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2011年06月30日

【オーディション】サンプル/川崎市アートセンター「2012年2月公演出演者オーディション」※8月21日(日)〆切(郵送必着・持ち込み不可)

 松井周さん率いる劇団サンプルが2012年2月公演の出演者オーディションを実施します。松井さんは岸田國士戯曲賞を受賞したばかりの、今もっとも注目される若手劇作・演出家の1人です。サンプルはスタッフ・キャストによる集団創作のスタイルにも大きな特徴があります。
 ⇒松井周インタビュー「受動的に生きることを肯定する 松井周のリアル」(2011年5月)

 下記は公式サイトの情報です。ご興味ある方はワークショップ『世界を着せ替える』も合わせてご検討ください。

 ●サンプル新作公演
  公演日程:2012年2月17日(金)~2月26(日)
  会場:川崎市アートセンターアルテリオ小劇場
 ○出演者オーディション
  応募締切:2011年8月21日(日)必着 (※持込み不可)
  一次選考:8月27日(土)ワークショップ形式
  二次選考:8月28日(日)ワークショップ形式(終日)
  三次選考:9月04日(日)ワークショップ形式(終日)
  ※一次および二次選考の会場は東京都内、三次選考は川崎市アートセンターを予定。

【劇団「サンプル」出演者オーディション】公式サイトより
劇団「サンプル」新作公演(作・演出:松井周)の出演者を募集します。
出演を希望される方は、下記の要項に 沿って応募書類をご郵送下さい。
たくさんのご応募をお待ちしています。

【劇団「サンプル」 プロフィール】
 松井周(劇作家・演出家・俳優)が主宰する劇団。一般的な価値を反転させ、 空間・身体・時間の可能性を探り続ける独特の作品世界で、同世代を中心に高い支持を得ている。松井は、『自慢の息子』(2010 年)で第 55 回 岸田國士戯曲賞を受賞。ニューヨークタイムズで「日本における 最も重要な演出家の一人」と紹介され幅広く活躍を見せている。

【公演概要】
劇団「サンプル」新作公演
公演日程:2012年2月17日(金)~2月26(日)
会場:川崎市アートセンター アルテリオ小劇場
主催:サンプル / 川崎市アートセンター

【オーディション概要】
●応募条件
1.2011年12月下旬の稽古から上記の公演日程終了まで参加可能な方。
2.心身ともに健康な18歳以上の方

●選考スケジュール
1. 書類選考
 ※合格された方にのみ、8月25日(木)までに一次選考の詳細をE-mailにてご連絡いたします。
2. 一次選考 8月27日(土)ワークショップ形式
 A=11:00-15:00 / B=16:00-20:00 を選択
3. 二次選考 8月28日(日)ワークショップ形式(終日)
4. 三次選考 9月4日(日)ワークショップ形式(終日)
 ※一次選考~二次選考の会場は東京都内、三次選考は川崎市アートセンターを予定しています。

●応募書類
 ※履歴書・写真は返却いたしませんので、ご了承ください。
 1.履歴書(指定書式あり)
  指定書式ダウンロード(PDF)
 2.写真(顔・全身各1点 : 裏面に記名後履歴書に貼付)

●応募締切
 2011年8月21日(日)必着 (※持込み不可)

●送付先
 〒215-0004 川崎市麻生区万福寺 6-7-1
 川崎市アートセンター サンプル新作公演オーディション係

●オーディション参加費
 2,000 円(一次審査時にお支払いいただきます)

●お問合せ・主催
 サンプル TEL: 090-2903-8363 (10:00-20:00)
 川崎市アートセンターTEL: 044-955-0107 (9:30-19:30 /休館日を除く)

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:13 | TrackBack

2011年06月29日

【ワークショップ】アクターズワークス「俳優のためのアクティングワークショップ・エクササイズクラス2011年8月」※8/11〆切(メールのみ)

 女優・俳優指導者の柚木佑美(ゆうき・ひろみ)さんのワークショップが8月に開講されます。⇒ワークショップのレポート(2006年) ⇒柚木さんインタビュー(2007年) 

 サンフォード・マイズナーのシステムを体験できるクラスです。柚木さんは新国立劇場演技研究所常任講師で、NHK大河ドラマ、朝の連続テレビ小説などのアクティング・トレーナーでもあります。基本的に10日間連続(内1日はお休み)で時間は18:00~21:00。ご興味ある方はぜひ。

 ●アクターズワークス「俳優のためのアクティングワークショップ・エクササイズクラス2011年8月」公式サイト
 【日程】2011年8月18日(木)~28日(日)。25(木)はお休み。計10回(いずれも時間は18:00~21:00)
  [予備日程] 29日(日)・30日(火)・9月1日(水) (いずれも時間は18:00~21:00)
 【会場】都内施設
 【定員】最多10人(定員になり次第〆切。最少人数に満たない場合は中止の可能性あり。)
 【申込締切】 2011年8月11日
 【受講料】 35,000円
 【受講条件】18歳以上のプロの俳優。もしくはプロの俳優を目指す18歳以上の新人で心身ともに健康な方。

 ※柚木さんが主宰するアクターズワークスからいただいた情報です。詳細は下記をどうぞ。

■俳優のためのアクティングワークショップ■
 ~エクササイズクラス募集~
 アクターズワークスワークショップ実行委員会

N.Y.の有名な演劇学校ネイバーフットプレイハウスのメソッド
サンフォードマイズナーのシステムを体験してみませんか?

【エクササイズクラスとは】
“感情”について具体的に学習していくクラス。
様々なエクササイズを使い、出しにくかった感情をよりスムーズに、豊かに表現できるよう練習。
リピートエクササイズで相手とコミュニケーションすることを身体で学びます。
(詳細はHP http://actorsworks.blogspot.com にて)

【講師プロフィール】 柚木佑美(ゆうきひろみ)
舞台や映像で活躍。’95、ネイバーフッドプレイハウス出身のキャリー・ジベッツ先生と出会い、役者としてトレーナーとしてサンフォード・マイズナーテクニックを学ぶ。新国立劇場演技研究所常任講師。NHK大河ドラマ、朝の連続テレビ小説 月曜ドラマ、23時ドラマなどのアクティングトレーナー。
(講師暦詳細:http://yukihiromi.blogspot.com/2010/06/blog-post.html

【日程】
2011年8月18日(木)・19日(金)・20日(土)・21日(日)・22日(月)・23日(火)・24日(水)・26日(金)・27日(土)・28日(日)の計10回(いずれも時間は18:00~21:00)

[予備日程] 29日(日)・30日(火)・9月1日(水) (いずれも時間は18:00~21:00)

【会場】都内施設
【定員】最多10人(定員になり次第〆切、最少人数に満たない場合、中止させていただく場合があります。)
【申込締切】 2011年8月11日
【受講料】 35.000円
【受講条件】18歳以上の、プロの俳優もしくはプロを目指す新人の方で心身ともに健康な方
【申込方法】お名前、ご住所、電話番号、年齢、簡単なプロフィールをご記入のうえ、メールにてお申し込みください。折り返しご連絡いたします。

お申し込み、お問い合わせは
E-mail : actors.w(アットマーク)gmail.com
アクターズワークスワークショップ実行委員会まで

HP : http://actorsworks.blogspot.com
チラシ : http://bit.ly/lq5pFn

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:19 | TrackBack

【ワークショップ/オーディション】時間堂「俳優のための演技:オープンクラス2011年7月」※メールのみ先着順

 演出家の黒澤世莉さんが主宰する時間堂の俳優向けワークショップ情報です。2011年12月の時間堂本公演『星の結び目』(戯曲:吉田小夏(青☆組)/演出:黒澤世莉)のオーディションも兼ねています。ご興味のある方は是非。
 7月28(木)19:00~21:00には「俳優のための合唱ワークショップ 2011年7月」(講師:伊藤靖浩)もあります。

 ●時間堂「俳優のための演技:オープンクラス2011年7月
  期間:2011年7月9(土)、24(日)、30(土)
  定員:12名、先着順にて〆切
  参加費:3,000円/1回
  備考:1回から参加可能。

■時間堂「俳優のための演技:オープンクラス2011年7月」※公式サイトより

●日時
2011年7月
9(土)18:00~21:00
24(日)18:00~21:00
30(土)14:00~17:00

定員:12名、先着順にて〆切
参加費:3,000円/1回
備考:1回からご参加いただけます。

●概要
俳優に必要な能力ってなんでしょう。「大きな声ではっきり喋る」「台詞を歌うように伝える」「切れ味のいい身体で舞台を駆け巡る」そういうことが必要な場合は、お勧めしません。

時間堂では「そこに居て、目の前の相手ときちんと関わる」ことが俳優の基本だと考えています。頭で考えることや、どう台詞を言うか、なんてことはその次の事。そんなの当たり前のことでしょうか。当たり前のことをしっかりやるというのは、なかなか難しいことです。

このクラスでは、まず身体を使います。自分の身体を意識して、深い呼吸をします。相手の呼吸を感じて、相手の身体を意識します。言葉にすると簡単そうでも、やってみると難しい。演劇はそんなことの連続です。

一度体験してみてください。一度で俳優として上達する約束はできません。全然合わないと思われるかもしれません。

しかし、私たちが大切にしているものを身体で感じていただいて、少しでも役立つものを手に入れてもらえれば嬉しいです。時間堂では、このWSの内容を、出演者一同とひたすら繰り返してきているのです。

怖くないですよ。楽しい演劇の時間がモットーです。

*2011年12月公演のオーディションも兼ねての開催となります。出演をお願いする方にはこちらからご連絡差し上げます。

●講師:黒澤世莉
演出家。佐藤佐吉賞優秀作品賞、演出賞受賞。スタニスラフスキーとサンフォードマイズナーを学ぶ。新国立劇場演劇研修所や円演劇研究所などで、指導者としても活動。

●参加要項
・職業俳優としての意識のある方
・年齢・性別・国籍不問ただし日本語での会話に不自由のない方

● 会場 豊島区、杉並区、世田谷区など

● 応募方法
下記をご記入の上、[E-mail]にてお申し込み下さい。*2009年以降に時間堂WSにご参加の方は【1】【2】と変更箇所のみで結構です
【1】参加希望日時【2】お名前(ふりがな) 【3】年齢【4】性別【5】電話番号【6】メールアドレス【7】住所【8】備考 *所属劇団、事務所等、最近の舞台出演等、があればお書きください
[E-mail]  info(アットマーク)jikando.com

●企画/運営 時間堂


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 21:59 | TrackBack

新国立劇場演劇『おどくみ』06/27-07/18新国立劇場小劇場

 青木豪さんが初めて新国立劇場に書き下ろした新作は、なんと青木さんの私戯曲といえるほどご自身を投影したものでした。演出は芸術監督の宮田慶子さん。青木さんは宮田さんの演出だからこの仕事を引き受けたそうです(劇場会報紙The Atreより)。上演時間は2時間25分(途中休憩15分を含む)。

 青木さんと年齢が近いせいもあるのか、20~30年前の一般家庭を描く物語に自分の(家族の)ことを重ね合わせて、普段以上に感情移入してしまいました。
 終演後に一緒に観た人と話がはずむ、というか、感想や思い出話が次々と出てきて止まらなくなる作品だと思います。10代の人が観たらどうなのかしら・・・過去の歴史劇になるのかな。感想を聞いてみたいです。

 ⇒厳選シアターChoice!ステージ・チョイス
 ⇒CoRich舞台芸術!『おどくみ

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 80年代半ば。横須賀のはずれにある商店街の総菜屋畑中家では、毎日、弁当や総菜作りが忙しく行われている。切り盛りするのは主人の幸広(小野武彦)ではなく、妻の美枝(高橋惠子)とパートの酒田(根岸季衣)。学習院大学に入学した長男剛(浅利陽介)は友人たち(下村マヒロ、東迎昂史郎)と映画研究部の活動に没頭していた。ある日、葉山の御用邸から仕出し弁当の注文が入る。幸広の母(樋田慶子)、弟、剛の妹(黒川芽以)も加わり、一丸となって仕事に精を出す畑中家。弁当を届け万々歳なはずが、しだいに暗雲が立ちこめる…。
 ≪ここまで≫

 横須賀にある惣菜屋さんの厨房と居間。階段のそばに祖父と祖母の部屋があり、階段を上ると子供たちの個室のドアが並んでいます。終演後に装置を見に行くお客様が多かったですね。しばらく細部を眺めたくなるほどの具象美術です。

 最初から笑いがドッカンドッカンと巻き起こりました。新国立劇場の初日はお年を召したお客様が多いのもあり、客席内の世代間ギャップにあらためて驚かされましたね。同じ日本人でもこんなに受け取り方が違うのか、と。
 昭和60年代当時の有名なゴシップへの反応なので、笑いが頻繁に起こることに疑問はありませんが、ベテラン俳優のおおらかなたたずまいが客席と舞台との距離を縮め、親しみやすい空間になっているからでもあると思います。固有名詞がわからない世代にはなんのことやらでしょうけど、いつの時代も誰もが話題にする出来事はあるもので、日本の皇室なんてどんぴしゃりです。
 
 物語については・・・一家の主である剛の父親とその弟(谷川昭一朗)、同居中の祖母の横暴に胸が悪くなるっ!!(笑) 私が真面目に働く母親(高橋惠子)の視点になりがちだったせいでしょうね。“昭和の妻・母”の像って暴力的だな~。笑いの絶えない喜劇でしたが、ごく一般的な家庭の会話のそこかしこに、毒が盛られていました。
 もう、あれから20年以上も経ってしまった。ひとつひとつを思い出すように舞台を見つめながら、自分がうっかり積み重ねてしまった年月の重みを確かめました。

 ここからネタバレします。

 場所はずっと同じで時だけが過ぎます。場面転換中に白いハトの映像が流れました。いかにもCGとわかるものだったので最初はかなりの違和感でした。でも徐々にハトの数が増え、空間全体を覆うほどになります。剛がとうとう父親と対峙して怒りを爆発させた場面では、無数のハトが暴れるように飛び回り、彼の気持ちを大胆かつダイナミックにあらわしました。

 そこでまさかU2の"With or Without You"(⇒歌詞 ⇒ニコニコ動画)がかかるとは!!私にとっては10代の頃に聴きまくっていた大ヒット曲です。聴きすぎて(PVを繰り返し見過ぎて)今耳にするとちょっと恥ずかしい気持ちになるほど有名な曲なので、流れた時は奇妙な心地でした。でも飛び回るハトに埋め尽くされた家で、棒たわしを振り回す剛を見る内に、あの頃の私自身のやり場のない怒りがよみがえって、どっぷりとシンクロ状態に。学校、両親、常識・・・近くにあるのに得体の知れない、そして私を取り囲んで離さなかったものたちが、次々と胸によぎり・・・ちょっぴり涙してしまいました。

 天皇および皇室について、一般人が頻繁に話題にします。国立の劇場で天皇について自由な発言がなされるのは爽快。青木さんのお考えを主人公の剛(つよし)が語っていました。こういうことだったかと↓
 『天皇は“死”に近い。誰も天皇になれないから決してその本質(真実)を知ることはできない、でもいつでも必ずそばにあり、なくなることはないのだから。』
 
 終盤で年号が「昭和」から「平成」に変わった時のテレビの音声が流れます。「平らかに成る」と話しているのは亡くなった小渕元首相です。皇太子と結婚した雅子様のお言葉も。私たちは、あの時に期待したことが全く叶わなかった今を生きていますよね。

 ※売れ残ったお惣菜に母親(高橋惠子)が何かをしてる場面について。指のばんそうこうをはずして、お惣菜に膿(うみ)をたらしていたようです。私は包丁で自分の指を切ってるのかと思ってました(恐ろしい!)。

出演:高橋惠子 浅利陽介 黒川芽以 下村マヒロ 東迎昂史郎 谷川昭一朗 樋田慶子 根岸季衣 小野武彦
作:青木豪 演出:宮田慶子 美術:伊藤雅子 照明:藤田隆広 音響:福澤裕之 衣裳:宮本まさ江 演出助手:渡邉千穂 舞台監督:大垣敏朗
一般発売日:2011年5月14日(土)10:00~ A席5,250円 B席3,150円 Z席1,500円
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000329_play.html

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Posted by shinobu at 00:10 | TrackBack

2011年06月28日

パルコ・プロデュース『幽霊たち』06/14-07/03 PARCO劇場

 白井晃さんが米国の小説家ポール・オースターさんの小説を構成・演出されます(過去レビュー⇒)。佐々木蔵之介さん、奥田瑛二さんら豪華キャスト。上演時間は約2時間5分。

 三宅純さんのオリジナル音楽に小野寺修二さんの振付などなど、豪華スタッフのお仕事に満足♪でもストーリーに引き込まれなかったですね~。

 ⇒CoRich舞台芸術!『幽霊たち
 レビューは記録程度です。

 ≪あらすじ≫
 私立探偵のブルー(佐々木蔵之介)はホワイトという名の紳士(奥田瑛二)から、「ブラックという男を見張って毎週レポートを提出して欲しい」との依頼を受ける。ブルーはブラックの部屋の真正面の部屋にこもって彼を監視するが、一向に動きがない。
 ≪ここまで≫

 黒い家具をするすると移動させて場面転換。誰かの帽子を次々と違う人物が被っていくなどは、水と油の公演でもよく拝見しました。何度見ても鮮やかで面白いですね。

 ここからネタバレします。

 ブラック(奥田瑛二)を見張ってるはずのブルー(佐々木蔵之介)だったが、実はブラック自身も誰かを見張ってる私立探偵だと言う。つまりブルーを見張っているのだ。仕事を依頼してきたホワイト(奥田瑛二)が仕組んだ罠だったのか・・・?
 ブルーはとうとうブラックと対峙し、彼を殺して実社会に戻っていくという結末なのかしら・・・。

≪東京、名古屋、広島、福岡、大阪≫
出演:佐々木蔵之介 市川実日子 有川マコト 細見大輔 斉藤悠 原金太郎 奥田瑛二
脚本:ポール・オースター 翻訳:柴田元幸 音楽:三宅純 構成・演出:白井晃 美術:伊藤雅子 照明:斉藤茂男 振付:小野寺修二 衣裳:太田雅公 ヘアメイク:佐藤裕子 演出助手:西祐子 舞台監督:藤崎遊 田中直明 宣伝美術:東學 宣伝写真:谷敦志 宣伝ヘアメイク:西岡達也 宣伝衣裳:宮本まゆみ 宣伝PR:ディップス・プラネット 制作協力:ケイファクトリー 製作:山崎浩一 プロデューサー:尾形真由美 松本あき子 企画・製作:(株)パルコ
【休演日】6/20,27【発売日】2011/04/23 ¥7,500(全席指定・税込) U-25チケット=¥5,000(25歳以下対象/枚数限定/当日指定席券引換/要身分証明書/チケットぴあ のみ取扱) ※未就学児のご入場はお断りいたします。
http://www.parco-play.com/web/page/information/ghosts/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:55 | TrackBack

【ワークショップ】サンプル「ワークショップ 世界を着せかえる」08/15-20川崎市アートセンターアルテリオ小劇場※7/17〆切(メールのみ)

 松井周さん率いる劇団サンプルが「ワークショップ 世界を着せかえる」を開講します。サンプルの作品創作にたずさわるスタッフ・俳優の方々が、それぞれにの専門分野について講義をするという、強烈な企画!サンプルの世界を丸ごと体験できるのでは?!

 18歳以上なら基本的に誰でも参加可能(演技クラス以外)。好きなクラスを個別に受講できます。詳細は公式サイトでご確認ください。

 ●サンプル「ワークショップ 世界を着せかえる」
  期間:2011年8月15日(月)~20日(日)
  会場:川崎市アートセンター アルテリオ小劇場
  内容:劇作・演出・ドラマトゥルク・舞台美術・音響・宣伝美術・制作・照明・衣装・演技
  定員:各クラス20 名 (応募多数の場合は抽選)
  参加費:全クラス参加は10,000円 (演技クラスは19日か20日のどちらかを選択)
  受付期間:2011年7月1日 (金)~7月17日 (日)
   ※7月24日(日)までに参加の可否をお知らせします。
   ※定員に達しなかった場合は受付期間を延長します。
  申込方法:メールのみ

Posted by shinobu at 15:56 | TrackBack

2011年06月27日

乞局奇譚集2011『標本~蜂・蠅・蜻蛉・蝶~』06/22-30リトルモア地下

 原宿の小空間リトルモア地下で、乞局(こつぼね)が短編集を上演します。6/22のプレビューを拝見しました。初日は6/24です。上演時間は約1時間20分。会場が暑くなりますので薄着推奨です。

 幕開けの1本目からいきなり奇想天外!不気味!そして題材が昆虫ですからね~、気持ち悪いです(笑)。各短編の設定の意味が全然わかりません。でも(だから)刺激的で面白い!「奇譚集」の名にふさわしい公演ですね。
 内容的にも性描写の点でもR-15ぐらいでしょうか。つまりハードルは低くないですが、役者さんの妙技にうなりますし、あの粘着質な空気は乞局でしか味わえないものだと思います。

 ⇒CoRich舞台芸術!『標本』※CoRichでカンタン予約!

