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2011年05月31日

【稽古場情報】水天宮ピット「小スタジオ3が新たに誕生!」※内覧推奨・6~7月分は5/31より随時受付開始・8月~来年3月の選考受付期間は6/1~30

 東京芸術劇場が運営する稽古場施設「水天宮ピット」のワーク・スペース(作業室)が、新たに小スタジオ3となって貸し出されることになりました。

 小スタジオ3の利用料金は制作室付きで1日2,000円(8日以上なら長期割引あり)という低価格です。小スタジオ1・2とは仕様が異なりますので、利用前の内覧推奨です。
 ⇒小スタジオ増設のお知らせ
 ⇒フロアガイド

 2011年8月1日~31日までの利用期間について、6/1より選考受付が始まります。直近の2011年6/1~7/31については、本日5/31より随時受付が始まっています。

 下記は同施設からいただいた情報です。芸術団体の皆さんは、ぜひチェックしてください。

【小スタジオ増設のお知らせ!】

これまで作業室としてご利用いただいておりましたワーク・スペースが、皆様のご要望にお応えして
小スタジオ3として生まれ変わりました。

6月からは6つのスタジオ、3つのスペースをご提供する稽古場として、新たに頑張ってまいります!

◆小スタジオ3概要◆
本館3階に位置したスタジオです。
床面積は小スタジオ1・2(約59㎡)より一回り小さく約36㎡となっております。
利用料金は1日2,000円(8日以上のご利用で長期割引有り)です。

無料の制作室が付随しています。
本館3階に位置し、小スタジオ1・2・3で共有(仕切有)します。
制作室には冷蔵庫があり、スタジオ内へ移動も可能です。
スタジオと共にひかり電話の電話回線(個別契約)を引くことが出来ます。

床面積は約36㎡(5.7m×6.4m )高さ約3m
床面:リノリウム  駐車スペース:1台(無料)

利用料金‐1日2,000円(8日以上のご利用で長期利用割引あり)

  小スタジオ3
  詳細→http://www.geigeki.jp/suitengu/space.html

※小スタジオ1・2と仕様が異なります。ご利用前にぜひ内覧をお願い致します。

◆小スタジオ3選考受付申込について◆

◎選考受付期間:2011年6月1日(水)~6月30日(木)

◎使用期間:2011年8月1日(月)~2012年3月31日(土)

※下記の使用期間に関しては、2011年5月31日(火)から随時受付を開始します。

◎使用期間:2011年6月1日(水)~7月31日(日)

◎応募方法
  
  下記のURLから使用申請書と使用計画書をダウンロードし、ご記入ください。
  選考申込には、登録希望団体と同一名の主催公演チラシ(過去の活動実績)の提出が必要です。
  
  ※団体登録をしていない場合は団体登録申請書の提出も必要となります。
  ※各様式は水天宮ピット窓口でも配布しています。

  ダウンロードURL
  『団体登録申請書』 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/entry.doc(Word)
  『使用申請書』→http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/shinsei.doc(Word)
  『使用計画書』→http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/plan.doc(Word)

  記入例:必ず記入例をご参照ください。
  『団体登録申請書』 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/entry_ex.pdf(PDF)
  『使用申請書』記入例 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/shinsei_ex.pdf (PDF)
  『使用計画書』記入例 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/plan_ex.pdf (PDF)

ご記入いただいた書類は、水天宮ピットの窓口、または郵送にて受付致します。

 ◎提出先

  〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町18-14 水天宮ピット
  TEL:03-6661-6901


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Posted by shinobu at 14:23 | TrackBack

2011年05月27日

七里ガ浜オールスターズ『パ・ド・ドゥ』05/24-29王子小劇場

 七里ガ浜オールスターズは“赤ペン瀧川先生”としても活躍している瀧川英次さんのプロデュース・ユニットです。今回はチェルフィッチュの舞台にもよく出演される伊東沙保さんと、瀧川さんの2人芝居。『パ・ド・ドゥ』は1999年初演で、私は再演を拝見しています。演出は山本了さん(同居人)。

 この公演は「×王子小劇場(カケル・オウジショウゲキジョウ)」という企画に選ばれているんですね。王子小劇場というと最若手の新進気鋭劇団を紹介することでも有名ですが、大人が安心してじっくりと味わえるストレート・プレイを上演してくれるのもありがたいです。

 上演時間は約1時間40分だったかな?曖昧です。

 ⇒CoRich舞台芸術!『パ・ド・ドゥ』※CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫
 拘置所の接見室に来た弁護士。塀の内側から現れたのは元妻だった。弁護士は戸惑いながらも、殺人未遂事件の犯人だとされる彼女に事件当日のことを訊ねる。
 ≪ここまで≫

 劇場中央に、弁護士・名塚憲治とその元妻・日向草子が、透明パネル越しに向かい合う接見室。
 かつてともに暮らしてた男と女の戦い。接見を重ねるごとにばれる嘘と、長年秘めてた思い。可愛さあまって憎さ百倍。やっぱり面白い戯曲だと思います。お2人とも熱演でした。

 タイトルはバレエ用語のフランス語(Pas de deux:2人のステップ)。1組の男女の踊りのことです。いいタイトルですよね。開場中はバレエの超有名楽曲が流れていました。

 ここからネタバレします。

 接見室を真横から眺めるように、2方向から客席がはさみます。劇場の大きさのわりに客席数が少なくて、ガランと空いている空間が多いです。ところが開演前に一度暗転して照明がついた時には、ギュっと空間が狭くなっていました。向かい合う2人(まだ登場はしていませんが)の背中側に、大きな黒幕(計2枚)が降りてきたからです。これは気持ちよかったですね~。観客も一緒に接見室に閉じ込められたようでした。

 2人の離婚の原因は名塚の浮気。草子は別れた後も名塚のことを深く愛しており、結婚中から精神を病んでいたことがわかってきます。彼女が子供はいらないと言っていたのは、「生まれてきた子供に夫の心が奪われて、ますます自分のことを見てくれなくなると思ったから」というのが悲しい。
 草子の今の恋人(=被害者)は名塚の古くからの友人で、2人の間を取り持ってくれた人物。親友でありながら自由奔放な名塚に嫉妬していた彼は、名塚が違法スレスレ(もしかすると完全に違法)のやり方で弁護士業をやっていることを突き止めて、マスコミにばらそうとします。草子はそんな恋人を4階のベランダから突き落としました。つまり名塚を助けるためだったのですが、名塚の身辺調査を探偵に依頼していたのもまた、草子でした。背中合わせの愛憎。

 名塚は嘘ばかりついて自分を困らせる(共犯者にしたてあげる)草子の弁護を降りようとするのですが、彼女の本当の気持ちに気づいて、決心を翻します。非常に大きな変化なので、瀧川さんにはもっとフラフラに、ぐちゃぐちゃに、崩れに崩れて欲しかったな~。
 草子役の伊東さんははっきりテキパキと長いセリフを語りながら、狂気をじわじわと見せていくのがさすが。涙をぼろぼろ流して笑うところが良かった。ただ、今考えてみると、もっと可憐さやか弱さを見せても良かったんじゃないかと思います。責める方向だけでは、男は改心しづらいんじゃないかと。

 最後の最後に接見室が移動して黒幕の裏に消え、2人が楽しそうに笑い合っている場面が挿入されました。過去なのか未来なのかわかりませんが、2人が(色んな意味で)壁を越えたことを表した演出だったのでしょう。意図が少々わかりづらいので、もうちょっと長い目に時間を取っても良かったと思います。接見室がもとの位置に戻ってくるカーテンコールへの流れも、もっと密に、スマートにできるんじゃないかな。

 脚本はほぼ初演時のまま上演したようですね。若貴の話題とかって、なんだか懐かしいというより新鮮でした。1999年の日本はやっぱり今より経済的に豊かだったんだなぁ~(遠い目)。夫がちゃんと慰謝料払ってるし。妻もちゃんと就職できてプロデューサーにまでなってるし。

七里ガ浜オールスターズ×王子小劇場
出演:伊東沙保 瀧川英次(七里ガ浜オールスターズ)
脚本:飯島早苗 演出:山本了(同居人) 音楽:佐藤こうじ(Sugar Sound) 舞台協力:松本謙一郎 照明:吉村愛子(Fantasista?ish.) 工藤雅弘 音響協力:島貫聡 宣伝美術:川村文明(ねずを。) 車両:佐藤電機 仕掛人:本郷剛史 受付:大槻志保 須藤千代子 野崎恵 塩田友克
【発売日】2011/04/24 前売 2500円 当日 2700円 前半割引 2000円(5月24、25日の3公演) トリオチケット 6600円
http://blog.livedoor.jp/age_guts_go/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年05月26日

Produce lab 89 presents『官能教育 マルキ・ド・サド×松井周』05/25音楽実験室新世界

 「あなたが最もエロいと思う文学作品を、最もエロいと思う形でリーディング公演にしてください」との依頼を受けた作・演出家が、自ら出演もする『官能教育』の第一弾。松井周さんがマルキ・ド・サドのテキストを朗読劇へと構成・演出されます。出演者は松井さんとハイバイの上田遥さんのお2人です。

 松井周、全開っ!!!まさに「マツイ・ド・サド」(笑)。上演時間は約1時間20分。

 次回は6/18(土)で、構成・演出は毛皮族の江本純子さん。題材は上杉清文さんの「スイカ畑でつかまえて」です。1日2ステージのみのプラチナ・イベントですので、ぜひスケジュール帳にチェックを入れておいてください♪

 ⇒CoRich舞台芸術!『官能教育 マルキ・ド・サド×松井周

 企画タイトル「官能教育」の「官能」と「教育」の両方が組み込まれた3本立てでした。夜10時からの回に行ってよかったな~。7時半から観るには(私には)エロ度高すぎる(笑)。とはいえ笑いどころがいっぱいですから、「官能」というテーマに気負う必要はないと思います。お互いちゃんと大人ならカップルで観るのもお薦め。

 役者さんはお2人とも素晴らしかったです。あの生々しさってどうやって生み出されるんだろう・・・。その場で起こることにその場で反応するという、いわゆる俳優の作法をふまえながら、それ以上の(その範ちゅうではない)何かがあるんでしょうね。例えばある役を演じながらも、あえて俳優本人がチラチラと見え隠れするようなバランスになっていて。そこがドキドキするポイントの1つではないかと。

 松井さん凄すぎる。恥ずかしい人物をとことん恥ずかしく見せることを、楽しんでらっしゃる。上田遥さんもとっても素敵。ぽやんとした表情のしたで、実は細やかに演技をコントロールされていると思います。こういう作品を観ると、俳優とは選ばれた人がなる職業なのだと、あらためて思います。

 会場は六本木駅から徒歩8分の地下のライブハウスで、もともと自由劇場があった場所だそうです。六本木の夜にふさわしいイベントだと思います。スノッブすぎないのもいいですね。

 ここからネタバレします。タイトルは私が勝手につけたものです。

 ■ゼミ生と担当教諭

 サドを卒論のテーマに選んだ女子大生が、担当教諭の指導を受けます。女の子に猥語を言わせようと、教諭はクールを装いつつ、押したり引いたり必死。女子大生は困りに困りながら、なんとかかわそうと必死。
 読み上げられるテキストの意味を、松井さんがちょいちょい動作で表すのがホント卑猥(笑)。実は教諭は女の子のことが好きで、下手な告白もしちゃうのが痛すぎて失笑。


 ■声優オーディション

 声優未満の女の子と厳しいオーディション審査員との丁寧すぎる審査風景。
 読むテキストは無論サド。情感を込めて読むよう指導されアダルト方向へ。やがてアニメらしい萌え狙いへ。最後は2人でコラボすることになり、松井さんはテキストもサドから離れ、アムロやシンジみたくなっていく・・・ぶっ飛び度も青天井。
 マイクを使って声や音を工夫して楽しむのは、WEBラジオでもやってらっしゃいましたね。このラジオもエロくて超笑えます(ポッドキャストで通勤途中に聴くのはお薦めしません・笑)。


 ■万引き少女と書店員

 サドの本を盗もうとした女性を書店員が追求。ついには身体検査におよび・・・。この作品は台本を持たずに演技で見せてくれました。
 “スキャニング”のエロさ、ばかばかしさに爆笑。徐々に立場が逆転し、松井さんが棒や床になって上田さんがそれを踏むという、いわゆるSMプレイへと発展。松井さん楽しそうだった・・・(笑)。女王様キャラにサラリと変身する上田さんもかっこよかったです。

出演:松井周 上田遥(ハイバイ)
原作:マルキ・ド・サド『ジュスチーヌまたは美徳の不幸』『悪徳の栄え』 構成・演出:松井周 協力:野村政之 責任者:徳永京子
2500円+ドリンク代 2ステージ(入れ替え制)19:30&22:00
http://shinsekai9.jp/
http://www.producelab89.com/
http://twitter.com/producelab89


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:55 | TrackBack

城山羊の会プロデュース『メガネ夫妻のイスタンブール旅行記』05/21-31こまばアゴラ劇場

 CMディレクターの山内ケンジさんが作・演出される城山羊の会。アゴラ初進出でしょうか。上演時間は約1時間50分弱だったと思います。

 かな~りハレンチで型破りなストーリーでした(笑)。大人向けのコメディーですね。不思議な展開にたまげつつ、ワハハと気軽に大笑いしていたら、最後にストンと、「あぁ、そういうことだったのか」と腑に落ちました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『メガネ夫妻のイスタンブール旅行記

 ≪あらすじ≫
 14年間も一緒に暮らしてきた愛猫が死に、悲しみに暮れる夫婦(鈴木浩介&石橋けい)。あつかましい隣人夫婦や、人懐っこすぎる大家夫婦が2人の部屋に訪れる。
 ≪ここまで≫

 無言でいる時間が長い目に取られているので、観客は役者さんの表情や動作から意味を受け取ろうとして、集中して観ることになります。言ってることが嘘が本当かわからない、演技のさじ加減が絶妙です。

 人間が悲しみや苦しみの底に落ちたら、そのどん底をとことん味わった後に、やり場のない気持ちを発散させたり、欲望を爆発させたりしたくなるものだと思います。でも実際にそうできるかというと、恥ずかしいだろうし周囲にも迷惑ですし、難しいですよね。だからお芝居でやってくれたんだと思いました。不謹慎でハレンチで向こう見ずで型破りなことを、のびのびとやらかしてくれました。

 美術はおしゃれなアパート。上手袖の奥には玄関がある設定です。そこに向かって伸びる壁が、劇場のエレベーターがある空間に斜めに建っているのがかっこいいですね。広々として見えました。

 ここからネタバレします。大いに誤読しているかもしれません。後ほど加筆予定。2011年1月9日加筆。

 愛する猫を喪ってこの世の終わりのように絶望した気持ちを、どうしたら乗り越えられるのか。妻が次々と意味不明の行動をしていきます。猫は隣人夫婦に殺されのだと言ったり、とりあえず夫とセックスをしてみようとしたり、嘘と本音を撒き散らして、誰かれ構わず怒鳴ってみたり。

 悲しみのどん底に沈んでしまった人は「なるようになれ!」と自暴自棄になって当然だと思います。でもそんなこと、実生活ではほぼ不可能ですよね。迷惑かけますし、恥ずかしいですし。それをお芝居の中でやってみせてくれたんだと思いました。他人のせいにして当たり散らしたり、あれだけやってくれると爽快です。

