先日講演を拝聴した原サチコさんのリーディング公演に伺いました。「予約が少なくて…」と聞いていましたが、2日目はすっごい盛況!海外で活動されている日本人の演出家、俳優などの演劇関係者が大勢いらしていました。
リーディングの上演時間は約1時間強。その後は原サチコさん、熊林弘高さんを迎えたトークがありました。司会は講演と同様に伊達なつめさん。
⇒アーティスト紹介(ドイツ文化センター内)
⇒原サチコさんのブログ
⇒原サチコ講演「ドイツで生きる 役者を生きる」レポート
⇒ハノーファー州立劇場のドラマトゥルクであるユーディット・ゲルステンベルクさんのインタビュー
⇒CoRich舞台芸術!『あなたの瞳の奥を見抜きたいー人間社会にありがちな目くらましの関係』
ここからネタバレします。
一人で観客に語りかける原さん。最初から観客と積極的に関わって、原さん自身のまま存在しているのが前提。太陽のような人だと思いました。
「inter-active theater」の反対のものとしての「inter-passive theater」という発想がとても面白かったです。
人間は他人と共感したいと強く思うものですが、実は他人と共感することなんて本質的には不可能で、共感できたと思っていてもそれはただの思い込み。そのとおりだなと思います。
以下、メモしたセリフです。正確性は保障できません。
「真実は決して真実なんかではありません。」
「人はひとつの魂から生まれた。母親からではありません。」
「魂は、肉体と肉体の外側とのふれあいそのもの」
「肉体こそがいつでも抗議者である。」
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
主な話題は演出家ルネ・ポレシュさんについてでした。2006年の日本公演で熊林さんはプロンプターでありながら出演者の1人になっていたそうで、原さんがおっしゃるには、ポレシュさんの舞台でそういうことは常だそうです。
原「ルネは俳優に、いつもその人自身であって欲しいと思っている。」
ポレシュさんは俳優との信頼関係をとても大切にされる演出家のようですね。9月の日本公演(⇒記者会見)ではドイツ人俳優との創作が初めて日本で観られます。楽しみです。
リーディングとアフタートーク
VISIONEN ドイツ同時代演劇リーディング・シリーズ第4回
“Ich schau dir in die Augen, gesellschaftlicher Verblendungszusammenhang!”
翻訳・出演:原サチコ 脚本:ルネ・ポルシュ RenePollesch 映像:黒田隆行 制作協力:有限会社M★A★S★H 制作:横堀応彦 宣伝美術:相馬称 主催東京ドイツ文化センター
【発売日】2011/06/04 一般1500円 学生・ドイツ語講座受講生1000円 (全席自由、開場は開演の30分前、受付開始は1時間前)
http://www.goethe.de/ins/jp/tok/ver/ja7567512v.htm
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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