたのは、このためだったんだと納得しました。
潤は舞の導きによって過去の記憶を思い出します。父が母を刺殺したため、彼は母方の祖父に引き取られて暮らしてきました。水上バス乗り場にかつてあった銭湯の煙突と、実は歩ける車いすの老人が吸ったタバコの煙が、母の遺体を焼いた火葬場を思い起こさせます。
育ての親となった祖父に父のことを全否定され、母不在の家庭で育った彼は、おそらく自分の命を肯定することできないまま生きてきたのだと想像できます。その彼が死を目前にして何を欲したか。彼は「愛する人との間に子供を残したい」と願い、実行したのです。
潤は自分の中にあった孤独の暗闇を見つめ、その奥底にあった生への渇望に気づいたのだと思います。舞台中央に一人で立ち、暗い明かりの中で、ゆっくり、ゆっくりと回転する潤の姿には、ひとつの命があらためて生まれ直すような、再生の意味が含まれていたのではないかと思いました。
ポかリン記憶舎♯16
出演:中島美紀 日下部そう 町田カナ 井上幸太郎 本多麻紀(SPAC) 成田亜佑美 東谷英人 桜井昭子 二瓶鮫一
脚本・演出:明神慈 音楽:木並和彦 舞台美術:杉山至+鴉屋 舞台監督:寅川英司+鴉屋 大友圭一郎 照明:木藤歩 音響:荒木まや 写真:松本典子?AD:松本賭至 衣裳:フラボン 演出助手:小杉美也子 黒木絵美花 橋本和加子 直原薫 由かほる?制作:フラボン 主催:ポかリン記憶舎?
【発売日】2009/10/02 前売3000円 当日3500円 平日マチネ割2500円 和服割2500円 (フラボンのみ取扱い) 学割 500円 ※要学生証 (フラボンのみ取扱い)
http://www.pocarine.org/mt/archives/2009/09/_shizuru.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年12月09日
M&Oplaysプロデュース『マレーヒルの幻影』12/05-27本多劇場
岩松了さんの新作で、麻生久美子さんとARATAさんが初舞台を踏まれます。上演時間は約3時間弱(途中15分の休憩を含む)。
岩松さんのセリフはやはり美しいです。言葉が俳優の声によって発せられた瞬間に、その体からはがされていくような不思議な感触。そして直後の余韻もまた素早く去って行ってしまうのが切なくて。
⇒CoRich舞台芸術!『マレーヒルの幻影』
≪あらすじ≫ 公式サイトより一部抜粋。
1929年、まさに恐慌前夜のニューヨークを舞台に、様々な事情で故国・日本を離れた日本人たちが織りなす人間ドラマ。
≪ここまで≫
ニューヨークにある日本人コミュニティーが舞台。ロマンティックに、残酷に交差する恋愛物語でもありますが、金(経済)に翻弄され、急激に変わっていく人間関係も描かれています。
岩松さんの演出は、役者さんの言葉と心と体が必ずしも一体ではないところが面白いと思います。言葉が体を置き去りにしてひとり歩きを始め、言葉に引き寄せられた体と心が、すぐにひきはがされてそれぞれに浮遊するような感覚。逆もあります。勝手に動き始めた体が、言葉の意味をぶち壊して、その場にあったものを上書きする新しい波を起こしてしまったり。常に生まれて、常に流れて消えていく。それでもなぜか、作品そのものの空気が、強く、ゆるぎなく存在する演劇。
主に映画やテレビでご活躍されている初舞台のお2人については、演技のバリエーションが狭まっている気がしました。主役だから余計に気になったのもあるでしょう。私が拝見したのは初日なので、これからまた変わっていくことと思います。
鉄柵や家具を移動させて転換するのは、何もない空間をどんどん変身させる意味で演劇的で面白いです。でも3時間のお芝居となると、同じような転換が続くのは少々退屈に感じることもあり。
ここからネタバレします。
外国を舞台にした芝居で本物の外国人が登場するため、リアルと偽のバランスが妙ちきりん(笑)。ふざけて遊んでいるような感覚から、突然深刻になったりするのが刺激的です。
ソトオカ(ARATA)はかつて愛し合っていた恋人・三枝子(麻生久美子)が、今は誰かと結婚してアメリカにいると知りショックを受け、アメリカでがむしゃらに働いて一財をなします。
自分が運転手として雇ったばかりのフジオ(松重豊)こそ、彼女の夫だったのだと判明するのが1幕の終わり。ソトオカはフジオの目の前で三枝子を連れ去りますが、彼女は家を出ませんでした。フジオは仕事を辞めないし、ソトオカもフジオを手放す気はありません。大人の奇妙な三角関係がスリリング。
ソトオカはスージー(市川実和子)と寝たと誤解され、スージーの恋人タナカ(荒川良々)に銃で撃たれて死んでしまいます。スージーと関係を持ったのは本当はフジオなのに。タナカが致命的な早とちりをしたのは、フジオがスージーに売春の対価として金を渡す際、わざとソトオカの会社名が印刷された封筒に入れたからなんですよね。タナカはその封筒を見てソトオカに恨みを抱きます。つまりソトオカは、フジオに殺されたと言っていいのでしょう。フジオ自らが手を下したわけではないのが恐ろしい。
選曲が面白かったです。歌詞が何語かわからなかったんだけど・・・スペイン語?物語にフィットしすぎず、かといって奇抜すぎず。最後は音楽の後に風の音だけが残る暗転でした。とても良かった。
≪東京、大阪≫
【出演】三枝子…麻生久美子 ソトオカ…ARATA キタ…三宅弘城 タナカ…荒川良々 スージー…市川実和子 フジオ…松重豊 マリア…カリン山田 バルデッツィ…サイラス・望・セスナ オブライエン…アンドリュー・ウォールナー
【スタッフ】作・演出:岩松了 照明:沢田祐二/美術:礒沼陽子/舞台監督:榎太郎/音響:高塩顕/衣裳:兼田サカエ/ヘアメイク:大和田一美(APREA)/照明オペレーター:渥美友宏/演出部:星野真紀、久保勲生、渡辺秀幸 衣裳助手:戸田京子/衣裳製作:金子通代、久保薗美鈴、山本満穂、西原宣子/稽古場音響オペレーター:原陽子 宣伝美術:坂本志保/宣伝写真:三浦憲治/宣伝スタイリスト:兼田サカエ/宣伝ヘアメイク:大和田一美/宣伝:宇津宮明美(る・ひまわり)/台本英訳:川本孝子、サイラス・望・セスナ/衣裳協力:ブルックスブラザース CABARET メイク協力:江原道㈱ 制作助手:土井さや佳、寺地友子、大島さつき/制作協力:(株)リトル・ジャイアンツ 制作&プロデューサー:大矢亜由美 主催・製作:(株)森崎事務所M&Oplays
全席指定6800円
http://www.morisk.com/plays/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年12月08日
フェスティバル/トーキョー09秋・山海塾『卵を立てることから一卵熱』12/04-06東京芸術劇場中ホール
「F/T09秋」の7本目(⇒1、2、3、4、5、6 ⇒記者発表)はパリを拠点に活動する山海塾の再演作品。『卵熱』の東京公演は8年ぶりだそうです。山海塾はF/T09春、09秋に連続参加しています。
天児牛大さんがあまりにかっこ良くて、幕開けからその背中に見とれてしまいました。上演時間は失念。カーテンコールが凄かった!歓声があがるし拍手も止まらないし、いったい何回あったのかしら。出てくる度に振付も違っていて、すっごく楽しかった!
