2011年07月27日
中津留章仁Lovers『黄色い叫び(再演)』07/21-31タイニイアリス
“中津留章仁Lovers”ってすごい名前ですね。TRASHMASTERSの中津留章仁さんのプロデュースユニットなのでしょうか。中津留さんはトム・プロジェクト公演でよく作・演出されていますよね。昨年は岸田國士戯曲賞の最終候補に選ばれました。
『黄色い叫び』は「東日本大震災をモチーフにした話題作」。4月に上演されたばかりですが、好評ゆえに7月に再演とのこと。上演時間は約2時間25分。タイニイアリスでの長時間は、客席環境の面できつかったです。
戯曲がテアトロ2011年8月号に掲載されています。ロビーで販売されていました。
⇒CoRich舞台芸術!『黄色い叫び(再演)』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
寂れた田舎町に暮らす、若者たちの青春群像。
≪ここまで≫
舞台は過疎地の青年団事務所。3月11日の震災後のお話です。4月に上演したのですからオンタイムですね。
演技がヤクザ映画やテレビの刑事ドラマみたいで、“過疎の村の若者たち”がかっこつけてるのが、どうにも滑稽に見えてしまいました。ため息つくのも相づち打つのも振り返ってにらみつけるのも、画面でアップになった時のキメ演技のような・・・登場人物全員がそうなのが凄い。徹底してますね。いつもこういう作風だとしたら私には合わないです。
色々と都合よく進むストーリーで、残念ながら興味が持続しませんでした。演技と演出が違えば印象は変わるかもしれません。
ここからネタバレします。
台風がひどくなり、会議で懸念していたとおりの土砂崩れが起きてしまいます。「天災で死ぬのは当人が悪いんだ」と豪語していたサーファーがひどい怪我をするなど、実際に被災者になることで当事者意識に目覚めていくという筋書き。
東京などの人口の多い都市だけを守り、過疎地を棄てているという指摘は、残念ですがその通りだと思います。この震災で、日本という国では全ての国民の生命が平等に大切にされるわけではないってこと、よくわかりました。自分のことは自分で守らなくてはいけない。
停電してからはろうそくと小さな照明だけの明かりでした。4月は震災直後だったから節電を心がけたのかな~と想像。計画停電とか、今思うと本当にひどかったですね。節電の暴力は今も続いていますが。
女性は2人登場します。男性視線の描き方だなと思いました。
中津留章仁Lovers Vol.4
出演:阿部薫[TRASHMASTERS] 星野卓誠[TRASHMASTERS] 小林博[激弾BKYU] 瀬戸早妃 浦島三太朗[昭和芸能舎] 高久ちぐさ 片山享 永井浩介 横谷豪紀
作・演出:中津留章仁 音楽:高畠洋 舞台美術:福田暢秀 照明:畑田圭未[LIGHT UP] 音響:佐藤こうじ 舞台監督:白石定 宣伝美術:中塚健仁 制作:小畑幸英 企画・製作:TRASHMASTERS ラストクリエイターズプロダクション
料金 [整理番号付き自由席] 前売3800円 当日4000円 21日[木]、22日[金]公演のみ、 前売3000円、当日3500円の割引価格となります。開場は開演の30分前。未就学児童のご入場はお断りしています
http://www.lcp.jp/nlovers/next.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月26日
王子小劇場地域発信プロジェクトサマースクール『放課後グリム』07/24王子小劇場
王子小劇場が北区在住または北区の学校に通う中高生向けの演劇ワークショップを開催しました(⇒告知エントリー)。講師は中屋敷法仁さん。昨年から継続している企画です。ワークショップ最終日の1回きりの無料発表会に伺いました。
中高生が生き生き、のびのびと自分の言葉でしゃべっていました。すっごく可愛らしかった!
劇団柿喰う客では刺激の強い作品も発表している中屋敷さんですが、「中高生が演劇を通じて楽しみながら学ぶ企画」の講師として、とても有意義なお仕事をされたのではないでしょうか(えらそうな言い方ですみません)。継続開催を望みます。
⇒昨年の企画を観た、体験したコメント
⇒昨年のブログ/ツイッターのまとめ
⇒発表会の記録動画
⇒Togetter「王子小劇場地域発信プロジェクトサマースクール『放課後グリム』」
⇒CoRich舞台芸術!『放課後グリム』
≪企画説明≫ CoRich舞台芸術!より
北区の中高生といっしょに演劇をつくる企画の2年目。
「グリム童話」を題材にした短編作品を発表します。
≪ここまで≫
ここからネタバレします。
発表と発表後のトークの感想です。詳細を知りたい方は動画をどうぞ。
「グリム童話」の当事者になり、1人の相手に対して自分の言葉で、何があったか、どう思ったか等を話します。語り手、聞き手を1人ずつ交代していき、全員に2度順番が回ってきます(たぶん)。
ほとんどぶっつけ本番だったようですが、それが良かったのかも。変にカッコつけたりせず、お稽古中の生の姿を見られたから、可愛かったんだと思います。
発表後に中屋敷さんがおっしゃった「当事者として主観で話すこと」は、人が他人とコミュニケーションする際にとても大事なことで、演技の基本の1つでもあると思います。「セリフを覚えると、責任が軽くなる」「2人に対して話すと薄まる」というご指摘にも納得。
参加者の声も聞けました。
「ずっと遊んでばかりだったから、これで本当に発表とかやるのかな~と思っていたら、本当にやったので驚きました(笑)。」
「本番中に、ワークショップでやっていたことがとても役立った。ああ、このためだったのかとわかった。」
中屋敷さんは「参加者が一番得をすること」を心がけたとのこと。子供向けワークショップの講師として、どんな企画に何が必要なのかを見極めて、実践して成果を上げられたのだと思います。なんといっても子供たちがすごく楽しそうでした!
去年からの継続参加は1人、今年から大学生ということで、助手として参加された方も1人いらっしゃいました。
出演:加藤みなみ 菅野和哉 若林美穂 小見波結希 池田紗希 大森れみ 神部ふゆみ 黒田あさひ 山本梓 鈴木彩夢
作・演出:中屋敷法仁 原作:グリム兄弟 構成/演出:中屋敷法仁(柿喰う客) 演出部:三浦直之(ロロ)/大森茉利子/熊木美旺
発表会は無料。
http://blog.livedoor.jp/ojiblog-2011summerschool/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月25日
アル☆カンパニー『ゆすり』07/21-26 ザ・スズナリ
アル☆カンパニーは平田満さんと井上加奈子さんご夫婦の企画プロデュース共同体で、『ゆすり』は2008年初演です。今回も作・演出は青木豪さん。見逃していたので再演はありがたいです。上演時間は約1時間10分。
“ゆすり”(脅して金品を手に入れようとする人)が登場する会話劇。最後がすごく良かったです。大谷亮介さんが語ったのは過去への郷愁、未来への希望、そして予言だったような。つまり詩だったのかな。
昨年春に上演された『罪』(⇒レビュー)が9月に再演されます。SPACE雑遊という小さい空間に適した作品だと思います。お勧めです。
⇒CoRich舞台芸術!『ゆすり』
≪あらすじ≫
突然の来客(平田満)に戸惑いつつ、客室の掃除をする中年の男女(大谷亮介&井上加奈子)。客は昔からの知り合いだと言うが、親しい付き合いは全くないのだ。たどたどしく言葉を交わす内に、過去の記憶が解きほぐされて…。
≪ここまで≫
演技にはぎこちなさ(あえてなのかも?)が見えたものの、次々と新しい情報が飛び出してきて、気が抜けません。果たして嘘をついているのは誰なのか。もしかして舞台上に居る3人のうち、本当は存在しない人がいたりするのかも…?ぐらいに想像する余地もありました。
今の私にも、自分の人生を振り返って思い当たることがありました。きっとまた数年後、数十年後にこのお芝居を観たら、もっと悲しく、もっと嬉しくなるんだろうと思いました。
ここからネタバレします。
恋に落ちた兄(大谷亮介)と妹(井上加奈子)の情事を、向かいのアパートに住んでいた貧乏学生の安東(平田満)が覗いていた。30年後、金に困った安東は、兄の方に金を借りに来た。断られると、「窓から見たあのことを、妹さんご本人に言いますよ」と脅しはじめ…。
安東を追いだし、部屋に残った兄と妹は、かつて愛し合っていたことを思い出し、確かめます。最後の兄のセリフが素晴らしかったです。たしかこんな内容でした。
「すっかり忘れてしまったことも、きっといつか誰かがゆさぶりをかけてきて、思い出すことになる。あぁ、あの時も私は泣いていたんだ、と。それはきっと4月で桜が咲いていて…。」
きっといつか私にも訪れるだろうと思いました。自分がすっかり忘れていたことを、誰かに思い知らされる時が来る。とっさに「思いもよらなかった、予想だにしなかった、なかったことにしたい」と思うかもしれない。でも、できれば、「そのとおりだった、確かに私はそれをした、失敗だったかもしれないけど、その時は本当にそうしたかったのだ」と受け入れて、「では今の私ならどうするのか、どうしたいのか」と、その時の私の気持ちに従いたいものです。若い頃には叶わなかったことが、できるようになるかもしれない(逆もあるかもしれない)。
初演の舞台写真を見ると、再演では装置のデザインが変わっているようですね。家具も含め、古くからあるアパートのイメージがわいて良かったです。
第9回公演
出演:平田満 大谷亮介 井上加奈子
作・演出:青木豪 美術:田中敏江 照明:相良浩司[MGS] 照明操作:長島希和子[MGS] 音響:藤田赤目 音響操作:鈴木三枝子[ステージオフィス] 衣裳:前田文子 演出助手:稲葉賀恵 舞台監督:金安凌平 イラストレーション:東海林さだお 宣伝美術:松吉太郎 宣伝写真:五十嵐和則[WISH] 記録:齋藤耕路[ユニコーン] 制作:有本佳子[プリエール] 津田はつ恵[プリエール] 協力:望月印刷株式会社 助成:芸術文化振興基金 企画・製作・主催:アル☆カンパニー
前売開始=2011年6月14日[火] 料金[税込]=[椅子指定席]:3,800円/ベンチ自由席:3,500円/学生;3,000円(ベンチ席のみ・入場時学生証提示)
http://www.aru-c.com/stage09.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月23日
新国立劇場オペラ『キッズオペラ2011「パルジファルとふしぎな聖杯」』07/22-24新国立劇場中劇場
新国立劇場が製作する子供向けオペラの新作です。『ジークフリートの冒険』『スペース・トゥーランドット』に続く第3弾ですね。
衣裳も装置も豪華絢爛(⇒舞台写真)。もちろん生演奏ですので、こども(4歳から小学6年生)2,100円、大人(中学生以上)3,150円はお得です。上演時間は約1時間20分。
開演前にロビーで出演者が子供たちにダンスを教えてくれますので(⇒みんなで踊ろう!「グレール・ダンス」動画)、これから観に行く方はぜひお早めに劇場へ。私は開演10分前に着いたのですが、ほとんど終わってました(涙)。開演20分前には着いた方がいいかも。
⇒CoRich舞台芸術!『パルジファルとふしぎな聖杯』
≪あらすじ≫ 公式サイトより ※ネタバレあり
どこかの時代の、どこかの星。モン・サルヴァート王国の神殿の奥に、王家に代々伝わる聖杯と聖なる剣が納められている。この二つを合体すると不思議なパワーが働き、王国は平和を保っている。国王ティトレルは、忠臣アンフォルタスほか聖杯の騎士たちに聖杯と槍を守らせていたが、後継者が決まらぬまま他界。ティトレルの葬儀中に執り行った聖杯の儀式に黒魔術を使う邪悪なクリンゾールが仲間を引き連れて現れ、聖なる槍を奪い去る。アンフォルタスが聖なる槍で深手を負い床に伏していると、夢の中で「清き愚か者 現れて 我らの王となる」との預言を受ける。彼は、聖なる鳥、白鳥を射落した罪を咎められたパルジファルを、預言に関係するのではないかと思い立ち、聖杯の儀式に参加させる。すると、聖杯の覆いを取るごとに奇跡が起こり、白鳥の言葉がわかるようになったパルジファルと、聖杯のパワーで傷が治った白鳥のマグダレーナの間に特別な気持ちが芽生える。天の声によって聖杯奪回の使命に目覚めたパルジファルは、世界征服を企むクリングゾールが治めるモン・ディアーヴォロに攻め込む。魔法の誘惑にあい、危機一髪のところでマグダレーナに救われたパルジファルは、聖なる槍を奪い返し、槍のパワーでアンフォルタスを救う。喜ぶ聖杯の騎士たちをよそに、マグダレーナをうっかり置き去りにしたことに気づいたパルジファルは、廃墟と化したモン・ディアーヴォロに戻る。命を失った白鳥のマグダレーナを見つけると、彼女が大切な存在であったことに気付き深く悲しむ。しかし、聖杯と聖なる槍を合体させる聖杯の儀式を執り行うと、奇蹟が起こり、白鳥のマグダレーナは瞬く間に美しい王女の姿となって甦る。周囲は花々が咲き乱れ、一同、新王パルジファルの誕生と后マグダレーナとの結婚を喜ぶ。
≪ここまで≫
山車のように移動して出てくる装置が豪華で、衣裳も1つずつが凝っていて眼福。久しぶりに聴いたオペラ歌手の歌はやっぱり美しいです。嬉しいわ~。
でも演劇としての楽しみは残念ながら大きくはなかったです。演出よりも音楽を聴かせることを重視したんじゃないかしら。音楽はもちろん大切ですが、子供は飽きちゃいますよね。
私は『ジークフリートの冒険』が一番好きだな~。美術(堀尾幸男)と衣裳(ひびのこづえ)で演劇的なイリュージョンをみせる演出だったんです。大人2100円だったのもありますが、メルマガ号外も出すぐらい。パンフレットも素晴らしかったんですよね~。今回は公演オリジナルの紙製うちわが付いていただけで寂しかった。また次の新作に期待します。
≪ここからネタバレします≫
会場前にロビーで踊っていたダンスを、舞台上の出演者と一緒に観客も踊ります。豪華な衣装を着たオペラ歌手たちが、子供たちと積極的に触れ合ってくれるのは、やはりいいですね。
お菓子の家がかっこ良かったです。アンサンブルの女性たちもセクシーですし。ああいう「ちょっとホラー」「ちょっとエロ」なことが子供には必要な気がします。たとえばこの作品みたいに。
敵との戦闘で、白鳥のマグダレーナはパルジファルを守って盾になり、刺されて死んでしまいます。それを一瞬で見せたのが良かったと思います。いつだって致命的なことはあっという間に起こってしまうものですよね。
指揮者(三澤洋史)が舞台下手前方の穴から出てきて挨拶したり、このシリーズに貫かれている遊び心はやっぱり素敵。ただ、カーテンコールはもっと面白くなるはずだったんじゃないかな~。狂言回し的な役割の2人(大きな魔法使いと良い小人)は、あまりうまく機能してなかったかも。言葉で説明することが多すぎます。
赤い悪者クリングゾール(大森いちえい)が色んなクイズを出して盛り上げてました。答えは「赤いから」なんだけど、だんだん違ってくるので子供たちも飽きませんね。「ガンダムって知ってるかい?」は古いかもな~(笑・私は好きだけど)。
ところであの槍のデザインってロンギヌスの槍に似ますよね~!こうやってアラフォーの私がすぐにエヴァンゲリオンを思い出しちゃったり、出演者がガンダムのネタを話したり。やはりアニメの浸透率は高いですね。
≪東京、高知、兵庫≫
【出演(15時の回)】パルジファル:所谷直生 クリングゾール:大森いちえい マグダレーナ:渡邉早貴子 アンフォルタス:押川浩士 グルネマンツ:大久保光哉 ユニコーン:宗方銀次、佐伯理沙 他
合唱:新国立劇場こどもオペラ・ヴァーカルアンサンブル(黒澤明子 前川依子 佐々木昌子 鈴木涼子 大木太郎 竹内公一 塩入功司 照屋睦) 管弦楽:新国立劇場こどもオペラ・アンサンブル(東京フィルハーモニー交響楽団メンバーによる)
台本・音楽構成・編曲 :三澤洋史(リヒャルト・ワーグナー舞台神聖祝典劇「パルジファル」、楽劇「ラインの黄金」より)指揮:三澤洋史 演出:三浦安浩 美術:鈴木俊朗 衣裳:半田悦子 照明:川口雅弘 振付:伊藤範子 舞台監督 :大澤裕 主催:新国立劇場
全席指定 / こども(4歳から小学6年生) 2,100円 大人(中学生以上) 3,150円
http://www.atre.jp/2011kidsopera/
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000492_opera.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月22日
トライアングルCプロジェクト『おもいのまま』06/30-07/13あうるすぽっと
女優の石田えりさんの企画です。中島新さんの新作脚本を飴屋法水さんが演出されます。飴屋さんは美術と音楽デザインも手掛けられるんですね。
ある夫婦のもとに来訪者がやってきて・・・というお話だけでは済まない、約2時間20分(途中休憩10分間を含む)。透け感のある装置がかっこよかったです。役者さんの自然なたたずまいと音響効果の組み合わせが、飴屋さんならではだと思いました。
⇒山中崇さんインタビュー
⇒CoRich舞台芸術!『おもいのまま』
チラシのビジュアルとはかなり違った内容でした。役者さんの自然な演技ゆえにスリリングで怖くて。休憩を挟んで2幕が始まったら、なんと・・・!
