2011年12月30日
【寄稿】wonderland『年末回顧特集「振り返る私の2011-今年の3本」』
“wonderland”の年末回顧特集「振り返る 私の2010-今年の3本」に参加させていただきました。⇒2010年、2009年、2008年、2007年、2006年
■しのぶの小劇場ベスト3(上演順)
1.SPAC『ヒロシマ・モナムール』
2.KUNIO『エンジェルス・イン・アメリカ 第一部・第二部一挙上演』
3.Produce lab 89『官能教育~官能をめぐるリーディング~ 藤田貴大×中勘助「犬」』
『官能教育 藤田貴大×中勘助「犬」』は昨年の私的No.1だったクロード・レジ演出『彼方へ 海の讃歌』を超える強烈な体験になった。『ヒロシマ・モナムール』では崇高な志を持つ俳優の仕事に触れられた。『エンジェルス・イン・アメリカ 第一部・第二部一挙上演』は演出力が冴える、カットなしの本格的な一挙上演。
その他は葛河思潮社『浮標』、TAKE IT EASY!×末満健一2011『舞台版「千年女優」』、世田谷パブリックシアター『モリー・スウィーニー』(上演順) 。
3.11以降、東京で暮らす私は慣れ親しんだ生活スタイルや、楽観的に描いていた人生設計を変えざるを得なかった(そのように強いられた)。その影響は今も続いている。演劇が私の人生を豊かにしたと声を大にして言えるし、自分はこれからも演劇を必要とするだろう。でもこの先、自分がどんな演劇を欲するのか、わからない。
(注)3作品の並びは上演順。客席数300席以下の小劇場公演から選出。年間観劇本数は287本の予定(2011/12/25時点)。
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年12月28日
クロムモリブデン『節電ボーダートルネード』12/20-30赤坂RED/THEATER
青木秀樹さんが作・演出される劇団クロムモリブデンの新作。今年の震災および原発事故で露わになった日本の腐敗した政治、経済の実態を、ブラックユーモアを大量に散りばめて描く娯楽作でした。
“フィクションを超えた現実”を生きることになった私たちに、フィクションの力でその現実からの再生を示してくれました。あまりに感動したのでロビーで公演Tシャツを購入!上演時間は約1時間35分。
⇒CoRich舞台芸術!『節電ボーダートルネード』
※レビューは2012年6月27日にアップしました。
≪あらすじ・作品解説≫ CoRich舞台芸術!より。
巨大竜巻に襲われた地区の隣街では倒壊した刑務所から凶悪凶暴犯罪ボーダーたちが脱走してくるのではないかとの噂が噂を呼ぶ。
受験生が受刑者と間違われ、狡賢い人が偽善者と間違われ、模範囚がギタリストに間違われる。
偽ミュージシャンが横行し、銀行は襲われ、お札は救われ、女性たちは怯え、海は荒れ果て、猫はビョーと鳴き、ウミネコが空から降り注ぐ!
そんなダイナモ切ない帯電男が粋な看守の計らいで、トルネードあふるるトレモノ女に風力の歌を聴けとばかりに無理強い迫りくる
直流交流ツイスト&ツイスター!ディザスター!
≪ここまで≫
腰の高さまでありそうな四角い台が2つ、舞台上に置かれています。その台の真ん中には穴があいていて、そこから人が飛び出たり沈み込んだり。舞台の床下に秘密の通路があるんじゃないかと想像させ(実際はないのに)、異次元への通路のような役割を果たしていました。
不謹慎とも受け取れる妄想世界がノリノリに実体化されます。爆音の音楽が気持ちいい!私の中の暴力的な何かが目覚めるような、興奮と快感がありました。うーん、恐ろしいね私!
役者さんはそれぞれに個性をはっきりと出して、媚びずに堂々と存在。鬱の女性(幸田尚子)と躁の女性(七味まゆ味さん)の精神病患者コンビの早口演技合戦は圧巻!看守(?)役の森下亮さんのドS(エス)ッぷりに、またもやゾッコンでした。
ここからネタバレします。
全体が、幼い女の子に性的いたずらをして牢屋に入っていた精神科医(板倉チヒロ)と、その被害者女性(幸田尚子)の妄想だった…とも受け取れる構造でした。“加害者”を一方的に責めて、吊るしあげるのではなく、彼もまた人間であると描いていたように思いました。
被害者女性(幸田尚子)がスーツ姿で左の穴から飛び出した時、「あぁ、彼女は治ったんだ」と思いました。それは夢だし、希望です。彼女に次いでどんどん出てきた働く現代人たちは、妄想世界の住人たちでもあり、私でもあります。夢だと思いたくなるほどおぞましい現実を、きちんととらえた上でブラックな笑いへと変換して、「それでも生きる私たち(キャストも観客も含む)」を肯定し、勇気づけてくださいました。
≪大阪、東京≫
出演:森下亮・金沢涼恵・板倉チヒロ・奥田ワレタ・久保貫太郎・渡邉とかげ・幸田尚子・小林義典・武子太郎・花戸祐介・七味まゆ味(柿喰う客)
【脚本・演出】青木秀樹【音響効果】 笠木健司 【照明】 床田光世 【美術】 ステファニー(劇光族) 【舞台監督】 塚本修 今井康平(CQ) 【衣装協力】 浅利ねこ 【美粧】 中西瑞美(ひなぎく) 【演出部】 入倉麻美 伊豫田一成 松岡眞吾 【宣伝写真】 安藤青太 【宣伝美術】 原田康徳 【Web】 小林タクシー(ZOKKY) 【制作】 床田光世 野崎恵 安井和恵 新谷純 【企画・製作】 office crome
【発売日】2011/10/30 <一般>前売3500円、当日3800円 <学生>前売2500円、当日3500円 *要学生証・所属証明証:大学・大学院生以下、専門学校、劇団付属研究所も含む、当日受付にていずれかの証明証をご提示頂けなければ、一般料金とさせて頂きます。 <リピーター割引あり> 詳細は公演中、劇場にてご確認下さい。
