今年も東京にTACT/FEATIVALがやってきてくれました。東京芸術劇場が閉館中のため、会場は稽古場施設の水天宮ピットです。
昨年人気炸裂だった『ひつじ』(レビュー⇒1、2)の開演時刻には残念ながら間に合わず(涙)、『ビモ・ボトッ~ビモのおにたいじ~』と『飛行隊』を拝見。
野外テントでは大道芸や楽器演奏が行われており、すべて鑑賞無料。屋台もありました。一日中遊んで行った方もいらしたようです。
⇒CoRich舞台芸術!『飛行隊』『ビモ・ボトッ~ビモのおにたいじ~』
ここからネタバレします。
■【カナダ/演劇・マイム】コープス『飛行隊』
≪あらすじ・作品紹介≫
カナダ軍第217飛行中隊は、きびしい予算削減により飛行機をすべて失ってしまいました。でも5人の戦闘パイロットは志を失わず、可能なあらゆる場所で地上訓練を続けていきます。ポップ司令官の指揮の下、カナダだけではなく世界各地で厳しくも陽気な、観客も参加する飛行訓練を展開中。
≪ここまで≫
厳しい司令官のもと、男女各2名ずつ合計4名のパイロットが、組体操のような身体表現で訓練の様子を非常にコミカルに見せてくれます。衣裳は全身黒タイツ。英語、フランス語、スペイン語(?)そして日本語など、数種類の言語が当然のように混在しているのが素敵。
コープスは『ひつじ』も上演しています。羊飼い役のデヴィッドさんが飛行隊の鬼・司令官役。ちょーかっこいーーーーーーー!!!
客席から1人の観客を選んで、飛行隊の一員として訓練する場面があります。私が観た回の参加者は小さなお嬢さんと一緒だった若いお母さん。この方が見事に飛行隊と一緒に演技をされて、拍手喝さい!あれはかっこ良かったな~。
最後は「カナダには飛行機がない。でもアイデアはある!」と言って、飛行機が飛ぶところ(パイロット4人が司令官を持ち上げる)を見せてくれました。大スタジオの搬入口から外へと飛び立って終幕。
■【インドネシア/影絵】ハナ★ジョス/インドネシア『ビモ・ボトッ~ビモのおにたいじ~』
≪あらすじ・作品紹介≫
屋敷を焼かれ、あてもなく森をさまよっていたビモとその家族に親切に宿を貸してくれたとある村。しかし、その村は人食い鬼がやってくる村で、ビモは親切にしてくれた村人のために、どこからかやってきた道化師たちとともに鬼退治にむかいます!
≪ここまで≫
流暢な日本語でコミカルな影絵を見せてくれました。上手手前では楽器の生演奏があり、影絵に合わせて歌と音楽を聴かせてくれます。
実は人形はフルカラー。切り絵が微細で美しいです。最初はスクリーンの裏側で人形を操作していたのですが、中盤以降は人形使いのお兄さん(1名)が人形を持ってスクリーンの表側に移動してきました。客席に背を向け、スクリーンに人形をすりつけるようにして、前半と同じように演技をしてくれます。客席が舞台裏になる逆転が面白かったですね。
大きな葉っぱ(のようなもの)を裏返すと燃え盛る炎の絵が書いてあり、善悪(天国と地獄)が表裏一体になっていることを表しているようでした。人食い鬼を若者が退治する話ですが勧善懲悪ではなく、最後にはやんわりと、世界は清濁併せ持つものであるというメッセージがあったように思います。
お歯黒のお姉さんは一体どういう意図のキャラだったんでしょうか・・・(笑)
TACT/FEST 7-8月 2011年 大阪・松本・新潟・東京・びわ湖
国際自動青少年芸術フェスティバル・こどもとおとなのシアターパーク
http://www.tact-japan.net/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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