⇒CoRich舞台芸術!『卵を立てることから一卵熱』
舞台は一見シンプルそうなのですが、実は床が大きくて四角いプールになっており、水面に広がる波紋が、舞台奥の白い壁に反射するようになっています。足をサっと入れるだけで、一瞬にして壁に同心円状に広がる無数の波紋が、壁一面に大きく映し出され、それは得も言われぬ美しさ。
ダンサーの体は想像していたよりもリラックスしているように見えて、張りつめた空気がずっと続くわけではありませんでした。むしろ気持ちを楽にして観ていられて良かったです。
踊りも個性的で面白いですが、音響、照明、美術のトータルな空間演出のセンスが独特で、天児さんの美意識が隅々まで行きとどいているのが素敵ですね。
ここからネタバレします。
上手天井からは一筋の水が落ち続け、下手天井からは同じく一筋の白い砂が落ち続けます。砂は徐々に積もってひざまでぐらいの高さの山になります。客席からは見えないけれど、水面は高くなっていたんでしょうね。天児さんが砂の山にさわり、覆いかぶさって倒れるのがきれい。
上手の方で天児さんがずっと卵を触っている(?)場面があって、あまり動かないものだからちょっと集中力が途切れてしまいました。座席は中央付近だったので決して舞台から遠かったわけじゃないんですけどね。
中盤以降で、卵がバン!っと砕け散る(天児さんが両手で割る)演技があり、音響ともばっちり合っていて鳥肌。
白く塗った手の指先だけを赤く塗ります。その色合いは血のようでもあり、マニキュアのようでもあり、不思議。
カーテンコールで一番感動しました。5人でおじぎをして(そのおじぎの型が渋い!)、ゆっくりと体を曲げている間に、じわじわと暗転するのがめちゃくちゃカッコイイ!なるほど天児さんは唯一無二の舞踏家なんだなと思いました。
"UNETSU -The Egg Stands out of Curiosity"
初演:1996年パリ市立劇場 共同製作:パリ市立劇場 山海塾
演出・振付・デザイン:天児牛大 音楽:YAS-KAZ 吉川洋一郎 舞踏手:天児牛大 蝉丸 竹内晶 市原昭仁 長谷川一郎 舞踏手助手:松岡大 浅井信好 舞台監督:中原和彦 舞台監督助手:小野哲史 山下翼 照明(初演):山我勉 照明:岩村原太 鈴木悟 音響:相川晶 衣裳作製:飯塚昌代 衣裳協力:太田雅公 制作:緒形彰 秋山いづみ 丸田鞠衣絵 秋元桂子 【F/Tスタッフ】制作:米山淳一 【F/Tクルー】尾越有紗 金子穣為 小嶋恵理 菅原良和 林佳美 森田寿美礼 共催:東京芸術劇場(財団法人東京都歴史文化財団) 主催:フェスティバル/トーキョー
全席指定 一般 S席4,500円/A席3,500円 学生 3,000円/高校生以下 1,000円(A席のみ。要学生証提示)
http://www.sankaijuku.com/
http://festival-tokyo.jp/program/sankaijuku/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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フェスティバル/トーキョー09秋・伊藤キムプロデュース『おやじカフェ』11/14-12/13東京芸術劇場前・特設ドーム
『快快の「GORILLA」』に続き、翌日に“F/T station”で『おやじカフェ』と遭遇。春秋とF/Tに通ってて、はじめて観られたー!
写真はドーム外側だけ。すみません。土日はやっぱりにぎわってますね~。⇒「F/T09秋」 ⇒記者発表 ⇒レビュー1、2、3、4、5、6、7、8、9、10。
ドーム入口から覗いたら、給仕の格好をした元気な“オヤジ”たちがPerfumeの「POLYRYTHM」にノって、ニッコニコの笑顔で踊ってました。その前は光GENJIの「パラダイス銀河」(とBeatlesの何かをmixさせた曲?)だった(笑)。超~楽しそうでした。笑いながら手拍子して観てました。
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フェスティバル/トーキョー09秋・快快『快快の「GORILLA」~ゴリラの写生大会』11/13-12/18東京芸術劇場前・特設ドーム
東京芸術劇場前にある特設ドーム“F/T station”では、入場無料のイベントがたくさん開催されています。毎週金曜日は若手パフォーマンス集団快快(ファイファイ)が、毎回変わったイベントを開いています(笑)。⇒「F/T09秋」 ⇒記者発表 ⇒レビュー1、2、3、4、5、6、7、8、9、10。
⇒CoRich舞台芸術!『快快の「GORILLA」』
私が覗いたのは12/4(金)のゴリラの写生大会。出来あがった絵をゴリラが講評していました(笑)。ゴリラの言葉は写真右隣りのお兄さんが日本語で伝えます。「なんて温かいんだ、春のようだ」とか言ってた(笑)。みんなで一緒に絵を描いて、完成した絵を見せ合って、ゆったりだんらんなムードでした。
残すはあと2回!下記は会場でいただいたチラシの情報です。
詳細は快快公式サイトでアップされますのでチェックしてください。
■12/11(金)19時30分頃~22時頃まで※入場無料
ようこそ先輩\(^o^)/
チェルフイッチュ岡田利規さんとのスペシャル企画!
「これから ゴリラやりまーす」
快快がゴリラの着ぐるみを着て、チェルフィッチュの代表作
『三月の5日間』を公開稽古!
ゴリラが岡田さんにウッホッホな演出してもらいます
■12/18(金)
ラスト!当然ぶちあげクロージングパーティー開催!
DJは吉沢ダイナマイトさん!
ゴリラがガチンコボクシングやります!
やばいよゴリラどうなっちやうの!?
人間の頭髪をつかったお習字もあり!
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
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フェスティバル/トーキョー09秋・庭劇団ペニノ『太陽と下着の見える町』12/05-13にしすがも創造舎
タニノクロウさんが作・演出される庭劇団ペニノの新作です。「F/T09秋」はこれで10作品目(⇒1、2、3、4、5、6、7、8、9)。
タニノさんが記者発表で「うまくパンチラを見せたい」と公言されてたとおり、パンチラは大盤振る舞い(笑)。もちろん目玉はそれだけではなく。幸せな夢とおぞましい悪夢が混ざる、大がかりなインスタレーションのようでした。お子様にはエッチ度が高すぎるかも(笑)。上演時間は約1時間30分。
5分間の劇団紹介動画↓が超カッコイイ♪
⇒CoRich舞台芸術!『太陽と下着の見える町』
黒い幕が上がって開幕。何を書いてもネタバレになるのでストーリーなどは控えます。スタイリッシュで、アーティスィックで、冷静で、でもいたずらな遊び心があって、スケベ(笑)。刺激も強いし意味もわかりやすいとは言えないので、お好みは分かれると思います。私はすっごく面白かったです♪後半はプチ興奮(笑)。
作品全体が変態見本市のようで、そこはサンプル『あの人の世界』に似てるように思いました。天地がぐちゃっとくっついて、ごちゃまぜの、めちゃくちゃになるカオスな感覚も。
人間を変態と非変態に分けるのは実は不可能で、おそらく私も他人から見たら変態なのだろうと思います。同様に、精神病患者と健常者の区別というのも容易ではないのかもしれません。
計算して作られた舞台美術には見る者・見られる者、行動を起こす者・傍観する者を対比する効果も含まれており、無数の箱庭に展示された現代日本人の標本を眺めているようでした。見世物小屋みたいな感覚も。
客席に向かってまっすぐに語る役者さんは、その人自身のように生々しい時もあれば、ルールどおりに動く人形のようでもあり、出演者全員の存在感がそろっていて素晴らしかったと思います。