 妻が毒殺した音楽評論家(古舘寛治)は焼き場でお骨になります。客人たちが消えた後、テーブルの上に残った骨壷は、おそらく猫のものでしょう。やがて夫婦が冒頭で話していた「旅行に行こう」という話題になり、終幕。
 構造としてはいわば夢落ちと言えるかもしれませんが、明快な区切りがないので曖昧なまま。全員がメガネをかけていることも、物語の抽象性を強めていると思います。急に成長してしまった山田夫妻の息子も、やはりメガネですし(笑)。

 夫婦がイスタンブールへと出発するのは3月11日。大震災の日ですよね。とっさに「ああ、この2人は成田空港にたどり着けないだろうから、飛行機には乗れないよなぁ」と思いました。でもその想像は長続きせず、「あの日に空を飛ぶのだとしたら、彼らは天国に行ったのかもしれない」と、違う方向へと思考が飛びました。あの日に亡くなった人々の、平凡な日々の喜び、悲しみをお芝居で見せて、大切な誰かが死ぬという事の、とてつもない重さ、大きさを、あらためて考えさせてくれたのだと思います。

出演:鈴木浩介 石橋けい 古舘寛治(青年団・サンプル) 岡部たかし 永井若葉(ハイバイ) 大川潤子(三条会) 本村壮平
脚本・演出:山内ケンジ 舞台監督:黒葛野繁之・森下紀彦 照明:佐藤啓 音響:藤平美保子  舞台美術:杉山至 衣裳:加藤和恵・平野里子 演出助手:岡部たかし 宣伝美術:螢光TOKYO+DESIGN BOY  イラスト:コーロキキョーコ 技術協力:鈴木健介(アゴラ企画)  制作協力:斎藤拓(アゴラ企画)  芸術監督:平田オリザ 制作プロデューサー:城島和加乃(E-Pin企画) 主催・製作:城山羊の会・(有)アゴラ企画・こまぱアゴラ劇場
【発売日】2011/04/15 チケット料金/全席自由(整理番号付):一般前売り 3,200円 /当日 3,500円
http://shiroyaginokai.com/
http://www.komaba-agora.com/line_up/2011/05/shiroyagi/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:19 | TrackBack

風琴工房『紅き深爪』05/24-29ギャラリーLE DECO 4F

 詩森ろばさんが作・演出される風琴工房の公演です。出演者は客演の方々ばかりですね。『紅き深爪』は子どもの虐待をテーマにしたある家族の物語。私は京都で一度拝見しています。終演後のトークにも惹かれ、初日に伺いました。

 登場人物が抱える問題がそれぞれに深刻で、空気も張りつめています。上演時間は約1時間と短いですが、ちょうど良かったと思えるぐらい密度高い目のお芝居でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『紅き深爪』※CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 舞台は深夜の病室。
 もう目覚めないかもしれない眠りをむさぼる一人の女と、
 それを看病する娘、睦美。

 そこに、睦美の姉である妙子、
 その夫、
 さらには睦美の夫と娘の知奈がやってくる

 一見不毛にも思える4人の会話はやがて
 姉妹がかつて女から受けた加虐の記憶へと辿りつく

 これは、
 誰がなにをしなくとも数日中には止まるはずの
 ひとりの女の呼吸をめぐる物語。
 ≪ここまで≫

 病院の個室。舞台下手側には2人掛けソファとテーブル。上手奥にカーテンに隠れた部屋があり、そこに母親が寝るベッドがあります。入院費はかなり高そうですね。
 母親の病室には娘たち(葛木英&浅野千鶴)が毎日通い、基本的には妹(浅野千鶴)が母の介護をしています。とはいえ母はずっと眠っていて、どうやらもう目覚めないらしく・・・。

 前回より面白かったです。妹の娘(小学生)を同年齢であろう子役が演じているのが良いですね。

 ここからネタバレします。

 母親による虐待のせいで自分の子供にも虐待をしてしまう妹。病室ではベッドに横たわる母親の体をつねっていました。肌にその後が残らないように、爪を深く切っています。きれいな女の姿のまま死んでいく母親をにくみ、妹は「誕生日に母を殺す」と日記に書いていました。その日記を見つけた妹の夫が、カーテンの裏でひっそりと母親を殺してしまいます。

 立派な大人が子供に暴力を振るう図を見せることで、痛々しさ、深刻さが増します。娘を虐待している妹役の浅野千鶴さんは、一見平凡で大人しそうな女性に見えます。でも・・・というところが良かった。目に見えない心の傷が、暴力や怒鳴り声になって出てしまう、そのバランスを細やかに制御されていたと思います。

 姉とその夫(佐野功)のラブシーンは至近距離で観るのもあって、かなり刺激的。でも官能的でなかったのが良かったですね。2人の関係は複雑だから、肌で愛情を確認し合うにしても欲望をむさぼるにしても、何やら不自然な、ぎくしゃくしたような空気があるのだと思います。ただ、ほんの少し形式ばった感があったのは残念。

 最後にかかった音楽は私の好みではなかったですね。無音で暗転しても良かったのではないかと思いました。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:松枝佳紀(アロッタファジャイナ 主宰/日本の問題プロデューサー) 谷賢一(DULL-COLORED POP 主宰) 詩森ろば

 谷さんが「妹の夫の方が怖いと思った。彼も狂気を抱えている」という意味のことをおっしゃっていて、同感でした。私は下手のサイド席だったので、最後に長ゼリフを言う夫の顔が全く見えなかったのですが、彼を見つめる妻(妹)の顔が見えていたので問題なかったです。

出演:浅野千鶴(味わい堂々) 葛木英(ehon) 園田裕樹(はらぺこペンギン!) 佐野功 大塚あかり(IVY アイビィーカンパニー) 横尾宏美(シアターノーチラス)女:露木友子(24日、26日昼・夜、27日、28日昼、9日夜)/中山有子(25日、29日昼)
脚本・演出:詩森ろば 演出助手:鳥越英士郎(けったマシーン) 当日運営:吉田仁美(クロカミショウネン18) 企画製作:ウィンディハープオフィス
【発売日】2011/04/02 日時・エリア指定 (劇場の構造上見やすさに多少の差がございます。予約の早いお客さまから見やすいお席にご案内いたします。) 一般 2500円 当日 2800円 障碍 1500円
http://windyharp.org/tsume/index.htm

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:44 | TrackBack

2011年05月22日

趣向『解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話』05/21-23神奈川芸術劇場・大スタジオ

 オノマリコさんの戯曲を時間堂の黒澤世莉さんが演出されます。ご縁があって脚本を先に読ませていただいていました。実話をもとにした物語です。出演者は9人女優さん+日替わりゲスト1名。

 何もない四角いブラックボックスで、白い衣裳の“女の子”たちが短い青春を、積み重なる歴史を駆け抜けました。上演時間は約2時間強。

 ⇒東京女子大学レーモンド建築 東寮・体育館を活かす会
 ⇒CoRich舞台芸術!『解体されゆくアンントニン・レーモンド建築 旧体育館の話』※CoRichでカンタン予約!
 レビューは今のところ記録のみ。

 ≪あらすじ≫
 ある由緒ある女子大。入学してそれぞれに大学生活を謳歌する女の子たち。構内の古い建築物が取り壊されると知った哲学(サキヒナタ)は、そろりと反対運動を始める。
 ≪ここまで≫

【出演】沈黙:岩井晶子 平穏:上村正子(さいたまゴールド・シアター) 永遠:菊池美里 息吹:窪田優 飴玉:熊川ふみ(範宙遊泳) 哲学:サキヒナタ 敬虔:清水久美子 奔放:辻村優子 癇癪:米沢絵美
ゲストキャスト:5月21日18:30- 小栗剛(キコ qui-co.)/5月22日13:30- 酒巻誉洋/5月22日18:30- 山田宏平(山の手事情社)/5月23日13:30- 信國輝彦
戯曲:オノマリコ(趣向) 演出:黒澤世莉(時間堂) ドラマトゥルク:小栗剛(キコ qui-co.) 照明:和田秀憲 音響:鶴岡泰三 舞台監督:桜井健太郎 宣伝美術:杉崎壮一(FRAN) 原瑞穂 衣裳:富永美夏 演出助手:原田優理子(トリのマーク) asami 制作:浅見絵梨子 企画:趣向企画班(オノマリコ 岩井晶子 佐々木啓成 米沢絵美)
【発売日】2011/04/21 前売:2800円 当日:3000円 学生:2000円(要予約)
http://shukoushuko.blog48.fc2.com/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:13 | TrackBack

冨士山アネット『家族の証明∴ JAPAN TOUR 2011』5/11-15アトリエヘリコプター

 冨士山アネットは長谷川寧さんが脚本・演出・振付を手掛けるカンパニーです。台本をもとに無言の身体表現にしていく手法で、テアタータンツと呼んでいるそうです。※ピナ・バウシュは「タンツテアター(Tanztheater)=舞踊劇団」 ⇒2008年の稽古場レポート

 劇場に入って装置を目にするなり「ドイツ演劇みたい!」と思いました。上演時間は約1時間。

 ⇒冨士山アネット『家族の証明∴』、福岡公演レポート。
 ⇒CoRich舞台芸術!『家族の証明∴

 父、母、兄、姉、弟の5人家族の日常を描いたパフォーマンス。ほぼ無言なのでストーリーははっきりとはわかりません。でも彼らが家族で、どんな問題を抱えているのかは具体的に示してくれますので難解さはありませんでした(意味がわかってないだけかもしれませんが)。ダンスや演劇鑑賞の初心者が観ても、率直に面白さを受け取れる舞台だったと思います。

 私はやはり、アクロバティックで素早くて、少しのミスも許されないようなコンビネーションが好き。イスとテーブルを使う場面はスリリング!緻密な稽古を積んでこその成果を見せていただけたと思います。

 ただ、「面白い」「凄い」「楽しい」「わくわくする」といった見どころの、その上にある何か、例えば視点や主張を提示してもいいのではないかと思いました(既に示されているのでしたら、私が読めていないだけです)。空間がドイツ演劇みたいに見えたからでしょうね。

 ここからネタバレします。
 
 オープニングで、子供たちが生まれる場面が良かった!夫婦で1人ずつ持ち上げて、生み落としていく体勢がヤバイ(笑)。お母さんの腰は大丈夫かしら?!って心配になるぐらい。

 最後にBeatlesの"All You Need Is Love"がかかりました。それが政治的というか、何か社会的なメッセージにつながるような気がしたんですよね。最初の旋律がフランス国歌だからかもしれませんが。そうなって欲しいという思いが私の中にあるのだと思います。

≪東京ワークインプログレス、大阪、福岡、東京≫
[choreography&cast] 大園康司 伊藤麻希 玉井勝教 石本華江(妄人文明) 長谷川寧 ※出演者一部変更のお知らせ 本公演出演予定の小林由佳(She de cusu oh chee!)は、怪我により出演が困難になりました。代わって石本華江(妄人文明)が出演致します。
作・演出・振付:長谷川寧 音楽監督:吉田隆弘 音楽:フジモトヨシタカ(ar) 衣裳:生田志織 舞台監督:中西隆雄 照明:奥田賢太(colore) 映像:浦島啓(PUREDUST) 音響:和田匡史 美術:大泉七奈子 イラストレーション:東村アキコ 宣伝写真:生井秀樹 松本和幸 宣伝美術:太田創(01 Ga graphics) 制作:清水美里+冨士山家 共催:(財)福岡市文化芸術振興財団(福岡公演) 主催:冨士山アネット 大阪市(大阪公演)
【発売日】2011/03/19[料金] 前売2,800円 当日3,000円(全席自由)
http://fannette.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:39 | TrackBack

ナイロン100℃『黒い十人の女~version100℃~』05/20-06/12青山円形劇場

 市川崑監督の同名映画をケラリーノ・サンドロヴィッチさんが舞台化。私は映画は未見です。ケラさんのツイートによると台本はかなり変わっているようです。

 青山円形劇場にNylon100℃の劇団員と客演4人の役者さんがズラリ。劇団公演ならではのキャストの多さですよね。今や共演してることが豪華といえるナイロン100℃の俳優を、近い距離で観られる贅沢。学生割引券4,300円(ぴあの前売り券のみ)もありますよ~。

 上演時間は約3時間(途中休憩10分を含む)。青山円形劇場のイスで3時間はちょっとキツかったな~。休憩時間は席を立ってロビー周遊がオススメです。

黒い十人の女 [DVD]
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角川ヘラルド映画 (2007-01-26)
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 ⇒CoRich舞台芸術!『黒い十人の女~version100℃~

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 TVプロデューサーの風松吉は、9人もの愛人を持っていた。妻の双葉はそんな夫を諦めてレストラン経営で淋しい気持ちを紛らわしていた。愛人たちはお互いの存在をそれとなく知っており、風が浮気者であるという事も重々承知しているものの、何故か風から離れられないでいた。女たちは「風がポックリ死ねばよい」「風を誰か殺してくれないかしら」と口々に言うのだった。そんな話を耳にした風が思い悩んだ末の相談相手は、妻の双葉だった。そこで妻が立てた計画とは…。
 ≪ここまで≫

 なぜかモテまくるテレビ局のプロデューサー風(かぜ)をみのすけさんが演じます。彼の妻および愛人たちを演じる女優陣が、次々と衣装を着替えて登場するのは眼福!着物、スーツ、ワンピース♪60年代風のレトロなファッションで、ヘアメイクも凝っています。
 演技スペースは完全円形+α。一部分客席をつぶして、四角い窓がいっぱいのビルが建っています。ビルには階段があり2階レベルのロフトでも演技をします。ハルディン・ホテルのチラシを思い出しました。モノクロの映像がかっこい~。

 今回、一番わくわくしたのは群舞(と言っていいのかな)でした。すれ違ったりぶつかったりつながったりする体がスリリングで美しい上に、無言でも人物の関係性が立体になって見えてくるのです。さすがは小野寺修二さんの振付ですね。
 何もない舞台に小さな箱や机、稼動式のカウンターやドアなどが続々と運び込まれ、その動作にも振付がほどこされていました。演技者と転換要員が息を合わせて空間を作っていくのが面白いです。イスを動かす人もちゃんと場面ごとに衣装を変えていて感心。ただ、回り舞台の効果はもっと上げられるんじゃないかなと思いました(私が方法を提案できるわけじゃないですが)。

 普段、「こんな女がなぜモテる?」と女の私が思うことはあります(←ただのひがみかも)。きっと風(みのすけ)は男性から見てそういう人物でしょう。でも「この人、実際にいたらモテるだろうな~・・・」と私は思いました。テレビのプロデューサーへのあこがれや打算もあるでしょうけど、女性はさらっとすかされる冷たさや意外な優しさに翻弄されるんですよね。絶妙な飴とムチと言いましょうか。「あ、もしかしてこの人、私のこと(だけ)を好きなのかも・・・」と思わせられてしまう、そういう塩梅のあしらい方があるんだと思います。お父さんのような包容力を見せたかと思いきや、いきなり強引に抱き寄せる、でも数時間ですぐにバイバイみたいな。みのすけさん、凄いなと思いました。

 女たちの企みがどうやって成就するのか、プレイボーイの風は果たして観念するのか。ストーリーに引き込まれなかったわけではないですが、結末の意味はあまり理解できなかったかも。男と女の終わりなき戦い、なのかな。