お芝居というフィクションの外側をあえて見せたり、物語の中の本当と嘘の境が曖昧だったり、はらはらさせる展開以外の面でもドキっとさせられます。でもおとしどころは真っ当というか、シンプルにいい話だと受け取れました。なので飴屋さんの演出でなければどうだっただろうと想像することになりました。ベタな商業演劇的な枠組みでも成立するのかも。
石田えりさんのサラリとした思わせぶりな演技がセクシーで可愛らしいです。佐野史郎さんのことを舞台上で拝見したのは2度目だと思うんですが、印象が全然違いましたね。体当たりな演技でドキドキさせてもらえました。
音尾琢真さんと山中崇さんの2人組は楽しそうだったな~。山中さんはシリアスもコミカルも自在で運動神経もすごくいいんですね。セリフを詩のようにも言える方で素晴らしかったです。
最初の2人組の声(だけ)の演出は何だったのかな・・・。色々とわかってないところがありそうです。
ここからネタバレします。
優雅に暮らす夫婦(石田えり、佐野史郎)。記者を名乗る乱暴な2人組(音尾琢真、山中崇)を家に招き入れたとたん、地獄のような展開に。幼い少年が白骨死体で見つかった事件について、2人は両親であるこの夫婦が犯人だと断定して乗りこんできたのです。
休憩後はなんと1幕と同じことを繰り返します。かなり驚きました。でも細かいところは違っていて、やがて展開も全然違っていきます。
自分が想像したままに人生は進んでいく。こっそり胸の奥に抱えている悪い予感も、実現されてしまう。最後は、死んだ息子にとらわれていた夫婦が次の一歩を踏み出すという、明るさをあらわした演出だったように思います(私の思い込みですが)。石田さんの笑顔が素敵でした。
舞台奥に映写された写真は石田さんの幼い頃のものかしら。「石田えり」という人物のドキュメンタリーであるといった意味も付加されていたのかもしれません。でもそれがこの脚本にとって必要かというと、どうなのかしら。
≪東京池袋、愛知、大阪、熊本、兵庫、山口、佐賀、長崎、東京葛飾、茨城、北海道、岩手≫
出演:石田えり 佐野史郎 音尾琢真(TEAM NACS) 山中崇
脚本:中島新 演出・美術・音楽デザイン:飴屋法水 照明:黒尾芳昭 音響:zAk 舞台監督:寅川英司+鴉屋、鈴木康郎 美術コーディネート:大津英輔+鴉屋 演出部:佐藤恵、坂本千代 小道具:栗山佳代子 演出助手:安ハンセム 衣裳:杉本誠子 ヘアメイクデザイン:勇見勝彦 写真:須田壱 宣伝デザイン:福田泰彦 宣伝グラフィック:吉井純、高橋義太郎 Web担当:中村剛、原茂雄 広報:小沼知子、票券:荘司雅子 制作:藤野和美、迫田予理子、笠井秀敏 プロデューサー:佐藤智広 企画・製作:トライアングル C プロジェクト
【発売日】2011/04/10 前売・当日(全席指定) 6,000 円 としま未来友の会 5,400 円 豊島区民割引 5,500 円 当日限定 20歳以下チケット 3,500 円(身分証提示)※未就学児童入場不可
http://www.omoinomama.info/
http://www.owlspot.jp/performance/110630.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月21日
【ワークショップ・オーディション】ジエン社「『遅れてきた夏』のワークショップとオーディション」07/24、07/31都内の公民館※〆切不明(メールのみ)
『芸劇eyes番外編「20年安泰。」』に出場していたthe end of company ; ジエン社がワークショップとオーディションを開催します。「20年安泰。」で発表した『私たちの考えた移動のできなさ』はとても面白かったです。
次回公演は2012年1月19日~22日@d-倉庫(全7ステージ予定)。以下、公式サイトより。
●ジエン社「『遅れてきた夏』のワークショップとオーディション」
日程:2011年7月24日(日)と7月31日(日)18時~21時30(予定)
場所: 都内の公民館。久我山あたり。
参加費:100円
※「2日ともにやる内容は大体同じですので、1日参加のみで通常なら十分です」とのこと。
■ジエン社『遅れてきた夏』のワークショップとオーディション ※公式サイトより
【背中にすごいものを背負わされてしまった人のためのワークショップ(とオーディション)】
遅れてきた夏が、やってきました。
夏にはいつも後手後手の私たちです。
来年一月の公演にむけて、一緒にやってくれる俳優を探したり、
あるいは、
演劇について、より考えたりします。
どうぞよろしくお願いします。
『遅れてきた夏』のワークショップとオーディションです。
【日程】 2011年7月24日(日)と7月31日(日)18時~21時30(予定)
【場所】 都内の公民館。久我山あたり。(メール返信時に詳しい場所を送信します)
【内容】
基本的に小劇場演劇の稽古会です。
上に書いた通り「役割や構造を背負うとは何か」を考えながら、動いたり、人に話しかけたりします。動くと言っても緩いです。
同時に、2012年の1月中ごろの公演に出演してくださる方を超硬合金募集するためのオーディションも兼ねています。
「少なくともまああと2、3年か、20年くらいは演劇を続けるんじゃないかな」とか思っている程度のモチベーションの方であれば
18歳以上の主に夕方から夜が暇などなたでも結構です。
【応募方法】
下記アドレスに連絡ください。途中早退、遅刻なども可。ただし事前にご連絡ください。
件名に「ワークショップ参加希望」と書き、氏名、性別、年齢、参加日時 所属劇団(あれば)、公演参加の意志の有無、緊急時の連絡先(ケータイ番号が望ましい)を送ってください。
返信をもって受付完了とします。参加費は100円(稽古場代やコピー代を割り勘)です。
公演に参加の意志がなくてもかまいませんので、どうぞお気楽に参加ください。
また、2日ともにやる内容は大体同じですので、1日参加のみで通常なら十分です。
連絡先は jiensya(アットマーク)hotmal.co.jp
まで。
どうぞよろしくおねがいします。
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【ワークショップ/オーディション】時間堂「黒澤世莉による演技ワークショップ・集中クラス 」08/06-16会場は豊島区、杉並区、世田谷区など※〆切なし先着順
時間堂が全10回・計30時間の演技ワークショップを開催します。講師は時間堂堂主で演出家の黒澤世莉さんです。
時間堂の2011年12月公演のオーディションも兼ねています。ご興味ある方はぜひ。以下は公式サイトからの情報です。
●時間堂「黒澤世莉による演技ワークショップ・集中クラス」 ⇒公式サイト
日程:2011年8月6日~16日(8/12はお休み)
時間:全日18:15-21:15
定員:12名、先着順にて〆切
参加費:30,000円/10回
参加資格:
原則として全回参加できる方
職業俳優としての意識のある方
年齢・性別・国籍不問ただし日本語での会話に不自由のない方
■黒澤世莉が8月に演技:集中クラスをやります ⇒公式サイト
来月久々に10回30時間の演技ワークショップを開催します。お知らせ遅くなってすみません。年に一回くらいしかできないクラスですが、一回時間堂の公演に出るくらいの得るものはあるんじゃないかと思います。楽しい出会いを待ってまーす。
●日程 2011年8月
6日(土)
7日(日)
8日(月)
9日(火)
10日(水)
11日(木)
13日(土)
14日(日)
15日(月)
16日(火)
時間 全日18:15-21:15
定員 12名、先着順にて〆切
参加費 30,000円/10回
備考 原則として全回参加できる方
●概要
俳優に必要な能力ってなんでしょう。「大きな声ではっきり喋る」「台詞を歌うように伝える」「切れ味のいい身体で舞台を駆け巡る」そういうことが必要な場合は、お勧めしません。
時間堂では「そこに居て、目の前の相手ときちんと関わる」ことが俳優の基本だと考えています。頭で考えることや、どう台詞を言うか、なんてことはその次の事。そんなの当たり前のことでしょうか。当たり前のことをしっかりやるというのは、なかなか難しいことです。
このクラスでは、オープンクラスで行われていることをベースに、テキストから自由になる技術を深めます。身体と呼吸を意識しつつその場に存在し、共演者との魅力的な関係をつくること、30時間かけて探って行きます。時間堂が公演までに行う稽古を圧縮し、ほぼ同じ過程を辿ることになります。
とっても疲れますけど、怖くないですよ。楽しい演劇の時間がモットーです。
*2011年12月公演のオーディションも兼ねての開催となります。出演をお願いする方にはこちらからご連絡差し上げます
●講師 黒澤世莉
演出家。佐藤佐吉賞優秀作品賞、演出賞受賞。スタニスラフスキーとサンフォードマイズナーを学ぶ。新国立劇場演劇研修所や円演劇研究所などで、指導者としても活動。
●参加要項
・職業俳優としての意識のある方
・年齢・性別・国籍不問ただし日本語での会話に不自由のない方
●会場 豊島区、杉並区、世田谷区など
●応募方法
下記をご記入の上、[E-mail]にてお申し込み下さい。*2009年以降に時間堂WSにご参加の方は【1】【2】と変更箇所のみで結構です
【1】参加希望日時【2】お名前(ふりがな) 【3】年齢【4】性別【5】電話番号【6】メールアドレス【7】住所【8】備考 *所属劇団、事務所等、最近の舞台出演等、があればお書きください
[E-mail] info(アットマーク)jikando.com
[Tel]070-6659-3841
●企画/運営 時間堂
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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東京ドイツ文化センター『原サチコがルネ・ポレシュを読む「あなたの瞳の奥を見抜きたいー人間社会にありがちな目くらましの関係」』07/19-20ドイツ文化会館ホール
先日講演を拝聴した原サチコさんのリーディング公演に伺いました。「予約が少なくて…」と聞いていましたが、2日目はすっごい盛況!海外で活動されている日本人の演出家、俳優などの演劇関係者が大勢いらしていました。
リーディングの上演時間は約1時間強。その後は原サチコさん、熊林弘高さんを迎えたトークがありました。司会は講演と同様に伊達なつめさん。
⇒アーティスト紹介(ドイツ文化センター内)
⇒原サチコさんのブログ
⇒原サチコ講演「ドイツで生きる 役者を生きる」レポート
⇒ハノーファー州立劇場のドラマトゥルクであるユーディット・ゲルステンベルクさんのインタビュー
⇒CoRich舞台芸術!『あなたの瞳の奥を見抜きたいー人間社会にありがちな目くらましの関係』
ここからネタバレします。
一人で観客に語りかける原さん。最初から観客と積極的に関わって、原さん自身のまま存在しているのが前提。太陽のような人だと思いました。
「inter-active theater」の反対のものとしての「inter-passive theater」という発想がとても面白かったです。
人間は他人と共感したいと強く思うものですが、実は他人と共感することなんて本質的には不可能で、共感できたと思っていてもそれはただの思い込み。そのとおりだなと思います。
以下、メモしたセリフです。正確性は保障できません。
「真実は決して真実なんかではありません。」
「人はひとつの魂から生まれた。母親からではありません。」
「魂は、肉体と肉体の外側とのふれあいそのもの」
「肉体こそがいつでも抗議者である。」
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
主な話題は演出家ルネ・ポレシュさんについてでした。2006年の日本公演で熊林さんはプロンプターでありながら出演者の1人になっていたそうで、原さんがおっしゃるには、ポレシュさんの舞台でそういうことは常だそうです。
原「ルネは俳優に、いつもその人自身であって欲しいと思っている。」
ポレシュさんは俳優との信頼関係をとても大切にされる演出家のようですね。9月の日本公演(⇒記者会見)ではドイツ人俳優との創作が初めて日本で観られます。楽しみです。
リーディングとアフタートーク
VISIONEN ドイツ同時代演劇リーディング・シリーズ第4回
“Ich schau dir in die Augen, gesellschaftlicher Verblendungszusammenhang!”
翻訳・出演:原サチコ 脚本:ルネ・ポルシュ RenePollesch 映像:黒田隆行 制作協力:有限会社M★A★S★H 制作:横堀応彦 宣伝美術:相馬称 主催東京ドイツ文化センター
【発売日】2011/06/04 一般1500円 学生・ドイツ語講座受講生1000円 (全席自由、開場は開演の30分前、受付開始は1時間前)
http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja7567512v.htm
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月20日
【情報】国際演劇評論家協会(AICT)日本センター「シアター・クリティック・ナウ2011『創作現場を支える-翻訳者とドラマトゥルクの使命』」07/31座・高円寺2階カフェ・アンリ・ファーブル
演劇批評誌シアターアーツを発行する国際演劇評論家協会(AICT)日本センターが「シアター・クリティック・ナウ2011」を開催します。AICT演劇評論賞、シアターアーツ賞の授賞式の後には、受賞者を交えた講演とシンポジウムがあります。今年の登壇者は受賞者である山形治江さん、平田栄一朗さん、そして松岡和子さん、新野守広さんです。
●シアター・クリティック・ナウ2011 ⇒公式サイト
「創作現場を支える──翻訳者とドラマトゥルクの使命」
日時:7月31日(日)17:00~(開場16:30)
会場:座・高円寺2F カフェ・アンリ・ファーブル
第1部 AICT演劇評論賞・シアターアーツ賞 授賞式
平田栄一朗「ドラマトゥルクの使命」
山形治江×松岡和子×新野守広(司会) シンポジウム「翻訳者の使命」
料金:1,000円(当日受付精算)
※シアターアーツ定期購読者は無料(先着30名まで要予約)
第2部 パーティー 20時~
料金:3,000円(当日受付精算、要予約)
今年も伺おうと思います(⇒昨年の情報告知)。AICT会員でなくても舞台芸術にご興味ある方ならどなたでも参加可能です。お申し込みは公式サイトからどうぞ。以下は受賞作のご紹介です。
■AICT演劇評論賞は、前年1年間に発行された演劇・ダンスの優れた批評を顕揚し、その発展を図るために設けられた賞です。
○AICT演劇評論賞
「ギリシャ劇大全」山形治江(論創社)
「ドラマトゥルク―舞台芸術を進化/深化させる者」平田栄一朗(三元社)
三元社
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○AICT演劇評論賞 特別賞
「劇作家ハロルド・ピンター」喜志哲雄(研究社)
「19世紀アメリカのポピュラー・シアター─国民的アイデンティティの形成」斎藤偕子(論創社)
論創社
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■シアターアーツ賞は演劇批評の新たな地平を拓く気鋭のために、新進による演劇・ダンス評論応募作から特に優秀と認められた作品を顕彰する賞です。
○シアターアーツ賞 佳作
「ミュージカル・蜘蛛女のキス劇評:蜘蛛女の操る幻想『心配しないで。この夢は短いけれど、幸せの物語なのだから』」(吉田季実子)
「シアター・クリティック・ナウ2011」お問い合わせ:http://theatrearts.activist.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月18日
ワンダーランド演劇セミナー「クロストーク150分 最前線の演劇知」04/16~07/30水天宮ピット
4月から毎月1回、演劇ジャーナリストの徳永京子さん(⇒ツイッター)が劇作家・演出家の方々に話を聞くセミナーに伺ってきました。講師は岩松了さん、長塚圭史さん、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん、野田秀樹さん!毎回ちょっと緊張しながら水天宮ピットに通いました。
7/30(土)の最終回は徳永さんが講師をされます。これまでの4回のお話をもとに、受講者との交流も図るそうです。各回参加者50人という少人数だったので、全回が早々に予約満席でした。でも先日の野田秀樹さんの回はキャンセル待ちも含め希望者が非常に多かったため、増席されたそうです。キャンセル待ちにチャレンジする価値はあると思います。ご興味持たれた方はぜひ。
※来週の土曜日に徳永さんが責任者をつとめるProduce lab 89の公演があります。
⇒『五感overs第1回 ノゾエ征爾×楳図かずお』7/23(土)19時30分&22時@新世界
徳永さんは演劇誌での連載や公演パンフレットへの寄稿、朝日新聞の劇評などを書かれている演劇ジャーナリストで、ここ数年は作り手側の演劇人でもあります。東京芸術劇場の企画にかかわっていらして、“芸劇eyes”の名付け親です。また、Produce lab 89という演劇プロデュース・ユニットの責任者でもあります。
長年インタビュアーをされてきた徳永さんの質問は鋭く、講師の方々と親しくされているからこそ聞けるお話ばかり。進行もスムーズで場の空気をなごませるエンターティナーでもありました。2時間半という長時間なのもとても良かったですね。後半になるほど講師の方々の飾らない言葉が聞けたように思います。
4回通して参加して感じたのは、「有名人の話を聞くラッキーな機会」ではなく、「人と出合う時間」だったということです。同じ人間として、1対1で、岩松さん、長塚さん、ケラさん、野田さんと直にお会いできた。そんな風に感じられる贅沢な時間でした。
徳永さんが講師全員に必ず聞く質問は、「なぜ演劇なのですか?」「いい俳優とは?」「いい戯曲とは?」「いい演出とは?」。とても大きな問いです。複数のレコーダーで録音されていましたので、いつか書籍になることを期待しています!
■4月16日(土)講師:岩松了(劇作家、演出家、俳優)⇒公式報告
「演劇は遠くの人と手をつなぐこと」。なるほどと納得するとともに、すごく嬉しく思いました。私は“遠くの人”の1人なので。
■5月14日(土)講師:長塚圭史(劇作家、演出家、俳優)⇒公式報告
「観客を信じている」という長塚さんの言葉に感動。参加者の1人ひとりと対等に話してくださいました。「とても緊張している」と言った質問者に「大丈夫だよ」と声をかけたり。なんて優しい、大人な方なんだ!
■6月4日(土)講師:ケラリーノ・サンドロヴィッチ(劇作家、演出家、ナイロン100℃主宰)⇒公式報告
ケラさんのツイッターを読むといつも脚本を書いてらっしゃるように思います。ある公演が終わったとたんに次の公演、また次の公演と、休みがないですよね。参加者が多作の秘訣について聞いたところ、「自分はそんなに酒を飲まないので、みんな(他の演劇人)が飲んでる時間にDVDを見たり、脚本書いたりしてるだけだと思う」といったご返答でした。深く納得です。
■7月9日(土)講師:野田秀樹(劇作家、演出家、俳優)
⇒参加者による詳細なレポートあり。
野田さんはよくご自身のことを「あまのじゃく」とおっしゃいますが、本当にそうなんだなと思いました(笑)。子供のように負けず嫌いなところがあるのかも、と思わせる魅力的な方でした。
■7月30日(土)「4人の話から考える、演劇の可能性」講師:徳永京子(演劇ジャーナリスト)
時間:各回とも14時から16時30分 聞き手・案内人:徳永京子(演劇ジャーナリスト)
定員:50人(一括20人+各回30人) 受講料:一括(全5回)1万円、各回(1回)3000円
会場:水天宮ピット(東京舞台芸術活動支援センター)主催:ワンダーランド(小劇場レビューマガジン)共催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
http://www.wonderlands.jp/seminar2011_geigeki1/
http://www.geigeki.jp/saiji/035/index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月17日
東京デスロック『再/生』07/16-24 STスポット
キラリ☆ふじみの芸術監督である多田淳之介さん率いる劇団東京デスロックが、5年前の初演では途中退出者も出た問題作(私はとても感動したんです。⇒過去レビュー)を再演。全く違う作品になっていました。STスポットにぴったり。ツアーの地域ごとに違う印象になりそうですね。上演時間は約1時間10分強。
いわゆる演劇というよりはコンテンポラリー・ダンスに近いと思います。演技、演出、照明デザインともに洗練されて、コンセプチュアル・アートようでした。現代アート作品(オブジェなど)だと思って観ていいのではないかと思います。
横浜では中野成樹+フランケンズの俳優(=フランケンズ)が出演するタダフラ版も上演されます。東京デスロック版とは全然違うそうですので、ご興味ある方はご予約をお急ぎください(ステージ数が少ないので)。
⇒CoRich舞台芸術!『再/生』
目の前で、生きて、息を弾ませて、動く、俳優たち。その揺らぎようのない現実を見せつけて、爆音の音楽とともに過去と現在を照射し、むき出しに対比させます。
STスポットの床に白いシートを敷き詰めた、ほぼ真っ白の空間。カラフルな照明が映えます。白い壁が金属のような質感に見えたり、とても洗練されたデザインでした。
ストーリーは全くないと言っていいと思います。説明のセリフなどもありませんので、観客一人ひとりがその人なりに感じ取って考えることになります。私の場合は今の日常に直結。そこから地球、宇宙、何千・何万年後の世界へと想像が広がりました。東京デスロックの作品はいつも、目の前の俳優の息づかいや汗といったミクロな視点から、無限の時空へとつながるんですよね。
初演『再生』も斬新な演出・演技でしたが、ドロ臭さがいい意味で演劇らしかったんです。でも今回の『再/生』はポーンと1レベル上がったというか、違う次元に進んだように思いました。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。曲の順番も曖昧です。
間野さんが「今は幸せ。じゃあ昔に幸せじゃなかった時があったかなと考えてみる」といったセリフを3度繰り返します。他の役者さんも登場して、ダンスのようにあるポーズを取って静止し、倒れて、歩いて、また静止…といった動きの繰り返し。倒れておき上がるのは人間の生死と命の循環に見えます。
サザンオールスターズの「TSUNAMI」(⇒Wikipedia)がかかり、一気に震災と原発事故に頭が直結。そこから最後までずっと震災以前と以降の日常を比較する視点で観ることになりました。放送自粛の理不尽について考える中、「TSUNAMI」は2回繰り返されました。相対性理論「ミス・パラレルワールド」でまさにパラレルに想起させられる過去と現在。
なぜか役者さん皆で「夜に焼肉を食べに行って終電で帰る」という日常をセリフで表現。ちょうど福島県産の牛肉から暫定基準値以上のセシウムが検出されたばかりです。「ライス3個」と注文していましたが、この秋以降はお米の産地も気をつけなければなりません。ほんの4ヶ月前までは、何の心配もなしに気楽に焼肉屋さんに行けていたのに。
浜田真理子「ラストダンスは私に」が流れて涙腺決壊。5年前の初演でも流れていたんです。あの時セーターを着て踊っていた石橋亜希子さんが、今日は半そでのTシャツで笑っている。口から血を流していた夏目慎也さんが、上手手前でジャンプしている。役者さんが激しく動くのは初演も再演も同じなんですが、世界は一変してしまっています。
ダンス向きのポップな音楽(インストゥルメンタルの音楽については曲名わからず)にのって役者さんが激しく踊ります(静止のポーズも含めて)。1曲終わるごとに全員一緒に倒れますが、しばらくの無音の後、また同じ曲が流れだし、再び踊り始めます。陰鬱な気持ちにさせるニュースに疲れ、近い将来への希望を持ちづらい東京に暮らす私ですが、倒れても起き上がり、無心に立ち上がって全身を使って踊る人たちを見て、それでもここで生きる、命を燃やすという前向きな気持ちを、いや、本来どんな人間にも備わっているはずの生命力に気づかされました。3回目の繰り返しでは、フラフラになっても踊る役者さんのことを笑えるようにもなりました。
音楽は毎度(たぶん)プッツリと切れ、無音の空虚な時間が訪れます。聴こえるのは役者さんの息切れ。音楽に気持ちよくさせられても、終わればその夢から覚まさせられます。それがとても良かった。連続するとどうしてもストーリーを見つけたくなっちゃうんですよね。事象ごとに点在させることで、現代アートのようになったのではないかと思います。
最後は役者さんがてくてく歩いて上手客席奥へと退場。残ったのは舞台中央奥のラジカセ(※ラジカセではなくスピーカーでした。7/19加筆)です。無人の舞台で照明のパノラマ。暗転すると、スピーカーの青色の電源が2つ、とても小さく灯っていました。今から何万年も経って人類が滅亡しても、廃炉になった原発(=スピーカー)は放射性物質を垂れ流しながら残っているというイメージでした。
インディーズ・メーカー (2003-11-05)
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≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演:多田淳之介 大谷能生(批評家、音楽家)
大谷さんは「もう1回巻き戻して繰り返してほしい」と強気の要望(笑)。
多田さんによると焼肉のエピソードについては「(みんなの)幸せ」を表したとのこと。私の放射能汚染という想像とは全く無関係でしたね。感想はバラバラだと思います。
上演中何度も時計を見て「早く帰りたい」と思ってそうな観客もいらっしゃれば、トークで「ずっと座ってるのが苦痛(自分も踊りたかった)」とおっしゃった観客もいらっしゃいました。
劇中使用楽曲↓capsule「WORLD OF FANTASY」
≪神奈川、京都、静岡≫
出演:夏目慎也 佐山和泉 佐藤誠 間野律子(以上東京デスロック) 石橋亜希子(青年団) 坂本絢
演出:多田淳之介 照明:岩城保 舞台監督:中西隆雄 演出助手:橋本清 宣伝美術:宇野モンド 制作:服部悦子 助成:文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業) 財団法人アサヒビール芸術文化財団
【休演日】7月20日(水)【発売日】2011/06/04 料金:(日時指定・全席自由・整理番号付) 〈東京デスロック ver./多田淳之介+フランケンズver.共〉 一般/前売(事前入金)…2,500円 予約(当日精算)…2,800円 当日…3,000円 学生・シニア(65歳以上)/前売(事前入金)…2,000円 予約(当日精算)…2,300円 当日…2,500円 お得な前売チケットをご用意いたしました。公演中止の場合に限り、チケット料金を払い戻しいたします。
http://deathlock.specters.net
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阿佐ヶ谷スパイダース『荒野に立つ』07/14-31シアタートラム
長塚圭史さんが作・演出・出演される阿佐ヶ谷スパイダースの約1年半ぶりの新作です(⇒前回レビュー)。プレビュー初日を拝見しました。上演時間は約2時間15分(休憩なし)。
不条理劇のようで、誰が何役を演じているのかも曖昧という難解さ。物語とその意図が知りたくてずっと集中して見つめていたら、最後に題名の意味が明らかになり、すごく感動しました。受け取ったのは“再生”“復活”かしら。何も起こらない、何も語られないガランとしたステージが、無から有へと反転するように感じました。
プレビューと本番を経てかなり変化しそうなので、もう一度観に行けないかと画策中!