ここからネタバレします。
舞台は2階建ての無機質な白い建物。1階は白い業務用ベッドがあるだけの殺風景な小部屋が並んでおり、おそらく精神病院のデザインです。10代から80代まで幅広い年齢層の男女が、部屋の中で、それぞれに望むことを自分から進んでやっています。ハイヒールを履いて落語をする女(内田慈)や、性欲を抑えられない受験生(山田伊久磨)など、変態度高い目。
2階は会議室と広めのテラス。男女2人ずつの計4人は、テニスのユニフォームのような白くて清潔そうな衣裳を着て、優等生なムード。でも女性のスコートがわざと風でめくれてパンチラ三昧。彼らは1階の住人の行動を傍観して、批評するばかり。自分たちがやってるのは、どうやらごっこ遊びのようです。
自ら行動を起こしているとはいえ、1階の人間はお膳立てされた娯楽(SMプレイ、萌え系アニメなど)を楽しんでいます。パンチラもどんどんわざとらしさが強調されてきます。マーケティングされた娯楽が溢れかえる現代社会を表してるように思いました。2階の人間は自分からは何もせず、噂話に興じて他人の欠点をあげつらって楽しんでいます。これもまたインターネットというメディアで、誰もが批評家気どりになっている今のことではないでしょうか。
交通事故だろうが老衰だろうが、やがて誰にも死が訪れ、土に帰すことになる人類。帰るところは排せつした糞尿と同じ場所です。風船を持って50代の男(久保井研)がテラスから飛び降りると、下手上方の丸い窓にトイレのマークがあらわれました。1階の住人たちが部屋の外に出て、ベッドにみんなで腰かけて彼を見つめていたのも良かったな~。
最後は2階にいた女の1人が、言葉が通じない者同士の絵を通じた会話について語りました。意味が全く通じないのも、期待した答えが返ってこないのも、人間のコミュニケーションの常だと思います。
庭劇団ペニノ18th "The Town where the Sun and Underwear are seen"
出演:久保井研(唐組) 山田伊久磨 佐野陽一(サスペンデッズ) 間瀬英正(ユークポイント) 大久保宏章(自己枇刺ショー) 森準人 マメ山田 高橋ちづ 内田慈 五十嵐操 坂倉奈津子 寺田ゆい 笹野鈴々音
作・演出:タニノクロウ 構成:タニノクロウ 玉置潤一郎 山口有紀子 吉野明 美術:田中敏恵 照明:今西理恵(LEPUS) 音響:中村嘉宏 衣装:中西端美 小道具:横川奈保子(Y's factory) 演出助手:森準人 舞台監督:矢島健 大川裕 舞台監督助手:大地洋一 音響操作:佐藤こうじ(Sugar Sound) 演出部:井上悠 衣装部:正金彩 安田美路加 大道具:C-OOM 櫻井敏郎 小道具:高津映画装飾 佐田丘仁子 井佐みずほ 照明協力:ART CORE 制作:中山静子 制作補:三好佐智子 【F/Tスタッフ】制作:武田知也 板橋薗恵 制作補:坂田厚子 インターン:荒川真由子 【F/Tクルー】上野智美 大和田愛 岡崎由子 川村美幸 郷淳子 清水美里 竹澤ひさみ 野中さやか 三橋俊平 製作:庭劇団ペニノ 共同製作:フェスティバル/卜-キョー 助成:財団法人セゾン文化財団 主催:フェスティバル/卜-キョー
【発売日】2009/09/05 3,500円
http://festival-tokyo.jp/program/penino/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年12月06日
フェスティバル/トーキョー09秋・演劇/大学『桜美林大学「カサブタ」』12/05-06東京芸術劇場 小ホール1
「F/T09秋」の企画“演劇/大学”4本の内の1本。マチネの木ノ下歌舞伎に続いてソワレに拝見。F/T09秋はこれで9本目(⇒1、2、3、4、5、6、7、8 ⇒制作発表)。
OPAP(桜美林大学パフォーミングアーツプログラム)での上演がとても好評だったので伺いました。ぴっちぴちの若者29名がステージを埋めつくして踊るのを観られただけでも満足です。演出、振付も素晴らしくて、評判に納得しました。上演時間は約1時間30分弱。
“演劇/大学”は残念ながら2本しか観られませんでしたが、木ノ下歌舞伎も面白かったし、芸術性もクオリティーもとてもハイレベルだと思います。今の大学生は凄い!
⇒CoRich舞台芸術!『演劇/大学09秋 桜美林大学『カサブタ』』
≪作品紹介≫ 当日配布のパンフレットより一部抜粋。
『守られたいが、そこからの開放を常に求めてもいる』そんな学生の現在を『カサプタ』という生理的現象のイメージと重ね合わせ、振付け者である木佐貫邦子の視座で描いた75分のダンス作品。途中、『虫の声』のシーンは、学生自らが振り付けた。また、『サンシャイン音頭』と名付けたシーンは、卒業生の名取秀樹(泉流/名取り)が手掛けた。
…現代のカサブタは果たして癒えることはあるのか?…
学生たちのしなやか、かつ、無骨な身体が繰り広げる「新しい皮膚」のためのダンス作品。
≪作品紹介≫
上下(かみしも)2つずつの出入り口からドっと増え、ササっと消えていく、みずみずしいダンサーたちにうっとり。若いって素晴らしい。めいっぱい伸びて、跳んで、倒れて、這って・・・といった大きな動きをする時も、細かいところまで緊張が行きとどいているので、繊細に見えます。プロの振付・演出によるこんなに大勢のダンスを、この低価格で観られるのってあまりないのではないでしょうか(ダンスに詳しいわけじゃないので想像にすぎませんが)。
スモーキーなパステルカラーの衣裳がとってもおしゃれ。女の子はスリップドレスにも着替えてくれて、健康的なセクシーさにみとれます。
木ノ下歌舞伎でも『H3』でも強く印象に残ったのですが、舞台の真横からあてる照明はかっこいいですね。
出演者は桜美林大学演劇コースの1~4年生。カーテンコールで学年ごとに挨拶してくれたのでわかったのですが、やはり4年生は色っぽいですね~。こんなに充実した体験が蓄積されていくなんて、これからがますます楽しみです。
ここからネタバレします。
カラフルなハイヒールの山に薔薇を挿して、じょうろで水をやるのが可愛いかった。水をやる男の子が帽子をかぶってたのも素敵。
※レビューは短めです。
出演:(演劇コース在校生)木村愛子、米田沙織、目深芙裕子、石川あゆみ、白取麻実、今野良咲、北尾亘、久津美太地、藤井友美、水越朋、岡本優、村田茜、森本あん、早川紗代、工藤響子、大谷悠、水岡渚沙、吉田拓、槙悠吾、森山貴邦、加藤拓実、大野真由子、細野ゆりか、柴田未来、井草佑一、計良瑠衣、鷹栖歩莉、横地梢、中佐真梨香
作・構成・演出:木佐貫邦子(桜美林大学准教授) 振付:木佐貫邦子、 名取秀樹(泉流/卒業生) 出演者全員 振付協力:戸川悠野(卒業生) 舞台監督:石川佳澄 照明:塚原佑梨 照明操作:大久保果那子 音響:丸田裕也 衣裳:天神綾子 宣伝美術(桜美林):岡本優 票券管理(桜美林):萩谷早枝子 制作:赤羽ひろみ 照明アドバイザー:金英秀(文学座/桜美林大学准教授) 音響アドバイザー:林あきの(卒業生) 衣裳協力堂本教子 選曲協力;スカンク 写真協力:福井理文 記録撮影(桜美林):水内宏之 【F/Tスタッフ】技術監督:寅川英司+鴉屋 舞台監督:杣谷昌洋 舞台監督助手:佐藤恵 照明:(株)ファクター 音響:内田伸(サウンドウィーズ) 制作:武田知也 板橋園恵 制作補佐:坂田厚子 菅原渚 インターン:荒川真由子 【F/Tクルー】:青柳未央 川村美幸 小林寛斉 土屋絢子 野中さやか 主催:フェスティバルノトーキョー 共催:東京芸術劇場(財団法人東京都歴史文化財団) 協力:桜美林大学 京都造形芸術大学 近畿大学 多摩美術大学
自由席(整理番号付き)一般・学生共通 1演目1,000円
http://www8.obirin.ac.jp/opai/opap_item.php?no=59