 世間の常識からはかけ離れた会話が唐突に始まり、背景の説明など全くないままに進みます。「あれはどういう意味?」「なぜこんな行動を??」と疑問に疑問が重なっていくので、没頭しっぱなし。
 たぶん脚本を読んだだけでは意味がわからないんじゃないかしら。役者さんの演技と演出で肉付けして初めて立ちあがってくるような。

 ここからネタバレします。

【蜂】
 出演:石田潤一郎

 後頭部に白い面を被った男が登場した時点で、あああ、いきなりアブノーマル。しかもほぼパンツ一丁だし。
 一人暮らしの汚い部屋で蜂をつかまえようと奮闘しつつ、やがて自分が蜂になっちゃう。


【繩】
 出演:高尾祥子 佐野陽一 岩本えり 島田桃依

 浮気症の彼氏(佐野陽一)を殺してしまった女(高尾祥子)。幽霊となった彼氏からの罰を受け続ける。時はめぐり女は老婆になって・・・。
 佐野陽一さんがかっこ良かったです。自信満々で強引だし、これならモテるよねって納得するぐらい。でも【蝶】ではとてもかっこ悪いんです。そのギャップが役者さんを魅力的に見せます。


【蜻蛉】
 出演:井上裕明 岩本えり 石田潤一郎 高尾祥子 佐野陽一

 近未来。互いの性癖をあげ連ねてケンカする兄(井上裕明)と妹(岩本えり)。なぜかそのケンカは審査(?)されるので、2人は何度もトライする。覗きが趣味の妹が兄の情事をもっと見たいの望むと、彼女の片目は複眼になった。兄の情事の相手は・・・。あれ、やだ、何書いても全然意味わからないよ、このあらすじ(笑)。

 私はこの短編が一番面白かったです。設定が意味不明。でも引き込まれてハラハラ。あぁ気持ち悪い。すごく面白い。
 井上裕明さんが高圧的でセクシーでした。少年っぽい岩本えりさんが兄に迫られてどぎまぎするのが可愛かった。

【蝶】
 出演:島田桃依 佐野陽一 石田潤一郎 井上裕明

 接客のバイト以外に占いもしている女(島田桃依)。地下の自宅は彼女の城だ。彼女に惚れた整体師(佐野陽一)がいきなり自宅に飛び込んできて・・・。
 島田桃依さんの迫力たるや。メイク落としの途中でそのまま放置した顔は、当然ながらブサイクなんですが、舞台袖で顔を拭いて出てきたらとってもきれい。2人の男に取り合いされて女は美しくなるんですよね。演技のたまものだと思います。
 佐野さんの頭、顔、肩に本当に鱗粉(りんぷん)が振りかけてあるのが可笑しいです。


【標本】
 出演:石田潤一郎 岩本えり 井上裕朗 佐野陽一 島田桃依 高尾祥子

 これまでに登場した人々が昆虫として登場。誰と交配するかをくじ引きで決めます。各エピソードの設定を背負って会話が進むので、いわゆるまとめの章になってました。何もかも唐突だな~(笑)。


出演:石田潤一郎/岩本えり(以上、乞局)/井上裕朗(箱庭円舞曲)/佐野陽一(サスペンデッズ)/島田桃依(青年団)/高尾祥子(東京乾電池)
【作・演出】下西啓正 【音響】池田野歩(リトルモア地下)【照明協力】綿貫美紀/吉村愛子(Fatasista?ish.)【特殊小道具】田村雄介【演出助手】田中光一(田中兄弟)【衣装・ヘアメイク】中西端美(ひなぎく) 【宣伝美術/映像】石田潤一郎【イラスト】原田牧【WEB】柴田洋佑(とくお組) 【制作】乞局(コツボネ)・増井めぐみ(リトルモア地下)【制作協力】藤原みかん(リトルモア地下) 小駒豪 会沢ナオト 溝口美帆(ブス会*) 徳橋みのり(ろりえ) 犬飼勝哉(わっしょいハウス)【共催】リトルモア地下【製作】乞局(コッボネ)
【発売日】2011/05/10 予約:¥2,200(日時指定・自由席) 当日:¥2,500(日時指定・自由席) 学生・喪服割引¥2,000: /劇団予約のみ取扱い(当日券はありません) ※22(水)19:30~プレビュー公演¥2,000/劇団予約のみ取扱い(当日券はありません)
http://kotubone.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年06月26日

【ワークショップ】「王子小劇場地域発信プロジェクト2011参加者募集・講師:中屋敷法仁」※7/10正 午〆切(メールorFAX)

 王子小劇場が北区の中高校生向けの演劇ワークショップを開催します。講師は昨年に続いて中屋敷法仁さん(柿喰う客)。最終日には「グリム童話」を題材にした短時間の発表上演あり。昨年はなんと数日間の公演があったんです(⇒告知エントリー)。

 劇場が地域に向けて発信する内容充実の企画ですので、ご興味のある中高生の皆さん、ぜひ。演劇部員じゃなくてもOKです。未経験者歓迎。

 ●「王子小劇場地域発信プロジェクト2011」公式サイト
 期間:7月21日(木)~24日(日)
 応募資格:北区に住んでいる中学生、高校生/北区の学校に通っている中学生、高校生
 定員:15名
 申込〆切:7月10日12:00(E-MAILかFAX)※応募者多数の場合は抽選

◆サマースクール参加者募集!!◆ ※公式サイトより

現在活躍中の演出家といっしょにゲームやレクリエーションをしながら他人とのコミュニケーションがちょっとうまくなるコツや、 演技の基礎を少し体験してみましょう。

演劇部に入っているひとはもちろん、少し興味があるひとも、まるで経験がないひとも楽しめるプログラムになります。

最終日には「グリム童話」を題材にした短時間の発表上演をします。


【応募資格】
◆北区に住んでいる中学生、高校生
 北区の学校に通っている中学生、高校生

◆以下の日程のスケジュールがあけられること
7月21日(木)~7月23日(土)の9:30から15:00
7月24日(日)の10:00から17:00
*会場は王子駅周辺の施設になります。

参加希望の方は、以下の項目を記入の上、E-MAILかFAXにてお申し込みください。
①名前  ②学年  ③電話番号  ④メールアドレス

FAX 03-3911-8259
mail info-ohsho(アットマーク)proof.ocn.ne.jp

◆定員15名です
◆応募シメキリ  … 7月10日12:00
◆応募者多数の場合は抽選になります
◆参加費は無料です。


講師:中屋敷法仁(なかやしき のりひと)
1984年4月4日 青森県出身

高校在学中に発表した『贋作マクベス』にて、第49回全国高等学校演劇大会・最優秀創作脚本賞を受賞。
青山学院大学在学中に「柿喰う客」を旗揚げし、以降、全ての作品の作・演出を手掛ける。
人間の存在や現代社会の退廃的な面を皮肉たっぷりに描き、観客から冷笑を誘うような舞台を生み出すことを得意とし虚構性の高い独特の演出法は「反・現代口語演劇」の旗手として注目されている。
王子小劇場地域発信プロジェクトの講師を務めるのは、昨年に引き続き2回目。


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:57 | TrackBack

2011年06月25日

東京芸術劇場『芸劇eyes番外編「20年安泰。」』06/24-27水天宮ピット・大スタジオ

 東京芸術劇場が注目する団体を紹介する芸劇eyesの番外編ジエン社 バナナ学園純情乙女組範宙遊泳マームとジプシーロロの5団体(あいうえお順)が各25分間の短編を上演します。参加団体をコーディネートしたのは演劇ジャーナリストの徳永京子さん(⇒ツイッター)。早々に前売り完売でした。当日券は毎ステージ発行されます。 

 全力出せてなさそうな団体もありましたが、ものすごく楽しかったです・・・!上演時間は約2時間15分(まとまった休憩はなし)。
 バナナ学園純情乙女組の前にレインコートとビニール袋を着用する時間があります。被った方がいいです(笑)。被っていたら大丈夫。座席によってはかなり役者さんと関わることになります。全席自由ですのでお席を選びたい方はお早めに劇場へ。

 ⇒イープラス「出演の5組からメッセージ
 ⇒げきぴあ「芸劇eyes番外編 演出家リレー連載
 ⇒CoRich舞台芸術!『20年安泰。

 「芸劇eyes」はもうブランドなので、5団体のファン以外にどの団体も観たことがない観客も大勢いらしたと思います。公共ホールの企画で初日だったのもあり、お年を召した方も多かったような。驚いただろうな~(笑)。
 1作品終わるごとに客電が明転し、次の作品の準備時間になります。1作品ずつ紹介するショーケース形式なので、堂々と比較して楽しめました。
 客席が三方から囲む何もないステージで天井も高いですし、小劇場しか経験のない団体には空間が強敵だったかも。もちろんそれを上手く使った団体もありました。

 私はバナナ学園純情乙女組が一番良かった!もー興奮!!素晴らしい!!!短編を1度しか観たことがなかったジエン社は、予想以上に面白くて驚きました。ロロと範宙遊泳は本来の力を発揮できていない印象。マームとジプシーはさすがのクオリティーでしたが、もっと遠くに広がるはずではないかと。どの団体も1ステージごとに飛躍的に進化しそうなポテンシャルを感じました。

 企画タイトルの「20年安泰。」についてはツイッター上でも大いに話題になりました。チラシの「20年後、これを観たことが自慢になる。」というキャッチコピーや、徳永さんがススめる!ぴあ7/7号に書かれていた「この人たちがいれば、日本の演劇界は20年安泰。」の意味は、私は言葉どおりの挑発を素直に受け取って「そうならぜひ観たい」と思いました。
 もしかすると、こんな多彩な20代の演劇人が同時に勢ぞろいするのは、過去20年間になかったことで(私は知りませんが)、今後20年も期待はできないという意味なのかも。つまりそれぐらい珍しいことで、もうこれ以降はないかもしれない・・・とも受け取れました。つまり主催者は“演劇界は20年安泰だ”なんて思ってないってことです。

 ここからネタバレします。

 ■ロロvol.5.6 『夏が!』
 出演:亀島一徳 篠崎大悟 望月綾乃 島田桃子 多賀麻美
 脚本・演出:三浦直之 演出助手:中村未希 山口千晴 宣伝美術:玉利樹貴 制作助手:幡野萌 制作:坂本もも 協力:範宙遊泳 スペシャルサンクス:埼浜鈍、Knocks、森本華 企画製作:ロロ

 海底に住まう美女と人間の若者の成就し得ない恋。最初の半分ぐらいはセリフいらないんじゃないかなぁ。青いビニシで充分雄弁ですから。ポロっとこぼす若者言葉が状況説明のように聴こえました。役者さんが空間を支配出来てなかったですね。トップバッターで緊張してたのかも。


 ■範宙遊泳『うさ子のいえ』
 出演:大橋一輝 熊川ふみ 埜本幸良 板橋駿谷 川口聡 金丸慎太郎 高木健 竹中香子 田中美希恵 戸谷絵里 永島敬三 福原冠
 脚本・演出:山本卓卓 衣裳+美術:たかくらかずき テキスタイルデザイン:井上綾 演出助手:菅原和恵 制作助手:金子文 制作:坂本もも スペシャルサンクス:李漢強、澁澤萌 企画製作:範宙遊泳

 うさぎの家族が、彼らがモデルになったお芝居のアフタートークに出演。敢えてなのかもしれませんが、劇中劇の大ざっぱさが気になってしまいました。役者さんは達者な方ばかりなので、もうちょっと作り込んでほしいな、と。舞台奥の搬入口を開いて外を使う演出がいいですね。他の団体になくて良かった。


 ■The end of company ジエン社『私たちの考えた移動のできなさ』
 出演:伊神忠聡 岡野康弘(Mrs.fictions) 片飛鳥  清水穂奈美 山本美緒 横山翔一 善積元
 脚本・演出 作者本介 音効:田中売大 演出助手:吉田麻美 制作:大矢文 スペシャルサンクス:Mrs.fictions 青山小劇場

 デモ隊がおしよせる非常事態の東京。警備員2名、帰宅難民(実はそうじゃないけど)、真面目なアルバイターとカメラマン。約3組の現代口語の会話が同時多発。面白かった~。
 劇場の壁をぐるりと囲むように設置されたロフトの通路を使い続け、空間全体を劇世界に。やんわりと点滅する照明や、かすかに接点を保ちながら点在する3つのディスコミュニケーションが、徐々に温度を上げ、危機感、グルーブ感を盛り上げます。ばらばらだった人々がつながり、緊張感が高まった頂点での幕切れもかっこいい。


 ■バナナ学園純情乙女組『バナ学eyes★芸劇大大大大大作戦!!!!』
 出演:二階堂瞳子、加藤真砂美、野田裕貴、前園あかり(以上バナナ学園純情乙女組)、浅川千絵(50年絶望。) 粟野友晶(劇団てあとろ50') 石井舞 井上みなみ(青年団) 櫟原将宏(Amusement Theater劇鱗/Dact party) 今野雄仁 岩倉頌磨(劇団活劇工房) 内田悠一 大森美里(劇団大森美里) 梶井咲希 神岡磨奈 蒲生みずき 草野進 久保晶子 高麗哲也 紺野タイキ(FLIPLIP) 斉藤マッチュ(劇団銀石) 榊菜津美 佐藤幸樹(劇団てあとろ50') 島田真吾(あんかけフラミンゴ) 鈴木麻美(Seiren Musical Project) 関根理紗 高村枝里 だてあずみ。(TRAPPER/MinamiProduce) 千葉さとみ つくにうらら 内藤彩加 中井康世(Supreme Sunders) 西田未希 信國輝彦 長谷川雅也(BOX101) 服部由衣 原田優理子(トリのマーク(通称)) 引野早津希 日高愛美 古木将也 堀内萌 堀田創 町山優士 松島拓朗 丸石彩乃 宮嶋美子 山邉健介(レゴプラ) 湯舟すぴか 吉原あおい 吉原小百合 竜史 以上、51名。
 総指揮官:二階堂瞳子 総指揮官助手:瀧澤玲衣(blu-01 produce)、廣瀬皓太郎 爆音指揮官:ミ世六メノ道理(体験) 戦闘服裁縫指揮官:山内彩瑚 戦闘服考案指揮官: 浅利ねこ(劇団銀石) 銀幕指揮官: 矢口龍汰(ウィルチンソン)

 バナ学を観たことがある人なら彼らが最後を飾るだろうと思ったはず。だってめちゃくちゃ散らかるんだもの!!(笑) でも4番目でした。舞台作りから撤収までの全てを見せたのが大成功。かっこ良かった~。 
 ものすごい勢いで襲ってくる歌と踊りと叫び声。初めて観た時と同様に圧倒され、開いた口がふさがらない。ぜひ演劇ファン以外の人にも観てもらいたいです。たとえばアニメ・ボカロ・現代美術ファンに。客席も巻き込んだ超ポジティブ・ノンストップ・パフォーマンスで、日本のカオスを現前化します。

 有名なポップスの聞きなれたメロディーとノイズが合体し、男も女も汗も紙吹雪も何もかもが混ざったカオスが、実は計算の上で成り立っているとわかってきます。するとなぜか、とても切ない気持ちになるんです。私たちが積み上げたゴミ(文化)の山で、命を燃やしている若者がいるからかな。乱れ、燃える、無数の(51人の)若者の身体に打たれます。

 私はアラフォーなので彼らとは15歳ぐらい年が離れているはずなんですが、昔私が好きだった曲もたくさん流れました。インターネットで今も昔も、うわばみのように丸呑みしてるんだろうな~。共通言語があるという意味では希望も感じます。ボーカロイドでも私のお気に入りの曲が流れて嬉しかった~。たしかこちら↓(間違ってたらすみません)。
 ※爆音指揮官さんからツイッターでご返答いただけました!「1000001colors」で合ってました(2011/06/30)。

【巡音ルカ】1000001colors【オリジナル曲】


 ■マームとジプシー『かえりの合図、』
 出演:荻原綾 尾野島慎太朗 成田亜佑美 召田実子
 作・演出 藤田貴大 制作:林香菜 スベシャルサンクス:加藤弓奈 佐藤泰紀 細川浩伸 宮武亜季

 交差点ですれ違う若者たち。それぞれに思うことがあり、生活があり。繰り返しのタイミングも精度もさすが。ただ、姉が「もう家には戻らない」という気持ちだったことがわかる切なさポイントが、あまり胸に来なかったのが残念。どうしてか、な~。
 富士山に登ってきたばかりの女性(召田実子)が、丸メガネの男性(尾野島慎太朗)の背中に乗っかって、思いのたけを叫ぶのに爆笑。召田さんを観るとピカソの絵画を思い出すんですよね。原始的な生命力と、子供のように純粋で無邪気で、それゆえ残酷な存在感。


 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演(左から):徳永京子 三浦直之(ロロ) 山本卓卓(範宙遊泳) 作者本介(ジエン社) 二階堂瞳子(バナナ学園純情乙女組) 藤田貴大(マームとジプシー) ケラリーノ・サンドロヴィッチ

 毎ステージ後にトークがあります(※全てのステージではないそうです。失礼しました。2011/06/28)。若手と年上の演劇人との直接の出会いの場になるんですね。ケラさんは演劇界の40代後半代表ということで。ケラさん、優しいなと思いました。5人への質問は「何が欲しくて今演劇をやっていますか?」。二階堂さんは「人気。武道館を満席にしたい。」 

 “キレなかった14歳(ハート)りたーんず”に参加した、現在20代後半の作・演出家よりも年下の方々なんですよね。
 えらそうな言い方になりますが、「僕はもっと考えてます」とはっきり言った藤田貴大さんは、アーティストとして自立していて、信用できる方だと思いました。彼の作品を追っていきたいです。

 ⇒トーク翌日に、ケラさんが徳永さんに「許されるならば共同作業で作品を立ち上げたい」とツイート!

 たとえば先日のこの公演もそうですが、公共ホールが若手とベテランを直接結びつけてくれています。芸劇eyesについては企画の名付け親であり、今公演のコーディネーターでもある徳永さんの存在は大きいですね。

参加団体:ジエン社 バナナ学園純情乙女組、範宙遊泳、マームとジプシー、ロロ
≪スタッフ≫技術統括:白神久吉(東京芸術劇場) 技術監督:尾中孝次(東京芸術劇場) 舞台監督:井関景太(るうと工房) 舞台監督助手:宮崎義人 照明:工藤雅弘(Fantasista?ish.) 照明操作:松本永(Fantasista?ish.) 音響:佐藤こうじ(SugarSound) 映像:遠藤豊(有限会社ルフトツーク)
≪東京芸術劇場技術スタッフ≫照明:乳原一美(東京芸術劇場) 音響:石丸耕一(東京芸術劇場) 宣伝美術:雨堤千砂子(WAGON) 印刷:株式会社リーブルテック 記録写真:田中亜紀 記録映像:西池袋映像 コーディネーター:徳永京子 制作:栗原千波/樺渾良(東京芸術劇場) 協力:名淵庸祐/南香織/江森由紀/佐藤美帆/多田祐基(有限会社ルフトツーク)/堤田祐史(レイー)/株式会社プリズム(機材協力)/るうと工房/Fantasista?ish./Sugar Sound/有限会社ルフトツーク
≪東京芸術劇場≫ 芸術監督:野田秀樹 館長:福地茂雄 副館長:高萩宏 管理課長:笠原美由紀 舞台管理担当課長:白神久吉 事業企画課:高橋透 制作担当課長:内藤美奈子 事業企画課:玉塚充/木村美恵子/鋤田千里/勝優紀 広報:北沢聡子/橋爪綾子/高橋由姫
主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団) 東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団
【発売日】2011/04/23 前売2,000円(整理番号付・日時指定・全席自由) 当日2,500円 高校生割引1,000円 ※枚数限定(事前抽選・当日チケット引換え・要学生証提示)※高校生割引は、東京芸術劇場のみ取扱いです。※未就学児はご入場いただけません。
http://www.geigeki.jp/saiji/007/9.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年06月24日

新国立劇場演劇『雨』06/09-29新国立劇場中劇場

 井上ひさしさんの名作戯曲と名高い『雨』を、栗山民也さんが初演出されます。井上さんが42歳の時の戯曲だそうです。上演時間は約3時間半(休憩1回を含む)だったかと。
 
 はああ~…凄かった…。お祭りでサスペンスで社会派でお色気も堂々の、歴史もの娯楽大作!(席によるかもしれませんが)あの中劇場をだだっ広く感じさせない美術の大パノラマ!出演者は若手からベテランまで達者な方ばかり、しかも大人数で贅沢!日本産のいいお芝居を観た満腹感がありました。

 劇場ロビーには紅花がいっぱい!栗山さんは『おもひでぽろぽろ』に続いてまた紅花だったんですね。花の種やラスクを配ったり、山形県のキャンペーンは太っ腹♪

 ⇒CoRich舞台芸術!『
 レビューをアップしました(2011/07/06)。

≪あらすじ≫ 公式サイトより
 江戸の町、両国橋。古釘やら煙管の雁首などを拾って歩く金物拾いの徳は、ある豪雨の午後、雨宿りに入った橋の下で、新顔の老いた浮浪者から「喜左衛門さまでは・・・・・・?」と声をかけられた。そんな名前は知らぬと無視を決め込む徳に、勝手に話しかけては勝手に懐かしがるこの老人。
 喜左衛門とは、平畠一の器量よし、「紅屋」の娘おたかのもとへ二年前に婿入りした男なのだが、その喜左衛門と自分がまるで生き写し、しかもその男、去年の秋から行方不明になっている。平畠とは紅花で台所を保っている北国の小藩で、「紅屋」とはその平畠で一番の大店のこと。
 そりゃ人違いだ、俺はこの橋の下に赤ん坊の時分に捨てられて、物心ついた時にはもう屑拾いだった、と老人に取り合おうとはしない徳だったが、話を聞くうち、徳の脳裏に一つの思案が浮かぶ。
 「どうにかしておたかという女を一目見ることはできねぇか」
 北へ北へと咲きのぼって行く桜の花を追ううちに、とうとう奥州平畠までやって来た徳。しかし、たとえ姿かたちが生き写しの瓜ふたつでも、徳は喜左衛門の事をなにひとつ知らない。その上、江戸から宇都宮、宇都宮から白河、白河から福島、米沢、平畠と北上するうち、言葉(方言)の様子が変わってきたことに戸惑いを隠せない徳。こんな方言では話せない、これでは他人になりすますことなど出来やしない、やっぱり明日の朝には江戸に戻ろう、と諦めかけた丁度その時、徳は村人に見つけられる。
 「紅屋の旦那様(さ)ァ・・・・・・」「喜左衛門様(さ)ァ!」
 その声を聞き、徳はいまやはっきりと紅屋喜左衛門を演じようと決意し、記憶を失ったふりをしてゆっくりと村人の輪に入っていく・・・・・・。
 ≪ここまで≫

 一幕では徳が東北にのぼり、まんまと大金持ちの美女の夫に成りすます様を、明るくリズミカルに描きます。後半は犯罪サスペンスへと雰囲気が一転。徳は次々と罪を犯し変貌していき、残酷なさだめを自ら引き寄せてしまいます。
 ストーリーの面白さをわかりやすく伝え、見世物としての楽しさをダイナミックかつスリリングに作り上げ、行間に込められた人間の業、社会の姿をあぶり出します。日本の政治や社会構造への批判も堂々と示しながら、それでも大衆向けの娯楽作である事が素晴らしいです。商業演劇のプロの技に圧倒され続けた3時間半でした。

 役者さんは皆さん達者で、最初の河原者が集まる場面から感心しきりでした。どこでどのようにセリフを話すか、誰とどう動いて、交流するかなどが決まっている(振付されている)中で、生き生き、晴れ晴れとその役を生きています。特に歌って踊る場面が凄かったですね。祭りの楽しさに力強いライブ感があり、大人数の群舞は暴力の象徴にも見えました。
 主役の亀治郎さんはやはり素敵。歌舞伎俳優は清濁併せ持つ人物を演じるのがお手の物のようですね。

 井上戯曲ではよくあることなのですが、あっけらかんとしたあらわな性描写に最初は戸惑います。私が生きる現代と江戸時代では常識が違いますから(井上さんが描いた江戸はフィクションですから、実際のことはわかりませんが)、違う世界の話として例外視するのは簡単なのですが、そんな風にはおさめられませんでした。今回の『雨』を観て、「秘すれば花とはいえ男女間の睦言を過剰に隠すのもどうだろうか」と思ったんです。人間の営みとしてあけっぴろげにする方が健康的だし面白いかも!とか(笑)。私にとってはちょっとした成長かもしれません。たぶん舞台上の役者さんたちがかっこ良くて、楽しそうだったからですね。

