稽古場レポートを書かせていただいたチェルフィッチュの新作です。原宿での土曜日のマチネは盛況でした。上演時間は約1時間10分。
最後列で拝見(全席自由です)。もっと前で見ればよかったなぁと思いました。
⇒プリコグ公式ツイッターで当日券情報をこまめに告知してくれています。
⇒CoRich舞台芸術!『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』
ごく個人的なことですが、このステージを観る直前に友人との昼食会で、正規社員の現状について話をしていたんです。その苛酷さというか、精神的に追い詰められる感覚は、「派遣社員とか正規社員とかに分けてる場合じゃないよね」っていう気持ちにならざるを得ないものだったんです(私は正規、派遣ともに経験がありますので、その違いはある程度はわかっているつもりです)。だから正規社員と派遣社員という切り口から、この作品を観ることができませんでした。
照明がくっきり鮮やかに舞台を染めるんだろうと想像してたのですが、意外に色が薄かったですね。音楽やマイクを通した声については、なぜか私からはとても遠い場所にあるような感覚(最後列だったせいかも)。SuperDeluxeで観たら全然違うだろうな~と想像したり。
タイトやフレアのスカートから見える女優さんの細い足が美しくて、しかも絶え間なく動くのがなまめかしくて、なにかと足ばかりに目が行ってしまった(笑)。
フリーペーパーの“ホットペッパー”を持って話す武田力さんがすごく面白かったです。
ここからネタバレします。
登場するのは派遣社員3人、正規社員2人、派遣社員1人という順番になってしました。
■「ホットペッパー」
出演:伊東沙保、横尾文恵、武田力
私が観た回については、3人いるからこその何かがなかったというか、1人ずつのパフォーマンスを順番に観る状態から離れられず、残念。
■「クーラー」
主演:山縣太一、安藤真理
男女のダンス・デュオのような感覚が増していて、エロティックなムードが素敵。繰り返しが多く、語られる内容以外のところに想像力が働かされました。
「23℃、強風」に設定しなおす犯人はわかりきっているのに、男がずっとしらばっくれて、女も本人には直接言わないのが可笑しいです。
■「お別れの挨拶」
主演:南波圭
両手が同じ動きをするのは退屈だったりも。もっとぐちゃぐちゃ、バラバラな瞬間も観たいなと思いました。1人であれだけのことをやりきるのは、やはり凄いと思います。
chelfitsch " Hot Pepper, Air Conditioner, and the Farewell Speech "
≪ボローニャでプレビュー、ベルリンで初演。東京、ブリュッセル、リスボン、ハノーバー、ウィーン、バルセロナ、チューリッヒ、ハンブルグ、リュブリアナ、パリ、京都≫
出演:山縣太一、安藤真理、伊東沙保、南波圭、武田力、横尾文恵
脚本・演出:岡田利規 舞台監督:鈴木康郎 照明:大平智己 音響:牛川紀政 林あきの 制作:プリコグ(中村茜 山崎奈玲子 黄木多美子 門田美和) 主催:チェルフィッチュ 共同制作:HAU劇場(ベルリン/ドイツ) チラシデザイン:Daisuke Nagaoka
【休演日】5月13日【発売日】2010/03/20 前売3500円/学生3000円/当日4000円(日時指定、入場整理番号付き自由席)
http://chelfitsch.net/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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