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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2011年11月18日

tpt『袴垂れはどこだ』11/17-30すみだパークスタジオ倉

 福田善之さんの1964年初演戯曲を、千葉哲也さんが演出されるTPTの新作です。すみだパークスタジオ倉という空間にはじめて伺いました。ちょっとベニサン・ピットを思い出したり。

 時代ものの設定に慣れるのに少々苦労しましたが、中盤から一気に面白くなりました。上演時間は約2時間10分。舞台から埃が舞うのでマスクを携帯されると良いかもしれません。
 帰り道のツイート⇒

 若い俳優が大勢出演しています。ベテランの山本亨さん、真那胡敬二さんがしっかり引き締めてくださっていました。
 
 ⇒CoRich舞台芸術!『袴垂れはどこだ

 ≪あらすじ≫
 江戸時代(?)。圧政に苦しむ農民たちは、いつしか勇猛な盗賊「袴垂れの党」がやってきて、非道な役人たちを懲らしめ、取り立てられた年貢を奪い、貧しい自分たちに分配してくれると信じていた。しかし待てども待てども袴垂れは現れない。
 ≪ここまで≫

 山本亨さんが登場したとたん、それまでと鮮やかに対比できて面白くなりました。若いキャストでは今回初舞台という岡山天音さんがとても良かったです。

 ラストの演出は、パンフレットの福田さんの言葉にもあった「ブレヒト的」で、私自身とこの作品が直接出会ってぶつかって、交わることができたように感じいました。

 ここからネタバレします。

 岡山天音さんは妹、妻、母を殺されたため、地頭の息子をなぐり殺してしまった農民役でした。

 黒子のような衣装の若い女性が大勢、コロスを演じます。黒い傘を開いて回して踊ったり、開いた傘を縦に並べて壁のようにしたり。最後に死んでしまった男たちが傘を差したことで、周囲のコロスもまた死者たちだったとわかるのがいいですね。でもコロスはあんなに大勢はいらなかったんじゃないかしら。

tpt80
出演(一部Wキャスト):山本亨, 鈴木ゆき, 真那胡敬二 伊藤公一 上田和弘 江前陽平 岡山天音 熊本昭博 小寺悠介 田村元 豊永伸一郎 中川香果 福田裕也 山田宏平 秋定史枝 飯塚紗 飯村綾子 今井夢子 大樹桜 大道朋奈 岡田さやか 櫻井美代子 鈴木まりこ 瀬尾さよ子 田嶋真弓 田口かすみ 中井奈々子 西原沙矢香 蓮見のりこ 浜田えり子 林咲希 トン子 三辻香織 森田綾 渡辺樹里 伯鞘麗名
作◎福田善之 演出◎千葉哲也 美術◎朝倉摂 照明◎金英秀 衣裳◎桜井久美 音楽監督◎後藤浩明 振付◎伯鞘麗名 音響◎長野朋美 舞台監督◎宮下卓
【休演日】10月21日(月)【発売日】2011/10/17 4,000円 25歳以下&65歳以上(tpt電話予約のみ取扱):3,000円
http://www.tpt.co.jp/aboutus/archive/080.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2011年11月18日 10:57 | TrackBack (0)