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2010年12月17日

【オーディション】北京蝶々「『パラリンピックレコード(仮)』出演者募集」※1/25〆切(メールのみ)

 北京蝶々が2011年4月公演の出演者を募集しています。劇団主宰の大塩哲史さんの脚本を、柿喰う客の中屋敷法仁さんが演出されます。ただいま上演中の公演でも外部から演出家を招いていますね。以下、折り込みチラシからの情報です。

 ■北京蝶々『パラリンピックレコード(仮)』出演者募集
  作:大塩哲史 演出:中屋敷法仁(柿喰う客)
  日時:2011年4月7日(木)~10日(日)
  場所:シアタートラム
  締め切り:2011年1月25日(火)24:00(メールのみ)

■募集概要

・開催日時
 2011年1月29日(土)①13:00~14:30②15:00~16:30③18:00~19:30④20:00~21:30
 2011年1月30目(目)①13:00~14:30②15:00~16:30③18:00~19:30④20:00~21:30
  各時間帯の内容は同じです。
  両日参加を原則とし、一日のみの参加は不可とさせていただきます。
  希望の時間帯をお選びください。(例:29日①、30日③)
・会場 都内某所
・参加費 2000円
・参加資格 下記公演および、公演の約一ヵ月半前から開催される稽古に参加できる方
    ※応募者多数の場合は選考させていただきます。
    ※公演参加にあたりチケットノルマを設定する場合がございます。

・対象公演
 北京蝶々第16回公演「パラリンピックレコード(仮)」
 期間/2011年4月7日(木)~10日(日)
 会場/シアタートラム
 作/大塩哲史
 演出/中屋敷法仁(柿喰う客)

・応募方法
 info(アットマーク)pekinchocho.comまで、タイトルに「オーディション参加希望」と記入し、本文に
 ①氏名(ふりがな)
 ②年齢
 ③電話番号
 ④メールアドレス
 ⑤演劇活動の有無と活動歴
 ⑥29日の希望時間帯、30日の希望時間帯(それぞれ第三希望まで)
  以上の項目を記入し送信して下さい。

・募集締め切り
 2011年1月25日(火)24 : 00
  http://pekinchocho.com


●北京蝶々
 2003年、早稲田大学演劇研究会を母体に旗揚げした劇団。
 電子マネーや介護ロボットなど、現代の日常に浸透しつつあるテクノロジーをモチーフに近未来の日常を描く。舞台作品のみならず、公演の趣旨と関連したイベントの開催にも積極的に取り組んでいる。
 若手演出家コンクール2007(日本演出者協会主催)にて審査員特別賞・観客賞を受賞。


※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:16 | TrackBack

北京蝶々『あなたの部品リライト』12/14-19ギャラリーLE DECO 4F

 北京蝶々は大塩哲史さんが作・演出・主宰される早稲田大学出身の劇団です。今回は若手演出家コンクール2007審査員特別賞・観客賞受賞を受賞した『あなたの部品』を大幅に改稿し、ほぼ新作として上演。演出には時間堂の黒澤世莉さんを迎えました。面白かったです。上演時間は約1時間30分。

 公演初日前に全席完売。キャパが小さい劇場とはいえ大人気ですね~。当日券あり。

 ポストパフォーマンストークにゲスト出演した徳永京子さん(演劇ジャーナリスト)の感想ツイート⇒
 ⇒CoRich舞台芸術!『あなたの部品リライト

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 二度目の東京オリンピックを半年後に控えた冬の日。
 片足の無いランナー(菅野貴夫)や、上半身の爛れた歌手(金子久美)が通うリハビリ施設に
 両手両足を失った自衛官(横道毅)がやって来る。
 彼は、自分をもう一度戦場で戦えるようにしてくれと
 義肢装具士(酒巻誉洋)に依頼する―――。
 ≪ここまで≫

 舞台は近未来の日本。腕利きの義肢装具士・西村のもとに新しい体を求める患者たちが集まってきます。
 自分の体を再生できるだけでなく、好きなようにグレードアップできることで、人間とは、自分とは何なのかと問わざるを得ない状況になります。登場人物がそれぞれに自分勝手で思い込みが激しく、そのせいで心に病いを抱えています。
 ベットリ人情劇にならず、社会問題摘発劇に終わらず、装置や演技に敢えて抽象的な余白を与えることによって、演劇ならではの世界の広がりを感じられました。ストーリーが平板にならず立体化したというか。

 黒澤さんは過去に何度もこの会場で演出されていますので、演劇演出の“ルデコ職人”と呼んでもいいのではないかと思うほどに、空間の特徴を生かしていました。ただ、もう少し大きな劇場で観たかったとも思います。そうすれば照明や音響などの効果でもっと大きな作品になれたんじゃないでしょうか。

 ここからネタバレします。

 登場しない時、役者さんは舞台奥のスペースに立って待機。マネキンのようにポーズをとって静止しています。でも徐々に動き始め、隣の人に寄りかかったり、複数人で1個の生命体のようにとろけ合ったり。
 事務所の出入り口を無視した登場が面白いですね。新たな思考への扉が開きました。

 両脚が不自由な若い女性(熊川ふみ)と彼女を介護する恋人(森田祐吏)。女性は自立と、おそらく新しい出会いも視野に入れて脚を手に入れます。恋人は常に自分を頼ってくれる“障碍者”としての伴侶を欲しているため、彼女の足に細工をします。
 上半身を元通りに改造した歌手(金子久美)はストーカーに追われていると言いますが、ストーカー(木村キリコ)はその歌手の方が偽者だ、彼女が自分の顔を奪ったのだと主張。でも実は両方とも偽者でした。

