『やけたトタン屋根の上の猫』を上演中の新国立劇場小劇場で、テネシー・ウィリアムズの1幕劇2本がリーディングで上演されました。出演は新国立劇場演劇研修所の5期生。演出は古城十忍さんです。上演時間は約1時間15分。無料のマンスリー・プロジェクトです。
本番の装置でのリーディングはやはり贅沢ですね。客席は9割がた埋まっていたような。お年を召した男性、女性が多かったように思います。
⇒CoRich舞台芸術!『やけたトタン屋根の上の猫』
研修生が出演するリーディングは何作か拝見してきましたが、今回はとても完成度が高くて、公演としてきっちりしていたように思います。お稽古をたくさんされたんじゃないかしら。演技も段取りもしっかりしていました。私が観たのが初日じゃなかったせいかもしれませんが。
ちょっと几帳面すぎる気もしましたが、5期生はいま2年次ですよね。これからに期待です。
最終学年の3年次にあたるのは4期生で、12月には試演会②『かもめ』が上演されます。演出は西川信廣さん。ダブルキャスト公演で、私は両バージョン観劇予定。A席2,500円、B席1,500円で本格的な『かもめ』が観られるのはお得だと思います。
■「風変りなロマンス」
"The strange kind of romance"
初演:1960年、パリ、シャンゼリゼ劇場
≪あらすじ≫
指が震えるせいで工場勤めをしくじったイタリア人労働者は、下宿屋に住み着いた猫を可愛がり生きがいを見つける。人が人と結びつくことの困難さを、人と勤物の<風変りなロマンス>を対置することで逆説的に描く。
≪ここまで≫
出演:【小さな男】片桐レイメイ【下宿の女主人】井上沙耶香【老人(その義父)】大里秀一郎【ボクサー】日下諭【ニチェボ(猫)・ナレーター】岩田結
■「話してくれ、雨のように・・・」
"Talk to me like the rain and let me listen"
初演:1958年、コネクティカット州ウエストポート、ホワイトバーン劇場
≪あらすじ≫
失業し自棄になり泥酔した男と、惨めな境遇から出て行<架空の人生を夢見る女が、互いをいたわり合う風景を優しく描く。他者と真にふれ合うことの困難さと人間の孤独がさらに徹底して描かれた作品。
≪ここまで≫
出演:【男】梶原航【女】山崎薫【ナレーター(男)】川口高志【ナレーション(女)】北澤小枝子
出演:演劇研修所研修生
脚本:T.ウィリアムズ 翻訳:鳴海四郎 演出:古城十忍
【研修生スタッフ】演出助手:林田航平 音響助手:織田瞳子 舞台監督助手:藤本強 演出部:菊池夏野、古川七彩
11月13日(土)・17日(水)6:30 小劇場 応募期間:10/12(火)~11/1(月) 無料。
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000400_play.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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