http://festival-tokyo.jp/program/university/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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フェスティバル/トーキョー09秋・演劇/大学『京都造形芸術大学「木ノ下歌舞伎一伊達娘恋緋鹿子」』12/05-06シアターグリーン BIG TREE THEATER
こまばアゴラ劇場にも来てくれている京都の木ノ下歌舞伎。「F/T09秋」の“演劇/大学”のラインアップに選ばれ、今回初めて拝見できました。F/T09秋はこれで8本目(⇒1、2、3、4、5、6、7 ⇒制作発表)。
シンプルな抽象舞台に衣裳は現代の平服で、セリフはおそらく歌舞伎の脚本どおり。シャープな演出で、わかりやすくてきれいでした。上演時間は約1時間15分。
⇒CoRich舞台芸術!『演劇/大学09秋 京都造形芸術大学 『木ノ下歌舞伎─伊達娘恋緋鹿子』』
≪作品紹介≫ 当日配布のパンフレットより。
大火に類焼した八百屋の一家は吉祥院に避難していた。そのうち、一家の娘・お七はその寺の小姓・吉三郎と恋仲になってしまう。武兵衛の援助で店の再建がなって別れた後も思いはつのるばかり。
一方、江戸の町では相次ぐ火災を警戒し、次々と火の見やぐらが建てられ、夜間は全ての木戸を閉め、通行が禁じるられることになった。同時にそれは、火事ではない時に火の見やぐらの半鐘を鳴らせば、いかなる理由があろうとも火あぶりの刑に処すという法であった…。
≪ここまで≫
劇場の黒い壁を上手に生かした美術でした。四角い灰色のステージの中央には、長い長い鎖に片足をつながれたお七。じゃらじゃら、ゴトゴトと鳴る鎖の音が効果的。短い時間に大事な要素をきれいに凝縮させて、スマートな演出でした。“八百屋お七”ってこんなお話だったんですねー。面白かったです。
歌舞伎のセリフに関西弁のアクセントが色っぽいです。この作品でも感じましたが、役者さんの体・声に地域の特徴が出てくるのが素敵ですよね。
役者さんの演技の技術については、演出がもとめるレベルには追いついていない印象。大学生なのでまだ10~20代前半ですよね。そう考えたら不満はありません。
ここからネタバレします。
四角い蛍光灯の枠がお七の頭上から降りてきて、彼女が櫓にのぼるのを表現したのがとてもかっこよかったです。
※レビューは短めです。
【出演】お七/伊藤彩里 吉三郎/眞栄田貴豊(子供鉅人) 母/cossi(chikin) お杉/三鬼春奈 おひな/濱名綾子 武兵衛/諸江翔大朗
演出:木ノ下裕一(京都造形芸術大学大学院芸術研究科修士課程2年) 作=菅専助 松田和吉 若竹笛躬 美術:杉原邦生 照明:川島玲子 音響:斎藤学 衣裳:山本容子 メイク:富松悠 舞台監督:米谷有理子 制作:木村悠介 本郷麻衣(以上、舞台芸術学科/大学院芸術研究科在校生および卒業生) 【F/Tスタッフ】技術監督:寅川英司+鴉屋 舞台監督:鈴木康郎+鴉屋 舞台監督助手:木村光晴 照明:㈱ファクター 音響:小早川保隆(サウンドウィーズ) 制作:武田知也 板橋薗恵 制作補佐:坂田厚子 菅原渚 インターン:荒川真由子 【F/Tクルー】青柳未央 川村美幸 小林寛斉 土屋絢子 野中さやか 主催:フェスティバル/トーキョー 共催:東京芸術劇場(財団法人東京都歴史文化財団) 協力:桜美林大学 京都造形芸術大学 近畿大学 多摩美術大学
自由席(整理番号付き)一般・学生共通 1演目1,000円
http://festival-tokyo.jp/program/university/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年12月04日
【オーディション】ヴィレッヂ『2010年劇団☆新感線30周年興行・春SHINKANSEN☆RX「薔薇とサムライ」』出演者オーディション※12/20〆切(郵送のみ)
劇団☆新感線が来年の新作『薔薇とサムライ』の出演者オーディションを開催します。ネットに情報公開されてるなんて凄いですね。
何年も前のことですが、劇団☆新感線公演にアンサンブルとして出演した友人が、「自分の役者人生で一番大変だった」と言ってました。きっと大いに成長されたことと思います。
【募集】アンサンブル男女若干名
【年齢】18 ~35歳
【性別】不問
【応募〆切】2009年12月20日
詳細はweb De★Viewでどうぞ。関連情報⇒Yahoo!ニュース
2009年12月03日
DART'S『In The PLAYROOM』12/01-06ギャラリーLE DECO
DART'SはSmokersの広瀬格さんが脚本・演出を手掛け、feblaboの池田智哉さんがプロデュースするユニット。私は初見です。CoRich舞台芸術!のクチコミと知人の勧めがあり、急きょ予約して伺いました。
「脚本が面白い」という情報を実際に観て確かめて、満足。客席は舞台正面の高くなってる席が見やすい気がします。上演時間は約1時間45分。
⇒CoRich舞台芸術!『In The PLAYROOM』←CoRichでカンタン予約!
≪あらすじ≫
人気作家キリヤのもとに集まった彼のファンたち。人気シリーズの新作執筆を手伝ってほしいと言われ・・・。
≪ここまで≫
キリヤの小説と同様に次々と殺人が起こる密室劇で、最後の最後まで、何度も観客の想像を超える展開を用意してくれています。推理小説らしい謎解きの面白さがあるだけでなく、演劇ならではのフィクション性が高かったのが私にとってはとても魅力的でした。
計算された脚本ですがかなりの冒険をしているので、きっと穴を探せば見つかるのでしょう。けれど、私はそんなことは気になりませんでした。ル・デコの小さな空間が渋谷区全体に広がり、時間もキリヤの過去の作品が書かれた時代へと何度も飛びました。
ただ、役者さんの演技については残念なところが多く、勝手なことを言いますが、違った座組みでさらに脚本をブラッシュアップした再演を希望したいところ。國重直也さんと川田希さんについては「カッコい~♪」と思わせてくれる場面がありました。
ここからネタバレします。これからご覧になる方は絶対に読まないでくださいね!
キリヤの小説は“プレイヤー”という名の殺人鬼と警視庁の女刑事・水越貴理子(川田希)が対決する人気シリーズで、“プレイヤー”をつかまえる、つまり犯人の正体を暴くまでが大きな山場です。
机上で“鬼ごっこ”をしていると、参加者たちが現実世界で次々とプレイヤーに殺されていきます。目の前で役者さんはありありと生きているのに、物語の中では実際に死んでいるという、“ありえない”状況にわくわくしました。
実は作家(服部紘二と思いきや島田雅之)が多重人格障害だったため、彼の脳内でさまざまな人格が生み出され、殺されていたのです。“多重人格ネタ”というのは有名だし、私の好みの方向ではなかったですが、この設定には必要だったと思います。そしてそれだけで終わらなかったのがイイ!とことん面白がらせてくれるサービス精神を嬉しく思いました。
feblabo produce
【出演】編集者:島田雅之(DART'S/ダブルスチール)、元IT会社社長:池田智哉(DART'S/劇団ギリギリエリンギ)、元陸上選手:長谷川太郎(少年社中/森の太郎)、鈴木麻美(北京蝶々)、作家:服部紘二(ハイバネカナタ)、自称私立探偵:國重直也、小説の主人公:川田希(カニクラ)、無職:細井里佳、OL:中村貴子
脚本・演出:広瀬格(DART'S/Smokers) 音響・照明オペ:黒木唯(活劇工房)/一橋純平(活劇工房) 制作協力:伊藤静香(Karte) プロデューサー:池田智哉(feblabo)
【発売日】2009/11/14 前売・当日 2500円 初日・平日昼 2000円 1ドリンクつき!
