青年団の端田新菜さんと多田淳之介さんの2人芝居は、胸きゅんでとっても切ないSFラブストーリーでした。
上演時間は約1時間40分。恋人同士で観に行かれると良いのではないでしょうか。推奨年齢は中学生以上、大人なら何歳でもOKな気がします。
2/3(水)夜は『F』Girl's ver.リーディング公演。女優2人芝居を多田さんが演出する別バージョンです。
⇒CoRich舞台芸術!『F』
レビューを加筆しました(2011/01/08)。
≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
一人と一体。
あなたのことを思えば思うほど、あなたが遠くなっていく。
棄てられた世界で生きる女(端田新菜)とアンドロイド(多田淳之介)が、季節をたどる物語。
≪ここまで≫
青年団リンク・二騎の会は宮森さつきさんの戯曲を多田淳之介さんが演出するユニットですが、今回は端田さんの依頼を受けて宮森さつきさんが2人芝居を書き、それを木崎友紀子さんが演出されています。共演者に多田さんを選んだのも端田さんだそうですので、つまり端田さんがプロデューサーなんですね。
多田さんは東京デスロックの演出家であまり俳優として舞台には立ってらっしゃらないし(今年はこれ1本のみだそうです)、とても挑発的な作品を作っている方なので、ハンサムで優しいロボット役を演じていることにギャップを感じました。それが“萌え”(笑)。そして端田さんは『わが星』での演技が今も鮮烈で、そんな2人の甘酸っぱい恋愛ものですから、最初から何が起こっても、起こらなくても胸ときめくような状態でした。そんな演劇フリークな視点にずっと偏るのがいやになり、「目の前に居るのは今日初めて観る役者さんだ」と思うようにしたところ、するりと平常心に。やるじゃん私(笑)。
静かな2人芝居にガツンとパワフルな選曲、そして残酷な印象の照明。舞台上で着替えたりブランコが揺れたり、不確定な動的要素が密室に躍動感を与えていました。
端田さんの「いま、ここにいる」演技に引き込まれ、心があるのかないのか曖昧なラインで演じる多田さんのアルカイック(?)スマイルに魅せられ、絶対に心通わせられない2人の切ない関係にどっぷり。
ここからネタバレします。
富裕層と貧困層との間に越えられない格差が生まれた未来の日本。貧困層に属する女は、死に至る新薬の治験を受けることにする。女はその対価として大金を得て、人間そっくりの高性能ロボットを購入。常に献身的なロボットの決まり文句は「お前の利益になることをしたい」。次々と女の要望を学習し、人間らしくなっていくロボットに対して、女は恋心に似た気持ちを抱くようになるが・・・。
≪ポストパフォーマンストーク≫
出演:端田新菜 多田淳之介
出演:端田新菜 多田淳之介
脚本:宮森さつき 演出:木崎友紀子 照明:岩城保 舞台美術アドバイザー:鈴木健介 演出助手:新井ひかる 宣伝美術:京 ちらし写真撮影:木崎友紀子 制作:服部悦子 木元太郎 芸術監督:平田オリザ
【休演日】2月2日(火)【発売日】2009/12/11 予約・当日共 一般:3,000円 学生・シニア(65歳以上):2,000円◎ペアチケット:5,000円(予約のみ)◎1月割引:2,500円(1月29日(金)―31日(日))○『F』Girl's ver.リーディング:1,000円
http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infolinks091211.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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