⇒公演公式ツイッター
⇒天神サイト「長塚圭史インタビュー」
⇒CoRich舞台芸術!『荒野に立つ』
レビューは今のところ記録のみです。
≪あらすじ≫
若い女性(安藤聖)。気持ちが落ち着かない。仕事が手につかない。何かから逃げたいと思っているのだが、家の中でも追い詰められている。ある時、見知らぬ女性に目玉がなくなっていると指摘され、導かれるままに目玉探偵のもとへ行く。そこは現実とは違うどこか。もしくは自分の回想の中?
≪ここまで≫
≪東京、大阪、福岡≫
出演:安藤聖 川村紗也 黒木華 斉藤めぐみ 佐藤みゆき 伊達暁 中村まこと 中村ゆり 中山祐一朗 長塚圭史 初音映莉子 平栗あつみ 福田転球 水野小論 横田栄司
作・演出:長塚圭史 美術:片平圭衣子 照明:磯野眞也 音響:加藤温 衣裳:高木阿友子 ヘアメイク:大宝みゆき 映像:荒川ヒロキ アクション指導:前田悟 演出助手:富田聡 舞台監督:福澤諭志 演出部:津江健太 秦真祐子 照明操作:鳥海咲 榊美香 衣裳助手:平野遥香 小道具:高津映画装飾 大道具:唐崎修 櫻井忍 大道具製作:C-COM舞台装置 美術工房拓人 映像協力:上田大樹 横山翼 輸送:マイド 稽古場:ホリプロ・スタジオファクトリー 世田谷パブリックシアター 広報:吉田プロモーション 票券:小野塚央 制作助手:大野志穂子 嶋口春香 松宮愛 制作:伊藤達哉 三浦瞳 主催:ゴーチ・ブラザーズ 企画:阿佐ヶ谷スパイダース
【休演日】7/16,26【発売日】2011/06/18 チケット料金 5,800 円(指定席・税込) ※プレビュー公演 4,500 円(指定席・税込)
http://asagayaspiders.net/infomation/detail.php?no=339&cno=1
http://spiders.jp/kouyanitatsu/
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2011年07月16日
ジェットラグプロデュース『11のささやかな嘘』07/15-18銀座みゆき館劇場
ブラジリィー・アン・山田さんの脚本を古川貴義さんが演出、キャストも個性のある方々がそろっているので観に行きました。上演時間は約1時間30分。
ん~いわゆるプロデュース公演によくあるバラバラさ。劇場内の空気を支配(コントロール)できていないように思いました。期待が大きかったゆえに残念。
⇒CoRich舞台芸術!『11のささやかな嘘』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
夏のある日、売れない小説家が死んだ。
死体の額に滲んだ汗は雫となって、頬をこぼれ落ちた。
まるで涙のように。
彼の死を悼み、11人が集う。
それぞれは故人になにかを貸していた。
金であったり、モノであったり、カタチのないなにかであったり―――
だが、本当に貸したかどうか分からない。
分かるのは、当の本人たちだけだ。
いや本当のところ、彼らさえ分かっていないかもしれない。
真実はいつも、ほんのすこしだけ嘘をつく。
11人の個性的な俳優陣で贈るビターでせつない《心理会話劇》。
≪ここまで≫
ここからネタバレします。
黒い服の男性(古山憲太郎)は死んだ作家に飼われていた猫だとわかりますが、猫にはその作家や、作家に殺された友人(芥川賞受賞作「麦茶」の本当の作者)の霊が乗り移ります。もっとはっきりと演じ分けをした方が良かったんじゃないかな。
作家の「最初で最後の弟子」と自称する小説家志望の若い女性を演じた、梅舟惟永さんの演技は説得力がありました。
上手には応接セット。下手には作家のデスク。デスクの奥にくしゃくしゃになった紙(原稿用紙?)が山のように積み重なっているデザインが良かったです。
出演:古山憲太郎(モダンスイマーズ)、飛鳥凛、清水那保、梅舟惟永(ろりえ)、酒巻誉洋、李千鶴、千紘れいか、岡﨑貴宏(アンティークス)、はやし大輔(東京バンビ)、ぎたろー(コンドルズ)、板垣雄亮(殿様ランチ)
脚本:ブラジリィー・アン・山田(ブラジル) 演出:古川貴義(箱庭円舞曲) [照明]工藤雅弘(Fantasista?ish.) [音響]岡田悠(One-Space) [美術]袴田長武+鴉屋 [舞台監督]鳥養友美 [宣伝美術・写真]南裕子(milieu design) [演出助手]村田みかり、細谷貴宏 [制作]ジェットラグ、林弥生 [プロデューサー]武藤博伸 [ジェネラルプロデューサー]阿部敏信 [企画・製作]ジェットラグ
【発売日】2011/06/11 全席指定・税込 前売 ¥3,500- 当日 ¥4,000-
http://www.jetlag.jp/news/news.html#article17
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2011年07月15日
【オーディション】東宝「2012年秋上演『ミュージカルRENT』全キャスト・オーディション」※8/12〆切(郵送のみ)
東宝が2012年秋に上演する『ミュージカルRENT』(脚本・作曲・作詞:ジョナサン・ラーソン)の、全キャスト・オーディションを実施します。マイケル・グライフ氏(オリジナル演出家)による新演出版です。
全キャストを公募するなんて凄いですね!以下、公式サイトからの情報です。
■『RENT』オーディション
上演期間:2012年秋 劇場:シアタークリエ
≪第1次審査≫:テープ審査
≪第2次審査≫:2011年8月下旬、都内にて
≪第3次審査≫:2011年9月、都内にて
〆切:2011年8月12日必着(8月頭までの提出推奨・郵送のみ)
■『RENT』オーディション要項 ※公式サイトより
世界中に熱狂的なファンを持つ伝説のミュージカル『RENT』。2012年秋、NY版オリジナル演出家のマイケル・グライフによるニューバージョン上演に際し、圧倒的な才能と出会うべく、オールキャストオーディションを行います。
≪募集する役柄≫
キャスト全員(各役の詳細に関しましては、こちらをご参照ください)
≪応募条件≫
稽古期間:2012年 8月下旬~
公演期間:2012年 10月下旬~12月中旬(日比谷 シアタークリエ他、地方)予定
以上の日程に参加出来る人。
≪第1次審査≫:テープ審査
1.既定の応募用紙(PDFファイル)(写真を2枚貼ってください 全身・バストアップ)
2.ご自身の歌唱力・音楽性・音域を最大限に発揮できる曲をCDまたはMDに録音したもの
(可能な限り、クラシックやミュージカル以外の曲をお選びください。アカペラも可)
以上のものを2011年8月12日必着で下記の住所までご郵送ください
(迅速な審査とご連絡の為、締切日を待たず、出来るだけ8月頭までにご提出頂くようお願いいたします)
〒100-8415
東京都千代田区有楽町1-2-2
東宝日比谷ビル11階
東宝(株)演劇部『RENT』オーディション係
二次審査に進まれる方にのみ、8月15日までにご連絡を差し上げます。
≪第2次審査≫:2011年 8月下旬 都内にて
≪第3次審査≫:2011年 9月 都内にて
【問合せ先】東宝株式会社演劇部 03-3591-1211
*オーディションへのご応募に際して、東宝株式会社が応募者より取得致しました個人情報は本公演のオーディション募集の目的にのみに使用させて頂きます。これ以外の目的に使用することはございません。
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【情報】彩の国さいたま芸術劇場「NINAGAWA千の目(まなざし)第23回 野田秀樹×蜷川幸雄」09/17彩の国さいたま芸術劇場小ホール※応募〆切9/3(郵送のみ)
現在改修工事中の彩の国さいたま芸術劇場が来たる9月のリニューアルオープンを記念して、蜷川幸雄さんと野田秀樹さんの公開対談を開催します。お2人のトークセッションを生で聴いてみたい方、ハガキで応募してください♪ 以下、劇場からいただいた情報です。
●蜷川幸雄公開対談シリーズ
「NINAGAWA千の目(まなざし)第23回 野田秀樹×蜷川幸雄」
2011年9月17日(土)12:00開演@彩の国さいたま芸術劇場小ホール
応募締切:2011年9月3日(土)必着(はがき郵送のみ)
※「NINAGAWA千の目」これまでの対談相手(敬称略):近藤良平 野村萬斎 宮川彬良 是枝裕和 蜷川実花 白石加代子 宮本亜門 寺島しのぶ 宇崎竜童 小栗旬 松井今朝子 藤原竜也 市川亀治郎 天児牛大 ケラリーノ・サンドロヴィッチ 市村正親 大竹しのぶ 鳳蘭 勝村政信 麻実れい 松本幸四郎 笑福亭鶴瓶
■~彩の国さいたま芸術劇場リニューアルオープン記念~ ※公式サイト
蜷川幸雄公開対談シリーズ
NINAGAWA千の目(まなざし)第23回 野田秀樹×蜷川幸雄
【日時・場所・定員】
●日時 2011年9月17日(土) 開演12:00(約1時間)
●場所 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
●定員 346名(全席指定・入場無料・抽選)
【応募方法】
はがきに以下の事項をご記入の上、締切日までにご応募ください。(入場券の発送をもって抽選結果の発表にかえさせていただきます。)※当財団メンバーズの方への優先枠を設けております。
●記入事項
(1)郵便番号・住所
(2)氏名(フリガナ)
(3)年齢
(4)会員番号(財団メンバーズの方のみ記入)
(5)希望人数(1枚のハガキで2名様まで)
●応募締切 2011年9月3日(土)必着
●応募先 〒338-8506 埼玉県さいたま市中央区上峰3-15-1
(公財)埼玉県芸術文化振興財団「千の目9/17入場募集係」
●お問合せ 財団メンバーズ事務局 048-858-5507
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月14日
【書籍】ドイツ戯曲『無実』『最後の炎』(作:デーア・ローアー、訳者:三輪玲子、新野守広)が出版されました
2009年にリーディングで上演されたデーア・ローアー作『最後の炎』の戯曲本が出版されました(⇒ドイツ演劇プロジェクト「最後の炎」)。デーア・ローアーさんはドイツの女流劇作家で、新国立劇場で岡田利規さんの演出により『タトゥー』が上演されました。
『最後の炎』は森新太郎さん演出のリーディング公演があまりに面白かったので、いつかぜひ上演されて欲しいと思っていたんです。そしたら出版され、なんと今年から来年にかけて2つも上演予定があります。⇒エイチエムピー・シアターカンパニー公演、テラ・アーツ・ファクトリー公演
『最後の炎』より以前に書かれた『無実』はまだ読んでいませんが、『最後の炎』は今日読み終えました。最初から引き込まれて没頭。誰が話しているのかを明確にしない言葉が、土地や空間、時間を当たり前のように越えます。ものすごく残酷で、スリリングで、熱いです。灼熱の地獄のような、愛。
鵜山仁さんが芸術監督だった時期に、新国立劇場の現代戯曲研究会でたくさんの現代戯曲が翻訳されました。劇場公式サイトに記録があります(⇒現代戯曲研究会 ⇒戯曲リスト ⇒戯曲概要『最後の炎』)。新国立劇場に問い合わせれば読むこともできるようですので、ご興味持たれた方はぜひ。
『夜の旅の果てに―バスと聖女―』もいつか上演されないかしら~。
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2011年07月13日
ぬいぐるみハンター『愛情爆心地はボクのココ』07/07-18王子小劇場
ぬいぐるみハンターは池亀三太さんが作・演出される劇団です。私は初見。王子小劇場での10日間以上の公演なので、気になって伺いました。上演時間は失念。
チラシのイラストがいつも可愛いですよね。開くとA3になる大きなチラシで、初めて劇場へ行く人のための気配りがあります。「What's ぬいぐるみハンター?」という欄があるのもいいですね。
⇒CoRich舞台芸術!『愛情爆心地はボクのココ』★CoRichでカンタン予約!
≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
間抜けな奴らに見せ付ける、ストリートチルドレンの生き様!
みんなと居ればどんなにお腹がペコペコだって笑っていられた。
たまに衝突して傷つけあったりもするけど、それだって家族ってことだ。
ボクらは愛いっぱいの家族。
誰も本当の家族ってものを知らないけど、ボクらはこの集合体を家族なんだって叫ぼう!
いつもの路地裏で、排気ガス吹き込むビルとビルの隙間で、真っ暗でワクワクするマンホールの下で。
もう泣かない、これで最後。
どこかの路地裏で、ボクらの愛情が爆発する。
「今日もあいつら間抜けな顔して歩いてらぁ。
≪ここまで≫
普段は客席がある方が舞台になっていました。王子小劇場は団体の好きなように劇場を使わせて、若い作り手の可能性を決して抑えつけない、いい劇場だなといつも思います。
個人的にストーリーはあまり面白くなかったですが、セットも衣裳も楽しげで工夫が生きているし、役者さんが元気に走って踊るし、若い劇団の勢いを感じました。
個性のある役者さんが多数出演されていましたが、お芝居の内側におさまってしまっている印象。客席を圧倒しつつ、客席からの影響も全身で受けるような人が観たいです。
ここからネタバレします。
劇場のロフトを使い、ロビーも演技スペースにして、高さと奥行のある舞台にしていたのが素晴らしいですね。ロビー奥を使って空間に深みが加わっているのが良かったな~。連続する2つの場面を遠慮なく同時に重ね、転換を動的かつスピーディー見せる演出でした。
右手が象になってるヤクザさん。長い鼻先で色んなくだらないことをしてくれました。自動販売機でコーヒーを買ったのが面白かったです(鼻先でボタンを押していた)。でもクライマックスの大火事を、鼻から出す水だけで消し止めたっていうオチには乗っかれませんでした。それまでに鼻が凄い技を何度か見せてくれてたらな~(できるだけくだらない方向で)。ヘリコプターになるのは可愛かったけど。
≪ぬいぐるみハンター版「俺の鹿がこんなに○○○わけがない」≫
終演後のイベントです。約20分間とのことでしたが、正確には何分あったかわからず。
出演者の久保ユリカさんがビールを呑みつつ、ゲスト(というか他の出演者)を呼びつつ、ぐだぐだトーク。※始まる前にそのような内容だとアナウンスあり。
他の観客と待ち合わせをしていたので帰りたくても帰れない状況にあり、嫌な予感はしまくっていたんですが、仕方なく客席にいました。予感的中・・・。お芝居の好印象がかなり消えてしまいました。
ぬいぐるみハンター stain 008
出演:神戸アキコ 猪股和磨 竹田有希子 浅見臣樹 石黒淳士 片桐はづき(箱庭円舞曲) 本山歩 八幡みゆき 伊比井香織(ConRary、) ナカイデソントン 永本彩香 久保ユリカ
脚本・演出:池亀三太 楽曲提供 踊ってばかりの国 舞台美術 袴田長武+鴉屋 /舞台監督 西山みのり/照明 山内祐太 /音響 田中亮大 角田里枝 宣伝美術 のりしろチップス・デザイン部 /イラスト 桐村理恵 /制作 会沢ナオト(劇団競泳水着) 制作補佐 青木薫未 丸石彩乃 吉田莉沙 新居朋子 細井ひさよ/演出助手 太田佑人 三谷奈津子(てあとろ50’) 企画・製作 ぬいぐるみハンター
【発売日】2011/05/15 前売2,300円<振込精算のみ/6/30(木)迄> 当日精算2,500円 当日券2,800円 学生2300円(前売/当日共に) 高校生以下1,000円(前売/当日共に・要証明) <各種割引>前半割引:2300円<7(木)8(金)のみ> モニター割引:1000円<数量限定・7(木)8(金)のみ> 平日昼割:2300円<13(水)14:30のみ〉・先行販売:2011年5月15日(日)※劇団オリジナルグッズ付<劇団窓口のみ>
http://www.geocities.jp/nuigurumihunter/
http://produce.nuigurumihunter.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【映画】「歓待」07/16-22、「東京人間喜劇」07/30-08/05オーディトリウム渋谷
青年団演出部所属の映画監督である深田晃司さんの新作「歓待」を、映画館で拝見しました。
私事ですがこの5年半ほど、毎月ほぼ5本のペースで邦画(DVD)を拝見しています。映画館公式ページに「日本映画の今年最大の収穫!」とありますが、本当にそうかもしれない・・・。現時点で世界22カ国で上映され、フランスとアメリカで一般公開が決まったそうです。
7月16日(土)から渋谷で再上映が始まりますので、ご興味もたれた方はよかったらぜひ。青年団の役者さんが多数出演されていますので、小劇場ファンの方はそこもお楽しみいただけると思います。
2009年に青年団の若手自主企画として製作された「東京人間喜劇」も上映されます。キャスト全員が青年団劇団員という、深田監督の初の本格長編映画で、アトリエ春風舎で初上映以降、映画館で初めて公開されるそうです。
●「歓待」
上映期間:7/16(土)・7/17(日)・7/19(火)~22(金)
※7月16日(土)19:00の回上映後 前田司郎さんと深田晃司監督のトークあり。
●「東京人間喜劇」
上映期間:7月30日(土)~8月5日(金)
「歓待」は安部公房作『友達』にそっくりで、最初はかなり警戒しました(『友達』苦手なので)。見知らぬ客人が、ある夫婦の質素ながらも幸せな生活をぶち壊していきます。でも『友達』とは全く違ったんです。『友達』よりもはるか先へと、私の意識を進ませてくれる映画でした。
私たちは目先の便利さや個人的安泰を確保するために、姿の見えない弱者を排除して、もしかしたら彼らの命までも奪っているかもしれない。自分自身が自覚なく世界に対して振るっている暴力に気づかされました。
変わらない日常なんて幻想で、現実は常に変化に満ちています。全く未知のモノや人との出会いには恐怖や不安がともなうものです。怖い思いをするよりも膠着した日常にしがみつく方が楽ですよね。でも未知に飛び込むことは、実は人生を刺激的で豊かにするチャンスなのだと感じられました。大波乱の後に夫婦に訪れた静寂が素晴らしかった。
最後に出演者やスタッフのクレジットが流れる中、涙がぼろぼろぼろぼろ・・・終映後にロビーにいらした深田監督とご挨拶させていただいた時も止まらなくて、本当に恥ずかしい客でした。
「東京人間喜劇」は昨日試写を拝見し、約2時間20分という長さを感じませんでした。3編のオムニバスがゆるりとつながった群像劇で、最初は“いい話”で少し物足りなかったものの、最後の「右腕」でドス黒い意地悪さが炸裂(笑)。
私たちは他人のことが全くわかりません。幸も不幸も自分次第とはいえ、やはり現実は厳しいです。自分で自分のことがわからないことも多々ありますから。でも自分を支配する脳でさえ、人間のちょっとした工夫でコントロールできるかもしれないんですよね。最後は希望の持てる未来も見えました。
メインビジュアルはこちら。山本雅幸さんの“あの”瞬間ですね。右腕が写ってていい写真だなー!
