“中津留章仁Lovers”ってすごい名前ですね。TRASHMASTERSの中津留章仁さんのプロデュースユニットなのでしょうか。中津留さんはトム・プロジェクト公演でよく作・演出されていますよね。昨年は岸田國士戯曲賞の最終候補に選ばれました。
『黄色い叫び』は「東日本大震災をモチーフにした話題作」。4月に上演されたばかりですが、好評ゆえに7月に再演とのこと。上演時間は約2時間25分。タイニイアリスでの長時間は、客席環境の面できつかったです。
戯曲がテアトロ2011年8月号に掲載されています。ロビーで販売されていました。
⇒CoRich舞台芸術!『黄色い叫び(再演)』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
寂れた田舎町に暮らす、若者たちの青春群像。
≪ここまで≫
舞台は過疎地の青年団事務所。3月11日の震災後のお話です。4月に上演したのですからオンタイムですね。
演技がヤクザ映画やテレビの刑事ドラマみたいで、“過疎の村の若者たち”がかっこつけてるのが、どうにも滑稽に見えてしまいました。ため息つくのも相づち打つのも振り返ってにらみつけるのも、画面でアップになった時のキメ演技のような・・・登場人物全員がそうなのが凄い。徹底してますね。いつもこういう作風だとしたら私には合わないです。
色々と都合よく進むストーリーで、残念ながら興味が持続しませんでした。演技と演出が違えば印象は変わるかもしれません。
ここからネタバレします。
台風がひどくなり、会議で懸念していたとおりの土砂崩れが起きてしまいます。「天災で死ぬのは当人が悪いんだ」と豪語していたサーファーがひどい怪我をするなど、実際に被災者になることで当事者意識に目覚めていくという筋書き。
東京などの人口の多い都市だけを守り、過疎地を棄てているという指摘は、残念ですがその通りだと思います。この震災で、日本という国では全ての国民の生命が平等に大切にされるわけではないってこと、よくわかりました。自分のことは自分で守らなくてはいけない。
停電してからはろうそくと小さな照明だけの明かりでした。4月は震災直後だったから節電を心がけたのかな~と想像。計画停電とか、今思うと本当にひどかったですね。節電の暴力は今も続いていますが。
女性は2人登場します。男性視線の描き方だなと思いました。
中津留章仁Lovers Vol.4
出演:阿部薫[TRASHMASTERS] 星野卓誠[TRASHMASTERS] 小林博[激弾BKYU] 瀬戸早妃 浦島三太朗[昭和芸能舎] 高久ちぐさ 片山享 永井浩介 横谷豪紀
作・演出:中津留章仁 音楽:高畠洋 舞台美術:福田暢秀 照明:畑田圭未[LIGHT UP] 音響:佐藤こうじ 舞台監督:白石定 宣伝美術:中塚健仁 制作:小畑幸英 企画・製作:TRASHMASTERS ラストクリエイターズプロダクション
料金 [整理番号付き自由席] 前売3800円 当日4000円 21日[木]、22日[金]公演のみ、 前売3000円、当日3500円の割引価格となります。開場は開演の30分前。未就学児童のご入場はお断りしています
http://www.lcp.jp/nlovers/next.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
便利な無料メルマガも発行しております。