http://blog.livedoor.jp/dart_s/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【情報】シンポジウム『チェーホフの「鍵」とは?』12/07シアターX
両国の劇場シアターΧが「第9回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2010」のプレ・シンポジウム『チェーホフの「鍵」とは?』を開催します。司会は演出家の山本健翔さん(⇒この朗読劇の演出がとても面白かったんですよね~)。
井上ひさしさん、黒柳徹子さんら、参加予定者の豪華さに驚き!!これで参加費無料だそうです。ただ“予定者”とありますので、どなたかを目当てに行かれる方は、劇場に問い合わせた方がいいかもしれませんね。私は残念ながら観劇予定があり断念(涙)。
日程:2009年12月7日(月)18:30
参加費:無料
会場:シアターΧ
第9回 シアターΧ 国際舞台芸術祭2010 プレ・シンポジウム
参加予定者:折田克子(舞踊家) ケイタケイ(舞踊家) 谷口秀一(放送作家・劇作家・演出家) 西田敬一(NPO法人 国際サーカス村協会代表) 矢野通子(舞踊家) 八木昭子(NPO法人東京ノーヴイ・レパートリーシアター芸術部長) 若松美黄(舞踊家) レオニード・アニシモフ(演出家) 安達紀子(早稲田大学講師・ロシア演劇翻訳家) 加賀乙彦(作家) 田口ランディ(作家) 井上ひさし(劇作家) 岡崎弘司(NPO法人 東京ノーヴイ・レパートリーシアター理事長) ユーリ・グロムイコ (モスクワ文化教育アカデミー会長) 黒柳徹子(女優) 武田清(明治大学教授) 中本信幸(神奈川大学教授・演劇評論家) 牧原純(チェーホフ研究家・演劇評論家) 村田真一(上智大学教授) 上田美佐子(シアターΧ芸術監督/劇場プロデューサー) 大久保喬(シアターΧ総括)
司会:山本健翔(演出家)
http://www.theaterx.jp/09/091207-091207p.php
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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イキウメ『見えざるモノの生き残り』12/02-07紀伊國屋ホール
前川知大さんが作・演出される劇団イキウメの新作です。前川さんはなんと今年3作目の新作(⇒1、2)。漫画原作も手掛けられるなど、今もっとも注目される若手劇作家・演出家の1人です。
今回登場するのは座敷童子(ざしきわらし)。いい意味で予想を裏切られ、温かい気持ちに。初日はカーテンコールがダブルになりました。上演時間は約1時間50分。
東京公演の前売り券予約は終了していますが、空席はあるので当日券がたくさん出るとのこと。「フラっとお越しください!」と制作さんがおっしゃっていました。
⇒CoRich舞台芸術!『見えざるモノの生き残り』
⇒TICKETS@TOKYOで当日券予約(前日18時より開演3時間前まで)
※レビューに舞台写真あり!初日に画像データをいただけて嬉しいです。
≪あらすじ≫
都会のどこか。人知れず座敷童子たちが集合している。今日は七節と名付けられた若者(窪田道聡)の新人研修だ。ベテランら(板垣雄亮、有川マコト、森下創)は、それぞれに自分たちが棲んでいた家の話を始める。座敷童子がいる家には幸福が訪れるというが・・・。
≪ここまで≫
私はイキウメのお芝居の、キリっとしていて、それできて柔らかい透明感のようなものが独特だと思います。それを肌で味わうのが好きです。
キャッチコピーに“座敷童子の事例報告”とあるので、ちょっと怖い目のSFかしらと想像していたんですが、その期待はきれいに裏切られ、少人数の対話でみせる直球の人間ドラマに。笑いもほどよくあって難しく考えずに観られる、いわゆる「わかりやすさ」を備えたファンタジーでありながら、現代日本人(および座敷童子)がそれぞれに“幸福”を求めて、もがきながら生きる様を描いてます。
誰もが幸福になりたいはずですが、何を幸福と感じるかは人それぞれ。そんなにバラバラな私たちだけど、誰かの幸福に介入したい(あの人に幸福になってほしい)と本気で思った時、人と人とが本当の意味で出会い、つながるのかもしれません。それが幸福なのだろうと思いました。
【舞台写真】左から:森下創、板垣雄亮、窪田道聡、有川マコト(撮影:田中亜紀)
イキウメにとって2度目の紀伊國屋ホールですね(⇒1度目)。比較的すっきりした装置に出演者は8人と少なめですが、空間が余っているようには感じせんでした。前川さんの演出も役者さんも大きなサイズへと成長されているのだと思います。
対話が説明ゼリフの応酬のように感じる瞬間もチラホラありましたが、初日でまだ固かったせいかも。東京公演の後には大阪、福岡ツアーがあります。全国を旅する劇団へと成長してくれたらと願います。
ここからネタバレします。
死んだことを自覚できていないなど、“ちゃんと死ねなかった”死者が、座敷童子になるという設定。基本的に座敷童子が語り部となって経験談を紹介していく構成ですが、座敷童子がいなくなった後(梅沢夫婦のその後など)が描かれているのがとても面白いと思います。
はじめは太鼓打(タイコウチ:森下創)が滞在の“満期”を迎えることができた、梅沢夫妻(盛隆二、岩本幸子)のエピソードから。5才の子供を海の事故で喪った若い夫婦が、太鼓打のおかげもあってか、立ち直っていきます。
次は新人・七節が若くして死んだ理由が明かされます。両親に借金を押し付けられた若い女(伊勢佳世)と、その借金を取り立てる七節の上司(浜田信也)のエピソードには、大ベテランの座敷童子・日暮(ヒグラシ:有川マコト)が起こした事件も含まれていました。
太鼓打の話が始まった時はオムニバス形式かと思い、たぶん3話ぐらいはあるのだろうと予想したのですが、エピソードは2つで終わり。日暮が七節を一撃で殺してしまう最後のシーンが、いわば3話目だと思ってもいいかもしれません。“グリーンジャイアント”と“ハルク”の話はただのギャグではなく、日暮の怪力とつながり、最初と最後がくるりと丸くまとまりました。
無言劇でじっくり見せた七節と日暮との“接触”場面に、有川マコトさんの魅力が凝縮していたように思います。あのシーンは別になくても成立はしていたと思うんです。でも敢えて見せるという選択が、前川作品らしいと思いました。
≪東京、大阪、福岡≫
出演:浜田信也、盛隆二、岩本幸子、伊勢佳世、森下創、窪田道聡、板垣雄亮、有川マコト
脚本・演出:前川知大 美術:土岐研一 照明:松本大介(enjin-light) 音楽:安東克人 音響:鏑木知宏 衣裳:今村あずさ 演出助手:石内エイコ 舞台監督:谷澤拓已 制作:中島隆裕 吉田直美 演出部:宇野圭一 棚瀬巧 渡邉亜沙子 ヘアメイク:前原大祐 照明操作:鳥海咲 宮田正芳 小道具:高津装飾美術 映像制作:原口貴光 大道具製作:C-COM舞台装置 宣伝美術:末吉亮 宣伝写真:渡辺辺マコト 舞台写真:田中亜紀 助成:平成21年度文化芸術振興費補助金(芸術創造活動特別推進事業) 稽古場助成:財団法人セソン文化財団 主催:イキウメ/エッチビイ株式会社
【発売日】2009/10/17 料金:前売 3,800 円当日 4,000 円(全席指定・税込)
http://www.ikiume.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2009年12月01日
【ワークショップ】俳優指導者アソシエーション「シリーズ『俳優のすべて』自分の演劇を探す(講師:池内美奈子、他)」12/19-27王子スタジオ1・受講者12名募集※先着順
俳優指導者アソシエーション(関連記事⇒1、2)による俳優向けワークショップ「シリーズ『俳優のすべて』」の第2弾が開講します。第1弾は計3日間見学し、参加もさせていただきました(レポートは上げられず。すみません)。
今回もほぼ同じ講師陣での全7日間みっちりコース。新国立劇場演劇研修所(⇒来年度募集要項)をはじめ、さまざまな俳優教育の現場で活躍されている俳優指導者が揃っています。
≪内容についてヒトコト≫
「演劇への旅路」は紀元前から21世紀までの世界の演劇の変遷を、大きな年表で体感するという画期的な試みです。
池内美奈子先生のクラスでは自分の体の素晴らしさを実感できて、とても幸せな気持ちになれますよ♪ ↓前回の写真
有料ワークショップは初めての方には敷居が高いかもしれませんが、職業俳優であるならば、自分のためのお稽古に投資することを、ためらう必要はないと思います。年末の忙しい時期ですが、少しでもご興味のわいた方は飛び込んでみてください。詳細は下記をどうぞ。
●俳優のすべて 第2回「自分の演劇を探す」
日程:12月19日(土)~27日(日) 14:00~21:00(食事休憩有り)
全7日 *21(月)、25(金)は休み
募集人数:12名(先着順にて〆切)
受講料:35,000円
■俳優のすべて 第2回「自分の演劇を探す」
主催:俳優指導者アソシエーション
●クラス概要
シリーズ「俳優のすべて」は俳優に関わる様々の要素をいろいろな角度から検証し、それをもとに勉強会やワークショップ、レクチャーなどをおこなっていく企画です。
第2回目は戯曲読解、シーンスタディを中心として、ヴォイスやムーブメントなど、様々な体験をしてもらいます。その中で、自分が持っているもの、足りないもの、必要なものを見極め、自分から発信できる、関係性をつくることができる「俳優とは何者か」を考えていきます。
●講師
池内美奈子
鍬田かおる
石本興司
小森創介
黒澤世莉 他
【タイムテーブル】
19日(土)14:00~16:00 ガイダンス
16:00~18:00 ムーブメント:鍬田かおる
19:00~21:00 戯曲読解:黒澤世莉、池内美奈子
20日(日)14:00~17:00 演劇としての話法:石本興司、小森創介
18:00~21:00 戯曲読解:黒澤世莉、池内美奈子
22日(火)14:00~17:00 ヴォイス:池内美奈子
18:00~21:00 戯曲読解:黒澤世莉、池内美奈子
