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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2010年01月30日

青年団リンク・二騎の会『F』01/29-02/07こまばアゴラ劇場

20100129_F.jpg
F

 青年団の端田新菜さんと多田淳之介さんの2人芝居は、胸きゅんでとっても切ないSFラブストーリーでした。

 上演時間は約1時間40分。恋人同士で観に行かれると良いのではないでしょうか。推奨年齢は中学生以上、大人なら何歳でもOKな気がします。

 2/3(水)夜は『F』Girl's ver.リーディング公演。女優2人芝居を多田さんが演出する別バージョンです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『F
 レビューを加筆しました(2011/01/08)。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 一人と一体。
 あなたのことを思えば思うほど、あなたが遠くなっていく。
 棄てられた世界で生きる女(端田新菜)とアンドロイド(多田淳之介)が、季節をたどる物語。
 ≪ここまで≫

 青年団リンク・二騎の会は宮森さつきさんの戯曲を多田淳之介さんが演出するユニットですが、今回は端田さんの依頼を受けて宮森さつきさんが2人芝居を書き、それを木崎友紀子さんが演出されています。共演者に多田さんを選んだのも端田さんだそうですので、つまり端田さんがプロデューサーなんですね。

 多田さんは東京デスロックの演出家であまり俳優として舞台には立ってらっしゃらないし(今年はこれ1本のみだそうです)、とても挑発的な作品を作っている方なので、ハンサムで優しいロボット役を演じていることにギャップを感じました。それが“萌え”(笑)。そして端田さんは『わが星』での演技が今も鮮烈で、そんな2人の甘酸っぱい恋愛ものですから、最初から何が起こっても、起こらなくても胸ときめくような状態でした。そんな演劇フリークな視点にずっと偏るのがいやになり、「目の前に居るのは今日初めて観る役者さんだ」と思うようにしたところ、するりと平常心に。やるじゃん私(笑)。

 静かな2人芝居にガツンとパワフルな選曲、そして残酷な印象の照明。舞台上で着替えたりブランコが揺れたり、不確定な動的要素が密室に躍動感を与えていました。
 端田さんの「いま、ここにいる」演技に引き込まれ、心があるのかないのか曖昧なラインで演じる多田さんのアルカイック(?)スマイルに魅せられ、絶対に心通わせられない2人の切ない関係にどっぷり。

 ここからネタバレします。

 富裕層と貧困層との間に越えられない格差が生まれた未来の日本。貧困層に属する女は、死に至る新薬の治験を受けることにする。女はその対価として大金を得て、人間そっくりの高性能ロボットを購入。常に献身的なロボットの決まり文句は「お前の利益になることをしたい」。次々と女の要望を学習し、人間らしくなっていくロボットに対して、女は恋心に似た気持ちを抱くようになるが・・・。

 ≪ポストパフォーマンストーク≫
 出演:端田新菜 多田淳之介

出演:端田新菜 多田淳之介
脚本:宮森さつき 演出:木崎友紀子 照明:岩城保 舞台美術アドバイザー:鈴木健介 演出助手:新井ひかる 宣伝美術:京 ちらし写真撮影:木崎友紀子 制作:服部悦子 木元太郎 芸術監督:平田オリザ
【休演日】2月2日(火)【発売日】2009/12/11 予約・当日共 一般:3,000円 学生・シニア(65歳以上):2,000円◎ペアチケット:5,000円(予約のみ)◎1月割引:2,500円(1月29日(金)―31日(日))○『F』Girl's ver.リーディング:1,000円
http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infolinks091211.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 20:28 | TrackBack

FUKAIPRODUCE羽衣『あのひとたちのリサイタル』01/30-31シアタートラム

 快快演劇ユニットG.comを経て、シアタートラム ネクスト・ジェネレーションvol.2の最後の団体になりました。FUKAIPRODUCE羽衣(フカイプロデュース・ハゴロモ)は糸井幸之介さんが脚本・演出・音楽・美術・振付などをトータルに手掛ける劇団です。プロデューサーは劇団所属女優の深井順子さん。

 上演時間は約2時間15分。立ち見も出て満席のシアタートラムを走る、踊る、まぐわう(笑)! 体ごとぎゅっと感動しちゃう歌も場面もありましたが、エロ度高すぎ&上演時間たっぷり過ぎで、私の中の何らかの臨界点を突破されちゃった心持ち(苦笑)。アップアップで疲労感も。

 ⇒CoRich舞台芸術!『あのひとたちのリサイタル』★CoRichでカンタン予約!

 青を基調とした絵やオブジェが並ぶ舞台。ステージ床も糸井さんの絵画なんですね。天井の高いシアタートラム全体が1つのカオスだと感じ取れました。生きるパワー、体を動かすパワーが一直線に性欲とつながるのは納得ですし、私にとっては全身を揺すぶられるほどの感動ポイントになりうるのですが、露骨なエッチネタが割合的に大すぎました(←私にとっては、です)。

 人生の思い出の春夏秋冬。生バンドありの音楽ライブとしての楽しみも十分にありましたが、ん~、夏ぐらいでぎりぎり満腹だったかも。
 それにしてもこれを1日2ステージやるなんて、役者さんはタフですね~。毎回のこととはいえ、ちょっと心配になるぐらい踊って、歌って、叫んでらっしゃいました。

 ここからネタバレします。歌詞は当日配布の歌詞カードより。

 オープニングの暗闇は・・・賛否両論と言うより好き嫌いが激しく分かれるところだと思います。官能小説ってあんな感じなのかな・・・私は・・・歌になった時は感動しました。「世界平和!」「嬉しい!」って。そこが私にとっての盛り上がりの最高点になりました。

 糸井さんのライブペインティングと走り続ける男が現在進行形の時間を感じさせてくれてよかったです。
 「dandyism2010 平成二十二年の女」では一体何人登場!?ステージを埋め尽くす男女の群舞はそれだけで満腹以上。とても面白かったです。
 私の期待にこたえてくれた歌は「秋の新世界」。歌詞→“間違っても今夜だけは 人生の指標となるような 考え方決めつけちまわないように おちゃらけおちゃらけ☆”。

 鯉和鮎美さんはいつもながらキュートでセクシー。声が枯れかけてたのは残念。
 伊藤昌子さんの「勝手に死んだバッタ」がかっこ良かったです。

 思い出して加筆→「僕はきみの優しさにしか興味がない」ってその通りだと思う。人間は他人に優しくされることを無条件に期待している。

世田谷区芸術アワード“飛翔”2008受賞者公演
出演:藤一平/日髙啓介/鯉和鮎美/高橋義和/伊藤昌子(劇団阿佐ヶ谷南南京小僧)/キムユス/(散歩道楽)/召田実子/加藤靖久(AND ENDLESS)/石村みか/深井順子/糸井幸之介/その他大勢
[Band] Guitar MARUGAN/Bass 糸井邦幸(イコーズ)/Drums 岩瀬優童
突然出てくる人たち:大石丈太郎 石山優太 岩田浩 植木まなぶ(散歩道楽) 岡本陽介(開店花火) 加藤律(こゆび侍) 椎名茸ノ介(散歩道楽) 爺隠才蔵(箱庭円舞曲) 鈴木琢磨(to R mansion) 添野豪 武谷公雄 田村元 寺島八雲(演劇魅人ユメミドリ) 永田歩(エビビモpro.) 松本貴史 丸本祐二郎(to R mansion) 森久憲生 山森信太郎(髭亀鶴) 吉田拓郎 寺門敦子 上ノ空はなび(to R mansion) 大西玲子 大野綾 加藤野奈(劇団ミカヅキミナト) 河合美佳 河田唱子 斎田智恵子 志賀聖子 白木沙織 露木友子 鉄炮塚雅よ(散歩道楽) 仲由恵 野崎夏世(to R mansion) 野中さやか 日高ゆい 山田英美 坊薗初菜 國枝陽子(多少婦人)
プロデュース:深井順子 作・演出・音楽・美術・振付:糸井幸之介 振付(「オペラ座の夜」):長谷川寧(冨十山アネット) 舞台監督:渡辺了(株式会社ダイ・レクト) 照明:松本永(光円錐) 音響:樋口亜弓 井出"PON"三知夫(La Sens) 衣装:吉田健太郎(yu-GEN CRaFTS) 衣装製作協力:小野澤彩夏 美術協力:池田那緒美 木皮成 弓野亜希 石原敬 撮影:藤川智美 写真:田中流 宣伝美術:吉田健太郎 演出助手:井出智子 制作:坂田厚子 大石丈太郎 林弥生 主催:世田谷区/財団法人せたがや文化財団 後援:世田谷区
【発売日】2010/11/15 【全席指定】一般:2500円 おまけつき桟敷席:2500円(羽衣のみ取り扱い) TSSS(学生席):1250円(要事前登録) 劇場友の会会員:2000円 世田谷区民割引:2300円(劇場のみ取り扱い) 高校生以下:1250円(劇場のみ取り扱い) 3劇団セット券(枚数限定/劇場チケットセンター電話or店頭のみ取り扱い) 劇情チケットセンター 03-5432-1515
http://www.geocities.jp/hagoromo_hukai/
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/01/fukaiproduce.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 19:45 | TrackBack

2010年01月28日

【演劇教育】「ワークショップデザイナー育成プログラム」2010年度第1期生募集期間決定2/8-19(郵送のみ)

 昨年から本格的に始まっている「ワークショップデザイナー育成プログラム」の、2010年度のスケジュールが決まって来ています。青山学院大学は1年に3回、大阪大学は1年に2回の開講になるそうです。公式サイトでご確認ください。過去の告知⇒

 2010年度第一期は、青山学院大学、大阪大学ともに受講期間が4月~7月、募集期間が2月8日~2月19日です。公式サイトで願書をダウンロードし、必要事項を記入して郵送してください。

 ⇒ブログ「阿部コウヂ@rorian55?」に参加感想あり!

Posted by shinobu at 11:36 | TrackBack

2010年01月27日

Noism『Nameless Poison‐黒衣の僧』01/22-27東京芸術劇場小ホール1

 ダンサー、振付家、演出家の金森穣さんが率いるNoismは、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館のレジデント・ダンス・カンパニー。日本で唯一の公共ホール専属ダンス・カンパニーです。

 新作のツアーで東京にやって来てくださいました。上演時間は約1時間10分。

 ⇒【名古屋アートレビュー】に舞台写真あり!
 ⇒CoRich舞台芸術!『Nameless Poison‐黒衣の僧

 配布されたパンフレットに詩人ハンス・ザールの「詩節(シトローフェン)」が挟み込まれていました。この作品のモチーフなのでしょうね。
 ダンサーに役名があり、衣裳も1人ずつ違います。具体的な物語があるみたい。演劇的なダンス作品なら私の得意な方向性なのではと思ったのですが・・・なぜか眠気に襲われました(涙)。単に疲れてたのかも。残念無念!

 衣裳(中嶋佑一)がとーーーっても可愛くて見とれました。役ごとにテーマカラーで区別されていて、生地はチェック、水玉、花柄、毛皮、草模様、幾何学模様など、とってもカラフル!不思議の国に迷いこんだみたいなデザインで、ぬいぐるみを首に巻いている人もいました。

≪静岡、愛知、東京、松本、新潟≫
【出演】Noism 1【登場人物】貞操な娼婦:井関佐和子 病んだ医者:宮河愛一郎 恐るべき子供:藤井泉 二丁目の王子:櫛田祥光 飛べないジゼル:青木枝美 怖がりの闘牛士:永野亮比己 笑い上戸な妹:真下恵 わがままな王様:藤澤拓也 男装の軍人:後田恵 アザラシ:計見葵
演出・振付:金森穣 衣裳:中嶋佑一(artburt)
【発売日】2009/12/04 一般 5,000円(全席指定・税込)
http://www.noism.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 21:52 | TrackBack

2010年01月26日

(財)神奈川芸術文化財団『リーディング公演「ワイルダーで、ままごと」』01/26神奈川県民ホール小ホール

 ままごと柴幸男さんがソーントン・ワイルダーの『ロング・クリスマス・ディナー』をリーディング公演に。といってもこれは横浜の劇場STスポットが開催した柴幸男ワークショップの発表会です。⇒募集情報

 発表会なのにびっくりするほど沢山の観客が!100人以上は確実ですね。出演者にぐるりと囲まれて、戯曲の中の家族と長い(ロングな)時間をともに過ごせました。上演時間は約40分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ワイルダーで、ままごと

 祖母、父母、子、孫、ひ孫と続いていくある一家の歴史を、場面をクリスマスの食卓に絞って短時間で描く戯曲です。客席は左、中央、右の3ブロックに分かれていましたが、観客が座れるのは中央ブロックのみ。真ん中にギュっと固まった観客をテーブルとみなし、ホール入口やステージも含む劇場空間全体を演技スペースとしたリーディング公演でした。

 ワイルダー、素敵だな~。今年中に数本観られそうで嬉しいです。

 ここからネタバレします。

 ト書きを読む人は舞台上に。その他の出演者は客席に。ホール入口からの登場は誕生を意味し、舞台下手面側の出口への退場は死を意味します。リーディングが終わると観客も同様に面側出口からロビーへと退場しました。劇場に入って来てから出ていくまでが人生、つまり「劇場=人生」という仕掛け。上演中も劇場内のデジタル時計が実際の時間を刻み続けましたので、夜7時過ぎからの40分間に何人もの人生が通り過ぎていき、観客自身も一度生まれて、死んでいきました。

 私は結婚せずにずっと実家にいた妹ジャナビープ(青柳いづみ)に心を寄せました。彼女のひとことは重かった。

 ≪おはなしの会≫ 発言はうろおぼえです。

 上演後はロビーでトークがありました。柴さんが観客の質問にその場でざんざか返答。近しい距離感がとても心地よかったです。

 柴「ワイルダーと僕の作品の共通点は、時間を圧縮したり引き延ばしたりして面白く見せるところ。もしかしたらつまらないかもしれない日常を引っ張り出して来て面白くみせるところ。」
 柴「役者が手に持っているライトの種類について。一族は電球。他の人は蛍光灯。色の違いが出る。」

 柴さんは今年7月下旬にSTスポットで『ロング・クリスマス・ディナー』を本格上演するとのこと。意味がわからなかったとおっしゃっていた「ちょっとした勇ましい禁欲主義者なのね」というセリフを、どう解釈してどう表現するのか楽しみです。

 ワークショップ参加者はオーディションで選ばれました。なんと福岡から参加された方もいらっしゃいます。「応募者の名前をgoogleで検索した」というのはまさに現代ですね。

出演(柴幸男ワークショップ『ワイルダーで、ままごと』参加者):青柳いづみ、こいけけいこ、古賀菜々絵、中島愛子、二宮未来、平田暁子、福岡佑美子、光瀬指絵、森岡望、森谷ふみ アシスタント:黒川深雪 白川のぞみ
原作:ソーントン・ワイルダー『ロング・クリスマス・ディナー』 演出:柴幸男(ままごと) 照明:富山貴之 音響:星野大輔 舞台監督:伊藤智史、佐藤恵 宣伝美術:佐々井美都 制作協力:佐藤泰紀(STスポット横浜) 宮永琢生(ZuQnZ) 主催:神奈川県、財団法人神奈川芸術文化財団 企画協力:NPO法人STスポット横浜、ままごと 助成:平成21年度文化庁芸術拠点形成事業
【発売日】2009/12/24 入場料:全席自由 500円(前売・当日ともに) *未就学児童 入場不可 *かながわアーツ倶楽部会員は10%割引
http://www.kanagawa-kenminhall.com/event/event-40031.html
http://stspot.jp/schedule/reading-wilder.html

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Posted by shinobu at 23:54 | TrackBack