http://crome.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年12月27日
アトリエ春風舎プロデュースvol.1『若手演出家サミット2011・成果発表会+トークセッション』12/24-25アトリエ春風舎
ワークショップ・観覧情報として当サイトでご紹介しておりました『若手演出家サミット2011』の、「成果発表会+トークセッション」の3ステージ目(12/25マチネ)を拝見。5人の演出家それぞれの持ち時間は20分。発表終了後に短い休憩をはさんで、演出家5人とサミットディレクターの谷賢一さんによるトークがありました。すべて込みで上演時間は約2時間30分。
“発表会”なので、個々の作品についてではなく、1つの企画として面白く拝見しました。発表後は演出家の皆さんが率直に語ってくださり、内容にも密度にも満足。5種類の演劇作品、その創作方法を垣間見ることができました。
ただ、私個人としては悶々とした帰り路でした。俳優って、わかっていたつもりだったんですが、本当に、難しい職業だと思います。
作品にもその創作手法にも正解なんてないので、私自身が求める演劇を手に入れるために何をすればいいのかを、もっと考えなければと思いました。
⇒CoRich舞台芸術!『若手演出家サミット2011』
5人それぞれに全く違うアプローチの発表を見せてくださいました。演出家およびその仕事を見るという点では満足以上。ありがとうございました。
役者さんは2チームへの参加が必須なので、2種類の演出を受け、その両方の発表会に出演することになります。「あの作品であんな役だった人が、この作品ではこんな役」と比較できるので、観客は役者さんの変貌ぶりも楽しめます。各作品につき10時間しかお稽古できないので、演技の上手い下手とか、魅力のあるなしの判断をするのは早計だと思います。必ずしもその役者さん(の個性や技能)に合った演出を受けられているわけでもないですしね。それでも合計30人の中で際立って目立つ役者さん、印象に残る役者さんというのはいるわけで・・・俳優業って厳しいですよね。
あと、これこそ私の早とちりかもしれませんが、5人の演出家に比べると、役者さんは基本的な演劇の知識が足りていないんじゃないかと思いました。実技における共通言語がなくても、せめて知識を共有できていたら、もっと違ったものになるんじゃないかと。自分のことを棚に上げた発言ですが、自戒も込めて、ここに書いておこうと思います。
■柴幸男(ままごと)『来年の新作の練習』
タイトル通り新作の稽古を見せて下さったようです。俳優が、そのからだ1つで、一瞬で、多くのこと・ものを、作り出していきます。手、脚首、視線のちょっとした動きだけで、こんなにも・・・!あぁ素敵だわぁ演劇って。
柴さんは俳優と一緒に(=俳優という特殊な技能を持つ人間を使って)、演劇の実験をし続けている研究者なのだなぁと、勝手に感慨深い気持ちになりました。
■藤田貴大(マームとジプシー)『まいにちを朗読する』
電車の路線を示す白いビニールテープを床に貼って、出演者それぞれがアトリエ春風舎までの行き方を説明します。描かれるのは家(滞在場所)から目的地に往復する日常で、共通するのはおばあさんの遺体が東京湾に打ち上げられたという3ヵ月前のニュース。誰かが死んでいなくなっても、平和に、何の影響も受けず暮らしている東京の人々の群像劇となりました。
最後に全員で5つのポーズ(立ち位置)を何度も繰り返すのが良かった。どんどんスピードが早くなって、次の立ち位置まで行けなかったり、途中で他の人とぶつかったり。予定通りに動いて決めポーズをとるはずが、全然うまくいかないし、同じ動作の繰り返しなのに1度たりとも全く同じようには実行できないなど、たった数分の汗だくの場面で、多くのことを教えてくれました。
俳優(の人生がつまった身体)に向ける、藤田さんの眼差しの優しさと、それゆえの貪欲さから生まれる厳しさ。トークセッションでも藤田さんのお話に引き込まれました。
■船岩祐太(演劇集団砂地)『シーンスタディx12』
船岩さんが参加俳優に向けて20分間の講義をされました。身ぶりが大きくサービストーク(?)過多なのは観客へのサービスだったのだろうと思います。私は話された内容に大いに納得だったので、そういった装飾なしで聞きたいな~と思いました。
近代能楽集『班女』を使って稽古されていたんですね。役者さんの演技が変化するのを観たかったな~。
船岩さんが提案する「演じる役の“設定”を勝手に作ってしまう」ことについて、柴さんはトークで「衝動をねつ造する」とおっしゃっていました。大事なことだと思います。
■中屋敷法仁(柿喰う客)『圧倒的なフィクションを求めて』
ポーズをとりながら元気に歌を歌います。特に意味はないので、お楽しみ会の出し物のようでしたね。演技中にゲームもするので不確定要素が多く、役者さんは笑いをこらえるのが大変・・・というか、そういう仕掛けでした。どうやら毎回振付なども変えているようです。突然「フッキー!」というセリフ(?)を言うのが可笑しかった。
中屋敷さんは役者さんに「『(観客に向かって)お前、今日俺に会えて超ラッキーだな!』という気持ちでやってください」とおっしゃっていました。私は役者さんのそういう姿勢、大歓迎です。体現できていた方は実際、魅力的でした。
終了直後に、出演もされていた中屋敷さんが「すみません!」と謝っていたので、私が観た回の完成度は高くなかった模様。「圧倒的なフィクション」を見せてお客さんを「キョトン」とさせるという目的が達成できなかったんでしょうね。たしかに誰も素で笑うことなく最後まで徹底できた方が、良かっただろうと思います。ただ、もし目的達成できたとしても、私はハプニングを観たい観客ではないので、面白いと思わなかったかもしれません。