医師(志賀廣太郎)が山本さんの耳元でささやいたひとことに爆笑しました。
『歓待』96分
監督・脚本・編集:深田晃司
出演:山内健司 杉野希妃 古舘寛治 ブライアリー・ロング オノエリコ 松田弘子 河村竜也 菅原直樹 齋藤晴香 永井秀樹 足立誠 兵藤公美
http://kantai-hospitalite.com/
『東京人間喜劇』139分
監督・脚本・編集:深田晃司
「白猫」出演:角舘玲奈 根本江理子 河村竜也 古舘寛治 福士史麻 大塚洋 兵藤公美 鄭亜美 村田牧子 畑中友仁 小河原康二 岩下徹(特別出演) 齋藤徹(特別出演)
「写真」出演:荻野友里 木引優子 足立誠 根本江理子 島田曜蔵 鈴木智香子 井上三奈子 山本雅幸 石橋亜希子 端田新菜 高橋智子 たむらみずほ 宇田川千珠子 安倍健太郎 山本裕子 真山俊作(フリー) 立蔵葉子
「右腕」出演:山本雅幸 井上三奈子 志賀廣太郎 足立誠 根本江理子 古舘寛治 秋山建一 石橋亜希子 佐藤誠 大竹直 酒井和哉 村井まどか 天明留理子 山村崇子 小河原康二(声)
企画制作:青年団、アゴラ企画、こまばアゴラ劇場
http://human-comedy-in-tokyo.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【ワークショップ・オーディション】バナナ学園純情乙女組「夏の超超超超超オーディション」07/29-30都内某所※〆切は特になし(メールのみ)
二階堂瞳子さん率いるバナナ学園純情乙女組(通称バナ学/過去レビュー⇒1、2)が、KYOTO EXPERIMENT2011「GroundP★」とF/T11「公募プログラム」(⇒記者会見)の出演者オーディションを行います。
YOU TUBEの動画を見てご検討いただくといいと思います。ワークショップとしてのみの参加も可能。「なにかしら関わりたいとかの雑な応募も大歓迎!!」だそうです。
●バナナ学園純情乙女組『バナ学バトル★☆熱血スポ魂 秋の大運動会!!!!!』
京都@元・立誠小学校 講堂
10月14日(金)~16日(日) 5ステージ(予定)
F/T11@シアターグリーンBIG TREE THEATER
10月26日(水)~11月1日(火) 13ステージ(予定)
オーディション開催日程:7/29、30
参加費:1000円
■バナナ学園純情乙女組★夏の超超超超超オーディション開催!!!!!!!! CoRich舞台芸術!より
バナナ学園では、来たる秋の大決戦!!!!!京都→FTに向けて、新たな出逢いを募るでごわす!!!!
歴史の町で大暴れ!!!!!!!各国首脳と大暴れ!!!!!!!
●オーディション日程
・7月29日(金)18時~22時
・7月30日(土)18時~22時
※参加人数により日程を調整させて頂く場合がございます。
●オーディション場所
都内某所
※参加者の方にメールにてご連絡させて頂きます。
●参加費
1,000円
●参加申し込み
参加希望者は下記の項目に記入し最上級自撮り写メを添付の上
こちら⇒banagaku(アットマーク)gmail.comまでお送りくださいませ。ワークショップとしてのみの参加も大歓迎です!
1お名前
2生年月日
3電話番号
4メールアドレス
5芸歴
6バナナ学園観たことありますか?
7好きな果物
8思いの丈又はフリートーク
9参加希望の回
●公演概要
♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀♂♀
タイトル:バナ学バトル★☆熱血スポ魂秋の大運動会!!!!!
~京都版~ ~東京版~
内容: おはぎライブ→詳しくはYOUTUBEを参照してください
衣装: バナナ学園オリジナル制服(スカート)、他
稽古開始: 8月20日~を予定
・基本的に週1稽古やすみの予定(頂いたNGに合わせて組ませて頂きます)
・8月20日~9月10日まで平日18時~22時/休日祝日13時~22時の予定
・9月11日~平日も昼夜の稽古が増えます(13時~22時)
本番間近は毎日昼夜になります。(稽古進行を見ながらの多少の変動あり)
本番日程:
●京都
10月14日(金)~16日(日) 5ステージ(予定)
●F/T
10月26日(水)~11月1日(火) 13ステージ(予定)
参加費:
参加費あり、チケットバックあり
※別途小道具代など各自負担して頂く場合があります。
※ダンス・歌・絶叫・その他のため心身ともにハードです。万が一怪我などが発生したときのため、保険に加入いたします。また身体的に心配のある方(喘息とか足首が弱いとか)は予めご相談ください。
★バナナ学園では出演して頂く生徒の他、お手伝いしてくれるPTAの皆様及び演助の先生、舞台監督の先生、制作の先生、美術の先生、漫画家、宣伝美術、保険の先生(?)、ありとあらゆるいろんな人材を永遠に募集中です!!あなたもバナナ学園の一員にヽ(・∀・)ノなにかしら関わりたいとかの雑な応募も大歓迎!!
質問、その他なんでも
banagaku(アットマーク)gmail.com
ご連絡から3日以上返信がない場合メール機能の不備の可能性がございます。
お手数ですが09058116166(劇団員前園)までご連絡ください。
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Bunkamura『大規模修繕劇団旗揚げ公演「血の婚礼」』06/24-/07/30にしすがも創造舎特設劇場
『血の婚礼』はフェデリコ・ガルシア・ロルカ作の同名戯曲から想を得た、清水邦夫さんの戯曲です。初演は1986年で、蜷川幸雄さんが1999年以来4度目の演出をされます。12年ぶりの上演なんですね。
“大規模修繕劇団”は昨年亡くなった井上ひさしさんが名付けられたそうです(⇒由来)。
水を使うという噂だけ耳に入れて、にしすがも創造舎の元体育館に伺いました。本当に水、水、水!上演時間は約1時間40分。
⇒CoRich舞台芸術!『血の婚礼』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
夏。コインランドリーとビデオショップに囲まれ、点在する自動販売機が白々と灯りをともす路地裏。降りしきる雨の中を鼓笛隊が通り過ぎて行く―。
壊れたトランシーバーで〝どこか〟と交信を続ける【トランシーバー少年/田島優成】は水溜りに倒れこんだ【北の兄/窪塚洋介】と出会い、奇妙な友情を結んでいく。【北の兄】は二年前に【北の女/中嶋朋子】を結婚式場から奪い故郷を捨て上京したのだが、今や二人の愛は冷めてしまっているようだ。コインランドリーの店先。煙草をふかしながら【姉さん/伊藤蘭】が路地の人々をみつめている。その傍らには、腐れ縁の【兄さん/高橋和也】の姿が。ユーモラスでありながら、どこか悲哀のある男女の会話が続く。自殺した妻の葬儀から抜け出してきた【喪服の男/青山達三】を心配して追いかけてくる教え子たち。その騒ぎに路地の住人たちが顔を出したその時、幻の警報が鳴り響き、幻の電車が通過していく・・・。呆然と佇む人々の前を、雨にうたれながら鼓笛隊が通り過ぎた―。兄想いの【北の弟/近藤公園】に引き連れられて、花嫁に逃げられた【ハルキ/丸山智己】や親族たちが訪ねてくる。かつて、親友だった【北の兄】と【ハルキ】。【姉さん】をはじめ、路地の住人たちを巻き込み、三人は再会を果たすのだった。降り続ける雨と突然の停電が、人々の内に潜む野生を目覚めさせ、そして―。
≪ここまで≫
舞台には荒れたレンタルビデオ店、汚れたコインランドリー、歓楽街のネオンたち。立ち入り禁止の黄色いビニールテープが舞台と客席を遮るように×(ばってん)の形に貼られています。
会場が体育館であることを見せた上で、徐々にお芝居の空間になっていくのにわくわくしました。やっぱり蜷川さんの演出はオープニングが凄いですね。
ロルカ作『血の婚礼』(関連レビュー⇒1、2、3)に登場する兄弟と花嫁という三角関係はありましたが、原作とは全く違います。次々と脈絡なく意外なシーンが始まり、意味がわからないままに舞台で起こることを眺めていました。いわゆるアングラ風なので個人的には得意でない展開でしたが、繰り返しあらわれるモチーフや群舞(?)などの断片が積み重なり、ほぼ最後の場面になって、作品全体のイメージというか、湧き立つような感情や意志がドっと押し寄せて来るように感じました。
何らかの大きな力によって去勢された生きる意志や怒りが、どん詰まりの路地で屹立するように復活したような。粗野で乱暴だけど、その熱さがまぶしい、ひとときの夢のようでした。
ここからネタバレします。
雨の降りっぷりの豪快なこと!ず~っと降り続ける中、キャストはわざと濡れに行きます(笑)。わざわざ雨の降る場所で立ちっぱなし。どんどこ濡れながらセリフを言って、袖にはけても出てきたらまた濡れる!役者さん、大変です・・・。
もっと「俺、濡れてるゼ!」アピールとかがあっても良かったんじゃないかな~。喪服の男性(青山達三)の存在の仕方が、コミカルさを狙っているのかどうかが微妙なラインで、くすぐったくて面白かったです。
故郷を捨てた男女を逃がさない過去、乱暴に通り過ぎる少年少女の鼓笛隊、走り去る電車を見つめる人々の列。
雨が止んだ暗闇に光るのはろうそくの炎だけ。そのギャップが鮮やかです。ラストもまた大雨で、筒状の缶(?)に入った炎がいくつも燃えていました。本物の水と火が同時に舞台にあるのが刺激的。
オープニングでハラリと切れたようにはずれた立ち入り禁止のテープが、再び舞台をふさぐように×(ばってん)になりました。雨も火も太鼓も電車もみんな、少年の夢だったのかもしれない。こうやって私たちは「路地の下にもうひとつの路地があるかもしれない」可能性に蓋をして、また味気ない現実に戻っていくのだと思いました。ただ、夢を忘れなければ、すぐに戻ってこられるんですよね。
≪東京、新潟、大阪、福岡≫
出演:窪塚洋介 中嶋朋子 丸山智己 田島優成 近藤公園 青山達三 高橋和也 伊藤蘭 妹尾正文 清家栄一 新川將人 うずめ理衣 松田慎也 寺村耀子 土井睦月子 浦野真介 手打隆盛 周本えりか 西村篤 内田健司 高橋エクレア 浅場万矢 熊澤さえか 齋藤美穂 佐々木美奈 嶋田菜美 高橋永江 内田真莉奈 秋山拓也
脚本:清水邦夫 演出:蜷川幸雄 美術:中越司 音響:井上正弘 照明:服部基 衣裳:小峰リリー ヘアメイク:鎌田直樹 演出補:井上尊晶 舞台監督:明石伸一 技術監督:小林清隆 打楽器監修:貞岡幸男 演奏指導:宮本知聡 企画・製作:Bunkamura
【休演日】6/27 7/4,11,18,25【発売日】2011/04/09 全席指定\8,000(税込) ※客席通路の位置が未定な為、連番でご購入なさってもお席が離れる場合がございますので予めご了承ください。
http://www.bunkamura.co.jp/otherhalls/11_blood/index.html
http://www.bunkamura.co.jp/otherhalls/shosai_11_blood.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月12日
【公開講座】日本劇作家協会「劇作家協会公開講座 2011年夏」08/06-07座・高円寺2
8月6日(土)と7日(日)に日本劇作家協会が「劇作家協会公開講座 2011年夏」を開講します。劇作家・演出家の方々によるワークショップや対談の中でも、目玉企画は「対談:野田秀樹×別役実」でしょう。
予約受付は7月13日(水)開始の予定。下記は公式サイトからの情報です。
■8月6日(土) 劇場でワークショップを
・舞台を体験するワークショップ
講師 : 横内謙介
・ワークショップ ことばから、ことばと身体を生み出す
講師 : 長谷基弘
■8月7日(日) 大震災と演劇
・「対談 : 野田秀樹×別役実」
司会 : 山口宏子(朝日新聞 記者)
・「劇作家リレートーク -起こったこと、思ったこと、伝えたいこと-」
進行・出演 : 鈴木聡 横内謙介 ケラリーノ・サンドロヴィッチ 他
■『劇作家協会公開講座 2011年夏』
~次代を担う劇作家のための戯曲創作指導講座 公開講座 (戯曲セミナー集中講座)
【日程】 8月6日(土)・7日(日)
【会場】 座・高円寺2 座・高円寺の地下2階ホール (JR高円寺駅 北口 徒歩5分)
年に一度の公開講座を、2日間にわたって開催します。
1日目はワークショップを2コマ、2日目は「大震災と演劇」をテーマとした対談&リレートーク。
いずれも劇作家協会ならではの講師と出演者です。
この2日間は、どなたでもご参加いただけます。ぜひ座・高円寺にお越しください。
劇作家協会は、すでに実績のある新進劇作家を対象とした
“次代を担う劇作家のための戯曲創作指導講座”と、
初心者の創作体験からプロを目指す人のチャンス作りまで幅広くカバーする
“戯曲セミナー”を、それぞれ通年で開催しています。
文化庁委託事業「平成23年度 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」
制作:一般社団法人 日本劇作家協会
協力:座・高円寺 / NPO法人 劇場創造ネットワーク
後援:杉並区
■8月6日(土) 劇場でワークショップを
【1】舞台を体験するワークショップ
13:00~15:00
講師 : 横内謙介
定員:100名
参加費:¥1,000 (杉並区民¥900)
【2】ワークショップ ことばから、ことばと身体を生み出す
15:30~18:30
講師 : 長谷基弘
定員:20名
参加費:¥2,000 (杉並区民¥1,800)
■8月7日(日) 大震災と演劇
【1】「対談 : 野田秀樹×別役実」
13:00~15:00
司会 : 山口宏子(朝日新聞 記者)
定員:150名
入場料:¥1,000 (杉並区民¥900)
【2】「劇作家リレートーク -起こったこと、思ったこと、伝えたいこと-」
15:30~18:00
進行 : 鈴木聡 横内謙介
出演(予定) : ケラリーノ・サンドロヴィッチ 坂手洋二 篠原久美子 鈴木聡 佃典彦 土田英生 横内謙介 渡辺えり 他 (7月11日現在)
定員:150名
入場料:¥1,000 (杉並区民¥900)
■チケット ※詳細は公式サイトをご覧ください。
日時指定・全席自由 / 入替制
・ご予約受付は13日(水)開始の予定です
・返信の不着を避けるため、 sec-02(アットマーク)jpwa.jp からのメールを受信できるようご設定ください。
・すべて当日精算で承ります
【一般】
1プログラム ¥1,000 (ワークショップ【2】のみ¥2,000)
6日通し券(2プログラム参加) ¥2,800
7日通し券(2プログラム参加) ¥1,800
【杉並区民割引】
1プログラム ¥900 (ワークショップ【2】のみ¥1,800)
6日通し券 ¥2,500
7日通し券 ¥1,600
*杉並区在住であることがわかる書類(免許証等)を受付でご提示ください
■お問合せ
一般社団法人 日本劇作家協会 事務局
TEL:03-5373-6923
メール: sec-02(アットマーク)jpwa.jp
一般社団法人 日本劇作家協会:http://www.jpwa.org/main/content/view/127/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【写真レポート】「フェスティバル/トーキョー11~F/T11~記者会見」07/06ホテルメトロポリタン3階カシオペアルーム
2009年に始まり今年で4回目を迎えたトーキョー発の舞台芸術の祭典「フェスティバル/トーキョー」。通称「F/T11(エフティー・ジュウウイチ)」が昨年と同規模で開催されます。参加アーティストが多数集結した記者会見に伺いました。
劇場の外に出る様々なプロジェクトや、国内だけでなくアジアからも新鋭がやってくる公募プログラムなど、今年も好奇心をそそられる刺激的な企画が多数そろいました。
東日本大震災と東電原発事故という、今を生きる私たちが経験したことのない危機にあるトーキョー。その現実から目をそらさず、正面から向き合った作品たちに出合えそうです。
【フェスティバル/トーキョー11(F/T11)】⇒公式サイト
会期:2011年9月16日(金)~11月13日(日)
会場:にしすがも創造舎、シアターグリーン、自由学園明日館、あうるすぽっと、彩の国さいたま芸術劇場ほか、都内野外特設会場
チケット一般発売日:2011年8月28日(日)10:00~
券種などの詳細は公式ページでどうぞ。※全部観る24,000円、野外3演目12,000円、公募プログラム5演目10,000円などのお得なセット券は販売期限あり。
【写真↓左から(敬称略):白井剛、神里雄大、宮沢章夫、松本雄吉、高山明、黒瀬陽平】
■F/T11コンセプト「私たちは何を語ることができるのか」 ⇒公式ページ
【相馬千秋さん(フェスティバル・ディレクター)】
相馬さん
相馬:「F/T11は2つの点で非常に特殊な、今までにないフェスティバルになるのではないかと思います。1つは言うまでもなく震災です。震災後初のF/Tということで、作品や運営、海外との関係において大きな影響が出ることは間違いありません。作り手側はもちろん観客の想像力も、震災という現実に結びついていってしまう。これは経験したことのない事態です。
もう1つはメイン会場の東京芸術劇場が改修工事で現在閉鎖中であること。我々はこの機会に劇場の外に、都市に出ていくことを選択しました。物理的にもコンセプト的にも、普段当たり前と思っていた演劇、劇場というものを根本的に問い直さなくてはいけないと思っています。
震災と外に出ることが偶然重なり、正直に申しますと、運営面では非常に大きな負荷がかかっていますが、それをネガティブなものととらえずに、むしろ5年後、10年後に振り返った時に、これが歴史の必然だったと思われるように結果を出していきたい。皆さんの記憶に残る特別な回にできたらと思っています。
震災を巡って色んな立ち場の人が色んな振る舞いをしています。今回の震災が歴史の大きな転換点になると掲げて様々なアクションを起こしている人もいれば、東京の現実は何も変わっておらず、この現実を日常として粛々と続けていくことが復興に貢献するんだという論調もあります。そんな中でF/Tはどう振る舞っていくべきか。震災後ずっと考えてきました。アーティストの方々と何度もお会いし、周囲のスタッフとも何度も何度も話を重ねてきました。そういう機会もまた、震災がなければ持てなかったかもしれません。話し合いを経て、F/Tとして震災に正面から向き合う決意を固めることができたと思います。その結果のアウトプットが、今回のコンセプト“私たちは何を語ることができるのか”です。
震災直後におそらく多くの方が、“何も言えない”という感覚を持たれたことと思います。現実があれだけ虚構を越えてしまうと、私たちは言葉を失ってしまう。途方もない虚無感や喪失感に襲われ、自分の想像力では何も対応できないという悲観的な感覚を、当然持つと思います。それでも演劇が、同時代の表現というものが、全体を包み込む途方もない現実について一歩引いて批評的に考え、その考えを言語化する。つまり“語る”ことを、敢えてしていくべきではないか。それがF/T11が投げかけたい問いです。
“何を語ることができるのか”という問いに対して“何も語ることはできない”という答えもあるでしょう。あるいは“どう語るのか”が問題でもあると思います。いずれにしても“語る”ということ、それを批評的に問い続けるということの責任を、放棄せずに取り組んでいきたい。おそらく今、日本や東京に来ている方にはそういう場が必要ではないかと思います。それを証明していきたいですし、世界に向けてきちんと発信していきたい。
『東京はもう元通りで安全だから来てください』と言うのではなく、むしろ我々が今生きているちょっと大変な状況を、不安定で不確実な現実を、アーティストの力で世界に発信していくことが、今年のF/Tの極めて重要な態度だと思っています。」
【野外会場の3作品】
相馬「オープニングを飾る野外3公演からご紹介します。今年のF/Tは劇場の外に出ることで、演劇と社会の関係性を問い直すことがコンセプトの大きな柱になっております。中でもオープニングを飾る3作品は、会場となる場固有の風景や歴史から劇を立ち上げます。」
■F/Tオープニング依嘱企画『宮澤賢治/夢の島から』
「じ め ん」(構成・演出:飴屋法水)※イメージ写真左:(c)片岡陽太
「わたくしという現象」(構成・演出:ロメオ・カステルッチ)※イメージ写真右
相馬「これまでもF/Tの歴史を刻んでくださっている、ロメオ・カステルッチさんと飴屋法水さんそれぞれに作品を作っていただき、同一の日時、会場で2本立て公演を行っていただきます。
今回の委嘱に際して私から提示した2つの条件は、宮沢賢治のテキストから自由に発想して作品を作っていただくこと、それから劇場以外の場所でやっていただくということ。震災後に宮沢賢治が脚光を浴びていますが、私が委嘱したのは2年前ですので全くの偶然です。4月末にロメオさんに来日して頂いて会場が決まり、夢の島にある巨大な広場を使うことになりました。直径120mほどのクレーター状の広場で、1度に1000人ほどのお客さまにお楽しみにいただける野外劇になります。
飴屋さんの作品タイトルは『じ め ん』。土、土壌、あるいは土地をテーマに作品を構想したいとおっしゃっています。ロメオさんは『春と修羅』の冒頭の一節である『わたくしという現象』をタイトルに掲げ、日本のキャスト・スタッフとともに3週間の滞在製作を行っていただきます。飴屋さんとロメオさんは年齢が同じで、色んな共通点のある演出家だと私は思っています。それぞれに刺激を与え合ってどのような化学反応が生まれるのか、ぜひご期待くだしさい。」
■『無防備映画都市―ルール地方三部作・第二部』(作・演出:ルネ・ポレシュ)
舞台写真↓:(c)Thomas Aurin
相馬「東ベルリンの老舗劇場であるフォルクスビューネの作品です。殺風景な空き地にチネチッタ(映画撮影所)を模した劇場が立ちます。ベルト・ノイマンが手掛ける美術はテントやコンテナ、キャンピングカーなどで構成され、既存の劇場や都市の風景に対する批評としても機能しています。東京の会場は豊洲の空き地。ビル群が借景になります。
一見ドタバタ喜劇を繰り広げているかのように見えますが、実際には私たちを取り巻く世界のさまざまな矛盾を告発する引用から成り立っています。」
⇒ルネ・ポレシュ作品の過去レビュー
■維新派『風景画―東京・池袋』(構成:松本雄吉)
相馬「今回の維新派の新作会場は池袋東口にある西武池袋本店の野外広場。維新派にとっては実に20年振りの東京での野外公演が実現いたします。池袋の風景を使ってどのような風景画を立ちあげようとされているのでしょうか。」
【松本雄吉さん(維新派)】
松本さん
松本「維新派は今年の秋から風景画というシリーズを始めようと思っています。うちの劇団は野外に大掛かりなセットを建てるのが常だったんですが、何も建てずに俳優の身体だけを立たせて、その場所を風景としてとらえるスタイルを、日本の、あるいは世界のあちこちで展開していこうと思っています。
その第一回は9月に、瀬戸内海に浮かぶ犬島の入江の干潟で行います。東京では西武池袋本店4階まつりの広場でやります。犬島は真昼間の12時ごろの開演で、池袋は夜の開演。どちらも地上ではないのでそれなりに共通点はあるかと思います。長年温めてきた脱劇場型の、ひょっとしたら演劇と呼ぶにはちょっと違うものになるかなと。場所や時を選ばないような空間、時間を占有していきたいと思っています。
震災前から考えていた『風景画』というタイトルですが、どうしても今回の震災で、『風景画』という言葉の意味が深淵な奥行きを持ち、ちょっと怖いような響きになりました。僕たちが最初考えていた『風景画』とは、少し違うものになるかなという感じもして、今ちょっと緊張しています。よろしくお願いいたします。」