 ここからネタバレします。

 回り舞台が見事!階段や勾配の配置が無数の表情を作ります。常設の大きな壁がないので透け感があり、風通しが良くて客席からの死角が少ないんですよね。徳が芸者(梅沢昌代)を追う場面の緊迫感にはシビれたな~。
 中央に刺さっているのは巨大な釘です。徳の生涯を語るのに欠かせない重要アイテムですよね。釘が軸になって回るうちに、柱が重なって漢字の「雨」の字になるのにうなります。私には全体が大きな歯車にも見えました。あらゆる人間が、自分から動かしたのに止めらない歯車に乗っているような。

 徳が本物の喜左衛門を毒殺しようとする場面では、亀治郎さんがすだれの奥にいる喜左衛門と外にいる徳の2役を演じます。すだれの裏を通って入れ替わっていたのが、徐々にすだれの表側に立ったまま両方のセリフを言うようになり、2人が1人になっていきます。とうとう徳が喜左衛門に成り代わる、つまり自分を失うことが示されるんですね。

 本当の自分を知っている人間を2人殺し、成りかわろうと思っていた喜左衛門本人も殺し(後に死んでないと判明)、合計3人もの殺人を犯した徳。でも実は彼はハメられたのだ・・・!というんでん返しがやってきます。
 紅屋は平畠藩の財政の8割を担う紅花問屋。紅屋主人の喜左衛門が、藩と村人たちを守るためについた嘘が幕府にばれたため、藩も紅屋も危機的状況にありました。そこで藩主らは喜左衛門の身代わりを見つけて、その者に責任を取らせようと考えたのです。妻のおたかもグルになり、親類縁者のない物乞い同然のそっくりさん・徳をつかまえて喜左衛門にしたてあげました。

 この筋書きを説明していくお白砂の場面は、観客が「わかっているのに驚く」「わかっているのに笑ってしまう」「わかっているのに怖くなる」という、俳優の演技の見せどころ。舞台中央には何をやっても(言っても)墓穴を掘ることになる徳と、彼をじわじわと追い詰める藩主たちがいます。奥の黒幕が上がると、一面の紅花畑が広がりました。遠くには村人たちのシルエットも多数。
 徳はとうとう、切腹と見せかけて刺殺されてしまいます。彼は藩主らだけでなく村人たちの犠牲にもなったのです。美しい紅花畑とそれを糧に生きる大勢の人々のために、1人の男が殺された。苦々しい思いがこみ上げます。

 さらには客席後方から幕府のお役人がやってきたとの知らせが入ります。でもお役人の姿は見えません。平畠藩の面々が深々と土下座をするので、客席の方にいることはわかります。そもそも藩を追い詰めたのは幕府ですから、幕府が徳を殺したとも言えます。幕府と同じ側にいて、高みの見物をしている私たち(観客)もまた、どこかの誰かを殺している加害者かもしれません。

出演:市川亀治郎・永作博美・梅沢昌代・たかお鷹・花王おさむ・山本龍二・石田圭祐・武岡淳一・酒向 芳・山西惇・植本潤・金成均 永田耕一 脇田茂 市川澤五郎 築出静夫 岡本敏明 篠原正志 中條郁司郎 桜木信介 北川響 西村壮悟 長本批呂士(長元洋あらため) 趙栄昊 片山万由美 土屋美穂子 つかもと景子 加茂美穂子 川西佑佳 深谷美歩 吉田妙子 青木花 斉藤麻里絵 仙崎貴子 演奏:山田貴之
脚本:井上ひさし 演出:栗山民也 音楽:甲斐正人美術:松井るみ 照明:勝柴次朗 音響:山本浩一 衣裳:前田文子 ヘアメイク:鎌田直樹 振付:田井中智子 方言指導:萩生田千津子 歌唱指導:満田恵子 三味線指導:杵屋勝芳寿 演出助手:豊田めぐみ 舞台監督:三上司
【休演日】6/15,22【発売日】2011/04/17 S席7,350円 A席5,250円 B席3,150円
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000328_play.html


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オフィスコットーネプロデュース『12人~奇跡の物語~』06/19-26 Space早稲田

 レジナルド・ローズ作『12人の怒れる男』(⇒Wikipedia)の設定を現代日本に置き換えて上演。脚色・翻訳・演出は小川絵梨子さんです。小川さんはこの作品で第三回小田島雄志・翻訳戯曲賞を受賞されました。

 とても有名な法廷劇ですので私も数回観たことがあるのですが、ストーリーを知っていても引き込まれました。手堅い演出と演技で、「面白かった」と満足できたストレート・プレイでした。演劇初心者にも、戯曲初見の人にもお薦めです。

 上演時間は約1時間55分。前売りは完売。当日券は回によってキャンセル待ちのみだったりも。

 ⇒CoRich舞台芸術!『12人~奇跡の物語~

 12人の人物が会議机をぐるりと囲んで激論します。対面客席ですが「人物の顔が見えない」などのストレスは全くなし。おそらく役者さんがうまい具合に動き回って、どの席からも全員の顔、体が見えるように演出されているのだと思います。

 ここからネタバレします。

 時間の経過をあらわす照明の変化も良かったですね。夕方になってから机の上の電灯が点くとか。稲光も、これみよがしでないのがいいなと思いました。

 当日パンフレットでプロデューサーの綿貫凜さんが引用されているセリフです。
 11番「わたしたちは当たり前ですが、やっぱりお互い違う人間で、違う人生があって、違う意見がある。でも、私は、『違う』ということを、恐れるのだけは辞めようと思います。みなさんの意見を聞いて、話し合いをして、出来る限りの公正な判断を下したいと思います。」

 日下部そうさん演じるサラリーマン風の若者は、恐ろしいほど一方的に被告の青年を殺人犯扱い。「ああいう人間はダメだ」と断じるキレっぷりが激しくて、いい意味で可笑しかったです。

Space早稲田演劇フェスティバル2011
「12人 ~奇跡の物語~」 TWELVE ANGRY MEN by Reginald Rose    
出演:寺十吾(8番・最初から被告の無実を主張) 絹川友梨(1番・陪審員長) 末次美沙緒(4番・冷静沈着・眼鏡) 中原和宏(3番・息子がひきこもり) 日下部そう(10番・レイシスト) 小林麻子(12番・気が弱い・移り気) 伊藤弘子(2番・優しい息子が家で待ってる主婦) 福井利之(7番・同窓会に行きたい) 高橋卓爾(9番・足が不自由な若者) 加地竜也(5番・父親を憎んでいたことがある) 柳内佑介(11番・「違うということを恐れることを辞めようと思う」) 小出奈央(6番・9番に優しく接する)
原作:レジナルド・ローズ作『12人の怒れる男』 脚色・翻訳・演出:小川絵梨子 プロデューサー:綿貫凜 美術:長田佳代子 照明:原田保(CAT) 音響:齋藤州一(nanoline) 舞台監督:深瀬元喜 青木規雄 演出助手:今和泉恵美子 ドラマトゥルグ:宮島志乃ぶ・武村祥成 宣伝美術:宇野奈津子 パンフデザイン:小早川真澄 企画・製作:(有)オフィス・コットーネ 舞台協力:クリエイティブ・アート・スィンク
【発売日】2011/05/12 全席自由(整理番号付き) 前売・当日共:3.500円
http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/12/top.html

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2011年06月21日

ハイバイ特殊公演『七つのおいのり』06/20-26アトリエヘリコプター

 岩井秀人さんが作・演出・出演される劇団ハイバイ(⇒劇団ツイッター)の、劇団員各自が作・演出する短編集です。初日に伺いました。実話を元にしたエピソードにドキわくしつつ、かなり笑わせていただきました(笑)。上演時間は約1時間45分。

 ハイバイには常連の客演俳優が出ていることも多く、現在の劇団員のみの公演を観たのは初めてです。あぁこの人たちが“ハイバイ”なんだなぁ、やはり似た感性を持った人が集まってるんだなぁと、ほんのり幸せな気持ちに。

 22日(水)までは前売2,800円、当日3,300円で後半よりもお得価格です。22日と24日の平日マチネは公演終了後に「アフターなんとか」があり、ボツになった作品の上演があります。⇒チケット予約

 ⇒CoRich舞台芸術!『七つのおいのり

 役者さんが作・演出をする「特殊公演」だから短編発表会のような体裁になるのかな…とも想像していたのですが、そうはならず。短編ごとに潔いほど途切れますし本公演のような濃度ではないですが、平凡な日常にあるじりじり、ヒリヒリするような会話や、ちっぽけなことで熾烈に戦うぶざまな人間模様を見せてくれる、いつものハイバイらしい作品群でした。

 劇団員だけで楽しんで内向きになることなく、ちゃんと観客の方を向いた出し物になっています。不格好さや失敗をさらしただけで終わってもいません。岩井さんの徹底したエンターテイナーっぷりはさすがです。

 ロビーに過去の公演DVDがたくさん並んでいました。劇団の実績がひとつずつ増えて来たってことですね。

 ここからネタバレします。

①『あなたのために』 作・演出:永井若葉
 出演:永井若葉 上田遥 岩井秀人 平原テツ 坂口辰平 金子岳憲 吉田亮

 おそらくデパートか何かの食料品売り場のせんべえ屋さん。お客さんに「おばちゃん」と呼ばれてショックを受ける30代店員(永井若葉)が、観客に語りかけるわびしさも笑いに。チーフの岩井秀人さんのエラそうな指導っぷりが、いわゆるバカで嫌みな女上司でイイ!


②『あ、どうも』 作・演出:金子岳憲
 出演:岩井秀人 吉田亮 平原テツ 上田遥 金子岳憲

 芝居が終わった後の楽屋。知らないお客さん(金子岳憲)に知った振りをしてしまう役者たち。「“えらい人”にこびる役者」のみっともなさがハンパない。恐ろしいけど笑ってしまう。


③『ヒマをつぶす』 作・演出:吉田亮
 出演:平原テツ 上田遥 永井若葉

 暇だからしりとりをする3人。銀行強盗ごっこが始まって・・・。
 あれ、これもしかしてループしたのかな??と思わせるシーンがあり、照明も暗くなって、うっすらと恐怖を感じました。


④『姉の結婚』 作・演出:平原テツ
 出演:平原テツ 金子岳憲 岩井秀人 永井若葉 吉田亮

 平原さんのご家族の実話のようです(笑)。姉の結婚相手が福岡の西鉄に勤めるサラリーマンで、そいつ(吉田亮)の傲慢な態度がヒドイ!にへらにへら笑みを浮かべてイライラ、むかむかさせます!素晴らしい!
 観客に話しかける平原さんを、母親(岩井秀人)が無理やり引っ張って物語に戻すタイミングが絶妙。


⑤『たのしい新生活』 作・演出:上田遥
 出演:金子岳憲 上田遥 坂口辰平

 同棲を始める舞台俳優の若いカップル(金子岳憲&上田遥)。不動産屋でアパートを契約しようとするけれど・・・。
 アルバイトで生計を立てているのに「職業は俳優です」とがんばるのが、可愛いんだけどバカすぎる。役者の年収計算⇒ギャラはなくてノルマがある。でもノルマを越えるとキャッシュバックがある。2500円のチケットでノルマは40枚。70枚売るから1枚300円×30枚のキャッシュバックとなり1公演で9,000円の儲け。公演には年2回出るから年収18,000円。う~んはっきりと数字で聞くと驚くべき実態だ。
 レミゼの現場に入る大工さんで年収480万円って素敵。大工でいいじゃん!かっこいいじゃん!


⑥『父の怒り、火の如く』 作・演出:坂口蓋平
 出演:金子岳憲 岩井秀人 坂口辰平 平原テツ

 娘がグラビアアイドルもしくはAV女優になってしまった父親たちの悲哀とプライド。そんな父親たちが集まる悩み相談室があり、専門の講師(平原テツ)がいるという設定がすごく面白いです。AVファンの男性から父親たちに励ましのハガキが届くなんて、よく考えつくなぁ(笑)。
 どんぐりの背比べというか目くそ鼻くそというか(失敬!)。じたばたと言い争う男たちのみっともなさ。


⑦『金子の誕生日』作・演出:岩井秀人
 出演:金子岳憲 岩井秀人 上田遥 坂口辰平 平原テツ 永井若葉 吉田亮 声の出演:羽場睦子

 一緒に暮らすほど仲の良かった岩井さんと金子さんのエピソード。お互いに誕生日のサプライズを準備する2人を対照的に。
 無言の間(ま)に充満するばつの悪さ、かっこ悪さの見せ方は絶品。観客に話しかけつつ主役(自分自身)を演じる岩井さん、さすが、鉄板です。どうなるかわかっていても、笑わせてもらえました。

作・演出・出演:岩井秀人、金子岳憲、永井若葉、坂口辰平、上田遥、平原テツ、吉田亮 舞台監督:川除学(至福団) 照明:松本大介 宣伝美術:土谷朋子(citron works) 宣伝写真:Yuji Takano 記録写真:曳野若菜 記録映像:杉田協士 当日運営:湯川麦子 制作:藤木やよい 企画協力:三好佐智子 主催:ハイバイ・quinada
【発売日】2011/05/07 6月20日~22日 前売:2,800円 当日:3,300円 6月23日~26日 前売:3,000円 当日:3,300円 ※演出の都合上、開演後はご入場をお待ちいただく場合がございます。※未就学児童の入場はご遠慮下さい。
http://hi-bye.net/2011/05/06/1354


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:43 | TrackBack

2011年06月17日

世田谷パブリックシアター『モリー・スウィーニー』06/10-19シアタートラム

 世田谷パブリックシアターの企画です。DULL-COLORED POPの谷賢一さんが、アイルランドの劇作家ブライアン・フリールさんの1994年初演戯曲を翻訳・演出。南果歩さん、小林顕作さん、相島一之さんの3人芝居です。初日を拝見しました。上演時間は約2時間半(途中休憩1回を含む)。

 ちょっとかしこまった、えらそうな表現になりますが、首都圏演劇界における今年上半期のストレート・プレイの収穫と言っていいのではないでしょうか。昨年5月に同劇場で上演されたリーディング公演『熱帯樹』を経た、公共劇場による新進演劇人の発掘・育成の面でも、素晴らしい成果だと思います。

 谷賢一さんは現在29歳。この作品で今までとは違うステージへと進まれたと思います。谷作品は多数拝見してきましたが、私の中で谷さんの今後に対する期待のハードルはグンと上がりました。

 ⇒げきぴあ『モリー・スウィーニー』(谷賢一)※このエントリーがいいです。
 ⇒wonderland『モリー・スウィーニー』劇評(徳永京子)
 ⇒CoRich舞台芸術!『モリー・スウィーニー
 レビューを書いては消し、書いては消し、しております・・・(2011/06/17)。
 自分でもあきれるほど長い感想をアップしました(2011/06/22)。

 ≪あらすじ≫
 モリー(南果歩)は生後10ヶ月で盲目になった40歳の女性。夫のフランク(小林顕作)は熱しやすく冷めやすいタイプで職を転々としているが、2人は愛し合い幸せな生活を送っている。
 彼らが暮らす田舎町に名眼科医がやってきたと聞き、フランクはモリーの目を治してほしいと彼の自宅まで押しかけた。医師のライス(相島一之)は生まれた時からの全盲ではないモリーには、光を取り戻せる可能性があると診断。かつての名誉を取り戻したい思いもあり、モリーに手術を勧める。
 ≪ここまで≫

 独白で進む2時間半の三人芝居、しかも翻訳劇だと聞くと、「むむ、それは大事(おおごと)だな」と気構えて当然だと思います。でもこの作品では人物が観客に語りかけ、アドリブであおったりもしますし(笑)、1人が話している時に他の2人も同時に舞台に居て、セリフの内容と積極的に関わることが多いのです。だからずっと独白で進むという印象はありません。むしろ独白芝居ってことを忘れるぐらい。

 登場人物はそれぞれとても個性的で似たところがなさそうな3人。それは南果歩さん、相島一之さん、小林顕作さんという俳優についても当てはまります。演技の種類が違うのもありますし、おそらく舞台上でもなるべくご自身らしく存在するようにされているのではないでしょうか。遠い異国の盲目の女性のお話が身近になり、自分自身のこととして受け取りやすくなっています。小林さんがアグレッシブに観客を巻き込んでいくのも、大いに効果的だったと思います(笑)。

 舞台美術と照明、音響のコンビネーションが素晴らしいです。さりげなくうごめきだして、じわじわとボルテージを上げていく、抑制の利いた隅々まで行き届いた技。俳優とスタッフの息を合わせたオペレーションにライブ感もあります。音楽の音の大きさも邪魔にならないけれど存在感があり、選曲が無難にならず、かといって悪目立ちしないのもいいですね。緻密で上品です。

 最後の数分間(10分ぐらい?)の演出は、作品の核心をついた上に、観客が劇場で邂逅する「目には見えないけど確かに存在する何か」を肌で実感させることにも成功していました。許可した劇場と俳優所属事務所の英断にも感謝です。谷さんらしい、何にも似ていない『モリー・スウィーニー』が完成したのだと思います。ブラボー!

 劇中に出てくる言葉「盲視」とは、今も昔も、誰もが陥る症状です。私自身も思い当たることが多すぎて、悔しいやら情けないやら。
 何かを選択することは、すなわちその他の何かを失うこと。でも人生は、得たものと失ったものの差し引きで計れるものではありません。3人の激動の数ヶ月が教えてくれました。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。ひどい思い込みで誤読しまくりかもしれません。

 モリーが手術を受けたのが10月で、夫と医師が町から出て行くのが7月(だったかな)なので、1年も満たない期間のお話なんですね。以下、物語に沿って感想を書きます

 モリーは盲目ですがマッサージ師として生計を立てており、夫が無職でも生活ができていました。仲良しの友達も大勢いて、視覚を嗅覚、触覚、聴覚などで補うことができており、まさに「すべてを持っていた」。充分に幸せだったのです。
 舞台奥を覆うビニール製(?)の半透明(灰色)の幕の裏から手動で照明が当てられ、細い光が次々と交差します。わずかな光だけ感知できるモリーの世界にぴったりですね。
 モリーはプールで泳ぐのが大好き。水色のゆらめく照明と南さんの恍惚の表情を見て、私の体も自ずと揺れました。盲目の彼女の方が、目の見える人よりも水の感触を深く味わい、楽しんでいるのが伝わりました。

 夫と医師の期待に応えたいという気持ちがエンジンになり、本当は怖いのだけれど、モリーは目の手術を受ける決心をします。ただ、自分も皆のように目が見える世界に行ってみたいという欲望も、胸の奥に確かにありました。手術にいたるまでの彼女の心情の変化や周囲の反応などが、とても細やかに書かれていて、この段階でいい戯曲だなと思いました。

 術後はじめて包帯をはずすシーンが凄かった!激しく揺れ動くモリーの心情をあらわす独白と、医師のモリーへの語りかけが同時進行します。照明が半透明の幕を白く明るく照らし、舞台はそれまでにはなかった、華々しい光に包まれます。やがてその幕がバサっと床に落ちて、舞台奥のガランとした黒い空間が露出しました。モリーの目が見えるようになり、障害物が消えたのですね。でも現れた空間は真っ暗で、お世辞にもきれいとは言えず、これからへの不安を暗示していました。

 休憩後、夫フランク役の小林顕作さんが客席後方から登場し、観客によどみなく語りかけつつ(笑)二幕が始まります。それにしても一幕のフランクのレクチャーは面白かったな~。ホワイトボードを出したり、医師の家を「奥多摩!(みたいな田舎)」と言っちゃったり(笑)。「翻訳劇なのにどうよ!?」と思う方もいらっしゃると思います。でもパっとイメージできてわかりやすいことはとても大切です。

 視力を得たモリーと夫との初対面には、医師も付き添っていました。3人が独白でなく、ともに会話をするのは確かこの場面だけ。つまりこの場面が、3人が同時に最高の幸せを味わった、最初で最後の瞬間だったのです。あぁ素晴らしい戯曲だ・・・。

 目が見えるようになったら、モリーは新しく人生をやり直すことになります。今まで手や鼻で感知していた全てのもの・ことを、視覚で得た情報とひもづける必要があるからです。彼女に大きな困難が立ちはだかることを、夫も医師もわかっていました。それでも夫は好奇心から、医師は名誉欲から、モリーに手術を勧めました。副作用をかえりみずに強力な薬を飲む(飲ませる)行為に似ています。抗がん剤治療を思い浮かべました。
 医師の口から出た「何か失うものでもあるんですか?」という言葉には、健常者の傲慢さも垣間見えます。

 32歳の時が人生の絶頂だったという医師ライス。美人の妻を友人に盗られて以来、2人の子供とも別居してド田舎で1人暮らしです。挫折と絶望に打ちひしがれていた彼は、「40年間盲目だった女性(モリー)の視力回復」という快挙で、再びスターダムへとのし上がろうとします。
 しかしモリーは目が見えたことで精神が不安定になり、異常行動を起こすようになって、ついには盲視になってしまいました。盲視とは、網膜は機能しているが、それを脳が感知しない症状。目に見えていても、頭ではわかっていないということです。すなわちライスのことでもあるんですね。
 モリーの母は精神を病んで亡くなっており、彼女もまた母親がいた病院に入院することになります。モリーの母親のこと(遺伝の可能性等)を考えていなかったのも、医師の落ち度ですよね。彼の目は見えていなかったも同然です。

 夫フランクはモリーの看護に彼なりのベストを尽くしますが、彼女の奇行は手に負えるものではありませんでした。思いつきや新しいアイデアにすぐに飛びつくフランクは、ある理由(長くなるので省略)で湖のほとりに生息するアナグマを無理やり安全な場所に移動させようとします。でもアナグマは嫌がって暴れまわり、フランクたちにぼろぼろにされた元の巣穴に戻るのです。手術を受けさせたけれど、モリーが前より状態の良くない暗闇に戻ってしまったのと同じです。押し付けの善意は恐ろしい。そして人はどんなにこっぴどい失敗をしても、なかなか学ばない、変化できないことをあらわしています。
 ライスは医院を閉めて街を去り、フランクは妻を失って国外へ旅立ちました。事故や自然災害などが起きなくても、こんな短期間で、これほどまでに人生は変わります。

 盲視になって入院したモリーは、いつこと切れるかわからないほど衰弱し、ベッドに横たわっています(南さんがそのように独白します)。モリーは見舞いに来た医師に対して「起きて挨拶せずに悪かったな」と思い、エチオピアに行った夫から27枚(?)にもおよぶ手紙を受け取って喜びます。病床の母や法律家だった父とも会います。でも両親はすでに亡くなっていますから、会ったというのは夢でしょう。となると、医師のことも夫のことも嘘かもしれません。すべてはモリーの想像ですから、誰にも真偽はわかりません。

 最後の場面の演出は出色です。南さんが、病床のモリーの心中をささやきながら、完全暗転の中、客席通路をぐるりと歩くのです!暗闇で、舞台から徐々に近づいてきて、背後に回り、やがて遠ざかっていく南さんの声・・・サラウンドだよ!しかも南さんは、観客に触れて歩いたそうです!(体験した人からの伝聞) 夢と現実の境がなくなったモリーの暗闇を、観客も同時に体験しました。目が見えないおかげで観客はより注意深く耳を澄ませ、普段より肌も敏感になっていたと思います。

