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REVIEW

2010年08月05日

東京デスロックCONTEMPORARY SERIES #2『2001年-2010年宇宙の旅 <2001-2010 A Space Odyssey〉』08/04-08富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ水の広場特設野外ステージ

 キラリ☆ふじみの芸術監督になった多田淳之介さんの劇団東京デスロックが、ホームであるキラリ☆ふじみの水の広場で行う野外公演です。初日に伺いました。上演時間は約1時間45分。

 水の広場とは劇場公式サイトのTOPページの写真にもなっている、とてもきれいな場所です。広い池の中に丸いステージが設置されていました。観客は全員スタンディングという告知でしたが、ウッドデッキに三角座りをして観ている方が多数でしたね。私は途中から立って観ることに。

 晴れた夏の夜、ちょっと強い目だけど気持ちのいい風が吹く中、水と木々と星空のある広い舞台に“人類”がいました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『2001年-2010年宇宙の旅 <2001-2010 A Space Odyssey〉

 アーサー・C・クラーク著「2001年宇宙の旅」「2010年宇宙の旅」をもとに、東京デスロックの劇団員およびゲストの方が、贅沢なランドスケープをバックに人類の歴史と現在をあらわします。
 多田さんが当日パンフレットに書かれてるとおり、インスタレーションのような作品でした。現代美術の展覧会に展示されてもいいぐらいの。そっか、CONTEMPORARY SERIES ですものね。

 広~い舞台が気持ちいい!ビルにも電信柱の電線にもさえぎられない空を、あんなにゆったり眺められたのって久しぶり!しかも古代、現在、未来の空として味わえました。
 上演時間はもう少し短くても良かったんじゃないかな~。あと、私の個人的な好みなんですが、役者さん同士のかかわりというか、言葉や感情の具体的な交流が観たかったですね。

 ↓この映画は観ました。「2010」は観てないです。

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 ここからネタバレします。

 開演の時。パっと暗くなって、映画「2001年宇宙の旅」のテーマ曲(シュトラウスの交響詩「ツァラストラはこう語った」の序奏)が流れます。遠くの木々をカラフルな照明で照らすのは静岡舞台芸術公園の野外劇場「有度」みたい!下手にあるメインホールのロビーの明かりがいっせいに点いて(ガラス張りなので外も明るくなります)、アトリエのロールカーテンがガーーーーーーーーーーっと上がるのにわっくわく!思わず笑いがこぼれました。キラリ☆ふじみが宇宙ステーションにも原始の森にも見えました。上手のアトリエはロケットに見えたな~(笑)。

 映画に出てきた四角い石“モノリス”の話をゆっくり朗読で聴けました。最初の約30分間で人類誕生(ヒトザルがモノリスに触れた時)から2001年までひとっとび。
 2001年から2010年までは役者さんがiPhoneとiPadを見ながら、年ごとに起こった事件を語っていきます。同時に夏目慎也さんも自分に起こった出来事を告白(←これが可笑しい)。夏目さんは重しを着て、にぬれて、磔(はりつけ)になって、2001年に結成し今にいたる劇団東京デスロックの歴史を全身で体現。佐山和泉さんは朗読内容から思いついた言葉(単語)を即興で発語されているようでした。公式サイトによると即興もテーマだったようですね。
 2010年までの出来事を振り返ったら、次は未来へと進んでいきました。2011年、2012年、2013年…2045年…。この作品を上演している“今”に、過去も未来もぎゅっと凝縮される感覚。

 遠くからサックスを吹く大谷能生さんの姿が見え、景色全体を眺めたくなったので、立って後ろに下がりました。景色が広がって良かった。
 最後はホールやアトリエの電気を全部消して、星空が明るく見えるぐらいの暗闇になってほしかったな~。明るいままのカーテンコールはちょっぴり物足りなさを感じました。

出演/東京デスロック [夏目慎也 佐山和泉 佐藤誠 間野律子 多田淳之介 橋本清] +日替りゲスト:坂口芳貞[文学座] サックス演奏・出演:大谷能生
構成・演出:多田淳之介 音楽:大谷能生 照明:岩城保 舞台監督:中西隆雄 舞台美術:濱崎賢二 音響:泉田雄太 演出助手:橋本清 宣伝美術:宇野モンド 制作:服部悦子 企画製作:東京死錠 助成:芸術文化振興基金 財団法人セゾン文化財団 主催:東京デスロック 財団法人富士見市施設管理公社
【発売日】2010/07/03 オールスタンディング・ワンドリンク付 日時指定・整理番号付 一般…前売・予約=3,000円/当日=3,500円 学生・シニア(65歳以上)…前売・予約/当日共=2,500円 ○未就学児のご入場はお断りしております。
http://deathlock.specters.net

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2010年08月05日 10:04 | TrackBack (0)