【にしすがも創造舎で上演される2作品】
■遊園地再生事業団『トータル・リビング 1986-2011』(作・演出:宮沢章夫)
相馬「タイトルに1986と2011という2つの時間軸が示されています。そこからどのような物語を立ち上げようとなさっているのか、現在の構想をお聞かせください。」
【宮沢章夫さん(遊園地再生事業団)】
宮沢さん
宮沢「前から1986年のことは何かに書きたいと思ってたんですね。極めて浮かれてた時代であるのと、ちょうど僕が30歳になる年だったんです。我々はこのまま経済的な好況やある種の幸福感、充足感がいつまでも続くだろうと思っていた。しかし現在はこれだけ経済的に不安定な状態にあるのと同時に、今回の震災そして原発の事故があった。どうしたってそれを意識し、そこから何かを語り、言葉を紡ぎ出さなければならない。考えてみたら1986年にはチェルノブイリの事故があったんです。その偶然性から、もう一度1986年という年を考えてみたいと改めて思いました。この25年間をどういう風に演劇的に描けるか。我々は今どこに来ちゃったのかを、あの時から考えてみたい。
遊園地再生事業団が出発したのが1990年ですから、去年でちょうど20年。10年ごとにやることを変え、2000年代はそれ以前と全く異なることをやろうとしてきた。今はそのスタイルも割と固まってきたので、表現する方法はもっと色々あるんじゃないかと考えました。そのきっかけとなる舞台がF/T11でやれることは大変幸福なことだと思っています。
今書こうとしている方法の中から、新たなモチーフが生まれてくるかもしれない。自分の書いている心地よさを優先して、僕の“快”を基本にしながら、表現が生まれればいい。舞台をやることそのものが、僕が演劇について何を考えているかにつながればいいと思います。
『トータル・リビング』というタイトルもかなり前から考えてたんですが、我々の現在の生活をあらためて問い直すことにつながるかなと思います。」
■岡崎藝術座『レッドと黒の膨張する半球体』(作・演出:神里雄大)
相馬「神里さんには昨年は公募プログラム、今年は主催演目でご参加いただいております。震災後何度かお会いして、その度にタイトルが変わっていったんですが、最終的には非常に詩的に、謎めいたタイトルに落ち着いたように思います。どういうイメージから来たのか、現時点で考えていることをお聞かせいただけますでしょうか。」
【神里雄大さん(岡崎藝術座)】
神里さん
神里「タイトルは全く決め切れずに、友達を呼び出して朝まで飲んで、家までの帰り道で思いついたものにしました。
ここ1週間ぐらい風邪を引いていて、家で寝てる間にいろんな夢を見ました。自分にまつわる人や出来事がてんでばらばらで、全然意味がわからないものばかり。だからでたらめをやろう、でたらめをやるしかないと思いました。ただの勘なんですが。
海外の作家さんは自分のバックグラウンドに歴史があると強く思っている方が多いようです。でも自分は実感としてあまりない。例えば今回の震災の前の大地震といえば中越地震。その前に阪神淡路大震災がありました。でもその前がわからない。自分の知識がないせいかもしれないけど、自分が通ってきたところしか実感がないのなら、歴史は蓄積されていかないと思ったんです。蓄積されないなら、どんどんデタラメな過去をいっぱい捏造しまおうと。思いつきなんですが、そのデタラメが逆に未来になるかなとも思ったんです。まあそれは欲張り過ぎかもしれません。
実はもうリハーサルも始めていて、俳優さんに集まってもらって話し合ったり、思いついたことをやったりしています。そういう感じでこのまま下手に着地せずにやろうかなと思っています。」
【震災と向き合う2作品】
相馬「“国民投票プロジェクト”は私たちに原発問題をめぐるさまざまなことを想起させるものだと思います。震災への応答としてどのようなプロジェクトを提起するのか。今考えてらっしゃることをお話いただければと思います。」
■Port B『Referendum - 国民投票プロジェクト』(構成・演出:高山明)
【高山明さん(Port B)】
高山さん
高山「オーストリアの首都ウィーンのそばに、国民投票で廃炉になった“世界一安全な”原発があります。週1日だけ公開されていて内部が見られるんです。何百本ものパイプとか。それは無用の長物というか、僕にとってはほとんど現代の神殿のようでした。しかも廃炉になってしまったから、ある時で時間が止まって残っている。そこから国民投票というテーマでやってみようと思いました。
もう1つ別の側面は、いま村上春樹さんのインタビュー集を読んでいるんですが、村上さんがカフカの話を引用しているんです。カフカがベルリンで恋人と散歩中に、ある女の子が人形をなくしちゃったと言って泣いていた。そこでカフカは3週間のあいだ毎日、人形から女の子宛ての手紙を書きます。“家に飽きたので出ちゃったんだけど、あなたのことは好きだから手紙を書きます”と。最後には“ある青年と結婚したのでもう戻りません”と書いた。それを村上さんは「カフカが“人形が無くなってしまった”という無秩序を、“人形を失くした”という秩序に持っていったのだ」と書かれていました。そういう作業を今、やるべきだなとすごく思いました。
人形とはもしかしたら鉄腕アトムみたいなものかもしれない。それがなくなって、とんでもない事態になった時に、その無秩序をそのまま忘却するのか、あるいは固めてしまうのか、そんなものはなかったと否定するのか。カフカも村上春樹もいないとなった時、僕らの立場からどういう風に、カフカが女の子に向けた物語あるいは手紙を書けるのか。僕は物語を書く人間とは違うので、物語とは違った形、つまり演劇の中で、誰かと一緒に作っていくことができるのかがテーマです。そのプラットフォームとして『Referendum - 国民投票プロジェクト』を考えました。」
■カオス*ラウンジ『カオス*イグザイル』
相馬「黒瀬さんがキュレーターをつとめるカオス*ラウンジは日本のネットカルチャーやオタクカルチャーを背景にして、これまで現代美術の文脈で非常に大きな話題を集めてきたグループです。今回初めてF/Tにお呼びしまして、秋葉原で2週間にわたって展覧会形式の演劇的な場を作っていただきたいと思っています。現時点のことで結構ですので、構想をお聞かせいただきたいと思います。」
【黒瀬陽平さん(カオス*ラウンジ)】
黒瀬さん
黒瀬「僕たちはアーティストの集団なので、演劇について何か言える立場ではないと思っているんですが。震災について僕たちはずっと、取り返しのつかないことが起こっているんだと考えていたんです。死んでしまった人間は帰ってこない。なくなった土地はもとに戻らない。演劇であろうとアートであろうと、どんな人間にとっても“取り返しのつかないこと”は真っ先に、一瞬で共有できる。だからアートはそれについて考えるべきだという認識のもとで作品を構想しています。
オタクカルチャー、ネットカルチャーというほど大げさなものじゃなくて、もともとカオス*ラウンジはネットの中で変なこと、面白いことをやっている奴らに声をかけて少しずつ大きくなっていった集団です。僕たちにとっては“キャラクター”という視覚言語、造形言語みたいなものが体系として存在しているので、“キャラクター”という言葉を徹底して使って、今起こっている状況を描く、表現することを貫き通したいと思っています。カオス*ラウンジはそういう作品を世に出していきたいと思って作品を作っています。
僕としては都内の商業施設の廃墟で作品を展開したいとずっと思っていて、都内の消費の場であればどこでも良かったんです。でも会場探しで最初に秋葉原に行った時、ここでやらなければいけないだろうと実感しました。なぜかというと、秋葉原は本当にテーマパークみたいなところで、本当に時間が止まっていたんですね。震災はおろか通り魔事件の痕跡も、なにひとつ残っていない。同じ時間がぐるぐる繰り返していて、何も憶えない、何もかもすぐ忘れる街なんです。良くも悪くもなんですけど。
僕たち自身が秋葉原という街にすごい思い入れがあり、いわば聖地だった場所ですし、行けば落ち着きます。けれど僕らはアーティストで作品を作る人間である。そして“キャラクター”を使うし“キャラクター”でしか語れない。秋葉原という街が何も憶えてないという状況に対して、すごくアンビバレントな気持ちです。だからこそ秋葉原を舞台に、今、取り返しのつかないことに対するコメンタリーや批評を結実させたような作品をつくるべきだと思いました。」
【ダンス2作品】
■白井剛『静物画―still life』(構成・振付・演出:白井剛)
相馬「この作品は去年京都で製作され、今回は自由学園明日館に合わせたリクリエーションとなります。どういう新たな試みにチャレンジなさるのでしょうか。」
【白井剛さん】
白井さん
白井「ダンスは動きですから『静物画』というタイトルはすでに矛盾をはらんでいます。あるものを見えるように描くデッサンという行為のように、ダンスをつくる作業に向き合いたいと考えました。たとえばここに水の入ったグラスがある。グラスがここにあるということと、私の身体がそこにあるということを、なるべく近付けたい。1時間ぐらいの作品を作ろうとすると、もともとはなかったドラマ性やちょっとした解釈を求めてしまうことがあります。でもなるべくグラスをグラスのままに描くことに集中して続けたならば、本当の存在感や真実味にたどり着けるだろうか、と考えて作っています。
腕を上げる演技をした時に自分の中を観察していくと、自分で動きながら、空間と時間と自分の身体の中に潜んでいる何かを、客観的にとらえようとする意識が働くことがあります。たとえば自分の重心がどこにあるのか、腕が上がってきた過程でどういう筋肉が使われているか、速度の次にどういうリズムが生まれそうなのかなどです。それをとらえることがダンスにとってただの自己表現、自己満足に陥らないような、ムーブメントの開発につながるのではないかと思っています。
東京は色んな情報がとりまき、何を信用していいのか分からないのに常に決断を迫られるような不安定な状況です。『静物画』はかなり社会からかけ離れたようなテーマではあるのですが、じっとグラスを見てそれを描いていく時間が、今この状況の中で意味を持つのではないかと個人的には思っております。『静物画』は明日館という新しい空間で生まれ変わります。どこまで私の持ってる『静物画』に迫れるかにチャレンジしたいと思います。」
■『ザ・ショー・マスト・ゴー・オン』(構成・演出:ジェローム・ベル)
舞台写真↓:(c)Mussacchio Laniello
相馬「ダンスの地平を開いたと言われる歴史的な作品をご紹介します。舞台上にはさまざまなダンサーと、ダンサーではない素人の方もいます。上演中ずっと世界中の誰もが知ってるようなポップソングが流れまして、それによってダンサー、そして観ている我々のイマジネーションや身ぶりも、既存のイメージに左右されてしまっていることを批評的に暴く作品です。
日本バージョンの出演者は一般公募をいたしまして、239名もの方々からご応募がありました。最終的に26名の方に出演していただくことになり、その中には皆さんよくご存じのアーティストもいらっしゃいます。個性的な出演者にもご注目ください。」
【公募プログラム】
相馬「公募プログラムは昨年新設され大いに話題を呼びました。今年は国内70件、国外80件の合計150件の応募があり、特に中国、韓国、台湾といった東アジア地域からの注目が高かったと思います。事務局による書類審査、映像審査、面接を経まして国内7団体、アジア4団体にご参加いただくことになりました。新しい価値に挑戦している作品、アーティストにはF/Tアワードが授与され、受賞者には来年のF/Tに主催公演としてご参加いただきます。」
・海外(上演順)
ジョン・グムヒョン『油圧ヴァイブレーター』(韓国)
ランドステージング・シアター・カンパニー『River! River! River!』(中国)
モダン・テーブル『アウェイク』『ダークネス・プンバ』(韓国)
チョイ・カファイ『ノーション:ダンス・フィクション』(シンガポール)
・国内(上演順)
鳥公園『おねしょ沼の終わらない温かさについて』
KUNIO『エンジェルス・イン・アメリカ』
バナナ学園純情乙女組『バナ学バトル★☆熱血スポ魂秋の大運動会!!!!!』
捩子ぴじん『モチベーション代行』
ロロ『常夏』
ピーチャム・カンパニー『復活』
村川拓也『ツァイトゲーバー』
【写真(敬称略)↓後方左から:松本雄吉、宮沢章夫、黒瀬陽平、高山明、白井剛、神里雄大
前方左から:西尾佳織、二階堂瞳子、三浦直之、川口典成、清末浩平、村川拓也】
≪しのぶよりひとこと≫
震災への応答として「なにもない空間からの朗読会」も開催されます。詳細は公式サイトで順次公表されますので要チェック!前回好評だったF/Tテアトロトーク、F/Tシンポジウムなども充実。公式メールニュースに登録してチャンスを逃さないようにしましょう♪
■主催:フェスティバル/トーキョー実行委員会 東京都 豊島区 東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団) 公益財団法人としま未来文化財団 NPO法人アートネットワーク・ジャパン
フェスティバル/トーキョー:http://festival-tokyo.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月10日
東京ドイツ文化センター「原サチコ講演『ドイツで生きる 役者を生きる』」07/10ドイツ文化会館ホール
ドイツのハノーファー州立劇場専属の俳優である原サチコさん(⇒公式ブログ)の講演会に伺いました。
劇団演劇舎蟷螂、劇団ロマンチカなどの小劇場団体で活躍した後、1999年にドイツでの初舞台に立ち、2001年からベルリンに移住。この講演では出演舞台を映像で紹介しながら、約10年間のドイツでの俳優活動・生活についてお話しくださいました。⇒原サチコ・ドイツ語圏全出演作
来週の平日2日間、原さんがドイツの劇作・演出家ルネ・ポレシュ作の一人芝居を朗読されます。ポレシュさんは今年秋にF/T11主催演目が控える世界的に注目されている方で(⇒過去レビュー)、彼とともに仕事をしてきた原さんだから実現できた朗読公演だそうです。
●ドイツ文化センター・リーディングとアフタートーク
VISIONEN ドイツ同時代演劇リーディング・シリーズ第4回
原サチコがルネ・ポレシュを読む
『あなたの瞳の奥を見抜きたいー人間社会にありがちな目くらましの関係』
7月19日(火)、20日(水) 各日19:00-
1,500円 (学生・語学講座受講生1.000円)
⇒アーティスト紹介(ドイツ文化センター内)
※7/17(日)にはドイツ戯曲『文学盲者たち』の朗読公演もあります。サンプルの松井周さんが約1週間の稽古期間を経て同会場で発表されるそうです。出演者も豪華ですのでこちらもぜひ。
≪講演概要≫ 公式サイトより
ルネ・ポレシュをはじめ、クリストフ・シュリンゲンジーフ、ニコラス・シュテーマンらドイツ演劇界の名だたる演出家の下で活躍し、特異な存在感を放つ日本人俳優の原サチコ。2001年に日本をとび出してベルリンに拠点を移し、さまざまな出会いを通じてウィーンのブルク劇場を経て、現在はハノーファー州立劇場専属の俳優として活躍中です。
ここに至るまでの軌跡や、ドイツで生きる俳優としての日常、これまで一緒に仕事をした演出家や俳優について、原サチコでなくては語れない貴重なエピソードの数々が満載のトーク。終了後は、質疑応答の機会を設けます。
≪ここまで≫
原さんはとても素直で率直な女性でお話も面白く、ドイツでの体験談は非常に興味深いもので、2時間があっという間でした。そして舞台映像がすっごく刺激的。さすがはドイツ演劇。
「魑魅魍魎のような動きばかりをやっていた」とおっしゃる小劇場劇団での経験が、そのままドイツでも活きているんですね。やはり俳優は身体訓練が基本(前提)なのだなと思いました。また、演出家の要求に素直に応える内に“原サチコだからできること”“原サチコにしかできないこと”が増えて、かけがえのない俳優になられたのだと思いました。
講演終了後の交流会で原さんに直接お話を伺うことができました。異国で子育てをしながらプロの俳優として生きている方が目の前にいらっしゃる。それだけで勇気づけられました。
『少年口伝隊 一九四五』をハノーファーで上演した際は、ドイツ版ならではの演出になったと伺いました。外国での上演時には上演される国の文化・環境等に合わせて改訂、演出しなければ、作品本来の意味が伝わりづらい場合があることに納得できました。
今年9月29日にドイツで初日を迎える原さんが現在稽古中の作品は、福島のことを描いたものだそうです。いつか原さんの舞台を観にドイツに行きたい気持ちになりました。まずは来週のリーディングをその場で予約。
ドイツ文化センターやブリティッシュカウンシル、東京日仏学院で芸術についてのセミナーなどに伺う度に、自分は日本語しか通じない狭い世間の中に、進んで閉じこもっているなと感じます。今日もそうでした。旅行が苦手で出不精な私ですが、いい加減、甘えたままじゃいけないなとも思い始めました。いい年して今さらですが。
以下は講演中の原さん語録です。私が聞きとってメモした程度ですので完全に正確ではありません。
原「『ユナイテッド・トラッシュ』という映画を見て、監督のクリストフ・シュリンゲンジーフといつか絶対に仕事をしたいと思った。だからドイツでも毎日、カフェで偶然出会った人にさえも“クリストフのサインが欲しい!”と言っていた(笑)。それがいつかクリストフの助手の知り合いに伝わり、オーディションを経て彼と仕事をすることに。」
原「シュテーマン演出『三文オペラ』(原さんはポリー役)はクルト・ワイルの音楽が有名なのもあり、大人気で毎公演ソールドアウトです。ブレヒト戯曲は遺族が厳しくて、一字一句変更してはいけない、ト書きどおりにやらなければいけない等の厳しい制限があります。でも今作はかなり過激な演出になっています。電光掲示板に戯曲の全文を流すことで、“戯曲通りに上演している”ことにしたのです。制限を逆手に取ったというか。でも70ステージほどやってきて、お客さんが途中で帰らない回はない(笑)。」
※ドイツでは観客も自己主張することを求められるので、途中退席する方は多いようです。
原「ドイツ人俳優は観客に悪いイメージを与える役をやりたがらない。自分に不利になることはしない。私は世間の評判など気にしないし親戚も観に来ないから(笑)、ある意味捨て身。だから演出家に重宝される俳優かもしれない。頼まれたら断れないというか、いわゆるNOと言えない日本人なんです(笑)。」
原「3月は2本の初日があるという無茶なスケジュールだった。そこで震災が起こった。役者になって初めて舞台上で倒れてしまった。倒れてからもセリフは最後まで言ったので、観客は“倒れる演技”だと思って気づかなかった(笑)。救急車で病院に運ばれたところ、原因は心労。今まで元気にやってきたけど、人生でやれることは少ないと気づいた。やりたいことをやっておかないと後悔すると思った。」
原「『少年口伝隊 一九四五』(関連リンク⇒1、2、3、4)には3人の子役を出演させ、私も含めて計6人が出演する芝居になった。ドイツでは今も広島に行ったら被ばくすると思っている人もいるぐらい、原爆や広島についての知識が少ない。ドイツの州立劇場で広島の芝居が上演されたという事実だけでも大きな成果だった。ハノーファーと広島は友好都市。ハノーファーの役所の方々にも喜んでいただけた。今の広島を伝えたい思いもある。広島のお好み焼きをつくってお客様に召しあがっていただきながら、広島で取材したことを報告する『HIROSHIMA SALON』も開催した。」
原「ルネ・ポレシュは哲学、社会学を現代口語におきかえてわかりやすく伝える貴重な人。来週ここで上演する『あなたの瞳の奥を見抜きたい』もわかりやすい一人芝居です。
たとえば『ハムレット』を演じるならハムレットにならなきゃいけないと思う俳優が多いと思います。でも今生きているあなた(私)だって大変なのに、オフィーリアに近づかなくてもいいよ、自分の苦しみを舞台にのせて観客と共有すればいい。これがルネの考え方です。順応性が高くて、決して人に押し付けない。」
“ドイツで活躍する俳優 原サチコのトーク”
2011年7月10日(日) 14:00 - 16:00
聞き手:伊達なつめ(演劇ジャーナリスト)
入場無料(要お申込み)
http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja7567518v.htm
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月09日
座・高円寺『あしたの劇場「みにくいあひるのこ」』07/08-12阿波おどりホール
座・高円寺は子供向けの舞台をよく上演しています。毎年杉並区の小学4年生を招待するなど、地域の劇場としての存在感はどんどん増しているのではないでしょうか。
7月は『ピン・ポン』 『みにくいあひるのこ』 『雨だれ』『すずの兵隊』の4作品が上演されます。
私はスケジュールの関係もあってデンマークのシアター・リフレクションによる『みにくいあひるのこ』のみ拝見。セリフのないパペット劇でした。う~ん…間近で観れば面白いのかもしれないですが、最後列だった私には退屈でしたね~。可愛いけど。
9月には佐藤信さんの新作『ふたごの星』が発表されます。大好きな『旅とあいつとお姫さま』が上演されるのも嬉しい。
⇒CoRich舞台芸術!『あしたの劇場 世界をみよう!』
レビューは記録のみ。
≪作品紹介≫ 公式サイトより
『グッバイ・ミスター・マフィン』『箱とジョージさん』ですっかりおなじみのカンパニー。今回お届けするのはアンデルセンの「みにくいあひるのこ」。かれらが触れるとどんなモノにも命が宿り、動き出す。目の前で起こるこの“不思議”に、子どもも大人も魅了され、引き込まれていきます。
*4歳以上 上演時間:約40分(せりふはありません)
≪ここまで≫
あしたの劇場「劇場へいこう!」
提携:キジムナーフェスタ・2011 後援:杉並区 杉並区教育委員会 杉並区文化協会 企画・製作:座・高円寺/NPO法人劇場創造ネットワーク
全席自由 大人(18歳以上) 2,500円(税込) こども 1,500円(税込) 未就学 500円(税込) ★「世界をみよう!」パスポート 9,000円(期間中、大人でも子どもでも6ステージみることができます)★すぎなみ子育て応援券がご利用になれます(窓口のみ取扱い)。
http://za-koenji.jp/detail/index.php?id=456
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月08日
unks『蟻』06/29-07/05新宿ゴールデン街劇場
文学座の役者さん4人の演劇ユニットunks(アンクス)の第3回公演です。上演時間は約1時間20分。短いとはいえ毎日2ステージってハードなタイムテーブルですね。おかげで夕方の回を観られました。
新宿ゴールデン街劇場の外壁には、岩手県「復興の狼煙」ポスタープロジェクトのポスターがいっぱい!人間の力、写真の力を感じます。
⇒CoRich舞台芸術!『蟻』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
1923年、1931年、1941年、1945年、激動の時代の、ある家族の話
多種の働きありの労働に依存して生活することを社会寄生という――
蟻 陸上のあらゆる地域に分布し、地中に巣を作って家族単位で生活する――
女王アリ、カースト、働きアリ、兵隊アリ、雄アリ、処女女王アリ――
兄様、ワタシ笑ってもいい?