 視力を得たことで幸せな人生が崩壊し、ついには死にまで至らしめられたモリー。それだけならとても不幸ですが、話をしてる南さんの声はとっても幸せそうなんです。モリーはひとときでも目で見ることができた。色を愛でて、人の顔を見て会話をすることができた。世界の新しい側面を手に入れられた。それが彼女の最期の夢に影響を及ぼさなかったわけがありません。夢の中の夫と医師、友人たちには表情があったでしょう。もしかしたら両親のそれも想像力で作り出していたかもしれません。3人が一番幸せだったあの日も、無駄ではなかったはず。また映画「パンズ・ラビリンス」(⇒関連レビュー)を思い出しました。

 暗闇で私はモリーと一体となり、彼女の言葉も、この物語も、劇場さえも全て幻なのではないか、私の体も何もかもが溶けて混ざって、時間も距離も消え去ったのではないか。そんな現実には存在しない(とされている)時間を味わいました。
 やがて舞台に戻った南さんを照明がじわりと照らし、舞台中央に点るように、モリーの姿が再び見えるようになります。そこで私は思い出すように物語の中に一瞬だけ復帰しましたが、またすぐに暗転し、モリーは闇に消えました。濃密で豊かな暗闇の中のたった1度の光の点滅は、モリーの人生であり、すべての人間の命の瞬きでもあったようにも思います。

 ・・・と、これだけ激賞しましたが、役者さんの演技について1つ。南さんの語尾の発声が気にかかりました。セリフの最後で息を吸う準備が見えてしまうというか・・・。そういうクセなのかしら。

Brian Friel's "Molly Sweeney" (1993) http://en.wikipedia.org/wiki/Brian_Friel
出演:南果歩 小林顕作 相島一之
脚本:ブライアン・フリール 演出:谷賢一 美術:尼川ゆら 照明:斎藤茂男 衣裳:前田文子 音響:小笠原康雅 演出助手:鈴木章友 舞台監督:森下紀彦 技術監督:熊谷明人 プロダクションマネージャー:勝康隆 舞台監督助手:原口佳子 神永結花 照明操作:横原由祐 佐藤瑛美 音響操作:阿部史彦 衣裳部:中野かおる 衣裳製作:鵜澤厚子 プロダクションマネージャー助手:木村光晴 大道具製作:株式会社村上舞台機構 株式会社テルミック 有限会社美術工房拓人 株式会社東広 水森利明(SePT舞台美術) ヴァイオリン演奏:北村真紀子 ヴァイオリン音楽協力:山本泰照 宣伝美術:SUN-AD 法務アドバイザー:福井健策 上演権コーディネート:ネイラー・ハラインターナショナル プロデューサー:穂坂知恵子 制作:菅原力 制作進行:北澤芙未子 票券:小野塚央 菅谷舞 広報:宮村恵子 和久井彩 武井美津代 営業:鶴岡知恵子 吉兼恵利 主催:公益財団法人せたがや文化財団 企画・制作: 世田谷パブリックシアター 協賛:トヨタ自動車株式会社/Bloomberg  協力: 東京急行電鉄/東急ホテルズ/渋谷エクセルホテル東急 後援:世田谷区/アイルランド大使館 平成23年度優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業
【休演日】6/14(火)【発売日】2011/04/16 全席指定 一般 5,000円 ★=プレビュー4,000円(各種割引はございません) 高校生以下2,500円(世田谷パブリックシアターチケットセンターのみ取扱い、年齢確認できるものを要提示) U24 2,500円(世田谷パブリックシアターチケットセンターにて要事前登録、登録時年齢確認できるもの要提示、オンラインのみ取扱い、枚数限定) 友の会会員割引 4,500円 世田谷区民割引 4,700円 ※未就学児童はご入場いただけません。開演後は本来のお席にご案内できない場合がございます。ご了承ください。
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/06/post_229.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:31 | TrackBack

【ワークショップ】「新国立劇場演劇研修所オープンスクール」08/06-09新国立劇場内稽古場※7/7〆切(郵送必着)

 新国立劇場演劇研修所(NNTドラマスタジオ)が8月に4日間のオープンスクールを開校します。このような機会は、演劇研修所創設以降は初めてのことかも。
 超豪華な講師陣!応募資格は全日程参加できる方。年齢・経験問わず!ヤバイ!私が受けたい(笑)!

 講師(予定・掲載順):栗山民也 大笹吉雄 池内美奈子 西川信廣 宮田慶子 小野寺修二 伊藤和美

 ●新国立劇場演劇研修所オープンスクール ⇒公式サイト
  2011年8月6日(土)~9日(火)
  全4日間 10:30~18:00(初日のみ10:00~)
  場所:新国立劇場内(初台)稽古場
  受講料:30,000円
  募集人数:20名 ※応募多数の場合は抽選。
  締切:7月7日(木)郵送必着 ※申込用紙はPDFでダウンロードできます。

■NNTドラマスタジオ オープンスクール開催のお知らせ ※公式サイトより

新国立劇場では、演劇研修所の研修内容を皆さんに体験していただくために、この夏、研修所講師陣による、オープンスクールを開催いたします。

<募集概要>
1.日時  2011年8月6日(土)~9日(火)全4日間 10:30~18:00(初日のみ10:00~)
2.場所  新国立劇場内(初台)稽古場
3.受講料 30,000円 *振込手数料はご負担下さい。
4.応募資格 全日程(全授業)参加できる方。年齢や俳優の経験等は問いません。
5.募集人数 20名。応募多数の場合は抽選。

<コース概要>
研修所の研修内容をお伝えするために、「声と演技」「戯曲をよむ」「歌と演技」「身体で語る」などの実技講座と「日本の演劇」や「西洋演劇における舞台での立ち方の変容」などの座学、ゲストを招いてのサロンを通して幅広い体験をしていただきます。

■講座及び講師(予定)

6日(土)
「語ること、聴くこと」 講師:栗山民也(演劇研修所所長)
「日本の演劇」 講師:大笹吉雄
「声と演劇」講師:池内美奈子

7日(日)    
「演技を考える」 講師:西川信廣(演劇研修所副所長)
「声と演劇」 講師:池内美奈子
「西洋演劇における舞台での立ち方の変容」講師:河合祥一郎

8日(月)
「声と演技」講師:池内美奈子
「戯曲をよむ」講師:宮田慶子(新国立劇場演劇部門芸術監督)

9日(火) 
「身体で語る」講師:小野寺修二
「歌と演技」講師:伊藤和美
「声と演技」講師:池内美奈子 

その他に、ゲストを迎えてのサロンを予定しております。


<申し込み方法>

1.申し込み用紙に記入の上、郵送で締切は7月7日(木)必着でお願いします。
  その際に宛先にご自分の住所と氏名を明記した官製ハガキを必ず同封してください。

※オープンスクールの申し込み書は公式サイトから。

2.応募多数の場合は抽選となり、結果は郵送にてお知らせいたします。

お問い合わせ、申し込み書送付先

財団法人 新国立劇場運営財団
演劇研修所 オープンスクール係
〒151-0071 東京都渋谷区本町1?1?1
TEL: 03-5351-3011 (代)(月~金10:00~17:00/土日祝を除く)

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Posted by shinobu at 00:02 | TrackBack

2011年06月16日

【ワークショップ】「Voice & Speech 池内美奈子による『声と言葉のトレーニング』」07/20-23森下スタジオ※7/13〆切(郵送必着)

20110616_voice_and_speech_july_thumb.JPG
Voice & Speech

 5月末に開講された池内美奈子さんのワークショップ(⇒告知エントリー)が、7月にも実施されます。池内さんは今秋に海外に行かれるそうなので、この次があるとするとかなり先になるかもしれません。
 自立した職業俳優として主体的に参加する方にお勧めします。以下、主催者からいただいた情報です。

 ●池内美奈子による「声と言葉のトレーニング」
  期間:7月20日(水)~23日(土)
  場所:森下スタジオ
  参加費:¥25,000
  定員:14名
  〆切:7月13日・郵送必着(書類選考有。定員に満たない場合は直前まで受付)
  ※メールで申し込み用紙を取り寄せてからの郵送申込みです。時間に余裕を持ってくださいね。

■池内美奈子のVoice Course ~俳優のための声と言葉のトレーニング~

「ヴォイス・トレーニングとはただ発声をするだけではありません。舞台に立って、声と言葉を発したとき、観客の想像力をいかにかきたて、物語をおし進められるか、その力のトレーニングです。心と身体と声をつなげる長い道のりです。」

■Voice & Speech *モノローグ(独り台詞)に取り組む4日間*

池内美奈子による「声と言葉のトレーニング」
待望のリフレッシュ機会到来!

期間:7月20日(水)~23日(土)
時間:11:00~17:30(昼休み含む)

プロの俳優向けのリフレッシュ・コース。モノローグを使うことにより、日ごろ引っかかっていたけれど忙しくて時間をかけられなかった、表現や声に関する問題に対峙し、自分の解決方法を見出すコース。もともと何故演劇や表現することを選んだのか思い出し、初心に戻る。難しく考えず、実践することによって各々のペースを見つけることを目的とする。

参加費* ¥25,000
会場* 森下スタジオ(江東区森下)
対象* 仕事をしている俳優
定員* 14名

お問い合わせ、お申し込み:アトラス 後藤
メールアドレス:goto(アットマーク)g-atlas.jp tel: 090-4919-0456

お申し込みは上記のメールアドレスへ、件名「ワークショップ申し込み」と記入し、お名前とご住所を記入してください、こちらから申し込み用紙を郵送いたします。

■締め切り:7月13日必着 (書類選考有。定員に満たない場合は直前まで受付)

■池内美奈子プロフィール
 俳優指導者、ヴォイス・コーチ
 英国ヨークシャーにあるARTTS Internatioal校にて演出ディプロマを取得。2000年度文化庁派遣芸術家在外研修員として日本人としては初めてロンドンのセントラル校 (Central School of Speech and Drama) のヴォイス・コースで学び、ヴォイス&スピーチ講師術を修得。ヴォイス学修士取得。桐朋学園芸術短期大学や演劇集団円附属演劇研究所で教える。2005年より新国立劇場演劇研修所の専任講師。現在同研修所のヘッドコーチ。俳優指導者アソシエーション代表。

協力:公益財団法人セゾン文化財団

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Posted by shinobu at 23:33 | TrackBack

カトリ企画UR『チェーホフのスペック』06/15-19atelier SENTIO

 那須で劇団活動をされている演出家・俳優の鈴木史朗さん(A.C.O.A.)が、チェーホフの短編2本を演出されます。企画をされたのはカトリヒデトシさん。カトリさんはツイッターで企画意図などを明快に説明されています。⇒twilog ⇒当日パンフレットにも載っている鈴木さんの文章

 「たわむれ」と「タバコの害について」の交互上演で、両方とも上演時間は約1時間、かな。私は続けて両方拝見。劇場内でお酒やお惣菜を販売されています。飲みながら観る感じがいいかも。

 ⇒CoRich舞台芸術!『チェーホフのスペック』※CoRichでカンタン予約!

 残念ながら役者さんの演技が私の好みではなかったですね。歌や踊りが入るのは好きですが、もっと緻密に積み上げていってほしいなぁ~と思いました。
 演出の鈴木史朗さんというと『ラ・ロンド』がすごく面白かったんですけど、今回は期待していた方向とは違いました。

 ここからネタバレします。

 ■「タバコの害について」

 夏目慎也さんが語るのを、周囲の人々が邪魔します。くさりにつながれて、囚人服のような衣裳をつけた夏目さん。いっぱい叩かれてた。

 ■「たわむれ」

 男性役を女性が、女性役を男性が演じます。キーボードの生演奏あり。鈴なども。
 なぜか女性役が2人。女性の片方を演じたゲキバカの伊藤今人さんはさすがの身体能力。制御された声、動きです。もう片方を演じた八木光太郎さんが、演技の最中にイスを壊してしまい、なぜかTシャツは破れるし口の中を切って血が出て・・・。どうぞお大事になさってください。

 最後に、女装をしてずーっと立っていた酒巻誉洋さんが、中島みゆきの「時は流れて」という曲をフルコーラス歌われました。見ごたえ、聴きごたえがありました。

【「たわむれ」出演】安達修子 伊藤今人(ゲキバカ) 酒巻誉洋 八木光太郎 ピアノ演奏 木村秀子
【「タバコの害について」出演】石原愛子 酒巻誉洋 スズキシロー 夏目慎也(東京デスロック)
構成・演出:鈴木史朗(A.C.O.A.) 音響・照明:A.C.O.A. 制作統括:カトリヒデトシ 制作協力:北澤芙美子(DULL-COLORED POP)、菊池ゆきこ(A.C.O.A.) お問合せ:エムマッティーナ 
※各作品、単独でもみることができます。※公演前後に、カフェ「犀の角」を営業いたします。
1演目:2000円 2演目セット券:3500円
http://ksh21cz.blog108.fc2.com/blog-entry-306.html


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:01 | TrackBack

2011年06月15日

【お知らせ】「CoRich舞台芸術まつり!2011春」グランプリ発表!

 今年3月から5月まで開催されておりました「CoRich舞台芸術まつり!2011春」のグランプリ、準グランプリ、俳優賞が発表されました!
 ⇒最終選考に残った10団体の紹介ページ
 ⇒グランプリ発表ページ 

 初回以来ずっと審査員をつとめさせていただいております。今年は3月11日に起こった震災の影響もありましたが、無事に発表までこぎつけることができました。
 ご参加くださった皆様、クチコミしてくださったCoRichメンバーの皆様、見守ってくださった皆様、ありがとうございました♪

 来年の開催も決まりました!日本全国を対象にした、経費無料の舞台芸術フェスティバルです。グランプリ受賞団体以外は何度でも参加可能!ご興味のある作り手の方々は、ぜひ来年の開催期間をチェックしておいてください!

 ●「CoRich舞台芸術まつり!2012春」
  応募期間:2012年1月中旬~2月中旬予定
  開催期間:2012年3月~5月

Posted by shinobu at 14:33 | TrackBack

2011年06月14日

劇団青年座『手錠の光』06/14青年座劇場

 劇団青年座が「3 weeeks charity」というチャリティー公演を行っています。収益は、被災地およびARC>T(アルクト/アート・リバイバル・コネクション・東北)に送るそうです。

 劇団所属俳優の宇宙(たかおき)さんが作・演出・出演される作品に興味があって伺いました。上演時間は約50分かな。入場料の2000円は、劇場入り口で義援金箱に投入。

 ⇒CoRich舞台芸術!『手錠の光

 ≪あらすじ≫
 記憶を失って「つばめの国」に迷い込んだ青年。バーには彼と同じく記憶のない人々がいた。ただ、名前まで忘れているのは青年だけだった。
 ≪ここまで≫

 人物と設定、個別のエピソードはあるものの、思いを言葉にしただけで特にストーリーはないような。衣裳、装置、照明ありの、役者さんたちによる実験劇の発表会のようでした。
 セリフに沿った動き、声、感情で演技されていたように思います。もっとダンスや身体表現に偏っても良かったんじゃないかと思いました。

 青年座『赤シャツ』東北ツアーが震災の影響で中止になり、その間の仕事がなくなってしまった劇団員の方々が、実際に東北地方へ行ってボランティア活動をされたのが、このチャリティー企画の始まりだそうです。
 パンフレットには下記のようなことが書かれていました。
 「今、東北にはボランティアという言葉が存在していない。そこに困っている人がいる。それだけでスコップを片手に名も知らぬその人の家を一緒に片付けているのです。」

出演=落合佑介、菊本由美子、佐野初希、村里治彦、安藤瞳、宇宙
脚本・演出=宇宙(当日パンフレットにはMickeyストロークとあり) 装置:根来美咲 照明:鷲崎淳一郎 音響:Taishi
3 weeeks charity企画・製作:宇宙(代表)小倉智美 尾身美詞 安藤瞳 橘あんり 宮田慶子 紫雲幸一
http://ameblo.jp/3weekscharity/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:27 | TrackBack

2011年06月13日

【写真レポート】Studio Life『PHANTOM THE UNTOLD STORY~語られざりし物語~』来日スタッフ・インタビュー06/09シアターサンモール

SLPhantom3.JPG
舞台上でインタビュー

 男優集団Studio Lifeが『オペラ座の怪人』の前日譚にあたる、スーザン・ケイ原作『PHANTOM THE UNTOLD STORY~語られざりし物語~』を上演中です。会場は新宿御苑前のシアターサンモール。

 舞台装置と映像そして照明のスタッフを、なんとイギリスから招いての本邦初演ということで、来日されたマット・キンリ―さん、ニック・シモンズさんを迎えたプレス向けインタビューに伺いました。聞き手は脚本・演出の倉田淳さん。

 マットさんは『レ・ミゼラブル』2010年新演出版の舞台装置および映像デザイナーで、ニックさんはロンドン・ナショナル・シアターの『War Horse』の照明家です!(⇒関連エントリー

 上質の海外戯曲を紹介してくださるのも、劇団Studio Lifeの特徴のひとつ。私は本番をまだ観られていないのですが、新しい試みと劇団員の皆さんがどう向き合われたのか、この作品への興味がひとつ増えました。

 ●Studio Life『PHANTOM THE UNTOLD STORY~語られざりし物語~』公式サイト
  日程:6月11日~27日(6/9、10はプレビュー)
  会場:シアターサンモール
  チケット:一般 5,800円
  ※sortとdestinの2バージョンあり
  ⇒CoRich舞台芸術!

 【写真左より青木隆敏さん/山本芳樹さん/マット・キンリーさん/ニック・シモンズさん/倉田淳さん】
SLPhantm2.JPG

 ※記事は劇団から頂戴したレポートをもとに部分抜粋・編集して掲載させていただきました。写真はマットさんニックさんの顔写真以外は私が撮影したものです。
 こちらにもレポートあり⇒There's only here「ライター大原薫のブログ・演劇・観劇徒然草」

matt_k.JPG
マットさん

 【舞台装置・映像デザイナー】マット・キンリ―さん(MATT KINLEY)
 ロンドン・ナショナル・シアターで40作品以上のも作品を手掛けた後、商業演劇のデザインチームの一員として『マイ・フェア・レディ』(UK、USツアー)、『レ・ミゼラブル』(ブロードウエイ、オランダ)、『エクウス』(ウエストエンド)、『メアリー・ポピンズ』(UK、US、オーストラリア、オランダツアー)に携わる。2010年『レ・ミゼラブル』25周年記念の新演出版の舞台装置、映像デザイナーに抜擢された、世界中で大活躍の舞台装置・映像デザイナー。

 倉田:昨年10月にロンドンのバービカン劇場で新演出版の『レ・ミゼラブル』を偶然観たことがマットさんとの最初の出会いでした。その圧倒的な映像の美しさに私は一瞬で魅せられてしまいまして。ちょうど今回の原作スーザン・ケイさんの『ファントム』を舞台化したいと思っていた時だったので、『もうこれしかない!』と思いました。ダメもとでマットさんに猛烈なアタックをしまして、やっとOKの返事をいただいたとき、本当に天にも昇る気持ちでした。そのマットさんの映像をさらに生かす照明家を探していたら、私も大好きな作品『War Horse』のプログラマーをされたニックさんをマットさんからご紹介いただき、今回、世界的に有名なお2人の芸術家をスタッフとして迎えることができ、本当に嬉しく思っています。

SLPhantom1.JPG

 マット:6月1日に来日してからまだ9日間しか関わっていませんが、まずは日本の演劇のシステムに驚きました。ロンドンなど海外では、今回のような3時間にも渡る大舞台を立ち上げるためには、映像のリハーサルだけで数週間もかけます。でも、今回たった2日間だけのテクニカルリハーサルでプレビューの幕が開いたことに本当に驚きました。まさに奇跡です!(笑)しかも、スタジオライフでは大道具や衣裳などスタッフ仕事も役者がやっている!芝居だけじゃなく裏方の仕事も全部やっているなんて!彼らはいったいいつ休んでいるんだろうと思いました(笑)。役者たちのその体力と情熱に驚くばかりです」。

Nick_s.JPG
ニックさん

 【照明】ニック・シモンズさん(NICK SIMMONS)
 ロンドン・ナショナル・シアターの話題作であり、NYツアーも行われた『War Horse』のプログラマー。『Oliver!』や『オペラ座の怪人』の続編『Love Never Dies』にも携わり、その新しい技術と類まれなデザインセンスを駆使したその照明の織りなす世界は、ロンドン・ミュージカル界に旋風を巻き起こしている。

 倉田:「ファントム」は多くの人々に愛されています。お2人のこの物語への思いをお聞かせください。

 マット:『オペラ座の怪人』という作品は、世界中で色々なバージョンが作られています。それだけ“怪人”は人々の創造を喚起する魅力的な人物だからでしょう。私も『オペラ座の怪人』という作品は大好きです。謎と危険が詰め込まれたとても不可解な物語であり、とてもロマンティックな悲劇です。素晴らしく暗くゴシック調の話でもありますしね。人はこういう暗い話に惹かれるものです。私自身も暗くて美しい世界が大好きですし。

 倉田:私も暗い世界が大好きなので、同じ趣味の方がいらして良かった(笑)!

 ニック:私は『オペラ座の怪人』の続編『Love Never Dies』の照明も手掛けました。『オペラ座の怪人』の面白さは、色々な人たちが様々な解釈で作品を作っているところだと思います。今回のこのスタジオライフの『PHANTOM』も『語られざりし物語』という、いままで語られてこなかった、誰にも知られていなかった、怪人が生まれ落ちてから彼がどういう風に育ち成長していったのかという物語なので、そこが本当に面白くエキサイティングでした。

 倉田:これからの自身の仕事や抱負を教えてください。
 マット:もちろんスタジオライフの『PHANTOM』の続編をやることです!

