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REVIEW

2011年02月04日

万能グローブ ガラパゴスダイナモス『ひとんちで騒ぐな』02/03-06こまばアゴラ劇場

 福岡の若手人気劇団である万能グローブ ガラパゴスダイナモスが、こまばアゴラ劇場の冬のサミット2010参加作品として、初東京公演を行っています。
 ⇒毎日.jp『「舞台芸術祭「サミット」:東京初公演の「ガラパ」に注目

 作・演出(出演も)の川口大樹さんとは何度かお会いして、出演作も拝見したことがありましたが(関連エントリー⇒)、劇団公演は初見。

 とっても面白かったです!!シチュエーション・コメディーがそれほど好きではない私ですが、何度も笑わせていただきました。今後の東京公演の予定はないそうですが、そういわず、ぜひまた来て欲しいです。上演時間は約2時間弱。

 なんと開幕前に全ステージ完売・・・。当日券はわずかですが発行されるそうです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ひとんちで騒ぐな

 ≪あらすじ≫ 劇場公式サイトより
 今作は、文字通り、「家」が舞台のワンシチュエーションコメディです。
 一軒家の思いのほか複雑な構造、例えばあの部屋とこの部屋が繋がっていたり、意外なところに死角があったり・・・というような「家の構造」に重点を置いたホームコメディじゃない、家コメディ。
 家の持つ「迷路的要素」とそこから生まれるすれ違い、さらに人間関係のややこしさを盛り込んで、臨場感ある笑いに溢れた作品となっております。
 ≪ここまで≫ 

 まず2階建ての家が具象美術だったことが嬉しいですね。無造作に散らかったカラフルな小道具たちにもちゃんと仕掛けがありました。ドア、ふすま、台所、2階、柱、こたつ、ロフトなど隠れられる場所(死角)が無数にあり、出くわすはずの人々がすれ違っていきます。バッタリ会うのが面白いんですよね~。
 オチが2重、3重、多いところではそれ以上に用意されていて、最初の方で笑えなくても必ずいつか可笑しさを拾えるような手厚い脚本でした。「それはちょっと無理があるよねぇ(笑)」と思う瞬間もないわけではないのですが、そんな破綻も愛せて、一緒に楽しめます。観客の気持ちが盛り上がっていける空気を、緻密に組み上げていってくださいました。

 それにしても完売ってすごいですよねー・・・。3年前の人気作での満を時してのアゴラ・サミット参加に加え、トークゲストがとても豪華。準備が行き届いています。私はチラシのデザインがとてもいいなと思ってました。東京は公演数が多く、劇場でもらうチラシ束も膨大なので、チラシの広告力は若干小さくなっているのではないかと言われていますが、やはり威力は大きいのだなと感じました。

 ここからネタバレします。

 テレビドラマのバイトADが東京から故郷に戻り、留守の実家を勝手に使ってドラマ撮影をしようとします。留守のはずなのに住人がいたり、トイレを借りにきた他人がのさばったりするのは「なるほどね」と納得の展開なのですが、実はADの実家でさえもなかった、となるのがすごい(笑)。

 招かれざる客人側(AD、町長立候補チーム)だけでなく、住人側にも問題を抱えさせている設定がいいですね。住人女性が二股をかけており、恋人の男性2人が鉢合わせする絶体絶命の危機は、スリリングですごく滑稽。女性が2人を直接紹介せざるを得なくなり、同時に両方に「お兄ちゃん」「彼氏」と言って切り抜けたのは見事でした。

 ヘッドフォンで音楽を聴いているから物音が聞こえない、というのがまず良かったですね~。ふすまを開けて、閉めて、開けて・・・の繰り返しはわかっていても笑えるし、最後は意外性でも笑わせます。演技でしっかり笑いを成就させるのが素晴らしいです。

 東京で役者になって成功したと嘘をつくADと、町長に立候補しようとしているADの幼なじみとのドラマも1つの軸になっていました。
 「かっこ悪いことをかっこ悪いと思ってるのが、一番かっこ悪いんだよ」という名言もいただきました(笑)。

 ≪終演後のトーク≫
 出演(向かって左から):川口大樹 椎木樹人 矢ヶ部哲(エビビモpro.) 小山田壮平(andymori)

 高校時代の演劇部の仲間が再会。ガラパでは数年前からandymoriの楽曲を劇中で使用されているそうです。

第11回公演 冬のサミット2010参加作品
出演:阿部周平 椎木樹人 多田香織 どん太郎 松田裕太郎 松野尾亮 横山祐香里 川口大樹
脚本・演出:川口大樹 舞台監督:森田正憲(株式会社FGS) 演出助手:田中基康 舞台装置:中島信和(兄弟船) 舞台美術:藤紗希江 音響:大谷正幸(有限会社九州音響システム) 音響操作:辻村泰平 照明:太田勝之(有限会社SAM) 照明操作:竹内元一 映像:萱野孝幸 小道具:松田裕太郎 衣装:石山龍太郎 メイク:多田香織 宣伝美術:中村ヤスオ(WELLS FACTORY) 制作:橋本理沙 企画制作:万能グローブ ガラパゴスダイナモス/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
≪トークゲスト≫3日(木)19:30 小山田壮平(andymori)& 矢ヶ部哲(エビビモpro.)/4日(金)19:30 中島かずき(劇団☆新感線)/5日(土)14:00 徳尾浩司・篠崎友・堀田尋史(とくお組)/5日(土)19:30 土田英生(MONO)/6日(日)14:00 上田誠(ヨーロッパ企画)
【発売日】2010/12/01 一般前売2500円 一般当日2800円 東京初上陸記念、お得な2つのガラパ割!ガラパ割 前売2300円・ガラパ割 当日2500円:ガラパメンバーの平均年齢より若い「25歳以下のお客様」か、ガラパと同じ「九州出身のお客様」を特別価格でご案内します。年齢のわかるものか、九州出身だと主張できる何か(学校の卒業証書、SUGOCA、うまかっちゃん等々)をご持参ください!
http://www.galapagos-dynamos.com/index.html
http://www.agora-summit.com/2010w/lineup/bannoglobe.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2011年02月04日 11:21 | TrackBack (0)