■奥山雄太(ろりえ)『「恩名野(おんなの))中学綱引き部の練習@キャプテンジュンの自宅の居間」の練習』
奥山さんが過去に上演した作品の一部を上演。衣裳も小道具も揃えて、役者さんはセリフも覚えて演技されていました。ある中学校の綱引き部の部員たちのコメディーですが、私の笑いのツボは刺激されず。私が“笑いたい観客”でないだけなんですけどね。他のチームとの違いを楽しみました。
≪トーク・セッション≫ メモ程度です。※以下は私のコメント。
2日目の3ステージ目となり、演出家の関心事は「演技の鮮度」に向いていました。
柴「通すことを大切(=おおごと)にしない。早く慣れるようにする。何度も繰り返して、たるくなってくる状態を、稽古中に通り過ぎる。俳優が寝ててもできるぐらいにしたい。自動再生するぐらいに。80分の芝居を(俳優の)体の中に持つようにする。」
藤田「この5人の中で自分が一番厳しいと思います。俳優を追い詰めることを常にやる。体のドキュメントのレベルを上げる。体が切実になっていく。(略)とにかく稽古する。本番中も楽日の最後まで稽古する。ダメ出しをこちゃこちゃ言うのは好きじゃない。」
柴「僕もダメ出しをするのはやめました。セリフのミスなど小さいことを気にするより、稽古をする。」
観客からの質問「藤田さんのおっしゃった“体のドキュメントのレベルを上げる”の意味は?」
藤田「僕の作品の場合、役者がセリフをしゃべるとお客さんは“藤田のセリフをしゃべっている”と最初は思う。でも体に負荷をかけられた役者が息切れをしはじめると(僕は息が好きなんだけど)、その俳優の声が僕のテキストから離れて、オリジナルの声になっていく。だから東京デスロックの多田さんの手法とは違うんです。多田さんは“疲れた俳優の体を見せる”んだけど、僕は俳優に負荷をかけることで、僕のテキストから離れた俳優のオリジナルの声をきかせたい。」
観客からの質問「将来の夢、野望は?」
藤田「スパイダーマンになりたい。彼がなぜスパイダーマンになったかというと、蜘蛛に噛まれただけなんです。それ(スパイダーマンに変身する原因)が血液に入っちゃったから。だから絶対に逃れられない。」
中屋敷「幼稚園をつくりたい。いまの日本人が不幸なのは、演劇との出会い方が間違っているから。たとえば学芸会が面白ければいい。だから僕は学芸会を面白くする。」 ※他の演出家より「今でもできるじゃん!」とのつっこみあり。
柴「宇宙の果てまで通用するような作品を作りたい。たとえば数学の公式のようなもの。自分の中から作り出すのではない。それを発見したい。」
船岩「演劇鑑賞会を復活させたい。自分は下関出身で演鑑で育ったから。」
奥山「より多くの人に自分の作品を観てもらいたい。自分は“笑い”や“物語”をやっていて、これからもそれは変わらないと思う。たとえば80代になっても、その時代の若者に“古い”と言われない、面白いおじいさんでいたい。」
観客からの質問「何に最も影響を受けましたか?」
中屋敷「少女漫画(姉の影響で)」
藤田「自分の経験」
柴「姉」 ※だったような・・・
船岩「出会った人すべて(さまざまな演出家や俳優など)」
※奥山さんの発言はメモしそびれました。すみません。
出演(倍率約4倍の選考を経て選ばれたワークショップ参加者):伊東沙保、今井彩、岩尾祥太朗、上原用子、大石憲、大石貴也、小田尚稔、尾場瀬華子、川島佳帆里、木下毅人、小鶴璃奈(ラフメーカー)、小見波結希、坂井宏充(M・M・P)、菅野智(劇団13月のエレファント)、高橋ちづ、田内康介(オイスターズ)、寺田未来、遠山悠介、中野麻衣(tsumazuki no ishi)、中村梨那(DULL-COLORED POP)、NIWA(ワニモール)、根本大介、藤井咲有里、古木将也、細谷貴宏(ばけもの)、諸江翔大朗、柳内佑介、湯舟すぴか、李そじん、和田冬美
参加アーティスト:奥山雄太(ろりえ)、柴幸男(ままごと)、中屋敷法仁(柿喰う客)、藤田貴大(マームとジプシー)、船岩祐太(演劇集団砂地)サミットディレクター:谷賢一(アトリエ春風舎芸術監督/DULL-COLORED POP) 制作:木元太郎(アトリエ春風舎支配人)/事務局員:おさださちえ(みきかせプロジェクト)、斉藤麻美、成川明生、福岡克彦、南慎介(Minami Produce)、井ノ上羽葉、加藤陽子、菅井新葉、栗田藍/宣伝美術:南裕子(milleu design) 総合プロデューサー:平田オリザ
キックオフミーティング@青山小劇場:1,000円(全席自由・前売のみ) ワークショップの参加費用:6,000円 1コマ見学券:1,000円(全席自由・要事前予約) 10コマ通し券(計10回のWS、すべてをご見学頂ける通し券):5,000円(全席自由・要事前予約) 成果発表会+トークセッション:前売2,000円 当日2,500円 (全席自由)
http://bit.ly/wes2011
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中野成樹+フランケンズ『ゆめみたい(2LP) ハムレット「シェイクスピア」より』12/23-27川崎市アートセンター・アルテリオ小劇場
中野成樹さんが誤意訳、演出(出演も)される劇団中野成樹+フランケンズの新作です。うーん、退屈でした・・・。『ハムレット』は色んな種類を観てますので、期待が大きすぎたのだと思います。
2LPとは「LPレコード2枚分」から来ているそうです。そういえば90分は45分の大判レコード2枚分の長さですね。
当日パンフレットは封筒の底部分を切り、筒状にして2つに折ったもので、チケットは丸いレコード型でした。2回観たらパンフに2枚のチケットが入って、2枚組みLPレコードになるんでしょうね。凝ってる!!