23日(水)14:00~21:00 演劇への旅路:黒澤世莉、池内美奈子
24日(木)14:00~17:00 ムーブメント:鍬田かおる
18:00~21:00 戯曲読解:黒澤世莉、池内美奈子
26日(土)14:00~17:00 演劇としての話法:石本興司、小森創介
18:00~21:00 戯曲読解:黒澤世莉、池内美奈子
27日(日)14:00~16:00 ヴォイス:池内美奈子
16:00~18:30 戯曲読解:黒澤世莉、池内美奈子
19:00~21:00 ディスカッション
【課題戯曲】
「華々しき一族」森本薫
【募集要項】
参加資格
・職業俳優としての意識のある方
・年齢・性別・国籍不問ただし日本語での会話に不自由のない方
・大学の演劇専攻過程在籍の方、養成所所属や小劇場系劇団所属の方も対象になります。
・全日参加のできる方。
日程 12月19日(土)~27日(日) 14:00~21:00(食事休憩有り) 全7日 *21(月)、25(金)は休み
募集人数 12名(先着順にて〆切)
受講料 35,000円
●会場
王子スタジオ1
東京都北区王子2-30-5 平野ビル1F
03-3911-8259
●応募方法
下記をご記入の上、[郵送]または[E-mail]にてお申し込み下さい
【1】参加希望クラス
【2】お名前(ふりがな) *芸名で活動されている方は、本名と併せてお送りください。
【3】年齢
【4】性別
【5】電話番号
【6】メールアドレス
【7】住所
【8】参加同機
【9】俳優としての長所/短所
【10】備考 *所属劇団、事務所等、最近の舞台出演等、があればお書きください
[郵送先] 114-0002 東京都北区王子1-14-4 BF1 王子小劇場 俳優のためのレッスンスタジオ申込係
[E-mail] info-ohsho@(アットマーク)proof.ocn.ne.jp 題名を「俳優のためのレッスンスタジオ申込」として
主催:俳優指導者アソシエーション
共催:俳優のためのレッスンスタジオ
助成:財団法人セゾン文化財団
連絡先
王子小劇場 スタジオ事業部
03-3911-8259 担当 くろさわ
http://blog.livedoor.jp/ojiblog-studio/archives/1350555.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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“しのぶの演劇レビュー” Vol. 67 2009.12.01 1,439部 発行
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/
今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
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◎携帯に届くメルマガにも、まぐまぐさんの広告が入るようになりました。
今年があと1ヵ月で終わるなんて、まだ信じられません(汗)。
2009年の締めくくりに相応しい舞台を見つけてくださいね♪
舞台には、あなたの心を揺さぶり、
人生の輝きを増してくれる奇跡があります。
“今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪
◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
○
○○ 今回のもくじ
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◆1【今月のお薦め10本+α】
◎No.1→松竹・歌舞伎座さよなら公演『十二月大歌舞伎』
12/02-26歌舞伎座
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2009/12/post_51.html
◆2【先月のベスト3】
◎No.1→フェスティバル/トーキョー09秋・BATIK『花は流れて時は固まる』
11/15-20にしすがも創造舎
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1115211559.html
◆3【「フェスティバル/トーキョー09秋」が後半に突入!】
◎カステルッチ演出「神曲」三部作一挙上演など、刺激的な企画も。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0808221325.html
◆4【平田オリザさんの劇団、青年団。12月は5作品上演!】
◎青年団作品は民主党議員の方々も鑑賞されています。
http://www.seinendan.org/
◆5【編集後記】
◎まぐまぐさんのご都合により携帯メルマガ冒頭にも広告掲載。
◎おすすめ舞台中継 on TV
◆6【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪
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◆1 【今月のお薦め10本】
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▽★印がいちおし公演です(3本)。
▽初日の早い順に並べています。
▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL
▽座種の記述がない公演は全席指定。
★1.松竹・歌舞伎座さよなら公演『十二月大歌舞伎』
12/02-26歌舞伎座
☆出演:中村勘三郎 坂東三津五郎 中村橋之助 中村福助 市川染五郎
中村勘太郎 中村七之助 中村獅童 中村扇雀 坂東彌十郎 井之上隆志 他
昼の部 四、「大江戸りびんぐでっど」(作・演出:宮藤官九郎)
夜の部 三、「野田版 鼠小僧」(作・演出:野田秀樹)
1等席16,000円 2等席12,000円 3階A席4,200円
3階B席2,500円 1階桟敷席18,000円
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2009/12/post_51.html
●お薦めポイント●
建て替えが決まった銀座の歌舞伎座では、毎月さよなら公演を上演中。
宮藤官九郎さんが初めて歌舞伎の作・演出をされます。
野田秀樹さん作・演出の「野田版 鼠小僧」は2003年初演↓。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/0818210443.html
2003年しのぶの演劇ベストテン第2位でした。
シネマ歌舞伎↓にもなっている大人気演目です。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0122115924.html
2.森崎事務所『マレーヒルの幻影』
12/05-27本多劇場
≪東京、大阪≫
☆出演:麻生久美子 ARATA 三宅弘城 荒川良々 市川美和子 松重豊 他
脚本・演出:岩松了
6800円
http://www.morisk.com/plays/gen_ei/index.html
フィッツジェラルド作「グレイト・ギャツビー」に想を得た、
岩松了さんの新作。麻生久美子さん、ARATAさんはこれが初舞台。
3.世田谷パブリックシアター『国盗人(くにぬすびと)』
12/05-12世田谷パブリックシアター
☆出演:野村萬斎 白石加代子 石田幸雄 大森博史 小田豊 山野史人 他
原作:W.シェイクスピア「リチャード三世」
脚本:河合祥一郎 演出:野村萬斎
一般S席7,000円/A席5,000円 高校生以下 各一般料金の半額
TSSS各一般料金の半額 劇場会員、世田谷区民割引などあり。
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2009/12/post_166.html
初演↓も好評だった野村萬斎さん主演・演出の狂言風シェイクスピア。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0623002449.html
再演で大いにブラッシュアップされていることと期待します。
4.青山円形劇場プロデュース
『おしゃべりなレストラン~ア・ラ・カルト リニューアルオープン準備中』
12/08-25青山円形劇場
☆出演:高泉淳子/山本光洋/(本多愛也)
生演奏:中西俊博 クリス・シルバースタイン 竹中俊二 林正樹
日替わりゲスト:石井一孝 川平慈英 羽場裕一
マギー ROLLY 山寺宏一 篠井英介
脚本:高泉淳子 演出:吉澤耕一
¥6,000
http://www.aoyama.org/japanese/schedule/s2009/enkei/12alacarte/alacarte.html
毎年クリスマス・シーズン恒例の音楽劇「ア・ラ・カルト」。
主要メンバーが変わり、新装開店準備に入ったようです。ゲストが豪華。
5.劇団道学先生『リンゴリンゴリンゴ』
12/09-24赤坂RED/THEATER
☆出演:青山勝、あめくみちこ、大西多摩恵、かんのひとみ、
斎藤ナツ子、土屋裕一、津村知与支、福島勝美、44北川、六角精児
脚本・演出:中島淳彦
4,500円
http://www.place-net.co.jp/ringo.htm
劇団道学先生の座付き作家としては6年ぶりの、中島淳彦さんの新作。
出演者も手堅い面々ですね。中島作品というとこの作品↓を思い出します。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0306164453.html
6.劇団俳優座『グレイクリスマス』
12/09-20俳優座劇場
≪東京、その他、多地域公演あり)
☆出演:三田和代 神山寛 小笠原良知 児玉泰次 石田圭祐 米倉紀之子 他
脚本:斎藤憐 演出:高瀬久男
一般:5250円 学生:3675円
※12/9、10はハーフプライスチケットデーで一般・学生ともに2625円。