 先輩女優役の松永玲子さんがかっこ良かったです。衣装もヘアスタイルも良かったな~。ある場面での松永さんの表情にぞくぞくしました。これは席によりますね。

 ここからネタバレします。

 妻に射殺されたはずの風が実は生きていたと知った9人の愛人は、復讐をするために彼を別荘に監禁します。会社をクビになった風は覇気をなくし、いじめ甲斐がなくなったと嘆く女たち。実は風はまだ懲りておらず、新たな女(奥村佳恵)を見つけてご執心ですが、その女にものの見事に振られて(おそらく)発狂します。「また全員と関係を持って俺の子を生ませてやる。子供が生まれたら俺への興味は失せるだろうが、子供はつまり俺なのだ」と豪語する風。10人の女は彼を囲んで馬鹿にしたように高笑いします。

 印刷会社の社長(村岡希美)は風が死んだと思い込み、射殺事件の翌日に後追い自殺をしました。幽霊となって風のそばにいて、最後の最後まで彼に優しく接します。そういえば子供がいるのは彼女だけですね。

36th SESSION
出演:峯村リエ 松永玲子 村岡希美 新谷真弓 植木夏十 安澤千草 皆戸麻衣 菊池明明 廣川三憲 藤田秀世 吉増裕士 眼鏡太郎 小園茉奈 木乃江祐希 白石廿日 水野小論 野部青年 森田甘路 みのすけ 中越典子 小林高鹿 奥村佳恵 緒川たまき
※出演を予定しておりましたナイロン100℃劇団員、猪俣三四郎は急病のため降板し、代役を同じく劇団員の野部青年が務めます。予めご了承ください
オリジナル脚本:和田夏十(映画『黒い十人の女』市川崑監督) 上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ 振付:小野寺修二 美術:BOKETA 照明:関口裕二(balance,lnc.DESIGN) 音響:水越佳一〔モックサウンド〕 映像:上田大樹(&FICTION!) 衣裳:三大寺志保美 ヘアメイク:武井優子 演出助手:相田剛志 舞台監督:宇佐美雅人(バックステージ) 演出部:松弁啓悟 阿久津由美(バックステージ) 照明操作:瀬戸あずさ(balance,inc.DESIGN) 音響操作:佐藤こうじ(SugarSound) 歌唱指導:安澤千草 切り絵:古屋あきさ 大道具:櫻井敏郎(C-COM舞台装置) 唐崎修(smllestage) 振付助手:藤田桃子 江角由加 映像助手:大鹿奈穂 横山翼 小林妙子 衣裳進行:畑久美子 松本ますみ 台本進行:陶山池乃 記録スチール:引地信彦 舞台協力:株式会社STAGE DOCTOR (福澤論志) 大道具製作:C-COM舞台装置 テルミック 美術工房拓人 小道具:吉坂隆(高津映画装飾) 小道具製作:酒井ちはる(バックステージ) 衣裳製作:三業工房 映像協力:インターナショナルクリエイティブ 衣裳協力:東京衣裳 運搬:マイド 宣伝美術:横須賀拓 佐久間りさ 宣伝写真:平野太呂 宣伝ヘアメイク:山本絵里子 浅沼靖 杉村千春 プロデューサー:高橋典子 制作:前田優希 佐々木悠 北里美織子 川上雄―郎 仲谷正資 制作協力:馬場順子 永田聖子 広報宣伝:米田律子 太齋志保 製作:北牧裕幸 主催:キュープ 文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業) 企画・製作:シリーウォーク キュープ
【休演日】5/23,30 6/6【発売日】2011/03/26 6,900円(前売・当日共/全席指定/税込) 学生割引券 4,300円(前売のみ/税込/チケットぴあ のみ)
http://sillywalk.com/nylon
http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/nylon36th.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 13:19 | TrackBack

2011年05月20日

森崎事務所M&Oplaysプロデュース『鎌塚氏、放り投げる』05/12-22本多劇場

 ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕さんの新作に三宅弘城さん、ともさかりえさん、片桐仁さんらが出演するプロデュース公演。倉持作品にしてはわかりやすく、コメディー色を前面に出した舞台でした。上演時間は約2時間10分。

 そこかしこに問題が散らばっていくドタバタコメディーです。楽しく明るく笑う要素が盛りだくさんながら、今の日本に重なるところも多く、最後の収束が見事!

 ⇒野上瑠美子さんによる舞台レポート(舞台写真あり)
 ⇒CoRich舞台芸術!『鎌塚氏、放り投げる

 ≪あらすじ≫
 病に倒れた父の代わりに伯爵家にやってきた執事・鎌塚アカシ(三宅弘城)は、5年前にある屋敷でともに働いていた女中(ともさかりえ)と再会する。相変わらずウマが合わない。伯爵(大河内浩)から依頼された初仕事は、客人夫婦(片桐仁&広岡由里子)を落とし入れる方法を考えろというものだった。
 ≪ここまで≫

 おとぎ話のお城の中のような装置。壁にドアやレンガ(石垣?)の絵が描かれているので、絵本の世界のよう。

 伯爵が伯爵らしからぬ命令をし、執事は執事らしからぬ仕事をし、客人夫婦は夫婦らしからぬ行動に出て・・・。

 ここからネタバレします。

 鎌塚さんがヘッドフォンで聴いていたのはEPOの「DOWN TOWN」。若い方は知らないでしょうね。長年信じてきた常識の中で夢を見て、それに縛られてきた執事。ラジカセにCDを入れて音楽を聴くことがこれほど懐かしい風景になっていることに、自分でも驚きました。

 皆が自分の気持ちに耳を澄まし、勇気を出して心に従って行動をしたら、全てが驚くほどうまくいって丸く収まる、いや、それどころか想像以上にハッピーになるという結末。こんなに見事に収まるなんて!最後に鎌塚さんが放り投げたモノもコトも両方素敵!

 ≪アフタートークショー≫
 出演:倉持裕、三宅弘城、ともさかりえ、玉置孝匡 司会:徳永京子

 徳永「今回は珍しくわかりやすいコメディーでしたね。」
 倉持「プロデューサーとコメディーをやりたいと話していて。自分のレパートリーを増やしたいという思いもあった。」

 倉持さんの役名を探す方法に驚きました。なるほど~。
 玉置さんが三宅さんのご要望で映画「プロジェクトA」の歌を披露。ありがとうございました!
 片桐仁さんと広岡由里子さんも諸事情により(笑)ちょこっと顔を出されました。

≪東京、大阪、三重、島根≫
【出演】鎌塚アカシ:三宅弘城 上見ケシキ:ともさかりえ 堂田テルミツ:片桐仁 堂田タヅル:広岡由里子 宇佐スミキチ:玉置孝匡 羽島オトネ:佐藤直子 羽島キシロウ:大河内浩
作・演出:倉持裕/美術:中根聡子/照明:宮野和夫/音響:高塩顕/舞台監督:幸光順平/衣裳:戸田京子/ヘアメイク:大和田一美/演出助手:山田美紀/演出部:佐藤昭子、村上勇作/照明オペレーター:廣井実/衣裳助手:胡桃澤真理/衣裳製作:伊澤潤子、金子通代、梅田和加子/制作助手:土井さや佳/制作デスク:大島さつき/制作協力:Little giants/制作&プロデューサー:大矢亜由美/宣伝美術:坂村健次(C2design)/宣伝写真:江隈麗志(Youth)/宣伝スタイリスト:関けいこ/宣伝ヘアメイク:大和田一美(APERA)/助成:文化芸術振興費補助金 主催:㈱森崎事務所M&Oplays
前売り¥6,000/当日¥6,300(全席指定・税込み)※各回開場は開演の30分前 未就学児童はご入場できません。
http://www.morisk.com/plays/kura11/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:39 | TrackBack

2011年05月18日

【情報】東電福島原発事故による被ばくについて(福島、栃木、茨城、群馬、埼玉、東京のほぼ全域)

 「しのぶの演劇レビュー」は演劇を中心に芸術関係のことを発信するサイトとして運営してきましたが、今回は自宅で加工した画像をご覧いただきたく、例外的にこのエントリーを書かせていただきます。

 【1】「WSPEEDI」3月15日被ばく予測 ⇒WSPEEDIとは
 【2】神奈川・東京・千葉・茨城放射線量測定マップ(4/29-5/16) 

 下記は【1】に都道府県の境目の線を入れた画像です。勝手ながら加工させていただきました。
20110315_WSPEEDI.jpg

 福島、栃木、茨城、群馬、埼玉、東京のほぼ全域、新潟、長野、山梨、千葉、神奈川、静岡にも放射性物質が飛散しただろうことがわかります。

 【2】はぜひ地図を拡大してご覧ください。青色でも0.10~0.14マイクロシーベルト/時ですから、内部被ばくを計算に入れずに1ミリシーベルト/年の基準ぎりぎりです。測定者さんのサイト⇒RadioisotopeWeb


 ※3月15日に日本原子力研究開発機構が発表したPDFもあります。
  ⇒WSPEEDI-IIによる放射能拡散予測結果PDF

Posted by shinobu at 21:51 | TrackBack

2011年05月15日

イキウメ『散歩する侵略者』05/13-29シアタートラム

 前川知大さんが作・演出される劇団イキウメの代表作の再々演です。初演プロデュース公演再演を数えると、『散歩する侵略者』を観るのは今回が4度目。キャスト、演出ともに刷新され、脚本も改訂されていました。上演時間は約2時間。

 じわじわと静かに侵食するように進み、(おそらくあえて)平面的につくられた劇世界。最後は目には見えないものの力によって縦のラインが現れて、突然ぐっと立体化したように感じました。長い暗転の間、絶望するしかない状況で起こった、ひとつの小さな奇跡をかみしめました。

 ⇒東京新聞『「危機感に現実味を」震災後、演劇の意味自問 台本書き換え 舞台「散歩する侵略者」劇作家 前川知大
 ⇒神奈川のプレビュー公演を芸術監督の宮本亜門さんが絶賛
 ⇒前川さんは昨年の『プランクトンの踊り場』で鶴屋南北戯曲賞を受賞。

 前川さんご自身による小説『散歩する侵略者』↓も販売されています。

散歩する侵略者 (ダヴィンチブックス)
前川知大
メディアファクトリー
売り上げランキング: 15337

 ⇒CoRich舞台芸術!『散歩する侵略者
 レビューは短めです。

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 地球侵略会議はファミレスで

 日本海に面した小さな港町。
 大陸に近いこの町には同盟国の大規模な基地がある。
 この国にとって戦略的に重要な土地だ。
 加瀬真治は、地元の夏祭が終わると性格が一変していた。
 今までの記憶を失くし、町の徘徊を始める真治。
 夫を介護しなければならなくなった妻の鳴海は、新しい生活に戸惑う。
 町に事件が起きる。
 それは老婆が息子一家を刺殺した後、自殺するという凄惨なものだった。
 同じ頃、海岸線では町の人々が奇妙な光を見る。
 そして、真治は鳴海に告白をする…。
 ≪ここまで≫

 灰色、白で統一され、隔たりのない空間。かなりストイックなつくり。

 ここからネタバレします。

 静かに始まるオープニングが良かった~。

 窪田道聡さん(真治)と伊勢佳世さん(鳴海)という若い“夫婦”に合わせてラストが大幅に書き換えられていたようです。とても良かったです。なくてもいいのではと思っていた前までのラストシーンがなくなっていました。
 鳴海(人間)から「愛」をもらってしまい、慟哭する真治(宇宙人)。侵略する側だったはずの真治ですが、「それが、今はもう、よくわからないんだ」とうっすら笑みを浮かべてポツリともらします。宇宙人が人間を愛しはじめてしまう、とてもロマンティックな奇跡。鳴海は彼の愛をもう受け取れないだろうし、地球はきっと一瞬で侵略されるだろうけど、「愛」の姿を見た感動は本物でした。長い暗転も良かった。

≪神奈川、東京、大阪、福岡≫
出演:浜田信也、盛隆二、岩本幸子、伊勢佳世、森下創、窪田道聡、大窪人衛、加茂杏子、安井順平
脚本・演出:前川知大 舞台監督:谷澤拓巳 / 美術:土岐研一 / 照明:松本大介 / 音楽:かみむら周平 /音響:鏑木知宏 /衣装:今村あずさ / ヘアメイク:西川直子 / 演出助手:石内エイコ / 演出部:棚瀬巧 /制作:中島隆裕 吉田直美/ 宣伝美術:鈴木成一デザイン室 / 宣伝写真:高橋和海/ 舞台写真:田中亜紀 主催:イキウメ/エッチビイ(東京・大阪・北九州)、神奈川芸術劇場(横浜)、財団法人水戸市芸術振興財団(水戸) 提携:財団法人せたがや文化財団 世田谷パブリックシアター(東京)、北九州芸術劇場(北九州) 後援:世田谷区 TOKYO FM(東京) 運営協力:サンライズプロモーション東京(東京)、サンライズプロモーション大阪(大阪) 提携:財団法人せたがや文化財団 世田谷パブリックシアター 後援:世田谷区 TOKYO FM 運営協力:サンライズプロモーション東京 主催:イキウメ/エッチビイ
【発売日】2011/04/02 一般 前売4,000円 当日4,200円 (全席指定・税込)
http://www.ikiume.jp/

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Posted by shinobu at 21:50 | TrackBack

2011年05月12日

ガラス玉遊戯『わたしのゆめ』05/11-15「劇」小劇場

 ガラス玉遊戯は大橋秀和さんが作・演出・主宰される劇団です。私は初見。

 劇評サイトwonderlandの「クロスレビュー・挑戦編」に選ばれ、評者として私をご指名いただいたので拝見しました。後日、5つ星評価付きの400字レビューを書きます。⇒掲載されました(5/18加筆)。

 『わたしのゆめ』の上演時間は約1時間30分。このエントリーは記録のみです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『わたしのゆめ』※CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 とある小学生の保護者会。
 子供たちが課外授業に呼んでほしい職業ナンバー1に選んだのは、キャバジョー。
 保護者は「呼ぶ派」「呼ばない派」に分かれて喧々諤々、なかなか結論がでない。
 そこにキャバクラで働く母親がやってきて・・・。
 ≪ここまで≫


出演:龍田知美(キャバ嬢) / 櫻井幸瑠(ローソン店長) / 齋藤友恵(会計事務所職員) / 山口真由子(新米教師・トイレ先生) / 与古田千晃(教師志望の女子大生) / 金井千佳(メガネをかけた母親) / 星野恵亮(Nの2乗)(男性教師) / つついきえ(ボクキエダモノ) (大工の妻)/ 村上亜利沙(タバコを吸う母親) / ヲギサトシ(教頭)
脚本・演出:大橋秀和 舞台監督:本郷剛史 音響:高沼薫 照明:工藤雅弘 照明操作:横井佑輔 舞台美術:坂本遼 宣伝美術:南裕子 舞台写真:キバジュンイチロウ 制作協力:井上恵子 荻沼恵 制作:はっとりとみえ 鈴木佳代
【発売日】2011/04/15 前売 3000円 当日券 3300円 ☆12日(木)19:30の回のみ、レディースデー 女性の方は、前売・当日共に、2500円!!※劇団窓口取扱いのみ
http://www.garadama.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:13 | TrackBack

