パントマイマー、振付家、演出家の小野寺修二さん率いるカンパニーデラシネラ。新作『異邦人』が高知で創作され、東京にやってきました。
千秋楽にすべりこみ、めっちゃくちゃ楽しくって、感動して、早く観に行ってメルマガ号外を出せば良かった…としきりに後悔した帰り道でした。再演希望!またパルコ劇場でやったりしてくれないかな!!
⇒CoRich舞台芸術!『異邦人』
オープニング。下手手前に一人の男性(森川弘和)。手を動かした時点で身震いしました・・・めっちゃくちゃかっこいい!!鍛えられた体で見せる選び抜いた動作です。この瞬間に「あぁ、観に来て良かった・・・♪」としみじみ。
うだるような暑さの中の、コミカルでちょっと怖い白昼夢でした。身体表現だけでなくセリフも多く、老若男女が楽しめるパフォーマンスだったと思います。
動きはもちろん、装置、照明、音響、衣裳、ヘアメイク、小道具などのスタッフワークにも大満足。舞台装置に組み込まれた盛りだくさんの仕掛けは贅沢なイリュージョンでもあり、『異邦人』の世界そのものをあらわす演出効果にもなっていました。
小説『異邦人』はずっと昔に読んで「全然意味がわからなかった」という記憶しかなかったんですが(汗)、この舞台を観て、ああこれがあの、カミュの世界だったのだと、ものすごく気持ちよく腑に落ちました(←勝手ですが)。
風景が絵画になったり、小説が映画になったり、漫画が舞台になったり。ある作品が他の表現方法に変換(翻訳?)される時は、必然的に大きな飛躍をすることになりますが、それでももとの作品の核の部分は変わらず、もしかすると、一層その作品らしいものが生まれることがありますよね。カンパニーデラシネラ『異邦人』はまさにそれだったと思います。
検察およびインタビュアーなどを演じられた藤田桃子さん。かーわーいいーーーーーっ!!こんな声をしてらしたんだなーと、藤田さんが言葉を発する度に味わいました。オレンジがかった茶髪がマッシュルーム型にまるまっていて、それも可愛い!
≪高知、東京≫
出演: 片桐はいり 田村一行(大駱駝艦)、藤田桃子、森川弘和、菅彩夏、手代木花野、小野寺修二
原作:アルベール・カミュ/著 窪田啓作/訳『異邦人』(新潮文庫刊) 演出:小野寺修二 テキスト協力:小里清 照明:磯野眞也(アイズ) 音響:田中裕一(サウンドウエッジ) 美術:杉山至+鴉屋 小道具:高庄優子 衣装:堂本教子 舞台監督:矢島健
チケット料金:全席指定 一般前売 4,000円 当日 4,500円 学生前売 3,500円(ハイウッドにて前売のみ) 世田谷区民 3,900円(劇場チケットセンターにて前売のみ) 劇場友の会 3,800円(前売のみ)[お問合せ] ハイウッド TEL 03-3320-7217
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/10/post_199.html
http://www.onoderan.jp/website/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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