これは夢でしょう? 夢なんだ、夢なんだからさ
それならわたし笑ってやるわ。うんと笑い飛ばしてやるわ――
そりゃもうとびきりに作らせて頂やした一世一代のからくりさ――
≪あらすじ≫
キャストに『パイドラの愛』(⇒振り返る私の2008-今年の3本)に出演されていた上田桃子さん、斉藤祐一さんのお名前があり、興味を持ちました。お2人とも文学座公演ではあまり見られないであろう演技をされていて(演出の効果もあり)、一俳優として闘う姿が良かったです。
終戦間際の日本が舞台。暗いお話でしたね~。新宿ゴールデン街劇場のサイズにしてはスケールが大きなお話で、演出も演技も苦心されているように見えました。
ここからネタバレします。
登場人物が客席を向いた状態で互いの顔を見ずに話すなど、オーソドックスなストレート・プレイにはない演出や、舞台の壁三面に文字や動画を映す工夫がありました。でも精度はまだまだ上げられるのではないでしょうか。
凍雨子(上田桃子)が空襲の中を逃げたと独白する場面は大迫力。戦地から帰った長男(斉藤祐一)が、自分が父親を殺したと凍雨子に告白するのも見ごたえありでした。
出演:細貝光司、山像かおり、石住昭彦、ダンプ松本、上田桃子、亀田佳明、斉藤祐一
脚本:秋之桜子(羽衣1011) 演出:高橋正徳(文学座) 美術:乘峯雅寛 音響;原島正治 音響操作:栗原亜衣 照明:阪口美和 映像:浦島啓 舞台監督:加瀬幸恵 衣裳:上岡紘子 制作:藤井良一(江古田のガールズ) 撮影:其田益成 WEB製作:柴田洋佑(とくお組)
(全席自由)前売り3300円 当日3500円 学生3000円(要学生証) 最初の3回はどなたでも2800円! ※受付・開場は開演の20分前です。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~unks/next.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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サンプル+三鷹市芸術文化センター『ゲヘナにて』07/01-10三鷹市芸術文化センター 星のホール
三鷹市芸術文化センター“太宰治作品をモチーフにした演劇”の第8回は、松井周さん率いるサンプルの新作です。上演時間は約1時間45分。
本当に、「ゲヘナ(地獄)」でした…最後の5分はもう、どう言っていいやら…おおげさでなく開いた口がふさがらなくて、終演後しばらくは劇場内を見回しながら、席から動けず。これは褒め言葉です。
8月のワークショップや来年2月の新作公演のオーディションを受けようと思ってる方は、サンプルおよび松井さんはこんな作品を発表する団体だってことを知っておく必要があると思います。7月10日が千秋楽ですのでお見逃しなく。いや「見る」というより「体験」ですね。※刺激の強い表現が多々ありますので、R18以上だと思います。
ロビーで岸田戯曲賞受賞作の『自慢の息子』が販売されています。私は以前の松井さんのトーク企画にて購入。
⇒CoRich舞台芸術!『ゲヘナにて』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
自分を太宰治の生まれ変わりだと信じている男がいる。
男は無理心中で一人だけ死なせてしまった恋人、母、妻の渾然一体となった「女神」の復活が近いことを周囲に訴えて旅に出る。
男は、友人の幸福な家庭で、ゴミ捨て場で、墓場で、人や物や死体に話しかけながら「女神」のしるしを目の当たりにする。
しかし、誰も男の言うことを信じてはいない。
やがて、男はしるしに導かれるようにゲヘナ(地獄)に到着する。
≪ここまで≫
今回も劇団名サンプルにふさわしい、さまざまな例示だったような。全体の印象は展示、見本市、博物館、テーマパークなどなど・・・。何もかも開ききって裏返しになるほど剥き出しの、世界?「世界」と漢字にするより、記号的で本質が曖昧な「セカイ」の方がしっくり来るかも。
太宰関連のキーワードもちらほら見つけられましたが、あまり自分にひきつけて考える気分にはならず。ストーリーが気にならないので(というより、もう頭しっちゃかめっちゃかで理解不能)、劇場全体で起こる事象をただただ体感しました。
星のホールの演劇作品では、これまでにも色んな劇団が創意をこらした空間演出を見せてくれていますが、この『ゲヘナにて』ほどに使い切った作品を私は観たことがありません(それほど本数は観ていませんが)。照明や壁などの劇場機構を、その機構に備わった機能ごと利用しているのが凄い。どんなにアブノーマルな行為が舞台上で繰り広げられても、“星のホール”がドンと鎮座し続けるので、いやがおうにも現実から離れられません。でもその現実が、虚構と一体になるのです。
ここからネタバレします。
途中で客電が点灯していきなり演技中断。「続行します」の声で次の場面へ。ちゃんと4幕劇になっていたのかな。このせいで観客は物語の虚構に没頭しつづけられない。
男と女も、生者も死者も、この世もあの世も合体するように同時に重なって、同じものとして存在。混在というより合体なんですよね。キメラみたい。
劇場備え付けの立派な照明も、床置きの可愛らしいランプも、ゆらりと点滅を繰り返します。空間がズルリとゆがむような錯覚が何度もありました。自分が全く経験・目撃したことのないような化学反応が起こり、重なるはずのない空間(たとえば現実と死後の世界)がぶつかって交わって燃えて消滅し、またよみがえる。その繰り返しのような・・・でも時間は断絶します。
急勾配の舞台の裏側から糸のついた風船がふわ~と上がる、そのゆっくりとしたスピードが恐ろしくってシビれました。何もない、のに、ある。何もかもあるのに、何もない、地獄。
牧神の衣装のニジンシキーが踊る最後の場面は、ニジンスキーの最期と重ねているそうです。真正面に近い席だったので、真ん前で刺激が強かったです・・・。もー唖然、です(苦笑)。
太宰治作品をモチーフにした演劇 第8回
出演:辻美奈子(サンプル・青年団) 古舘寛治(サンプル・青年団) 古屋隆太(サンプル・青年団) 奥田洋平(サンプル・青年団) 野津あおい(サンプル) 渡辺香奈(青年団) 岩瀬亮 羽場睦子
脚本・演出/松井周 舞台美術/杉山至(+鴉屋) 照明/木藤歩 音響/牛川紀政 衣装/小松陽佳留(une chrysantheme) 舞台監督/谷澤拓巳 演出助手/郷淳子 ドラマターグ/野村政之 英語字幕/門田美和 宣伝写真/momoko matsumoto(BEAM×10inc.) 宣伝美術/京(kyo.designworks) WEB・総務/macky 制作:三好佐智子(quinada)、森川健太(三鷹市芸術文化振興財団) 企画:森元隆樹(三鷹市芸術文化振興財団) 製作:サンプル・quinada 協力/青年団、レトル、マッシュ 至福団 助成/アサヒビール芸術文化財団、公益法人セゾン文化財団 主催/ (公財)三鷹市芸術文化振興財団
【休演日】7/4(月)【発売日】2011/04/17【料金・全席自由席・日時指定・整理番号付】一般前売:3000円/一般当日:3500円/高校生以下:1000円(前売・当日共/当日要学生証)
http://www.samplenet.org/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月06日
【ワークショップ/オーディション】tpt「tptWorkshops-Summer2011」7月開催※直前のため〆切なし(メールor郵送)
tpt(⇒ツイッター)が2つのワークショップを実施します。詳細はこちらでご確認ください。
1.アクターズWS by小川絵梨子(7/15-22)
参加費:40,000円
小川さん関連エントリー⇒1、2
※2012年に小川さんの新作を上演予定。ポーランドの映画監督クシシュトフ・キェシロフスキの連作ドラマ『デカローグ』(十戒)に基づく書き下ろしだそうです。
2.PinterWAVE!第2弾WS&オーディションby岡本健一(7/23-29)
参加費:40,000円
⇒過去レビュー
【ワークショップ/オーディション/発表】冨士山アネット「CreationTour[◯◯ eight]&SummerWS」8月開催※〆切 は会場により別(7月下旬)
長谷川寧さんが主宰する冨士山アネットが、今後の出演者募集も兼ねたワークショップ等を開催します(関連レビュー等⇒1、2、3)。
発表会ありのワークショップと、単発のワークショップの2種類があり、会場も東京、京都、神戸の3か所ですので、ご興味ある方は下記をよく読んでお申し込みください。
1.【クリエイションWS[◯◯ eight]開催 出演者募集】※東京/7月25日必着 京都/7月31日必着
2.【[◯◯ eight]ショーイング】
3.【冨士山アネット/長谷川寧 ワークショップ開催】
【募集】冨士山アネットCreationTour[◯◯ eight]&SummerWS開催!