【レポート】シアターアーツ「劇評講座 Vol.6『公開フォーラム 震災後の演劇を語る』」05/08三軒茶屋キャロットタワ―4階ワークショップルーム

 今回のシアターアーツ劇評講座のテーマは「震災後の演劇を語る」。仙台で活動する劇作家・演出家の石川裕人さん(TheatreGroup"OCT/PASS)、劇作家・演出家の永井愛さん(二兎社)、日本経済新聞記者の内田洋一さんを迎え、劇評家の西堂行人さんが進行されました。

 今回の大震災の被災状況は非常に深刻で、阪神・淡路大震災と比較できるものでもないということが、実際に被災地に行かれた方々の生の声でよくわかりました。
 石川さんが「今後、東北から生まれる芝居に注目してください」とおっしゃってくださり、3月11日を境に切り裂かれた時間がつながったように感じました。そして「Art Revival Connection TOHOKU」(ARC>T/アルクト)が既に実績をあげていることに感動しました。ありがとうございました。

 阪神・淡路大震災の被災者でもある内田さんは「阪神大震災は演劇を変えるか」↓を出版されています。

阪神大震災は演劇を変えるか

晩成書房
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 永井さんは6月3日(金)に原発関連戯曲のリーディング公演を演出されます。
 ●非戦を選ぶ演劇人の会有志unitチワワ チャリティーリーディング
  「それゆけ安全マン!?~レントゲン・チェルノブイリ・フクシマ~
  日時:2011年6月3日(金)15時、19時開演。
  会場:笹塚ファクトリー
  作:相馬杜宇/清水弥生 演出:永井愛

 「悲劇喜劇2011年06月号」は震災特集です。

 下記に私がメモしたことをまとめました。全体の4分の1以下ぐらいの内容だと思います。解釈や意味を間違っている可能性はあります。
 シアターアーツ最新号に前回の記録が掲載されましたので、きっと今回は次号も載ると思います。

 ■仙台の現在の様子
 石川:宮城の沿岸地域に行ってみたけれど、町が壊滅しているような状態。公演が中止・延期され、役者も舞台スタッフも職を失った。何より劇場が壊滅状態。天井が落ちたりスプリンクラーがまわって水が撒かれたり。観客の安全を確保できない。仙台では劇団も演劇人も動き出していない。個人的には本を読むのも無理。映画も芝居も観たくない日々。今も芝居で何ができるのかわからない。


 ■4トントラックで被災地に行き、子供向け短編芝居を上演(キャラバン「夢トラック劇場」)
 石川:震災の日から2週間後に演劇人が集まって、そこからアルクトが誕生した。Save the Children Japanという組織からアルクトに、被災地で子供のためのお芝居をしないかという話が来た。私は被災地をめぐりたかった(だから引き受けた)。宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」を30分間の5人芝居に書きかえて、1週間の稽古をして作った。子供が休みになるゴールデンウィークに4トントラックで被災地に持っていった。陸前高田で上演する時は遠野の宿舎を拠点にした。
 無印良品のイスづくりワークショップとセットになっており、13時から1時間で子供たちは紙製のイスをつくる。その後14時から30分の芝居を観る。そして子供たちにプレゼントをあげる。子供たちは真剣に観てくれた。場所はショッピングタウンや避難所の近くにある体育館など。避難所に入ってやるというのは聞いたことがない。今、乱暴に避難所の中に入って行って芝居をやるのは無理。大人向けは難しい。避難所による。険悪なムードの避難所もあるし、わきあいあいとしてる避難所もある。リーダーの性格による(永井さんも同意見)。代表者とうまく付き合いをしないとだめ。今後、仮設住宅に集会所も作るなら、そこに行けるかもしれない。


 ■阪神淡路大震災より深刻
 内田:阪神淡路大震災(以下、阪神)と比べようとしても、現地を見たら内容も規模もかなり違う。コミュニティーごとなくなっていたりする。被害を受けたのは海岸で都市部ではないし、広域。原発の危機も続いている。阪神は局所的に襲った地震だったから今回の方がより深刻。比較して語れない。たとえば南三陸町は地震で半分がなくなった。なくなった町をゼロから作るとしても、建物を建てたりするだけでなく、文化の記憶の復興を考えないと、人は生きていけないのではないか。

 内田:私は阪神の復興が早かったとは思っていない。神戸は地域のつながりが大きかったから、避難所をくじ引きで決めるなどのお役所仕事のせいで、コミュニティーがばらばらにされた。弱者優先の考えで年寄りから順番に決まり、ある避難所は老人しかいないとか。新潟県中越地震では改善が見られた。今回ももちろん改善されるべき。小さい漁業の町が多数被災しているのだから、注意深くしなければ。ただモノを収容するようにハコを作って人を入れてはだめ。人間的なうるおいを作らないと。たとえば被災者は花を活けるといった行為をなかなかできるようになれない。再建のプロセスにおいて文化の力は大きい。最初の一歩を築けるかもしれない。

 内田:私の経験上、マスコミは2ヶ月で飽きる。体制的にそうなる。「一日も早い復興を」と言ってるうちに、言ってる側が復興した気になる。だから現場とは時差がある。今、仙台でちょっと酒を飲んでも、「オートバイで子供を助けたが、親は置いてきてしまった」とか、そんな話がごろごろしている。しゃべればしゃべるほど傷つく。だから(首都圏や被害の少なかった地域から)被災地に行くだけでも「忘れられてなかった」(と思ってもらえる)という効果はある。そんな意識をもった演劇人がいれば、なんとかなるのではないか。それを東京がバックアップすればいい。


 ■弱者が取り残されていく
 西堂:大阪の西成で10mごとに募金箱(に順ずるもの?)が設置されていた。西成(釜ヶ崎)というと西日本最大のよせ場。日雇い労働者の町。この震災にいち早く反応している。今後、故郷に戻れない避難民がどこに行き着くのか、直感的に察知したのではないか。『焼肉ドラゴン』でも「不承不承生きてる」というセリフがあった。それは難民の言葉。いずれ文化的問題を引き連れてくる。

 内田:弱者が取り残されていくだろう。たとえば罹災証明の字が書けない人とか。今まで隠されていた負の部分が一気に噴き出すのが災害。徐々に見えてくる。


 ■震災で変わる演劇
 内田:シアターコクーン『たいこどんどん』は東北の各地を転々と流浪する物語で、(ネタバレになるが)津波を思わせるラストシーンだった。震災前と後では観る側の感覚に相違がある。新国立劇場の『ゴドーを待ちながら』は震災後の祈りが塗り重ねられている。ノダマップの『南へ』は観客の危機感を吸って舞台が生々しいものに変化した。規模は違うが阪神でもそういうことはあった。地震や災害は「主語」にならない。受け止める側が変わるから。観客や作り手の意識、認識が変わるから舞台も違うものになる。松田正隆の『蝶のやうな私の郷愁』は長崎の大水害を描いている。夫を失った妻は最後は泣き叫ばず、ただせんべいをかじる音を響かせる。巨大な災害に遭うと、人は泣いたりわめいたりしない。たんたんと生きる。演劇が現地で何ができるのか、今は材料も少ないのでわからない。


 ■二兎社『シングルマザーズ』は土日の4ステージを中止
 永井:東京都の要請で『シングルマザーズ』を4ステージ休演し、800人の観客を失った。点検のための中止になったが、点検は一晩でできたはず。劇団はチケットの振り替え作業が大変で、チケット収入、作業時間、電話代なども含めて大きな損害が出た。なのに都も財団も「天災なので保証する必要ない」と通達。年度末なので予算が取れないとか。腹を割った協議もなかった。中止する公演が続く中で野田(秀樹)さんの提言には励まされた。

 西堂:震災が起こったときは演劇人も、「今こそ演劇を」という人と、「芝居をやる気になれない」という人(例:仲代達也氏)と、いろいろだった。私は対応が先走りすぎていないかとも思った。

 永井:私はとにかく幕を開けたいと思っていた。必死で作ったものを見せたい。観てくれるお客さんが減ってしまうのがとにかく悲しい。理屈を超えた私のエゴだろう。だから幕を開けさせまいとする力が、信じられなかった。私を殺す気かと思った。

 西堂:自分のためにやるのが大事。たとえばボランティアでも。自分のためにやることが他人を必要とし、たくさん他人が集まると自分以上の力が発揮できる(それが演劇でもある)。


 ■えずこホールでの『シングルマザーズ』無料公演
 永井:4月12日に仙台のえずこホールで『シングルマザーズ』無料公演を実施した。東京公演終了後すぐにえずこホールに向かい、劇場の安全を確認。えずこホールは福島第一原発から75kmのところ。劇場に着くなり「マスクをつけてください!ここは東京よりも線量が何倍も高いです」と言われた。劇場の人に車で沿岸地域に連れて行ってもらった。ある道路を境に驚くべき光景が広がった。家の窓とドアに2つの船が突っ込んでいたり。今までに観たことのない景色。それで気持ちは決まった。劇場主催公演だが二兎社は上演料をいただかないと。すると劇場もチケット代を取らないとおっしゃった。すでに300枚売れていたが、劇場受付で現金でお返しした。
 4月12日には東北新幹線は部分的に復帰していた。当日の朝に地震があったがすぐ復旧したので行けた。キャストにも上演前に沿岸地域を見てもらった。800席の劇場が満席だった。劇場に避難所用の往復バスを用意してもらったが、避難所から来たのは30人ぐらい。ロビーでは久々に再会した人たちが「元気だった?」「あの時どうしてた?」などと語り合っていた。忘れがたい、不思議な、経験したことのない雰囲気のロビーだった。開演前も終演後も。何らかの力をいただいたと思う。

 西堂:劇場は来ることで生きていることを確認する場。震災時のホールの対応については悲劇喜劇、シアターガイドが特集をしている。

 永井:二兎社はいつも、お芝居が終わってカーテンコールが始まると、比較的すぐに劇場のドアを開けるようにしている。どんなステージでも「つまらない!」と腹を立てている観客はいる。そういう人が我慢してカーテンコールを見ているという状況は、どうしても避けたい。だからえずこホール公演は上演中もひやひやしていた。私の公演如何ではなく、それとは関係ないところで人が集まっているのもあったから。ロビーが広場になっていた。何かのパーティーではなく、芝居を観に来て、ロビーで話すということが特別だった。独特の集まり方をしていた。


 ■アルクトの今後/東京からサポートすべき
 石川:アルクトは一応2年限定の活動としている。目に見える形での実績が重要。支援金が集まってきていることを受けて、NPO法人化も考えている。海外だとドイツから支援金が送られてくる。

 内田:アルクトのような組織は、東京が支えないと継続できない可能性がある。マンパワーにおいても資金力においても。人が足りないし人材がいない。演劇人の長期滞在も視野に入れてはどうか。


 ■この震災から新しいものが生まれる可能性
 どなたか失念:この大災厄以前に3000年以上続いてきた演劇。ガレキの街で新しいものが力を与えられるのではないか。

 石川:被災地では、「ありがとう」「ごきげんよう」というものすごく普通の言葉が際立って、粒立っている。日本語はこんな響きをするのかと。ものすごい感動の深さ。

 永井:仙台市亘理町のガレキを見た。あれを5~10年も見つづけながら暮らすと思うと・・・。当事者ではないが、解決不可能なものを目にした。解決不可能な問題に対して恐ろしく無能な政府の対応、収束が見えない原発事故など、阪神の時とは違う、底なし沼のようなものを見ている。今はいい方向ではないが、何かが生まれるとは思う。

 石川:東北は傷ついた。痛ましい。自分自身が東北人だがあわれむような気持ちもある。この風土をなぐさめたい。祈りたいような気持ち。宮沢賢治は祈りの作家だと思う。復興というのではないし、もう一度戻るのでもない。痛んだものを修復したい。そういう芝居を書いていきたい。今までなんとなく楽しいからと芝居をしてきた若者が、「何かのためにやっていく、ということをしなければいけない」と言っていた。若者がガツンと感じている。今後の東北発信の芝居にご注目いただきたい。


 ■被災劇場の取材報告(柾木博行)
 【水戸芸術館】
  パイプオルガンのパイプが落ちている写真など。その場所を通らないと入れない劇場は復帰未定。

 【いわきアリオス】
 反響板のある方の劇場は復帰の見通しがまだ立たない。建物が大丈夫でも機構が充実しているホールの方が、復帰に時間がかかる。4月8日に8月まで閉館を発表したが、そのホールは12月再開を目指しているとのこと。原発については東京に対して複雑な心境もあるようだった。


 ●皆さんのお話から感じたこと
 震災から2週間過ぎたころ、東北の演劇人が初めて集まった会議をUstreamを観ていたので、そこから「Art Revival Connection TOHOKU」(ARC>T・アルクト)が誕生し、すでに実績をあげていることに感動しました。
 阪神淡路大震災の時もそういう集団に寄付が集まったものの、分配方法を決めるのが困難だったため、全て日本赤十字社に寄付したとのこと(内田さんの書籍より)。私の個人的希望ですが、今回はそうならないで欲しいです。アルクトがこれからも東北地方の舞台芸術関係者らの拠点・窓口として存続していくことを望みます。それには東京からの支援が必要ですよね!受付に石川さんへの義援金箱が設置されていたので小額寄付させていただきました。


5月8日(日)18:30~21:00
登壇者:石川裕人 永井愛 内田洋一 西堂行人 被災劇場取材報告:柾木博行
※仙台で長年活動している劇作家・演出家の石川裕人氏を迎え、二兎社の永井愛氏、阪神大震災の被災者でもある日経記者内田洋一氏が参加。
参加費:1,000円(資料代)
http://theatrearts.activist.jp/2011/04/vol6.html


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Posted by shinobu at 14:52 | TrackBack

2011年05月11日

【情報】水天宮ピット「2011年10月~2012年3月分の小スタジオ選考受付中」※5月31日〆 切(郵送or持参)

 東京芸術劇場が運営する稽古場「水天宮ピット」が、2011年10月~2012年3月分の小スタジオ選考受付の申込を開始しています。以下、稽古場からいただいた情報です。

 応募受付期間:2011年5月1日(日)~5月31日(火)※当日消印有効・持参可
 小スタジオ1・小スタジオ2は同稽古場内で最も利用料金が安いです。
 ⇒利用料金
 ⇒スタジオ無料貸出し告知 ⇒使用感想レポート(PDF)

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【1】2011年10月~2012年3月分小スタジオ選考受付申込開始!!
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水天宮ピットではH23年度・下半期「2011年10月1日(土)~2012年3月31日(土)」の小スタジオの選考受付を行います。

◆小スタジオ1・小スタジオ2 選考受付申込開始◆

 ◎使用期間:2011年10月1日(土)~2012年3月31日(土)

 ◎応募受付期間:2011年5月1日(日)~5月31日(火)※当日消印有効

  小スタジオ1・2
  詳細→http://www.geigeki.jp/suitengu/space.html

 ◎応募方法
  
  下記のURLから使用申請書と使用計画書をダウンロードし、ご記入ください。
  ※団体登録をしていない場合は団体登録申請の提出も必要となります。
  ※各様式は水天宮ピット窓口でも配布しています。

  ダウンロードURL
  『団体登録申請書』 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/entry.doc(Word)
  『使用申請書』   →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/shinsei.doc(Word)
  『使用計画書』   →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/plan.doc(Word)

  『団体登録申請書』 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/entry.pdf(PDF)
  『使用申請書』   →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/shinsei.pdf(PDF)
  『使用計画書』   →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/plan.pdf(PDF)

  記入例:必ず記入例をご参照ください。
  『団体登録申請書』 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/entry_ex.pdf(PDF)
  『使用申請書』記入例 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/shinsei_ex.pdf (PDF)
  『使用計画書』記入例 →http://www.geigeki.jp/suitengu/pdf/plan_ex.pdf (PDF)

ご記入いただいた書類は、水天宮ピットの窓口、または郵送にて受付致します。

 ◎提出先

  〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町18-14 水天宮ピット
  TEL:03-6661-6901

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【2】大スタジオ・中スタジオ受付状況について
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小スタジオ以外のスタジオの受付は下記の通りとなっています。

◆大スタジオ・中スタジオ1・中スタジオ2 受付状況◆

 ◎使用期間:2012年月5日1日(火)~5月31日(木)

 ◎応募受付期間:2011年5月1日(日)~5月31日(火)※当日消印有効

  大スタジオ・中スタジオ1・中スタジオ2
  詳細→http://www.geigeki.jp/suitengu/space.html

 ◎各スタジオの空き日(5/1現在)
  詳細→http://www.geigeki.jp/suitengu/akibi.html

この機会にぜひ水天宮ピットをご利用ください。お待ちしております!

