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Shinobu's theatre review
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REVIEW

2010年08月23日

ロロ『ボーイ・ミーツ・ガール』08/18-22王子小劇場

 ロロは三浦直之さんが作・演出される劇団です。『ボーイ・ミーツ・ガール』は佐藤佐吉演劇祭2010参加作品(⇒記者会見)。上演時間は約2時間。

 見逃してしまった前回公演がとても好評だったので期待して伺ったのですが、三浦さんと私とでは“恋”についての解釈(というかスタンス?)が違うようで、入り込めず。
 10歳以上年が離れてるせいなのか、私のとらえ方が老けているせいなのか(苦笑)。世代間ギャップで語れることではないですが、あまりに違うのでそんな風に考えてしまいました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ボーイ・ミーツ・ガール

 ≪あらすじ≫
 百太(篠崎大悟)は女の子(森本華)の夢を見た。まだ生まれてないんだけど、百太のことが好きなんだって。そしたら急いで生まれてきてくれたんだ。
 ≪ここまで≫

 「誰かが誰かのことを何よりも大好き!」という“恋”の圧倒的なパワーが描かれていたのだと思いますが、恋が生まれたり燃え上がったりするための、条件や制限が加えられてるように見えて残念。恋が人間を変え、尋常じゃない行動を起こさせることには同意です。
 乱闘シーンがリアルで、役者さんが怪我しないのかと心配になりました。若い男性がパワフルにぶつかり合うのは、見どころではありますね。

 胸にハート型の風船を貼り付けて、「心」や「心臓」をあらわすのがとっても可愛いです。可愛いといえば、女優さんがめっちゃ可愛い人ばかり!小劇場の若い役者さんはルックスのいい人が多いわ~♪

 懐メロが山ほどかかっていて・・・驚きました。「昔から恋は変わらない」ってことなのかな。

 ここからネタバレします。

 「生まれる前からあなたが好き!」と言ってくれる女の子のことを、すれ違って会えない状態が続く内に好きになっちゃったり、道端に倒れている女の子に一目ぼれしたら既に死体だったり、大事な妹を殺された兄が犯人への復讐に燃えたり、恋した人が殺人鬼だったり。一途で激しい恋が生まれるために、時間的制限やわかりやすい条件(極限状態・飢餓状態など)を用意しているように見えて、恋を矮小化しているように感じました。
 私自身、ごく一般的に想像されるような一目ぼれも経験しているので(何年も前に破れましたがっ!)、恋ってもっとたわいない日常に転がってるものだと思うんですよね。生まれるのにも、燃え上がるのにも理由はいらないというか。

 ただ、恋に理由はいらなくても、舞台で起こる出来事には理由(=原因)が必要だと思います。百太はモテる(振られても百太に尽くす女がぞろぞろいる)と決まっていて、標(しるべ)は「生まれる前から百太が好き」と決まっていて、殺人鬼も「生まれた時から俺は殺人鬼」と自分で決めていて、それを勝手に信じて実行していました。「そういう設定なのね」とスルーできたら楽しめたのかもしれませんが、私には無理でした。『ザ・キャラクター』での野田さんの主張を思い出さざるを得なかった。恋が生まれて成就したその先に興味があるので、最後も物足りなかったですね。・・・我ながら気難しい観客ですねぇ(苦笑)。

 かかった曲は映画の主題歌が多かったです。映画タイトルは「オールウェイズ」「ゴーストバスターズ」「ボディーガード」「リアリティー・バイツ」など。懐かしいものばかりなので、三浦さんがご存じなことに驚きました。もしかしたら常識なのかしら?そういえば「男はつらいよ」「3年B組金八先生」もモチーフになってたような。
 兄と殺人鬼の間に人が折り重なった列が出来て、それが必殺技(カメハメ波みたいな)の通り道になる演出が楽しかった~!

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:三浦直之 土佐有明

ロロ vol.4
出演:篠崎大悟 亀島一徳 望月綾乃(以上ロロ) 板橋駿谷 北川麗 島田桃子 多賀麻美 田中佑弥(中野成樹+フランケンズ) 森本華 大石貴也 大渡佑紀 崎浜純 高橋果菜 寺田昌洋 中村未希 村松健 山田亜沙
脚本・演出:三浦直之 照明:工藤雅弘(Fantasista?ish.) 音響:池田野歩 舞台監督:鳥養友美 美術:松本謙一郎 衣裳:黒瀬空見(ツクリバナシ)  宣伝美術:玉利樹貴 制作助手:幡野萌 制作:坂本もも
【発売日】2010/07/17 前売り/2500円、平日マチネ割引/2000円、中高生割引/1500円、シニア割引(65歳以上)/1500円、当日券/2800円
http://llo88oll.web.fc2.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2010年08月23日 14:31 | TrackBack (0)