2010年01月24日

演劇ユニットG.com『闘争か、逃走か。』01/24-27シアタートラム

 シアタートラム ネクスト・ジェネレーションvol.2のトップバッター快快に続いて、演劇ユニットG.comを拝見(次はこちら)。公演ごとに出演者やスタッフを集めるプロデュース形式の団体です。代表は作・演出される三浦剛さん。

 村に隕石が落ちて・・・というSF作品。上演時間は約2時間弱。アナウンスは1時間50分でした。開演が遅れたせいかも。

 ⇒CoRich舞台芸術!『闘争か、逃走か。

 ≪あらすじ≫ 当日パンフレットより。
 そして、エントロピーは増大し、宇宙は平衡化していく…
 浄水器の出張訪問販売のため『街』からやってきたサラリーマンの男。販売先である『研究所』へ向かうバスに乗った筈が、辿り着いたのは携帯電話もつながらない山奥の辺鄙な『村』だった。
 一夜をテントで過ごし、翌朝の始発で帰ろうとする男だったが、待てど暮らせどバスはこない。途方にくれている男の目に飛び込んできたのは巨大な隕石だった…。隕石は『村』と『街』とを結ぶ唯一の山道を分断し『村』は完全な孤立状態に陥る。
 数日後、助けも来ないまま『村』に滞在することになった男。限石墜落後、村人達にあらゆる不可解な現象が降りかかる。『村』をおおう目に見えぬ「圧力」がゆっくりと、だが、強力な必然性を持って村人達を変質させていく。
 『村』とはなんなのか?「圧力」とはなんなのか?
 なんのための闘争なのか?なにから逃走するのか?
 男が最後に出した答えとは?
 ≪ここまで≫

 「村に迷いこんだ男(内藤羊吉)が村人たちの奇妙な行動に振り回される」という状態が長く、長く続くのですが、演技がわざとらしく見えて集中できず。しゃべっている最中に演技が止まるんですよね。私にとっては、テレビや映画で顔のアップが不必要に長く続くみたいな感覚。照明も選曲も私の好みじゃなかったです。

 ここからネタバレします。

 博士(田谷淳)は村に迷い込んだ男を勇者呼ばわりします。彼こそ村長(河原崎次郎)の若いころの姿だから。村長は宇宙人の侵略による人類の滅亡を目にして、それを防ごうと未来から過去にやってきた未来人だった・・・ということなのかしら。村長、博士、男をつなぐ線を、短いセリフで最後にパパっと匂わせるのは面白いと思いますが、それまでが長すぎました。

 雨を降らす雨男(浦川拓海)って結局何だったのかなー。面白いキャラだったんだけど。

出演:内藤羊吉/佐藤晃子(G.com)/田谷淳/古口圭介(夜の樹)/藤田健彦/内海詩野(壺会)/星野祐介(フルタ丸)/富所浩一(A級戦犯)/高安智実/橋本昭博/奥田晃平(G.com)/重盛玲架/重盛麻里亜/浦川拓海/河原崎次郎(俳優座)/鈴木絵由子/雨宮麻未子
脚本・演出:三浦剛  舞台監晋:松本翠 照明プラン:加藤俊彦 音響:葵能人、岡村崇梓 衣装:橘佳世 宣伝美術:池田盛人、栃木香織 映像撮影:山岡信貴 文芸部:岡田久早雄、友田健太郎、三浦実夫 制作:奥田英子、中島みゆき [主催] 財団法人せたがや文化財団 [企画制作] 世田谷パブリックシアター [協力] 東京急行電鉄/東急ホテルズ/渋谷エクセルホテル東急 [後援] 世田谷区 平成21年度文化庁芸術拠点形成事業
【発売日】2009/11/15 一般2,500円 高校生以下 1,250円(劇場チケットセンターのみ取扱い、年齢の確認できるものをご提示ください) TSSS1,250円 3劇団セット券6,000円(劇場チケットセンター店&電話予約にて前売りのみ取扱い) 友の会会員割引 2,000円 世田谷区民割引 2,300円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/01/gcom.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:22 | TrackBack

快快『インコは黒猫を探す』01/20-22シアタートラム

 メルマガでもご紹介しておりました注目企画「ネクスト・ジェネレーション vol. 2」が開幕。トップバッターは快快(ふぁいふぁい)。次は⇒
 快快は「CoRich舞台芸術アワード!2008」にて第一位を獲得しておりましたので、公演公式バナーがCoRich舞台芸術!のTOPページに貼られました。

 平日3ステージ全てが満席。立ち見や通路席まで埋まる盛況ぶりでした。ロビーには舞台となった部屋の周囲の町の模型を展示。劇場への通路をカラフルに飾りつけるなど、ホスピタリティ溢れる空間になっており、観客を歓迎するムードを大々的に演出していました。物販も充実。観客としてとても嬉しかった。
 そういえば戯曲は期間限定で公式サイトから無料ダウンロードできました。⇒快快ツイッター

 ⇒CoRich舞台芸術!『インコは黒猫を探す

 私は本編後に上演されたダンス短編『ビオレリヨ』との2本立てで1作品だと、勝手に受けとめました。作品全体の完成度は高いとは言えないと思います。でも自分の身体と言葉で、リアルな生活そのものを楽しいパフォーマンスにしていることに、個性を感じました。

 不況の日本ではふらふらと気楽には生きられないですよね。だって明るい老後なんて全然想像できないし・・・そんな現実を受け入れつつ、元気にハッピー生き(ようとし)ていることを、説教くさくなることなく表現してくれているように思いました。

 ここからネタバレします。

 ≪あらすじ≫
 インコを2匹飼ってる青年の部屋。六畳のアパートで一人暮らししながらインコ溺愛中。友人が訪れる。そういえば3年前もこのメンツで集まったっけ。
 ≪ここまで≫

 パっと見は何もないシアタートラム。床には(おそらく)ベニヤのパネルが敷き詰められていました。舞台奥に可動式のワンルームには畳の部屋と小さな台所、便器、浴槽。インコも本物が登場。
 インコは可愛いし、クーラーがない部屋は熱いし、チゲなべは美味しいし、友達と飲むのは楽しい。友達の家への道すがら、いつもそこに居た黒猫がいなくなったことに気がついた。ちょっとさびしい・・・。そんなどこにでもありそうな今の若者のたわいない日常を、そのまま、本人の言葉と身体で楽しい見世物にしていきます。

 インコや猫、バナナの写真、マクドナルドのロゴ(布へのプリント?)が張り付けられた衣裳が可愛い!!若者らしいカジュアルな洋服で、色調は淡いパステルで軽快さもあります。でもそのデザインが生まれた下地には憂いと知性がある気がします。いつでも自分を襲ってくる心の暗闇や、やがて訪れる隣り合わせの死を知っていて、その悲しみをこっそり抱いているような。これは演出や演技についても感じることです。

 友達から結婚の知らせが届いて驚いたり喜んだり。でもなぜか照明は赤く黄色く、音も激しく。熱く派手に踊るのは、心がどうしようもなく騒いでしまうからじゃないかしら。だって今の時代、自分が生まれ育った環境を夢見ていては、結婚なんてすごく難しいから。⇒「10年前より200万円も安くなった35歳の年収~『"35歳"を救え』

 山崎皓司さんはいつもながらの身体をはったパフォーマンスが面白いです。“アーユルヴェーダ”の真似をしてサラダ油を全身に塗ったり。顔を赤く塗って火になったり。
 インコ役は黒木絵美花さんと師岡広明さん。黒木さんはバレエの動きがとても可愛らしかった。

 白い照明がステージの周囲をなぞるように、ぐるぐると動いて点滅していくのがかっこいい。七色のパステル調の可愛らしい明かりが回るのが可愛い。最後の方で床置きの多数のスポットライトが素早く順番に点滅して、光が動いているような演出もあり。これは過去公演でも注目されていました(⇒)。

 本編が終了してからダンスが始まるまでの休憩時間に流れた音楽が、たしか昔の人気香港映画の曲(←勘違いかも)、小沢健二さんの曲など。じわじわと涙が出て来てしまった。アーティストが優しい音楽で闘ってきた、歴史のようなものを感じたからだと思います。
 ★香港映画の曲で合ってました。映画「恋する惑星」の「夢中人」(Faye Wong)でした。教えてくださった方、ありがとうございました!

 ●ポストパフォーマンスダンス『ビオレリヨ』
 出演:板橋駿谷 糸山和則 大石貴也 黒木絵美花 竹田靖 田島冴香(東京タンバリン) 田村健太郎 福田貴之 堀田創 前野未来 光永由佳 墨井鯨子(乞局) 師岡広明
 作・演出:野上絹代

 ラヴェルのボレロをバックに、互いに見知らぬ若者たちの日常会話が並列に集まって、やがて宇宙に。「ミスタードーナツのポンデリングは曼荼羅ににてる」等。反復するクラシック音楽に合わせたコミカルなダンスから、細胞の振動、太陽と惑星、銀河系。いのち。

 20代の注目される作り手の共通点は、たわいない日常と宇宙が、直感的に、シームレスにつながっている表現にある気がしました。疑問に思ったらすぐにネット検索して、何でも画像や動画で知ることができる時代です。好奇心旺盛な若者ほど早く賢くなるのは当然。感心してる場合じゃないですよね、自分も勉強しなければ。

シアタートラムネクストジェネレーションVol.2 世田谷区芸術アワード“飛翔”2008受賞者公演
出演:中林舞 山崎皓司(以上快快) 板橋駿谷 黒木絵美花 菅原直樹 墨井鯨子(乞局) 竹田靖 千田英史(Rotten Romance) 師岡広明
脚本:篠田千明 演出・振付:野上絹代 舞台監督:佐藤恵 美術:佐々木文美 照明:富山貴之 音響:星野大輔 衣裳:藤谷香子 テキスタイルデザイン:大道寺梨乃 演出補佐:北川陽子 宣伝美術:天野史朗 キャラクターデザイン:しんぽうなおこ 写真:加藤和也 faifaiせーさく(制作):山本ゆい 【主催】世田谷区、財団法人せたがや文化財団  【企画制作】世田谷パブリックシアター 【後援】世田谷区 【協力】東京芸術劇場(財団法人東京都歴史文化財団)、東急電鉄、東急ホテルズ、渋谷エクセルホテル東急
【発売日】2009/11/15 全席指定・税込 前売 一般=2,500円 TSSS(学生席)=1,250円(枚数限定、要事前登録) 高校生以下=1,250円(劇場チケットセンターにて前売のみ取扱い/要年齢確認) 劇場友の会会員=2,000円 世田谷区民割引=2,300円(劇場チケットセンターにて前売のみ取扱い) 当日2,500円 3劇団セット券 6,000円(枚数限定、劇場チケットセンター電話&店頭にて前売のみ取扱い。ネクストジェネレーションvol.2で上演する「快快」「演劇ユニットG.com」「FUKAIPRODUCE羽衣」の3公演がセットになったお得なチケット。)
http://faifai.tv/faifai-web/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:23 | TrackBack

2010年01月22日

阿佐ヶ谷スパイダース『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』01/21-02/14本多劇場

 英国留学されていた長塚圭史さんが、帰国後初めて発表する劇団新作公演です。東京と大阪では追加公演も決定しています。プレビュー初日に伺いました。上演時間は約2時間10分。

 初日と翌日の2ステージがプレビュー公演ということで[【訂正】1/21(木)から24(日)までの4ステージがプレビュー公演です(1/22加筆)]、アンケート用紙は登場人物1人ひとりについてのコメント欄があるなど、プレビュー公演用の特別仕様でした。アンケートも提出しましたが、私は出演者やスタッフの中にいる知人に、プライベートで感想を伝えることにしました。あぁ、そうなると本番が観たい・・・2月にもう一回行けるかな・・・。

 毎公演20席限定で3,000円のチケットがあります。その名も「R20シート」(年齢制限なし)。ゴーチ・ブラザーズ(TEL.03-3466-0944 平日11:00~19:00)のみ取り扱い。

 ⇒プレビュー初日の詳しいレビュー「踊る芝居好きのダメ人間日記
 ⇒CoRich舞台芸術!『アンチクロックワイズ・ワンダーランド

 ≪あらすじ≫
 作家(光石研)がいる。彼は新聞に掲載された、自身の新作小説についての酷評に頭を悩ませていた。彼の前に妻(村岡希美)や編集者(池田鉄洋)、見知らぬ女(小島聖)が現れる。
 ≪ここまで≫

 漆黒の闇から現れる、実体のあやふやな人間たち。タイトルを英語にすると「anticlockwise wonderland」。「反時計回りの不思議の国」でしょうか。

 登場人物の背景も、舞台美術も音響も(敢えて)抽象的な作りになっており、ストーリーどころか構造さえもちゃんと理解できなかった私・・・残念至極。これは私が役者さんの演技に特に神経質になタイプだからだと思います。たとえば1対1で長く会話を続ける場面では、片方の役者さんの演技が信じられなくなった途端、言葉が耳に入らなくなるのです。つまりセリフを聴かなくなる・・・わからなくて当然ですよね、すみません。

 長塚さんがこの戯曲で描きたい世界や、観客とともに味わいたい演劇的な空間を、今回のキャスティングで立ち上げるのは難しいんじゃないかしら・・・などと、理解できなかった自分の立場を棚上げしまくりで、非常にエラそうな感想を持ちました。これはプレビュー初日の感想なので、今後変わっていくだろうと思います。

 ロビーで販売されている公演パンフレットは、いつもながらとても充実しています。分厚いですし、写真の並びが物語まで感じさせてくれます。私は制作代表の伊藤達哉さんの文章に励まされました。長塚さんの文章は、開演前に読んでおくと解釈のヒントになるのではないかと思います(・・・って自分はわかってないんですが)。

 ここからネタバレします。

 作家の頭の中、作家の作品の中、それを観ている観客、そして観客に観られていることを自覚している俳優たち。演劇ならではの入れ子構造が次々と生まれ、重なったり歪んだりするのを味わうことが、目的の1つだったんじゃないかと予想します。

≪東京、大阪、広島、福岡、札幌、名古屋≫
出演:池田鉄洋、内田亜希子、加納幸和、小島聖、伊達暁、中山祐一朗、馬渕英俚可、光石研、村岡希美、山内圭哉
脚本・演出:長塚圭史 美術:二村周作 照明:小川幾雄 音響:加藤温 衣裳:伊賀大介 演出助手:山田美紀 舞台監督:福澤諭志 制作:伊藤達哉
【発売日】2009/11/21 チケット料金 5,500円(指定席・税込) ※プレビュー公演 4,000円
http://asagayaspiders.net/modules/tinyd0/index.php?id=5

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:13 | TrackBack

2010年01月20日

Bunkamura/Quaras『血は立ったまま眠っている』01/18-02/16Bunkamuraシアターコクーン

 寺山修司さんが23歳の時に書いた処女戯曲を、蜷川幸雄さんが演出。V6の森田剛さん、窪塚洋介さんら有名スターが出演しています。当日券は抽選で販売。上演時間は約2時間30分(途中休憩15分を含む)。

 久しぶりに私の苦手ド真ん中の蜷川演出でした・・・しかもアングラですから、天敵(苦笑)。直球のデッドボールを何度も受けた気分。ボロ負けして帰ってきました・・・。森田さんのファンの人たちは大丈夫なのかな~、こんなに刺激が強くて。