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水天宮ピット(東京舞台芸術活動支援センター)
〒103-0015 東京都中央区日本橋箱崎町18-14
TEL.03-6661-6901
FAX.03-6661-6951
E-MAIL:s-pit(アットマーク)geigeki.jp
URL:http://www.geigeki.jp/suitengu/index.html


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Posted by shinobu at 20:47 | TrackBack

箱庭円舞曲『珍しい凡人』05/04-11駅前劇場

 古川貴義さんが作・演出される箱庭円舞曲の新作です。いつもタイトルがキャッチーだなと思います。上演時間は約2時間。

 「CoRich舞台芸術まつり!2011春」審査員として拝見しました(⇒94本中の10本に選出 ⇒応募内容)。※レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。

 ⇒CoRich舞台芸術!『珍しい凡人

■愚劣極まりない凡人(=私たち)の群像劇

 駅前劇場中央に舞台があり、2方向から客席がはさみます。私はいつも客席がある方に着席。その方向から見て下手に一般家庭によくありそうなリビング。上手は築数十年経ってそうな一軒家の玄関先。室内と野外の2つの空間が隣り合っています。中央の通路は人がすれ違う度に空間のゆがみを生み出し、この世に存在しないはずのものを想起させる見事な美術です。

 自分の欲望のままに行動し、それが満たされないと他人にやつあたりする。自分のことしか考えていないのに、他人がわがままだと批難する。当事者意識がなく、何が起こっても誰か・何かのせいにする。そしてそのことに自覚がない。登場人物全員がそんな人間であることが驚異的です(笑)。全員に対して「そんなこと言ってるけど行動が全然ともなってないYO!」とツッコミができるほど、約2時間の中に緻密に描き込まれた戯曲でした。

 言動や行動がバカ過ぎてうんざりするしイライラするしムカつきます。さらにはそれを通り越して苦笑・失笑するしかない、というところまで徹底した人物造形と空気づくりが素晴らしいです。
 1対1の密度の高い会話やほぼ他人同士の3人がおそるおそる話す場面など、緊張が続くことが多いです。それをフっとほぐすポップでメロディアスな音楽と、パっと色を変えるカラフルな照明がいいスパイスになっており、劇団独特の持ち味だと思いました。

 劇団員が増加し、集団としての力を蓄えて次の段階へと着実なステップを踏んでいると思えた作品でした。役者さんの中では、リビングにいた主婦役のザンヨウコさんが、いつもながら安定感と説得力のある演技を見せてくださいました。

 ここからネタバレします。

 軸になるのは妻と大学生の息子がいる公立高校の教師と、その弟。私の席から見て下手は兄の家で、上手は弟が暮らす実家です。
 兄は殺人事件の裁判員に選ばれ学校を休んでおり、同じく裁判員になったHIVポジティブの女性とインポテンツの男性に振り回されます。バカ息子を溺愛する妻との夫婦生活はうまくいってるようには見えません。かつて画家だった弟は、芸術家をサポートする非営利法人を起業しようとしています。古い民家には奇抜な格好で悪目立ちしがちなアーティストが出入りし、ストーカーになって押しかけてくる画家時代のファンに手を焼きます。

 兄は「反体制派だから学校を休んでストをしている」と学校内で噂され、スムーズに仕事に復帰できるかどうかが危うくなります。弟は開設した非営利法人の公式サイトに「こいつらはテロをたくらんでいる」といった匿名書き込みをされて、非営利法人の認可が下りなくなって夢を粉砕されます。その両方が身近な人々(例えば親戚)の仕業であることが、うすら恐ろしいです。

 首都圏で大々的なストが起こっていますが、登場する人たちは無関心。日本で何らかの大問題が起こっており、それに対してストを起こす人が増大しているという事実から目をそむけ、まるで他人事です。また、噂や評判を考えなしに信じ、事実を自分で確かめようとしません。にわかの流行(体を揺らす)には簡単に飛びつくのに、惰性的に「今までどおり」を求め、問題に気づき変化を目指して行動する人(=弟)に対しては、周囲に合わせるべきだと責めます。そのくせ、自分がやりたいことは周囲を無視して強行し、他人が迷惑を被っても「そんなつもりじゃなかったから自分のせいじゃない」と謝罪もしません。
 そんな愚劣極まりない現代日本人を巧妙にデフォルメして、笑いを誘い出していました。でも実のところは思い当たることばかり。彼らと同様に平々凡々の私は、このお芝居を反面教師にして学びたいと思います。

 2つの空間はぴったり隣り合っていますが、2件の家は物語上は隣りではありません。兄の家のリビングの床が中央に向かって少しそり上がっていました。弟が暮らす実家の玄関先はリビングよりも階段2段分ぐらい低くなっていますので、そり上がった頂点から上手方向は斜めに下がる土手になっており、まるで堤防のようでした。天災などで被害を受けるのは低い方なんですよね。

~The landscape can see only Mr. Noone Special.~
出演:小野哲史、須貝英、爺隠才蔵、片桐はづき, 井上裕朗、玉置玲央(柿喰う客)、清水穂奈美、ザンヨウコ(危婦人), 金丸慎太郎(贅沢な妥協策)、湯舟すぴか(市ヶ谷アウトレットスクウェア)、小笠原結(劇団兄貴の子供)
脚本・演出:古川貴義 舞台美術:稲田美智子 照明:工藤雅弘(Fantasista?ish.) 音響:岡田 悠(One-Space) 衣装:三木葉子(GurturieLaing) 舞台監督:鳥養友美 禅師:山内翔 宣伝美術:Box-Garden House イラスト:須山奈津希 制作協力:林みく(Karte) 企画製作:箱庭円舞曲
【発売日】2011/03/26 前売 3,000円 / 当日3,500円(全席自由) 初日割引 前売:2,800円 / 当日3,300円
http://www.hakoniwa-e.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:08 | TrackBack

2011年05月08日

ワタナベエンターテインメント『D-BOYS STAGE 2011「ヴェニスの商人」』04/29-05/08サンシャイン劇場

 D-BOYSというとイケメンアイドルだと私は認識していますが、“D-BOYS STAGE”というレーベルで本格的なお芝居を上演しているので、前回はじめて伺いました。今回はシェイクスピアの『ヴェニスの商人』(過去レビュー⇒)を青木豪さんが演出されます。個人的に『ヴェニスの商人』を今、面白く観るのは難しいと思ってるので、ちょっとドキドキしつつ伺いました。

 オープニングからいきなりガツンとやられました・・・終わってビックリ!面白い!!上演時間を失念。約2時間20分(休憩1回込む)だったかしら、すみません。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ヴェニスの商人

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 貿易都市として繁栄を極めた16世紀末のイタリア・ヴェニス。
 貿易商を営む裕福なアントーニオのもとに、親友のバサーニオが、ベルモントの令嬢・ポーシャに結婚を申し込むため、お金を貸してほしいと頼みに来る。
 あいにく全財産を船上に積んでしまっているアントーニオは、大切な友人のため、自らを保証人にし、敵対関係にあるユダヤ人の高利貸しシャイロックから借金をするようバサーニオに勧める。
 シャイロックの提示した条件は、「3ヶ月以内に返済ができない場合、違約金代わりにアントーニオの体から、きっかり1ポンドの肉を切り取る」というもの。
 この常軌を逸した証文が、彼らの運命をいたずらに翻弄していく・・・。
 恋、友情、栄枯盛衰の常―。
 時代を超えてもなお色褪せることのない普遍のテーマを描く名作。
 ≪ここまで≫ 

 観客の大半がD-BOYSファンだと思います。それを前提にしたシェイクスピア作品の上演として、大成功だったのではないでしょうか。まず「D-BOYSファンが喜ぶ」「演劇に詳しくなくても意味がわかる」「物語の展開をわくわくと楽しむ」といったハードルをクリアしています。さらに劇中劇などの演劇ならではの演出で、現代の観客が古典に没頭できる構造にし、演出家の主張を盛り込んで『ヴェニスの商人』を普遍の物語にしていました。偶然に“タイムリー”な結末でもあり、終わった時はしばらく拍手をためらうほどショックを受けました。凄い!

 若い男の子たちによる半・普段着のシェイクスピアです。脚色などはせず原作の設定に忠実なのですが、なんと美術が現代風なんです。2階のロフト部分につながる階段が大活躍。舞台奥はほぼ全体がガラス戸になっていて、カーテン、ブラインド、壁に当てる映像などで軽快に場面転換します。ガラス戸の裏側にも演技スペースがあり、空間の多様性が増していました。照明は大胆に明暗し、スポットライトも頻繁に使われ、空気作りや場面の説明としても雄弁。エキサイティングなエンタメムードを盛り上げる音楽あり、シェイクスピア作品おなじみのチェンバロの柔らかな調べあり。スタッフワークをあますことなく、センスよく駆使していると思いました。

 私見ですが『ヴェニスの商人』を原作に忠実に上演しても、「有名な古典の鑑賞」の域を脱することは難しいと思います。でもこの『ヴェニス…』は、客席で“普通にコメディーを楽しむ笑い”が巻き起こっていました、「きっと16世紀のグローブ座で上演された時も、こんな風に大衆に受け入れられたのだろうな~」と想像できるぐらいに。ドタバタ喜劇に笑って、底抜けにハッピーな恋愛を楽しんで、さらには人種差別や身分制度、親子の在り方について考える、シビアな社会派ドラマもある。そんな質の高い娯楽作になっていたと思います。演出面で特に良かったところを挙げるなら、私は導入部とラストに感動しました。

 ファンの温かい視線の助けもあるのでしょうけど、D-BOYSの方々は真面目で堂々としていて、すがすがしいです。全力で“若くて元気な男の子”でいるだけでなく、演技の燃焼度が高いといいますか、大事な瞬間の激しい感情に嘘がないので、観ていて飽きません。しっかり間(ま)を取って言葉と気持ちに整合性を持たせるなど、長いセリフもきちんと作り込んでいらっしゃいました。総じて“コメディー”をよくわかっているなと思いました。テレビのバラエティー番組などでも活躍されているからなのかしら。
 ポーシャ役の碓井将大さんは演技の素早い切替えが見事。そしてあの“変装”場面のかっこ良さったら!!オールメールのシェイクスピアならではの性別逆転の面白さを見せて下さいました。

 ここからネタバレします。セリフは完全に正確ではありません。

 開演5分前ぐらいに客席につきました。舞台では既にカジュアル・ルックの男の子たちが、何やらコントのようなことをワイワイやっています。開場時間のファン向けイベントだろうと思って、元気に歌って走る若者をまぶしく眺めていたら、なんとそのまま、するるる~~~っと開幕。投資している船荷がすべて遠海にある資産家アントーニオが、「憂鬱だ」とこぼす場面が始まりました。
 「リハーサルだ」というセリフがありましたので、開演前のコントと同様に劇中劇として『ヴェニス…』を見せるスタイルかな・・・と探りつつ観ていると、ガラス戸の裏側で組体操のような動きをする黒Tシャツの軍団が(笑)。「一体何なの?」といぶかしく思っていたら、どうやら“海”を想像させる動きのよう。アントーニオに話しかける青年たちは思いっきり普段着だし、イスや机は事務用デザインだし、でもセリフは翻訳劇調・・・意外なことだらけで舞台の全方位に気を配りつつ、すごく集中して観ることに。後から振り返ってみて、コレが古典芝居を現在進行形にする仕掛けだったのか!と驚きました(私の個人的解釈です)。

 ポーシャの求婚者が金・銀・鉛の3つの箱から1つを選ぶエピソードは、普通にやるとクドいしあまり面白くないんです。それをコントのようなお楽しみの場面にしたのは正解だと思います。終盤でシャイロックの娘ジェシカとその恋人ロレンゾーが、詩のようなセリフの応酬をする場面も然り。ジェシカ(柳浩太郎)が“不思議ちゃん”というか、かなりのおバカさんキャラになっていて、それが父親シャイロックの可愛げにもつながったように思います。あんな娘を宝石だと思うんだから、親バカだな~♪とか(笑)。

 バサーニオは鉛の箱を選びポーシャを射止め、ポーシャから婚約指輪をもらいます。後からその指輪を裁判官に変装したポーシャが巧妙に奪い取って、「指輪がないのは愛のない証拠」「実はその裁判官と私は寝たんです」など、ポーシャがバサーニオをこらしめる展開に。「寝取られ亭主になってしまった」等とバサーニオらが嘆くごとに爆笑が起こってました。バサーニオに映像の雷が落ちる演出には私も爆笑しました(笑)。おんおん泣くのも可愛らしかったですね。
 女性が主導する恋の駆け引きの場面で大いに客席が沸いたのは、最初にポーシャが指輪を渡すところが、ちょっと感動しちゃうぐらいの素敵なラブ・シーンになっていたからだと思います。後半への手堅い伏線でした。伏線といえば、グラシアーノ(三上真史)がネリッサ(足立理)と恋に落ちる演技を、スポットライトでちゃんと追っていたのも素晴らしい。

 裁判のシーンは足立理さん(ネリッサ)と碓井将大さん(ポーシャ)が黒いスーツで登場。豪奢なドレスにロングのウィッグを被っていた淑女たちの変身っぷりにスカっとします。私は基本的にスーツ萌えなのもあり(笑)、お2人のスラっとしたお姿に見惚れました。かっこいいアイドルがかっこいい役割を果たす場面になっているのも、“古典”の印象をぬぐう効果がありますね。法律の知識のないネリッサとポーシャは、その場で必死にヴェニスの法が書かれた書物をめくり、シャイロックに反証していきます。ポーシャが才色兼備の超人になることを防いだ見事な演出ですよね。おかげでアントーニオの身体にシャイロックのナイフが刺さるかもしれない…とハラハラすることができました。

 そしてラストが凄かった。ポーシャとバサーニオ、ネリッサとグラシアーノ、ジェシカとロレンゾーというラブラブのカップルの幸せすぎる大団円の後、アントーニオだけが舞台に残ります。するとガラス戸の奥にシャイロックの姿が。ぐんぐんと照明と映像が赤黒くなり、不穏な音楽とともにシャイロックの脇に無数の人影が見えてきます。それを見て苦悩し、もだえるアントーニオ。彼は、「異教徒がキリスト教徒殺害をもくろんだら死刑」という法に裁かれたシャイロックに、キリスト教への改宗を強要しました。アントーニオの苦悩はオープニングの「憂鬱」とつながって延々とループするのです。“オサマ・ビンラディン殺害”の報道があったのは、奇しくも上演中の5月2日。最後の暗転中はドカンドカン…という爆音が響き、暴力による報復の連鎖が終わらないことを暗示していました。

