わらび座『ミュージカル「アトム」』を拝見しに、秋田県は角館(かくのだて)にあるわらび劇場に伺いました。たざわこ芸術村にお邪魔するのはこれで3度目になります(関連エントリー⇒1、2、3)
初日公演の前に、手塚治虫さんの長男・手塚眞さんの講演会がありました。講演は13時から45分間ほど。
背筋をピンと伸ばして、少々前のめりぎみに早足でカツ、カツと歩いて行かれる姿がお父さまにそっくり!
⇒CoRich舞台芸術!『ミュージカル「アトム」』
手塚「父・手塚治虫は“ながら族”。漫画を描く時はテレビを付け、音楽を流していた。(褒められたものではないが)父は立ち読みの名人で、たとえば待ち合わせ時刻までのほんの数分の空き時間に、本屋に入って何冊も速読していた。1冊を3分で読み終え、すべて頭に入っていた。」
手塚「アトムは私にとって血を分けた兄弟のようなもの。彼は私のとても優秀なお兄さん。父の漫画にアトムが初めて登場したのは『アトム大使』という作品で、脇役の一人だった。アトムを主役にすえた新作を描いてはどうかという編集者の勧めから、『アトム大陸』『鉄人アトム』というタイトルを経て『鉄腕アトム』(以下『アトム』)が生まれた。」
手塚「海外では『ASTRO BOY』という名で知られており、六本木のバーで会った若いアメリカ人はアメリカの漫画だと思っていた。それぐらい各国に浸透している。『アトム』の持つ力、秘められたテーマや内容に意味があるから、今も世界中で愛されている。」
手塚「手塚治虫の代表作を1つ挙げろと言われたら、それは間違いなく『アトム』と言っていい。アトムは父の半生で一番長く付き合ったキャラクター。アニメ放送は8年間、漫画の連載は16年間。100話近いストーリーを描いており、ライフワーク的に取り組んでいた。」
手塚「『アトム』は過去に描かれた漫画だが、私たちの未来のことが描かれている。科学は使い方次第で人間を幸せにも不幸にもする。新しい技術に疑問を投げかけ、本当に人間や動物などのすべての生き物、そして地球にとって幸せな使われ方をしているのか、それを問いかけている。」
手塚「手塚治虫の漫画は『アトム』を1つと数えて約700作品あります。読んだことのない方は、1つでも手にとって読んで頂けたら幸いです。」
写真:わらび劇場外観
※わらび座『ミュージカル「アトム」』2010年4/17公演のチケットを持っている人は無料。
わらび座:http://www.warabi.jp/
わらび座『ミュージカル「アトム」』:http://www.warabi.jp/atom/
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