SLPhantom4.JPG

 【しのぶよりひとこと】
 プレビュー初日直後のインタビューに伺いました。マットさんとニックさんは終始ほがらかに、気さくに話してくださいました。大仕事をやりとげた達成感と、まだ先ががある、もっと改善していこうという前向きな闘志が感じられました。
 倉田さんがマットさんに照明家を紹介して欲しいと頼んだところ、マットさんがニックさんを指名されたとのこと。マットさんのわがままにニックさんが無言でうなづき、叶えていくという(笑)、とても息の合ったご関係のようでした。

【sort出演】エリック:山本芳樹 マドレーヌ:青木隆敏 マンサール神父:山﨑康一 マリー・ペロー:関戸博一 ギゾ教授:倉本徹 エティエンヌ・バリー:笠原浩夫 ジャベール:堀川剛史 デューニカ:深山洋貴 ジョバンニ:曽世海司 ルチアーナ:松本慎也
【destin出演】エリック:林勇輔 マドレーヌ:及川健 マンサール神父:山﨑康一 マリー・ペロー:緒方和也 ギゾ教授:倉本徹 エティエンヌ・バリー:曽世海司 ジャベール:牧島進一 デューニカ:深山洋貴 ジョバンニ:笠原浩夫 ルチアーナ:松本慎也
出演を予定しておりました河内喜一朗は都合により出演しない事になりました。
[原案・原作]スーザン・ケイ [劇作・脚本・演出]倉田淳 舞台・映像:マット・キンリー 照明:ニック・シモンズ 企画・製作:スタジオライフ
プレイガイド発売開始日 : 4月10日(日)【通常公演】一般 5,800円【プレヴュー公演】一般 4,800円
http://www.studio-life.com/stage/phantom/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:44 | TrackBack

少年社中『天守物語』06/03-12吉祥寺シアター

 少年社中は毛利亘宏さんが作・演出される劇団です。毛利さんは青山劇場、サンシャイン劇場など大きな劇場でも活躍されています。
 好評だった前回公演を見逃したのもあり、なんとか千秋楽に伺いました。上演時間はカーテンコールを含んで2時間弱。

 泉鏡花作『天守物語』をもとに新しい物語を作られたんですね。豪華なスタッフワークで吉祥寺シアターがすみずみまで贅沢に使われていました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『天守物語

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 覚悟が出来たら、ここまでおいで―。

 白鷺城の天守閣から妖艶な婦人が地上を見下ろしている。
 婦人の名は「富姫」。そこに一羽の鷹が舞い降りる。

 「妖怪は、人を殺めると鳥となる…」

 因果は絡み縺れ、やがて愚かにも人は、
 地を鎮め、地を守る妖怪を討ち滅ぼさんとする。

 天地動乱の行く末。
 古き因果の行く末。
 人も妖怪も、ただ己の幸福を求め戦い続ける。

 少年社中がお贈りする、
 三年ぶりのジャパニーズ・エンターテインメント。

 種を超えた悲恋の行く末は、天高く飛翔する―。
 ≪ここまで≫

 天守を取り囲むように、上手手前袖から舞台面側を横切って下手奥へとつながるL字の通路があり、天守とその通路の間には深い溝があります。地上との高度差、つまり断絶があってとてもいいですね。溝に落ちるのはスリリングです。天守の屋根が斜めになってるのもかっこいい。
 衣装とヘアメイクが豪華でしたね~!和風ですがドレスの要素もあり、さらには鳥が鳥らしく見えるのも素敵。男性の袴の模様も良かったな~。凝りに凝っていて眼福です。
 鳥といえば童子役の中村龍介さんの動きがとても美しかったです。
 皆さん、日本刀や長い棒を使った殺陣がしっかりしてるのもさすがですね。

 美術、照明などのスタッフワークや、パンフレット、物販を含めた公演全体のパッケージのしかたなど、レベルがとても高いのに、なぜ私はあまり観に行かないのかなぁと考えてみたんですが、役者さんの演技方法が好みじゃないからかもしれません。図書之助役の廿浦裕介さんは今回、劇団公演で初の主演を勝ち取ったそうですが、2010年から声優としてもご活躍とのこと。やはり声優さんなんだなぁと。好みの問題かと思います。

 ここからネタバレします。

 アヤカシと人間の対立という構図は、先日観たばかりの『真夏の夜の夢』の妖精対人間と被り、どうしても比べてしまうことになりました。そのせいか納得できないことが何度かあったんですよね。たとえば互いに盲目になり心中しようとした図書之助と富姫(あづみれいか)が、なぜ酒を飲んでばかりの男性の言うことを聞いて、すんなり生きることを選んだのか。なぜあんなに急に心変わりできたのかわかりませんでした。

 「それでも人は生きる」ことを、花吹雪舞う踊りの場面であらわしていました。暗転する寸前に絵画のように残像が残り、美しかったです。

第24回公演
出演:堀池直毅、井俣太良、大竹えり、岩田有民、廿浦裕介、加藤良子、長谷川太郎、杉山未央、山川ありそ、内山智絵、竹内尚文、あづみれいか、中村龍介、柴木丈瑠、ちょーすけ、萱怜子、菊池千花、堀口大介、宮崎菜穂
原作:泉鏡花 脚色・演出:毛利亘宏 照明:斎藤伸一郎(A.P.S.) 音楽:YODA Kenichi 衣裳:村瀬夏夜 舞台美術:秋山光洋 舞台監督:杣谷昌洋 音響:井上直裕(atSound) 演出助手:佐藤信也 殺陣指導:Team AZURA 大道具:イトウ舞台工房 振付:森川次朗 ヘアメイク:林美由紀 村瀬央華 スチール:金丸圭 宣伝美術:武田和香 WEB:田中ユウコ 松本健 オブジェ製作・宣伝美術協力:真野明日人 宣伝ヘアメイク:谷口小央里 舞台撮影:カラーズイマジネーション 制作:一ツ橋美和 企画・製作:少年社中
【発売日】2011/04/23 前売 4,000円 天守割引 3,500円(前売のみ。対象回はスケジュール参照) 当日 4,500円(開演1時間前から受付にて販売)
http://www.shachu.com/tenshu/


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:27 | TrackBack

2011年06月12日

【情報】日本劇団協議会『「日本の劇」戯曲賞2011の戯曲募集中!」※7/29〆切(郵送のみ)

 昨年から始まった日本劇団協議会の「日本の劇」戯曲賞。今年も応募作を募集しています。特徴は最優秀賞受賞作が必ず上演されること。昨年度は今年3月に上演されました。会場は恵比寿・エコー劇場です。

 戯曲は未発表・未上演のものに限られます。脚色は不可。
 選考委員:丹野郁弓、土田英生、西川信廣、原田一樹、宮田慶子 
 募集締切:2011年7月29日(金)郵送必着

 以下、公式サイトの情報です。

■「日本の劇」戯曲賞2011 戯曲募集!■

 現在第一線で活躍する演出家たちが選考し、最優秀賞に選ばれた作品は必ず上演される戯曲賞です。
 2012年3月下旬、恵比寿・エコー劇場にて上演されます。

 昨年度は、『オトカ』作:今井一隆 演出:土田英生 2011年3月25日~27日恵比寿エコー劇場にて上演いたしました。

■募集要項■

(1) 応募資格 
 応募者の資格は問わない。

(2) 応募条件
 ① 日本語で書かれた戯曲で、未発表・未上演のものに限る。脚色は不可。
 ② 400字詰め原稿用紙150枚程度まで。書式は縦書きとし、400字詰め原稿用紙、またはA4サイズ用紙(20字×40行)を用いること。

(3) 応募方法等
 ① 他の戯曲、小説等から引用した場合は、引用部分に印をつけたうえで、作品の最後に引用作品名および作者名を明記すること。なお、贈賞時に著作権に関する処理がなされていない場合は、贈賞を無効とする。
 ② 戯曲は3部コピーし、住所・氏名・年齢・電話番号を明記のうえ(社)日本劇団協議会事務局まで郵送(書留)または宅急便にて期間内必着で送付すること。
 ③ 表紙には題名のみ記入し、作品内に作者名は一切記入しないこと。
 ④ 受理された原稿は、選考終了後も返却いたしません。

(4)贈賞 
 ①最優秀賞に選ばれた作品は1年以内に上演し、上演料をお支払いします。
  ※最優秀賞の著作権は作家本人に帰属しますが、初演の権利は、受賞決定時から1年間は(社)日本劇団協議会にあることを了承すること。
 ②上演の際の演出家は受賞者と協議のうえ決定します。

(5) 募集締切  2011年7月29日(金)必着

(6) 選考結果  2011年9月末頃日本劇団協議会HPにて発表

(7) 選考委員  丹野郁弓、土田英生、西川信廣、原田一樹、宮田慶子 


■お問合せ・応募先■
 社団法人日本劇団協議会   
 〒160-0023東京都新宿区西新宿6-12-30 芸能花伝舎3F  
 TEL:03-5909-4600 FAX:03-5909-4666
 e-mail:info(アットマーク)gekidankyo.or.jp URL:http://www.gekidankyo.or.jp

 文化庁委託事業「平成23年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
 制作:社団法人日本劇団協議会


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:15 | TrackBack

2011年06月11日

【情報】ピーター・ブルック演出作品(2008年初演)が静岡にやってきます⇒6/18(土)16時と6/19(日)14時の2ステージ

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緊急告知チラシ

 3月の震災および原発事故の影響で、SPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭2011」(⇒記者発表)では公演中止や演目・内容変更が相次ぎました。※中止演目については無料の映像上映が実施されます。

 海外から非常事態にあると言える東日本に来るのは、とても勇気のいることだと思います。何らかの使命感がないと難しいのではないでしょうか。『シモン・ボリバル、夢の断片』を上演するオマール・ポラスさんは、「俳優一人、椅子一つ、ロウソク一本だけでも芝居は続けうることを示したい」と意志表明し、来日を決心されました。この危機において、国境を越えた人と人とのつながりの重さ、強さを改めて受けとめています。 

 先日、日本の状況をかんがみて『この凶暴な闇』から『ヘンリー五世』へと演目変更したピッポ・デルボーノ・カンパニーですが、主演・演出のピッポ・デルボーノさんの体調が急変して来日できなくなり、残念ながら公演は中止となりました。その替わりに急きょ、同日程・同会場で、ピーター・ブルックさんの2008年初演作が上演されることになりました。↓舞台写真(SPACより提供)

PeterBrook_WhyWhy_stage.jpeg

 ピーター・ブルックさんは現在86歳。20世紀を代表する演出家と言われる方です。間違いなくビッグ・ニュースですね。私は10年前に1度観たことがあります。日本にいながらピーター・ブルック作品を観られるチャンスを、ぜひつかんでください。

 ●ピーター・ブルック演出『WHY WHY』(2008年初演)⇒公式ページ
  日時:6月18日(土)16:00開演/19日(日)14:00開演
  会場:静岡芸術劇場
  ドイツ語上演/日本語字幕
  上演時間:60分
  ⇒WEB予約

 18日(土)は19時30分から、SPAC『天守物語』も上演されます(⇒2001年レビュー)。SPAC芸術総監督の宮城聰さんのク・ナウカ時代の代表作の1つで、野外劇場「有度」では初の上演になります。東静岡には便利な温泉施設「天神の湯」もありますので、よかったら静岡週末旅行を楽しんでみてください♪ ⇒去年の旅行スナップ
 ⇒Next舞台制作ラボ【劇場ナビ 特別編】わたしを劇場へつれてって ~静岡スペシャル・目次~

 ※ピーター・ブルック作品の来日が決まったのは、ピッポ・デルボーノ・カンパニーのご尽力によるものだそうです。ピッポさん、ありがとうございます。ご快復を心よりお祈り申し上げます。

上演時間 60分
出演:ミリアム・ゴールドシュミット 音楽・演奏:フランチェスコ・アニェッロ
作:ピーター・ブルック マリー=エレーヌ・エティエンヌ 演出:ピーター・ブルック 製作:チューリッヒ市立劇場 共同製作:パレルモ・ガリバルディ劇場  バール・プロダクション

Posted by shinobu at 22:01 | TrackBack

SPAC・庭劇団ペニノ『エクスターズ』06/04-05舞台芸術公園野外劇場「有度」

 庭劇団ペニノのタニノクロウさんがSPACに初登場。しかも新作野外劇ということで期待最高潮で伺いました。⇒記者発表

 老女6人と青年3人による歌って踊ってのパラダイスには、とぼけた笑いが満載!楽しすぎて、これでいいのかしらと不安になるほど(笑)。上演時間は約1時間20分。

 タニノクロウさんがツイッターから投稿した舞台写真⇒

 ⇒CoRich舞台芸術!『エクスターズ
 ⇒庭劇団ペニノブログ「官能から遠く離れて?

 ≪あらすじ≫ 当日パンフレットより。
 ここはどこで、いつなのだろう。森の中にひっそりと佇む、とある施設。
 肉色の斑模様に包まれた室内に並ぶのは、どこか懐かしい公園遊具と、ピアノ。
 プレイルーム……なのだろうか?やがて朝が来て、住人たちが集いだす。
 少女のような愛らしい装いの、六人の老女。
 やんちやな少年のような格好をした、三人の青年。
 なんでもない、彼女たちの一日が始まる。
 やることと云えば……歌うことくらいしかない。
 ≪ここまで≫

 あらすじを読まず、前知識ゼロで拝見。なるべくそうするようにしています。
 高い壁に囲まれた部屋。白いネグリジェの老女6人と、なぜか彼女らに奉仕する若い男性3人。彼らは執事?子供用の遊具がならぶ空間で、のんびり音楽を聴いて、テレビを見て、歌を歌って過ごす人々。ここは実社会でないのは確か。天国なのかしら。

 高い壁で守られた至福の密室ですが、野外劇場なので常に広く外へ、空へと開かれているのがミソですね。人間だけが集まって、たわいない、でもいとおしい行為が鮮やかに営まれますが、所詮それらは限られた世界の中でのこと。

 ここからネタバレします。

 つまり老人ホームなんでしょうね。終演後に一緒に観ていた人と話してわかりました(←遅い)。でも知らなくて良かったな~。知ってたら想像が広く飛ばなかった。朝起きて夜寝るまでを描いているようにも見え、人の一生を表しているようにも思えました。

 男性3人が協力して、1人がわざわざロッククライミングで壁を登り、何をするのかと思ったら電灯を設置(笑)。あぁ仕事ってそうだよなと思いました。
 水飲み場で「The Sound of Silence」をギターとコーラスで演奏する場面に爆笑。

 一日の締めくくりはドレスを着てのダンス。3人の執事が見守る中、踊り終えた老女たちは寝室へ(たぶん)。一人残ったのはピアノを弾いていた女性。壁の木の隙間から光が射してきました。やんごとない後光のよう。やがて1枚の板が開いて壁の向こうに広がる闇が見えました。女性は恐れおののくような態度で光を見つめ、逃げるように退場。
 言葉が通じる、一緒に歌が歌える、あ・うんの呼吸でいたわりあえる仲間との生活。でもその周囲には人知の及ばない世界が広がっています。「有度」の舞台奥は原始林ですから、未知の闇とはすなわち自然のこと。最後の場面は自然への畏敬の念のあらわれだと思いました。無力な私たちの小さな、小さな世界での絶頂の恍惚は、常に畏れと背中あわせです。『エクスターズ』は野外でしか成立しない作品なのではないでしょうか。

 男性3人が歌う「雨」が素晴らしかった。私は「雨があがるようにしずかに死んでいこう」という境地には、まだまだ達しきれない凡人です。
 「雨」 詩:八木重吉 作曲:多田武彦

 歌われた曲(歌詞カードより):「庭の千草」「ふるさと」「サラスポンダ」「雨」「はるかな友に」「The Sound of Silence」「グッド・ナイト・ベイビー」

 ≪終演後のアーティスト・トーク≫
 出演:タニノクロウ 宮城聰

SPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭2011」6/4(土)~7/3(日)
出演:飯田一期 森準人 山田伊久磨 小谷野桂子 杉浦南美子 鈴木久美子 長澤洋子 星出三貴 前田展子
作・演出:タニノクロウ 舞台監督:三津久 演出助手:郷淳子、森準人、海老原聡、吉野万里雄 美術助手:法龍院悠 美術協力:安部田保彦 照明プランナー:倉本泰史(APS) 照明オペレーター:根本諭(APS) 音響オペレーター:仮屋浩太郎 歌唱指導:望月智代 字幕:コーリー・タービン 制作協力:小野塚央 舞台:山田貴大、竹内舞 音響サポート:青木亮介 衣裳:竹田徹 制作:中尾栄治、伊藤尚子 協力:庭劇団ペニノ 製作:SPAC (財)静岡県舞台芸術センター
一般大人4,000円/大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円
http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/extase
記者発表⇒http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0414230505.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

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Posted by shinobu at 20:14 | TrackBack

SPAC『タカセの夢』06/05、19舞台芸術公園屋内ホール「楕円堂」

 カメルーン出身のダンサー・振付家のメルラン・ニヤカムさんが、静岡県の中高生10名とダンスを創作しました。昨年の初演からブラッシュアップされ、SPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭2011」で再演を迎えました。⇒記者発表

 終演後に出演者全員とSPAC芸術総監督の宮城聰さんによるトークがありました。子供たちがニアカムさんのことを「パパ」「太陽」「神様」「学校では教えてくれないことを教えてくれる人」等と満面の笑みで語っており、私もニアカムさんに会いたくなりました。

 8月にシアタートラムで東京公演があります。8月11日プレトーク(開演前18:30より)にニヤカムさんが出演されますね!

 ⇒CoRich舞台芸術!『タカセの夢

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 タカセはクラスメイトの女の子にモテモテで追いかけ回される。しかしそれは夢で、目が覚めると現実の殺伐とした人間関係が広がっており、テレビゲームのような戦闘的なダンスが展開する。やがてタカセはそこを抜け出し、自然のなかで解放的に遊ぶ。その後、何十年か経ち、老人時代に移行する。おじいちゃんおばあちゃんになった彼らは、楽園のような場所で、かつての遊びを思い出し……。
 ≪ここまで≫

 あらすじがあったことを知らずに拝見しました。楕円堂の奥の壁一面に映像が映るのは迫力。
 セリフを「言わされてる」感が苦手で、最初は入って行きづらかったです。でも激しいダンスで頬が紅潮し、息切れして、彼らが無心になって体を動かすようになってから、みずみずしい肌と未熟な体が美しく、輝いて見えてきました。

 「自分のことを大好きになったら、他人はあなたを愛してくれる」というニアカムさんの言葉。子供たちは開演前に鏡を見つめて「私ってなんて可愛いの!」と言い聞かせるそうです(笑)。それ大事!大人もやろう!

SPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭2011」6/4(土)~7/3(日)
出演:スパカンファン(静岡県の中高生10名) 秋山実優 猪山菜摘 櫻井奏子 高瀬竣介 南條未基 増田理子 村瀬瑠美 宮城嶋静加 宮城嶋遥加 渡澄清楓
振付・演出:メルラン・ニヤカム 振付アシスタント:木野彩子 音響デザイン:山貫憲彦 映像:ニシモトタロウ コーディネート:ヴァニナ・ソプサイサナ 制作協力:奥山緑(ame arts) 通訳:石川裕美 演出サポート:大内米治 舞台監督:浜村修司 舞台装置デザイン:鈴木里恵 衣裳デザイン:竹田徹 衣裳:市川晶子、岡村英子 照明デザイン:樋口正幸 照明操作:神谷怜奈 照明補助:松村彩香 音響操作:原田忍 映像操作:武石進衛 舞台:市川一弥 制作:大保和巳、鶴野喬子 製作:SPAC (財)静岡県舞台芸術センター 協力:東京日仏学院 後援:カメルーン大使館、フランス大使館、静岡県教育委員会、静岡県私学協会
一般大人4,000円/大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円
http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/takasesdream
記者発表⇒http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0414230505.html


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:57 | TrackBack

SPAC『真夏の夜の夢』06/04-05静岡芸術劇場

 SPAC・静岡舞台芸術センターの「ふじのくに⇔せかい演劇祭2011」が開幕しました。トップバッターは今回のフェスで最も早く前売り完売になった『真夏の夜の夢』です。野田秀樹さんと出会って演劇を志したというSPAC芸術総監督の宮城聰さんが、初めて野田戯曲を演出されました。⇒記者発表

 私はこれまで何本もの野田作品を劇場で観ていながら、野田さんが、絶望の淵にいながら極限まで研ぎ澄ました言葉を発し続けている、素晴らしい詩人であることを知りませんでした。野田さんに謝りたい気持ちです。そして宮城さん、ありがとうございました!

 この舞台が終わった後、『タカセの夢』を観るために舞台芸術公園に行きました。緑がいっぱいの山を歩いきながら、ここには妖精がいる、鳥のさえずりは彼らの声なんだと、本当に思いました。大の大人がそんなお人好しで夢見がちなことを本気で信じられたのは、演劇の、詩の魔法のおかげです。

 たった2ステージの公演でした・・・どうか再演を!