⇒トゥギャッター「中野成樹+フランケンズ『ゆめみたい(2LP)』感想まとめ」
⇒CoRich舞台芸術!『ゆめみたい(2LP)』
舞台中央に大きな壁がそそり立ち、ステージを左右にぱっくりと分けてしまっています。なんとその壁が客席の中央あたりまで延びていて、観客も分断され、上手側の席だと舞台下手が、下手側の席だと舞台上手が、壁にさえぎられて見えない舞台美術(劇場空間?)になっていました。私はその挑発に乗って下手側の席へ。
役者さんが壁に空けられた出入り用の穴(サイズ、形状はドア大)を頻繁に行き来して、舞台の上下の両方で演技をします。両側の観客がすべてを理解できるようにとの配慮なのでしょうが、わざとらくて興ざめ・・・。だったら壁なんていらなかったんじゃないかと思いました。『長短調』みたいに、もっともっと反対側が見えない方が良かったな~。「それでも面白い」「見えなかった方も観たい」と思わせて欲しい。
あと、役者さんがロボットみたいで退屈でした。これは好みの問題でしょう。
翻訳は現代口語がはさまれるのが楽しかったです。いわゆる名台詞が省かれているのも面白いですね。
ここからネタバレします。
2枚のレコード、つまりA、B、C、Dの4面(4幕)に分かれていることを匂わせる演出もありましたが、効果的とは思えず。「90分でを上演する」というお題目にこだわりすぎて、肝心の『ハムレット』が薄れてしまったというか。アイデア、挑戦、遊び心が空回りしている印象。
舞台奥に大きな人形(チラシに載ってる愉快な子)がひょっこり顔を出していて、彼(彼女?)が俯瞰的な視点からしゃべっていましたが、あれじゃ物足りなかったですね。せっかく出ずっぱりなんだし、作品をぶち壊すぐらいに存在感を示す場面があってもいいのにな~と思いました。
最後は「フォーティンブラス軍に攻められて滅びた」という解釈でした。フォーティンブラス(洪雄大)が死んで横たわるハムレットらを全く気にかけず、下手にテクテクと去って、あっけなく終わるのが良かったです。
死んだ王とハムレットを、ハムレットシニア、ハムレットジュニアという風に分けて呼ぶのはわかりやすかったですね。親子(中野成樹&村上聡一)でこっそり毒殺のエピソードを話す場面は笑ったな~。
出演:村上聡一、福田毅、竹田英司、田中佑弥、洪雄大、野島真理、石橋志保、斎藤淳子、小泉真希、北川麗 トロンボーン:後藤篤
誤意訳・演出・出演:中野成樹 翻訳:長島確 ドラマトゥルク:熊谷保宏 美術:青木拓也、照明:富山貴之、音響:小宮聖子、衣装:今村あずさ、舞台監督:小林英雄
【発売日】2011/11/01 (全席自由・日時指定・税込): 一般3,500円、ユース3,000円、高校生以下2,000円 ※ユース(27歳以下)、高校生以下は公演当日に要証明書提示
http://frankens.net/
http://www.facebook.com/yumemitai
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2011年12月26日
【オーディション】岡崎藝術座「新作『アンティゴネとられ宗介(仮)』出演者募集」※01/21〆切(郵送orメール)
神里雄大さんが作・演出される岡崎藝術座が、来年4~5月に上演予定の新作の出演者を募集しています。神里さんは今年のF/T11主催作品として『レッドと黒の膨張する半球体』を発表されたアーティストです。参考レビュー⇒1、2、3
募集要項をよく読んでご応募ください。要項に書かれているとおり、神里さんの作品を観たことがある方が好ましいです。
●岡崎藝術座2012年新作『アンティゴネとられ宗介』(仮)
(使用予定戯曲:「アンティゴネー」ソポクレース、「寝盗られ宗介」つかこうへい)
劇場使用期間:2012年4月16日(月)~24日(火)※5月中旬にツアーの可能性あり。
会場:STスポット(横浜)ほか
募集対象:男女とも若干名
一次審査書類選考〆切:2012年1月21日(土)必着(郵送orメール)
【オーディション/劇団員募集】三条会「2012年5月ザ・スズナリ公演『ひかりごけ』出演者オーディション&メンバー募集」応募期間2102年3/1~20(メールのみ)
関美能留さんが演出される劇団三条会(所在地・千葉県)が代表作『ひかりごけ』の出演者を募集しています。劇団員募集(俳優&スタッフ)もされていますので、ご興味ある方はどうぞ。下記はチラシからの情報です。
関さんとは今年の高校演劇の東京都城東地区大会で、同じ審査員としてご一緒させていただきました。⇒関さんの最新作のレビュー
■三条会『ひかりごけ』2012年5月公演@ザ・スズナリ
出演者オーディション
応募期間:2012年3月1日(木)~20日(火)
■三条会『ひかりごけ』出演者オーディション
2001年に初演した三条会の代表作である『ひかりごけ』(武田泰淳作)を2012年5月、ザ・スズナリにおいて再創造(リ・クリエーション)します。これに出演する俳優を若千名募集します。
