フェスティバル/トーキョー10主催演目です(⇒記者発表)。『ヴァーサス』はブラジル生まれ、スペイン在住の演出家ロドリゴ・ガルシアさんの演劇作品。ポスト・パフォーマンス・トークに出演した松井周さんが「傑作」とブログに書かれていたので、ちょっと期待値を上げて伺いました。
上演時間は約1時間50分ぐらいだったかと・・・定かではないです。もうちょっと体感時間が短かったら良かったな~と思いました。
⇒ロドリゴ・ガルシアさんインタビュー「ヨーロッパ演劇界の異端児が語る」
⇒CoRich舞台芸術!『ヴァーサス』
短いシーンが次々と演じられていきます。1本筋のとおったストーリーがあるわけではないようです。公式サイトの「刺激の強い表現がありますので、16歳以上の観劇をおすすめします」という注意書きは正しいと思います。
舞台中央の床には、開いた状態の本がじゅうたんのように、きれいに並べられてます。その上で役者さんが激しい取っ組み合いをしたり、本をやぶったり口でちぎったり。カオス。
ドラムとエレキギターなどのバンドとフラメンコの歌手による生演奏はかっこよかったですね。
舞台奥に大きなスクリーンがあって映像や文章、字幕が映写されます。過激な主張は興味深く受け取りました。でもアダルトビデオのような映像は苦手。白黒アニメは面白かったです。猿が日本語でしゃべるのには違和感がありました。字幕に統一して欲しかったなー。
この作品に限らないのですが、英語の日本語訳をしないのってなぜなんでしょうね。スペイン語だって全部は訳してないと思いますが、あからさまに英語の部分は字幕皆無でした。
ここからネタバレします。
何度もひどい仕打ちをされて“生まれ変わる”女性の独白。立って体を上下にゆすぶりつつ(おっぱいがユサユサと揺れるのが破廉恥でイイ!)、男性に暴力を振るわれながらなので刺激的。役者さんの演技も生々しいし、観ていて面白いです。でも同じセリフをその男性が繰り返す最後の場面は、男性が下手のイスに座ったままだったのもあり、退屈してしまいました。上手では死化粧をしていましたが、セリフに合わせてわざとゆっくりしていたように見えて残念。
役者さんが全裸になるシーンが多かったです。ずいぶん慣れましたが、私はなるべく見たくないんですよね。好みの問題です。
全裸にひも状の白いウールをまとった女優さんが、両手両足をしばられて息を止めさせられるシーンは美しいと思いました。でも色気(エロティシズムとか)を感じるところまでいかなかったのが個人的には不完全燃焼かな~。
出演:パトリシア・アルバレス、イケ、ルベン・エスカミジャ、フアン・ロリエンテ、ヌリア・ロアンシ、イサベル・オヘダ、ダビー・ピノ、ダニエル・ロメロ、ビクトル・バジェホ
構成・演出:ロドリゴ・ガルシア 照明:カルロス・マルケリエ 技術監督:ロベルト・カファギーニ 音響:マルク・ロマゴサ 衣装:ベレン・モントリウ アニメーション:クリスティーナ・ブスト 映像:ラモン・ディアゴ 音楽:チキータ&チャタラ、ダヴィド・ピノ、.テープ. 制作:モニカ・コフィーニョ、マリアテ・ガルシア、ディエゴ・ラマス 製作:国立文化記念協会 助成:ラボラル・テアトロ(アストゥリアス公国政府)
【日本公演スタッフ】技術監督:寅川英司+鴉屋 舞監監督:弘光哲也 演出部:杣谷昌洋 小道具:栗山佳代子 演出部:北村泰輔、田中翼 照明コーディネート:佐々木真喜子((株)ファクター) 音響コーディネート:相川晶((有)サウンドウィーズ) 字幕操作:幕内覚(舞台字幕/映像 まくうち) テキスト翻訳:寺尾隆吉
【発売日】2010/09/05 自由席 一般 前売 4,500円(当日 +500円)、学生 3,000円、高校生以下 1,000円(前売・当日共通、要学生証提示) 刺激の強い表現がありますので、16歳以上の観劇をおすすめします。
http://www.festival-tokyo.jp/program/rodrigo/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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