 当日パンフレット(2000円)に蜷川さんと長塚圭史さんの対談が掲載。イギリスの演劇界について赤裸々に語ってらっしゃいます。

 ⇒舞台写真
 ⇒CoRich舞台芸術!『血は立ったまま眠っている

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 競馬場の裏に位置する港町。
 転がるドラム缶、どこかから、猫の鳴き声―。
 公衆便所の前では、いつも張(遠藤ミチロウ)の悲鳴のようなブルースが響いている。
 倉庫には自衛隊から盗みをはたらき革命を目論む若いテロリストがふたり住み着いている。良(森田剛)は尊敬する灰男(窪塚洋介)に何とか認められようと、落書きや窃盗など“破壊活動”に精を出す。殺伐としながらどこか牧歌的なふたりの時間が流れていた。
 寂れた床屋の主人(六平直政)は、仲間の一人、そばかす(柄本佑)がもってきた闇取引の話に加われず、いらだちを隠せない。集まるチンピラや娼婦たち。ペギー(蘭妖子)は張の弟、ドラマーの陳(丸山智己)を誘い、葉っぱ(江口のりこ)はインチキな占いを繰り返し、釘(金守珍)や南小路(冨岡弘)とぐずぐずとした日常をすごしている。
 詩人の夏美(寺島しのぶ)が現れる。彼女こそは、良が愛してやまない姉だった。灰男と夏美が恋に落ち、それまで平穏だった良と灰男の関係が歪み始める。そこにひとりの男(大石継太)が訪れる。ダイナマイトを見せ、英雄になりたくないか、とテロ活動をふたりに迫る。そしておこる悲劇―。
 ≪ここまで≫ 

 蜷川さんの演出がとにかく苦手だった頃(お芝居を見始めた1999年から2004年ぐらいまで)の記憶が、何度かフラッシュバックしました。蜷川さん(の演出)が変わったのか、私が変わったのかはわかりませんが、ここ数年はずっと大丈夫だったんですけど・・・。

 とりあえず目に飛び込んでくるのは便器、排せつ、性行為など。清潔感をわざと排除した空間でした。そういえば流山児★事務所がジァンジァンで上演した『血は…』でも、舞台中央に洋式便器がずーっと置いてあったなー・・・戯曲にそう書かれているんじゃないかしら。
 突然大音量で鳴る音響も、よく耳にする選曲も、頻繁に客席を白く照らす照明も苦手でした。上演中ずっと苦手要素のオン・パレード。・・・そういう時もありますよね!昨年の私的ベストテンには蜷川さんの作品が2本も入ってるんですがっ!(笑)

 大まかに書いてしまうと、登場人物たちは良、灰男、夏美のテロリストグループと、汚い散髪屋にたむろする闇取引グループの2つに分かれます。その2グループそれぞれの場面がセットチェンジとともに交互に現れるのですが、同時に進んだり重なったりして欲しかったですね。箱を積み上げるように順番どおりに進んでいくのは、物語が細切れになっているように感じてもったいない気がしました。戯曲自体がもともと“コラージュ”なのかもしれませんが。

 娼婦3人組は『マクベス』の魔女みたい。中でも体がとても細い茂手木桜子さんが魅力的でした。相手役とも観客とも素直にコミュニケーションを取ってくださっていたように思います。強烈な衣裳なんですが、可愛らしかった。茂手木さんは蜷川さんの舞台によく出演されていて、露出度が高い衣裳を着て個性的なルックスをよりきわどく見せることが多いのですが(演出意図だと思います)、そういうのではなく、例えば普通のストレート・プレイに出てくる女の子の役も観てみたいと思いました。

 森田剛さん。金髪がよくお似合いで。不良になりきれない純朴さがあるのが良かったです。やっぱりアイドルは光るものですよね。『IZO』も良かったですし。そう思うと出番が多くないのは残念。 
 窪塚洋介さんは、スローモーションなのかと思うぐらいセリフをゆっくりしゃべっていました。意図的なのかしら。もっとはじけてほしいなと思いました。
 パンフレットのキャスト欄を見たら、さいたまネクスト・シアターに所属してる役者さんがけっこう出てました(大橋一輝、手打隆盛、本山里夢、松田慎也、鈴木彰紀)。大舞台を経験して育っていってくださるといいですね。

 ここからネタバレします。

 何もないステージにどんどこと装置が運び込まれて、雑然とした狭い空間になるのが劇的。

≪東京、大阪≫
出演:森田剛、窪塚洋介、遠藤ミチロウ、金守珍、大石継太、柄本佑、冨岡弘、大橋一輝、江口のりこ、茂手木桜子、蘭妖子、丸山智己、マメ山田、日野利彦、澤魁士、手打隆盛、本山里夢、松田慎也、鈴木重輝、鈴木彰紀、三谷昇、六平直政、寺島しのぶ
脚本:寺山修司 演出:蜷川幸雄 音楽:朝比奈尚行/遠藤ミチロウ 美術:中越司 照明:服部基 音響:井上正弘 衣裳:小峰リリー ヘアメイク:鎌田直樹 振付:広崎うらん 演出補:井上尊晶 演出助手:大河内直子/藤田俊太郎 舞台監督:明石伸一 衣裳:グループ色 大道具:金井大道具 小道具:東宝舞台(布田栄一) 特殊小道具:ゼペット(福田秋生) 土屋工房(土屋武史) 特効:酸京クラウド(磯田壮一) ギミック(南義明) 電飾:コマデン(吉田有希) 劇場舞台技術:野中昭二 票券:岡野昌恵 制作助手:佐々木康志 金子文 制作:佐貫こしの(Bunkamura) 麻田幹太(Quaras) プロデューサー:加藤真規(Bunkamura) 松井珠美(Bunkamura) 松野博文(Quaras) 企画・製作・東京公演主催:Bunkamura/Quaras 大阪公演主催:関西テレビ放送 キョードー大阪
【休演日】1/20,27 2/3,10【発売日】2009/11/29 S¥9,500 A¥7,500 コクーンシート¥5,000
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_blood.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:33 | TrackBack

2010年01月19日

桜美林大学パフォーミングアーツプログラム(OPAP)『近代能楽集 ~「綾の鼓」「班女」「弱法師」』01/18-24 PRUNUS HALL

 桜美林大学の学生が、同大学の講師であるOrt-d.dの倉迫康史さんの演出で、三島由紀夫作『近代能楽集』を上演。上演時間は約2時間20分(休憩なし)。

 淵野辺駅のすぐ近くにあるプルヌスホールは、私の家からは少々遠いのですが、もう通い慣れました。公演だけでなく講演会やワークショップ発表会など、色んな企画があるんですよね。

 ⇒CoRich舞台芸術!『近代能楽集 ~「綾の鼓」「班女」「弱法師」

 倉迫さんらしい演出に、役者さんが追い付いていない印象。朗読のような独特のせりふ回しと形式ばった動きは、身体能力が高くないと難しいですよね。照明は影を生かす方向のものが多く、常に暗い目の空間ばかり続くと飽きちゃったり。
 4つの空間に分かれている高さのある美術がしっかり作られていました。隙間や細い階段はちょっと危なそうでしたね。初日だったからかもしれません。

 この2年ぐらいで首都圏には多くの新しい演劇のスタイルが生まれてきています。だから「こうなって、こうなって、こうなる」という順序が明らかにわかる演出には、古さを感じました。若者の身体が変化してるのもあるんじゃないかしら。『ゴーストユース』や『カサブタ』はすごく面白かったんですけどね。
 

■「綾の鼓(あやのつづみ)」
【出演】岩吉/内藤裕志 加代子/渡辺真美 藤間春之輔/河内耕史 戸山/林大樹 金子/上田祐揮 マダム/名倉歩美 女店員/高麗芙美子 華子/中嶋珠美

 「綾の鼓」は新国立劇場で初めて観たので、これが2度目です。役者さんの演技も演出の硬さも気になって、あまり集中できず。

■「班女(はんじょ)」
【出演】実子/市原佐都子 花子/竹中香子 吉雄/亀尾建史

 「班女」も三条会で初めて観たのでこれが2度目。
 駅で男を待ち続ける狂女・花子役の竹中香子さんは、1人でしっかり立つことができていて、瞬間ごとの声と感情表現も意図どおりに定まっていて、とっても良かったです。高くて可愛らしい声も澄んでいてきれい。花子を溺愛する絵描きの実子と2人っきりになる最後の場面は、エロティシズムも感じられました。

■「弱法師(よろぼし)」
【出演】俊徳/河内耕史 川島/大井克弘 川島夫人/高麗芙美子 高安/内藤裕志 高安夫人/岡亜沙美 桜間級子/吉田聡子

 「弱法師」は2度観ています(過去レビュー⇒
 息子欲しさにイエスマンになる親たちを、悲しく愚かに見せるか、とことん滑稽に見せるか、色んな選択があると思うんですが、演出の意図どおりには表現できていない気がしました。難しい戯曲ですよね。
 家庭裁判所の職員・桜間役の吉田聡子さんの、穏やかな言葉はこびと柔らかな声が、饒舌で直情的な俊徳(河内耕史)とは対照的で、リズムもバランスも良かったように思います。

作:三島由紀夫「近代能楽集」 演出:倉迫康史(Ort-d.d/桜美林大学講師) 舞台監督:木村光晴 舞台美術:村上薫 照明:大久保果那子・塚原佑梨 音響:柴田未来・角田里枝 衣装:西島美都子 小道具:小倉優貴子 メイク:細野ゆりか 宣伝美術:早川春果 制作:羽根佳美・渡辺恵 【アドバイザー】舞台美術:鈴木健介(桜美林大学総合文化学群非常勤講師) 照明:金英秀(桜美林大学総合文化学群准教授) 音響:藤田赤目(桜美林大学総合文化学群非常勤講師) 衣装:竹内陽子 メイク:(株)レサンクサンス 制作:渡辺麻依(Ort-d.d)
チケット発売日 2009年12月14日(月)~ 一般:1300円 学生:1000円 高校生以下:800円 *当日券各200円増 *日時指定・全席自由 *学生券は学生証を合わせてご提示ください *ARTS芸術地域通貨使用可
http://www8.obirin.ac.jp/opai/opap_item.php?no=61

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:31 | TrackBack

2010年01月17日

【オーディション】乞局「2010年11月公演『果実の門』出演者オーディション」※〆切2/19(メールor郵送)

 下西啓正さんが作・演出(時には出演も)される劇団乞局(こつぼね)が、2010年11月公演『果実の門』の出演者オーディションを開催します。下西さんは劇作家協会新人戯曲賞やかながわ戯曲賞の受賞歴があり、チェルフィッチュ公演に俳優として参加もされるなど、注目を集めている劇作家・演出家です。

 乞局の作風はひとことで説明するのが困難なので、過去レビュー(⇒)をどうぞ。独特の不気味さ、空気感はクセになります。私はとても好きです。以下は公式サイトからの情報です。ご興味のある方はどうぞチャレンジしてください。

 ○乞局『果実の門』11/12-23こまばアゴラ劇場
  脚本・演出:下西啓正
  応募締め切り:2010年2/19(金)必着 ※メールの場合は24時まで

■乞局(コツボネ)第19回公演「果実の門」出演者募集オーディション ※公式サイトより。
 脚本・演出:下西啓正
 会場:こまばアゴラ劇場

【募集内容】
 乞局 第19回公演『果実の門』(2010/11/12 ~ 11/23)の出演者を募集いたします。

【応募資格】 下記条件を満たされる方
 ・18歳以上の男女
 ・乞局の公演/公演DVD/脚本 をご覧になった事がある方
  (DVD/脚本については乞局HPをご覧ください)
 ・上記公演、9月上旬からの稽古に参加可能な方。

【応募方法】
下記よりお選びください

ⅰ.下記リンクより、申込書 【 エクセル形式 】 をダウンロードし、必要事項を記入の上、<kotubone(アットマーク)gmail.com>宛てにお送りください。その際、件名は 【乞局オーディション申し込み】 としてください。

ⅱ.下記リンクより、申込書 【 PDF形式 】 をプリントアウトし、必要事項を記入の上、下記にお送りください。
 〒144-0035 大田区南蒲田1-7-19月村マンションNo.12-104 乞局宛


【応募締め切り】2010年2月19日(金) 必着(メールの場合は24時)

【スケジュール】
1次選考 : 書類選考
2次選考 : 3/13(土) 3/14(日) 3/20(土) 3/21(日) 3/22(月・祝)
 ※上記のうち、1日に参加していただきます。各 14:00 ~ 20:30
3次選考 : 3/27(土) 3/28(日)
 ※どちらか1日。詳細は、2次選考通過者にのみご連絡します。
 
【募集人数】各回、10名程度

【参加費用】2500円 (書類選考通過者のみ)

【会場】都内

【応募締め切り】2010年2月19日(金) 必着 (メールの場合は24時)

【お問い合わせ】080-3096-8432 / kotubone(アットマーク)gmail.com

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Posted by shinobu at 20:40 | TrackBack

2010年01月16日

黒田育世、BATIK『SePT独舞 vol.20黒田育世 黒田育世×飴屋法水「ソコバケツノソコ」』01/15-17シアタートラム

 黒田育世さん(BATIK)のソロダンスを飴屋法水さんが演出。私にとっては今月の必見中の必見公演です。観客はオールスタンディング、つまり座席がなく、私は上手側の階段のそばに立って観ました。上演時間は約1時間20分。

 最後の最後に、立ったままで観続けて本当に良かったと思いました。上演前に配布されるパンフレットを読んでおくと、理解の手助けになるんじゃないかと思います。明日の16:00の回で千秋楽です。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ソコバケツノソコ
 レビューをアップしました。また長くなってしまいました。短く書く才能も勇気もないようです・・・。

 何もないシアタートラム。客席もないので広々としています。黒い床には白いチョークで何かの印が書かれており、どうやら装置を置く場所を示す場みり(ばみり)のよう。真ん中には穴。飴屋さんが開演前に穴の淵をチョークでぐるぐると色塗りしたので、白い線がチョークで書かれたことがわかりました。

 観客はステージを丸く囲むように座ってたり、立っていたり。私は床に鞄を置いて、たまに階段の手すりにもたれたりして鑑賞。※中央に近いところに座っていた観客の方々には、開演前に誘導のスタッフが座るように声をかけていたそうです。

 やはりずっと立っているとつらくなります。途中で座ろうかと思った瞬間もありました。でも心配になるぐらい激しく踊る黒田さんを観ていると、どうしても休む気にはなれず。妙な忍耐根性がむくむくと出てきて(笑)、立ち続けてました。飴屋さんのさすがの音響で、床から足に伝わる振動も効果大でした。

 どこまで書くとネタバレになるかわからないので、ひとことだけ。最後は私が黒田さんになって踊っている気持ちになったんです。そんな奇跡でした。

 ここからネタバレします。固有名詞やセリフはうろおぼえです。

 無数の運動靴(黒田さんの私物かしら)。黒田さんがずっと習っていたクラシックバレエの衣裳。静かにイスに座っている老婦人。大きなクマ。黒田さんの幼い頃から今までの写真が壁に映写されますので、おそらくこの作品は黒田さんご自身。実生活もプライベートな心の中までも、そのままに晒(さら)します。

 目の前に座っていた女性客に名前をたずねた黒田さん。その人の名前を何度か繰り返し、記憶している様子。でも私には何という名前かは聴こえませんでした。他にも聴こえないセリフが多かったですが、全く気にならず。

 全身全霊、というありきたりな言葉では陳腐なんだけど、でも文字通り、張り裂けるんじゃないか、突然に壊れて朽ちてしまうんじゃないかと恐ろしくなるぐらいに、黒田さんは踊り続けます。消耗しきった状態で「私の名前は・・・」「私の名前は・・・」とつぶやくので、次には「黒田育世です」という言葉が続くのだろうと予想しました。“黒田育世”という命が、目には見えない激しい震動を身体の中に抱いて、限界に届きそうなぐらいにその身体を動かし続けるのを見つめ続けました。ああ、今ここに、私の目の前に、確かに“黒田育世”が存在している。嘘のない、むき出しの“黒田育世”が、私(=観客)に向かって手を伸ばしてくれている、抱きしめようとしてくれていると思いました。
 でも私の予想は完全にはずれ、聴こえてきたのはこの言葉でした。
 「私の名前は・・・ハットリミキさんです。」