[応募資格]18歳以上の俳優で、稽古(千葉市の三条会アトリエほか)および本番に、支障なく参加できる方
[応募方法]次の各点をメールでお送りください
①氏名(ふりがな) ②生年月日 ③現住所 ④携帯番号 ⑤メールアドレス ⑥顔写真(.jpgデータ) ⑦舞台関係の経歴(書式自由)
[応募期間]2012年3月1日(木)~20日(火)
[オーディション]
日時:2012年3月31日 時間は個別に指定します
場所:三条会アトリエ
[稽古日程]2012年4月上旬~5月下旬
[公演日程]2012年5月下旬~6月上旬(8ステージ予定)
[応募・問合せ先]777(アットマーク)sanjoukai.com
※応募者多数の場合は、書類選考を行う場合があります。ご応募お待ちしております。
■三条会メンバー募集
ともに活動する意欲のあるメンバー(俳優・スタッフ)を募集します。
[応募資格]18歳以上の方
[応募方法]次の各点をメールでお送りください
①氏名(ふりがな) ②生年月日 ③現住所 ④携帯番号 ⑤メールアドレス ⑤学歴・職歴(あれば) ⑦舞台関係の経歴(書式自由) ⑧希望する役割 ⑨顔写真(.jpgデータ)
[応募〆切]2012年3月20日(火)
[面接]日時:随時ご達絡します 場所:三条会アトリエ
[応募・問合せ先]777(アットマーク)sanjoukai.com
ご応募お待ちしております。
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年12月23日
新国立劇場演劇研修所第5期生試演会②『牛山ホテル』12/22-24新国立劇場小劇場
新国立劇場演劇研修所第5期生の第2回目の試演会です。岸田國士作『牛山ホテル』を、文学座の西川信廣さんが演出。上演時間は約1時間50分休憩なし。
5期生は試演会①、②と修了公演の会場がすべて新国立劇場小劇場なんですね。贅沢! 修了公演『The Art of Success』は来年2/24-26に栗山民也さんの演出で上演されます。
⇒CoRich舞台芸術!『牛山ホテル』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
仏領印度支那の港町にある牛山よねの経営するホテルは日本人のたまり場。そこに出入りする、外国人女性との結婚に破れた商社マンと娼婦との純日本的な自己犠牲の愛の姿を主軸に、外地の活路を求めた日本人群像を浮き彫りにする。
≪ここまで≫
舞台中央奥にきれいな空の絵があります。それ以外には何もなかったステージに、次々と大道具のパーツが並べられて場面転換していきます。
『牛山ホテル』を拝見するのは初めてで、とても面白かったです。“外地の日本人”が登場するので、4期生の試演会②『マニラ瑞穂記』がすぐに思い浮かびました。娼婦が登場するのも同じですね。
1929年に書かれたお芝居で、日本語とはいえ、どこの方言だかわからない上に、何を言っているのかもわからない難解なセリフが多いです。でも役者さんは、舞台上で無理をせず(余計に目立とうとせず、嘘をつかず)、自分だけの世界に閉じこもることもなく、周囲とともに自然に存在して、相手の言葉をちゃんと聞いて言葉を発されていて、最初から最後まで集中して観られました。ただ、全体的に大人しいというか、客席の方に向いたベクトルが小さい(細い?)ようにも感じました。修了公演に期待、ですね。
ホテルの女将よねを演じた山崎薫さんが印象に残りました。舞台で楽に(自由に?)に女将として存在していたように感じました。『ゼブラ』では一番下の四女を演じてらっしゃいましたから、かなり年齢差のある2役に挑戦されたんですね。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
真壁(片桐レイメイ)と三谷夫人(井上沙耶香)が対決する第四場が良かったです。海外に出て日本人としての一線を超えた男と、日本人としての誇り、常識、身分といったものを守る女。広義では男と女の闘いでもあるんでしょうね。
娼婦と正妻との立場(地位)の差がこれほどはっきりしているのは、『マニラ瑞穂記』でも描かれていました。三谷夫人の「(日本に戻れば、たとえ不幸になるとしても)さとは普通に戻れる」という言葉は重いですね。今の日本だと・・・「売春婦」と「それ以外」の差は、“暗黙の了解”的な範囲では、この戯曲と同じぐらいはっきりと残っているんじゃないかしら・・・。人間の「体を売る(性的な意味で)」行為をどう受け取ればいいのか、私自身がまだわかっていません。
年季が明けたさと(岩田結)は、「ここに留まった方がいい」という真壁の助言を聞かずに、(ひどい)父親のいる日本に帰る決心をします。朝早く、彼女は別れの挨拶をしようとホテルで眠る真壁を何度も起こしますが、彼は起きませんでした。重要な時に彼はすっかり寝過してしまうのです。