http://eplus.jp/sys/T1U90P006001P0050001P002034007P0030001P0007
1984年初演の斎藤憐さんの戯曲が、演劇人有志によって上演されます。
1945年のある伯爵家を舞台に、日本国憲法の精神を問う作品だそうです。
7.ホリプロ『ANJIN~イングリッシュサムライ』
12/10-01/18天王洲 銀河劇場
≪東京、大阪≫
☆出演:市村正親 藤原竜也 オーウェン・ティール 他
脚本:マイク・ポウルトン 翻訳:河合祥一郎 演出:グレゴリー・ドーラン
S席10,500円 A席8,400円
http://anjin-englishsamurai.com/
計画から5年の歳月を経てとうとう実現する日英合作舞台。
配役は徳川家康(市村)、日本人宣教師(藤原)、英国人の侍(ティール)。
藤原さんは英語の膨大なセリフがあるそうです。
8.流山児★事務所『田園に死す』
12/10-23ザ・スズナリ
☆出演:劇団員、大内厚雄(演劇集団キャラメルボックス)他、計37人
脚本:寺山修司 脚色・構成・演出:天野天街 音楽:J・A・シィザー
日時指定・整理番号つき自由席
前売4,000円 当日4,500円 学生割引3,000円
http://www.ryuzanji.com/
少年王者舘の天野天街さん演出による寺山修司作品の舞台化。
大人数の出演者が小空間で熱く踊ってくれそう。
J・A・シィザーさんの音楽でアングラ色も鮮やかでしょうね。
★9.Bunkamura『東京月光魔曲』
12/15-01/10 Bunkamuraシアターコクーン
☆出演:瑛太 松雪泰子 橋本さとし 大倉孝二 犬山イヌコ 大鷹明良
長谷川朝晴 西原亜希 赤堀雅秋 伊藤蘭 山崎一 ユースケ・サンタマリア 他
脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
S席¥9,500 A席¥7,500 コクーンシート¥5,000
[12/31カウントダウン・スペシャルバージョン]※12/31に限り特別料金
S席¥13,000 A席¥11,000 コクーンシート¥8,500
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_09_makyoku.html
年末のコクーンはケラさんの新作で年越し公演。超豪華キャストです。
個人的には赤堀雅秋さん、岩井秀人さんが気になってます。
10.トータル・ステージ・プロデュース
『兵士の物語~言葉と音楽のシリーズによる三重奏版~』
12/25-28日経ホール&カンファレンスルーム
≪東京、兵庫≫
☆出演:石丸幹二 ピアノ:石岡久乃 パーカッション:平子久江
脚本:ラミューズ 演出:白井晃
¥7,500
http://www.parco-play.com/web/page/information/heishi02/
石丸幹二さん主演、白井晃さん演出の“言葉と音楽のシリーズ”第2弾。
第1弾未見ですが、華のある石丸さんと白井演出はうまく合いそう。
★★★──────────────────────────────
前売3000円以下の気になる作品を6本ご紹介します。
──────────────────────────────★★★
【1】イキウメ『見えざるモノの生き残り』
12/02-07紀伊國屋ホール
≪東京、大阪、福岡≫
☆脚本・演出:前川知大
前売3,800円 当日4,000円
http://www.ikiume.jp/
今年の前川知大さんはシアタートラム、パルコ↓と連続で新作を発表。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0713142132.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0906183220.html
週刊モーニングの漫画原作↓にも初挑戦されました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0820101007.html
締めくくりは座付き劇団イキウメの3都市ツアーです。
【2】ONEOR8(ワンオアエイト)『シケモクと猿股』
12/02-06シアターグリーン BOX in BOX THEATER
☆脚本:田村孝裕 演出:松本祐子(文学座)
前売3,200円・当日3,500円
http://www.oneor8.net/ ↓CoRichでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=14961
商業演劇やテレビの仕事もされている田村孝裕さんの劇団です。
田村さんの過去の戯曲を松本祐子さんが演出されます。
今回のためにかなり改訂されたとの噂あり。
★【3】ヨーロッパ企画『曲がれ!スプーン』
12/10-22紀伊國屋ホール
≪栗東、東京、いわき、京都、広島、福岡、名古屋、大阪≫
☆脚本・演出:上田誠
前売3,500円 当日3,800円 ※未就学児入場不可
http://www.europe-kikaku.com/projects/e28/main.htm
ヨーロッパ企画の代表作『冬のユリゲラー』が『曲がれ!スプーン』となり、
堂々3度目の再演で8都市ツアーへ。↓2007年版レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0512171914.html
長澤まさみさん主演の同名映画↓もただいま上映中です。
http://magare-spoon.com/
【4】ポかリン記憶舎『「垂る」-shizuru-』
12/09-13アトリエヘリコプター
☆脚本・演出:明神慈
前売3000円 当日3500円 平日マチネ割2500円
和服割2500円 学割2500円
http://www.pocarine.org/mt/
明神慈(みょうじん・やす)さん率いるポかリン記憶舎の新作は、
20~70代の俳優陣の競演。稽古場ブログ↓には写真がいっぱい。
http://pocarine.blog17.fc2.com/
【5】グリング『jam(再演)』
12/09-23東京芸術劇場 小ホール1
☆脚本・演出:青木豪
特割3,500円 前売4,000円 当日4,300円
※特割チケット:12/9(水)~11(金)は、
前売りチケットに限り特別料金3500円
http://www.gring.info/gringHP-next.html
“芸劇が注目する才能たち、「芸劇eyes」”に選ばれた、
青木豪さん率いるグリング。でも今回で活動休止するとのこと。
松本紀保さん、小松和重さんら強力な客演陣にも惹かれます。
【6】ブラジル『FUTURE』
12/16-21駅前劇場
☆脚本・演出:ブラジリィー・アン・山田
前売3300円 当日3800円
平日マチネ割引 前売・当日2500円
http://www.bra-brazil.com/
テレビや映画でも脚本執筆されているブラジリィー・アン・山田さんが
作・演出される劇団です。こちらも客演陣が魅力的。
≪ダンス、オペラ≫
○カンパニーデラシネラ『点と線』
12/17-20川崎市アートセンター アルテリオ小劇場
日仏ダンスコラボレーション/小野寺修二×ニコラ・ビュフ
☆演出・振付:小野寺修二
前売4,000円 当日4,500円
http://www.onoderan.jp/website/
○SPAC『オペラ「椿姫」』
12/11-13グランシップ中ホール・大地
SPAC秋のシーズン2009・グランシップ開館10周年記念
☆出演:中丸三千繪、佐野成宏、堀内康雄、Noism1、SPAC、他
作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ 台本:フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ
演出・照明・衣裳デザイン:鈴木忠志 ダンス:Noism1(振付:金森穣)
全3幕 字幕付原語上演
S席10000円 A席8000円 学生5000円
http://www.spac.or.jp/09_autumn/camille
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◆2 【先月のベスト3】
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1.フェスティバル/トーキョー09秋・BATIK『花は流れて時は固まる』
11/15-20にしすがも創造舎
☆黒田育世さんの踊り自体の迫力はもとより、演出の鋭さにうなりました。
スタンディング・オベーションしたかったのに、腰が抜けてできず。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1115211559.html
2.フェスティバル/トーキョー09秋/グルーポ・ヂ・フーア『H3』
11/07-11にしすがも創造舎
☆普段着の男たちが走って飛ぶ!逆走するのがたまらなく刺激的。
そこに、ある、“体”のリアリティーに打ちのめされました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1110000958.html
3.パラドックス定数『東京裁判』
11/13-23pit北/区域
☆初演よりブラッシュアップされた、誰にでもお薦めしたい法廷劇。
裁判が始まる前を描くという切り口が見事だと思います。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1114020134.html
サンプル『あの人の世界』に瞠目させられ、飴屋法水さん演出の
『4.48サイコシス』に全身震えさせられ、11月はF/T月間でした。
『海をゆく者』(ただいま上演中!)ではストレート・プレイの贅を堪能。
◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
2009年11月(観劇数19作品)はパラドックス定数『東京裁判』で発行!
