神里雄大さんが脚本・演出を手掛ける岡崎藝術座の新作。フェスティバル/トーキョーの公募プログラムに選ばれた公演です(⇒記者発表)。上演時間は約1時間40分。
高校生以下はなんと無料!初日からかなり大人数の高校生の団体が鑑賞していました。日本語・英語字幕のあるステージもあります。
会場ロビーにチラシの原画が展示されていました。すっごく大きな油絵でかっこ良かったです。
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≪あらすじ≫ 公式サイトより。
某ビルの、某部屋のクーラーは古い、もうずっと昔設置したまま
みんな、燃費悪い冷え冷え寒いと出ていってしまった、
省エネの適温の空間に行った仕事したり談笑したり
誰もいなくなった部屋で、クーラーはでも壊れていない、でも燃費悪い冷え冷え全力で
初冬なのにクーラーのはなし
≪ここまで≫
役者さんが長い一人語りを一人ずつ順番に。登場するのは人間だったり人間じゃなかったり。
サラリーマン(?)役の菅原直樹さんとその次に登場する森本華さんを観るだけでも、前売り2,500円の価値はあると思いました。
セリフもめっちゃくちゃ面白くて、これはもしかすると岸田國士戯曲賞モノなんじゃないか・・・?と、こっそり思ったのですが、その後から少々失速。役者さんの調子や観客の好みで印象は変わってくると思います。
シアターグリーンBIG TREE THEATERで上演するお芝居としては、規模的な面で少し物足りなさも感じました。天井が高いので、装置や照明、音楽などを総合的に使ったスタッフワークによる見せ場が、もっとあってもいいんじゃないかと思いました。
※電車の乗り継ぎなどに失敗し、残念ながら開演に5分ほど遅れて入場。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。
ここからネタバレします。
オープニングがどんなだったかはわかりませんが、おそらく最初に登場したのは宇田川千珠子さん。彼女は“クーラー”役でした。次は菊川恵里佳さんで、“開かずの会議室”役。
菅原直樹さんは役者役で、言葉の発し方、発声方法、声の大きさ、体の動きなどなど、たまんなく面白かったです。次に登場した森本華さんが菅原さんの母親的な存在(?)で、菅原さんをなでなでしながら彼を「負ける」と呼び、じんわり「やまと“負ける”のみこと」と言ったり。もう、爆笑につぐ爆笑。なんとなくイケてる人たちの船に助けられるとか、マイノリティーであることを驚きとともに自覚するとか、彼女の中でのストーリーもナンセンスながら冴えまくり。ほれぼれするほどの開き直りっぷりと、無駄に元気な体の動きやおおげさな表情が、超キュートで大迫力。
最後は天井から横一列の照明が、客席の方を照らしながらグーンと下に降りてきました。
◎日本語・英語字幕回設置/高校生以下 無料◎
出演:武谷公雄 召田実子 宇田川千珠子(青年団) 菅原直樹(青年団) 中林舞(快快) NIWA(ワニモール) 菊川恵里佳 森本華
脚本・演出:神里雄大 照明:黒尾芳昭(株式会社アザー)/音響:高橋真衣/舞台監督:鳥養友美 字幕映像:ワタナベカズキ 衣装:JICCO 手話指導:米内山陽子(トリコ劇場) 演出助手:森下なる美(劇団森キリン) 翻訳:小畑克典 フォーンクルック幹治 宣伝美術:ART DIS FOR 写真撮影:富貴塚悠太 制作:寺田千晶 制作補佐:石川夕子 岡崎龍夫 森田瑞穂 主催:岡崎藝術座 共催:フェスティバル/トーキョー 助成:芸術文化振興基金
【発売日】2010/09/05《一般券》前売り・予約 2,500円/当日 3,000円《ペア券》前売・予約のみ 4,600円 《高校生以下》予約・当日 無料 (要学生証提示・枚数制限あり)
http://okazaki.nobody.jp/
http://okazaki.nobody.jp/old-airconditioner/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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