【クリエイションWS[◯◯ eight]開催 出演者募集】
冨士山アネットが、来年1月予定の新作に先駆け、
今夏、クリエイションWSを開催、出演者を募集致します。
最終日は現地で参加する出演者と共に作品を発表。
本ショーイングで作成された作品をベースに新作へと繋げます。
テーマは「悪夢」。
各地で制作された無数の夢が、異形の形となって新作公演に立ち上げたいと思います。
今回のWSでは、1月の公演をはじめ、
今後の作品に出て頂ける出演者との出会の場になればと思います。
既に予定が決まっている方、WSだけ参加してみたいという方等、
今後の作品づくりの為にも沢山の人との出会いを広く募集します。
新作公演は、今後のレパートリーとして各地での上演を目的としています。御興味の有る方、奮って御参加下さい。
■WS日程(原則全日参加)
・東京 会場:水天宮ピット(AかBをお選び下さい)
日時:8月5(金)-10日(水)(※10日ショーイング)
A 8月5日(金)12-16時, 6日(土)13-22時, 8日(月)12-16時、
9日(火)12-16時, 10日(水)14-22時(※ショーイング)
B 8月5日(金)18-22時, 7日(日)13-22時, 8日(月)18-22時、
9日(火)18-22時, 10日(水)14-22時(※ショーイング)
※Aは7日、Bは6日がそれぞれ休みとなります。
・京都 会場:アトリエ劇研
8月17日(水)18-22時, 18日(木)18-22時, 19日(金)18-22時、
20日(土)13-22時, 21日(日)終日(※ショーイング)
■参加費:5000円(発表公演含)
■対象:身体表現を元にしたクリエイションに興味が有る経験者
■定員:各回8名前後(原則全日参加。応募多数の場合選考有)
■クリエイションWS応募方法(東京のみ。京都はアトリエ劇研迄)
メールにて「eightクリエイションWS希望」と件名明記の上、
1.名前(フリガナ) 2.住所 3.電話 4.メール(PC及び携帯)
5.年齢 6.希望コース(AかB)
7.応募理由・冨士山アネット観劇の有無(有れば作品名と感想)
8.何処でこの募集を知ったか(サイト・カンパニー名等)
9.履歴書兼芸暦書(書式自由/所属・ダンス経歴等明記)
10.備考 11.写真(バストアップ・全身の2枚。4M以内で)
を貼付の上、fujiyamanet(アットマーク)gmail.com迄お送り下さい。
※御応募頂いた中から今後の新作に御参加頂く可能性もあります
■締切 東京/7月25日必着 京都/7月31日必着
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【[◯◯ eight]ショーイング】※観客向けの情報です
構成・演出・振付/長谷川寧
クリエイションWSで作った作品を、劇場にてショーイングします。
同じテーマに沿って作られた作品が、どの様に変わるのか、是非ご覧下さい。
・東京公演
主催:冨士山アネット 協力:アトリエフォンテーヌ
日時:2011年8月10日(水) 19:30―★
★終演後長谷川寧と参加者によるトーク有
振付・出演:[◯◯ eight]参加者
入場料:前売・当日共 1000円
会場:アトリエフォンテーヌ http://www.allstaff.co.jp/index-3.html
予約・問合:冨士山家 http://fannette.net/
※チケット発売については追ってお知らせ致します。
・京都公演
主催:アトリエ劇研、他参加団体
日時:2011年8月21日(日) 2ステージを予定
★昼の回は終演後他団体演出家とのトーク有
振付・出演:[◯◯ eight]参加者
入場料:前売・当日共 1500円
(同条件で作られた4団体の一挙上演予定)
会場:アトリエ劇研 http://www.gekken.net/
予約・問合:アトリエ劇研
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【冨士山アネット/長谷川寧 ワークショップ開催】
相手との関係性を元に、テキストや記憶、それぞれの特徴等、
様々なきっかけから身体/動きを開発していきます。
俳優・ダンサー等ジャンル不問。身体表現に興味がある方を募集。
時間の都合が付きにくい方、まずは体験してみたい方等、
今後の作品づくりの為にも沢山の人との出会いを広く募集します。
WS日程
・京都 会場:ARTCOMPLEX1928 http://www.artcomplex.net/ac1928/
主催:冨士山アネット 協力:ARTCOMPLEX1928
日時:2011年7月8日(金)18:30ー21:30
参加費:1500円(見学同額)
申込・問合:ARTCOMPLEX1928 075-254-6520
・東京 会場:水天宮ピット 主催:冨士山アネット
日時:2011年①8月2日(火)②3日(水)③4日(木)各日18:00-22:00
参加費:1000円 (見学同額) 定員:各回15名前後
[東京WS応募方法]※メールのみ
「WS希望」と明記の上、下記を冨士山家迄お送り下さい。
1.名前(フリガナ) 2.住所 3.電話 4.アドレス
5.希望回(①②③から希望回を選択) 6.冨士山アネット観劇の有無
7.所属/演技・ダンス経歴(書式自由)
・神戸 会場:東灘区民センター小ホール(魚崎) http://www.cskobe.com/showhall/riyoujyoukyou.html
主催:ダンスの時間プロジェクト 協力:東灘区民センター小ホール
日時:2011年8月25日(火)13:30ー16:30
参加費:一般2500円、大学生2000円、高校生1500円(見学同額)
申込・問合:ダンスの時間プロジェクト jonen-shozo(アットマーク)nifty.com
※御応募頂いた中から今後の新作に御参加頂く可能性もあります。
【冨士山アネット/FujiyamaAnnette プロフィール】
03年冨士山アネット設立。
演劇の方法論を元に身体を起こす「ダンス的演劇(テアタータンツ)」にて活動中。
世田谷パブリックシアターフリーステージ、BankARTCafeLiveSeries2008、川崎市アートセンター クリエイション・サポート事業、アジア舞台芸術祭、東京芸術劇場 芸劇eyes、芸術創造館 芸創セレクション等入選。スイスでの映像作品提供、シンガポールへの招聘等海外活動も行う。
代表 長谷川寧は、NODA・MAP、ケラリーノ・サンドロヴィッチ作品、パパ・タラフマラ、ミクニヤナイハラプロジェクト等出演、フジファブリックPV[夜明けのBEAT](TV東京「モテキ」主題歌)、FUKAIPRODUCE羽衣、オフィス3○○等振付多数。
9月韓国/Hooyong Performing Arts Centreへレジデンス予定等、国内外で活動中。
http://fannette.net/
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Q『油脂越し』07/01-03阿佐ヶ谷アートスペース・プロット
桜美林大学出身の市原佐都子さんが作・演出するQ(キュー)の旗揚げ公演です。⇒過去レビュー
またもや面白くって参っちゃいました。市原さんは女性でありながら、女性性を突き放した視線で描くのが痛快です。上演時間は約1時間。
⇒マンスリー・ブリコメンド(藤原ちから)
⇒CoRich舞台芸術!『油脂越し』
≪あらすじ≫
中学生女子らの毒まみれトーク。父親や近所の30代フリーター男性も痛い本音吐露。
≪ここまで≫
臆病なくせにプライドが高く、自分を大切にする術を知らない人たちの、痛々しい人生経験の数々。始まってすぐに笑いがこみ上げ、止められない・・・!小さな劇場であまりに誰も笑わないので、笑い声を抑えるのが大変でした(笑)。
紙オムツを広げてつないで、舞台三方の壁を覆っていました。奥にスタンバイした役者さんは、オムツのカーテンを開いて舞台に登場します。
役者さんがちゃんと心身を制御しているのが凄いなと思います。コンテンポラリー・ダンスのような動きをしながらの独白は、前作でもありましたがとても面白いですね。
同じく前作の女同士のバトルや疾走感が刺激的だったので、また大きな空間で観たいと思いました。活動継続していただけたら嬉しいです。
ここからネタバレします。
同級生女子に対する悪口の「がばがばだよ」ってほんとひどいなー(笑)。
美少女戦士セーラームーンのアニメ映像をバックに、月子が「私はセーラームーンになりたかったのに!」と叫ぶのも痛い・・・。
エロゲーの動画を初めて見ました。小刻みに同じ絵を繰り返すだけなんですね。声優さんのがんばりが痛々しいですが、声優さんに注目が集まるのにも納得。
第一回公演
出演:相原洋平(30代で一人暮らしの男性) 内海正考(隣子の父親) 狩野佑奈(島村さん) スズキジュンコ(隣子) 吉田聡子(月子)
脚本・演出:市原佐都子 舞台監督:鈴木沙織 照明:久津美太地 音響:吉村紳平 映像:御園涼平 宣伝美術:吉田聡子 制作:御代川光香 制作協力:萩谷早枝子 舞台美術アドバイザー:中村友美 サポートメンバー:市川公美子
【発売日】2011/05/10 予約 1800円 当日 2000円 *初日割引* 予約 1500円 当日 1700円
http://blog.livedoor.jp/qchan9696/
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2011年07月03日
クリスティーヌ・ルタイユール演出『ヒロシマ・モナムール』07/02-03舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」
SPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭2011」もとうとう最終週(⇒記者発表)。私は会期中3回通いました。先々週の公演のレビューはアップできてません・・・すみません。
『ヒロシマ・モナムール』はフランスの女流作家マルグリット・デュラス(1996年没)の映画台本を舞台化した作品です(⇒デュラス作品のレビュー)。2009年9月にスイスで初演。青年団の太田宏さんが日本人男性役で主演されています。
演技も演出も言葉もあまりに素晴らしくて、上演時間の半分以上は涙流れっぱなしだったかも・・・。カーテンコールで「ブラボー」の声が上がりました。当然ですね。上演時間は約1時間45分。
※映画は『二十四時間の情事』(1959年、監督:アラン・レネ)という題名で日本でも公開されています。
売り上げランキング: 7097
⇒CoRich舞台芸術!『ヒロシマ・モナムール』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
「彼女」は32歳のフランス人女優。平和についての映画の撮影のために来日する。映画は完成間近で、彼女はもうすぐフランスに帰ることになっている。フランスでは結婚しており、子どもも二人いる。「彼」は日本人の建築家。やはり結婚していて、40代。二人がどんな状況で出会ったのかは分からないが、お互いをとても強く、本当に心から求め合った。しかし、24時間後には別れを迎えることになる……。
≪ここまで≫
まず演技が(私的に)パーフェクト。「彼」と「彼女」はそこに生きて、愛して、苦しんでいました。だまって立っている、歩いている姿を見つめるだけで胸が詰まります。例えば太田さんが無言で客席に向かって舞台中央を真っすぐ歩いてくるだけで、涙があふれてきました。そんな調子でずーっとダダ泣き。
いくら両思いでも結ばれ得ない、不可能な恋はあります。でも体を焼き尽くすような思いは一瞬でも本物。その美しさは言葉にあらわせないほどです。だから燃え上がるのを無理して抑えなくてもいいと私は思います。ただし、どんなに激しい恋も必ず人間は忘れるんですよね。忘れることができるし、思い出すこともできる。そんな心と体の自由を、私たち誰もが持つ権利があるはずです。それを禁じる、ふみにじる、なきものにする力と闘わなければならない。
デュラスさんの言葉のひとつひとつが、突き刺さるように届きました。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
暗闇にうっすら浮かび上がる全裸の男女。完璧に愛し合ってることがわかります。そして男が第一声。「君はヒロシマで何も見なかった」女が答えて「いいえ、ヒロシマで全てを見たわ」・・・もー冒頭でいきなり涙ポロポロですよ・・・。私たちはどんなに努力しても他人のことを完全にわかることは絶対にできない。しかも原子爆弾を落とされた広島の町、広島の人々のことを、フランス人女性にわかるわけがない。それを覚悟の上で、出来る限りの勉強と想像をして、互いにつながろうとする姿。尊いです。
ヌヴェール(女の故郷の地名だが女の呼称となる)は若い頃の初恋の人を思い出します。彼はドイツ兵で、若くして戦死しました。敵国の兵隊を愛したために家族は村八分にされ、自分は地下室に閉じ込められます。やがて母の勧め(というか命令)でヌヴェールを出てパリへと移り、彼女は故郷には全く帰っていません(おそらく10年以上)。
でも映画撮影のために訪れた広島で、ヒロシマ(男の名字)との激しい愛を得て、ヌヴェールは封印していた記憶の蓋を開け、いつか故郷に帰ってみようという気持ちになるのです。もちろんドイツ兵への愛も復活します。そして「あの恋がなかったら、ヒロシマを愛することもなかった」と。
ヌヴェール役のヴァレリー・ラングさんの独白ですべて説明されます。凄かった。ラングさんご本人だし、ヌヴェールだし、詩人だし。俳優の体が入れ物になるってこういうことなのかと思いました。
日本に残ってくれと懇願するヒロシマに、ヌヴェールは「ノン(いいえ)」と何度も拒絶。でも最後は、本当に彼女は去ったのか、2人が結局どうなったのかがわからない演出になっていました。
特に印象にのこったセリフ。
女「狂気は英知に似ている」
女「(フランスに戻ったら子供たちを)他人の故郷を愛するように育てるわ」
太田宏さん、めちゃくちゃかっこいいしセクシーだし。2001年のreset-N『キリエ』を思い出しました。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ メモ程度です。
出演(左から):宮城聰 ヴァレリー・ラング、太田宏、ピエール・ラマンデ 通訳:芳野まい
ラング「紆余曲折ありましたが、こうして日本でこの作品を上演出来たことに感謝します。SPACのスタッフは、なんと15時間連続で働いてくれた。私の俳優人生の中で、こんなによく働く、高い技術力のあるスタッフに会ったことはありません。」
ラマンデ「広島、戦争を描いてはいますが、大事なのは男女の恋物語であること。」
ラング「この舞台はヴァレリーと宏の出会いなのです。正確な時代考証が重要なのではなく。」
ラング「この作品では、俳優は空間や光そのものになる。俳優として登場人物を演じるのではない。言葉を通じて、1つの経験を生きること。デュラスの言葉を。」
ラマンデ「言葉が大切なのです。」
ラング「演出家のクリスティーヌと長らく『ヒロシマ・モナムール』を舞台化したいと考えていた。クリスティーヌがある舞台で太田さんを見た時、彼がヒロシマ(←役名)だと確信した。つまり俳優あっての演目です。」※しかも太田宏さんの名前は偶然にもオオタ・ヒロシ(太田川とヒロシマ)。
観客「こんなに深く誰かを愛した経験はありますか?」
太田「あります。この舞台でラングさんを本気で愛しています。」
ラング「はい、本当です!彼は私を愛しています。」
ラング「デュラスは文学的な面においても新しい言語を作った重要な作家。映画はフランスでは大ヒットして非常に有名。日本でももっと知られてほしい。」
太田「劇中で歌う“椰子の実”は演出家に『ここで歌を歌って!』と言われてとっさに出てきた歌です。歌ううちに、この作品に合っているなと思いました。」
※えらそうな言い方ですみませんが、通訳さんがとても優秀な方だと思いました。ありがとうございました。
SPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭2011」6/4(土)~7/3(日)
"Hirosima mon amour"
出演:ヴァレリー・ラング(Valerie Lang) 太田宏(Hiroshi Ota) ピエール・ラマンデ(Pier Lamande)
演出・装置:クリスティーヌ・ルタイユール(Christine Letaileur) 作:マルグリット・デュラス(Marguerite Duras) 演出助手:ピエール・ラマンデ 舞台:マチュー・ペゴラロ 照明:ステファン・コラン 音響:フレッド・モリエ 映像製作:ジェローム・ヴェルネ ツアーコーディネーター・通訳:横山優 字幕:奥平敦子 翻訳:清岡卓行 トーク通訳:芳野まい 舞台監督:浜村修司 照明:川島幸子 神谷伶奈 音響:青木亮介 音響機材コーディネーター:水村良 舞台:市川一弥 映像機材:武石進衛 衣裳:岡村英子 制作:河尻桂子 高林利衣
一般大人4,000円/大学生・専門学校生2,000円
http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/hiroshima
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年07月01日
【ワークショップ】公益財団法人武蔵野文化事業団「中学生・高校生対象の7日間短期集中型・演劇ワークショップ(講師:広田淳一)」08/01-07吉祥寺シアターけいこ場※7/15〆切(メールorFAX)
吉祥寺シアターが中高生向けの演劇ワークショップを開催します。講師はの劇作・演出家の広田淳一さん(ひょっとこ乱舞)。1週間のお稽古の後、最終日に発表があります。
夏休みの中高生向け演劇ワークショップというと、王子小劇場地域発信プロジェクト(講師:中屋敷法仁・募集中)や、めぐろパーシモンホールのパレット・プログラム2011(講師:多田淳之介・募集終了・過去レビュー)もありますね。
同年代のお友だちと毎日会ってお稽古をして、最終日に発表があるワークショップは、お子さんだけでなくご両親にとってもいい経験になると思います。プロ志望のお子さん向けではないので、気軽に飛び込んでもいいのではないかしら。ご興味ある方はぜひ。以下は公式サイトからの情報です。
●(公財)武蔵野文化事業団「中学生・高校生対象の7日間短期集中型・演劇ワークショップ」
会場:吉祥寺シアターけいこ場
日程:8月1日(月)~7日(日)の全7日間
※最終日に発表あり(18:00開演)
講師:広田淳一
参加費:1,000円
※来年3月に吉祥寺シアターで上演されるひょっとこ乱舞の公演チケット付き
申込〆切:7/15(金)※メール or FAX
■はじめての演劇☆2011夏シリーズ
「来たれ中高生 夏休み限定 吉祥寺シアター演劇部部員大募集!」 ※公式サイトより
●今年の夏は、エンゲキやってみる!? リアル以上のリアル発見!
吉祥寺シアターは、演劇やダンスなどの舞台公演を行っている劇場です。そこでこの夏、中学生・高校生を対象に、7日間の短期集中型・演劇ワークショップを開催します!その名も「吉祥寺シアター演劇部」。指導するのはとってもお洒落でユニークな舞台をつくっている広田淳一さん(劇作家・演出家)。「シアターゲーム」と呼ばれる遊び感覚のトレーニングから始めて、カラダを動かしたりセリフをしゃべったり、はじめての演劇を体験してみませんか?なんと最後にはミニ発表会もやっちゃいます。
ここでは「空気を読む」必要なし、いつもの自分と違っていいんです。最終日を迎えた時、目の前の世界は昨日までと違って見えるはず ---。
●日程 8月1日(月)~7日(日) 全7日間
8月1日(月) 13:00~17:00 ワークショップ
8月2日(火) 10:00~17:00 ワークショップ
8月3日(水) 10:00~17:00 ワークショップ
8月4日(木) 13:00~17:00 ワークショップ
8月5日(金) 10:00~17:00 ワークショップ
8月6日(土) 10:00~17:00 ワークショップ
8月7日(日) 発表 18:00開演 ( リハーサル10:00~ )
●募集要項
会場:吉祥寺シアター けいこ場
参加費:1,000円
*来年3月に吉祥寺シアターで上演される劇団「ひょっとこ乱舞」公演チケットプレゼント付き
定員:15名 *応募者多数の場合は抽選となります。
対象:中学1年生~高校3年生
指導:広田淳一(劇作家・演出家・劇団「ひょっとこ乱舞」代表)
●申込方法
「吉祥寺シアター演劇部係」宛に
①お名前 ②学年 ③住所 ④電話番号 ⑤保護者名 ⑥演劇経験の
有無 ⑦ひとこと(応募動機・期待すること等)を書いて、
FAX:0422-22-0977 または
メール:theatre(アットマーク)musashino-culture.or.jp
でお送りください。
応募〆切:7月15日(金)
お問合せ 吉祥寺シアター Tel: 0422-22-0911
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【広田淳一さんがあなたの疑問にズバリお答え!】
Q:演劇とかお芝居、やったことないけど大丈夫ですか?
A:まったく問題ありません。演技の基礎になるのはあくまで日常です。
Q:必要な持ち物は?
A:運動しやすい服装とシューズ、あとはちょっとの度胸と好奇心……と、タオルですかね。
Q:いま学校の演劇部に入ってますが……
A:もちろん経験者の方も大歓迎です。演劇の方法はひとつではありませんので、この際別の視点を手に入れに来て下さい!そして大いに混乱してください!
Q:最終日の発表ってどんなことするの?
A:短めの作品を作って発表を行いたいと考えています。どんな作品になるかは集まったメンバー次第です。
Q:広田さんて、どんな人?
A:それは僕がみなさんに教えてもらいたいぐらいです。
<広田淳一 プロフィール>
1978年東京生まれ。2001年に劇団「ひょっとこ乱舞」を旗揚げ。以降、全作品で脚本・演出を担当し、しばしば出演する。さりげない日常会話ときらびやかな詩的言語を駆使し、パワーとぬるさが入り混じった作品を発表。随所にクラッピングや群舞など音楽・ダンス的な要素も取り入れた、軽快かつファンタジックな舞台が若者の心をつかんでいる。今年4月には単身ソウルに乗り込んで韓国人俳優との共同創作『ドン・ジュアン』を発表。来年3月には吉祥寺シアターにて劇団公演を予定している。受賞歴:日本演出者協会主催若手演出家コンクール2004最優秀演出家賞(『無題のム』)、2005年佐藤佐吉賞最優秀演出賞・優秀作品(『旅がはてしない』)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
主催:公益財団法人 武蔵野文化事業団
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
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メルマガ 2011年07月のお薦め舞台

お薦めお芝居をご紹介しています
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“しのぶの演劇レビュー” Vol. 85 2011.07.01 1,747部 発行
┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/
今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
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◎既に酷暑が予想される7月・・・暑いですね~。
つばの広い帽子にペットボトルのお水は必携。出掛ける前に要チェックです。
関東では雨に濡れるのも危険なので、折り畳み傘も手放せません(涙)。
舞台には、あなたの心を揺さぶり、
人生の輝きを増してくれる奇跡があります。
“今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪
◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
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○○ 今回のもくじ
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◆1【今月のお薦め12本+α】
◎No.1→阿佐ヶ谷スパイダース『荒野に立つ』
07/14-31シアタートラム
http://www.spiders.jp/kouyanitatsu/
◆2【先月のベスト3】
◎No.1→SPAC『真夏の夜の夢』
06/04-05静岡芸術劇場
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0611165148.html
◆3【リーディングとトークのご紹介~アーティストと会いましょう!】
◎7月はアーティストと直接出会える贅沢な企画がたくさん♪
◆4【お薦め前売り情報1 前川知大さん作・演出『奇ッ怪 其ノ弐』】
◎2009年に大好評だった『奇ッ怪』の第2弾!
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/08/post_242.html
◆5【お薦め前売り情報2 こまつ座『キネマの天地】
◎1986年初演の井上ひさしさんの戯曲を、栗山民也さんが初演出。
http://www.komatsuza.co.jp/contents/performance/index2.html
◆6【編集後記】
◎「CoRich舞台芸術まつり!2011春」グランプリは箱庭円舞曲!
◆7【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪
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◆1 【今月のお薦め12本+α】
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▽★印がいちおし公演です(3本)。
▽初日の早い順に並べています。
▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
▽座種の記述がない公演は全席指定。
※高額のお薦め公演が少なかったので、3000円台の公演も含めました。
そのため、紹介本数が10本から12本に増えました。
6月から上演中のお薦め公演もありますので、スケジュールもご参考に。
http://www.shinobu-review.jp/schedule.html
1.サンプル+三鷹市芸術文化センター『ゲヘナにて』
07/01-10三鷹市芸術文化センター星のホール
☆出演:辻美奈子 古舘寛治 古屋隆太 奥田洋平 野津あおい
渡辺香奈 岩瀬亮 羽場睦子
脚本・演出:松井周
全席自由席・日時指定・整理番号付 一般前売3000円
一般当日3500円/高校生以下1000円(前売・当日共)
http://www.samplenet.org/yotei.htm
岸田國士戯曲賞を受賞したばかりの松井周さん率いる
劇団サンプルの新作。スタッフと俳優がともに創作するスタイルで、
「太宰治作品をモチーフにした演劇」を発表。
松井周インタビュー↓
http://performingarts.jp/J/art_interview/1.html
2.ハイリンド『牡丹燈籠』
07/01-10 d-倉庫
☆出演:伊原農/枝元萌/多根周作/はざまみゆき/小林愛/
阿川竜一/牛水里美/小豆畑雅一/田中千佳子/鬼塚俊秀
脚本:三遊亭円朝 演出:西沢栄治(JAMSESSION)
一般:前売/当日 3,500円 賛助会員:2,500円(全ステージ共通)
学生(高校生以下)割引 前売/当日2,500円(当日精算のみ、要学生証)
前半平日割(1日、4日、5日の19:30の回):前売/当日 3,000円
http://www.hylind.net/ ↓CoRichでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=26782
俳優集団ハイリンドの好評作の再演。西沢栄治さんの演出で
古典世界を濃厚に。俳優の語りで魅せてくれます。レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0819004440.html
3.はえぎわ『○○トアル風景』
07/06-11ザ・スズナリ
☆出演:井内ミワク 町田水城 鈴真紀史 滝寛式 竹口龍茶
川上友里 鳥島明 笠木泉 ノゾエ征爾
脚本・演出:ノゾエ征爾
指定席:前売3500円 当日3800円 自由席:前売3300円 当日3600円
学生・65歳以上:2500円 高校生以下:1500円
http://www.haegiwa.net/toaru.html
岸田國士戯曲賞の選考で松井周さんと一騎打ちになったノゾエ征爾さんの
新作。なんと興行収益全額を東日本大震災の義援金として寄付!
