ポツドール番外公演(過去レビュー⇒1、2)を作・演出されてきたペヤングマキ(溝口真希子)さんが、新たに立ち上げた演劇ユニット「ブス会*」の旗揚げ公演です(⇒掲載したオーディション情報)。
女同士の生々しい戦いを間近で楽しませていただきました。上演時間は約1時間10分。前売りは完売。当日券あり。
⇒CoRich舞台芸術!『女の罪』
舞台は小さなスナック。前回、前々回に比べると、設定も内容も性的ハードさの面ではやわらかくなっていましたね。普段は絶対口に出さないであろうことや、不意に出てしまった本音がぶつかりあうのが刺激的。
登場するのはスナックの店員や客など女性ばかり5人。私(=女)からするとカチンと来たり、ムカっと来たりするキャラばかりなんですが(笑)、5人の女優さんがそれぞれに魅力的で、ワハハと笑ってうっとり眺めて楽しみました。
会場が原宿で上演時間も短いですし、お友達(大人推奨)と気軽に観て、その後に食事で会話がはずみそうなお芝居だと思います。カップル同士だとしゃべりづらいネタかもしれないけど・・・(苦笑)。
【舞台写真:曳野若菜撮影(主催者より提供)】
ここからネタバレします。
夫に浮気されることを「私のセックスが誰かに盗られてる」と言い表すのが新鮮でした。そっか、言われてみれば、そうなのか(笑)。
美姫(安藤聖)は正義感が強くで女性にモテるタイプ。ママ(仲坪由紀子)はいい加減だけど人を追い詰めないので、求めなくても常に男が寄ってくるタイプ。夫がママと浮気している事実をつきとめた美姫は、外に出たママを追いかけます。なんとお酒の瓶を片手に持って。その後、美姫がママに瓶で殴りかかるかもしれない、もしかしたら殺しちゃうかも・・・と想像させます。
そこからは美姫とママ、そして周囲の女たちがそれぞれに違う主張を持った集団や、世界中の色んな国々に見えてきました。
装置や衣装のリアリティーにこだわった現代口語劇で、照明の変化はなく、音楽についてもカラオケが流れることで弾みをつけることはあっても、「お芝居の音響」的なものはなかったように思います。
終盤で私は上述のような演劇的な奥行きを感じ取れたので、照明や音響の演出を加えて、現場で交わされる会話以外の世界を広げてもいいんじゃないかと思いました。
出演:仲坪由紀子 岩本えり(乞局) 玄覺悠子 大樹桜 安藤聖
脚本・演出:ペヤングマキ(溝口真希子) 照明:伊藤孝(ART CORE design) 美術:田中敏恵 選曲:DJ dekka-ching 小道具・衣裳:大橋路代(パワープラトン) ヘアメイク:中西端美(ひなぎく) 舞台監督・音響:尾倉ケント(アイサツ) 演出助手・照明操作:豊永優美 写真撮影:曳野若菜 宣伝美術:冨田中理(Selfimage Products) 票券:徳橋みのり(ろりえ) WEB:rhythmicsequences 広報:石井裕太 宣伝協力:山田恵理子 制作協力:溝口美帆 酒井源司 制作補助:藤原みかん、渡辺治子(以上リトルモア地下) 制作・プロデューサー:増井めぐみ(リトルモア地下) 共催:リトルモア地下 企画・製作:プス会*
【休演日】8月5日休演日【発売日】2010/06/24 前売2800円、当日3000円 (整理番号付自由席、当日精算)
http://busukai.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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