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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2011年03月28日

【つぶやき】この震災のもとで、演劇の一観客として考えたこと

 3/22にCoRich舞台芸術!が「支払い済みのチケット代で芸術団体を支援しませんか?」という提案をしました。それを受けてNextの郡山幹生さんがコラムを書かれました。私は「CoRich舞台芸術まつり!」の審査員をさせていただいており、Nextが発行する「Choice!」でインタビュー記事を書かせていただきましたので、双方の方々と親しくさせていただいております。

 CoRich舞台芸術!のメッセージはとても嬉しかったです。震災の日以来、私はお芝居を観に行くことがあまりできない状況になっています。理由は家庭の事情など色々です。劇場に行けなくても芸術団体に具体的な支援ができる。そう考えるととてもホっとしました。また、今までおそらく誰も言ってこなかったことを言わざるを得ないと決心するほど、危機的な状況にあることを知らせてくれたことに感謝します。もちろん演劇の世界だけではなく、日本全体がそういう状況だということでしょう。
 ⇒制作者の為のニュースヘッドライン「【震災関連初】イベント会社が倒産-福岡-

 郡山さんのご意見は、一経営者としての本気が伝わってくる真摯なもので、芸術団体が経済活動をしながら、観客のことを大切に考えてくださってることがよくわかりました。最後の「目先の損失を憂うよりも、離れてしまった観客をどうやったら劇場へ呼び戻せるかに注力したい」という言葉には、本当に申し訳ない気持ちになりました。行きたくても行けないとはいえ、作り手の方々にそんな思いをさせたことが悲しいです。ごめんなさい。でも、行きたいと思っているんです、本当に!
 ※郡山さんは作り手ではありませんが、作り手の立場からのご意見と受け取りました。

 チケットの払い戻しについては今後、賛否両論だけでなく、色んな角度から新しい提案も出されていくと思います。とても好ましいことだと思います。経験したことのない災害ですから、誰もが変化せざるを得ないですよね。
 3.11以降、観客も、今まで通りには行かないと覚悟を決めていいと思います。舞台のチケットについても、観客が一歩踏み込んで考えて、複数の選択肢の中から何かを選択することが、増えていいと思います。
 ⇒河原雅彦さんのブログ「我々は試されている。

 大げさな言い方になりますが、「お金を払えば手に入る」という今の日本社会の構造が、変わる時かもしれません。私見ですが、もともと芸術は等価交換できるものではないとも思っています。
 「これから未来が変わるかもしれない、いや、自分で変えられるかもしれない」という想像力が、生まれて初めての非常時を生きる私の背中を押してくれるんじゃないか。そんな気持ちも出て来ました。
 ⇒小林弘人「日本のメディアが変わった10日間~小さなメディアの大きな力

 もともとテレビは見ませんでしたし、見るとしてもNHKだけの私は、基本的にツイッターで色々と情報収集し、勉強させていただいています。ツイッター上で知り、最近気に入っているフレーズはこんな感じです。「問題なのは不謹慎より不寛容」「必要な情報を自分が信用できる筋から集める」「自分で判断して自分で行動。誰かのせいではない」。そして「他人の考え、行動を尊重すること」。
 ⇒Togetter『NHK_PRさんは阪神・淡路大震災経験者だった』「不謹慎ならあやまります。でも不寛容とは戦います。」

 最近、気になりはじめたのは義援金への呼びかけです。義援金は寄付ですから、できる範囲でいいですし、できる人がすればいいことだと思います。「寄付しない人はダメな人」という風潮に自分が加担しないよう気をつけたいです。(⇒参考エントリー

Posted by shinobu at 2011年03月28日 13:02 | TrackBack (0)