 ⇒日比野啓さんの演劇批評
 ⇒CoRich舞台芸術!『真夏の夜の夢

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 創業130年の割烹料理屋「ハナキン」。その娘・ときたまごには許婚がいた。板前のデミである。デミはときたまごを愛していたが、彼女は板前のライに恋心を寄せていた。ときたまごとライは<富士の麓>の「知られざる森」へ駆け落ちする。それを追いかけるのはデミと、彼に恋をしている娘・そぼろ。森では妖精のオーベロンとタイテーニアが可愛い拾い子をめぐって喧嘩をしている。オーベロンは媚薬を使ってタイテーニアに悪戯をしようと企み、妖精のパックに命令する。ついでにそぼろに冷たくするデミにも媚薬を使おうと思いつく。しかし悪魔メフィストフェレスが現れ、パックの役目を盗みとる。そこに「ハナキン」に出入りしている業者の面々が結婚式の余興の稽古にやって来て、事態はてんやわんやに……。
 ≪ここまで≫ 

 俳優が客席を向いてセリフを語るSPACならではの演出方法は、最初はとっつきづらいかと思います。でも徐々に「形式に沿っているからこそ、言葉が耳に届く」と思うようになりました。ダジャレも笑えましたし、小さめの声でゆっくりと心情を語る場面では、その人物の身体が透き通って、言葉だけが宙に浮かぶように感じました。

 舞台にはのぼり棒のようなパイプが何本も建っていて、はしごみたいに役者さんが登れるようになっています。高い場所で静止してポーズを取ると絵画のよう。棒と身体が縦横に交わるのは二次元のグラフみたいです。立体的な衣裳をまとった妖精が現れて平面と立体が交差し、横幅や奥行以外の、いわば四次元の広がりを想像させます。
 打楽器を中心とした音楽がかなり長い間流れていました。役者さんがかわるがわる演奏しているんですね。生演奏とよく練られた発声とのコンビネーションは贅沢です。ただ、宮城さんの舞台でよく感じることなんですが(⇒)、同じリズムの盛り上がり部分が多すぎる気がしました。

 原作には登場しないメフィストフェレスがパックに成り代わり、物語は予想外の方向へ。『真夏の夜の夢』とは違った物語が交わってきます。メフィストフェレス役の渡辺敬彦さんが素晴らしかった!!決まったセリフ回しと動きの“異物感”が効果的で、映画「バットマン」のジョーカーを思い出しました(ジャック・ニコルソンかヒース・レジャー)。

 野田さんの作品を観る時、複雑なストーリーに追い付けなくなっても「わー、すごいなー!」と演出に魅せられて、終演時には勝手に満足していたりします(私の場合)。でも今回は、言葉遊びもストーリーも理解できました(たぶん)。物語の力、言葉の力が、世界を変え得るのだと、本気で思うことができました。ただしそれは決して目には見えないのですが。
 
 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません

 そぼろが飲み込んだ「森よ滅びろ」という言葉が、メフィストフェレスと契約を結んでいました。内田樹さんのブログにもありましたよね。人間の思いは、言葉にならなくとも世界とつながっていて、現実に影響を及ぼします。

 メフィストフェレスの涙が妖精たちの「姿を見せるマント」の灰を流してしまい、また妖精たちは人間の目には見えなくなります。でもその灰は地面に落ちて沁み込み、草木がそれを吸い上げて、やがて緑の葉から光とともに降り注いでくれる。彼らは木に宿っているのです。妖精たちは「木の精」。つまり「気のせい(想像力)」。

 そぼろが物語を語る場面で、メフィストフェレスは何かを必死に書く動作をしていました。つまり彼は野田さんなんですね。
 そぼろは森に迷い込んだ「不思議の国のアリス」で、このお話は彼女が観た夢だったという結末。ただの“夢落ち”ではなく、一人の人間の想像や意志が、どれほど豊かで力があるかを示してくださったと思います。

 妖精たちの衣裳は新聞紙でできていました。震災直後、私が知りたいことを書いてくれなかった新聞。そぼろがとぐろをまいたウンコみたいな形の(本当に・笑)新聞のかたまりを両手で持ち上げて、デミとライに向かって怒る場面では、ゴミになった言葉のかたまりが武器になったように見えました。ただ、宮城さんは新聞をゴミだとは思っていらっしゃらないと思います。ゴミで妖精の全身をつつむはずはないですから。

SPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭2011」6/4(土)~7/3(日)
【出演】〈メインキャスト〉そぼろ:本多麻紀 ときたまご:保可南 板前デミ:菅原達也 板前ライ:泉陽二 割烹ハナキンの主人:大高浩一 仲居おてもと:布施安寿香 福助:小長谷勝彦 オーベロン:貴島豪 タイテーニア:たきいみき パック:牧山祐大 メフィストフェレス:渡辺敬彦
〈出入業者〉 氷屋:加藤幸夫 豆腐屋:関川哲生 酒屋:牧野隆二
〈妖精たち〉 夏の精かしら:いとうめぐみ 年の精:瀧澤亜美 あたしの精:赤松直美 石井萌水 木内琴子 目が悪い精:山下ともち 吉見高 耳が悪い精:佐藤ゆず 若宮羊市 妖精:眞野梨江
演出:宮城聴 原作 W・シェイクスピア 小田島雄志訳『夏の夜の夢』より 潤色:野田秀樹 音楽:棚川寛子 舞台監督:村松厚志 照明デザイン:岩品武顕((公財)埼玉県芸術文化振興財団) 照明:樋口正幸 松村彩香 舞台美術デザイン:深沢襟 舞台美術助手:鈴木里恵 西沢理恵子 佐藤洋輔 音響:小嶋純真 衣裳デザイン:駒井友美子 衣裳:満田年水 棚橋美幸 岡村英子 市川晶子 舞台:武石守正 渡辺明 ヘアメイク:梶田キョウコ 石橋芳子 許田雪恵 英語字幕翻訳作成:エグリントンみか 英語字幕翻訳協力:アンドリュー・エグリントン 英語字幕操作:岸本佳子 制作:仲村悠希 谷口裕子 協力:NODA・MAP 製作:SPAC (財)静岡県舞台芸術センター
一般大人4,000円/大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円
http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/nightsdream
記者発表⇒http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0414230505.html

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Posted by shinobu at 16:51 | TrackBack

松竹/Bunkamura『コクーン歌舞伎第十二弾「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」』06/06-27 Bunkamuraシアターコクーン

 コクーン歌舞伎『盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)』は1998年に初演され、今回初めて再演されます。でも中村勘三郎さんが演じた役を息子の中村勘太郎さんが、中村福助さんが演じた役をコクーン歌舞伎初登場の尾上菊之助さんが演じますので、ほとんど新作ですね。
 私は恥ずかしながら『盟三五大切』という歌舞伎の有名演目自体が初見でした。上演時間は約3時間15分(途中休憩20分を含む)。

 いつもながら豪華絢爛のスタッフーワークと歌舞伎役者の芸にうっとり(主なレビュー⇒)。歌舞伎らしい複雑な人間関係に脳みそフル回転しつつ、最後の最後は「あぁ、そうだったのか!!」と驚いて、腑に落ちて、しみじみ。忠臣蔵のサイドストーリーなんですね。

 母と一緒に初日を鑑賞したところ、コクーン歌舞伎初体験の母は大満足。久しぶりに親孝行できました♪客席での飲食OKです。ロビーの売店もにぎやかで楽しいですよ~。

 ⇒CoRich舞台芸術!『コクーン歌舞伎第十二弾「盟三五大切」

 ≪あらすじ≫
 浪人の源五兵衛(中村橋之助)は芸者の小万(尾上菊之助)に入れ込んでいる。だが彼女には三五郎という夫(中村勘太郎)があった。いやな客に言い寄られる小万を身受けするために、源五兵衛は伯父からもらった大切な100両を渡そうとするが、全ては三五郎と小万が金欲しさに仕組んだ狂言だった。2人の裏切りを知った源五兵衛は・・・。
 ≪ここまで≫

 じんわり、たっぷりと人間を見せていく演出のおかげで、歌舞伎俳優の技をとっくりと見つめて味わうことができました。静と動の差がストイックにあらわされ、落胆、絶望、恐怖に触れ激変する心情がより鮮やかに浮かび上がります。とはいえ「ここまでやるか!」とびっくりさせる豪華な大仕掛けもいっぱいです。

 歌舞伎は物語の説明をあまりせずに様式美で表現することも多いですが、コクーン歌舞伎は人間関係や気持ちの変化をより具体的にわかりやすく見せる、現代劇風の演出も特徴かと思います。たとえば今回はチェロの調べが登場人物の心情に沿うように流れていました。

 無言の橋之助さんがかっこ良かったですね~!源五兵衛は悪心にとりつかれたような変貌っぷりを見せますが、いかにもな変化を演じるのではなく、変わる前と後の源五兵衛として、その場に在るだけなんですよね。もちろん歌舞伎らしい所作はありますが、感情を内に込めてただじっと立っている姿にすべてが凝縮されているように思えました。

 菊之助さんは夫を愛する若い妻としてもきれいでしたが、後半の母親らしい演技にも説得力がありました。だからこそ“あの場面”は壮絶!勘太郎さんの声は勘三郎さんに似てらっしゃいますね。お父様のような凄味や色気とは違いますが、涼やかな一途さが良かったです。

 ここからネタバレします。

 「彼(彼女)は実は誰々だった」という歌舞伎ならではの物語はさすがの面白さ。源五兵衛が大勢を殺してしまう回り舞台の場面は、スリリングで美しかったです。音がないのが怖くてイイ!

 雨が降る客席に出て、傘をさしながらゆっくりと劇場通路をまわるところも、舞台の端に立って三五郎たちを見つめているところも、橋之助さんの暗い目にくぎづけ。
 数ある名場面が中でも、やはり源五兵衛が小万とその息子をなぶり殺しにするところが一番でした。菊之助さんはギョっとするほどの叫び声を上げますが、コントロールした上でのものだとわかります。はらはらさせるライブ感が持続する中、突然ポーズを取って技を見せるのが歌舞伎ならでは。菊之助さんが客席に背を向けて膝立ちをして上半身を反るところは、ホ~っと見とれました。

 終盤に録音のセリフが流れましたが、あれは勘三郎さんの声だそうですね。セリフの意味はわからなかったんですが、三五郎(中村勘太郎)とその父の了心(笹野高史)の関係が、勘太郎さんと勘三郎さんという実の親子と重なりました。そういえば橋之助さんのご子息の中村国生さんが、源五兵衛につかえる八右兵衛役で共演されているのも感慨深いですね。人間の恨みも悲しみも、それを描く芸術も、親子代々、ベテランから新人へと受け継がれていくのだなと思いました。

出演:中村橋之助 尾上菊之助 中村勘太郎 坂東彌十郎、片岡亀蔵、笹野高史、坂東新悟、中村国生 坂東新悟 中村勘之丞 中村小三郎 中村蝶紫 澤村國矢 澤村國久 中村山座衛門 井上隆志 中村橋弥 中村橋幸 尾上音三郎 尾上音二郎 尾上音一郎 中村仲之助 中村いてう 中村仲四郎 坂東彌七 坂東彌風 坂東彌紋 土橋慶一 もとのもくあ 山岡弘征 谷坂寛也 梶浦昭生 片岡正二郎 内田紳一郎 チェロ:坂本弘道 徳澤青弦 斎藤孝太郎
脚本:四世鶴屋南北 演出・美術:串田和美 演出・美術:串田和美 照明:齋藤茂男 附師:杵屋栄十郎 作調:田中傳左衛門 編曲:坂本弘道 音響:森本義 立師:中村橋弥 狂言作者:竹柴徳太朗 狂言作者:竹柴潤一 技術監督:センターライナソシエイツ 演出助手:神野真理亜 美術助手:原田愛 附打:山﨑哲 舞台監督:藤森條次 制作:岡崎哲也 山根成之 橋本芳孝 住井浩平 主催:松竹株式会社/Bunkamura 製作:松竹株式会社
【発売日】2011/04/24 1等席(平場/椅子)\13,500 2等席\9,000 3等席\5,000(税込)
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_11_kabuki.html
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/shusai/2011/06/post_7.html


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:08 | TrackBack

2011年06月09日

演劇集団キャラメルボックス『2011ハーフタイムシアター「水平線の歩き方」「ヒア・カムズ・ザ・サン」』06/02-19サンシャイン劇場

 演劇集団キャラメルボックスは前回公演で被災地に500万円を寄付しています。こういう経緯もあり勇んで前売り券をゲット。すごく久しぶりなので(たぶん数年ぶり)、アウェイ覚悟で伺いました。
 劇場ロビーに入るなりお祭りのような派手なにぎわい・・・はなく、しっとり大人のムード。物販の雰囲気や開演前の前説などがずいぶん変わっていて、予想外でしたがホっとしました(笑)。

 ハーフタイムシアターは初体験なんです。休憩20分間をはさんで約1時間の短編を、2本連続で鑑賞しました。緊急公演として同会場で『賢治島探検記』も上演中です。

 ⇒CoRich舞台芸術!『水平線の歩き方』『ヒア・カムズ・ザ・サン』※CoRichでカンタン予約!

 ストーリーも役者さんの演技も演出も私好みではなかったですが、どちらかというと『水平線の歩き方』の方が面白かったです。意外な動きや言葉が飛び出してくる点では、『ヒア・カムズ・ザ・サン』の方が印象に残る場面が多かったですね。

 開演前の映像CM、若手俳優による前説、おなじみの演出にわかりやすいストーリー、長めのカーテンコールという流れで、システマチックにパッケージ化されていました。「キャラメルボックスの舞台」というブランド商品になっているんですね。モーニング娘。のコンサートを思い出しました。あの決め決めのMCとか。
 前説では「誰もが快適に観られるように」と前置きし、5つのお願いをはっきりと話されていました。こういう安心感、安定感が信用を築いていくのだと思います。「上演中の写真撮影、録音、録画は違法です。絶対しないでください」って凄い。

 8月には柿喰う客との合同公演が新国立劇場小劇場で行われます。意外な組み合わせだと思っていたんですが、今回キャラメルボックスの役者さんを見て、柿喰う客の役者さんとも共通項はあるように感じました。録音された一曲の音楽のように、大勢が同時に決まった道筋をたどっていくような演技というか。いっせいに前を向いて、テキパキ、元気にこなしていくパワーがありました。いわゆる演劇作品ですが、1つの短編が1曲のダンスのようだったとも思います。

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 両方ともオープニングの直後に、登場人物全員がいっせいに踊る短いダンスシーンがありますが、話の流れからも踊り始めることの必然性はありません。いわゆる「お約束」なのだとしたら、ファンにとっては大事な演出なのだろうと思います。ファンは好きな役者さんの踊る姿も観たいですからね。ただ、振付はもっと意外性があったり緩急が激しい方が私好み。


■『水平線の歩き方』

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 幸一は35歳。社会人ラグビーの選手。
 ある夜、自分のアパートに帰ると、部屋の中に女がいた。
 どこかで見た顔。彼女はアサミと名乗った。
 それは、幸一が小学6年の時に病気で亡くなった、母だった。
 親子二人で過ごした日々が、幸一の脳裏に鮮やかに蘇る。
 あの頃、母は大人に見えた。
 が、今、目の前にいる母は、明らかに自分より年下だった……。
 ≪ここまで≫

 幽霊となって出てきた母と23年振りに自室で話をする息子。本当は彼自身が病院で死にかけ(幽霊になりかけ)ていて・・・という設定には、演劇ならではのトリックがあります。

 岡田達也さんが着ていた紺色(?)のジャケットがおしゃれだったな~。裏地がいいんです。
 看護婦だった母が「看護婦という言葉の響きやかもしだす雰囲気が、すでに医療行為だ」と言うのに同感です!私も“看護士”より“看護婦”が好き。


■『ヒア・カムズ・ザ・サン』

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 真也は30歳。出版社で編集の仕事をしている。
 彼は幼い頃から、品物や場所に残された、人間の記憶が見えた。
 強い記憶は鮮やかに。何年経っても、鮮やかに。
 ある日、真也は会社の同僚のカオルとともに成田空港へ行く。
 カオルの父が、アメリカから20年ぶりに帰国したのだ。
 父は、ハリウッドで映画の仕事をしていると言う。
 しかし、真也の目には、全く違う景色が見えた……。
 ≪ここまで≫ 

 モノの記憶を透視できるサイコメトリー役は阿部丈二さん。体の動きが面白い方でした。
 「妹が相撲取りに似てる」というネタから、力士のツッパリの動きをしたり、出版社社員がなぜかハリー(岡田達也)を持ち上げたり、突拍子のない身体表現が良かったです。
 一番笑ったのは、上手で白衣の男性がつんのめったところ。わざとらしくてイイ(笑)。

 急病で降板した西川浩幸さんの代役は『水平線の歩き方』主演の岡田達也さんでした。

≪大阪、東京≫
『水平線の歩き方』出演:岡田達也 岡田さつき 前田綾 左東広之 小多田直樹 井上麻美子 鍛治本大樹 原田樹里
『ヒア・カムズ・ザ・サン』出演:阿部丈二 岡田達也 大森美紀子 岡内美喜子 三浦剛 渡邊安理 多田直人 小林千恵
脚本・演出:成井豊 美術:秋山光洋 照明:黒尾芳昭 音響:大久保友紀 舞台監督:矢島健<太郎屋> 振付:川崎悦子<BEATNIK STUDIO> スタイリスト:高木阿友子 ヘアメイク:山本成栄 音楽監督:加藤昌史 衣裳製作:佐藤美香 宣伝デザイン:井上恵 宣伝写真:堀弘子<てるうちスタジオ> チラシ写真:Sibylle Pietrek / Flowerphotos / amanaimages 宣伝イラスト:大田真理子 宣伝スタイリスト:川端恵美 宣伝ヘアメイク:伊藤麻由美<air supply> 舞台写真:伊東和則 企画・製作:ネビュラプロジェクト 製作総指揮:加藤昌史 プロデューサー:仲村和生
【休演日】6/6,13【発売日】2011/04/03 〈全席指定・税込〉 2作品券:8,000円 1作品券:4,000円
http://www.caramelbox.com/stage/halftime2011/index.html

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Posted by shinobu at 00:05 | TrackBack

2011年06月08日

IN-project『命と祈りの120分』06/08-10パフォーミングギャラリー&カフェ絵空箱

 演出家の石丸さち子さんとヴァイオリニスト・指揮者の西谷国登さんのお2人が立ち上げたIN-project(アイエヌ・プロジェクト)。演奏、歌唱、朗読劇、2人芝居という構成でした。上演時間は約2時間半弱(休憩1回を含む)。売り上げの一部を義援金として、日本赤十字社を通じて被災地に送るそうです。

 石丸さんは「自分が生きている内に空気が、水が、土地が汚されるとは思っていなかった。そして死んだ後のことを考えていなかった自分にショックを受けた」という意味のことおっしゃっていて・・・私もそうです。
 石丸さんさんと西谷さんの、どうしようもなくあふれ出した気持ちが形になった、音楽と演劇のイベントでした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『命と祈りの120分』※CoRichでカンタン予約!

■IN−1 音楽で奏でる、命と祈り
 演奏:西谷国登(ヴァイオリン) ゑ川史子(ピアノ・スピネット) 歌唱:泉忠道

 バッハはやっぱりいいな~。伴奏のピアノが柔らかくていいですね。息も合っていて。
 映画『ポカホンタス』の「Color of the Wind」に一番感動したかも。

 作曲:アラン・メンケン 日本語詞:湯川れい子
 歌唱:栗原和子・星野和代・堀田恒子・山田米子(秩父市民ミュージカル)+石丸さち子 演奏:ゑ川史子(ピアノ)

 市民ミュージカルのメンバーである奥さま方の声は、力強くたおやか。豪華なドレスがそれぞれに個性的で素敵!赤、群青、紫、そしてハワイアンの花柄。


■IN−2 宮沢賢治の言葉と音楽「セロ弾きのゴーシュ」
 【出演】ゴーシュ:杉浦大介・西谷国登(ヴァイオリン) 語り:石丸さち子 楽長:斎藤穂高 三毛猫:吉本遼 かっこう:桜井ユキ 狸の子/司会者:高木拓哉 野ねずみ:平岩信子 伴奏:ゑ川史子


■IN−3 短篇戯曲「命を弄ぶ男ふたり」(岸田國士作)
 出演:包帯をした男:田村真、眼鏡をかけた男:若菜大輔


Performing Gallery&Café 絵空箱~被災地に繋がる表現を紡ぐ~賛同企画/ IN-Project Vo.1
石丸さち子と西谷国登がお届けする、音楽と演劇の幸せな出会い
構成・演出:石丸さち子 音楽監修:西谷国登・石丸さち子 照明:山口明子 音響デザイン:井川佳代 音響操作:石丸さち子 舞台監督:徳山望(株)ザ・サムシングエルス 宣伝美術:松崎亮二 制作:倉重千登世・IN-Project 主催・企画:IN-project(石丸さち子 西谷国登)
【発売日】2011/05/10 前売・当日 3500円(ワンドリンク700円チケットを含みます。)
https://sites.google.com/site/inproject20116/

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Posted by shinobu at 23:38 | TrackBack

2011年06月07日

ゲキバカ『ローヤの休日』03/16-27王子小劇場

 ゲキバカは柿ノ木タケヲさんが作・演出される劇団です。俳優の劇団員は男性ばかり。『ローヤの休日』は2度目の再演で、東京公演は男囚、女囚の2バージョンありました。

 「CoRich舞台芸術まつり!2011春」審査員として拝見しました(⇒94本中の10本に選出 ⇒応募内容)。ゲキバカは「CoRich舞台芸術まつり!2009春」の準グランプリ受賞団体です。※今回のレビューはCoRich舞台芸術!に書きます。

 ロビーでの物販が充実してまして、男囚バージョン鑑賞後にガチャガチャにチャレンジしたところ、なんとDVDが当たってしまいました・・・!審査員として招待券をいただいていたのに、プレゼントまでいただいて恐縮しきり。でも「当たる」って嬉しいですね!(笑) 出演者の皆さんがパッケージにサインしてくださいました。
zerogoDVD.JPG

 収益の一部は被災地への義援金になるとのこと。ちゃんと募金報告もしてくださって、ありがたいですね。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ローヤの休日

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 監獄の物語。舞台美術は極力シンプルに、もしくは素舞台。

 窃盗団。ダイヤモンド。逃亡。投獄。
 邂逅。生命感あふれる純白のブリーフ。カレー。スプーン曲げ少年。
 男とおとこのキス。穴。大脱走。小さな町の大きな煙突。ラジオからの曲。たんぽぽ。家族。

 そして主人公はトンネルの先に光を見つける。
 ≪ここまで≫

≪東京、大阪、愛知≫ゲキバカ 2011年 春の三都市巡業「ローヤの休日」
出演:石黒圭一郎、西川康太郎、鈴木ハルニ、伊藤今人、中山貴裕、渡辺毅、加藤靖久(ANDENDLESS)、(以上、3都市共通)、◆女囚バージョン、境宏子(リュカ.)、三枝奈都紀(Afro13)、泊ヶ山まりな、野依美弥子、山本由樹恵、三澤さき、岡田一博
脚本・演出:柿ノ木タケヲ 演出助手:苫米地裕子、海野デカ 照明:兼子慎平(LaSens)/東京公演 宮崎正輝/大阪・名古屋公演 音響:佐藤春平 衣装:車杏里 記録・映像:KASSHAKA 写真:飯野高拓 舞台監督:中西隆雄/東京 青野守浩/大阪 海野デカ/名古屋 宣伝美術:細田美装 制作:浅倉良徳 吉田千尋 制作協力:鉾木章浩(製作集団basil)/大阪 ニシムラタツヤ(AfroWagen)/名古屋 企画・制作:ゲキバカ
【発売日】2011/02/14 前売:3,200円 当日:3,500円 学割:2,200円(大学・専門学校生/前売り・劇団扱いのみ) 中高生特別料金:0円(各回枚数限定/要予約、劇団扱いのみ)
http://gekibaka.com/

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万能グローブ ガラパゴスダイナモス『グンナイ』05/28-29イムズホール

 万能グローブ ガラパゴスダイナモスは福岡の人気若手劇団です。2月に初の東京公演を拝見しまし、これが2度目になります。

 「CoRich舞台芸術まつり!2011春」審査員として拝見しました(⇒94本中の10本に選出 ⇒応募内容)。※レビューはCoRich舞台芸術!に書きます。

 上演時間は約1時間40分だったかと。
 イムズホールの公演はビルの懸垂幕の宣伝が嬉しいですね~。
IMS.JPG

 ⇒CoRich舞台芸術!『グンナイ

 ≪あらすじ≫
 日本から離れたある島。南国ムードいっぱいのホテルのロビー兼バーで、若い男女が談笑中。高校野球部の同窓生が数年ぶりに集まったのだ。
 ≪ここまで≫

■「グンナイ」で済ませられない人生

 初日の1ステージ目に伺ったところ、観客のわくわく度がハンパない!10代と思われる若い男女が団体で観に来ていたり、ロビー開場中から観客の熱気にあてられ、客席についてからは300席以上を満席にする劇団力を見せつけられました。「前回はあんな役だった役者さんが、今回はこんな役だ」と見守るような、固定客と劇団との幸せな関係も築かれており、いわゆる“大人気の若手劇団”に久しぶりに触れたように思います。

 舞台は日本から離れたある島の、南国ムードいっぱいのホテルのロビー兼バー。高校野球部の同窓生が数年ぶりに集まり旧交を深めますが、それぞれが抱える問題が徐々にあらわになっていきます。
 今年2月の東京公演同様によく練られたコメディーでしたが、意外にテーマが重くてメッセージ性も強く、終演後しばらく客席にとどまり、受け取った意味を咀嚼しながら余韻を味わいました。

 今までになかった方向性を打ち出したようですね。笑いに特化した作品も良いですが、私としては今作で劇団の将来への期待がますます高まりました。

 ここからネタバレします。

 ともに青春時代を過ごしたさわやか高校球児たちも、卒業後は別々の道へ。父の仕事を継ぎ婚約者も得て幸せの絶頂にいる者もあれば、野球賭博で行き詰まり国外逃亡をもくろんでいたり、ホストになって次々と女性客にたかっていたり、新興宗教にはまっていたりする者もあり。

