REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2010年09月01日

王子小劇場地域発信プロジェクト『ダミーサークル』08/25-29王子小劇場

 東京都北区の民間劇場である王子小劇場が、「佐藤佐吉演劇祭2010」参加作品としてプロデュースする公演です。⇒告知エントリー ⇒記者会見レポート

 北区の中高生11人(男子2人、女子9人)が柿喰う客の中屋敷法仁の指導のもと、3~4時間×7日間という稽古期間を経て、約1時間の演劇をつくり発表しました。5日間で6ステージという本格的な公演です。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ダミーサークル

 ≪あらすじ≫
 高天原高校演劇部。女子が1名登校拒否中。演劇大会に向けて準備を始めるが、顧問の教師が…。
 ≪ここまで≫

 台本を持って読むリーディング形式でした。えっらいダークなストーリーで驚きました(笑)。
 終演後に中屋敷さんに個人的に質問をしたところ、脚本はこの公演のための書き下ろしで、子供たちと顔を合わせてから書き始められたそうです。どんな短期間?!

 中高生が1週間たらずという短期間で演劇を作って発表をする公演は、よく拝見しています。基本的に入場無料、もしくは高くても500円はしないので、この公演が一般前売り2,000円というのは高すぎると思いました。
 でも公共ホールではなく王子小劇場という民間の劇場が、地域の子供たちを集めて実施したのは素晴らしいことだと思います。次回からは助成金などのサポートがあってくれるといいですね。

 ここからネタバレします。

 顧問の29歳男性教師が演劇部部長(?)の女生徒に「みだらな行為をした」ということが報道され、演劇部は崩壊状態に。
 「フランダースの負け犬」という既存の戯曲をはさむ劇中劇の構成も面白かったです。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:出演者 司会:中屋敷法仁

 観客が『ダミーサークル』というタイトルの意味をたずねてくださって、ようやく理解できました。
 中屋敷「学校のクラスや部活は、たまたま隣の席同士だったりして、偶然集まったメンバーが集団を形成する。それがダミーな(偽の)サークル(集まり)かと。」

 11人の内、俳優志望が1人、人前に立つ職業を目指してるのが1人。両方とも男子高校生でした。
 女子高生の1人が「6回も同じことやるなんて飽きるんじゃないかと思ったけど、全然飽きない。この作品で世界ツアーに出たいぐらい(笑)。」と言っていたのが強く印象に残りました。素敵なことだな~。

佐藤佐吉演劇祭2010参加作品
出演:北区の中高生(池田紗希 吉田光希 岡本澪 加藤優美子 黒田就平 渡邊真子 増田菜穂子 栗原那津子 熊木美旺 藤谷時生 竹中美優紀)
脚本・演出:中屋敷法仁(柿喰う客) 舞台監督:本郷剛史 照明プラン:吉村愛子(Fantasista?ish) 照明オペレート:菊池志乃ぶ/羽鳥久美子 演出部:中田潤平 制作:玉山悟(王子小劇場) 制作協力:赤羽ひろみ
当日、予約とも2,000円 シルバー1,500円(65歳以上、要証明) 中高生500円
http://www.en-geki.com/sakichisai2010/program.html#04

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 2010年09月01日 11:58 | TrackBack (0)