さとがホテルの女中と鵜瀞(藤本強)に見送られて出発した後、島内(林田航平)、三谷夫人、真壁の3人がそれぞれ別々に、2階から降りてきて、さとがすでに発ったことを知って、再び階段を上って自室に戻ります。これで終幕。見事な期待外れと言いますか、うまい具合に三段落ちになっていました(笑)。真壁はみじめで不格好です。さとは不憫です(帰国の判断は正解かもしれないですが)。これこそ現実ですよね。真壁がパジャマのまま外に出てさとを追いかけたり、さとが走ってホテルに戻ってきたりして、2人が奇跡的に再会して抱き合ったりしないのです。安っぽいお涙ちょうだいのエンディングでないのが素晴らしいと思いました。
出演:新国立劇場演劇研修所第5期生【三谷夫人(お上品でお高くとまっている):井上沙耶香 藤本さと(真壁の妾):岩田結 石倉やす(フランス人の妾・お行儀が悪い):菊池夏野 牛山とみ(よねの養女・最後にアオザイで登場);北澤小枝子 牛山よね(ホテルの女将):山崎薫 写真師(さとを愛している・片足が不自由):大里秀一郎 三谷(真壁のあとがま):梶原航 真壁(さとを妾にしている・ロオラに襲われる):片桐レイメイ 納富(剣道教師・酒の席で演説):川口高志 島内(商社社員・お人好しでよく殴られる):林田航平 鵜瀞(うのとろ・商社社員・酒の席で暴れる):藤本強】 真壁の妻の仏人女性ロオラ:滝香織(第2期修了生) 金田(袴の日本人男性):宇井春雄(第2期修了生) 新国立劇場演劇研修所第6期生【杉山みどり 石井裕美 森川由樹 横山友香 田部圭介 細川慶太 森下康之 頼田昴治】
作:岸田國士 演出:西川信廣 美術:横田あつみ 照明:鈴木武人 音響:河原田健児 衣裳:中村洋一 舞台監督:野口岳大 方言指導:藤木久美子 所作指導:樋田慶子 ヘアメイク指導:我妻淳子 演出部:飛鳥有紀 岩澤侑生子(第7期生) 制作助手:内山容理子 長川原秀美 大道具:俳優座劇場舞台美術部 森島靖明 小道具:高津美術装飾 宮澤洋行 衣裳:東京衣裳 阿久津真弓 舞台・照明・音響:新国立劇場技術部シアターコミュニケーションシステムズレンズ【米倉幸雄(舞台) 麻生輝樹(照明) 河原田健児(音響) 照沼隆広(大道具) 久村泰代(調整)】 研修所長:栗山民也 制作:新国立劇場
文化庁委託事業 平成23年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業
一般発売日:2011年11月24日(木)10:00~ A席3,000円 B席2,000円 Z席1,500円 学生割引(高校生以下)1,000円
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000575_play.html
http://www.facebook.com/nnt.dramastudio.tokyo
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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新国立劇場演劇研修所第5期生試演会①『ゼブラ』11/11-13新国立劇場小劇場
新国立劇場演劇研修所第5期生の第1回目の試演会です。ONEOR8の田村孝裕さんの代表作の1つである『ゼブラ』のシアタークリエ版を、鈴木裕美さんが演出されます。鉄板の組み合わせですね。
期待を裏切らない、家族の群像劇でした。研修生の方々は素直な演技が良かったです。ただ、初日を観た限りでは大人しすぎるなぁという印象も。試演会②、③が楽しみです。
⇒CoRich舞台芸術!『ゼブラ』
レビューは記録程度です。
≪あらすじ≫ 公式サイトより
時は現在。四人姉妹が育った手塚家の居間が舞台。
父親は家を出て行っていない。長女と四女はすでに嫁ぎ、いまは次女と三女が暮らす。母親は入院している。
そんななか、次女の引越し準備のため、四人姉妹とその夫たちが久々に集まる。と突然訪れる葬儀屋の兄弟、長女の浮気相手……、それぞれの秘められた事情が次々と露わになる。
≪ここまで≫
マリッジブルーになってしまった次女(菊池夏野)を溺愛する、次女の夫役の藤本強さんが、パっと空気を変える力強い存在感を示してくれました。
ここからネタバレします。
長女の夫(梶原航)が愛人(岩田結)と居間でばったり出くわし、慌てふためく無様な演技が良かったな~(笑)。愛人がミニスカートに生足(なまあし)だったのもいいですね(私にはそう見えました)。美脚でなまめかしい色気を振りまく「娼婦」の雰囲気があって。
でも長女、つまり正妻と愛人とがちょっと仲良くなった・・・みたいな流れには納得できなかったです。クリエ版では長女(斉藤由貴)と愛人(江口のりこ)の距離は縮まったものの、溝は埋まらなかったように記憶しています。その方が私好み。
出演:新国立劇場演劇研修所第5期生【長女(夫の浮気に気づいており、愛人を実家に呼ぶ):井上沙耶香 愛人と母の2役:岩田結 次女(マリッジブルー):菊池夏野 三女(父親を許さない):北澤小枝子 茶髪の四女:山崎薫 葬儀屋:大里秀一郎 長女の夫(浮気中):梶原航 葬儀屋(元サラリーマン・柿が苦手):片桐レイメイ 四女の夫(パチンコ好き):川口高志 横恋慕中の四女にお金を貸しているオツムの弱い幼なじみ:林田航平 次女の夫(熱血漢):藤本強】 声の出演(電話に出る長女の息子役):秋田蛍太郎
