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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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2011年06月03日

非戦を選ぶ演劇人の会 有志unitチワワ チャリティーリーディング『それゆけ安全マン!?~レントゲン・チェルノブイリ・フクシマ~』06/03笹塚ファクトリー

 日本演出者協会が被災地の舞台芸術家を支援する事業として「フェニックス・プロジェクト」を立ち上げました。第一弾は6/2~5の3日間で、「震災被災地の心に灯りをともそう!シアターライブin笹塚」を笹塚ファクトリーで開催中。笹塚ファクトリーのオーナーさんは、このイベントに無料で劇場を貸し出しているそうです。

 このイベントの中の1つとして、毎年夏に朗読公演を上演している非戦を選ぶ演劇人の会が、新作を発表しました。上演時間は約2時間弱。終演後に些少ですが寄付させていただきました。

 6/5は福島県の詩人、和合亮一さんが出演されるそうです。和合さんの詩が掲載されている現代詩手帖5月号↓

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 電力会社と原発誘致した地域との蜜月、原発にまつわるさまざまな事件、現場の声、東電福島第一原発事故から今までの反(脱)原発派と原発推進派との対立・・・。3月11日の震災の日からほぼ2ヵ月半ですが、こんなに“劇的”と言えるような、驚くべき事件が、次々と起こり続けていたんですよね。短期間にこんなに恐ろしい、愚かなことが。ひとつずつ思い出して戦慄しました。
 私は友人の勧めで2008年10月に「六ヶ所村ラプソディー」を観て、再処理工場の恐ろしさを少しだけわかったつもりでした。でも、私もそれを「許容」してきた一人です。愚かで悲しくて泣けてくる。

 また、この戯曲がインターネット時代ならではの作品であるということに、刺激を受けました。東電福島第一原発事故以降、日本のインターネット上で非常に注目を浴びた人々が多数登場します。しかもその人たちが語った言葉が、そのまま舞台上で発せられます。ネット上にコピー&ペーストできる本人談のテキストがあふれていますから、容易に、大量に、確かな証言として引用できるんですよね。ホットというよりホッテストなトピックが、いきなり演劇として立ち上がる姿を見ました。

 ここからネタバレします。

 情報としては知っていることも多かったですが、劇場で多数の人と共有することも大切だと思います。
 ・原発の燃料となるウラン採掘現場も放射能汚染されている。オーストラリア原住民の証言。
 ・ウランを濃縮する際に出るゴミが劣化ウラン。それが爆弾として使用された。日本はウラン凝縮をアメリカに依頼しているので、アメリカが落とした劣化ウラン弾は日本が作ったともいえる。
 ・自分が豊かさ(電力)を享受する際に、誰かがその犠牲になっている(原発での仕事は被ばく労働、ウラン採掘現場の汚染、劣化ウラン弾の犠牲者など)。

 脚本を書いた相馬杜宇さんと清水弥生さんが、劇中にも登場しました(演じるのは役者さん)。まさに現在進行形の劇。
 「安全マン」とは長崎大学の山下俊一教授のこと。青井陽治さんが悠々と演じてらっしゃいました。
 金井良信さん演じる石原都知事、土屋良太さん演じる枝野官房長官、古屋隆太さん演じる田中優氏、佐藤誓さん演じる孫正義氏など、ものまね風で可笑しかったです。

 セリフのメモ。
 「政府にまかせていられない。民間で動いていかないと。」
 「“チェルノブイリの子供たち”のように、福島の子供が“フクシマの子供たち”と言われないようにするために。」
 「被災者ではない。被害者なんです。」
 「油断は忘却を生む。」
 「他者の犠牲の上に自分の命がある。そんなことがあってはならないとわかった時、原発は必然的に廃絶される。」

フェニックス・プロジェクト 東日本大震災被災地の舞台芸術家を支援する事業 震災被災地の心に灯りをともそう! シアターライブin笹塚 Vol.1
出演:青井陽治、有森也実、綾田將一、占部房子、枝元萌、円城寺あや、金井良信、河野洋一郎、小林あや、小山萌子、小山貴司、坂本一敏、佐藤誓、田根楽子、土屋良太、洪明花、古屋隆太、丸尾聡、みやなおこ、横澤有紀(50音順)
脚本:相馬杜宇、清水弥生 演出:永井愛 構成:unitチワワ 音響:和田匡史 照明:篠原久美子 宣伝美術:石原燃 舞台監督:丸尾聡 主催:日本演出者協会 共催:笹塚ファクトリー
1,000円(小学生以下無料)
http://phoenixpro.jimdo.com/
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=28059

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2011年06月03日 22:31 | TrackBack (0)