 それはさっき黒田さんが繰り返していた女性客の名前。つまり私(=観客)の名前でもあるのだと気づきました。黒田さんは“黒田育世”でありながら“ハットリミキさん”になり、私(高野しのぶ)になったのです。背筋と肩にとても奇妙なしびれが走りました。シアタートラムがぐにゃりと歪んで、空気がゼリーみたいに固まって弾力を持ったような気がしました。またもや激しく踊り続ける黒田さんは、ハットリミキさんであり、私自身であるので、つまり劇場にいる全員が黒田さんになって踊っていたことになります。全員が黒田さんを媒介に一体化して、互いに手を伸ばし、抱きしめ合っているよう。こんなことは全て私の思いこみです。でもそう感じたのだから、奇跡でした。

 身体を揺らしながら音響のオペをする飴屋さん。単純な振り付けをずっとずっと繰り返し続ける役者さんたち。1度たりとも全く同じことなどない“繰り返し”を見つめ続けられたのもすごく良かった。
 
 「バケツの底」の意味を勝手に想像。バケツは黒田さんで、つまり人間。穴があいたバケツに、(北斗七星の)ひしゃくですくった水を入れても漏れてしまいます。いくら汲んでも、すべては汲みきれない。どんなにがんばっても、願いは叶わない。いつも何かを逃してしまう。だから、どんなに絶望しても絶望しきれない。穴のあいたセイフティー・ネットとか、限界のなさのイメージも。
 掃除機で中央の穴を吸引し続けるのは、バケツから水を吸い出すイメージ。何もかも空っぽにして、逆噴射させて、振り出しに戻って、そして人間と人間がつながる。

出演・振付:黒田育世(BATIK) 出演:グジェゴシュ・クルク、立川貴一、村田麗薫、くるみ
演出:飴屋法水 構成:飴屋法水 黒田育世(BATIK) 舞台監督:寅川英司+鴉屋 演出部:河野千鶴、濱路紗優里、林佳美 大道具:大津英輔+鴉屋 照明:岡野昌代(Picoler) 照明操作:宮坂美樹(Picoler)、山田圭(Picoler)、櫛田晃代、熊谷康子 音響:飴屋法水 音響協力:田島誠治(SoundGimmick) 音響助手:浜里堅太郎 演出助手:西島亜紀 衣裳:コロスケ 映像製作:池田野歩 宣伝美術:鋼鉄児童会グラフィコ 制作進行:土屋彩子 制作:山辺千秋 プロデューサー:高樹光一郎 Special Thanks : 松本じろ、mindy 主催:黒田育世、BATIK 提携:財団法人せたがや文化財団、世田谷パブリックシアター 助成:日本芸術文化振興基金 協賛:TOYOTA創造空間プロジェクト 協力:東京芸術劇場(財団法人東京都歴史文化財団) 後援:世田谷区 制作:ハイウッド
【発売日】2009/11/25全席自由(オールスタンディング)一般3,500円/当日4,000円 ※学生3.000円(ハイウッドにて前売りのみ取扱い) 友の会会員割引 3,300円 世田谷区民割引 3,400円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/01/sept_vol20.html

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Posted by shinobu at 23:33 | TrackBack

三条会『S高原から』01/15-18ザ・スズナリ

 平田オリザさんが1991年に書かれた戯曲『S高原から』を、千葉の劇団三条会が上演。青年団の“静かな演劇”を予想して観に行くと完全に裏切られます(笑)。

 2005年の『ニセS高原から』とは全く違う演出でした。飴屋法水さん演出『転校生』と重なったり。強烈~!上演時間は約1時間40分だったと思います。

 三条会はふだんは千葉県で、劇団アトリエ公演や野外公演などを行っています。下北沢のザ・スズナリで観られる機会にぜひ。

 ⇒CoRich舞台芸術!『S高原から

 ≪あらすじ≫
 2010年の夏。高原のサナトリウムのロビー(喫茶室?)。患者、医者、看護師、そして面会人らが行き交う。
 ≪ここまで≫

 舞台はサナトリウムのはずなんですが、並べられているのは学校の机とイス。床は空と花の模様でカラフル。最初の音楽が流れた時点でイヒヒと笑ってしまいました(笑)。何を書いてもネタバレになりそうなので控えます。

 セリフはおそらく戯曲どおりですが、ト書きにはないであろう演出が山盛り。関美能留さんの演出にはいつも驚かされ、意外なところで笑わせられます。でも『S高原から』のエッセンスが忠実に伝わってきたように思いました。

 三条会の役者さんとそれ以外の役者さんとでは、やはり差があるように思います。三条会の方々は身体の存在の仕方が、とても確かなんですよね。でも色んな劇団の役者さんがごった煮になった状態も、それはそれで面白かったです。
 
 ここからネタバレします。

 最初の音楽はミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中歌「夢やぶれて」。スーザン・ボイルさんが紅白で歌った曲です。詳しい方によると岩崎宏美さんバージョンではないかとのこと。

 サナトリウムが学校になり、患者の衣裳はガクランか喪服。ト書きに書かれている上手と下手が、上手舞台奥と上手手前になっているのが面白い!

 『転校生』と重なるのは、次の出番がなくなった登場人物(面会人)が、教室の外(舞台裏)で鎌を振り回す看護人(大倉マヤ)に殺されること。そして飛び降り。

 医者(江戸川卍丸)が脚立の上にのぼって神様みたい。看護人の男(工藤真之介)は背中に羽があるので天使で、女(大倉マヤ)は鎌を持ってるので悪魔ですよね。

出演:大川潤子、榊原毅、立崎真紀子、橋口久男、中村岳人、渡部友一郎(以上、三条会)、江戸川卍丸(劇団上田)、桜内結う、山田裕子(第七劇場)、浅倉洋介(風琴工房)、大倉マヤ、小田さやか(Ort-d.d)、工藤真之介、近藤佑子、鈴木智香子(青年団)、永栄正顕
脚本:平田オリザ 演出:関美能留 舞台美術:石原敬 照明:岩城保 宣伝美術:京(kyo designworks) 制作:久我晴子 主催:三条会
【発売日】2009/12/01 2,500円 ~ 3,500円
http://homepage2.nifty.com/sanjokai/02.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【オーディション】新国立劇場演劇2010年11月公演「『わが町』出演者オーディション」3/11、3/12、3/15※2/19〆切・郵送必着

 新芸術監督に演出家・宮田慶子さんを迎える新国立劇場(演劇)の、2010/2011シーズンラインアップが発表されました。新シリーズ「JAPAN MEETS・・・ ─現代劇の系譜をひもとく─」の中の1本、『わが町』について、なんと主役エミリー役を含む出演者オーディションが開催されます!年齢制限はあれど経験不問です。以下は公式サイトより。ご興味ある方はぜひ! 

 ○新国立劇場演劇『わが町』2010年11月@中劇場
  作:ソーントン・ワイルダー 演出:宮田慶子 音楽:稲本響
  出演:小堺一機、斉藤由貴、相島一之、鷲尾真知子、佐藤正宏、他

 ○出演者オーディション応募資格
  「エミリー」役およびGIRLS:年齢18歳以上29歳以下の女性
  BOYS:年齢18歳以上29歳以下の男性
  ※経験不問(未成年者は保護者の承諾が必要)

 ○申込締切:2010年2月19日(金)郵送必着

■「わが町」主役オーディションのお知らせ ※公式サイトより
 新国立劇場では2011年1月中劇場にて、1938年のピュリッツァー賞受賞作、ソーントン・ワイルダーの「わが町」を上演いたします。抽象化と普遍的なドラマ性を両立させ、その後の現代劇の描かれ方に多大な影響を及ぼすこととなった世界的名作「わが町」。演出には2010/2011シーズンから芸術監督に就任する宮田慶子があたります。
――ふるってご応募ください!!!

1.作品:
  「わが町」
  作:ソーントン・ワイルダー/翻訳:水谷八也/演出:宮田慶子
  出演:小堺一機/相島一之/斉藤由貴/鷲尾真知子/中村倫也/佐藤正宏/山本亨(台本順)ほか

2.稽古・公演日程:
  2010年11月中旬~2011年1月末日

3.募集内容:
  i) ヒロイン 「エミリー」役  1名
  ii)「わが町」BOYS & GIRLS  若干名

4.審査内容:
  第1次審査  書類選考 
  ※選考結果は2010年3月第一週までに郵送にてお知らせいたします。
  第2次審査  オーディション(第1次審査通過者対象)
  第3次審査  オーディション(第2次審査通過者対象)
  ※「エミリー」役のみ、第3次審査まで選考いたします。
  ※すべての審査に、演出・宮田慶子が参加します。

5.日程・会場: 
  第2次審査  2010年3月11日(木)、12日(金)
  第3次審査  2010年3月15日(月)
  於: 新国立劇場・B2F 稽古場フロア
  (時間等の詳細は、合否連絡の際にお知らせいたします)

6.応募資格:
  ☆「エミリー」役およびGIRLS ―――― 年齢18歳以上29歳以下の女性
  ☆BOYS ――――――――――― 年齢18歳以上29歳以下の男性
 ・経験不問 (※未成年者は保護者の承諾が必要です)
 ・心身ともに健康であること
 ・上記、稽古・公演期間のスケジュールを全てに参加できること

7.申込方法:
  下記のものをご郵送ください。
  ※応募書類は返却いたしません。すべての選考終了後、主催者が個人情報の漏洩無きよう処分します
 ・オーディション応募用紙 (所定用紙)※新国立劇場HPよりダウンロードいただけます。
 ・写真2枚(上半身・全身)
 ・返信用A4封筒(120円切手を貼ったもの)
  ※書類選考の結果を通知する際に使用するものです。送付先を必ず明記してください。

8.申込締切: 2010年2月19日(金)必着

 郵送先 : 新国立劇場 制作部 演劇 「わが町」オーディション係
 〒151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1
 TEL 03-5352-5736 FAX 03-5352-5737
 応募用紙ダウンロードはこちら

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Posted by shinobu at 14:46 | TrackBack

【ワークショップ】カンパニーデラシネラ「出演者募集を兼ねたワークショップ参加者募集」02/15-17森下スタジオ※1/31〆切・郵送必着

 小野寺修二さん(元「パフォーマンスシアター水と油」)のソロユニット「カンパニーデラシネラ」が、出演者募集を兼ねたワークショップを開催します。なんと参加費無料!
 小野寺さんは俳優・パントマイマーであり振付家。1年間のフランス留学の後、カンパニーデラシネラを立ち上げられました(関連レビュー⇒)。ダンサーだけでなく演劇の役者さんも出演されています。以下、カンパニーよりいただいた情報です。ご興味のある方はぜひ。

 ワークショップ日程:2010年2月15日(月)~17日(水)
 〆切:2010年1月31日郵送必着
 対象:男性、身体表現経験のある方。
 参加費:無料

■カンパニーデラシネラより、お知らせ

 カンパニーデラシネラは、劇団というスタイルではなく、小野寺修二ソロユニットとして、毎公演ごとに出演者を集めています。
 デラシネラでは、カンパニーの活動に興味があり、参加して下さる方を探しています。

対象:男性、身体表現経験のある方。
年齢:特に問いません。
そのためのワークショップを行います。(参加無料)

日程:2010年2月15日(月)~17日(水)
時間:各日とも13時~17時
場所:森下スタジオ稽古場(東京都江東区森下3-5-6 )
地下鉄都営新宿線、 都営大江戸線「森下駅」 A6出口 徒歩5分

参加希望の方(今回は男性のみ対象)は、以下要項を2010年1月31日必着で下記送り先までご郵送下さい。

■<要項>(自由形式)
 お名前、ご連絡先(メール・携帯電話など)、身長、年齢、舞台活動歴、スポーツ経験歴、今までに観た小野寺作品があればそのタイトル、デラシネラに参加してみたい理由、顔写真、上記ワークショップ日程のうち参加可能な日時。

■送り先
 〒160-0023東京都新宿区西新宿4-34-18-213 
 ハイウッド内カンパニーデラシネラWS係

 応募多数の場合、人数を制限させて頂きます。ご参加頂く日程は、2月10日までにメールにてお知らせ致します。ご応募お待ちしております。           

 今後もこのような形でワークショップを行っていく予定です。詳細はデラシネラHP(http://onoderan.jp)にてお知らせ致します。

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Posted by shinobu at 14:09 | TrackBack

2010年01月15日

冨士山アネット『EKKKYO-!』01/14-17東京芸術劇場小ホール1

 冨士山アネットがプロデュースする計6団体のオムニバス公演です(⇒前回レビュー)。東京芸術劇場の若手紹介企画“芸劇eyes”(過去レビュー⇒)の内の1本。何度眺めてもすごいラインナップだと思います。⇒記者発表

 観客が無防備に楽をしていられない、受身ではいられないタイプの異彩を放つ作品たち。そもそも『EKKKYO-!』は“演劇、ダンス、音楽などのジャンルを越えた舞台作品”を意味していますが、今回は“アーティストの作品を観客が観る”というパフォーマンス鑑賞の枠組みをも超えて(越境して)いました。上演時間は約2時間強。

 ロビーでは開場してから開演数分前まで、毎日日替りで出し物があるそうです。私が観た初日はモモンガ・コンプレックス+αがトークして歌っていました(途中の5分ぐらいだけ観ました)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『EKKKYO-!』←CoRichでカンタン予約!
 レビューをアップしました(2010/01/16)。

 数年前の色んなオムニバス公演を思い出しながらの鑑賞になりました。昔だと「完成度(空間の密度)の高さを競い合う」「観客を短い物語にいかに没頭させられるか」「とにかく笑いを取ったもの勝ち」「アイデア1発勝負」とか、なんにせよ、参加カンパニー同士が対決する要素があった気がするんですが、『EKKKYO-!』には全然なかったですね。お互いの世界を個別に見せきって、並列にならんでる感じ。

 ままごとと冨士山アネットが“普通”に見えるんだから凄い(笑)。

 ここからネタバレします。

■ライン京急「ナターシャ・キンスキー」
 作・演出・振付・出演・音楽:山縣太一(チェルフィッチュ)・大谷能生(音楽家/批評家) ゲスト:端田新菜(青年団)

 いつもはクラブに出演している団体が劇場に。DJ(大谷能生)が音楽だけでなくセリフもミックスさせるのが面白いです。音楽に乗せられて私の中でグルーブ感がググっと増したところで、俳優(山縣太一)のセリフにばっさり断ち切られました。おそらく全て意図的だと思いますが、私としては1つの作品としてまとまった(ように感じられる)ものを楽しみたかった。ふらっと登場して語ったり踊ったりする端田新菜さんの存在に助けられました。


■ままごと「あゆみ-EKKKYO-! Remix-」
 作・演出:柴幸男(ままごと/青年団演出部)
 出演:黒川深雪(InnocentSphere/toi) 斎藤淳子(中野成樹+フランケンズ) 中島佳子

 2008年の初演以来、さまざまな形で上演されている「あゆみ」(関連リンク⇒)がまた進化。上手から下手の直線だけでなく、舞台奥から手前への縦、上手前から下手奥への斜めの動線なども増えて、役者さんの負荷がさらに増していました(笑)。
 幼なじみの2人の少女、あゆみとミキの物語。何度観ても心動かされ、涙します。

 「本当にオケに入っちゃった」と言うのは、あゆみが棺桶に入ってしまったから。死んじゃう必要はあまり感じませんでした。故郷を飛び出して月まで行きたいと思っていたあゆみが田舎にとどまって、ずっと田舎にいると思っていたミキが東京で働いているというだけでも、十分に切ない。


