範宙遊泳(はんちゅうゆうえい)は山本卓卓(やまもと・すぐる)さんが作・演出される劇団です。山本さんは桜美林大学出身で、出演者も同大学の方が多いようです。私は初見。
チケットがお面になってまして、受付で被って観劇するように言われます。上演中は被ってる人も被ってない人もいましたが、それはそれで観客をうまく作品世界に組み込む仕掛けになっていました。
背もたれのない席での約1時間35分でしたが、最後まで面白く拝見しました。
【受付でいただくお面型チケット↓。ちゃんと立体になっています。】
⇒徳永京子さんのツイート 1、2、3、4、5
⇒CoRich舞台芸術!『東京アメリカ』
≪あらすじ・作品紹介≫ 劇場公式サイトより
東京都世田谷区船橋3丁目に家族がいる。
家族は演出されている。
家族が演出されているのを、演出する人がいる。
郷土物語宣言第一弾「山梨」につづいて第二弾は「東京」と「アメリカ」の、新作2本だて
「東京」と「アメリカ」を舞台に「演劇」をプレゼンする!
≪ここまで≫
STスポットの中央に丸い演技スペース(土俵のような形状)があり、客席が2方向からその周囲を囲みます。劇場の四方の壁全体をポップに装飾していますので、客席も舞台上にあるような空間です。
ある小劇場公演のための稽古風景を劇中劇の構成で見せて、演劇創作現場の愚かさ、面白さをデフォルメして表現。結果的には山本さんが考える“演劇の魅力”が伝わるような、野心的な作品だったように思います。
役者さんは基本的に激しい動きをしますし、歌って踊ります。セリフの話し方のバリエーションも豊富で、役者さんそれぞれの実力を、振り切れんばかりに出し尽くそうとしているよう見えました。桜美林大学出身の演出家(例えば柿喰う客や田上パル、マームとジプシーなど)は、役者さんに重い負荷をかけるタイプの方が多い気がします。
出演者に知り合いがいたのでその方に聞いてみたところ、「演劇のクラスでもコンテンポラリー・ダンスの授業があって、ちゃんと踊れるダンサーが常にそばにいるから、その影響が大きいのではないか」とおっしゃっていました。
埜本幸良さんが終演後に「ラストエンペラー埜本」という一人芝居を披露。面白かった~(苦笑)。
この作品でも役者さん(埜本さん)が自分をさらすことを前提にして、体を使って表現していました。
出演:熊川ふみ、埜本幸良、浅川千絵、北尾亘、佐賀モトキ、高木健(タイタニックゴジラ)、竹中香子、田中美希恵(贅沢な妥協策)、福原冠(国道五十八号戦線)、緑茶麻悠(ochazukewemens)、加藤サイセイ
脚本・演出:山本卓卓 舞台監督:桜井健太郎 舞台監督助手:久保田智也 舞台美術:たかくらかずき 照明:山内祐太 音響:高橋真衣 衣裳:天神綾子 演出助手:菅原和恵 宣伝美術:たかくらかずき 制作協力:時澤香保里 清水美峰子(劇団銀石) 三輪塁 企画・製作:範宙遊泳
【発売日】2010/08/02 前売2300円、当日2500円
*9月2日19時30分 初日割引 前売・当日2000円 *9月4日18時 土曜の夜にご来場感謝毎度お馴染みサタデーナイト割引 前売・当日1800円
http://hanchuyuei.web.fc2.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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