原田優理子さん(トリのマーク(通称))がスミカという個人演劇ユニットを結成されたようです。この公演は旗揚げ準備企画にあたるのかしら。時間堂と合同のカフェ公演でした。
おしゃれなカフェで、おしゃれ普段着の若者たちが、優しくたわむれていました。原田さんは演劇が大好きなんだなーと思いました。上演時間は1時間弱。
ワンドリンク&おみやげ付きで、DMやパンフレットなどにもおもてなしの気持ちがあらわれていました。写真↓はいただいたお土産(製作:土谷朋子)。
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演技スペースを四方から客席が囲み、役者さんが至近距離でパフォーマンス。周囲と呼吸を合わせるように、観客ともコミュニケーションを取ることを意図したオープニングでしたが、気持ちが乗れなかったです。まずは演じる側からのアプローチが欲しいですね。観客が前のめりになることを待つ姿勢でいるのではなく、最初はグっと引っ張って、作品の中に引き寄せてもらいたいです。1話の途中から普通に観られるようになりました。
ここからネタバレします。
※会場への道のりで迷い、炎天下で少々さまよいましたので、かなり疲れた状態での観劇になってしまいました。内容をちゃんと把握できたか自信がありません。間違ってたらすみません。
■『池袋から日暮里まで』
(作:黒澤世莉/演出:原田優理子)
時間堂が『15 minutes made』で上演した短編。見逃したので再演が嬉しい(演出は違いますが)。
カメラマンの卵(金丸慎太郎)とパティシエの卵(大川翔子)の恋。山手線の同じ車両で偶然乗り合わせた2人(黒澤世莉&津留崎夏子)は、彼らの未来の姿だった。女は出世していたが、男は夢をあきらめていた。
早朝の西日暮里。空港に向かう女に男が尋ねた「いっていい?」が、「言っていい?」に聴こえてしばらく悩みました。「行っていい?」が正解。
■『真ん中より少し浮く』
(作:原田優理子/演出:黒澤世莉)
ご主人様(菊池美里)は古い旅行かばん(菅野貴夫)を片手に、フィンランドのヘルシンキへの失踪をたくらみます。携帯(鈴木浩司)と十年日記(原田優理子)も登場。
旅行かばんは『池袋から日暮里まで』で女(津留崎夏子)が持っていたので、2つはつながったお話でした。パティシエの卵が「パリに留学する」と言っていたのは嘘で、元彼を追いかけてヘルシンキに行く途中だったことがわかります(ヘルシンキは観客からのアイデア)。カメラマンの卵は居酒屋の店長になった。パティシエの卵は結婚しても昔の彼が忘れられず、逃避行ぐせがある。2人の嘘がせつない。
・・・ん?パティシエの卵はご主人様のお母さんだったのかな?「失踪ぐせ」が遺伝したってことかな?それともただ旅行かばんを共用してるだけ?・・・となると色々間違って解釈していますね、すみません。
ご主人様が色んな物や人に支えられて、人の上に乗って歩いていくラストが素敵。
出演:黒澤世莉(時間堂)、菅野貴夫(時間堂)、鈴木浩司(時間堂)、大川翔子(劇団競泳水着)、金丸慎太郎(国道五十八号戦線/贅沢な妥協策)、津留崎夏子(ブルドッキングヘッドロック)、菊池美里、原田優理子(トリのマーク(通称))、戸谷絵里
『池袋から日暮里まで』作:黒澤世莉 演出:原田優理子 『真ん中より少し浮く』作:原田優理子 演出:黒澤世莉
宣伝美術:渡辺紗織 おみやげ製作:土谷朋子(citron works) はんこ製作:三谷麻里子 記録撮影:$堂
1,500円 1ドリンク・おみやげ付き
http://sumikasumika.seesaa.net/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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