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しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2010年05月25日

JAM SESSION『わが町』05/25-30赤坂RED/THEATER

 JAM SESSIONは西沢栄治さんの演出作品を上演するプロデュース形式の団体です。今月のメルマガでもご紹介しましたWi!Wi!Wilder2010参加作品で、演目は『わが町』。今年の秋には新国立劇場静岡舞台芸術センター(SPAC)でも上演されます。

 通路席までぎっしりの初日。上演時間は約1時間45分。ちょうど『寝台特急“君のいるところ”号』の休演日で、中野成樹+フランケンズの面々も客席に。演劇祭の臨場感が味わえました♪ 

 戯曲本がロビーで販売されています。945円なら安いと思える名作です。訳注や解説が充実しています。別役実さんの寄稿も掲載。

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 素舞台に脚立とイス。『わが町』の戯曲に忠実ですね。元気にハキハキとセリフをしゃべり、はつらつとした笑顔の役者さんたち。前のめりにずんずん進んでいこうとする勢いが空間に満ちていました。体と気持ちの推進力でスピーディーに展開しつつ、止まるところはしっかり止まる、メリハリの利いた演出です。選曲はいつもながら大胆で、好みは分かれるかもしれませんが、私は面白いと思いました。衣裳は紺、水色、白を基調にしたさわやかな色合いに、赤などの鮮やかな差し色を生かした可愛らしいデザイン。

 平凡な生活の中の生と死。時間の伸縮。明るくほがらかで人のいいグローヴァーズ・コーナーズの住民たちと自分を重ね合わせて、過去に未来に、自由に思いをめぐらせました。今の自分の幸せをかみしめられる嬉しい作品です。

 ここからネタバレします。

 選曲は「Amazing Grace」、Carpenters 「Sing」、PUFFY「愛のしるし」など。讃美歌、フォークソング、J-POPと色とりどり。

 タイムカプセルに「わが町」の台本を入れるっていう発想が凄いな~。100年以上前のアメリカを舞台に書かれた戯曲がこんなに胸を打つんだから、きっと1000年後も、私たち人間は変わらないのだろうと思いました。

 エミリーの「さようなら」はにっこり笑って言う方が私は好きですね。ついつい先日観たばかりの『寝台特急“君のいるところ”号』と比べてしまいました。

 カーテンコールが2度になってしまうのは、観客心理としてちょっともったいない気がしました。心を込めた拍手を1度に集中させて贈りたいです。

JAM SESSION.10 ワイワイワイルダー2010参加
出演:高橋ゆうこ 斉藤範子 荒井志郎 福寿奈央 亀田真二郎 塚本淳也 山口森広 花澄 田邉淳一 山田英真 山田宗和 藤井悠平 山田留美 加藤祐未
原作:ソーントン・ワイルダー 脚本:鳴海四郎 演出:西沢栄治 舞台監督:井関景太・鈴木晴香(るうと工房)/照明:大島早保子/音響:角張正雄 衣裳:木村江梨子/照明協力:野村梢、水頭友佳子/舞台写真:moco 宣伝美術:SNEA/WEB:SORA 制作:松谷章代/制作協力:ジェイ.クリップ 票券:中村真弓(ガイプロジェクト)、吉田仁美(クロカミショウネン18) 企画製作:JAM SESSION
【発売日】2010/04/10 前売・当日3500円 学生 2000円(要:学生証) 初日・平日昼割引 3000円 リピーター割引 2000円(要:チケット半券)
http://www.jam-session.info/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2010年05月25日 22:33 | TrackBack (0)