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REVIEW

2009年12月16日

Bunkamura『東京月光魔曲』12/15-01/10 Bunkamuraシアターコクーン

 Bunkamura二十周年記念企画ということで、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん作・演出の新作に、超豪華キャストが揃っています。初日に伺いました。上演時間は約3時間30分(途中休憩15分を含む)。年越しのカウントダウン公演もあるようです。

 ネットや雑誌からの情報によると脚本完成がやはり遅かったらしく、期待を上回る完成度ではなかったですが、役者さんがギリギリのテンションで大勝負をしている感覚はスリリングで面白かったです(観客だから言えることですけど)。小劇場俳優の活躍が嬉し過ぎた。そして瑛太さんがセクシー過ぎた!ぎゃー!

 ⇒CoRich舞台芸術!『東京月光魔曲
 レビューを加筆しました(2010/01/12)。

 ≪あらすじ、というより登場人物をサラリと紹介するのみ≫
 昭和4年の東京。父を戦争で、母を地震で亡くした2人暮らしの姉弟(松雪泰子、瑛太)、田舎から大きな夢を抱いて上京した兄弟(ユースケ・サンタマリア、長谷川朝晴)、息子がフランスに留学中の夫婦(大鷹明良、伊藤蘭)、カフェを経営する成金(林和義)の放蕩息子(赤堀雅秋)とその悪友(岩井秀人)、そして連続する猟奇殺人事件の謎を追う、貧乏探偵(橋本さとし)とその助手(犬山イヌコ)と小説家(大倉孝二)らが交錯する、狂騒的でエロティックで、実はかなり怖~いお話。
 ≪ここまで≫

 入り組んだ構造で、観ていて退屈しない回り舞台。凝った造りで衣裳も一緒に昭和のムードです。
 岩井秀人さんや長谷川寧さんら小劇場で活躍してきた方々が、シアターコクーンの舞台に立っているのを見るだけでドキドキしました。「吉本菜穂子さんと赤堀雅秋さんが会話してる!!」とか(笑)。目が泳いじゃった(客なのに)。一体何を見てるんでしょうね、私ったら。※長谷川さんは『パイパー』に出演してらっしゃいますが、その時はアンサンブルでした)

 達者な役者さんが笑わせてくれて、華やかな見せ場もいっぱいで、中盤以降はずんずんサスペンス・ホラーな雰囲気が高まって来ました。色っぽい空気と背筋がゾっとする怖さが良かった~!最後にはたたみかけるようなどんでん返しが続いて面白かったですが、トリックの詳細(理由)までは理解できなかったな~。まだ完成していないんだと思います(初日の時点では)。

 瑛太さんが超セクシーで、あるシーンでクラクラしちゃいました(笑)。初舞台の『牡丹燈籠』では残念な感じだったので、映画で瑛太さんの素敵な姿を見ていた者としては嬉しい限り。本領発揮というか、素材を存分に生かされた姿を見せていただけたように思います。また舞台に出ていただきたいです。

 ここからネタバレします。

 針生澄子(松雪泰子)も倉本(大鷹明良)も動物園で働いているので、よく動物園の場面になるのですが、舞台装置は繁華街の印象が強いので、動物園を想像するのが難しかったですね。動物の鳴き声はヒントになりましたけど。

 霊術(?)を使うのは澄子の弟・薫(瑛太)だけではなく、探偵(橋本さとし)もなんですね。ということは・・・伊藤蘭さんとのラブシーンの相手(=瑛太さんが演じていた)は誰だったの?薫は果たして実在したの??もう1度観て確かめたいな~。DVD出るかな~。

 恐慌前夜が舞台なのは岩松了さんの『マレーヒルの幻影』もそうでしたね。劇作家同士でどこかシンクロするところがあるのかしら。

Bunkamura二十周年記念企画
出演:瑛太、松雪泰子、橋本さとし、大倉孝二、犬山イヌコ、大鷹明良、長谷川朝晴、西原亜希、林和義、長田奈麻、赤堀雅秋、市川訓睦、吉本菜穂子、植木夏十、岩井秀人、長谷川寧、桜乃まゆこ、嶌村緒里江、森加織、吉沢響子、渡邊夏樹、伊藤蘭、山崎一、ユースケ・サンタマリア
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 音楽:朝比奈尚行 美術:BOKETA 照明:小川幾雄 衣裳:前田文子 音響:水越佳一 映像:上田大樹/荒川ヒロキ ヘアメイク:河村陽子 振付:広崎うらん 演出助手:山田美紀 舞台監督:福澤諭志 ムービングプログラマー:高田和彦 音楽助手:鈴木光介 録音演奏:日高和子 アクション指導:明樂哲典 大道具:C-COM舞台装置 唐崎修 背景:櫻井俊郎 鉄骨:くれよん 藤林保 小道具:テルミック 崎山雅之 小道具協力:高津映画装飾 池上三喜 特殊効果:土屋工房 土屋武史 電飾:イルミカ東京 運搬:マイド 衣裳製作:東京衣裳 ウィッグ製作:スタジオAD かつら:細野かつら店 履物:神田屋 イラスト:菅原芳人 宣伝美術:小松清一/峰田久美(FACE DESIGN) 劇場舞台技術:伊集院正則 野中昭二 営業:加藤雅広 中川未来 票券:小瀧香 制作助手:山田智恵 武藤香織 今井信人 制作:金子紘子 プロデューサー:加藤真規 松井珠美 主催・企画・製作:Bunkamura
S席\9,500 A席\7,500 コクーンシート\5,000 (税込)
[12/31カウントダウン・スペシャルバージョン]S席\13,000 A席\11,000 コクーンシート\8,500※12/31に限り特別料金となります※18歳未満の方は保護者の同意書または保護者にあたる方(20歳以上)の同伴が必要となります。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_09_makyoku.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年12月16日 17:09 | TrackBack (0)