脚本:田村孝裕 演出:鈴木裕美 美術:奥村泰彦 照明:立田雄士 音響:信澤祐介 衣裳:関けいこ 舞台監督:村田明 演出助手:大杉良 宮地眞理子 演出部:大島明子 辻村優子 仙崎貴子 西井裕美(6期生) 森川由樹(6期生) 安藤ゆかり(7期生) 吉田健吾(7期生) 大道具:シー・コム 伊藤清次 小道具:高津美術装飾 宮澤洋行 衣裳:東京衣裳 阿久津真弓 舞台・照明・音響:新国立劇場技術部シアターコミュニケーションシステムズレンズ【本庄正和(舞台) 矢場拓史(照明) 黒野尚(音響) 山崎康平(大道具) 村田祐二(調整)】 制作助手:内山容理子 勝畑典子 長川原秀美 研修所長:栗山民也 制作:新国立劇場
A席 2500円 B席1500円 学生割引(高校生以下)1,000円 *Z席の販売はございません。
http://www.facebook.com/events/206139912790175/
http://www.nntt.jac.go.jp/training/20000565_training.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年12月22日
福島県立いわき総合高校演劇部『Final Fantasy for XI.III.MMXI』12/21-22アトリエヘリコプター
いわき総合高校演劇部の『Final Fantasy for XI.III.MMXI(ファイナルファンタジー・フォー・サンテンイチイチ)』東京公演初日を拝見しました。今年の高校演劇東北大会版(60分)から東京公演版(85分)に改編したものでした(公式サイトより)。
何と形容していいのか・・・とりあえず昨日の夜のツイートはこちら⇒1、2、3
これから上演される下記2ステージについて、こちらのページでUstream中継があります。⇒公式サイトより
22日19:00開演(会場:アトリエヘリコプター)
23日15:00開演(会場:筑波大学附属駒場中・高等学校)
できるだけ多くの方に観てもらいたいです。
⇒神戸公演劇評「正当な「権利」と、失われたものの復活」(水牛健太郎)
⇒ステージウェブ「石井路子が語る福島県立いわき総合高等学校演劇部『Final Fantasy for XI.III.MMXI』」
⇒顧問のいしいみちこ先生が今年8月に東京で語ったこと(劇作家協会公開講座『大震災と演劇』)
⇒シアターアーツ「劇評講座 Vol.6『公開フォーラム 震災後の演劇を語る』」
⇒東京デスロック『平成二十三年のシェイクスピア』(いわき総合高校演劇部との創作)
⇒土佐有明「演劇教育の先端で何が起きているのか-いわき総合高校の試み」(前編)・(後編)
⇒CoRich舞台芸術!『Final Fantasy for XI.III.MMXI』
昨晩の私のツイートを転載(誤字修正ずみ)。
アトリエヘリコプターでいわき総合高校の「ファイナルファンタジー(略)」東京公演初日鑑賞。嗚咽。文科省の◯大臣がいらしていた。
上演されただけで伝説になるしかない作品。…ぐらいにしか今は形容できない…。紛れもない高校演劇だけど、私にはそうは受け取れなかった。だって生だから。こんな劇を観るはめになったわたしたち日本人に、絶望。そこから始めなきゃ。
演劇は、観客、劇場、作品の作り手自身など、かかわりのあるもの、ことに対して様々な効用をもたらす。今、この公演以上に演劇の「効用」を具体的かつ雄弁に示せるものを思いつかない。演劇創作が生きる手だてになってるから。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
出演(左から):石川直樹 いしいみちこ
≪福島、兵庫、東京2箇所、他≫
出演(いわき総合高等学校演劇部員18名):長谷川洋子 猪狩桐花 高橋良輔 本木崇太 甲高泰規 鎌田彩音 大槻真実 長瀬有紀子 吉田夏美 吉田桃子 遠藤憧子 佐藤摩結子 渡辺真依 鈴木香澄 西田藍 飛知和寿輝 八巻紀一 吉田睦
原案:いわき総合高等学校 演劇部 構成・脚本:いしいみちこ 演出:長瀬有紀子 演出助手:猪狩桐花 舞台監督:谷代克明 高木千穂 舞台監督助手:大蔵郁弥 照明:木内真紀子 千色和希 音響:箱﨑未夢 沖崎美菜 衣装:遠藤憧子 菅原奈津美 橋本成美 小野愛莉 大道具:木内真紀子 小松翔 木島成美 飯島もも 小道具:吉田桃子 千色和希 太谷ゆうか 宣伝美術:谷代克明 舞台監督:谷代克明(いわき総合高校教員) 舞台監督協力:榎戸源胤(五反田団) 中西隆雄 山下翼 照明協力:山口久隆(S-B-S) コーディネーター 端田新菜(青年団/ままごと) 平田知之(筑波大学付属駒場高校教員) プロデューサー:前田司郎(五反田団) <主催> 五反田団・アトリエヘリコプター <共催> 筑波大学付属駒場中・高等学校 <助成> 東日本大震災 芸術・文化による復興支援ファンド(企業メセナ協議会)