≪東京、大阪≫
出演:碓井将大(ポーシャ) 和田正人(アントーニオ) 加治将樹(バサーニオ) 鈴木裕樹(ロレンゾー) 柳浩太郎(ジェシカ) 三上真史(グラシアーノ) 足立理(ネリッサ) 高橋龍輝(サレーニオ) 牧田哲也(ランスロット・モロッコ大公・アラゴン大公) 山口賢貴(ソラーニオ・バルサザー・ステファノー) 名取幸政(ランスロットの父/テューバル/公爵) 酒井敏也(シャイロック) アンサンブル:池田勇気 石田達成 櫻井翼 佐々木達也 鈴木鐵大郎 田中淳之 田邉俊喜 長江孝泰 平岡謙一 宮内翼
脚本:ウィリアム・シェイクスピア 翻訳:松岡和子 演出:青木豪 音楽:笠松泰洋 美術:二村周作 振付:遠田誠 照明:関口裕二(balance,inc.DESIGN) 音響:青木タクヘイ 衣裳:清水崇子(松竹衣裳) ヘアメイク:糸川智文 演出助手:渡邉さつき 舞台監督:筒井昭善 映像制作:大見康裕 大道具:俳優座劇場 映像システム:balance,inc.DESIGN 小道具:高津映画装飾 宣伝:大澤剛 票券:高橋由美 制作:下泉さやか 水島智代 制作進行:塚本恵太 行元綾紗美 票券協力:サンライズプロモーション東京 マネージメント:広瀬基樹 プロデューサー:渡部隆 エグゼクティブ・プロデューサー:松田誠 主催:ワタナベエンターテインメント ネルケプランニング 総合プロデューサー:渡辺ミキ企画・製作:ワタナベエンターテインメント
【発売日】2011/02/20 S席 7,000円 A席 6,000円 (全席指定/税込)
http://www.d-boys.com/d-boysstage2011/venice/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年05月07日

渡辺源四郎商店『あしたはどっちだ』05/04-08ザ・スズナリ

 畑澤聖悟さんが作・演出(出演も)される青森の劇団、渡辺源四郎商店が、今年もゴールデンウィークに東京にやってきてくれました。新作『あしたはどっちだ』は『どんとゆけ』の続編で、両作品とも上演されます。まず客席にびっくり!『あしたは…』の上演時間は約1時間25分。

 漫画家の郷田マモラさんが『どんとゆけ』と『あしたはどっちだ』を漫画化されました。漫画アクション9号(2011.4.19発売)に掲載されています(『あしたはどっちだ』は前編を掲載)。劇場ロビーで購入しました。表紙で一目瞭然ですが、大人向けのエッチな漫画もありますので要注意(笑)。漫画版もとても面白かったです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『あしたはどっちだ』※CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 『どんとゆけ』から2年後の同じ家。家主の女性は別の死刑囚と獄中結婚していた。執行の日。新しい「夫」はかつて幼稚園に金属バットを持って侵入し、多くの園児の命を奪っていた。「死刑になりたいからやった」「俺を早く死刑にしろ」こう主張する彼の死刑は果たして執行されるのか?それとも?
 ≪ここまで≫

 『どんとゆけ』は「被害者家族が直接死刑を執行する」と法で定められた日本が舞台。『あしたはどっちだ』はその続編で、多くの幼児を殺した死刑囚の死刑執行の日を描きます。幼い子供を殺された親たちが、本当に犯人を殺すのかどうか。死刑について否応なく、身近に考えさせられます。シリアスな場面のヒリヒリする緊張感の合間に笑いが挟まれ、重いテーマを楽しみつつ味わえるのがいいですね。温かい方言もいい感じ。私には意味がわかないセリフもありましたが問題なし。

 客席と舞台との間に木の柵が設置されていました。裁判の傍聴者や裁判員になったような感覚になれます。

 シングルマザーを演じた柿崎彩香さんが、とても説得力のある演技を見せてくださいました。バットの素振りもさまになっていましたね。
 犯人役の佐藤誠さん。じっとだまっている時の目つきに凄味があり、彼が人間に絶望していることが納得できました。
 工藤由佳子さん演じる獄中結婚フリーク(?)の過去を描いたスピンオフ作品が観たくなります(笑)。

 ここからネタバレします。

 池田小学校・乱入殺傷事件(宅間守事件)が題材になっています。最終的には、死刑執行員の多数決により死刑は執行されず、犯人は無期懲役となります。『どんとゆけ』では執行され、『あしたはどっちだ』では執行されませんでした。

 テレビ出演などの芸能活動をしていた娘を殺された夫婦が、死刑不執行が決まった後に語らった場面が、とても残酷で、強く印象に残りました。妻は引き続き死刑執行に賛成でしたが、夫は「反対」に挙手。妻はなぜなのかと夫を問い詰めます。夫は、娘が芸能活動をやりたくないと言っていたことを明かします。しかも娘が「お母さんには言わないで」と言っていたことも。妻はいわゆるステージママだったんですね。
 夫は娘との約束を破り、妻に人前で恥をかかせ、傷つけました。自ら引き出してしまったとはいえ、妻が受けた衝撃は計りしれません。これから後悔の念にさいなまれ続けるでしょう。夫婦が今後も夫婦であり続けられるかも疑問です。殺人が生む不幸は加害者と被害者だけに収まらず、広く深く人を傷つけ、長く苦しめていくのだろうと思いました。

 子供を殺されたシングルマザー(柿崎彩香)が戻って来て、犯人(佐藤誠)と彼に寄り添う妻(工藤由佳子)に向かって、バットを振り上げるところで暗転して終幕。暴力が連鎖していくのをあらわします。
 家に侵入した瞬間は暗くて誰なのか判別できず、スっと光(=照明)の中に顔が入ってきて初めて、シングルマザーだとわかるのが素晴らしいですね。彼女が殺してしまうのにも納得です。

≪青森、東京≫
出演:工藤由佳子、高坂明生、柿崎彩香、宮越昭司、吉田唯、山上由美子(Wキャスト)、田守裕子(Wキャスト)、佐藤誠、畑澤聖悟、要田禎子(劇団昴)
脚本・演出:畑澤聖悟 原案協力・宣伝美術イラスト:郷田マモラ 舞台美術:山下昇平、音響:藤平美保子、照明:浅沼昌弘、プロデュース:佐藤誠、ドラマターグ・演出助手:工藤千夏、舞台監督:三上晴佳、田守裕子、工藤良平、制作:渡辺源四郎商店、制作補:西後知春、おりゅう、秋庭里美 宣伝美術:木村正幸 主催・企画制作:渡辺源四郎商店
東京公演5月5日19:00の回終了後アフタートークあり。ゲスト:郷田マモラ
【発売日】2011/03/14 前売一般3,000円、学生2,000円、高校生以下1,000円 当日一般3,300円、学生2,300円、高校生以下1,300円
http://www.nabegen.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:47 | TrackBack

tpt『恋人』05/07-10紀伊國屋ホール

 中嶋朋子さんと岡本健一さんが夫婦を演じる2人芝居。ハロルド・ピンター戯曲です。主演の岡本さんが演出もされます。上演時間は約1時間10分。

 昨年9月に横浜でも上演されていました(私は見逃しています)。アイデアやこだわりの1つひとつが新鮮で力があって、1つの戯曲に長期間取り組んで来られたのがよくわかる公演でした。⇒ツイートしました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『恋人

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより。
 なにはともあれあけすけに! 健全な夫婦生活の基本だよ!
 
 女は聖女か、それとも淫売か。
 結婚十年目、だれもがうらやむ夫婦関係の秘訣とは。
 男と女の存在をかけ、世にもセクシーでファニーな格闘技が幕を開ける。
 物質世界の繁栄とは裏腹に精神世界が不毛の荒地と化した20世紀
 人間の言葉の問題に正面から向き合ったハロルド・ピンターのスタイリッシュ・コメディに
 いまもっとも輝いている二人の俳優が現代の視点からアプローチします。
 ≪ここまで≫

 黒い幕と黒いイスのみでほぼ何もないシンプルな空間。結婚10年目の夫婦の浮気についてのお話です。スリリング、コミカル、セクシー。最後は人と人が溶ろけるような、ミステリアスな展開に。
 
 岡本健一さん、ちょっと太られたのかしらと思ったら・・・!かっこ良かったです。
 中嶋朋子さんはいつもながらお美しいです。そのスレンダーな体が笑いにつながるとは(笑)。

 ここからネタバレします。

 「男と女が出会って結婚する」という脚本には(おそらく)ない場面を、無言劇で冒頭に表現。これがとても良かったです。
 夫が会社で働いている昼間に、妻は自宅に恋人を呼んで情事を楽しんでいます。しかも夫公認で。とはいえ夫も娼婦を買っていることが判明。お互いに浮気しているんですね。

 夫役の岡本さんが恋人役も演じるのですが、その豹変っぷりが面白いです。夫は紳士的で温和なインテリ・タイプ。恋人はマッチョで乱暴でオツムが弱そうですが、憎めないのが素敵。
 妻と恋人の凝りに凝った情事が笑えます。仮面やムチじゃなくて太鼓を使うのが凄い(笑)。しかも太鼓ってかなりセクシー。

 妻の恋人は夫役の岡本さんが演じますので、「妻の恋人=夫」という構図が成り立ちます。夫の浮気相手(=娼婦)は登場しないのですが、恋人から“プロの愛人”と呼ばれる妻が、実は娼婦なのではないかと匂わせます。つまり「夫の浮気相手=妻」にもなるんですね。
 最後は夫がマッチョな恋人のように乱暴なしゃべり方になり、「妻と恋人」「夫と娼婦」の2つのペアが合体して「夫と妻」になるような、奇妙でドラマティックなエンディングでした。男と女の2人芝居ですが、最後はすべての男性と女性を描いたように受け取れました。

TPT78「恋人」
出演:中嶋朋子 岡本健一 豊永伸一郎
脚本:ハロルド・ピンター 訳:広田敦郎 演出:岡本健一 美術:朝倉摂 照明:笠原俊幸 音響:高橋巌 衣裳:たかひらみく ヘア&メイクアップ:鎌田直樹 舞台監督:赤羽宏郎 アンダースタディー:若菜大輔 タチアオイ製作:櫻井忍 プログラム写真:西村俊範 主催・制作:TPT シアタープロジェクト・東京
【発売日】2011/03/26 25歳以下、65歳以上の方は3000円(TPTのみ取り扱い) 4,000円
http://www.tpt.co.jp/whatson/078.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:11 | TrackBack

2011年05月06日

Japan Museum Fund「Save Japan Museum ニッポンの文化財を守ろう!~東日本大震災写真 展~」04/28-05/08 EYE OF GYRE

 表参道のGYRE(ジャイル)内にあるギャラリー「EYE OF GYRE」で開催されている、東日本大震災写真展のオープニングレセプションに伺いました。入場料3000円はすべて被災地への支援金になります(初日のみ)。

 東北地方の被災ミュージアム・文化施設の現況を撮影した写真が展示されています。毎日300人もの人が訪れているそうです。無料ですのでよかったら。5/8(日)まで。

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「産經新聞による被災地の写真の展示と同時に、被災地の美術館、博物館、文化施設の被災状況の展示を行います」
日時:4月28日(木)18:00-20:00 場所:EYE OF GYRE
オープニングレセプション入場料/支援金3,000円 被災地の日本酒と軽食をご用意しております。どなたでもご参加できます。
http://www.museumfund.org/

このエントリーに掲載された写真撮影者:mao

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:41 | TrackBack

2011年05月05日

青年団【平田オリザ・演劇展vol.1】緊急対談・平田オリザ×別役実「焼け跡と不条理-復興とは何か?-」05/05(木・祝)13:00~こまばアゴラ劇場

 平田オリザさんと別役実さんの対談を拝聴しました。【平田オリザ・演劇展vol.1】内の企画です。『マッチ売りの少女たち』はこの対談のために先に拝見しました。予約完売でほぼ満席。対談時間は1時間強。

 別役さんはいつもながらすごくカッコイイ!「日本人の“無常観”がこの震災からの復興への強い力になる」というお言葉に心から納得しました。

 私がメモしたことを下記にまとめました。メモできたのは全体の3分の1ぐらいです。意味が伝わりやすいように部分的に加筆してるところもあります。だから間違っている可能性もあります。青年団が書籍にしてくれたら嬉しいな~!

 ⇒CoRich舞台芸術!『平田オリザ・演劇展vol.1

■『マッチ売りの少女』について ※ネタバレあり

 平田「『マッチ売りの少女』は1966年の作品です。1962年に『象』、1961年に処女戯曲の『AとBと一人の女』を書かれています。」
 別役「マッチ売りの少女(のエピソード)は大阪に実際あった話です。客にマッチを擦らせてスカートをあげて陰部を見せるという売春ですね。日本人のすごい発明だと思ったんですが、すでにずっと昔からイタリアにあったと知って、がっかりしたんです。
 焼け跡がきれいになり復興していく60年代。なんとなく幸せになりつつある市民生活への反逆として書きたかった。少女が徐々に“いちゃもんつけ”になっていく。ゆすり、たかりの精神を持った放浪者たちによる復讐です。」

 平田「誰の劇評だったか忘れましたが、両親がアメリカで娘が日本だという解釈があって。実際はどうなんですか?」
 別役「それはないですね。」
 平田「そうですか。基地問題もありましたから、さらに弟が沖縄だというんです。」
 別役「ああ、なるほどね~。」
 平田「これは(舞台下手に立つ巨大なマッチ棒を指さして)電信柱にもなっていて、別役スペシャルなんです(笑)。福島第一原発って呼んでます。もうマッチが原発にしか見えなくて。“マッチを擦る”は“原発を爆発させる”だし、“マッチを売る”は“原発を輸出する”だし。そんなことがわかる演出にはなってないですが、この対談を聴いてから観る人はもう、そうとしか受け取れないでしょう(笑)。」


■“死なれた人”も多い東日本大震災
 平田「関東大震災は昼に起こり火事による死者が圧倒的多数だった。阪神・淡路大震災は朝5時だったから死因は倒壊と火事が多数。今回は昼2時だったから子供は学校、親は会社、祖父や祖母は家にいて、家族がバラバラだった。そして津波。だから“死んだ人”も多いですが、“死なれた人”も多い。残された人々がどうやって生きていくのかも大きな問題です。
 ところで“死ぬ”という自動詞が受動態になるのは日本語だけだそうです。フランス語にもないし、日本語に似てるとされる韓国語にさえない。」


■この大震災は日本の近代の転換点
 平田「僕は1962年生まれなので、高度成長期に育ちました。これから日本は成長して良くなるばかりで、物が人生を豊かにしてくれると言っていた時代。でも1995年のバブル崩壊でそれは崩れた。気づいていたはずなのに20年ほどそのままにしてきて、この震災ではっきりとわかりましたよね、もう日本は成長しないと。」
 別役「そうですね。成長といっても違う意味での成長でしょう。」

