リーディング公演も拝見していた『ゴルゴダ・メール』(脚本:篠原久美子)。本公演を楽しみにしていました。上演時間は約2時間5分。
いいお話だな、とても勉強になるな、と思いましたが、演出や演技には疑問が多かったです。でも家に帰ってから家族と情報共有できました。劇作家の篠原久美子さん、ありがとうございました。
⇒CoRich舞台芸術!『ゴルゴダ・メール』
≪あらすじ≫
自閉症の若者が集まるグループ「くじらっこクラブ」と一般市民が合同で、プロの演出家・スタッフのもと演劇を創作をする公共ホールの稽古場。
≪ここまで≫
アスペルガー症候群についての劇中劇および稽古場を見せることで、実例を挙げながらその症状や健常者との間に起こる問題を知ることができるのがとても良かったです。帰宅してから家族に劇の内容を話しました。
ただ、役者さんの演技や全体の演出については頭をかしげたくなる場面が多く、新劇の老舗劇団らしい“古き良き演劇”的な風合いを再確認することに。
リーディング公演のレビューを読んでみるに、あの時の方が私は色々考えることができたようです。「本公演よりもリーディングの方が良かった」なんて、ひとことで言えることではないですが、これは残念。
でも私が一番好きだった場面は今回もとても良かったです。タイトルである「ゴルゴダ・メール」をやりとりするところ。
ここからネタバレします。
劇中に登場したアスペルガー症候群の若者は;
雨が体に当たると針で刺されるように痛い。体をいきなり触られると痛いし怖い(やさしく抱かれる場合も同じ)、テストは満点だけれど、学校の友達にも家があり家族があるということは想像できない(他の生徒は学校の備品だと思っていた)など。
そしてモーツァルト、エジソン、アインシュタインもそうだったのではないか等。
アスピー(アスペルガー症候群の人の劇中での呼称)の高校生・順平役の山本悠生さんの存在が自然で、ショートカット茶髪のアスピー・未歩を演じた舞山裕子さんのテキパキとした話しぶりが良かったです。2人とも客演の役者さんですね。
演出家と演出助手(?)が同棲している恋人同士には全く見えませんでした。外見から見てとれる役者さんの年齢や持ち味から考えると、役柄にふさわしい配役とは思えず。長年続いている新劇劇団っぽいなぁと思ったり。
平成21年度文化芸術振興費補助金(芸術創造活動特別推進事業)
出演:山本悠生(俳協) 舞山裕子(劇団昴) 井田紀子 大川原直太 大久保たーマン 今井鞠子 吉田恭子 大多和芳恵 手塚耕一 村松立寛 大庭光皓 岡田萌
脚本:篠原久美子 演出:河田園子&松本永実子 装置:内山勉 照明:古宮俊昭 音響:射場重明 音楽:平岩佐和子 衣裳:五十嵐博子 演出助手:駒形亘昭 舞台監督:勝山かつお 制作:いがりたかし 主催:劇団俳小
【発売日】2009/12/10 前売・当日とも3,500円 期間中有効、全席自由
http://haishou.co.jp/backnumber/golgotha/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
便利な無料メルマガも発行しております。