SPAC「Shizuoka春の芸術祭2010」の目玉演目です。⇒記者発表 ⇒スナップ ⇒2010年のベストテン入り
6/11に鑑賞。演出家は87歳のフランスの巨匠、クロード・レジさん。上演時間1時間50分の一人芝居です。※レビューをアップしたのは2014年7月12日です。
CoRich舞台芸術!の「観てきた!」に投稿したクチコミはこちら↓。
「抽象を突き詰める演出と具象であろうとする演技と」
もの凄かったです・・・。本当に2時間立ったまま、ほぼ動かず語りっぱなし。でも劇は波乱万丈。人間技とは思えない。 生前は評価されなかった詩人と、動きを制限された俳優が重なりました。
「彼方へ海の讃歌」凄かったですよね!RT @r_suz1005 「薄暗い・動かない・声が小さいの三重苦(笑)」と芸術総監督はおっしゃっていたのだけれど、
— 高野しのぶ (@shinorev) 2010, 6月 13
まさに「暗い・動かない・聞こえない」の三重苦でした。ぼんやりと灯るように弱く光る字幕には、主人公の冒険譚がつづられているのだけれど、肝心の俳優は立ったまま、ほぼ、動かない。動いたとしても、ごくたまに「ポーーー!」という謎の雄たけびをあげて、腕をちょっと動かすぐらい。たぶん開始から1時間半ぐらいは、このお芝居の意味、意図を探りながら、ただただ受け入るだけの状態でした。終盤になって、色んな不満が沸き起こってきて、私の脳内は以下のように展開。
人間の想像力はこんなに生き生きしていて豊かなのに、動かない体のせいで閉じ込められている。なんて不自由なんだ!…いや、違う、脳には手も足も口もない。体があるから、脳から生まれたものが外界に出ることができるんだ。体がなければ、脳なんて、人間なんて、何の意味もない。体のおかげで、人間は人間なのだ…!体、すごい!!
このお芝居のおかげで、脳と体を分けて俯瞰的に見ることができ、体の大切さを知りなおしたように思います。
※スペシャル・プレトーク「巨匠クロード・レジは語る」(日時:6月11日(金)16時)も拝聴しました。
≪東京、静岡≫
SPAC・静岡県舞台芸術センター
出演:ジャン=カンタン・シャトラン
脚本:フェルナンド・ペソア 演出:クロード・レジ
6月11日(金)、12日(土)、13日(日) 18時30分開演
【発売日】2010/04/25 一般大人4000円 同伴チケット2枚:7000円 大学生・専門学校生2000円 高校生以下1000円 3演目セット券10500円
http://www.spac.or.jp/10_spring/ode.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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