初日と2日目のトークゲストも豪華。前回公演レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1219144617.html
★4.阿佐ヶ谷スパイダース『荒野に立つ』
07/14-31シアタートラム
≪東京、大阪、福岡≫
☆出演:安藤聖 川村紗也 黒木華 斉藤めぐみ 佐藤みゆき 伊達暁
中村まこと 中村ゆり 中山祐一朗 長塚圭史 初音映莉子
平栗あつみ 福田転球 水野小論 横田栄司
脚本・演出:長塚圭史
5,800円 ※プレビュー公演4,500円
http://www.spiders.jp/kouyanitatsu/
長塚圭史さんの劇団新作公演です。キャストは豪華な実力派揃い。
失くした目玉を取り戻す旅に出る少女の、異色冒険譚だそうです。
下北沢経済新聞:http://shimokita.keizai.biz/headline/1218/
●お薦めポイント●
英国留学を経て、長塚さんは新しい創作方法を探求中です。
1年半前の劇団公演↓ではまだつかみ切れていないようでしたが、
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0122171307.html
昨年から今年は次々と高品質で奥深い作品を発表されています。レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0926221819.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1109170131.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1209151257.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0118155108.html
『荒野に立つ』は、何が起こるかわからないことが一番の魅力。
20代の若い俳優が多数出演していることにも惹かれます。
公演公式ツイッター:http://twitter.com/Kouyanitatsu
「天神サイト」長塚圭史インタビュー↓
http://tenjinsite.jp/topics/detail.php?hid=29527
5.兵庫県立芸術文化センター『秘密はうたう~A Song at Twilight~』
07/14-24紀伊國屋サザンシアター
≪東京、兵庫≫
☆出演:村井国夫 三田和代 保坂知寿 神農直隆
脚本:ノエル・カワード 演出:マキノノゾミ
6,300円
http://www.stagegate.jp/performance/2011/himitsu/index.html
マキノノゾミさんが1966年初演の英国戯曲を演出。
有名ベテラン俳優の競演に胸踊ります。N・カワード作品のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1012172759.html
6.華のん企画『子供のためのシェイクスピア「冬物語」』
07/14-18渋谷区文化総合センター大和田・さくらホール
≪東京、静岡、茨城、滋賀、大阪、高知、愛知、三重、新潟≫
☆出演:伊沢磨紀 佐藤誓 山口雅義 戸谷昌弘 尾崎右宗
キム・テイ 谷畑聡 太宰美緒 山崎清介
脚本・演出:山崎清介
A席 大人4,800円/子ども3,000円/ペア券6,500円/B席4,000円
http://www.canonkikaku.com/information/shakespeare.html
毎夏恒例の子供のためのシェイクスピア。今年は『冬物語』です。
シェイクスピア人形の大活躍が観たい。
7.ゲキバカ『ごんべい 江戸版/平成版』
07/14-24吉祥寺シアター
☆出演:西川康太郎 石黒圭一郎 鈴木ハルニ 伊藤今人 中山貴裕
渡辺毅 海野デカ 板橋駿谷 伊藤亜斗武 太田旭紀 岡田一博
片山敦郎 木村恵美子 佐賀モトキ 高木健 田中美甫 鶴町憲
泊ヶ山まりな 長瀬みなみ 西村風太 野田裕貴 三澤さき 山下亜矢香
脚本・演出:柿ノ木タケヲ
前売3,500円 当日3,800円
江戸版・平成版セット券:6000円
学生券:2500円 中高生:無料(枚数制限アリ)
http://gekibaka.com/ ↓CoRichでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=23757
ゲキバカ2011夏の陣は江戸版(再演)と平成版(新作)の2本立て。
身体能力の高い劇団員と多数の客演陣によるパワフルな娯楽作に期待。
8.ジェットラグプロデュース『11のささやかな嘘』
07/15-18銀座みゆき館劇場
☆出演:飛鳥凛、古山憲太郎、清水那保、梅舟惟永、酒巻誉洋、李千鶴
千紘れいか、岡﨑貴宏、はやし大輔、ぎたろー、板垣雄亮
脚本:ブラジリィー・アン・山田(ブラジル) 演出:古川貴義(箱庭円舞曲)
前売¥3,500 当日¥4,000
http://www.jetlag.jp
ブラジリィー・アン・山田さんは演劇界のみならず放送作家としても活躍中。
古川貴義さんは劇団以外の外部公演でも引っ張りだこです。2人のタッグが
興味深い上に、小劇場界で注目の役者さんも多数そろったプロデュース公演。
9.文学座7月アトリエの会『山羊…それって…もしかして…シルビア?』
07/15-30文学座アトリエ
☆出演:富沢亜古 今村俊一 若松泰弘 采澤靖起
脚本:エドワード・オルビー 演出:鵜山仁
前売り・一般4,000円 当日・一般4,300円
ユースチケット(25歳以下)2,500円
※未就学児のご入場はご遠慮下さい。
http://www.bungakuza.com/goat/index.html
『動物園物語』でも有名な米国の劇作家オールビーの戯曲を
鵜山仁さんが演出。文学座の中堅以上の俳優による4人芝居です。
『山羊…』はかなりぶっ飛んだ物語のはず!
★10.アル☆カンパニー『ゆすり』
07/21-26ザ・スズナリ
☆出演:平田満 大谷亮介 井上加奈子
脚本・演出:青木豪
椅子指定席3,800円/ベンチ自由席3,500円
学生3,000円(ベンチ席のみ)
http://www.aru-c.com/stage09.html
俳優の平田満さんと井上加奈子さんご夫婦が主宰する劇団が、
青木豪さんの作・演出作品を再演します。
9月には『罪』も再演されます。『罪』レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0427150947.html
★11.ホリプロ『太陽に灼かれて』
07/24-08/09天王洲 銀河劇場
≪東京、愛知、兵庫≫
☆出演:成宮寛貴 鹿賀丈史 水野美紀 美山加恋 大鷹明良
竹内都子 春海四方 那須佐代子 檀臣幸 今陽子 鷲尾真知子
脚色:ピーター・フラナリー(映画台本より) 翻訳:常田景子
演出:栗山民也
9,000円
http://hpot.jp/taiyou/
成宮寛貴さんと鹿賀丈史さんが共演する、栗山民也さん演出作品。
脇をしめる俳優陣も手堅く、上質な翻訳劇を味わえそう。
原作映画は1994年度の米国アカデミー賞外国語映画賞、
カンヌ国際映画祭グランプリを受賞。舞台版は2009年英国初演です。
12.キューブ『奥さまお尻をどうぞ』
07/30-08/28本多劇場
≪東京、大阪、東京≫
☆出演:古田新太 八嶋智人 犬山イヌコ 大倉孝二 入江雅人
八十田勇一 平岩紙 山西惇 山路和弘
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
一般7,200円(前売・当日共) 学生割引券4,300円
http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/kera-furuta11.html
ケラさんと古田新太さんが組んだ2007年の公演「犯さん哉」は、
途中退出する観客もいたほど強烈に“デタラメ”なお芝居だったようです。
今回もまた徹底的にデタラメさを追求するとのこと。
私はこういうタイプの作品は苦手なのですが、ケラさんが
このように↓ツイートされるので、興味激増してしまいました。
http://twitter.com/kerasand/status/85821626033254400
http://twitter.com/kerasand/status/85946907427475456
★★★──────────────────────────────
前売2000円台以下の気になる公演を3本ご紹介します。
──────────────────────────────★★★
○座・高円寺/あしたの劇場「世界をみよう!」
07/08-19座・高円寺1、阿波おどりホール
☆A『ピン・ポン』座・高円寺プロデュース(日本)
B『みにくいあひるのこ』シアター・リフレクション(デンマーク)
C『雨だれ』シアター・マダム・バッハ(デンマーク)
D『すずの兵隊』タレイアス・カンパニー(ドイツ)
全席自由。大人(18歳以上)2,500円 こども1,500円 未就学500円
パスポート9,000円(大人でも子どもでも6ステージ鑑賞可能)
すぎなみ子育て応援券がご利用になれます(窓口のみ取扱い)。
http://za-koenji.jp/detail/index.php?id=456
0歳から大人まで楽しめる演劇が海外から高円寺にやって来る!
○東京デスロック『再/生』
07/16-24 STスポット
≪横浜、京都、静岡≫
☆【デスロック版】出演:夏目慎也 佐山和泉 佐藤誠 間野律子
石橋亜希子 坂本絢
【タダフラ版】出演:石橋志保 小泉真希 斎藤淳子 野島真理
洪雄大 竹田英司 福田毅 村上聡一
演出:多田淳之介
日時指定・全席自由・整理番号付
※デスロック版、タダフラ版共に同料金
一般:前売(事前入金)2,500円 予約(当日精算)2,800円 当日3,000円
学生・シニア(65歳以上):前売(事前入金)2,000円
予約(当日精算)2,300円 当日…2,500円
http://deathlock.specters.net/
演出家・多田淳之介さんの劇団が、初演時に途中退出者も出た問題作を再演。
私はとても感動しました。2006年の初演レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/1027001220.html
中野茂樹+フランケンズの俳優が出演するタダフラ版との交互上演です。
○毛皮族の軽演劇2011『滑稽を好みて人を笑わすことを業とす』
07/23-08/09リトルモア地下
☆出演:江本純子 町田マリー 柿丸美智恵 羽鳥名美子 高野ゆらこ
延増静美 金子清文 吉牟田眞奈 他
※出演者は演目ごとによって異なります。
脚本・演出:江本純子
前売2,500円/当日2,800円 ※整理番号付自由席
※V演目は3演目セット券購入者の中から抽選でご招待
http://www.littlemore.co.jp/chika/event/201107/759.html
笑いに特化した毛皮族の軽演劇は大人気で、完売続出するそうです。
原宿の地下の小空間で贅沢な演劇体験を、お気軽にどうぞ。
≪静岡・SPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭2011≫
6月に開幕した静岡の国際演劇祭も、とうとう終盤です。↓記者発表
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0414230505.html
○オマール・ボラス演出『シモン・ボリバル、夢の断片』
07/02-03静岡芸術劇場
☆出演:オマール・ポラス SPAC(木内琴子 貴島豪 たきいみき 渡辺敬彦)
演出・翻案:オマール・ポラス 原作:ウィリアム・オスピーナ
来日メンバーの変更により公演内容を変更。演出・主演の
オマール・ポラスさんは「俳優一人、椅子一つ、ロウソク一本だけでも
芝居は続けうることを示したい」と上演の意志を表明しました。
http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/fragments
http://spac.or.jp/blog/?p=6934
http://spac.or.jp/blog/?p=6948
http://spac.or.jp/blog/?p=6986
2週間でつくる静岡オリジナルの新作になるようですね。
○クリスティーヌ・ルタイユール演出『ヒロシマ・モナムール』
07/02-03舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」
☆出演:ヴァレリー・ラング、太田宏、ピエール・ラマンデ
演出・装置:クリスティーヌ・ルタイユール 作:マルグリット・デュラス
一般大人4,000円/大学生・専門学校生2,000円
※刺激の強い表現がありますので、若年者の観劇はおすすめしません。
http://www.spac.or.jp/11_fujinokuni/hiroshima
デュラス戯曲は今年3月にも静岡に招聘されました。レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0305121036.html
≪ミュージカル≫
○ホリプロ『ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」』
07/20-31東京国際フォーラム ホールC
≪東京、愛知、兵庫≫
☆出演:高畑充希 橋本じゅん 神田沙也加 皆川まゆむ 瀬戸カトリーヌ 他
原作:ジェームズ・M・バリ 演出:桑原裕子
ドリームシート(おとな・こども同一料金)¥6,800
S席おとな¥7,800 S席こども(3~12歳)¥4,800
A席(おとな・こども同一料金)¥3,000
http://hpot.jp/peter
毎夏恒例のミュージカル。今年はKAKUTAの桑原裕子さんによる新演出です。
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◆2 【先月のベスト3】
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1.SPAC『真夏の夜の夢』
06/04-05静岡芸術劇場
☆野田秀樹さんは本物の詩人なのだとやっと知りました。
静岡で2ステージのみだったので、東京でも拡大版再演を希望!
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0611165148.html
2.世田谷パブリックシアター『モリー・スウィーニー』
06/10-19シアタートラム
☆今年上半期の翻訳劇の収穫。目に見えないものの豊かさを
全身で味わえる演出は、劇場だからできること。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0617153113.html
3.東京芸術劇場『芸劇eyes番外編「20年安泰。」』
06/24-27水天宮ピット
☆まず企画が素晴らしい。バナナ学園純情乙女組に心奪われました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0625135816.html
その他はタニノクロウ演出『エクスターズ』、新国立劇場『雨』、
Studio Life『PHANTOM~…』、新国立劇場『おどくみ』など。
◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
2011年6月(観劇数25作品)は残念ながら発行しませんでした。
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◆3 【リーディングとトークのご紹介~アーティストと会いましょう!】
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◎7月は国内・海外のアーティストのトークや、海外戯曲の朗読など、
舞台本公演以外にも充実の企画が多数あります。
作品鑑賞からさらに一歩近づいたコミュニケーションの機会として、
とっても気になるものをいくつかご紹介します。
【リーディング公演】
〈1〉東京ドイツ文化センター『文学盲者たち』
VISIONEN ドイツ同時代演劇リーディング・シリーズ第3回
07/17(日) ドイツ文化会館ホール(OAGホール)
☆出演:古舘寛治 古屋隆太 奥田洋平 野津あおい 島田桃依 伊東沙保
脚本:マティアス・チョッケ 演出:松井周
(全席自由) 一般1500円 学生・ドイツ語講座受講生1000円
http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja7141444v.htm
〈2〉東京ドイツ文化センター『あなたの瞳の奥を見抜きたい
人間社会にありがちな目くらましの関係』
VISIONEN ドイツ同時代演劇リーディング・シリーズ第4回
07/19-20ドイツ文化会館ホール(OAGホール)
☆翻訳・出演:原サチコ(ドイツで活躍する日本人俳優)
脚本:ルネ・ポルシュ
(全席自由) 一般1500円 学生・ドイツ語講座受講生1000円
終演後はアフタートークを予定。
http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja7567512v.htm
【トーク/講演など】
《1》KAATオープントークVol.2
「ポスト3.11の論点 ぼくらの『リアル』について考える」
07/02(土)19:00~@KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
☆出演:岡田利規/石川直樹 司会:岩城京子
入場無料
http://www.kaat.jp/news/2011/06/kaat-vol2.html
《2》セゾン文化財団「サヴィータ・ラニ パブリック・トーク」
07/08(金)19:00~21:00@森下スタジオ
☆出演:サヴィータ・ラニ(インド若手女優、演出家)
内容:インド現代演劇について/自身の創作活動について
入場無料。トークの後、懇親会あり。
予約推奨。定員になり次第、受付〆切。
http://www.facebook.com/event.php?eid=128637180552926
《3》東京ドイツ文化センター「講演 ドイツで生きる 役者を生きる」
07/10(日)14:00~16:00@ドイツ文化会館ホール
☆出演:原サチコ(ドイツで活躍する日本人俳優)
聞き手:伊達なつめ(演劇ジャーナリスト)
http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja7567518v.htm
《4》世田谷パブリックシアター『世田谷アーティストトークVol.9』
07/19日(火)19時~21時@世田谷文化生活情報センター ワークショップルームA
☆ゲスト:広田淳一(ひょっとこ乱舞)
1,000円(1ドリンク付)
http://setagaya-pt.jp/workshop/2011/06/post_212.html
※ドイツ在住の俳優である原サチコさんは、昨年井上ひさしさんの朗読劇
『少年口伝隊 一九四五』のドイツ上演を企画・出演されました。
http://blogs.yahoo.co.jp/sahanoha2000/25875309.html
http://blogs.yahoo.co.jp/sahanoha2000/26775846.html
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◆4 【お薦め前売り情報1 前川知大さん作・演出『奇ッ怪 其ノ弐』】
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◎2009年に大好評だった『奇ッ怪』の第2弾が上演されます!
第1弾は小泉八雲の「怪談」をもとにした短編集でしたが、
今回の題材は「能」「狂言」。作・演出は前川知大さんの続投。
メインキャストの継続出演も嬉しいですね。
●世田谷パブリックシアター『現代能楽集VI「奇ッ怪 其ノ弐」』
08/19-09/01世田谷パブリックシアター
≪東京・新潟・兵庫・福岡≫
出演:仲村トオル/池田成志/小松和重/山内圭哉/
内田慈/浜田信也/岩本幸子/金子岳憲
作・演出:前川知大(イキウメ)
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/08/post_242.html
『奇ッ怪』は文句のつけようのない娯楽作で、メルマガ号外を発行↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0712105218.html
『奇ッ怪』の詳しいあらすじ↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0713142132.html
ご家族、お友達、恋人と一緒に楽しめる作品だと勝手に想像。
今回もまた恐怖と笑いが交錯する不可思議な世界を見せてくれそう。
会場はシアタートラムから世田谷パブリックシアターへと規模拡大
していますね。前川さんの世田パブ初進出にも期待が高まります。
≪東京公演チケット≫
一般発売日:2011年7月2日(土)
全席指定 未就学児童の入場不可
一般:S席6,500円/A席4,500円
高校生以下:一般料金の半額
U24(アンダー24):一般料金の半額
劇場友の会会員割引:S席6,000円
世田谷区民割引:S席6,200円
≪プレイガイド≫
世田谷パブリックシアター
パソコン:http://setagaya-pt.jp/ticket_buy/
携帯:http://setagaya-pt.jp/m/
その他は公式サイトでどうぞ。
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/08/post_242.html
≪お問い合わせ≫
世田谷パブリックシアターチケットセンター
電話:03-5432-1515
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◆5 【お薦め前売り情報2 こまつ座『キネマの天地】
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◎1986年初演の井上ひさしさんの戯曲を、栗山民也さんが初演出されます。
女優の麻実れいさん、三田和代さん、秋山菜津子さんの共演・・・!
出演者が豪華すぎて目がチカチカしちゃいます(笑)。
●こまつ座『キネマの天地』
09/05-10/01紀伊國屋サザンシアター
≪東京、大阪、盛岡、他?≫
☆出演:麻実れい 三田和代 秋山菜津子 大和田美帆 木場勝己
古河耕史 浅野和之(台本順)
脚本:井上ひさし 演出:栗山民也
http://www.komatsuza.co.jp/contents/performance/index2.html
ある女優の死にまつわる4人の女優の物語は、
井上戯曲らしい劇中劇の構成で、サスペンスの香りも漂います。
初演前年に公開された映画『キネマの天地』の続編で、映画監督や
映画スターが登場しますが、今作の舞台は劇場。前知識ゼロで大丈夫です。
今年上演された井上戯曲の栗山演出作品は『日本人のへそ』と『雨』。
どちらも日本語の面白さ、演劇の力を見せてくれる大作でした。レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0310222251.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0624002133.html
『キネマの天地』も期待を裏切らないでしょう!
≪東京公演チケット≫
一般発売日:2011年7月9日(土)
全席指定 未就学児童の入場不可
一般7,350円 学生割引5,250円
※学生:中学、高校、大学、各種専門学校ならびに演劇養成所の皆様
≪プレイガイド≫
こまつ座オンラインチケット
http://www.komatsuza.co.jp/contents/ticket/index.html
その他は公式サイトでどうぞ。
http://www.komatsuza.co.jp/contents/performance/index2.html
≪お問い合わせ≫
こまつ座 電話:03-3862-5941
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◆6 【編集後記】
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◎「CoRich舞台芸術まつり!2011春」グランプリ決定!!
http://stage.corich.jp/festival2011/grand_prix.php
スポンサード公演は箱庭円舞曲の11月公演@下北沢駅前劇場です!
◎東電福島第一原発事故により、首都圏にも放射能汚染が広がりました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0518215108.html
内部被ばくを減らすために、食材の産地を調べて購入しています。
東京で放射能のことを考えずに暮らすことはあきらめました。
地震もまだ落ち着いていませんから、非常時の心構えを続けたいです。
◎【意見】NHK「芸術劇場」「ミッドナイトステージ館」
「プレミアムシアター」での演劇舞台中継の継続を嘆願します
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0202151800.html
◎【厳選シアター情報誌Choice!】TOPページ右下の“ちょいナビ”にて、
http://www.next-choice.com/
“しのぶの演劇レビュー”をご紹介いただいています!
◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
2011年6月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
・「わたし出すわ」←身の丈に合わないお金との付き合い方。
http://watashi-dasuwa.com/
・「ノルウェイの森」←素晴らしい芸術作品。夢にも見てしまった。
http://www.norway-mori.com/
・「SRサイタマノラッパー2~女子ラッパー☆傷だらけのライム~」
http://sr-movie.com/ ↑やっぱり最後は泣かされた。
・「君と歩こう」←ズダボロでもたくましく生きる。
http://kimito-arukou.com/
・「借りぐらしのアリエッティ」←小人視点の日常が可愛い。
http://www.karigurashi.jp/
◎ツイッターやってます!フォロワー2600人超えに感謝♪
⇒ shinorev : http://twitter.com/shinorev
情報収集はもっぱらツイッター頼りです。
実名アカウント同士の身のあるやりとりから仕事に直結!
最近は震災・原発事故関連の公式リツイートが多いです。
◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
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◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
感想も書き込めますよ♪
http://stage.corich.jp/
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携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s
◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
それが私の望みです。
これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪
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