「ぽんプラザホール10周年記念 福岡・九州地域演劇祭」参加作品です。⇒内覧会レポート ⇒CoRich舞台芸術!内特設サイト
劇団きららは池田美樹さんが作・演出(出演も)される熊本の劇団。今回はサン・テグジュペリの小説「星の王子さま」を原作に忠実に舞台化されました。
⇒CoRich舞台芸術!『劇団きららの「星の王子さま」~Le Petit Prince~』
客席方向に長くせり出したステージを客席が三方から囲みます。舞台に高さがないので客席から近い印象。床は白い布(?)で覆われており、ひからびた砂漠や月のクレーターを思わせます。客席の周囲の壁全体がメルヘンチックに装飾されていて、劇場に入った途端に非日常の世界へと連れて行ってくれました。白い大小のボールがたくさん天井から吊り下げられており、宇宙の星々をスっと想像できました。照明でカラフルに染めるのがきれい。
内覧会や前説で池田さんが「暗闇で一人でじっと座っていることを怖がらないこと」とか「きつねと王子様の友情に焦点を当て」などとおっしゃったので、かなりの脚色をされているのだろうと思って見始めたのですが、あまり変更は加えられていませんでした。うぬぼれ男等もちゃんと出てきましたし、王子様はもうコスプレと言ってもいいんじゃないかと思うぐらい原作の挿絵の服装(ヘアスタイル含む)に似てました。私としてはあるエピソードを中心に構成しなおすとか、全体を新解釈しちゃうとか、池田さん独自の「星の王子様」を期待していたので残念。
演技については好みが分かれるところだと思うのですが、思わせぶりな長い間がわざとらしくて気になりました。王子様が「あははははっ!」と無理やり笑うのが、どうもいただけなかったですね。
黒い衣裳のヘビ(蔵原壮一郎)が、動きがなまめかしくてきれいでした。
残念ながら、空調がとても寒くて後半は集中できなかったです・・・。
福岡アジア美術館7Fエレベーター前にあった、公演のポスター↓
ここからネタバレします。
白い衣裳の数人がコロスのような役割を果たしていました。本を蝶のようにばたつかせて飛行機をあらわすのが面白かったです。
舞台奥の白い幕の間から飛行機の尾翼が覗くのが可愛かった!エンジンがかかった時に動くのも良かったですね。
福岡アジア美術館の外観↓
【出演】飛行士:高木優一郎 王子さま:宗真樹子 バラ:オニムラルミ ヘビ:蔵原壮一郎 王様/呑み助:平野浩治(劇団 濫觴) うぬぼれ男/地理学者/キツネ:大迫旭洋(不思議少年) あきんど/バラたち:池田美樹
原作:サン・テグジュペリ 脚色・演出:池田美樹 美術:上瀧昭吾(兄弟船)、照明:西本正明((有)シーニック)、音響:寺師裕、会場装飾:gaju CG製作:ほっほー石原(転回社) 衣裳:池田美樹、舞台監督:山下昌文(ACN)、制作:古殿万利子、フランス語訳&ナレーション:ミカエル・セバン 演出助手:松崎仁美(劇団濫觴) 田代愛子
前売: 1,800円 / 当日: 2,000円[ Lコード:89996 ] 日時指定・全席自由
【発売日】2010/06/21 前売: 1,800円 / 当日: 2,000円 日時指定・全席自由
http://www.gkirara.com
http://10kinen.info/stage/kirara.php
http://stage.corich.jp/special/fukuoka-kyushu.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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