■モモンガ・コンプレックス「モモンガ・コンプレックスのこころづくし。(今年の抱負です)」
 振付・演出:白神ももこ
 出演:北川結 翼嶋木綿 臼井梨恵 たにがわまいこ 矢嶋里美 白神ももこ ゲスト:神里雄大

 オープニング(コーヒー豆がりがり)と、ライン京急とままごとの間にも短編(フランス語的な謎の言語でテレビショッピング)を上演。本編は色んな舞台のカーテンコールのパロディー(宝塚、歌舞伎、コンテンポラリー・ダンス、バレエなど)。観客から拍手を引き出して、がんがんに笑わせてくれました。最後は全員によるダンス。きれいなドレスで若い女の子が躍るだけでも可愛い。観客との距離の取り方、呼吸の合わせ方がすごくうまいと思います。


■CASTAYA Project「±0'00"(0'00"No.2)」      
 作・演出:Enric Castaya Orchestra 出演:非公表

 賛否両論、の域も越えてるんじゃないでしょうか(笑)。これはまっさらの気持ちで体験するしかないと思います。
 「役者と観客がいれば、そこは劇場である」わけではないのだなと思ったことが大きな収穫。
 「THIS IS IT」を観てすぐだったので、歌のところではマイケル・ジャクソンのことばかり頭に浮かんでしまった。
 加筆できたらしますが、あまり書きたくない・・・。


■岡崎藝術座「アフターデイズ/HOLD YOUR HANDS」
 作・演出:神里雄大 映像:ワタナベカズキ
 出演:島田桃依 大重わたる 夏目慎也

 音楽ライブと演劇をミックス。劇中劇の構造で、オムニバス公演自体もパロディー化、していたような。
 ロックのライブと演劇が融合したタイプのパフォーマンスをする3人組。その名も「岡崎藝術座」。彼らが演じるのは宇宙船の搭乗員たちの泥沼の恋愛ざた。エアロスミスのライブ映像とスペースシャトル打ち上げ等の宇宙の映像が隣りに並ぶ不思議さ。劇団の次回公演の宣伝も組み込まれており、何をどう観て、感じ取っていいのかぐらぐらしたままの鑑賞になりました。私にはよくわからなかったですね。


■冨士山アネット「証明∴」
 作・演出・振付:長谷川寧
 振付・出演:大間康司 伊藤麻希 奥山隆 玉井勝敏 関野律子

 衣裳が白黒のモノトーンなのでシャープでおしゃれな印象。父、母、兄、姉、弟の5人家族(姉、兄の順番かも)。喪服を着て法事に出かける前の風景。闘う家族の格闘技的ダンス。ネクタイやジャケットなどを振り回したりひっぱったり、バリエーションが多くて面白いです。がっつりとダンス・パフォーマンスを見せてもらえて満足。最後に弟だけを舞台に残して、他の家族が上手にはける理由がわからなかったな~。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演(舞台下手より):長谷川寧 大谷能生 柴幸男 白神ももこ 神里雄大 野村政之(青年団/こまばアゴラ劇場)

 大谷さんが柴さんに質問をして、柴さんがサクっと答えるのが面白かったです。『あゆみ』はセリフのタイミングでさまざまなことが決まっているんですね。大谷さんが「右足から入って右足(だったかな)で出る」というルールに気づかれてるのもすごい。

東京、越境。
企画・構成/長谷川寧 舞台監督/白神久吉 舞台/谷内義弘・秋山佑子 照明/齊藤芳男・佐藤恵太 照明アドバイザー:奥田賢太(colore) 音響/小川義治・中根悠子 映像/浦島啓(PUREDUST) スチール:松本和幸 撮影:山本晃久 宣伝美術/京(kyo.designworks) 協力/東京芸術劇場技術スタッフ 提携/東京芸術劇場(財団法人東京都歴史文化財団) 助成/アサヒビール芸術文化財団 制作/岩間麻衣子・藤巻みのり+冨士山家 協力:東京芸術劇場技術スタッフ 提携:東京芸術劇場(財団法人東京都歴史文化財団)
【発売日】2009/11/14[チケット](日時指定・全席自由)一般前売 3000円 一般当日 3200円 学生 2500円(要学生証提示/前売・当日共)
http://fannette.net/next/ekkkyo_index3.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:54 | TrackBack

2010年01月13日

【つぶやき】「事業仕分けへの意見募集」、その後

 昨年末の「事業仕分けへの意見募集」について(⇒)、文部科学省に届いた意見の具体的な数字が報道されました。

 ニュース(⇒)によると、文部科学省に寄せられた「事業仕分けに対する意見」は14万3971件。内訳は科学技術・文化関係が13万4596件、教育・スポーツ関係が9375件。
 文部科学省平成22年度予算ページに公開されている「事業仕分け結果・国民から寄せられた意見と平成22年度予算(案)における対応状況(平成21年12月25日)」(PDF)の34ページによると、「文化関係①・芸術創造・地域文化振興事業等」に対して約11万件の意見が寄せられたと記載されています。

 つまり14万件強のうち、11万件が文化関係のものだったんですね!昨年11/25の時点では意見総数・約1万2000通のほとんどが科学関係。文化関係はたった1000通ほどだった(←こちらのブログより)と考えると・・・100倍以上になってる!

 11万件の内容は『「事業を民間に任せるべき」といった極少数の意見のほかは、ほぼすべて事業仕分けの結果に反対するもの。オーケストラ、舞踊、演劇など幅広い分野から、例えば「文化振興は国の責務であり、費用対効果で考えるものではない」といった意見。』とまとめられています(同34ページより)。

 そんな国民の声が届いたからなのかどうかはわかりませんが、事業仕分けで「圧倒的に予算を縮減」などと言われていたにも関わらず、結果的に文化予算は昨年と比較すると約5億円増(前年度0.5%増)となりました(予算ページ「平成22年度文部科学省予算(案)のポイント」(PDF)の3ページより)。
 「不況時であっても文化にはお金を投入するのだ」という国の意志表明だと受け取り、私は素直に喜んでおきたいと思います。ありがとうございます!

 ただ、全ての文化事業が昨年同様の予算を得られるわけではありません。縮減されたものも、他の事業と統合されたものもあります。そして新規事業(同3ページより)なども増えていますので、これからの文化芸術活動が大きく変わっていくことが予想されます。こちら↓にまとめ記事があります。
 ⇒朝日新聞<文化政策はどこへ・下〉「新たな公共」への胎動(2ページ)

 例えば新規事業の「優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業」は、芸団協も提言している劇場法(仮称)につながるもののようです。劇場法については内閣参謀参与の平田オリザさんも言及されています(⇒wonderlandロングインタビュー)。芸術家個人や芸術団体への支援を、劇場というハードへの支援に切り替えていくことになるのでしょうか。そうすると、おのずと観客の動線も変わってきますよね。今後も鳩山政権の文化政策を注視していきたいと思います。

 事業仕分けが一般公開して行われたおかげで、勝手に怒りに震えたり、悶々と考え続けたりして、昨年末はずいぶんと消耗しました(苦笑)。でも私にとっては非常に良い転機になりました。今までずいぶん、のんびりと甘えていたのだなぁと反省。

 残念ながら私は参加できませんでしたが、昨年12/23にアートNPO緊急フォーラム『日本に芸術文化は必要だ! そのために我々は何をすべきなのか』が開催されました。いいタイトルですよね。今回の事業仕分けをきっかけに、多くの人から「芸術文化は必要だ」という言葉が届けられたことは喜ぶべきことだと思います。芸術文化(私の場合は特に舞台芸術)をとりまく環境に積極的に興味を持ち、芸術文化がなぜ、どのように必要なのかを具体的に自分の言葉で伝えられる、能動的な観客になりたいと思います。

カテゴリー:【演劇教育】

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:29 | TrackBack

【公募情報】世田谷パブリックシアター「シアタートラム ネクスト・ジェネレーションvol.3参加団体募集」2/8-26面接あり

 若手劇団の登竜門として名実ともに認知度が高まっている、世田谷パブリックシアターの「シアタートラム ネクスト・ジェネレーション」(過去レビュー⇒)。来週開幕するvol.2の参加団体は快快演劇ユニットG.comFUKAIPRODUCE羽衣です。来年開催されるvol.3の募集告知がすでに始まっています。我こそはと思う団体の皆さん、ぜひ応募してください!

 応募資格に活動拠点の制限があり、上演予定台本の提出が条件に入っています。資料を郵送するのではなく、期間内に面接する形式です。募集概要をよく読んでお申し込みください。

 応募期間:2010年2月8日(月)~2月26日(金)午後5時
 ※担当者に電話し、面接時間のアポイントを取ること。

Posted by shinobu at 10:45 | TrackBack

ろばの葉文庫『僕らの声の届かない場所』01/12-17 Art Complex Center of Tokyo

 空想組曲のほさかようさんと風琴工房の詩森ろばさんが、新たにユニットを立ち上げました。その名も「ろばの葉文庫」。第1回公演はほさかさんの戯曲を 詩森さんが演出されます。さまざまな劇団から役者さんを集めたプロデュース形式の公演ですね。

 会場は四谷三丁目のきれいなギャラリー。実際に絵画が展示されている建物の中で、絵描きの物語を観るのはオツですね。上演時間は約1時間30分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『僕らの声の届かない場所
 レビューは今のところネタバレ前までです。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
「この絵、わたしの光だから」
 絵を完成できない画家に少女は言った。
 ふたりが夢見たのは絵にも描けないしあわせな結末。
 若手の画家が集う小さなアトリエ。その中でひと際異彩を放つ一人の画家。彼はあふれでるイメージを「物語」としてキャンバスに描いていく。しかしどの絵も完成させることができず、物語は結末を迎えずに放りだされる。ある日、アトリエに一人の少女が現れる。光を求める二人が出会い、絵は次第に完成に近づいていく。けれど、少女の秘密と画家の過去に眠る物語が、ふたりをふたたび光から遠ざけていく。すれ違うふたりは果たして探し求める光にたどりつくことができるのだろうか。
 ≪ここまで≫

 白い壁で清潔な印象の空間にイスとイーゼルが数脚。茶色いフローリングの床には枯れ葉がぱらぱらと散っています。いわゆるギャラリーでのお芝居ですので、音響や照明はシンプル。手を伸ばせば届いてしまうぐらい近い場所で、役者さんが静かではあるけれど熱のこもった演技をしていました。

 3人の若い画家に焦点が絞られ、王子小劇場での初演よりも輪郭がはっきりとした脚本になっていました。作品創作に没頭する内に自分自身と対峙せざるを得なくなる、若い芸術家の苦悩がつぶさに伝わって来ます。繊細で詩的なセリフの1つひとつを大事に演じようとしている役者さんに好感。苦労知らずの桜坂を演じた三原一太さんの微妙な笑顔が良かったです。
 
 夢と現実がまじわり、普通の会話劇におさまらないのも見どころ。“夜虫(よるむし)”をダンサーでもある皆木正純さんが演じられていて、身体のキレの良さと確かな存在感が、幻想的なシーンの強度を高めていました。
 ただ、全体のバランス的にまだ完成していないようでした。合計8人の役者さんの演技の種類がまちまちなんですよね。私が拝見したのは初日なので、これからレベルアップしていくことと思います。

 ここからネタバレします。続きは書けるかどうか未定。

ろばの葉文庫その1
出演:北川義彦(RIDEOUT)、ハマカワフミエ(国道五十八号戦線)、関根信一(フライングステージ) 三原一太(はらぺこペンギン!) 佐藤幾優(boku-makuhari) 佐々木なふみ(東京ネジ) 清水穂奈美 皆木正純
脚本:ほさかよう 演出:詩森ろば 照明操作:石澤美和 渡辺望 宣伝写真:平地みどり 宣伝美術・制作:詩森ろば 企画・製作:ろばの葉文庫 制作協力:塩田友克
【発売日】2009/11/07 前売 2500円 当日 3000円 障碍 1500円
http://robanoha.com/

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Posted by shinobu at 00:48 | TrackBack

2010年01月12日

【ワークショップ】急な坂ワークショップVol.17「神里雄大ワークショップ」1/30-2/11急な坂スタジオ

 岡崎藝術座の神里雄大さんのワークショップ情報です。神里さんは『ヘアカットさん』で岸田國士戯曲賞にノミネートされ、今注目を集める20代の劇作家・演出家です。次回公演は『リズム三兄妹』⇒詳細。ご興味のある方はぜひ。以下、公式サイトより。

 【日程】一般&俳優向け、俳優向けの2種類のコースあり。
  2010年1月30日(土)・31日(日)、2月6日(土)・7日(日)・11日(木祝) 5日間・全7回
  特に〆切はありません。先着順・要予約。1日のみの参加もOK。

■急な坂ワークショップVol.17「神里雄大ワークショップ」1/30-2/11急な坂スタジオ ※公式サイトより

 坂あがりスカラシップ2009対象者、神里雄大(岡崎藝術座主宰・演出家)が、2010年2月に行われる演劇公演「リズム三兄妹」に先がけて、ワークショップを開催します。

 実際に岡崎藝術座でも行われている本プログラムは、一般向け/俳優向けの2種類で構成され、演劇経験がなくとも参加可能です。稽古場を体験することで、舞台をより身近に感じて頂けるワークショップ、ぜひご参加ください。

■開催概要

【会場】 急な坂スタジオ
【定員】 各回10名(先着順/要予約) ※1日のみの参加も受け付けます。お気軽にお申込み下さい。

【料金】 Aプログラム 500円 / Bプログラム 1,500円
【応募資格】 Aプロ 一般・俳優向け / Bプロ 俳優向け ※年齢・経験等は問いません。

【日程】
 2010年1月30日(土)・31日(日)、2月6日(土)・7日(日)・11日(木祝) 5日間・全7回

◆Aプログラム (一般・俳優向け)
「正月になまった身体を叩き直そう、こたつから出よう!トレーニング」

◆Bプログラム (俳優向け)
「しゃべる意識と人称を体感する/体を細かく分けて身体表現を豊かにするワークショップ」

【応募方法】
メールにて件名を「ワークショップ応募」とし、下記項目を明記の上ご連絡下さい。
1.お名前(フリガナ)  2.性別  3.年齢  4.ご所属  5.参加希望回
6.日中に通じる連絡先(携帯電話・E-mail等)  7.備考(ご意見・ご要望あればご記入ください)

【お申込み・お問合せ】 okazaki.info(アットマーク)gmail.com
※定員になり次第締め切りとさせていただきます。

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2010年01月11日

tpt『キレイじゃなきゃいけないワケ』12/29-01/17ザムザ阿佐ヶ谷

 TPTで千葉哲也さんが演出されるのはこれが3作目(過去レビュー⇒)。アメリカ人劇作家ニール・ラビュートさんの戯曲は、TPTでこれまでに2度上演されています(⇒)。今回は約2時間の若者男女4人芝居。演出がとても良かったです。

 客席に土足で入れて、しかも指定席!あの和風空間・ザムザ阿佐ヶ谷が、完全にTPT的ブラックボックスになっていました。衣裳も美術もスタイリッシュだし、パンフレットも今までどおり販売されていました。会場変われどもTPTの美意識変わらず、というところが素敵。