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◆3 【「フェスティバル/トーキョー09秋」が後半に突入!】
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◎のべ6万人を集客した「フェスティバル/トーキョー09春」↓に続き、
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0330111410.html
「フェスティバル/トーキョー09秋」が開催中です。記者発表↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0808221325.html
12月は、海外からやってくる目玉演目も次々と幕が開きます。
無料イベントも多数開催されますので、公式サイトは要チェック!
http://festival-tokyo.jp/
○庭劇団ペニノ『太陽と下着の見える町』
12/05-13にしすがも創造舎
☆脚本・演出:タニノクロウ
自由席(整理番号付き)一般3,500円
学生3,000円/高校生以下 1,000円
http://festival-tokyo.jp/program/penino/
先日ドイツ公演も実現させたタニノクロウさんの新作。
“パンチラ”をどう表現するのか(笑)、高濃度の世界観に期待。
○ロメオ・カステルッチ演出“神曲3部作”
世界的に注目されるイタリア人演出家の“象徴演劇”です。
3部作一挙上演はお得! F/T09春『Hey Girl!』のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0310231052.html
・『神曲-地獄篇』12/11-13東京芸術劇場 中ホール
上演言語:英語(日本語字幕つき)
S席6,500円 A席5,000円
http://festival-tokyo.jp/program/inferno/
・『神曲-天国篇』12/17-21にしすがも創造舎
展示形式
一般・学生共通500円
http://festival-tokyo.jp/program/paradiso/
・『神曲-煉獄篇』12/19-21世田谷パブリックシアター
上演言語:英語(日本語字幕つき)
※刺激の強い表現あり。観劇は16歳以上推奨。
一般6,500円 ほか世田谷区民割引、TSSS料金等あり。
http://festival-tokyo.jp/program/purgatorio/
○リミニ・プロトコル『Cargo Tokyo-Yokohama』
11/25-12/21クリスタルヨットクラブ駐車場
☆構成:シュテファン・ケーギ 演出:イェルク・カレンバウアー
トラックを改造した専用車両に乗って鑑賞する移動型の公演です。
デートにもお薦めらしいですよ♪
※乗車券は無料。別途発券手数料300円。毎回限定45名。
▼第2期分(12/7~21)の申込は本日12/1(火)12:00より受付開始!
http://festival-tokyo.jp/program/rimini/
『ムネモパーク』『資本論』のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0314232550.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0226235354.html
★F/Tライブ『飴屋法水×黒田育世×山川冬樹』
12/19(土)時間未定 於:F/Tステーション
http://festival-tokyo.jp/special/ftft-2/
何が飛び出すかわからない三人の即興ライブ・パフォーマンス。
予約不要・入場無料(1ドリンク制)/開演1時間前より整理券発行
★毎週金曜日は、東京芸術劇場前の特設ドーム周辺で
快快(ファイファイ)が一日中パフォーマンスをするそうです♪
『快快の「GORILLA」』@東京芸術劇場前・特設ドーム
11/13~12/18の毎週金曜日に開催
☆出演:快快、他ゲストなど 脚本・演出:快快
http://faifai.tv/
http://festival-tokyo.jp/station/faifai.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆4 【平田オリザさんの劇団、青年団。12月は5作品上演!】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎青年団は劇作家・演出家の平田オリザさんの劇団です。平田さんは
大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授でもあり、
今年10月に内閣官房参与に就任↓されて以来、
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1103200849.html
青年団公演には民主党議員の方々も足を運んでいらっしゃるようです。
12月は平田さん作・演出の作品が4本、そして劇団に所属する
若手演出家の作品が1本あり、計5本の劇団関連公演が上演されます。
見つめて、感じ取って、考える演劇を、ぜひこの機会に!
●『サンタクロース会議』(子供向け&大人向け2本立て上演)
12/11-23こまばアゴラ劇場
☆脚本・演出:平田オリザ
http://www.seinendan.org/jpn/info/info091007.html 初演レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1223200823.html
『サンタクロース会議』
日時指定・全席自由席・整理番号付
前売・予約・当日共 子ども席1,000円 大人席(高校生以上)2,000円
親子セット券(子ども席+大人席)=2,500円
*3歳以下の幼児の入場不可。未就学児童は保護者同伴。
*芸術地域通貨ARTS(アーツ)でも観劇可。
※対象年齢はおそらく幼稚園から小学校4年生ぐらいまで。
『サンタクロース会議 アダルト編』
日時指定・全席自由席・整理番号付
前売・予約・当日共 一般2,000円 学生1,500円
*未就学児の入場不可。*芸術地域通貨ARTS(アーツ)でも観劇可。
※お子様は見ちゃダメですよ~!
●2本立て公演「『カガクするココロ』『北限の猿』」全国ツアー
12/26-01/26こまばアゴラ劇場
≪伊丹、広島、鳥取、北九州、宮崎、東京≫
☆脚本・演出:平田オリザ
日時指定・全席自由席・整理番号付 前売・予約・当日共一般3,500円、
学生・シニア(65歳以上)2,500円、高校生以下1,500円
2演目セット券(前売・予約のみ)一般6,000円、
学生・シニア(65歳以上)4,000円、高校生以下2,000円
※未就学児の入場不可。芸術地域通貨ARTS(アーツ)でも観劇可。
http://www.seinendan.org/jpn/info/info091009.html
●青年団リンク・青☆組『午后は、すっかり雪』
12/03-13アトリエ春風舎
☆脚本・演出:吉田小夏(青☆組/青年団演出部)
予約2,700円 当日3,000円 学生・シニア券2,500円(予約・前売のみ)
ペアチケット5,200円 (2名様 予約・前売のみ)
WEB予約限定・LOVE邦子割2,500円(受付で向田邦子著作の書籍を提示)
http://www.aogumi.org/ ↓CoRichでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=14340
生誕80周年を記念し、小説家の故向田邦子にオマージュを捧ぐ作品。
吉田小夏さんは様々な新人戯曲賞候補にあがる女流劇作・演出家です。
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◆5 【編集後記】
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◎このメルマガはまぐまぐさん↓から無料で配信されています。
http://www.mag2.com/
今月号より携帯受信分の冒頭部分にも広告が入ることになりました。
どうしても広告が不快だと感じる方は、サイト↓からどうぞ。
http://www.shinobu-review.jp/
配信後、割と早めに本文をそのまま掲載しています。
◎twitter(ツイッター)始めました~。
http://twitter.com/shinorev
@shinorevです。
◎映画「曲がれ!スプーン」はただいま全国で上映中!
http://magare-spoon.com/ ↓試写の感想
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0403153758.html
本広克行監督&7人のエスパーのインタビュー↓
http://stage.corich.jp/interview/index.html
◎「事業仕分けへの意見募集」〆切は12/15(火)です!※メールのみ
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1120230730.html
芸術文化は私たちの日常を豊かにしてくれる、生活に必要なものです。
ご意見を届けていただけたら嬉しいです。
「日本芸術文化振興会」は事業番号3-4、「芸術家の国際交流」「学校への
芸術家派遣」「コミュニケーション教育拠点形成事業」は事業番号3-5。
◎おすすめ舞台中継 on TV
【WOWOW】12/4(金)午後0:00~
三谷幸喜「東京サンシャインボーイズ『returns』」
さよならシアタートップスStage&Document
http://www.wowow.co.jp/pg/detail/075438001/index.php
【BS2】12月5日(土) 午前0:45~2:41(4日深夜)
渡辺源四郎商店『どんとゆけ』
http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/ レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1020110553.html
ゲストは畑澤聖悟さん。
【NHK教育】12月11日(金) 22時30分から24時45分
情報コーナー「仲代達矢が挑んだ能登・ロングラン公演『マクベス』」
劇場中継「無名塾『マクベス』」
http://www.nhk.or.jp/art/current/drama.html#drama1211
【BS2】12月12日(土) 午前0:45~2:42(11日深夜)
ギンギラ太陽’s『BORN TO RUN さよなら初代0系新幹線~
http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/ レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1206170231.html
ゲストは大塚ムネトさん。
【BS2】12月26日(土) 午前0:45~3:00(25日深夜)
石井光三オフィスプロデュース『7Days Judgement-死神の精度-』
http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/
【WOWOW】12/31(木)午前11:00~
アダム・クーパー×ウィル・ケンプ『兵士の物語』
http://www.wowow.co.jp/pg/detail/075451001/index.php
◎FM西東京・演劇情報番組「たけがき2」
http://takegaki.k-free.net/
毎週放送される『演劇ハニーフラッシュ!』に
「しのぶセレクション」というコーナーがあります。
私がお薦めする舞台の公演情報を発信してくださっています。
ラジオだけでなくネットでも聴けるので↓、よかったらぜひ♪
http://www.voiceblog.jp/takegaki842/
◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
2009年11月は下記の5作品を拝見しました。
・「大丈夫であるように-Cocco 終らない旅-」←号泣。
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id331828/
・「パレスチナ1948・NAKBA(ナクバ)」←知識として重要。
http://nakba.jp/
・「ウルトラミラクルラブストーリー」←マツケンって凄いなー。
http://www.umls.jp/
・「インスタント沼」←ん~三木聡監督作品はあまり好みじゃないみたい。
http://instant-numa.jp/
・「映画クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国」←良かった!
http://www.shinchan-movie.com/
◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
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◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
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◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
それが私の望みです。
これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪
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