冨士山アネットは長谷川寧さんが脚本・演出・振付を手掛けるカンパニーです。台本をもとに無言の身体表現にしていく手法で、テアタータンツと呼んでいるそうです。※ピナ・バウシュは「タンツテアター(Tanztheater)=舞踊劇団」 ⇒2008年の稽古場レポート
劇場に入って装置を目にするなり「ドイツ演劇みたい!」と思いました。上演時間は約1時間。
⇒冨士山アネット『家族の証明∴』、福岡公演レポート。
⇒CoRich舞台芸術!『家族の証明∴』
父、母、兄、姉、弟の5人家族の日常を描いたパフォーマンス。ほぼ無言なのでストーリーははっきりとはわかりません。でも彼らが家族で、どんな問題を抱えているのかは具体的に示してくれますので難解さはありませんでした(意味がわかってないだけかもしれませんが)。ダンスや演劇鑑賞の初心者が観ても、率直に面白さを受け取れる舞台だったと思います。
私はやはり、アクロバティックで素早くて、少しのミスも許されないようなコンビネーションが好き。イスとテーブルを使う場面はスリリング!緻密な稽古を積んでこその成果を見せていただけたと思います。
ただ、「面白い」「凄い」「楽しい」「わくわくする」といった見どころの、その上にある何か、例えば視点や主張を提示してもいいのではないかと思いました(既に示されているのでしたら、私が読めていないだけです)。空間がドイツ演劇みたいに見えたからでしょうね。
ここからネタバレします。
オープニングで、子供たちが生まれる場面が良かった!夫婦で1人ずつ持ち上げて、生み落としていく体勢がヤバイ(笑)。お母さんの腰は大丈夫かしら?!って心配になるぐらい。
最後にBeatlesの"All You Need Is Love"がかかりました。それが政治的というか、何か社会的なメッセージにつながるような気がしたんですよね。最初の旋律がフランス国歌だからかもしれませんが。そうなって欲しいという思いが私の中にあるのだと思います。
≪東京ワークインプログレス、大阪、福岡、東京≫
[choreography&cast] 大園康司 伊藤麻希 玉井勝教 石本華江(妄人文明) 長谷川寧 ※出演者一部変更のお知らせ 本公演出演予定の小林由佳(She de cusu oh chee!)は、怪我により出演が困難になりました。代わって石本華江(妄人文明)が出演致します。
作・演出・振付:長谷川寧 音楽監督:吉田隆弘 音楽:フジモトヨシタカ(ar) 衣裳:生田志織 舞台監督:中西隆雄 照明:奥田賢太(colore) 映像:浦島啓(PUREDUST) 音響:和田匡史 美術:大泉七奈子 イラストレーション:東村アキコ 宣伝写真:生井秀樹 松本和幸 宣伝美術:太田創(01 Ga graphics) 制作:清水美里+冨士山家 共催:(財)福岡市文化芸術振興財団(福岡公演) 主催:冨士山アネット 大阪市(大阪公演)
【発売日】2011/03/19[料金] 前売2,800円 当日3,000円(全席自由)
http://fannette.net/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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