 ⇒stagewebに千葉哲也さんのインタビュー動画あり!
 ⇒CoRich舞台芸術!『キレイじゃなきゃいけないワケ

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 彼が彼女の容姿について何気なく口にしたひと言から、友達カップルまでも巻き込んだとんでもない戦争がはじまった。
 2008年オフ・ブロードウェイ初演後、2009年4月ブロード・ウェイに殴り込み。“明晰で夢中にさせる”(Time Out)“新鮮で光彩を放つ対話にあふれたラブ・ストーリー”(NY Times)など絶賛の嵐を呼び、トニー賞ベストプレイにノミネート.いまアメリカでもっともエッジーなライターによる‘顔’についてのブラック・コメディー。
 そして、もういい加減大人になりたいあなたのためのラブ・ストーリー。
 ≪ここまで≫

 セリフの多い4人芝居で、1対1のバトルがとても激しいです。若い役者さんが膨大なセリフを体当たりでぶつけ合います。さらに1人ずつに長い独白の場面もあって、役者さんの身体や感情そのものをむき出しにして勝負させているところが、潔くてかっこいい演出でした。ボクシングの試合で鳴るゴングのような音が、場面転換の時に響くのがまた効果的。※ジリジリリーン!というベルのような、またはブー!!というブザーのような大きな音だったんですが、意味合い的にゴングのように感じていました。

 ただ、どうしても翻訳の壁が高く、お話には入って行けず・・・。役者さんがライブ感を大事にして、自分をさらけだして存在しようとしているので(←そこは素晴らしいと思います)、余計に日本語と英語のかみ合わなさが目立ってしまっていたように思います。

 ここからネタバレします。

 若い女の子が卑猥な言葉を連呼するのが面白いんでしょうけど、体に入ってこなかったです。例えば「ケツの穴」って連発するんですが、それってつまり「asshole」の直訳ですよね。日本人はケンカをしても「ケツの穴」とは絶対に言いません。言うとしたら「バカ」「アホ」「ボケ」「まぬけ」とかじゃないでしょうか。そういう日本語の悪口には卑猥な意味合いがないので、翻訳するのが不可能なのかもしれませんよね。できれば他の方法を取ってほしかったなぁ・・・。

 翻訳劇をずっと上演してこられた団体には「翻訳劇はこういうものだ」という常識のようなものがあるのかもしれませんが、新しい観客には伝わらないんじゃないかと思います。千葉さんの演出が今の時代に合ったものだから、そのギャップが気になったのかも・・・と思ったり。

 新しい恋人ができたステッフ(河合杏奈)がどんどん上品に、きれいになっていくのが良かった。山田ジルソンさんのマッチョでバカな浮気者の演技にはリアリティが感じられました。

TPT73
出演:L=奥山滋樹/河合杏奈/山田ジルソン/濱崎茜  V=藤沢大悟/高畑こと美/山田ジルソン/濱崎茜
私が観たのはLキャストの初日。
作◎ニール・ラビュート 訳◎広田敦郎 演出◎千葉哲也 装置◎石原 敬 照明◎笠原俊幸 衣裳◎原まさみ 音響◎藤平美保子 ヘア&メイクアップ◎鎌田直樹 舞台監督◎白石英輔/村田明
平成21年度文化芸術振興費補助金(芸術創造活動特別推進事業)
11/21(土)チケット発売 全席指定 一般¥4,500 学生¥3,000(TPTのみ取扱い)
http://www.tpt.co.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:31 | TrackBack

2010年01月10日

ZOU-NO-HANA DANCE WORKSHOP VOL.2『安藤洋子ダンスワークショップ&ショウイング(発表会)』01/10象の鼻テラス「ガリバーの食卓展」会場

 友人が出演してるとの情報を得て、ふらりと横浜に行ってきました。ドイツ在住の日本人ダンサー・安藤洋子さんのワークショップ発表会。安藤さんはザ・フォーサイス・カンパニーに所属されています。参加者は2才~21才までの約20人。上演時間は約40分弱。入場無料。

20100110_zo_no_hana_terrace.jpg

 おしゃれで解放感のある清潔な会場で、子供たちが走り回る!可愛い!!中高生、大学生ものびのびとした雰囲気がとても良かったです。アイコンタクトをして体に触れて、関わりを持つ振付(即興?)は温かみがあります。
 白いシャツに黒いパンツでほぼ統一して、腰にチュチュのように布を巻きつけた衣裳も良かったな~。

 誰でも自由に出入りできる場所で、子供たちがダンスをしている。それだけでハッピーな気持ちになりました。かなり癒やされたな~・・・。コンテンポラリー・ダンスの軽やかさ、懐の深さを感じました。小さなお子様を見守るお母様、お父様方も幸せそうでした。

【出演】ワークショップ参加者:ハ嶋道人 矢野りさ子 大橋快 田代美紀 谷口紗菜 角田慧  矢野修一朗 長谷川珠美 西崎優貴 三浦夢摘 角田優 鈴木りゆ 柴田聖莉奈 大澤由佳 小倉ひなの 早田紗彩 森合爽子 藤田一樹 赤松穂波 木下香奈 中村蓉
ダンサー:矢沢誠 小口美緒 福留麻里 トチアキタイヨウ 村田智子 楠美奈生 安藤洋子
講師:安藤洋子 衣裳:藤森綾子 制作:象の鼻テラス(林妙子 小泉智子 倉持陽介) スパイラル(小林裕幸 岡田勉 宮窪真紀) 主催:株式会社ワコールアートセンター 企画制作:スパイラル
入場無料
http://www.zounohana.com/event/post_12.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:40 | TrackBack

映画「アバター(字幕・3D上映)」TOHOシネマズ日劇

 知人の間で賛否両論の映画「アバター(AVATAR)」を観てきました。ジェームズ・キャメロン監督の新作であり、「とにかく映像が凄い」「3D上映だから映画館でしか体験できない」等の触れ込みと、阿部和重さんツイッターでのつぶやきにダメ押しされまして。

 “映画の今”というか“エンタメの今”を実感できて、貴重な体験になりました。私は一般料金2,100円で入場したのですが、満足でした。ただ、テレビゲームに親しんでいる友人とっては、特に目新しいものではなかったみたい。モンハンとか流行ってますものね。そうそう、日本のアニメやゲームの影響力の凄さも、今さらながら実感しました。

 何かと既視感があったのでストーリーやメッセージには面白みを感じませんでしたが、コンピューター・グラフィックスによって作り出された動画の俳優(?)が、十分以上に活躍していることを確認。人気スターが出てる映画やテレビって余計な顔アップのシーンが長いんですが、それがなかったのも良かったです。あ、上映時間2時間42分は長かった・・・。

 映画もすっかり次世代に突入しているんですね。たぶん演劇もそうだと思います。
 自分がなぜ演劇に、ライブ(生)の芸術にこだわっているのかを、もう一度問い直さなければと、昨年末から悶々としております。

 ここからネタバレします。

 あれだけ空中戦をやってるのに、最後の最後は主人公とムキムキ軍人が地上で一騎打ちをするのに爆笑。恋人が父の形見の弓矢でとどめを刺すのも気が利いてますよね。とことん楽しませてくれるサービス精神が素晴らしいと思いました。

脚本・監督:ジェームズ・キャメロン 主演:サム・ワーシントン ゾーイ・サルダナ シガーニー・ウィーヴァー 他
http://movies.foxjapan.com/avatar/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 21:26 | TrackBack

2010年01月08日

【お知らせ】「CoRich舞台芸術アワード!2009」発表!

 CoRich舞台芸術!にて「CoRich舞台芸術アワード!2009」の投票結果が発表されました!第一位はあの話題作!!私の投票はこちらです。

 投票したCoRichメンバーは昨年の69名から79名に、舞台通メンバーも21名から28名に増加ました。CoRich舞台芸術!ならではのカラーがより強く出てきている気がします。首都圏以外では福岡と仙台の公演が目立ちますね。

 「CoRich舞台芸術アワード!」に投票できるのは、クチコミ件数等が一定条件を満たすCoRichメンバーです。観客の皆さん、2010年もたくさんクチコミしましょう!

Posted by shinobu at 21:26 | TrackBack

【情報】fringe blog「ツイッターを利用している団体・劇場/公式ハッシュタグについて」をアップ

 fringe blogに記事をアップしました。
 ⇒ツイッターを利用している団体・劇場/公式ハッシュタグについて

 私のツイッター・アカウントはこちら(@shinorev)
 「つぶやき」なのでブログよりも気楽に、かなり適当にやってます。お許しを!

Posted by shinobu at 16:29 | TrackBack

オーストラ・マコンドー『三月の5日間』01/07-17赤坂RED/THEATER

 オーストラ・マコンドーはTPTなどによく出演されている倉本朋幸さんのカンパニー。旗揚げ公演です。倉本さんが岡田利規さんの岸田國士賞受賞作品『三月の5日間』(関連レビュー⇒)を演出されます。

 プレビューを拝見。戯曲をかなり変えてありました。これからご覧になる方はそういう心づもりがされた方がいいと思います。上演時間は約1時間45分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『三月の5日間

 ≪あらすじ≫
 六本木のクラブで出会い、そのまま渋谷のラブホテルへ行く男女。映画館の入口で、余ったチケットをきっかけに話すようになった男女。ひょんなきっかけから一緒にデモに参加することにした男2人。
 ≪ここまで≫

 戯曲『三月の5日間』の主な特徴というと、まずは長い長い独白です。そして観客に向かって話しているかと思ったら、舞台上の友達に話しはじめたり、話している内に役者さんが演じる人物が違う人物へとするりと変わっていたりすること。今回の上演では、そういうことがほぼありませんでした。部分的に原作のセリフが残っているところもありますが、おそらく脚本は稽古場でエチュード(即興)をして作られたのではないでしょうか。原作にはないエピソードがいっぱいで、枠組みだけが残っていると言ってもいいぐらいだと思います。

 役者さんの演技をじっくりと見せることを意図しているように思いました。無言の間(ま)をたっぷりとって、2人もしくは3人の会話に嘘のない密度の濃い瞬間があるのが面白かったですね。ただ、声が聞こえづらくてセリフが理解できないのはもったいないです。

 新しいエピソードいついては、私には必要性が感じられないものもあり。まあ私は『三月の5日間』のフリークと言ってもいいほどの大ファンなのでね。「その方向は違うでしょ!」「そこを削っちゃダメ!」なんて思うこともありました(苦笑)。演出の倉本さんとは、とらえ方が全然違うんだと思います。

 都市・渋谷をイメージしたのであろう、灰色を貴重としたシャープな空間で、動く照明と動画を組み合わせた幻想的な場面もありました。白いベッドにさす明かりがきれい。
 音響についてはトラブルがあったようで、演出とは思えない音(ノイズ)が時々聴こえたのは残念。初日以降は改善されることと思います。

 ここからネタバレします。

 2枚の大きな壁に囲まれた三角形の空間。真ん中に白いベッド。ミッフィー(岡田あがさ)が上手側の壁に手を置くと、手でさわった部分に小さい光がともり、動きます。壁の後ろから照明を当てているのかしら。やがて2枚の壁が重なっていた部分が割れて、壁が左右へとぐんぐん開いていき、四角い空間になります。この転換がダイナミックでかっこ良かったです。

 渋谷の景色や、おそらく渋谷にいた一般の若者のインタビュー映像が、舞台にも客席の壁にも映写されて、劇場全体が“渋谷”に。渋谷にすごくこだわった演出でしたね。私はそれほど“渋谷”であることが大事だとは思わないんだよな~。この戯曲の何が好きで、どこが重要なのかが、倉本さんと私とでは違うんだと思います。

 ラブホにいる2人(河合龍之介&三井彩加)は濃厚なラブシーンがエッチで良かったですが、私が大好きなセリフを全く言わなくて(笑)、がっかり。
 映画館で出会った男(兼多利明)とミッフィー(岡田あがさ)が映画館の中で近くに座って話をしたことになっていて驚き。勉強部屋のシーンでせつなさが伝わってこなくて残念。走りまわってるので難しいんでしょうね。
 デモに行った2人(安井順平&坂口辰平)が行かなかった1人(カトウシンスケ)と3人で戦争の恐怖について話すシーンで(原作にはありません)、「捕虜虐待ゲーム」のようなことをするのですが、長すぎました。虐待される男は一度は怒って叫ぶと思うんだけどなー(目隠し&手錠&全裸にされ叩かれるので)。その後に本当の恐怖がやってくるんじゃないかと思いました。

 顔が大きな白いごみ袋になっている(ごみ袋をかぶっている)男を、池下重大さんが演じてらっしゃいましたが、池下さんのような素晴らしい役者さんが、なぜ、セリフもない、顔も見せない役なのかしら。私の頭の中にもったいないオバケが百万匹出てました。

 ※プレビューの時点では当日パンフレットに「作:岡田利規 演出:倉本朋幸」と記されていました。でもこれほど大きく脚本を変えているならば、「脚色:~~」などと書くべきでしょうね。

出演:河合龍之介 岡田あがさ 三井彩加 坂口辰平(ハイバイ) 兼多利明 カトウシンスケ 池下重大 安井順平
[脚本]岡田利規 [演出]倉本朋幸 [美術]原田愛 [音楽]佐藤こうじ [照明]奥田賢太(colore) [音響]Sugar Sound [衣装]萩野緑 [映像]浦島啓(puredust) [映像制作]増渕芳弘 [舞台監督]小野瀬弥彦 [webデザイン]山中商店 [宣伝美術]原田愛 [宣伝イラスト]岡田あがさ [制作]野村沙月
【発売日】2009/11/07 前売り3,500円 当日3,800円
http://austra.tv/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:15 | TrackBack

2010年01月06日

シベリア少女鉄道スピリッツ『キミ☆コレ~ワン・サイド・ラバーズ・トリビュート~』01/06-17タイニイアリス

 シベリア少女鉄道が約2年半ぶり(?)に活動再開!過去レビューのリンクを貼ってみたら・・・意外にいっぱい観てますね、私⇒1011 ※団体名が「シベリア少女鉄道スピリッツ」になったようです。

 「わかる人にはわかる」ネタでもあるので、お好みは分かれると思いますが、私は最後に大いに拍手を贈りました。世の中の役になんて絶対に立ないことを、あんなに大変な思いをしてやってることが面白すぎます(笑)。
 
 前売りは完売。初日は当日券が出ていました。上演時間は約1時間15分弱。

 ⇒川上未映子の純粋悲性批判『年始は、何があっても「シベリア少女鉄道」をぜったいに観ようね
 ⇒CoRich舞台芸術!『キミ☆コレ~ワン・サイド・ラバーズ・トリビュート~
 レビューは途中です。公演が終了するまで続きは書きません(書けるどうかもわからないんですが…)

 ≪あらすじ≫
 漫画家の仕事場。編集者やアシスタントたちの平凡な日常。
 ≪ここまで≫

 シベ少フリークの中には「今回はこうきたか!」と比較して観る方も多いと思いますが、私はたいがいのネタを忘れるタイプの可哀そうな観客なので(苦笑)、すんなり楽しめました。
 あっと驚く、ばかげた展開が1度だけではないのが凄いんですよね。最後の最後までやりきるのが本当にくだらなくって、もう、笑っちゃう!
 毎度のことですが役者さんはかなりのお稽古をされたことと思います。うまい下手じゃなくて、とにかくやりきることですよね。楽しませていただきました。ありがとうございました。

出演:加藤雅人(ラブリーヨーヨー) 工藤史子 篠塚茜(シベリア少女鉄道) 高松泰治(ゴキブリコンビナート) 藤原幹雄(シベリア少女鉄道) 吉原朱美(本能中枢劇団)
脚本・演出:土屋亮一 舞台監督/上嶋倫子 谷澤拓巳 音響/中村嘉宏 照明/伊藤孝 美術/泉真 創作補佐・映像/冨田中理 演出助手/山本尚輝 制作助手/倉田亜友美 制作/高田雅士・保坂綾子 企画・製作/シベリア少女鉄道
【発売日】2009/12/05 全席自由 前売3,000円、当日3,200円(日時指定・整理番号付き)
http://www.siberia.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:05 | TrackBack

