池袋の東京芸術劇場で開催中の“TACT/FESTIVAL(タクトフェスティバル)”。『エコア(ECHOA)』に続いて『名無しのエリーゼ』を観てきました。上演時間は1時間弱。おすすめ年齢は8才以上。
ドイツ語上演・日本語字幕ありの男女2人芝居ですが、字幕は必要最小限にとどめられており、身振り手振りから想像して理解するタイプ。俳優の技術がハイレベルなので、言葉がわからなくても楽しませてくれます。最後はポロポロ泣いちゃいました・・・すっごく良かったです。
地下に降りるエレベーター前の看板↓
⇒CoRich舞台芸術!『名無しのエリーゼ』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
エリーゼは屋根裏部屋でおばあちゃんの日記を見つけます。おばあちゃんが若かった頃のおはなし。―戦争から逃げる途中、彼女は国境近くの小さな駅でルーカスという信号係に出会います。家はない、パスポートもない、仕事もない彼女はまさに「名無し」同然。「名無しのエリーゼ」は過去と現在をつなぐ希望の物語です。。
≪ここまで≫
当日パンフレット(無料配布)のあらすじを読めば全体像がわかりますので、字幕が少なくても問題ありません。あらすじを知っていても大丈夫。私は読んでから観ましたが、最後は驚かされました。
古くて大きなトランクがたくさん。美術は簡素ですが、俳優のきめ細やかな演技で時空を超えます。
ここからネタバレします。
時計の針がぐるぐる回って過去をさかのぼったり、時間が進んだりするのが可愛い。
戦場になった故郷から駅に逃げてきたエリーゼ。でも戦争のせいで駅には列車は全く来る気配なし。駅員(信号係)のルーカスは明るいリーゼに好意を寄せます。やがて2人が駅に住み込んだまま1年が過ぎました。その間も列車はずっと来ず。
やがてルーカスの上司が、エリーゼを故郷に帰すために列車をよこすと言ってきました。彼女の故郷はまだ戦争中だというのに。ルーカスが電話で「あなたには戦争は関係ないかもしれませんが…」と反論するも、上司は強硬な様子。そこでルーカスが取った行動とは?
私は「エリーゼにプロポーズするんだろうな~、それで大団円かしら」と思っていたのですが、なんとルーカスは線路を破壊してしまいました!あんなに綺麗に掃除して守ってきた線路なのに!1人の人間の愛の力は、強固なルールなんて軽々ぶち壊します。その後2人は隠れて生きなきゃいけなくなったわけですが。
最後は孫エリーゼの屋根裏部屋に戻り、ルーカスがおじいさんとして再登場。2人が結婚して生き残ったから孫エリーゼがいるんですね。ええ話や・・・手放しに感動。
≪滋賀、大阪、東京、松本≫
~ここは国境の駅、エリーゼと駅員の心温まる物語
国際児童青少年芸術フェスティバル TACT/FESTIVAL TOKYO Niemand heist Elise
キャスト:カリン・シュルダー/アンドレアス・ゲール
作:アルバロ・ソラー/カリン・シュルダー/アンドレアス・ゲール 演出:アルバロ・ソラー 美術・照明:アンドレアス・ゲール
【TACT/FESTIVALスタッフ】総合舞台監督:闘秀哉 舞台監督:夏目雅也 プログラムディレクター:中立公平 フェスティバルディレクター:松原利己 ツアーマネージャー:さくらこりん
【東京芸術劇場スタッフ】技術統括:白神久吉 技術統括補:尾中孝次 田中直明 舞台:後藤順二 谷内義弘 鈴木久仁日呂 秋山佑子 佐藤綾香 照明:斎藤芳男 川村正夫 佐藤恵太 高山智弘 音響:石丸耕- 小川義治 近藤靖彦 山本裕司 植木誠 中根悠子 制作進行:福永純子 樺澤良 勝優紀 吉田直美 蓬見あづさ 票券:串田陽子(東京芸術劇場チケットサーピス) 金子久美子(ぷれいす) 宣伝美術:西田優子 神谷伶奈 インターン:市川和奏 古川瑛― 舞台芸術学院
【東京芸術劇場】芸術監督:野田秀樹 館長:福地茂雄 副館長:高萩宏 管理課長:笠原美由紀 舞台管理担当課長:白神久吉 事業企画課長:高橋透 制作担当課長:内藤美奈子 事業企画課:木村美恵子 秋山知美 広報:北沢聡子 土屋裕 橋爪綾子
主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)/東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 助成:財団法人地域創造 後援:ドイツ連邦共和国大使館/フランス
おとな2000円 こども(4歳~中学生)1000円 その他セット券あり。
http://www.tact-japan.net/tokyo/elise.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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