英国留学されていた長塚圭史さんが、帰国後初めて発表する劇団新作公演です。東京と大阪では追加公演も決定しています。プレビュー初日に伺いました。上演時間は約2時間10分。
初日と翌日の2ステージがプレビュー公演ということで[【訂正】1/21(木)から24(日)までの4ステージがプレビュー公演です(1/22加筆)]、アンケート用紙は登場人物1人ひとりについてのコメント欄があるなど、プレビュー公演用の特別仕様でした。アンケートも提出しましたが、私は出演者やスタッフの中にいる知人に、プライベートで感想を伝えることにしました。あぁ、そうなると本番が観たい・・・2月にもう一回行けるかな・・・。
毎公演20席限定で3,000円のチケットがあります。その名も「R20シート」(年齢制限なし)。ゴーチ・ブラザーズ(TEL.03-3466-0944 平日11:00~19:00)のみ取り扱い。
⇒プレビュー初日の詳しいレビュー「踊る芝居好きのダメ人間日記」
⇒CoRich舞台芸術!『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』
≪あらすじ≫
作家(光石研)がいる。彼は新聞に掲載された、自身の新作小説についての酷評に頭を悩ませていた。彼の前に妻(村岡希美)や編集者(池田鉄洋)、見知らぬ女(小島聖)が現れる。
≪ここまで≫
漆黒の闇から現れる、実体のあやふやな人間たち。タイトルを英語にすると「anticlockwise wonderland」。「反時計回りの不思議の国」でしょうか。
登場人物の背景も、舞台美術も音響も(敢えて)抽象的な作りになっており、ストーリーどころか構造さえもちゃんと理解できなかった私・・・残念至極。これは私が役者さんの演技に特に神経質になタイプだからだと思います。たとえば1対1で長く会話を続ける場面では、片方の役者さんの演技が信じられなくなった途端、言葉が耳に入らなくなるのです。つまりセリフを聴かなくなる・・・わからなくて当然ですよね、すみません。
長塚さんがこの戯曲で描きたい世界や、観客とともに味わいたい演劇的な空間を、今回のキャスティングで立ち上げるのは難しいんじゃないかしら・・・などと、理解できなかった自分の立場を棚上げしまくりで、非常にエラそうな感想を持ちました。これはプレビュー初日の感想なので、今後変わっていくだろうと思います。
ロビーで販売されている公演パンフレットは、いつもながらとても充実しています。分厚いですし、写真の並びが物語まで感じさせてくれます。私は制作代表の伊藤達哉さんの文章に励まされました。長塚さんの文章は、開演前に読んでおくと解釈のヒントになるのではないかと思います(・・・って自分はわかってないんですが)。
ここからネタバレします。
作家の頭の中、作家の作品の中、それを観ている観客、そして観客に観られていることを自覚している俳優たち。演劇ならではの入れ子構造が次々と生まれ、重なったり歪んだりするのを味わうことが、目的の1つだったんじゃないかと予想します。
≪東京、大阪、広島、福岡、札幌、名古屋≫
出演:池田鉄洋、内田亜希子、加納幸和、小島聖、伊達暁、中山祐一朗、馬渕英俚可、光石研、村岡希美、山内圭哉
脚本・演出:長塚圭史 美術:二村周作 照明:小川幾雄 音響:加藤温 衣裳:伊賀大介 演出助手:山田美紀 舞台監督:福澤諭志 制作:伊藤達哉
【発売日】2009/11/21 チケット料金 5,500円(指定席・税込) ※プレビュー公演 4,000円
http://asagayaspiders.net/modules/tinyd0/index.php?id=5
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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