2010年01月05日

青年団『カガクするココロ』12/26-01/25こまばアゴラ劇場

 『北限の猿』に続いて『カガクするココロ』を鑑賞。私はこちらの方がずっと好きですね。ドロドロかつザワザワしてて(笑)。

 「カガク三部作」は『カガクするココロ』『北限の猿』『バルカン動物園』の順に初演されました。その次に当たるのが2008年に上演された『森の奥』(レビュー⇒)なんですね。
 『バルカン動物園』は来年3月に若手公演として上演されます。シリーズを通して観られるいい機会だと思います。

 年末年始は追加席を作るほどの大入りだったようですが、中盤はまだ空いているようです。終盤になって混み始める前に観た方が快適かも。

 ⇒舞台写真
 ⇒CoRich舞台芸術!『「カガクするココロ」「北限の猿」

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 猿を人間に進化させるプロジェクトを研究している某国立大学の生物学研究室を舞台に、生命倫理の問題や日本人論、そして現代の若者の姿を鮮明に描き出す、「科学シリーズ」2本立て公演。
 現在、大阪大学でロボット演劇プロジェクトに取り組む平田オリザの“「科学」と「演劇」の総合”の原点、待望の再演です。人類の文明の急速な進歩と、暖慢な進化の流れの二重奏をどうぞお楽しみください。
 ≪ここまで≫

 バイオテクノロジーを専門とする研究室に集まる若者たちの群像劇です。『北限…』より恋愛色が濃いですね。上司と部下、先輩後輩、男女の三角関係や不倫などを下地に、感情のぶつかりと交わりを組み立てます。複数の関係が同時に交錯するのがスリリング。

 本やぬいぐるみなどの小物以外は『北限の猿』と変わらない装置。役者さんも『北限…』に出てた人が多数出演しています。でも演じる人物の性格やバックグラウンドに連続性があるわけではないし、全く別の作品ですので、片方だけ観ても十分楽しめます。
 ただ、挿入される短いエピソードや人物の出はけなど、『北限…』と敢えて似せているところが多数あり、比べて観る面白さがあります。役者さんの演じ分けも見どころですね。特にロックンローラー役の安倍健太郎さんは、『北限…』では製薬会社のセールスマンだったので、その差が激しいです(笑)。

 現代口語の日常会話劇であるものの、激しく動いて歌うように語ったり、間(ま)をためて突然奇声をあげたり、セリフの発し方に色んなバリエーションがありました。かといって奇抜すぎてリアリティがなくなるわけではなく、むしろ私たちは日常でこんなに豊かな表現をしているのだと発見するような感覚です。

 脚本に書かれたセリフを何種類もの言い方で試して稽古して、その中から選びとった演技をされているのだろうと思います。例えば本のページをめくりながら、独り言のようにつぶやいて相手とコミュニケーションをする演技などから、その声の抑揚や言葉はこびのスピードに、緻密な計算があることが読み取れました。それでいてわざとらしく見えなかったのが、私にはとても良かったです。

 『北限…』に続いて工藤倫子さんがすごく素敵でした。優しさにじんと来ました。

 ここからネタバレします。

 学部生の清水(荻野友里)がバツイチの先輩・大山(海津忠)を、恋心たっぷりのまなざしで見つめます。すると大山役の海津さんがすごくセクシーで魅力的な男性に見えてくるんですよね。同様に、清水にあからさまな横恋慕をする戸田(桜町元)が清水を見つめると、清水役の荻野さんが(もともと可愛らしい女優さんなのですが)よりキュートに、色っぽく見えてきます。誰かに見られることで人はきれいになる(きれいに見える)というのは真実だと思います。

 研究者(医学部)でありつつバンド活動もしている小島(河村竜也)は、同じく研究者の安岡(兵藤公美)と付き合っていますが、妹(女子高生:小林亮子)の友達(木引優子)にまで手を出します(しかも妊娠させる)。小島役の河村さんは『北限…』でも女たらし役だったような(笑)。

 狂言自殺をした女・西田(村田牧子)に対する、男女の態度の差が面白かった。やっぱり女は女の、男は男の味方になりがちなんですね。どんな時代にもこういう悪女っているよなぁと思ったり。

 一番好きだったのは、最後に女性4人(兵藤公美、工藤倫子、荻野友里、鄭亜美)がお絵描きをするところ。“自分が作りたい動物”(ぞうブタとか、うさぎ猫とか、かっこ良くて優しくてお金持ちで渋い雄猿とか)をそれぞれにスケッチブックに描きます。未来の自分の仕事の成功を想像する明るい表情がまず美しい。そして夢を絵にする喜び、共同作業の楽しさが詰まっていました。

≪伊丹、広島、鳥取、北九州、宮崎、東京≫
【出演】『カガクするココロ』:兵藤公美 工藤倫子 田原礼子 河村竜也 村田牧子 山本雅幸 海津忠 村井まどか 荻野友里 鄭亜美 堀夏子 桜町元 小林亮子 木引優子 二反田幸平 佐山和泉 安倍健太郎 
脚本・演出:平田オリザ 舞台美術:濱崎賢二 舞台美術監修:杉山至 照明:岩城保 演出助手:相馬加奈子 宣伝美術:工藤規雄+村上和子 太田裕子 宣伝写真:佐藤孝仁 宣伝美術スタイリスト:山口友里 制作:木元太郎 企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 協力:(株)アレス 国営昭和記念公園事務所
前売・予約・当日共一般=3,500円 学生・シニア(65歳以上)=2,500円 高校生以下=1,500円 2演目セット券(前売・予約のみ)一般=6,000円 学生・シニア(65歳以上)=4,000円 高校生以下=2,000円 *日時指定・全席自由席・整理番号付*学生・シニアの方は、当日受付にて学籍・年齢を確認できる証明書をご提示ください。*未就学児はご入場いただけません。*芸術地域通貨ARTS(アーツ)でもご観劇いただけます。(ARTSとは、桜美林大学内の演劇施設で施行されている地域通貨です。1ARTS=1円。)
http://www.seinendan.org/jpn/info/info090810.html
http://www.seinendan.org/jpn/info/info091009.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 18:38 | TrackBack

2010年01月04日

五反田団『新年工場見学会2010』01/02-04アトリエヘリコプター

20100103_kojokengakukai2010.jpg
看板

 お正月恒例のアトリエヘリコプターでのイベントです(過去レビュー⇒)。新作芝居やなんちゃって舞踊、ミニコンサートなど、盛りだくさんの約3時間20分(休憩15分を含む)。いつも長いな~とは思うんですが(笑)、今年も観て良かったな~と思いました。内容的に初心者向けじゃないです。ハイバイの作品がすごく面白かった。

 無料のホットワインが今年も美味しかったです♪舞台美術工房六尺堂の「新年工房見学会」に立ち寄るのを忘れちゃった(涙)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『新年工場見学会2010

 ここからネタバレします。

五反田団『俳優のニセモノ「黒田の一生」』
 作・演出:前田司郎
 出演:黒田大輔(THE SAMPOO HAT) 前田司郎(五反田団) 大山雄史 神里雄大(岡崎藝術座) 宮崎晋太郎 坊薗初菜 折原アキラ 中川幸子(五反田団) 斎藤庸介(東京ELECTRIC STAIRS) 立蔵葉子(青年団) 平田ハルカ 平塚陽子 菊川朝子 西田麻耶(五反田団)

 黒田(黒田大輔)が赤堀(前田司郎)と友達(大山雄史)と一緒にディズニーランドに行って、「カリブの海賊」に乗ります。アトラクションの最中に3人はなぜか閉じ込められ、黒田が海賊王(神里雄大)と演劇対決をすることに。審査員は有名演出家たち・・・。

 現実世界の演劇ネタが続々と。知ってる人はたまらない可笑しさだと思います。脚本どおり(だろう)とはいえ、黒田さんが神里さん(←岸田國士戯曲賞にノミネート)に説教する場面は胸が痛くなりかけました(笑)。黒田さんの“のりつっこみ”に爆笑。


■紅虎会『泣き赤獅子』
 踊り:兵藤公美 榎戸源胤 獅子:中川幸子 西田麻耶 楽隊:坊薗初菜 折原アキラ ザ・プーチンズ

 いつもの3人組(前田司郎 黒田大輔 斎藤庸介)がワイン片手に「トラディッショナルな」と紹介しますが、ところどころ(てゆーかほとんど)ニセモノ。ダンボールのお顔の獅子舞が可愛いです。赤い晴れ着の女性(兵藤公美)が舞うのは華やかでいいですよね。


■ハイバイ『「演技道」のニセモノ ~金子たけのりの半生~』
 作:岩井秀人 演出:永井若葉
 出演:金子岳憲 永井若葉 平原テツ(以上、ハイバイ) 町田水城(はえぎわ) 墨井鯨子(乞局) 師岡広明 菅原永二(猫のホテル)

 ハイバイ劇団員の金子岳憲さんの、学生時代から数年前までの役者人生を赤裸々にたどります。いつもは岩井さんが作・演出の両方を担当されますが、今回は劇団員で女優の永井若葉さんが演出を担当されています。すっごく面白かったです。役者さんの配置がきれいでわかりやすく、場面転換もスムーズ。役者さんが生き生きして、のびのびしていて、セクシーでした。特に主役の金子岳憲さんには、今ままで観たことのなかった魅力を感じました。

 複数の役者さんが岩井さん役を演じ、金子さんの学生時代の甘酸っぱい、でもじれったすぎる恋(と失恋)や、ニナガワ・カンパニー時代の苦労を語っていきます(私は『四谷怪談』は観ましたので実感大)。いつも岩井さんが演じている演劇学校の先生(品川幸男)役を平原テツさんが演じてられていて、いやな奴というより馬鹿で可愛い奴に見えて新鮮。菅原永二さんの鮮やかなつっこみ風解説に惚れぼれ。


≪休憩15分≫

■ザ・ノーバディーズ(宮部純子、浅井“わっしょいハウス'浩介、肥田知浩)の演奏
 演奏曲:正月・耳鼻科・図書館員・平成二十二年

 昨年に続いて京都から登場。斎藤庸介さんの飛び入りダンスが楽しい。


■グミの実 南天 山椒の木『こけしのおしゃべりと詩の朗読』
 出演(作・演出も?):江川瑠衣 山本由佳 望月志津子

 むっちりみえっぱりの人たち(?)によるペープサートのようなこけし劇でした。私にはかなり意味不明(笑)。でもナンセンスな会話のセンス(?)はやっぱり面白いなと思います。例えば「店はたいがい鎖でつながってる」とか。


ザ・プーチンズ『万有引力』
 出演:ザ・プーチンズ(街角マチオ:川島イタル、街角マチコ:佐藤沙恵)

 ギターの黒子とテルミンの白子(シロコなんてないよね)の2人組。寸劇と演奏がリンクした独特なムードの出し物でした。歌詞がすごく可笑しかったです(プーチンレーニンとか)。ガツンと狙いが定まった演技(と振付?)も面白かった~。

舞台監督:榎戸源胤 照明:山口久隆 制作:尾原綾
【発売日】2009/12/20 前売・当日ともに2000円
http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/

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2010年01月02日

クロムモリブデン『不躾なQ友』12/26-01/03赤坂RED/THEATER

 青木秀樹さんが作・演出されるクロムモリブデンの年越し公演です。千秋楽の前日に伺いました。

 赤い(レッド)劇場の赤い空間でぶっそうな事件が勃発。踊りが楽しい!渡邉とかげさんのインパクトが強かったです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『不躾なQ友
 レビューは記録のみ。

出演:森下亮、金沢涼恵、奥田ワレタ、久保貫太郎、渡邉とかげ、幸田尚子、小林義典、武子太郎、花戸祐介、鶴田祐也、北川大輔(カムヰヤッセン)、中川智明
作・演出:青木秀樹 音響効果:笠木健司(とんかつ音房)  照明:床田光世  美術:ステファニー(劇光族)  舞台監督:塚本修  美粧:増田加奈  パフォーマンス指導:石田陽介  宣伝写真:安藤青太  宣伝美術:野間口幸子  衣裳協力:浅利ねこ(劇団銀石)  Web制作:小林タクシー(ZOKKY)  制作協力:井上恵子(T1project) はっとりとみえ(ガラス玉遊戯)  制作:床田光世 安井和恵 野崎恵 遠山浩司  企画・製作:office crome
http://www.red-theater.net/article/13583033.html
http://crome.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
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Posted by shinobu at 23:26 | TrackBack

2010年01月01日

メルマガ 2010年01月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2010年01月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 68     2010.01.01  1,462部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
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 ◎新年あけましておめでとうございます!
  
  昨年の政権交代を経て、日本の文化芸術を取り巻く環境は
  大きく変化するようです。新世代演劇人が台頭してきて、
  明るい未来を期待できる噂も聞こえてきました。
  変化に素直に、自分に正直に、2010年を歩みたいと思います。

  本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め8本+α】
   
   ◎No.1→阿佐ヶ谷スパイダース『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』
       01/21-02/14本多劇場
       ≪東京、大阪、広島、福岡、札幌、名古屋≫
       http://asagayaspiders.net/modules/tinyd0/index.php?id=5
    
 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→フェスティバル/トーキョー09秋・庭劇団ペニノ
       『太陽と下着の見える町』
       12/05-13にしすがも創造舎
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1208002444.html

 ◆3【「シアタートラムネクストジェネレーションVol.2」は必見!】

   ◎シアタートラムが今注目の若手劇団3団体を紹介!
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/01/post_170.html
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/01/gcom.html
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/01/fukaiproduce.html

 ◆4【編集後記】

   ◎先月は「事業仕分け」で頭が沸騰していました。
   ◎『演劇公演の宣伝について考えるラウンドテーブル』
    にパネラーとして参加することになりました。2/25(木)開催。
   ◎おすすめ舞台中継 on TV

 ◆5【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪


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 ◆1 【今月のお薦め8本+α】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/冠名・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。
 ※大手のお薦め演劇が少なかったので、
  ミュージカルと合わせて合計8本にしてみました。
  1月は注目のダンス公演が多いですね。


1.松竹新春新派公演『麥秋(ばくしゅう)』
  01/02-25三越劇場
  ☆出演:水谷八重子 波乃久里子 安井昌二 他
   脚本・演出:山田洋次 小津安二郎/野田高梧「麥秋」より
   8,500円
    http://www.shochiku.co.jp/shinpa/pfmc/1001/index.html
   小津安二郎さんの映画を映画監督である山田洋次さんが舞台化。
   新派8年ぶりの新作という触れ込みにも惹かれます。


★2.ラッパ屋『世界の秘密と田中』
  01/09-17紀伊國屋ホール
  ≪東京、大阪、北九州≫
  ☆出演:福本伸一 おかやまはじめ 木村靖司 三鴨絵里子 岩橋道子 弘中麻紀
      俵木藤汰 大草理乙子 中野順一朗 岩本淳 熊川隆一 武藤直樹
   脚本・演出:鈴木聡
   前売り・当日とも4800円 学生3800円 ※未就学児童入場不可。
    http://homepage3.nifty.com/rappaya/
   鈴木聡さん率いるラッパ屋の新作で、爆笑&涙ほろりの年始にしたい。


3.ホリプロ『ミュージカル「ウーマン・イン・ホワイト」』
  01/12-24青山劇場
  ☆出演:笹本玲奈 田代万里生 大和田美帆 岡幸二郎 和音美桜
      パク・トンハ 光枝明彦 ほか
   作曲:アンドリュー・ロイド=ウェバー
   作詞:デヴィッド・ジッペル 脚本:シャーロット・ジョーンズ
   演出:松本祐子 翻訳・訳詞:竜真知子 音楽監督・指揮:塩田明弘
    http://woman-in-white.syncl.jp/
    http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=136
   初演で笹本玲奈さんが杉村春子賞を受賞されました。