 プロ野球選手だった弟の交通事故死に疑問を抱く姉が、旅行記事ライターとしてホテルに潜入していました。弟は野球部で一緒だった面々と、野球賭博および薬物によるドーピングに手を染めていたのです。薬物は舞台となる島に咲く植物から抽出されたもので、新興宗教団体が販売しているものでした。
 「死」のムードがひっそりと舞台を侵食しますが、深刻なエピソードを大げさに謡いあげることなく、笑いのスパイスを細かく効かせてコメディーの体裁に整える手腕に信用がおけました。

 野球の試合を再現する場面が素晴らしかったです。あの時の輝きは皆の心に刻まれ、いつまでも美しい思い出であり続けるけれど、その後歩んだ日々も消えることはありません。
 グンナイの意味は「Good Night(おやすみなさい)」。つまり目をつぶっていた、あえて気づかない振りをして見逃していた、何かを盲信して思考停止していたということ。その結果、しっぺ返しをくらうことになります。思い出の試合を何度繰り返しても、最後の一球を打たれて負けるのです。

 作者の川口大樹さんがどう考えていたかはわかりませんが、この度の震災および原発事故の下で生きる私たちをあらわしているように受け取りました。


万能グローブ ガラパゴスダイナモス 第12回公演
第5回福岡演劇フェスティバル参加作品 イムズパフォーミングアーツシリーズ2011 vol.5 
出演:椎木樹人 多田香織 どん太郎 松田裕太郎 松野尾亮 横山祐香里 阿部周平 加賀田浩二(飛ぶ劇場)
脚本・演出:川口大樹 舞台監督:森田正憲(株式会社エフジーエス) 照明:太田勝之(有限会社サム) 照明操作:竹内元一 音響:杉山聡 音響操作:辻村泰平 舞台装置:中島信和(兄弟舟) 舞台美術:藤紗希江 小道具:松田裕太郎 衣装:石山龍太郎 演出助手:田中基康 制作:橋本理沙 広報:松野尾亮、多田香織 WEB:辻村泰平、竹内元一 Design illustration:中村ヤスオ(WELLS FACTORY) 宣伝美術:山本庸平(Brad Master) 主催:万能グローブ ガラパゴスダイナモス/イムズ 制作協力:ピクニック 後援:NPO法人FPAP 協力:パブリックチャンネル、andymori フェスティバル協賛:(株)プレナス
【発売日】2011/04/01 当日:2500円、一般前売:2300円、ペア:3800円 高校生以下:1000円[当日座席指定・引換時要学生証]
http://www.galapagos-dynamos.com/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:48 | TrackBack

2011年06月06日

【パブリックコメント募集】本年度から試行される「日本版アーツカウンシル報告書案」への意見募集※6/8〆切(郵送・FAX・電子メール)

 日本芸術文化振興会が「文化芸術活動への助成に係る新たな審査・評価等の仕組みの在り方について(報告書案)」(PDF)に関する意見を募集しています。いわゆるパブリック・コメントです。

 今年は音楽と舞踊分野について(今のところ)“日本版アーツカウンシル”と呼ばれる新しい組織が設置されることになります。音楽と舞踊についての案なので演劇分野がどうなるのかはまだわかりませんが、実施されれば演劇界にも影響はあるはずです。

 よろしければ下記をご参考にぜひ意見を届けてください。〆切は6月8日(水)。今日を入れてあと3日です。

 ⇒荻野達也氏による意見のまとめ「日本版アーツカウンシル案への反応まとめ
 ⇒高崎大志氏「アーツカウンシル検討委の報告書案を深く憂慮する
 ⇒ツイッター上の意見まとめ

 【意見の提出方法】
 ・提出手段:郵送・FAX・電子メール
 ・宛先: 日本芸術文化振興会基金部芸術活動助成課 宛
  住所:〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1
  FAX:03-3265-7474
  電子メールアドレス:geijutsu-nt(アットマーク)ntj.jac.go.jp
  (件名を「調査研究会報告書案への意見」とする。添付ファイル禁止。)

 【記入項目】
 ・件名:「調査研究会報告書案への意見」
 ・氏名
 ・性別・年齢
 ・職業(在学中の場合は「高校生」「大学生」など在学する学校段階を表記。)
 ・住所
 ・電話番号
 ・ご意見
 ※複数の論点についてご意見をお寄せいただく場合には、とりまとめの都合上、論点毎に別葉としてください。(1枚1意見、1メール1意見としてください。)

 恥を承知で正直に申しますと、一読してもザクっとしていてよくわかりません・・・(汗)。素人の私の印象ですが、今までどおりのピラミッド構造がさらに高くなって、やっかいな事務作業が増えたり、審査過程が複雑になっていきそう。また、「今国内の舞台芸術シーンの最も重要な課題のひとつである、中央一極集中の緩和について触れられていないことは残念でなりません」という高崎さんのご意見に共感します。

 作り手はもちろん、芸術鑑賞をしている一般観客の声を届けることにも価値はあります。意見でなくとも「ここがわからない」「これはなぜ?」という疑問でもいいと思いますので、声を上げていただけたらと思います。


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:52 | TrackBack

青年団リンク 二騎の会『四番倉庫』06/04-15こまばアゴラ劇場

 青年団リンク 二騎の会は劇作家の宮森さつきさんと演出家の多田淳之介さんの2人ユニットです。

 次々とダメな若者が集まってくる倉庫。ダメすぎてイライラして(笑)、いったいどう収束させるのかと心配もしましたが、がっかりの連続の末、最後はグっと切なく、しんみり温かく。上演時間は失念。

 ⇒CoRich舞台芸術!『四番倉庫

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 移り変わる四季の中に生きる女性を描いてきた宮森さつきが、
 2年ぶりとなる演出・多田淳之介とのコンビで、
 ハードになれない男達による、現代のハードボイルドに挑む。

 しけもく、カップラーメン、缶ビール…
 空き倉庫で顔を合わせる、うだつが上がらない男達。
 繰り返される日常に流され続け、ふと気がつけば、友も金も、何もない。
 このぐだぐだな毎日とおさらばすることはできるのか?
 季節を捨てた二騎の会が送るダメ男達の物語。
 ≪ここまで≫

 空間および演技についてはストイックに徹した演出だったかと。多田さんの作品だと思うとちょっと物足りないかな~。宮森戯曲のロマンティックなところや、人間の弱さを積極的にいとおしむ視線が好きです。

 菅原直樹さんはいつも表情が素敵。気持ちが透けて見えるようで目が離せません。
 ほんわかとして少々オツムが弱かったり、不良っぽかったりする女性を演じることが多い(気がする)村井まどかさん。今回は根っからのお嬢様を演じてらして新鮮。スっとした立ち姿に涼やかな横顔がきれいでした。

 ここからネタバレします。

 ホームレスの速水涼(菅原直樹)は公園で声を掛けてくれた男≪工場経営者の娘(村井まどか)の兄≫にもう一度会えると信じて、倉庫で待っていた。
 速水はいつの間にか、会社の金を横領してキャバクラ通いをしていた内田(島田曜蔵)の友人、磯崎(秋山建一)とたわいない会話をする関係になっていた。


 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ 
 出演:多田淳之介 松井周

 松井さんのトークはいつも下ネタに・・・(笑)。ボーイズラブって(笑)。『官能教育』の3本目で本当に松井さんの念願をかなえたんだなと確認。

出演:秋山建一 島田曜蔵 村井まどか 菅原直樹
脚本:宮森さつき 演出:多田淳之介 照明:岩城保 舞台美術:鈴木健介 フライヤーデザイン:京(kyo.designworks) 制作:二騎の会 制作協力:服部悦子 木元太郎 山本雅幸 企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
■ポストパフォーマンストーク『青年団演出部・四番勝負!!!!』
終演後「青年団演出部」をキーワードに、ポストパフォーマンストークを行います。
各回をご観劇のお客様のみご覧いただけます。
《一番》=6/4(土)『岸田戯曲賞受賞作家に聞く』
第55回岸田國士戯曲賞を受賞した演出部出身の松井周氏(サンプル)をゲストにお迎えし、今作について伺います。
《二番》=6/5(日)『新人さんいらっしゃい!』
2003年入団の多田淳之介が演出部の先輩として、新人演出部のメンバ―を紹介します。
《三番》=6/6(月)『男・岩井秀人が聞く』
「青年団リンク 口語で古典」の岩井秀人氏が「青年団リンク 二騎の会」の多田淳之介に様々な質問をぶつけます。
《四番》=6/7(火)『演出部について語る』
2007年入団の柴幸男氏(ままごと)をゲストにお迎えし、青年団演出部について語ります。
【休演日】6/8(水)【発売日】2011/04/24
・予約・当日共 一般:3,000円 学生・シニア(65歳以上):2,000円
・四番割引:2,500円(6月4日(土)―7日(火))…初日から「四番」目の公演までは、割引価格にてご覧いただけます。
・メンズデー:2,500円…男性の皆様は、割引価格にてご覧いただけます。
・ダメンズデー:2,000円…うだつが上がらないダメンズ(自己申告制)の皆様は、応援価格にてご覧いただけます。
http://www.komaba-agora.com/line_up/2011/06/nikinokai/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:26 | TrackBack

2011年06月04日

【オーディション】「日本の問題」参加8劇団の出演者オーディション7/16(土)実施※7/4(月)〆切(専用フォームより申込)

 「Project BUNGAKU 太宰治」(⇒トークに出演させていただきました)を企画された松枝佳紀さん(アロッタファジャイナ主宰)の新企画です。題して「日本の問題」。
 参加する8劇団の出演者をオーディションで選ぶとのこと。カラーの違う団体がそろっています。募集要項は各団体ごとに異なりますので公式サイトをよくお読みください。出演希望団体は複数選択可。

 ●「日本の問題」出演者合同オーディション ⇒公式サイト
  公演日程:2011年11月27日~12日4日(日)
  上演会場:中野ザ・ポケット
  参加団体(50音順):アロッタファジャイナ、経済とH、JACROW、DULL-COLORED POP、風琴工房、Mrs.fictions、ミナモザ、ろりえ

 ・オーディション開催日:7/16(土) 9:00~19:00
  募集期間:6/4(土)~7/4(月)
  オーディション費用:¥1,000

Posted by shinobu at 11:06 | TrackBack

2011年06月03日

非戦を選ぶ演劇人の会 有志unitチワワ チャリティーリーディング『それゆけ安全マン!?~レントゲン・チェルノブイリ・フクシマ~』06/03笹塚ファクトリー

 日本演出者協会が被災地の舞台芸術家を支援する事業として「フェニックス・プロジェクト」を立ち上げました。第一弾は6/2~5の3日間で、「震災被災地の心に灯りをともそう!シアターライブin笹塚」を笹塚ファクトリーで開催中。笹塚ファクトリーのオーナーさんは、このイベントに無料で劇場を貸し出しているそうです。

 このイベントの中の1つとして、毎年夏に朗読公演を上演している非戦を選ぶ演劇人の会が、新作を発表しました。上演時間は約2時間弱。終演後に些少ですが寄付させていただきました。

 6/5は福島県の詩人、和合亮一さんが出演されるそうです。和合さんの詩が掲載されている現代詩手帖5月号↓

 ⇒CoRich舞台芸術!『東北の心に灯りをともそう!シアターライブ vol.1』※CoRichでカンタン予約!

 電力会社と原発誘致した地域との蜜月、原発にまつわるさまざまな事件、現場の声、東電福島第一原発事故から今までの反(脱)原発派と原発推進派との対立・・・。3月11日の震災の日からほぼ2ヵ月半ですが、こんなに“劇的”と言えるような、驚くべき事件が、次々と起こり続けていたんですよね。短期間にこんなに恐ろしい、愚かなことが。ひとつずつ思い出して戦慄しました。
 私は友人の勧めで2008年10月に「六ヶ所村ラプソディー」を観て、再処理工場の恐ろしさを少しだけわかったつもりでした。でも、私もそれを「許容」してきた一人です。愚かで悲しくて泣けてくる。

 また、この戯曲がインターネット時代ならではの作品であるということに、刺激を受けました。東電福島第一原発事故以降、日本のインターネット上で非常に注目を浴びた人々が多数登場します。しかもその人たちが語った言葉が、そのまま舞台上で発せられます。ネット上にコピー&ペーストできる本人談のテキストがあふれていますから、容易に、大量に、確かな証言として引用できるんですよね。ホットというよりホッテストなトピックが、いきなり演劇として立ち上がる姿を見ました。

 ここからネタバレします。

 情報としては知っていることも多かったですが、劇場で多数の人と共有することも大切だと思います。
 ・原発の燃料となるウラン採掘現場も放射能汚染されている。オーストラリア原住民の証言。
 ・ウランを濃縮する際に出るゴミが劣化ウラン。それが爆弾として使用された。日本はウラン凝縮をアメリカに依頼しているので、アメリカが落とした劣化ウラン弾は日本が作ったともいえる。
 ・自分が豊かさ(電力)を享受する際に、誰かがその犠牲になっている(原発での仕事は被ばく労働、ウラン採掘現場の汚染、劣化ウラン弾の犠牲者など)。

 脚本を書いた相馬杜宇さんと清水弥生さんが、劇中にも登場しました(演じるのは役者さん)。まさに現在進行形の劇。
 「安全マン」とは長崎大学の山下俊一教授のこと。青井陽治さんが悠々と演じてらっしゃいました。
 金井良信さん演じる石原都知事、土屋良太さん演じる枝野官房長官、古屋隆太さん演じる田中優氏、佐藤誓さん演じる孫正義氏など、ものまね風で可笑しかったです。

 セリフのメモ。
 「政府にまかせていられない。民間で動いていかないと。」
 「“チェルノブイリの子供たち”のように、福島の子供が“フクシマの子供たち”と言われないようにするために。」
 「被災者ではない。被害者なんです。」
 「油断は忘却を生む。」
 「他者の犠牲の上に自分の命がある。そんなことがあってはならないとわかった時、原発は必然的に廃絶される。」

フェニックス・プロジェクト 東日本大震災被災地の舞台芸術家を支援する事業 震災被災地の心に灯りをともそう! シアターライブin笹塚 Vol.1
出演:青井陽治、有森也実、綾田將一、占部房子、枝元萌、円城寺あや、金井良信、河野洋一郎、小林あや、小山萌子、小山貴司、坂本一敏、佐藤誓、田根楽子、土屋良太、洪明花、古屋隆太、丸尾聡、みやなおこ、横澤有紀(50音順)
脚本:相馬杜宇、清水弥生 演出:永井愛 構成:unitチワワ 音響:和田匡史 照明:篠原久美子 宣伝美術:石原燃 舞台監督:丸尾聡 主催:日本演出者協会 共催:笹塚ファクトリー
1,000円(小学生以下無料)
http://phoenixpro.jimdo.com/
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=28059

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:31 | TrackBack

【ワークショップ/レクチャー】芸団協「俳優指導者と演出家のための実践トレーニングコース・俳優の創造性を開拓するために」07/25-30※7/29は公開レクチャーとシンポジウムも開催

 英国の俳優指導者ローナ・マーシャルさん(⇒ご参考)の、俳優指導者と演出家のためのワークショップレクチャーが開講されます。通訳は新国立劇場演劇研修所ヘッドコーチの池内美奈子さん。ローナさんは芸団協でよくワークショップをされています。

 元RADA校長のニコラス・バーターさん(⇒過去記事)を招いたシンポジウムも開催。ご興味のある方はぜひ。

 ●俳優トレーナーのための実践トレーニングコース「俳優の創造性を開拓するために」
  期間:7月25日(月)~30日(土)
  場所:芸能花伝舎内 創造スペース
  募集人数:16名程度(書類選考有り)
  対象:俳優指導者としてある程度の活動をしている方および演出家。全日程参加できること。
  受講料:50,000円 (公開レクチャー・シンポジウム含む)
  〆切:2011年7月7日(木)までに郵送必着

 ◎公開レクチャー「クリエイティブ・ジャーニー(創造的な旅路)をつくりだす」
  日程:7月29日(木)15:00-17:30
  講師:ローナ・マーシャル氏(通訳付)

 ◎シンポジウム「俳優育成で本当に必要なことは何か」
  日程:7月29日(木)18:00-19:30
  ゲスト:ニコラス・バーター氏(元RADA校長)、池内美奈子氏 

  受講料:公開レクチャーとシンポジウム4,000円/シンポジウムのみ1,000円

Posted by shinobu at 20:13 | TrackBack

2011年06月02日

TOKYO PLAYERS COLLECTION × 王子小劇場『IN HER TWENTIES』05/31-06/05王子小劇 場

 TOKYO PLAYERS COLLECTION(略称:トープレ)は劇団競泳水着の上野友之さんが作・演出される個人ユニット。出演者はその都度集めるプロデュース形式ですね。こちらと同様“×王子小劇場”に選ばれています。

 こういうご縁もあって拝見しました。遠征してご覧になる方の感想が楽しみです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『IN HER TWENTIES』※CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 一人の20代女性が過ごす20歳から29歳までの十年間を、20代の女優十人で描き出す。
 切なくてHAPPY、繊細で怒涛、寂しいけど祝祭的な女子の20代。
 トープレ版「女の半生」、開幕です。
 ≪ここまで≫

 20歳から29歳までの10人の女性が登場。それぞれの体験を話していきますが、実はすべて同一人物。

 私はアラフォーなので10~20年前の自分と比較しつつ観ました。「ふむふむ、そうだよね~」と納得する展開。もっとアグレッシブで混沌としている方が個人的には好みです。

 パステル系の普段着の衣裳が可愛らしいです。パジャマっぽい部屋着かな。
 客席には若い男性が多かったです。さすがは上野作品。「女の子が可愛い(ルックスだけじゃなく)」という定評もありますものね。

 ここからネタバレします。セリフなどは正確ではありません。

 20歳が上手、29歳が下手。2人は客席を向いてパイプイスに座っています。その間を半円を描くように背もたれのないイスが並び、年齢順に21歳から28歳がぐるりと座っています。20歳と29歳はなぜかインタビューに答えるようにして自分のことを語ります。

 主人公はトランペット奏者として音大に入り、大学院まで進学するが挫折。26歳で出版社に就職して編集の仕事をするようになります。不倫などしつつ27歳になる頃にはバリバリ働いて年下の彼氏もできますが、28歳で病気になり、会社もやめて長期療養することに。29歳では社会復帰しています。

 2人ぐらいが舞台中央のベッドのような長イスまで出て来て、座ったり寝たりしながら会話をしますが、それ以外は基本的にずっと定位置のイスに座ったまま。朗読劇みたいだなぁと思いました。中盤以降はどんどん動きまわって空間を動かしても良かったんじゃないかしら。

 構成がうまいなと思いました。たとえば27歳が同僚を相手に話す際、21歳が隣りで27歳に返答するようにセリフを語るのですが、21歳の相手は大学の担当教諭なのです。お互いに違う相手と話しているのに会話が成立するんですね。ただ、29歳がインタビュアーに答える際に、それまでに起こった話をまとめてしまうのは残念。説明することで平板になってしまった気がします。

 高校時代、20歳のころ、21歳のころ、26歳の不倫、28歳で年下の同僚という風に、合計5人の男性と付き合ったことになっていますが、29歳が「今までに10人と付き合った」と爆弾発言。25歳の放浪時と26歳~27歳の社会人時代に色々あったのね。
 『女性の9割は「浮気相手」と呼ばれる存在になったことがある』って面白いなー。

 3年つきあった1歳年上の彼氏にフラれて大学院を辞め、放浪の旅に出る25歳を演じた梅舟惟永さんが良かったです。

出演:榊菜津美 八幡みゆき 井上千裕 中村梨那(DULL-COLORED POP) 梅舟惟永(ろりえ) 南波早 甘粕阿紗子(カムヰヤッセン) 吉川莉早 小鶴璃奈(ラフメーカー) 冬月ちき
脚本・演出:上野友之(劇団競泳水着) 舞台監督:本郷剛史 照明:山内祐太 音響:田中亮大 演出助手:伊豫田一成 根本沙織 竜史 サポート:入倉麻美 宣伝美術:立花和政 WEB広報:飯田裕幸(office knee drop) 制作:会沢ナオト(劇団競泳水着)
【発売日】2011/05/01 <日時指定・自由席> 前売:2500円 当日:2800円 ペア(要予約):4400円 高校生以下(要予約・枚数限定)1500円 ★プレビュー公演(5月31日)・平日昼割(6月2日14:30)2200円
http://tokyoplayerscollection.web.fc2.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:51 | TrackBack

2011年06月01日

【お知らせ】NPO法人FPAP「“劇作家・演出家のための観劇ディスカッションツアー”(2011年6月)」の演目紹介

 2007年からアドバイザーをつとめさせていただいております、NPO法人FPAPの「劇作家・演出家のための観劇ディスカッションツアー」。6月3~5日に福岡と広島の劇作家・演出家が、東京で小劇場公演を鑑賞されます。過去記事⇒

 【2泊3日で鑑賞する4作品】※鑑賞順
 shelf「untitled
 TOKYO PLAYERS COLLECTION × 王子小劇場「IN HER TWENTIES
 青年団リンク 二騎の会「四番倉庫
 少年社中「天守物語

 公式ブログが充実しています。できれば私も全部観たいと思っています。

Posted by shinobu at 11:14 | TrackBack

メルマガ 2011年06月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2011年6月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 84     2011.06.01  1,739部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎3月11日の大震災以降、まだ安心できない日々が続いています。
  無理をせず、でもなるべく我慢もせずに、観たい舞台を観に行きたいです。

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→松竹/Bunkamura『コクーン歌舞伎「盟三五大切」』
       06/06-27 Bunkamuraシアターコクーン
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_11_kabuki.html
   
 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→城山羊の会プロデュース『メガネ夫妻のイスタンブール旅行記』
       05/21-31こまばアゴラ劇場
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0526161959.html

 ◆3【6~7月はSPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭」を観に静岡へGO!】

   ◎静岡で世界9ケ国による11演目が上演されます!
    http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/

 ◆4【編集後記】

   ◎「CoRich舞台芸術まつり!2011春」グランプリ発表は6/15(水)!
   ◎震災についての公開フォーラム、対談を拝聴しました。

 ◆5【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪


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 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。


★1.松竹/Bunkamura『コクーン歌舞伎「盟三五大切」』
  06/06-27 Bunkamuraシアターコクーン
  ☆出演:中村橋之助 尾上菊之助 中村勘太郎 坂東彌十郎 片岡亀蔵
      笹野高史 坂東新悟 中村国生 他
   脚本:四世鶴屋南北 演出・美術:串田和美
   1等席(平場/椅子)¥13,500 2等席¥9,000 3等席¥5,000
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_11_kabuki.html
   中村勘三郎さんがお休みのコクーン歌舞伎ですが、若手に期待。
   尾上菊之助さんはコクーン歌舞伎初登場。

