中屋敷法仁さんが作・演出・代表をつとめる劇団柿喰う客の新作は、“女体シェイクスピア”という新シリーズの第一弾。『ハムレット』を女優だけで上演します。上演時間は約1時間30分だったかと。こんな短時間の『ハムレット』を観たのはたぶん初めてですね。あ、女優ばかりというのも初めてです。
主要登場人物だけに絞ることなく作品の全容を描いていることに感心。個人的に何より面白かったのは現代口語に脚色されたセリフたち!
公演パンフレット(有料)が豪華でした。観劇後に「あの役をやってた女優さんはこんな人なのね」と楽しめる本格的なもので、そして…ネタバレになるので後ほど。
⇒CoRich舞台芸術!『悩殺ハムレット』※CoRichでカンタン予約!
レビューは後ほどアップ予定。加筆完了(2012/07/27)。
≪あらすじ≫ 公式サイトより
偉大なる国王が変死を遂げ、風雲急を告げるデンマーク!
新たに王位を継いだのは、残忍で下劣な先王の実弟クローディアス!
王妃ガートルードは義弟との愛欲に溺れ、王子ハムレットは陰鬱と狂気に取り憑かれる―
「なんてこった・・・この世の歯車がイカレちまった!!」
柿喰う客の新機軸!女優によるシェイクスピア上演プロジェクト第一弾!
“悩まし過ぎる”復讐劇、ここに解禁!!
≪ここまで≫
実は劇場内でちょっと不運な環境にあり、あまり集中して観られませんでした。誰も悪くないんです。ただ、不運だったのが残念です(涙)。
不良っぽいムード全開で、ホストクラブみたい。舞台中央の赤いソファ以外にはほぼ何もない空間で自在に場面転換します。舞台後方に人が並ぶのがかっこいいですね。
ハムレット役の深谷由梨香さんのはっきりとした語りのおかげで、強烈な(笑)現代語訳のセリフを味わえました。
フォーティンブラス役の七味まゆ味さんの、空間を支配する存在感が素晴らしかった!
ここからネタバレします。
いきなり「馬鹿野郎」「この野郎」と罵声から始まったのが、私にとっては出落ち(笑)。『ハムレット』なのに!
「To be, or not to be, : that is the question.」というハムレットの有名なセリフの現代語訳(?)がめちゃくちゃ面白かった!「~~系?それとも~~系?」って言ってましたね。
チラシとパンフレット用の写真を同じ時に撮影されたんでしょうね。なんと本番の舞台で着ている衣裳と同じなんです!どんなに早くから配役、衣裳、ヘアメイクを決めていたんでしょう!すごいわ~。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演(下手から):深谷由梨香 中屋敷法仁
中屋敷「女優さんがもっと活躍して欲しいと思ったので、女優ばかりのシェイクスピアを。」
中屋敷「『悩殺ハムレット』は悩んで殺すから、悩殺。」
たしかに蜷川幸雄さんのオールメールシリーズは男優ばかりのシェイクスピアですよね。イケメン・ブームで男性アイドルが出るお芝居が多いのは事実ですので、私も女体シェイクスピアには賛成。次回は来年4~5月に『絶頂マクベス』を吉祥寺シアター他で上演するそうです。
女体シェイクスピア001≪東京、三重、大阪、愛知≫
出演:七味まゆ味 コロ 深谷由梨香 右手愛美 葉丸あすか 大杉亜依里 岡田あがさ 荻野友里 葛西幸菜 葛木英 熊川ふみ 髙島玲 新良エツ子 兵頭祐香 渡邊安理
原作:W.シェイクスピア 脚色・演出:中屋敷法仁 【美術】原田愛【照明】富山貴之【音楽】佐藤こうじ【音響】上野雅【衣裳】高木阿友子【ヘアメイク】田中順子【舞台監督】棚瀬巧
【発売日】2011/07/30 初日割引:2,500円(9/16) 一般料金:3,300円(9/17~19) 一般料金:3,800円(9/22~25) ガールズナイト:女性:2,500円/男性:5,000円(9/17夜/9/24夜) 昼割公演:2,800円(9/21昼) 乱痴気公演:3,800円(9/21夜) 学生:2,000円/高校生以下:1,000円(全ステージ) (※学生、高校生以下チケットは当日会場にて座席指定チケットに引換) ※当日料金は前売料金より500円増です。
http://kaki-kuu-kyaku.com/hamlet/
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/09/001.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
便利な無料メルマガも発行しております。