 西村自身がもともと女性で、性転換手術を経て男性になっていたことがわかります。西村を演じる酒巻さんがにわかに女性めいて見えることにワクワク。恋人の女医(岡安慶子)の偏執的な愛情に納得。
 片足が不自由な助手(田渕彰展)が去り、“(いろんな意味で)雑”な西村が一人になって事務所を片付ける場面で終幕。「変化した」ということなんだろうと思いました。

 「膣」の扱いは面白かったけど、目のやり場に困ったなー(笑)。ダッチワイフのそれですよね、たぶん。着脱可能な部品。
 「人間離れした義肢の装着が許可されたので、パラリンピックは障碍者のスポーツの祭典ではなくなり、怪物ばかりが出てくるようになる」という設定。次回作「パラリンピックレコード(仮)」(2011年4月@シアタートラム)と関係あるのかな~。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ メモ程度の記録です。
 出演:大塩哲史 黒澤世莉 徳永京子

 徳永さんの冴え渡る分析に目からうろこ落ちまくり。舞台奥にいた人々の動きは、義肢装具士の気持ちの変化を表していたとのこと。
 脚本の大塩さんと演出の黒澤さんの間では色んなバトルがあったようで、それがお互いの新しい世界を拓いたのだから、有意義でハッピーなコラボレーションですよね。
 「セックスは前戯、挿入、射精ですから」とスッパリ言い切った大塩さんは、理系頭だからというだけではすまされない面白さ(笑)。

出演:森田祐吏 岡安慶子 田渕彰展 帯金ゆかり(以上北京蝶々) 酒巻誉洋 菅野貴夫(時間堂) 横道毅(花組芝居)  木村キリコ(ミナモザ) 熊川ふみ(範宙遊泳) 金子久美
脚本/大塩哲史 演出/黒澤世莉(時間堂) 照明・音響/北京蝶々 舞台美術/大塩哲史 舞台監督/桜井健太郎 宣伝美術/満冨優子 制作/吉田千尋 製作/北京蝶々
【発売日】2010/11/15 前売り・当日共に2,500円
「サプライズポストパフォーマンストーク」15日 徳永京子/16日昼 吉田小夏(青☆組)/16日夜 詩森ろば(風琴工房)/17日昼 中屋敷法仁(柿喰う客)
http://pekinchocho.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:56 | TrackBack

MONO『トナカイを数えたら眠れない』11/27-05座・高円寺1

 土田英生さんが作・演出・出演される京都の劇団MONO(モノ)の公演。1995年の『Holy Night』を全面的に書き換えたそうです。男性ばかりの劇団ですが、今回は2人の女優さんが客演しています。

 MONOの方々のいつもながらの微笑ましいコミュニケーションが味わえることが嬉しい。「劇団が好きでお芝居を観に行く」という幸せが、今回も味わえました。ファンからの質問に劇団員が答えるコーナーなど、公演パンフレットも毎回充実。

 ⇒CoRich舞台芸術!『トナカイを数えたら眠れない

 ≪あらすじ≫
 クリスマス・イヴ。みゆき(亀井妙子)が経営するペンションに学生時代の仲間が集まる。クリスマス反対派の彼らの毎年の恒例行事なのだ。しかし、みゆきの妹あづさ(山本麻貴)が帰省し、彼女に好意を寄せる男(奥村泰彦)が突然やってきて、想定外のハプニングが・・・。
 ≪ここまで≫

 劇場に入るなり豪華な装置にウキウキ。クリスマスを祝いたくない人たちが集まるはずなのに、上手窓の奥に大きなクリスマス・ツリーが見えるのが面白いです。ツリーを飾る電球と照明のコンビネーションが丁寧で、気分が盛り上がりました。

 ただただトランプで遊ぶ人々の、たわいないやりとりが可笑しいです。長年の友人同士ですが、徐々にそれぞれの性格や家族構成、現在の経済状況などがわかってきて、距離感が変化し、胸が痛むような対立も生まれてきます。でも、もうちょっと登場人物の背景が詳しく描かれ、関係が入り組んでくる方が、私好みかも。姉妹の確執の理由などが感じとりづらかったですね。脚本、演出のせいなのか、演技のせいなのかはわかりませんが。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 ボート部って体育会系ですよね。やっぱり男の嫉妬は怖いし、シビアだな。

 一番ゾクっと来たシーンは、妻の妹との不倫が妻にばれてしまった男(土田英生)が、あつかましく「俺、あづさちゃんだけが頼りだから」と言いよるところ。彼は無職で妻が経営するペンションで働かせてもらってるのです。無防備な状況で、ぬるっと悪意が飛び出てくるのが好き。

MONO第38回公演 ≪北九州、東京、大阪、愛知≫
出演:水沼健 奥村泰彦 尾方宣久 金替康博 土田英生 亀井妙子 山本麻貴
脚本・演出:土田英生 舞台美術 柴田隆弘 照明:葛西健一 音響:堂岡俊弘 衣裳:大野知英 [iroNic ediHt DESIGN ORCHESTRA] 大道具製作:アーティステックポイント 演出助手:磯村令子 舞台監督:松下城支 消しゴム版画とケーキ写真:ハタノワタル 宣伝写真:東直子 宣伝美術:西山英和[PROPELLER.] 制作補佐:谷井佳輔 制作:垣脇純子・本郷麻衣・田平有佳 協力: 兵庫県立ピッコロ劇団 WANDERING PARTY  radio mono 企画・製作:キューカンバー 平成22年度文化芸術振興費補助金(芸術創造活動特別推進事業) 京都芸術センター制作支援事業
【休演日】11月30日(火)【発売日】2010/10/09 一般 4,000円 U-25 3,000円(MONOのみ取扱) 高校生以下 1,500円(MONOのみ取扱) ※初日割引・平日昼割 3,500円(MONOのみ取扱)
http://www.c-mono.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

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