   ●お薦めポイント●
   歌舞伎の演目を現代的な演出で上演するコクーン歌舞伎。
   1994年から『東海道四谷怪談』『夏祭浪花鑑』『盟三五大切』
   『三人吉三』『桜姫』『佐倉義民傳』が初演・再演されてきました。
   串田和美さんの演出は毎回斬新で、『佐倉義民傳』↓はラップと融合。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0711224513.html
   今回の『盟三五大切』は1998年以来の上演です。客席での飲食可能。
   ロビーの出店もにぎやかで楽しいですよ♪


2.シス・カンパニー『ベッジ・パードン』
  06/06-07/31世田谷パブリックシアター
  ☆出演:野村萬斎 深津絵里 大泉洋 浦井健治 浅野和之
   脚本・演出:三谷幸喜
   S席¥9000 A席¥7000
    http://www.siscompany.com/03produce/33bedge/index.htm
   生誕50年・三谷幸喜大感謝祭の第3弾。今年の三谷さんは新作づくし。
   野村萬斎さんら豪華キャストによるロンドン留学中の夏目漱石のお話。
   前売り券は完売。当日券情報は公式サイトでどうぞ。
    http://www.siscompany.com/03produce/33bedge/tojitsuken.html


3.文学座アトリエの会『にもかかわらず ドン・キホーテ』
  06/07-21文学座アトリエ
  ≪東京、兵庫、新潟≫
  ☆出演:金内喜久夫 飯沼慧 三木敏彦 田村勝彦 櫻井章喜 清水圭吾
      西岡野人 赤司まり子 塩田朋子 大野容子
   脚本:別役実 演出:藤原新平
   前売・電話予約4000円 当日4300円 ユースチケット2500円
    http://www.bungakuza.com/donquijote/index_top.html
   別役実さんが文学座に書き下ろす26作品目の新作。
   別役さんの新作が文学座アトリエの会で上演されるのは伝統のようですね。


4.CATプロデュース『NOISES OFF』
  06/09-26あうるすぽっと
  ☆出演:佐藤オリエ 千葉哲也 成河(ソンハ) 山口馬木也 月船さらら
      入野自由 小林夏子 小島聖 藤木孝
   脚本:マイケル・フレイン 翻訳:小田島恒志 演出:千葉哲也
   5,900円 
    http://www.stagegate.jp/performance/2011/noises_off/index.html
   “Show must go on”形式の爆笑喜劇。緻密な脚本にうなります。
   2005年の白井晃さん演出版↓がとても面白かったです。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0627233031.html


★5.新国立劇場演劇『雨』
  06/09-29新国立劇場中劇場
  ☆出演:市川亀治郎 永作博美 梅沢昌代 たかお鷹 花王おさむ
    山本龍二 石田圭祐 武岡淳一 酒向芳 山西惇 植本潤 金成均 他
   脚本:井上ひさし 演出:栗山民也
   S席7,350円 A席5,250円 B席3,150円
    http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000328_play.html
   井上ひさしさんの名作戯曲『雨』は、26年間に8度も、
   木村光一さんの演出で上演されてきました。今回は栗山民也さんが初演出。
   市川亀治郎さんと永作博美さんの共演にも注目。


6.世田谷パブリックシアター『モリー・スウィーニー』
  06/10-19シアタートラム
  ☆出演:南果歩 小林顕作 相島一之
   脚本:ブライアン・フリール 翻訳・演出:谷賢一
   一般5,000円 プレビュー4,000円 高校生以下2,500円 U24 2,500円
   友の会会員割引4,500円 世田谷区民割引4,700円
    http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/06/post_229.html
   40年間盲目だった女性の視力が回復したら…というアイルランド戯曲。
   独白で進む3人芝居です。20代演出家の谷賢一さんが翻訳も手がけます。


7.天王洲銀河劇場『グレンギャリー・グレン・ロス』
  06/10-19天王洲銀河劇場
  ≪東京、福岡、兵庫≫
  ☆出演:石丸幹二 坂東三津五郎 今井朋彦 大鷹明良 加藤虎ノ介
      テイ龍進 坂東八大
   脚本:デヴィッド・マメット 翻訳=常田景子 演出:青山真治
   一般9,000円 学生(当日引換)4,500円 品川区(当日引換)8,000円 
   ※未就学児の入場不可。
    http://www.gingeki.jp/special/ggr.html
   1983年初演、翌年にピュリッツァー賞を受賞したD・マメット戯曲。
   1992年には『摩天楼を夢見て』という邦題で映画化も。
   男性ばかりの豪華キャストで、演出は映画監督の青山真治さん。


8.パルコ・プロデュース『幽霊たち』
  06/14-07/03パルコ劇場
  ≪東京、名古屋、広島、福岡、大阪≫
  ☆出演:佐々木蔵之介 市川実日子 有川マコト 細見大輔 斉藤悠
      原金太郎 奥田瑛二
   原作:ポール・オースター 翻訳:柴田元幸 構成・演出:白井晃
   一般¥7,500 U-25チケット¥5,000 ※未就学児の入場不可。
    http://www.parco-play.com/web/page/information/ghosts/
   ポール・オースターさんの小説を白井晃さんが演出。過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1102002808.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2001/0622112021.html
   佐々木蔵之介さんら実力も名声もそなえた個性派キャストはもちろん、
   音楽:三宅純、振付:小野寺修二というスタッフにも期待大。


9.Bunkamura『大規模修繕劇団旗揚げ公演「血の婚礼」』
  06/24-07/30にしすがも創造舎特設劇場
  ≪東京、新潟、大阪、福岡≫
  ☆出演:窪塚洋介 中嶋朋子 丸山智己 田島優成 近藤公園 青山達三
      高橋和也 伊藤蘭 他
   脚本:清水邦夫 演出:蜷川幸雄
   8,000円
   ※客席通路の位置が未定な為、連番で購入も席が離れる場合あり。
    http://www.bunkamura.co.jp/otherhalls/shosai_11_blood.html
   蜷川幸雄さんが「大規模修繕劇団」という新プロジェクトを始動。
   清水邦夫さんの詩情ゆたかな熱い戯曲を新演出で。
   元体育館での蜷川演出作品の上演は2009年↓にもありました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0320171438.html


10.トライアングルCプロジェクト『おもいのまま』
  06/30-07/13あうるすぽっと
  ≪東京池袋、愛知、大阪、熊本、兵庫、山口、佐賀、長崎
   東京葛飾、茨城、北海道、岩手≫
  ☆出演:石田えり 佐野史郎 音尾琢真(TEAM NACS) 山中崇
   脚本:中島新 演出・美術・音楽デザイン:飴屋法水
   前売・当日6,000円 としま未来友の会5,400円 豊島区民割引5,500円
   当日限定20歳以下チケット 3,500円 ※未就学児童入場不可
    http://www.omoinomama.info/
   女優の石田えりさんの企画のようです。キャストも面白いですね!
   飴屋法水さんがストレート・プレイ(?)を演出されるのに興味津々。


 ☆☆☆────────────────────────────── 
  前売3000円以上、4000円未満の気になる作品を5本ご紹介します。
 ──────────────────────────────☆☆☆

《1》少年社中『天守物語』
  06/03-12吉祥寺シアター
  ☆原作:泉鏡花 脚色・演出:毛利亘宏
   前売4,000円 天守割引3,500円 当日4,500円
    http://www.shachu.com/
   大劇場公演の演出も手がける毛利亘宏さんの劇団、少年社中の新作。
   泉鏡花作『天守物語』にチャレンジされるんですね。


《2》渡辺源四郎商店工藤支店『桃色淑女』
  06/17-19アトリエ春風舎
  ☆出演:三上陽永 田中耕一(劇団雪の会) 三上晴佳 工藤良平
    畑澤聖悟(Wキャスト:青森公演) 各務立経(Wキャスト:東京公演)
   声の出演:工藤静香 高坂明生
   脚本・演出:工藤千夏
   全席自由 一般予約3,000円、学生予約2,000円、高校生以下500円
   一般当日3,300円、学生当日2,300円、高校生以下当日800円
   ※工藤さん割引:工藤姓のお客様は各料金より100円引き(要証明書)
    http://www.nabegen.com/
   工藤千夏さんの新作は音楽劇。大人の女流劇作・演出家ならではの
   毒と温もり、そしてはかない夢想世界に、用心しつつ体をゆだねたい。


《3》ONEOR8『ペノザネオッタ』
  06/18-26赤坂RED/THEATER
  ☆出演:恩田隆一 和田ひろこ 野本光一郎 冨田直美 伊藤俊輔
      赤澤ムック 白州本樹 山口森広 広澤草 根本雅也
      関口敦史 矢部太郎(カラテカ) 
   脚本・演出:田村孝裕
   一般:前売3800円/当日4200円 学生割引:前売2500円/当日2800円
   ※前半4ステージのみ前売3500円/当日3800円
    http://oneor8.net/cn12/index.html
   新国立劇場や大手プロデュース公演でもご活躍の田村孝裕さんの新作。
   田村さんは昨年岸田國士戯曲賞にもノミネートされました。
   劇団員以外の出演者にも惹かれます。


★《4》オフィス・コットーネ『12人~奇跡の物語~』
  06/19-26 Space早稲田
  ☆出演:寺十吾 中原和宏 日下部そう 高橋卓爾 福井利之 加地竜也
      柳内佑介 絹川友梨 末次美沙緒 小林麻子 伊藤弘子 小出奈央
   原作:レジナルド・ローズ 脚色・翻訳・演出:小川絵梨子
   全席自由(整理番号付き) 前売・当日共:3.500円
   ※未就学児童のご入場はご遠慮ください。
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/12/gaiyou.htm
   名作法廷劇『12人の怒れる男』を小川絵梨子さんが脚色・翻訳・演出。
   小川さんは昨年、小田島雄志・翻訳戯曲賞を受賞。受賞作レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0825105451.html


《5》アトリエ・センターフォワード『刃、刃、刃!』
  06/23-30シアター風姿花伝
  ☆出演:椿真由美 眞藤ヒロシ 佐藤麻衣子 進藤健太郎 堀口和也
      カトウシンスケ 瑞木健太郎 広田豹 大家仁志
   作・演出:矢内文章
   前売3800円、当日4000円
    http://centerfw.net/
   関ヶ原の合戦前夜を舞台に、忍者が登場する時代劇?!
   矢内文章さんの戯曲は古典リミックスやB級SFなど、毎回作風が激変。
   文学座など新劇系の役者さんが多数出演。前回レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0310175445.html
   制作は日本劇団協議会。文化庁の「新進劇団育成公演」です。


 ★★★────────────────────────────── 
  前売2000円台以下の気になる作品を5本ご紹介します。
 ──────────────────────────────★★★

【1】青年団リンク 二騎の会『四番倉庫』
  06/04-15こまばアゴラ劇場
  ☆出演:秋山建一 島田曜蔵 村井まどか 菅原直樹
   脚本:宮森さつき 演出:多田淳之介
   予約・当日共 一般:3,000円 学生・シニア(65歳以上):2,000円
   四番割引:2,500円(6月4日(土)―7日(火))
   メンズデー:2,500円(男性) ダメンズデー:2,000円(自己申告制)
    http://www.komaba-agora.com/line_up/2011/06/nikinokai/
   宮森さつきさんの脚本を多田淳之介さんが演出するユニットの新作。
   トークのゲストが豪華ですので要チェック!前回レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0130202830.html


【2】ドリルチョコレート×キコqui-co.『世田谷童貞機構』
  06/13-14駅前劇場
  ☆原案:小栗剛(キコqui-co.)脚本:櫻井智也(MCR/ドリルチョコレート)
   演出:櫻井智也と小栗剛
   (前売り、当日とも)13日(月)夜、14日(火)夜の回は3000円
   14日(火)15:00開演の回は2000円
    http://www.mc-r.com/ ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=27486
   櫻井智也さんと小栗剛さんが何をやらかすのか、楽しみだし不安(笑)。
   2日間3ステージのみの公演です。


【3】ハイバイ特殊公演『七つのおいのり』
  06/20-26アトリエヘリコプター
  ☆出演:ハイバイ劇団員
   脚本・演出:ハイバイ全員
   6月20日~22日 前売2,800円 当日3,300円
   6月23日~26日 前売3,000円 当日3,300円
    http://hi-bye.net
   岩井秀人さん率いるハイバイの劇団員全員が、それぞれに短編を作・演出。
   コントを“おいのり”とした、永井若葉さんのセンスに脱帽です。


【4】乞局『乞局奇譚集2011「標本~蜂・蠅・蜻蛉・蝶~」』
  06/22-30リトルモア地下
  ☆脚本・演出:下西啓正
   予約2,200円(日時指定・自由席) 当日2,500円(日時指定・自由席)
   学生・喪服割引2,000円(当日券はありません)
   ※22(水)19:30~プレビュー公演2,000円(当日券はありません)
    http://kotubone.com/ ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=27426
   下西啓正さん率いる劇団乞局(こつぼね)が原宿のギャラリーに登場。
   不思議・不気味・官能的な濃密空間を至近距離で。


【5】東京芸術劇場『芸劇eyes番外編「20年安泰。」』
  06/24-27水天宮ピット・大スタジオ
  ☆参加団体:ジエン社 バナナ学園純情乙女組 範宙遊泳
        マームとジプシー ロロ
   前売2,000円(整理番号付・日時指定・全席自由)
   当日2,500円 高校生割引1,000円
   ※未就学児はご入場いただけません。
    http://www.geigeki.jp/saiji/007/9.html
   出演5組からメッセージ:http://click.eplus.jp/?4_1286466_179394_16
   「この5劇団を観ておけば、これから20年は安泰!」と堂々豪語する企画。
   私は全劇団1度は観たことがありまして、これは必見だと思います。


≪ミュージカル≫

 ○神奈川芸術劇場KAAT『ブロードウェイ・ミュージカル亜門版「太平洋序曲」』
  06/17-07/03神奈川芸術劇場・ホール
  ☆出演:八嶋智人 山本太郎 佐山陽規 畠中洋 戸井勝海 石山毅 岡田正
    石鍋多加史 原田優一 富岡晃一郎 石井一彰 さけもとあきら
    岡田誠 麻乃佳世 小此木麻里 森加織 田川可奈美 田山涼成 桂米團治
   作曲:S・ソンドハイム 脚本:J・ワイドマン 演出:宮本亜門
   S席8,500円 A席7,500円 B席(椅子付立見席)4,500円
    http://www.po2011.jp/
    http://www.kaat.jp/pf/po.html
   ソンドハイム氏が2000年初演を「これ以上素晴らしい『太平洋序曲』はない」
   と高く評価。2002年に米国で上演され、トニー賞4部門にノミネート。


≪チャリティー・リーディング≫

 ○非戦を選ぶ演劇人の会 有志unitチワワ チャリティーリーディング
  『それゆけ安全マン!?~レントゲン・チェルノブイリ・フクシマ~』
  06/03笹塚ファクトリー
  ☆出演:青井陽治・有森也実・綾田將一・占部房子・枝元萌・円城寺あや
    金井良信・河野洋一郎・小林あや・小山萌子・小山貴司・坂本一敏・佐藤誓
    田根楽子・土屋良太・洪明花・古屋隆太・丸尾聡・みやなおこ・横澤有紀
   脚本:相馬杜宇、清水弥生 演出:永井愛 構成:unit チワワ
   全席自由席 1,000円(小学生以下無料)  
    http://hisen-engeki.com/
    http://phoenixpro.jimdo.com/


 ○Hgリーディング『Hgリーディング 第一話「猫の庭」を読む』
  06/15自由学園明日館講堂
  ☆出演:佐藤誓 篠塚祥司 栗原茂 浅倉洋介 多根周作 山ノ井史 北川義彦
      津田湘子 はざまみゆき 西山水木
   脚本・演出:詩森ろば
   1,500円 ※最低限の経費以外被災地に全て寄付
    http://windyharp.org/windyharp/hgreading.html
   水俣病の原因となった企業チッソの内部を描く第一話を朗読。初演レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0513114345.html


≪東京以外≫

 ○兵庫県立ピッコロ劇団『蛍の光』
  06/03-08ピッコロシアター大ホール 
  ☆脚本:角ひろみ 演出:深津篤史
   一般3,500円 大学・専門学校生2,500円 高校生以下2,000円
    http://hyogo-arts.or.jp/piccolo/gekidan/hotaru.htm
   215もの応募作から選ばれた第4回近松賞受賞作↓の上演。
    http://www.archaic.or.jp/chikamatsu/shou/kekka/kekka_4.html
   演出が深津篤史さんですもの!観たいです。


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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.城山羊の会プロデュース『メガネ夫妻のイスタンブール旅行記』
  05/21-31こまばアゴラ劇場
  ☆大切な家族を失って目の前が真っ暗になっても、生きていく私たち。
   型破りでハレンチな物語の奥に、未来を照らすか細い光が見えました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0526161959.html

2.ワタナベエンターテインメント『D-BOYS STAGE 2011「ヴェニスの商人」』
  04/29-05/08サンシャイン劇場
  ☆イケメン集団がシェイクスピア戯曲に初挑戦。青木豪さんの演出で
   今の観客に通じる爆笑喜劇に。古典を通じて現代を映していました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0508000515.html

3.森崎事務所M&Oplaysプロデュース『鎌塚氏、放り投げる』
  05/12-22本多劇場
  ☆計算し尽くされたドタバタ喜劇が、メッセージを伝えつつ見事に収束。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0520153932.html

  その他はProduce lab 89『官能教育 マルキ・ド・サド×松井周』、
  イキウメ『散歩する侵略者』など。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2011年5月(観劇数18作品)は残念ながら発行しませんでした。


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 ◆3 【6~7月はSPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭」を観に静岡へGO!】
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 ◎芸術総監督・宮城聰さん率いる静岡舞台芸術センター(SPAC)が、
  「ふじのくに⇔せかい演劇祭」にて世界9ケ国による11演目を上演します。

 ・SPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭2011」6/4(土)~7/3(日)
   http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/ 記者発表↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0414230505.html

  毎年6月~7月の週末というと、最低3回は静岡行脚な私。
  東京・静岡間無料バスも運航しています。
  気になる4作品をご紹介します。※完売公演を除く。 

 ●SPAC『エクスターズ』(日本)
  06/04-05舞台芸術公園 野外劇場「有度」
  ☆作・演出:タニノクロウ
   http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/extase
   http://spac.or.jp/blog/?cat=34
  ※背もたれのない客席です。※雨天時も上演。

 ●ピッポ・デルボーノ・カンパニー『ヘンリー五世』(イタリア)
  06/18-19静岡芸術劇場
  ☆演出:ピッポ・デルボーノ 原作:ウィリアム・シェイクスピア
   http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/henry_v
   上演作品変更のお知らせ:http://spac.or.jp/news/?p=3176

 ●SPAC『天守物語』(日本)
  6/18(土) 、6/25(土) 、7/2(土) 舞台芸術公園 野外劇場「有度」
  ☆演出:宮城聰 作:泉鏡花 演奏構成:棚川寛子
   http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/castletower 2001年レビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2001/0728165530.html
  ※背もたれのない客席です。※雨天時も上演。

 ●オマール・ボラス『シモン・ボリバル、夢の断片』(コロンビア・スイス)
  07/02-03静岡芸術劇場
  ☆演出・翻案・主演:オマール・ポラス
   コロンビア人ミュージシャンの来日が中止になり、作品の構成を変更。
   オマール・ポラスさんは「俳優一人、椅子一つ、ロウソク一本だけでも
   芝居は続けうることを示したい」と上演の意志を表明。
    http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/fragments
   座席:静岡芸術劇場の舞台上座席での自由席


 ※震災の影響で中止された2公演とも、映像上映があります。
  作品の構成変更、演目変更があったのは2公演です。
  上演作品変更等まとめ:http://spac.or.jp/news/?p=3249


 【チケット】http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/ticket
 [一般大人]4,000円  ペア割引(2枚)7,000円
  グループ割引(3枚以上)お1人様3,200円
 [みるみる割]3演目以上観る方は1公演1名様3,500円
 [学割]大学生・専門学校生2,000円 高校生以下1,000円
  東京・静岡間無料バスを運行!※満席の回あり
   http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/bus
  完売公演および無料バス満席情報(5/30)↓
   http://spac.or.jp/news/?p=3050

  ※東日本大震災による避難者のみなさまをSPAC主催公演に無料でご招待
   http://spac.or.jp/news/?p=3276


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 ◆4 【編集後記】
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 ◎「CoRich舞台芸術まつり!2011春」最終選考10作品の鑑賞終了!
   http://stage.corich.jp/festival2011/
  6月15日にCoRich舞台芸術!にて結果が発表されます。お楽しみに!


 ◎仙台で活動する劇作家・演出家の石川裕人さんをお迎えした、
  演劇人の公開フォーラムを拝聴しました。
  シアターアーツ劇評講座『公開フォーラム 震災後の演劇を語る』5/8(日)
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0512145257.html
  実際に被災地に行かれた方々の生の声が聴けました。

  平田オリザさんと別役実さんの緊急対談にも伺いました。
  「焼け跡と不条理-復興とは何か?-」5/5(木・祝)
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0505174815.html


 ◎東電福島第一原発事故により、首都圏にも放射能汚染が広がりました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0518215108.html
  ニュースをこまめにチェックして、風向きと天気に気をつけて、
  食材を慎重に選び、掃除洗濯の回数を増やし・・・かなり大変です(涙)。


 ◎「おすすめ舞台中継 on TV」は、掲載をやめます・・・。

  【意見】NHK「芸術劇場」「ミッドナイトステージ館」
   「プレミアムシアター」での演劇舞台中継の継続を嘆願します
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0202151800.html


 ◎【厳選シアター情報誌Choice!】TOPページ右下の“ちょいナビ”にて、
   http://www.next-choice.com/
  “しのぶの演劇レビュー”をご紹介いただいています!


 ◎FM西東京・演劇情報番組「たけがき2」
   http://takegaki.k-free.net/
  毎週放送される『演劇ハニーフラッシュ!』に
  「しのぶセレクション」というコーナーがありました。
  残念ながら2011年4月で番組終了とのこと・・・。
   http://www.voiceblog.jp/takegaki842/
  今まで本当にありがとうございました!


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2011年5月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「乱暴と待機」←ダメ人間のいびつな愛情を肯定。面白かったです。
    http://ranbou-movie.com/
  ・「トロッコ」←兄を演じた子役の原田賢人さんが良かった。
    http://www.torocco-movie.com/
  ・「スープ・オペラ」←ほんわかかと思ったらしんみりだった。
    http://www.soup-opera.jp/
  ・「十三人の刺客」←有名俳優による50分ものゴージャスな大乱闘。
    http://www.13assassins.jp/main.html
  ・「その街のこども 劇場版」←阪神淡路大震災を体験した子供の今。
    http://sonomachi.com/


 ◎ツイッターやってます!フォロワー2500人超えに感謝♪
  ⇒ shinorev : http://twitter.com/shinorev
  今までは目に、耳にしなかった情報が絶えず届いて超刺激的!
  実名アカウント同士の身のあるやりとりから仕事に直結!
  最近は震災関連リツイートが多いです。


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
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  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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Posted by shinobu at 00:00 | TrackBack