品川能正さんが脚本・演出を手掛ける東京ギンガ堂の二人芝居を拝見。大正時代に活躍した女優、伊沢蘭奢(いざわらんじゃ)の物語です。紀伊國屋サザンシアター(468席)での2人芝居というと、私が観たことがあるのはこまつ座の『父と暮せば』ぐらいかと思います。
いい感じに客席が埋まった初日。無声映画の弁士役など数役を演じた山本悠生さんが、期待以上の堂々たる演技を見せてくださいました。
⇒CoRich舞台芸術!『女優X』
※レビューはほぼ記録のみ。
≪あらすじ・作品紹介≫ 劇場サイトより
1923年(大正12年)9月1日関東を襲った巨大地震、関東大震災は東京を廃墟とし、死者・不明者10万人の大災害をもたらした。
経済も文化も崩壊した東京の人々に夢と希望を与えたのは瓦礫の中から立ち上がった女優「伊沢蘭奢」だった。
新劇界で華々しく活躍し、忽然とこの世を去った伝説の大女優の波乱の人生を描く。
徳川夢声に慕われた謎多き女優「伊沢蘭奢」を描いた夏樹静子氏初の伝記小説『女優X』を品川能正が脚本化、舞台化する。
主人公伊沢蘭奢に劇団昴の米倉紀之子が、徳川夢声を山本悠生が演じる。
東京ギンガ堂初の2人芝居にご期待下さい。
≪ここまで≫
ここからネタバレします。
山本悠生さんは新国立劇場演劇研修所の1期生です。幕開けから観客の心をガッチリつかむ、明るくて力強い語り。体の動きがしなやかでバネもあり、飽きさせないどころか魅せてくださいました。演じ分けも素早くてくっきり鮮やか。
結婚して子供もできた夢声(山本悠生)が、かつての恋人しげ(米倉紀之子)に久しぶりに会いにきた場面が良かったです。ちゃんと大人の男性に変化されていました。しげの息子役でも、同じ役者さんということを忘れるほどの鮮やかな演じ分けでした。大きな舞台でどんどん活躍していっていただきたいです。
出演:米倉紀之子 山本悠生
原作:夏樹静子 脚本・演出:品川能正 音楽:日高哲英 舞台美術:加藤ちか 照明:関嘉明 音響:今西工 衣裳:大野典子 写真:宮内勝 舞台監督:岩崎健一郎 演出助手:小松明人 宣伝美術:三井孝弘 制作:木村優子 企画/制作:東京ギンガ堂
【発売日】2011/09/22[全席指定] 前売4,000円 当日4,500円
http://www.kinokuniya.co.jp/label/20110818120300.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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