 別役「この大震災は日本の近代の転換点だと思います。強大な破壊の後に何かが生まれてくるものなんです。カオスの中で局部対応しながら方向性を作り上げなければならない。
 今、福島には復興のイメージがない。イメージは悪戦苦闘して、もがく中で作られなくてはならない。だから(すぐに)カオスでなくそうとするのは良くないと思います。
 政府が右往左往して、いかに無能かがわかってきました。その方がいいと思います。市町村などの自治体の長に有能な人が出てくると思う。そこから新しい方向性が、近代ではないイメージが出てくる。新しい地域社会、生き方づくりが始まる。」


■“無常観”に日本人の圧倒的な強さがある
 平田「文化の面ではそれでいいかもしれません。ただ、それで(政治がそんな状態で)日本は持つ(持ちこたえられる)でしょうか?東京では石原氏が知事に当選し、大阪では橋本氏が大人気です。」
 別役「文化的な方向付けは危ないですね。私は日本人が持つ“無常観”に圧倒的な強さがあるのではないかと思います。まず嘆き悲しむことから始まって、そこから事態を冷静に見つめる強さが出てくる。そうすれば困難に耐えられる強さを見いだせる。」

 別役「宮沢賢治の『雨ニモモマケズ』がよく取り上げられています。それはいいことだと思いますが、重要なのは『雨ニモマケズ風ニモマケズ』ではなく『サムサノナツハオロオロアルキ』です。“オロオロ”とはこれから何が起こるか分からない、自分がどうすればいいのかわからず迷っていること。そのまま生き続けることに強さを見いだせる。我々は(例えば1000年単位の)新陳代謝(栄枯盛衰)の中にいることを自覚する、それが無常観。嘆き悲しむことで、それに気づくことができる。」

 別役「近代は混沌を整理して(物事を)わかりやすくしてきた。今はカオスをカオスとして生きること。それを保証するのが無常観。その中から新しいものが生まれる。だがらすぐに整理整頓(※)しない方がいい。」
 平田「同感です。」

 ※整理整頓とは、「瓦礫を撤去して住居を高台に作って・・・など、政府の方針に従って、すぐに被災地をきれいな更地にしてしまうこと」と受け取りました。


緊急対談・平田オリザ×別役実「焼け跡と不条理-復興とは何か?-」05/05(木・祝)13:00~14:00
(予約・当日ともに) 500円
http://www.seinendan.org/jpn/info/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:48 | TrackBack

2011年05月01日

青年団【平田オリザ・演劇展vol.1】『マッチ売りの少女たち~別役実 初期作品群より~』04/28-05/17こまばアゴラ劇場

 平田オリザさんの作品を一挙に8作品ランダム上演する、青年団の企画です。日本語・英語・フランス語での上演もあります。1日に4演目上演する日もあり、劇場フル稼働!って感じですね~。

 別役実さんの『マッチ売りの少女』をもとにした不条理劇『マッチ売りの少女たち』を拝見しました。上演時間は約1時間50分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『平田オリザ・演劇展vol.1

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 「私、あなたの娘です。」
 そう言って平穏な老夫婦の食卓に次々と現れる少女たち。しかし、夫婦の1人娘はとっくの昔に事故で死んでいた。戸籍課の職員や近所の主婦まで駆けつけ、話は大きくなるばかり。一体誰の言う事が真実なのか—。
 別役実初期作品を大胆にコラージュした究極の不条理劇、14年ぶりの再演。
 ≪ここまで≫

 役者さんのコミュニケーション(というより息の合わせ方かも)がかみ合ってないように感じました。わざとなのか調子が悪いのかがわからないバランスで、あまり集中できませんでした。先日もそうでしたが、役者さんのことがまず気なってしまうこの頃・・・です。

 大人が子供に無理やり重荷を背負わせて、拒否できない子供は悲鳴を上げている。その報いはそのまま大人に降りかかってくる・・・そんなことを考えました。原発の問題と重なります。

 ここからネタバレします。

 三人のマッチ売りの少女たちの色違いのワンピースのデザインが可愛らしかったです。

 終盤での、鄭亜美さんの沸点の高い演技に爆笑。やっぱり私は鄭さんのようなタイプの俳優さんが好きです。
 少女たちの感情が爆発した後の、「お父さん、お願い、マッチを擦らないで」は胸にささります。

珠玉の中短編を連続上演―。『さようなら』『ヤルタ会談』『The Yalta Conference』『舌切り雀』『Le moineau a la langue coupee』『銀河鉄道の夜』『マッチ売りの少女たち』『走りながら眠れ』
出演:篠塚祥司(客演) 大崎由利子(客演) 兵藤公美 山本雅幸 荻野友里 立蔵葉子 二反田幸平 木引優子 鄭亜美 島田桃依
原作:別役実 構成・演出:平田オリザ 舞台美術:杉山至  照明:岩城保  音響:泉田雄太  衣裳:有賀千鶴 / 正金彩 舞台監督:河村竜也  演出助手:大池容子 高橋直人 フライヤーデザイン:京(kyo.designworks) 制作:堤佳奈 野村政之 服部悦子 石川景子
【発売日】2011/03/12 一般:2500円
http://www.seinendan.org/jpn/info/index.html

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Posted by shinobu at 22:20 | TrackBack

メルマガ 2011年05月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2011年5月のお薦め舞台11本+αをご紹介します。
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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 83     2011.05.01  1,736部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
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 ◎メルマガ4月号は勝手ながらお休みをいただきました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0328131846.html
  5月号より再開します。今後ともよろしくお願いいたします。

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
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 ◆1【今月のお薦め11本+α】
   
   ◎No.1→イキウメ『散歩する侵略者』
       05/13-29シアタートラム
       ≪神奈川、東京、大阪、福岡≫
       http://www.ikiume.jp/kouengaiyou.html
   
 ◆2【先月のベスト3】

   ◎4月はあまり本数を観ていないのでベスト3の発表はお休みします。
    ままごと『わが星(再演)』でメルマガ号外を発行しました!
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0420225339.html

 ◆3【「CoRich舞台芸術まつり!2011春」最終選考中! 】

   ◎5月は最終選考対象10団体の内、2団体の上演があります。
    http://stage.corich.jp/festival2011/result.php

 ◆4【編集後記】

   ◎ライブイベントの前売券売上は震災前までの3分の1。
    好きな劇団の前売り券を買って舞台芸術を応援したいです。
   ◎おすすめ舞台中継 on TV ←激減です。

 ◆5【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め11本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。
 ※お薦め公演を10本から11本に増やしました。4月に開幕して5月に
  上演中の公演は掲載していません。スケジュール↓をご参考にどうぞ。
   http://www.shinobu-review.jp/schedule.html


★1.Bunkamura『たいこどんどん』
  05/02-26 Bunkamuraシアターコクーン
  ☆出演:中村橋之助 古田新太 鈴木京香 宮本裕子 大石継太 大門伍朗
    市川夏江 大林素子 飯田邦博 塚本幸男 立石凉子 六平直政 瑳川哲朗
   脚本:井上ひさし 演出:蜷川幸雄
   S10,000円 A8,500円 コクーンシート5,000円
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_11_taiko.html
   井上ひさしさんの戯曲を蜷川幸雄さんが演出。豪華キャストです。
   鈴木京香さんの舞台出演は久しぶりですよね。
   今、井上さんが生きていたら…と何度も想像してしまいます。


2.空想組曲×青山円形劇場『遠ざかるネバーランド』
  05/03-05青山円形劇場
  ☆出演:村井良大 下宮里穂子 佐藤永典 井深克彦 二瓶拓也 佐藤貴史
    阿諏訪泰義 宮本奈津美 鬼塚俊秀 川田希 杉山薫 武藤晃子 IZAM
   脚本:ほさかよう 演出:北澤秀人
   前売り5,000円、当日5,500円
    http://le-himawari.co.jp/galleries/view/00064/00079
   ほさかようさんの戯曲を北澤秀人さんが演出。ほさかさんの
   ダークファンタジーはとても好評です。CoRichのクチコミ↓
    http://stage.corich.jp/stage_done_detail.php?stage_id=15619
   北澤さんの演出作は一度観て面白かったので期待できそうです。


3.TPT『恋人』
  05/07-10紀伊國屋ホール
  ☆出演:中嶋朋子, 岡本健一, 豊永伸一郎
   脚本:ハロルド・ピンター 演出:岡本健一
   25歳以下、65歳以上の方は3000円 一般4,000円
    http://www.tpt.co.jp
   ピンター戯曲を岡本健一さんが演出・出演されます。
   昨年9月に若手出演者と上演されていますので完成度にも期待。
   中嶋朋子さんとの共演も魅力です。
   TPTの紀伊國屋ホール公演で前売り4000円はお買い得。
   25歳以下、65歳以上は3,000円です!


4.パルコ・プロデュース『ぼっちゃま』
  05/07-06/05 PARCO劇場
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:稲垣吾郎 白石加代子 高田聖子 中村倫也 大和田美帆
      谷川清美 福本伸一 小林健一 柳家喬太郎 梶原善
   脚本:鈴木聡 演出:河原雅彦
   ¥9,000 ※未就学児童の入場はご遠慮ください。
    http://www.parco-play.com/web/page/information/bocchama/
   ラッパ屋の鈴木聡さんの新作を川原雅彦さんが演出。
   稲垣悟郎さんと白石加代子さんの絡みが観てみたい♪
   新国立劇場『わが町』↓で素晴らしかった中村倫也さんも気になります。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0115174310.html


5.新国立劇場演劇『鳥瞰図 ―ちょうかんず―』
  05/10-22新国立劇場小劇場
  ≪東京、兵庫、岐阜≫
  ☆出演:渡辺美佐子 入江雅人 野村佑香 八十田勇一 弘中麻紀
      浅野雅博 佐藤銀平 品川徹
   脚本:早船聡 演出:松本祐子
   A席5,250円/B席 3,150円
    http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000327_play.html
   若手気鋭劇作家を紹介する2008年の企画で上演された作品↓の再演です。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0612124445.html
   心の機微を簡潔かつ柔らかな言葉はこびで描く早船聡さんの劇世界をぜひ。


6.劇団青年座『をんな善哉』
  05/12-22紀伊國屋サザンシアター
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:高畑淳子 増子倭文江 津田真澄 小暮智美 佐藤祐四
      手塚秀彰 岩崎ひろし 堀部隆一 綱島郷太郎 豊田茂
   脚本:鈴木聡 演出:宮田慶子
   一般5,500円 学生3,500円
    http://www.seinenza.com/performance/public/201.html
   ここにも鈴木聡さんの新作が!高畑淳子さん主演のコメディーです。
   酸いも甘いも経験済みの大人が、笑って泣ける舞台だろうと予想。


7.森崎事務所M&O playsプロデュース『鎌塚氏、放り投げる』
  05/12-22本多劇場
  ≪東京、大阪、三重、島根≫
  ☆出演:三宅弘城、ともさかりえ、片桐仁、広岡由里子、玉置孝匡、
      佐藤直子、大河内浩
   脚本・演出:倉持裕
   前売り¥6,000/当日¥6,300
    http://www.morisk.com/plays/kura11/index.html
   倉持裕さんの新作はノンストップ・ホラーコメディー。
   達者な役者さんたちの演技合戦に、思いっ切り振り回されたいです。


★8.イキウメ『散歩する侵略者』
  05/13-29シアタートラム
  ≪神奈川、東京、大阪、福岡≫
  ☆出演:浜田信也 盛隆二 岩本幸子 伊勢佳世 森下創 窪田道聡
      大窪人衛 加茂杏子 安井順平
   脚本・演出:前川知大
   一般 前売4,000円 当日4,200円
    http://www.ikiume.jp/kouengaiyou.html
   人気劇団イキウメの代表作の再々演。再演レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/0913111419.html
  
   ●お薦めポイント●
   私たちの日常に起こるちょっと怖いSF世界。『散歩する侵略者』は
   劇団以外での上演も含めて3度拝見しています。初演レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1029231739.html
   東京新聞の記事↓によると、震災後に脚本を一部書き換えたそうです。
    http://tinyurl.com/3cxlja9
   神奈川のプレビュー公演で芸術監督の宮本亜門さんが絶賛↓されています。
    http://twitter.com/amonmiyamoto/status/61804410380091392
   作・演出の前川知大さんは昨年の『プランクトンの踊り場』↓で
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0511235923.html
   鶴屋南北戯曲賞↓を受賞されました。
    http://www.kobunsha.com/company/scheherazade/gikyoku.html


9.ワンツーワークス『又聞きの思い出』
  05/19-29ザ・ポケット
  ☆出演:萩原流行 奥村洋治 西海真理 関谷美香子 尾身美詞
      重藤良紹 山田キヌヲ
   作:ウディ・アレン 翻訳:鈴木小百合 演出:古城十忍
   前売り4,000円 当日4500円 
   ※10歳未満の児童はご入場いただけません。
    http://onetwo-works.jp/nextstage_mata.html
   ウディ・アレンの映画を舞台化。回想で進む物語は演出が楽しみ。


10.ナイロン100℃『黒い十人の女』
  05/20-06/12青山円形劇場
  ☆出演:峯村リエ 松永玲子 村岡希美 新谷真弓 植木夏十 安澤千草
    皆戸麻衣 菊池明明 廣川三憲 藤田秀世 吉増裕士 眼鏡太郎 小園茉奈
    木乃江祐希 白石廿日 水野小論 野部青年 森田甘路 みのすけ
    中越典子 小林高鹿 奥村佳恵 緒川たまき
   オリジナル脚本:和田夏十(映画『黒い十人の女』市川崑監督)
   上演台本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
   6,900円(前売・当日共) 学生割引券4,300円
    http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/nylon36th.html
   ケラさん↓が映画を舞台に。台本はオリジナルの部分が多いようですね。
    http://twitter.com/kerasand/status/63387416811143168
   大人数の出演者が完全円形の舞台に揃うだけでもワックワク!