4.幹の会+リリックプロデュース『冬のライオン』
  01/15-24東京グローブ座
  ☆出演:平幹二朗 麻実れい 廣田高志 高橋礼恵 城全能成
      小林十市 三浦浩一
   脚本:ジェームズ・ゴールドマン 演出:高瀬久男
   S席:¥8,500 A席:¥7,000 当日学生割引:¥5,000
   ※未就学児童の入場は不可
    http://lyric-aki.com/
   『冬のライオン』は1966年初演のアメリカ戯曲です。
   1968年に映画化され米アカデミー賞の作品賞にノミネート。
   平幹二朗さんと麻実れいのゴージャスな演技合戦を満喫したい。


5.Bunkamura『血は立ったまま眠っている』
  01/18-02/16Bunkamuraシアターコクーン
  ☆出演:森田剛 窪塚洋介 遠藤ミチロウ 金守珍 大石継太 柄本佑
      冨岡弘 大橋一輝 澤魁士 鈴木重輝 鈴木彰紀 手打隆盛 松田慎也
      江口のりこ 市川夏光 蘭妖子 丸山智己 三谷昇 六平直政 寺島しのぶ
   脚本:寺山修司 演出:蜷川幸雄
   S¥9,500 A¥7,500 コクーンシート¥5,000
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_blood.html
   蜷川幸雄さんが寺山修司戯曲を演出。豪華なのは言うまでもなく、
   危険な香りのするキャスト陣にも期待が高まります。


★6.阿佐ヶ谷スパイダース『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』
  01/21-02/14本多劇場
  ≪東京、大阪、広島、福岡、札幌、名古屋≫
  ☆出演:池田鉄洋、内田亜希子、加納幸和、小島聖、伊達暁、中山祐一朗、
      馬渕英俚可、光石研、村岡希美、山内圭哉
   脚本・演出:長塚圭史 
   5,500円 プレビュー公演4,000円 R20シート3,000円
   未就学児童入場不可
    http://asagayaspiders.net/modules/tinyd0/index.php?id=5
   長塚圭史さんが英国留学から帰国して初めての新作です。
   東京、大阪で追加公演が決定しています。

   ●お薦めポイント●
    今回は今までとは違い、脚本はあえて完成させず、 
    稽古場で役者さんたちと即興で作り上げているそうです。
    全国ツアーを行う人気劇団である阿佐ヶ谷スパイダースの、
    先が読めない新しい試みを絶対に目撃したいです。


7.劇団民藝『巨匠』
  01/22-02/09俳優座劇場
  ☆出演:大滝秀治 水谷貞雄 千葉茂則 他
   脚本:木下順二 演出:内山鶉
   一般 6,300円 学生割引3,150円
   ナイトチケット4,000円(夜公演・後部席限定)
    http://www.gekidanmingei.co.jp/2010kyosyo.html
   『巨匠』は2007年SPAC公演↓にすごく感動しました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1111095007.html
   主役の“老人”を演じる大滝秀治さんが観たいです。


8.TBS『TALK LIKE SINGING』
  01/23-03/07赤坂ACTシアター
  ≪ニューヨーク、東京≫
  ☆出演:香取慎吾 川平慈英 堀内敬子 新納慎也
   演奏:TRI4TH
   脚本・演出:三谷幸喜 作曲:小西康陽
   S席 10,000円/A席 8,500円
    http://www.tls2010.jp/
   SMAPの香取慎吾さんを主演に迎えた三谷幸喜さんの新作ミュージカル。
   ニューヨークで初日の幕を開け、好評を得た模様。


 ★★★────────────────────────────── 
  前売3000円台以下の気になる作品を5本ご紹介します。
 ──────────────────────────────★★★ 

【1】シベリア少女鉄道
  『キミ☆コレ~ワン・サイド・ラバーズ・トリビュート~』
  01/06-17タイニイアリス
  ☆脚本・演出:土屋亮一
   日時指定・整理番号付き全席自由 前売3,000円、当日3,200円
    http://www.siberia.jp/
   土屋亮一さん率いるシベリア少女鉄道が活動再開!
   川上未映子さんがブログで絶賛宣伝中↓
    http://www.mieko.jp/blog/2009/12/post-be63.html


【2】冨士山アネット『EKKKYO-!』
  01/14-17東京芸術劇場 小ホール1
  ☆出演団体:冨士山アネット、ままごと、ライン京急、CASTAYA Project、
        岡崎藝術座、モモンガ・コンプレックス
   企画・構成:長谷川寧
   日時指定・全席自由 一般前売3000円 一般当日3200円
   学生(前売・当日共)2500円
    http://fannette.net/
   東京芸術劇場の“芸劇eyes”に選ばれた企画です。
   ダンスと演劇の壁を越えた(=越境した)若手カンパニーのオムニバス。
   シアターガイド・オンラインに出演者インタビューあり↓
    http://www.theaterguide.co.jp/feature/geigeki_eyes/interview4_1.html


【3】三条会『S高原から』
  01/15-18ザ・スズナリ
  ☆脚本:平田オリザ 演出:関美能留
   前売3,300円、当日3,500円、学生2,500円
    http://homepage2.nifty.com/sanjokai/02.html
   関美能留さんが平田オリザさんの有名戯曲を演出。
   技術のある役者さんたちと、あっと驚く世界を見せてくれそう。
   2005年のこまばアゴラ劇場公演のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0922001536.html


【4】地点『あたしちゃん、行く先を言って-太田省吾全テクストより-』
  01/22-31吉祥寺シアター
  ≪京都、東京≫
  ☆演出:三浦基
   一般:前売・予約3,500円 当日4,000円
   学生:前売・予約2,500円 当日3,000円 ※劇場会員割引などあり
    http://www.chiten.org/next/index.html
   京都の劇団・地点の、2度の準備公演を経た本公演です。
   2007年に亡くなった劇作家・演出家の太田省吾さんの戯曲、批評、
   エッセイ等、全テクストを対象に再構成する試み。


【5】青年団リンク・二騎の会『F』
  01/29-02/07こまばアゴラ劇場
  ☆出演:端田新菜 多田淳之介
   脚本:宮森さつき 演出:木崎友紀子
   全席自由・日時指定・整理番号付
   予約・当日共 一般:3,000円 学生・シニア(65歳以上):2,000円
   ペアチケット:5,000円 1月割引:2,500円(1/29-31)
   『F』Girl's ver.リーディング(2/1(水)19:30):1,000円
    http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infolinks091211.html
   東京デスロックの演出家である多田淳之介さんと、
   青年団の女優・端田新菜さんの2人芝居。
   登場するのは“女”と“アンドロイド”だそうです。


≪ダンス・その他≫

 ○近藤良平&黒田育世『私の恋人(あいじん)』
  01/05-06東京芸術劇場 小ホール1
  ☆出演・構成・演出・振付:近藤良平/黒田育世(BATIK)
   前売3500円 当日4000円
    http://batik.jp/


 ○珍しいキノコ舞踊団『私が踊るとき』
  01/22-25世田谷パブリックシアター
  ☆演出・振付:伊藤千枝
   一般 前売4,000円 当日4,500円 TSSS(学生席)2,000円
   ユース(小学生~高校生以下)1,500円 劇場会員、区民割引などあり
    http://strangekinoko.jugem.cc/


★○SePT独舞vol.20黒田育世『黒田育世×飴屋法水「ソコバケツノソコ」』
 01/15-17シアタートラム
 ☆出演:黒田育世(BATIK)
  演出・構成:飴屋法水 振付・構成:黒田育世(BATIK)
  全席自由(オールスタンディング) 一般前売り3,500円 当日4,000円
  学生3.000円 劇場会員、区民割引などあり
   http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/01/sept_vol20.html


 ○Noism『Nameless Poison‐ 黒衣の僧』
  01/22-27東京芸術劇場 小ホール1
  ≪新潟、静岡、愛知、東京、松本、新潟≫
  ☆演出・振付:金森穣
   一般5,000円
    http://www.noism.jp/
    http://www.noism.jp/blog/


 ○東京文化会館コラボレーションコンサート
  H・アール・カオス×大友直人×東京シティ・フィル
  『「中国の不思議な役人」「瀕死の白鳥」「ボレロ」』
  01/30東京文化会館 大ホール
  ☆出演:H・アール・カオス 白河直子 木戸紫乃 他
   演出・振付:大島早紀子
   S席7,000円 A席5,000円 B席3,000円 Ex席1,000円 劇場会員割引等あり
    http://www.t-bunka.jp/sponsership/spo_a_1_09.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆2 【先月のベスト3】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.フェスティバル/トーキョー09秋・庭劇団ペニノ『太陽と下着の見える町』
  12/05-13にしすがも創造舎
  ☆人間それぞれが没頭する娯楽や快楽が、実は他人にお膳立てされた、
   お仕着せの借り物のように見えてくるのがとても面白かった。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1208002444.html

2.フェスティバル/トーキョー09秋・リミニ・プロトコル
  『Cargo Tokyo - Yokohama』
  11/25-12/21クリスタルヨットクラブ駐車場集合
  ☆クリック1つで何でも自宅に届く現代。でもその裏側に
   物流という現実があることを、トラックで運ばれつつ体感。
    http://festival-tokyo.jp/program/rimini/

3.フェスティバル/トーキョー09秋・ロメオ・カステルッチ演出
  『神曲―煉獄編』
  12/19-21世田谷パブリックシアター
  ☆ごく身近で、切っても切れない人間関係(家族)における
   赦しとは何なのだろうと、思いを巡らせました。
   ハイパーリアルな巨大舞台美術は圧巻。
    http://festival-tokyo.jp/program/purgatorio/

  やはり「F/T09秋」強し。ポかリン記憶舎『垂る』、グリング『jam』、
  ヨーロッパ企画『曲がれ!スプーン』も密度の濃い観劇になりました。
  終演後のトークに出演させていただいた『MONKEY CHOP BRUCKNER!!』は、
  今まで観たひょっとこ乱舞作品の中で一番面白かったです。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2009年12月(観劇数18作品)は残念ながら発行せず。


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 ◆3 【「シアタートラムネクストジェネレーションVol.2」は必見!】
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 ◎シアタートラム・ネクストジェネレーションは若手劇団の登竜門。
  Vol.1の3作品↓は、どれも大いに話題を呼びました。

  サスペンデッズ『片手の鳴る音』★メルマガ号外を発行!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0125021311.html
  toi『四色の色鉛筆があれば』
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0131222724.html
  エビビモpro.『エビビモ』
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0131173425.html

  Vol.2に参加するのは快快、演劇ユニットG.com、FUKAIPRODUCE羽衣。
  快快とFUKAIPRODUCE羽衣は世田谷区芸術アワード“飛翔”受賞者です。
   http://www.city.setagaya.tokyo.jp/030/d00020530.html

  この機会に演劇界注目のニューウェーブに触れてみてください♪
  ステージ数が少ないので、チケット予約はお早めに!

【1】快快(ファイファイ)『インコは黒猫を探す』
 01/20-22シアタートラム
 ☆脚本:篠田千明 演出・振付:野上絹代
   http://faifai.tv/
   http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/01/post_170.html
  過去レビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0520213057.html
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0208134321.html

【2】演劇ユニットG.com『闘争か、逃走か。』
 01/24-27シアタートラム
 ☆脚本・演出:三浦剛
   http://gggcom.jp/
   http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/01/gcom.html
  過去レビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0831215339.html

【3】FUKAIPRODUCE羽衣『あのひとたちのリサイタル』
 01/30-31シアタートラム 
 ☆作・演出・音楽・美術・振付:糸井幸之介
  振付:長谷川寧(冨士山アネット)
   http://www.geocities.jp/hagoromo_hukai/
   http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/01/fukaiproduce.html
  過去レビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0220172010.html

 ≪チケット情報≫
  前売・当日 一般2,500円 TSSS(学生席)1,250円
  高校生以下1,250円 劇場友の会会員2,000円 世田谷区民割引=2,300円
  3劇団セット券6,000円(枚数限定)
  ※FUKAIPRODUCE羽衣のみ“おまけつき桟敷席”2500円あり。


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 ◆4 【編集後記】
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 ◎昨年11月末から12月中旬まで「事業仕分け」にかかりっきりでした。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1213001928.html
  自分にとっての文化芸術について考える、いい機会になりました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1212234655.html
  文部科学省に届いたメールは約13万通強!結果について後日まとめる予定です。


 ◎昨年の秋冬は「F/T09秋」があったので池袋周辺によく通いました。
  今月はシアタートラムに何度もお邪魔することになりそうです。
   http://setagaya-pt.jp/


 ◎こまばアゴラ劇場・冬のサミット2009ワークショップ
  『演劇公演の宣伝について考えるラウンドテーブル』
  にパネラーとして参加することになりました。
  2月25日(木) 16:00~20:00
  ※終了後、懇親会を行います(参加費別途)。
   http://www.agora-summit.com/2009w/ws_senden.html
  定員は20名。どなたでもご参加いただけます♪


 ◎劇評サイトwonderlandの「振り返る私の2009」に寄稿しました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1230213210.html


 ◎「CoRich舞台芸術アワード!2009」投票受付中!
   http://stage.corich.jp/award/2009/
  観客が選ぶ舞台芸術ベストテンです。↓投票したCoRichメンバー  
   http://stage.corich.jp/award/2009/list.php
  1/5(火)投票〆切 ⇒ 1/8(金)結果発表!


 ◎第54回岸田國士戯曲賞の候補作が発表されました!
   http://www.hakusuisha.co.jp/kishida/selection.php
  今年の候補は7作品。結果は2月8日に発表されます!!


 ◎おすすめ舞台中継 on TV

  【BS2】1月9日(土) 午前0:50~3:50(8日深夜)
  世田谷パブリックシアター『国盗人』
  ゲスト:野村萬斎
   http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/ レビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0623002449.html

  【BS2】1月23日(土) 午前0:45~3:34(22日深夜)
  加藤健一事務所『高き彼物(かのもの)』
   http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/ 関連作レビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0904232855.html

  【WOWOW】1/27(水)深夜2:40~
  大人計画『サッちゃんの明日』 ※刺激強い目です。
   http://www.wowow.co.jp/pg/detail/075446001/index.php

  【BS2】1月30日(土) 午前0:50~3:39(29日深夜)
  ワタナベエンターテインメント『ザ・ヒットパレード~ショウと私を愛した夫~』
   http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/ レビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0317003057.html


 ◎FM西東京・演劇情報番組「たけがき2」
   http://takegaki.k-free.net/

  毎週放送される『演劇ハニーフラッシュ!』に
  「しのぶセレクション」というコーナーがあります。
  私がお薦めする舞台の公演情報を発信してくださっています。
  ラジオだけでなくネットでも聴けるので↓、よかったらぜひ♪
   http://www.voiceblog.jp/takegaki842/


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2009年12月は下記の4作品を拝見しました。
  ・「ROOKIES -卒業-」
    http://rookies-movie.jp/
  ・「遠足~Der Ausflug~」←上質のドキュメンタリーでした。
    http://www2.gol.com/users/wonder/ensoku.html
  ・「劔岳 点の記」
    http://www.tsurugidake.jp/
  ・「ちゃんと伝える」
    http://chantsuta.gaga.ne.jp/


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
   http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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 ◆5 【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
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 このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
 沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪

 ☆ご友人、お知り合いにどうぞこのメルマガをご紹介ください!
  【面白い演劇を紹介してるメルマガはコレ!】
   ⇒ http://archive.mag2.com/0000134861/index.html

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