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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2010年05月22日

アル☆カンパニー『家の内臓』05/21-30 SPACE雑遊

 アル☆カンパニーは平田満さんと井上加奈子さんの俳優ご夫婦の演劇ユニット。プロデュース形式で新作をどんどん上演されています。今回の脚本・演出は五反田団の前田司郎さん。

 ワハハと笑わせていただきながら、日本人の家族、会社、集団について考えました。新しいことにチャレンジし続ける平田さん、井上さんのおかげで、珍しい座組みの面白い作品を観られることが嬉しいです。上演時間は約1時間15分。

 全席指定なので席は会場についてのお楽しみですが、たぶん近い席の方が楽しいんじゃないかと思いました。でも至近距離だとどうしても役者さんの背中ばかり見る場面があるのも事実。

 ⇒CoRich舞台芸術!『家の内臓

 前作『』と同様に舞台が温泉旅館なのが、まず面白いです。同じ場所での家族の話といえど、ここまで違うものかと(笑)。

 5人部屋の中で最年長(であろう)平田さんの役柄は、わがままで、“一緒にいたらめちゃくちゃ面倒くさそうなオヤジ”でした(笑)。くどいし、しつこいし、凝りないし、「もういい加減にしてよ!」と本気で怒っても、たぶんその時は聞いてないだろうし(笑)。
 ポツドール作品でよく拝見していた(覚えがある)西園泰博さんの、自然な居住まいや受け答えがとても良かったです。彼のおかげで気持ちい呼吸で笑わせていただきました。
 元気はつらつな役が多い(気がする)小林美江さんの、抑えた演技の確かさも嬉しかったです。

 当日配布のパンフレットに書かれていたとおり、出演者はワークショップ・オーディションから選ばれました。こういう開かれた機会がどんどん増えて欲しいと思います。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 離婚したけど同じ会社に勤める元夫婦。娘も入社して奇妙な職場環境。社員旅行で群馬の温泉旅館に来た。

 母「しょうゆがなかったからソースでいいや!ぐらいのことじゃないの」
 娘「だからうちの煮物はソース味なの!?」
 そのやりとりの後で「家族なんてそんなもんだよねぇ」という空気が流れて、ちょっと納得。家庭の味なんて各家庭それぞれ。その家族だけの味で(世間に通用しないでも)いいんですよね。

 タイトルを1文字変えたら「家の内装」なんですね。
 
≪新宿、川崎≫ アル☆カンパニー第7回公演
出演:平田満(父・内装会社の管理職)、小林美江(内装会社社員5年目)、西園泰博(内装会社社員3年目)、橋本和加子(娘・内装会社社員)、井上加奈子(母・内装会社社員)
脚本・演出:前田司郎(五反田団) 美術:池田ともゆき 舞台監督:金安凌平  照明:相良浩司[MGS] 音響:藤田赤目 衣装:前田文子  制作:中野良恵、松岡正勝、河合千佳(川崎市アートセンター)  記録:齋藤耕路 宣伝美術:松吉太郎  宣伝写真:五十嵐和則 企画製作:アル☆カンパニー 川崎市アートセンター
【発売日】2010/04/03 3,800円
http://www.aru-c.com/stage07.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2010年05月22日 17:19 | TrackBack (0)