11.俳優座劇場プロデュース『東京原子核クラブ』
  05/20-21俳優座劇場
  ≪長野県、北海道にて演劇鑑賞会による公演あり≫
  ☆作:マキノノゾミ 演出:宮田慶子
   出演:田中壮太郎 石井テルユキ 若杉宏二 小飯塚貴世江 西山水木
      田中美央 二瓶鮫一 檀臣幸 佐川和正 渡辺聡 外山誠二 佐藤滋
   一般5600円 グリーンチケット2800円
    http://www.haiyuzagekijou.co.jp/produce/
   繰り返し再演されている1997年読売文学賞授賞戯曲です。2008年レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0901230446.html
   ご覧になったことのない方はぜひ。繰り返し観ても発見があります。


 ☆☆☆────────────────────────────── 
  前売3000円以上、4000円未満の気になる作品を4本ご紹介します。
 ──────────────────────────────☆☆☆

★《1、2》渡辺源四郎商店『どんとゆけ』『あしたはどっちだ』二本立て公演
  05/04-08ザ・スズナリ
  ≪青森、東京≫
  ☆『どんとゆけ』出演:工藤由佳子 三上晴佳 工藤良平 田中耕一
    夏目慎也 ささきまこと
   『あしたはどっちだ』出演:工藤由佳子 高坂明生 宮越昭司 吉田唯
    山上由美子 田守裕子 佐藤誠 畑澤聖悟 要田禎子
    ※山上由美子と田守裕子はWキャスト。
   作・演出:畑澤聖悟
   前売一般3,000円、学生2,000円、高校生以下1,000円 
   当日一般3,300円、学生2,300円、高校生以下1,300円
    http://www.nabegen.com ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=26626
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=26624
   死刑制度をテーマにした舞台の再演および新作公演です。
   『どんとゆけ』は「CoRich舞台芸術まつり!2008春」スポンサード公演↓
    http://stage.corich.jp/watch_done_detail.php?watch_id=28568
   『あしたはどっちだ』は『どんと…』の続編で新作です。
   この舞台が漫画になり、ただいま漫画アクションで連載中!
    http://natalie.mu/comic/news/48108


《3》らくだ工務店『戦争にはいきたくない~あるネジ工場の景色~』
  05/20-29駅前劇場
  ☆出演:林和義 古川悦史 河相我聞 今村裕次郎 高瀬哲朗 小橋めぐみ
      駒木根隆介 山路和弘
   脚本・演出:石曽根有也
   前売3,500円 当日3,800円
    http://www.rakuda-komuten.com ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=26423
   石曽根有也さんが作・演出される劇団の再演公演。らくだ工務店には
   文学座の古川悦史さんや松本紀保さんら有名俳優が客演してきました。
   今回は青年座の山路和弘さんの出演も話題になっています。


《4》城山羊の会『メガネ夫妻のイスタンブール旅行記』
  05/21-31こまばアゴラ劇場
  ☆出演:鈴木浩介 石橋けい 古舘寛治 岡部たかし 永井若葉 大川潤子 本村壮平
   脚本・演出:山内ケンジ
   全席自由(整理番号付)一般前売り3,200円 当日3,500円
    http://shiroyaginokai.com/
   CMディレクター山内ケンジさんが作・演出される城山羊の会の新作。
   クセモノぞろいのキャストにも期待大。


 ★★★────────────────────────────── 
  前売2000円台以下の気になる作品を10本ご紹介します。
 ──────────────────────────────★★★

【1~3】世田谷パブリックシアター
  『日本語を読む その4~ドラマ・リーディング形式による上演』
  05/04-08シアタートラム
  ☆出演:久世星佳 羽場裕一 近藤芳正 吉見一豊 占部房子 他
   A:『ザ・シェルター』脚本:北村想 演出:大澤遊
   B:『家、世の果ての……』脚本:如月小春 演出:北川大輔
   C:『夜の子供』脚本:生田萬 演出:吉田小夏
   全席自由・日時指定 一般 各作品1,000円 高校生以下500円 U24 500円
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/05/4.html
   毎年、黄金週間に開催される朗読企画。充実のキャストで1000円はお得!


【4】冨士山アネット『家族の証明∴ JAPANTOUR 2011』
  5/11-15アトリエヘリコプター
  ≪東京ワークインプログレス、大阪、福岡、東京≫
   脚本・演出:長谷川寧
   全席自由 前売2,800円 当日3,000円
    http://fannette.net/next/ ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=26718
   演劇の台本をセリフなしで身体のみで表現。つまり見た目はダンスですが、
   ストーリー性は確かに感じとれます。3都市公演の締めくくりは東京で。


【5】バナナ学園純情乙女組『バナナ学園★王子大大大大大作戦』
  05/17-22王子小劇場
  ☆出演:若者多数!
   演出:二階堂瞳子
   全席スタンディング。全ステージ缶バッジチケット付き。
   各ステージの内容と料金はさまざまで、予約1200円~当日2500円。
   割引や通し券などあり。公式サイトでお確かめ下さい。
    http://banagaku.com/
    http://xoji.sub.jp/ ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=26989
   芸劇eyes番外編、F/T11公募プログラムへの参加が決まった注目の団体。
    http://www.geigeki.jp/saiji/007/9.html
    http://www.festival-tokyo.jp/10/news/2011/04/ft11-4.html
   怖いもの見たさでぜひ体験してみてください。
   お好みははっきり分かれると思いますが(笑)。過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1124130513.html


【6】趣向『解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話』
  05/21-23神奈川芸術劇場・大スタジオ
  ☆出演:岩井晶子 上村正子 菊池美里 窪田優 熊川ふみ サキヒナタ
      清水久美子 辻村優子 米沢絵美
   脚本:オノマリコ(趣向) 演出:黒澤世莉(時間堂)
   前売:2800円 当日:3000円 学生:2000円
    http://shukoushuko.blog48.fc2.com/ ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=26352
   縁あって脚本を読ませていただき、とても面白かったです。
   大学内の解体される校舎のお話で、登場するのは女学生たち。
   さいたまゴールドシアターの老俳優さんの出演が気になります。


【7】風琴工房『紅き深爪』
  05/24-29 ギャラリーLE DECO
  ☆出演:浅野千鶴 葛木英 園田裕樹 佐野功 大塚あかり 横尾宏美
   脚本・演出:詩森ろば
   日時・エリア指定 一般2500円 当日2800円 障碍1500円
    http://windyharp.org/ ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=26707
   詩森ろばさんが作・演出される劇団の再演公演。↓2006年のレビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0730225003.html
   キャストは一新。虐待がテーマの重い作品を、小空間の至近距離で。


【8】七里ガ浜オールスターズ『パ・ド・ドゥ』
  05/24-29王子小劇場
  ☆出演:伊東沙保 瀧川英次
   脚本:飯島早苗 演出:山本了(同居人)
   前売2500円 当日2700円 トリオチケット6600円
   前半割引2000円(5月24、25日の3公演) 
    http://blog.livedoor.jp/age_guts_go/ ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=27363
   伊東沙保さんと瀧川英次さんの2人芝居。飯島早苗さん作『パ・ド・ドゥ』は
   2000年版↓を拝見。10年以上経った今、自分がどう感じるか楽しみ。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2000/1112012441.html


【9】Produce lab 89 presents『官能教育~官能をめぐるリーディング~第1回
   マルキ・ド・サド×松井周(『ジュスチーヌまたは美徳の不幸』より)』
  05/25音楽実験室 新世界
  ☆出演:上田遥(ハイバイ)、松井周(サンプル・青年団)
   原作:マルキ・ド・サド 構成・演出:松井周
   全席自由 2500円+ドリンク代 
    http://shinsekai9.jp/2011/05/25/matsuilab/
    http://twitter.com/producelab89
   中止された3/19の公演が復活しました!
   「あなたが最もエロいと思う文学作品を、最もエロいと思う形で
   リーディング公演にしてください」という依頼を受けた松井周さんが、
   サドの小説を構成・演出し、出演もするリーディング公演。
   会場は六本木と西麻布の間にあるライブハウス。お酒とお料理も楽しめます。
   19:30と22:00の2ステージのみです。ご予約はお早めに!
   ※松井さんは第55回岸田國士戯曲賞を受賞されたばかりです。
    http://www.hakusuisha.co.jp/kishida/index.php


【10】三条会のアトリエ公演2011・初夏『ひかりごけ2011』
  05/28-06/11三条会アトリエ
  ☆出演:榊原毅 関美能留 永栄正顕 橋口久男 渡部友一郎
   脚本・演出:関美能留
   2,000円
    http://homepage2.nifty.com/sanjokai/02.html
   三条会の代表作の一つを、男優のみの完全新演出版でロングラン公演。
   2001年利賀演出家コンクールで上演され、最優秀演出家賞を授賞。
   2004年BeSeTo演劇祭での野外公演の劇評(後藤隆基)↓
    http://www.wonderlands.jp/archives/11771/


≪コンサート/ライブ≫

 ○小曽根真プロデュース『井上ひさしに捧ぐ』
  05/11(水)19:00~ Bunkamuraオーチャードホール
  ☆出演:小曽根真と仲間たち(井上芳雄、大竹しのぶ、神野三鈴、
      木場勝己、辻萬長、剣幸)
   管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
   S席8,000円 A席6,500円
    http://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/shosai_11_inoue.html
   ジャズ・ピアニストで作曲家の小曽根真さんが、
   昨年亡くなった劇作家井上ひさしさんのための音楽会をプロデュース。
   井上作品ゆかりの役者さんが出演されます。


 ○FUKAIPRODUCE羽衣『FUKAIPRODUCE羽衣LIVE Vol.4』
  5/14(土)19:30~吉祥寺MANDA-LA2
  ☆演出:深井順子 作詩・作曲/糸井幸之介
   2500円+1ドリンク
    http://tinyurl.com/6j2wghe
   FUKAIPRODUCE羽衣は劇団ですが、歌と音楽のライブ公演も行っています。


≪セミナー≫

 ○平田オリザ・演劇展vol.1 緊急対談
  平田オリザ×別役実「焼け跡と不条理-復興とは何か?-」
  5/5(木・祝)13:00~こまばアゴラ劇場
  ☆出演:平田オリザ 別役実
   予約・当日ともに500円
    http://www.seinendan.org/jpn/info/index.html


 ○シアターアーツ劇評講座「公開フォーラム 震災後の演劇を語る」
  5/8(日)18:30~21:00三軒茶屋キャロットタワ―4階ワークショップルーム
  ☆登壇者:石川裕人 永井愛 内田洋一 西堂行人
   参加費:1,000円(資料代)
    http://theatrearts.activist.jp/2011/04/vol6.html


 ○ワンダーランド演劇セミナー
 「徳永京子プロデュース クロストーク150分 最前線の演劇知」
  5/14(土)14:00-16:30 水天宮ピット
  ☆講師:長塚圭史(劇作家) 徳永京子(演劇ジャーナリスト)
   3000円。申し込みは締め切り。当日券の有無はお問い合わせください。
    http://www.wonderlands.jp/info/seminar2011/


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 ◆2 【先月のベスト3】
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 ◎4月は本数をあまり観られませんでしたので、勝手ながら
  ベスト3の発表はお休みさせていただきます。
  
  ままごと『わが星(再演)』メルマガ号外で発行いたしました!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0420225339.html
  5/1までの東京公演後に三重、名古屋、北九州、伊丹のツアーあり。
  
  わらび座ミュージカル『おもひでぽろぽろ』のレビューに
  舞台写真が多数ありますので、よかったらご覧ください。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0423150429.html
  秋田わらび劇場公演など全国ツアーあり(キャストは変わります)。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2011年4月(観劇数11作品)はままごと『わが星』で発行!


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 ◆3 【「CoRich舞台芸術まつり!2010春」最終選考中!】
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 ◎日本全国対象のインターネット上の舞台芸術フェスティバル
  「CoRich舞台芸術まつり!2011春」の審査員をさせて頂いております。
   http://stage.corich.jp/festival2011/
  グランプリ受賞団体には次回公演資金として100万円が支援されます。

  3ヶ月間で審査員が10作品を鑑賞し、6月中旬にグランプリを発表します。
  よかったら対象作品をご覧になって感想をクチコミしてくださいね!

   CoRich舞台芸術!:http://stage.corich.jp/
   メンバー登録:http://www.corich.jp/stage/user_register.php
   携帯サイト:http://www.corich.jp/m/s

 ≪5月の「CoRich舞台芸術まつり!2011春」最終選考作品≫

 ○箱庭円舞曲『珍しい凡人』
  05/04-11駅前劇場(東京)
  ☆脚本・演出:古川貴義
   前売3000円 当日3500円(全席自由) 初日割引:前売2800円 当日3300円
    http://www.hakoniwa-e.com/
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=24154
    http://stage.corich.jp/festival2011/detail.php?stage_main_id=18190
 
 ○万能グローブ ガラパゴスダイナモス『グンナイ』
  05/28-29イムズホール(福岡)
  ☆脚本・演出:川口大樹
   当日2500円 一般前売2300円、ペア3800円 高校生以下1000円
    http://www.galapagos-dynamos.com/
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=26323
    http://stage.corich.jp/festival2011/detail.php?stage_main_id=20040


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 ◆4 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎先月メルマガ発行をお休みした反動なのか、ただの気分なのか、
  公演の紹介本数がめちゃくちゃ多くなってしまいました…。
  いつもは無理にでも削っていたんですが、「削るのイヤ!!!」と、
  駄々っ子になってしまいました。


 ◎ライブイベントの前売券売上が震災前までの3分の1になったそうです。
   http://twitter.com/fukuikensaku/status/61763073089875968

  私自身、劇場にあまり行けなくなっています・・・(涙)。
  でも今月は先月よりも観劇予定を入れられるようになりました。
  どんな状況でも前を、上を向いていたいです。

  前売り券を買うことが、舞台芸術を支援することになると思います。
  私は演劇集団キャラメルボックスの6月東京公演の前売り券を買いました。
   http://www.caramelbox.com/
  同劇団は被災地に義援金500万円を寄付しています。応援したい!
   http://twitter.com/shinorev/status/59868917920841728
  ハーフタイムシアターは初めてなので、舞台も楽しみです。

  ただ、何事も無理は禁物ですよね。劇場には行ける人が行けばいいし、
  前売り券も買える人が買えばいいと思います。義援金寄付と同様に。

  ※海外招聘公演の中止が相次いでいます。
   シアターガイド・オンライン「都内の公演中止・延期の情報(4/26)」
    http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2011/04/26.php
   払い戻し手続きには期限があることが多いので要チェックですね。
   色んな意見↓がありますので、ご自身で判断・行動してください。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0328130225.html


 ◎おすすめ舞台中継 on TV ←激減です。

  【WOWOW】5月4日(水)18:15~
   ホリプロ『ろくでなし啄木』
   作・演出:三谷幸喜 出演:藤原竜也、中村勘太郎、吹石一恵
    http://www.wowow.co.jp/pg/detail/075504001/index.php

  【NHK 教育】芸術劇場が終了。
   http://www.nhk.or.jp/art/

  【NHK BS2】ミッドナイトステージも終了。
    http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/

  【NHK BS2】プレミアムシアターは日本製の舞台の中継を終了。
    http://www.nhk.or.jp/bs/premium/

  【意見】NHK「芸術劇場」「ミッドナイトステージ館」
   「プレミアムシアター」での演劇舞台中継の継続を嘆願します
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0202151800.html


 ◎【厳選シアター情報誌Choice!】TOPページ右下の“ちょいナビ”にて、
   http://www.next-choice.com/
  “しのぶの演劇レビュー”をご紹介いただいています!


 ◎FM西東京・演劇情報番組「たけがき2」
   http://takegaki.k-free.net/
  毎週放送される『演劇ハニーフラッシュ!』に
  「しのぶセレクション」というコーナーがあります。
  私がお薦めする舞台の公演情報を発信してくださっています。
  ラジオだけでなくネットでも聴けるので↓、よかったらぜひ♪
   http://www.voiceblog.jp/takegaki842/


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2011年4月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「ゲゲゲの女房」←アニメーションが素敵。
    http://www.gegege-eiga.com/
  ・「キャタピラー」←寺島しのぶさんの迫力。
    http://www.wakamatsukoji.org/
  ・「桜田門外ノ変」←テロ後を描くのが面白かった。
    http://www.sakuradamon.com/
  ・「信さん、炭坑町のセレナーデ」←鄭義信さんの脚本です。
    http://shinsan-movies.com/
  ・「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」←アルコール依存症の症状って…。
    http://www.yoisame.jp/


 ◎ツイッターやってます!フォロワー2500人超えに感謝♪
  ⇒ shinorev : http://twitter.com/shinorev
  今までは目に、耳にしなかった情報が絶えず届いて超刺激的!
  実名アカウント同士の身のあるやりとりから仕事に直結!
  最近は震災関連リツイートが多いです。


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
   http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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