アトリエヘリコプター公演 2,000円 筑波大学付属駒場中・高等学校公演 無料(高校生以下対象)
http://iwasoff11.exblog.jp/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年12月21日
【情報】Théâtre des Annales「『ヌード・マウス』公開稽古第1弾・1/6~7実施」※12/27〆切(メールのみ)
DULL-COLORED POP主宰・アトリエ春風舎芸術監督の谷賢一さんが作・演出される『ヌード・マウス』の公開稽古情報です。作演出家・ドラマトゥルク・プロデューサーの対談⇒1、2
参加費無料、申込多数の場合は抽選、申込みにはtwitterアカウントが必要。ご興味のある方はぜひ。第二弾もあるようです。
●Théâtre des Annales『ヌード・マウス』01/24-29赤坂レッドシアター
出演:増田俊樹 佐藤みゆき 大原研二 山本亨
作・演出:谷賢一
公開稽古第一弾:1月6日(金)・7日(土)午後
参加費無料、申込多数の場合は抽選。
締切:12月27日(火)
下記詳細は公式サイトより。
■「ヌード・マウス」公開稽古第1弾!
1月6日(金)・7日(土)に「ヌード・マウス」公開稽古を行います。
作品が日々変化して、出来上がっていく過程に立ち会ってみませんか?
どんなふうに作品が進化していくのかを、ぜひ体験してください!
実施日:1月6日(金)・7日(土)午後(1~2時間程)
※詳細は直接参加者の方にのみご連絡いたします。
※参加費は無料です。
※申込多数の場合は抽選となります
※稽古場で簡単に質問・アンケートを取らせていただく場合があります。
お申込み方法:info(アットマーク)nudemouse.jpに
1、お名前
2、ご希望の日程と時間帯(15時~20時の間で1~2時間程度)
3、twitterアカウント
をご記入の上、お送りください。
締切:12月27日(火)
※ご参加いただく方にのみ、12月30日(金)までにご連絡いたします。
※第2弾の募集は、第1弾公開稽古終了後に告知予定です。
出演:増田俊樹 佐藤みゆき 大原研二 山本亨
作・演出:谷賢一 美術:土岐研一 照明:松本大介 音響:岡田悠 衣裳:横田真理 ヘアメイク:大宝みゆき 演出助手:則岡正昭 舞台監督:棚瀬巧 ドラマトゥルク:野村政之 制作助手:齊藤友紀子 制作:小野塚央 プロデューサー:伊藤達哉 宣伝美術:今城加奈子 宣伝写真: 引地信彦 Web:MONOLITH 制作協力:DULL-COLORED POP 主催:ゴーチ・ブラザーズ 企画:Théâtre des Annales(テアトル・ド・アナール)
http://www.nudemouse.jp
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年12月16日
【オーディション】北京蝶々×池亀三太(ぬいぐるみハンター)「2012年4月公演のワークショップ&オーディション」※01/16〆切(メールのみ)
大塩哲史さんが作・演出される劇団北京蝶々(関連記事⇒1、2、3、4)と、劇団ぬいぐるみハンター(⇒過去レビュー)の作・演出家の池亀三太さんによるワークショップ・オーディションが開催されます。
来年4月に王子小劇場で上演予定の、北京蝶々第17回公演(公演期間は2週間)に向けての出演者募集も兼ねています。ご興味ある役者さんはどうぞ。
●北京蝶々第17回公演『オーシャンズ・カジノ(仮)』
東京公演/2012年4月18日(水)~4月30日(月・祝) 王子小劇場
・ワークショップ&オーディション ⇒詳細
2012年1月21日(土)~22日(日)の昼夜4回開催。
参加費:1,500円
締め切り:2012年1月16日(月)24:00(メールのみ)
日本の問題製作委員会『日本の問題』11/27-12/04ザ・ポケット
『日本の問題』というテーマで8劇団が20分間の新作を発表する企画で、4劇団ずつA班とB班に分かれた2本立て公演です。毎ステージ終演後に座談会があり、12/3(土)マチネにゲスト出演させていただきました。⇒昨年は『Project BUNGAKU太宰治』
東日本大震災および原発事故が起こった今の『日本の問題』ですので、それなりに何かを予想、期待して劇場に来たお客様が多かったことと思います。私もその1人でした。
8団体それぞれの手法、切り口で、当事者意識を持った問題提起や提案をされていたので、全体的には面白く拝見しました。
⇒CoRich舞台芸術!『日本の問題』
⇒CoRich舞台芸術!『学生版 日本の問題』
公演は終了。ここからネタバレします。
トークでも最初に言いましたが、舞台美術が良かったですね~!8作品共通なのでシンプルにせざるを得ないところ、大胆というか少々乱暴(?)ともいえる装飾になっていました。床と同じく白色の大きな四角い柱がドサリと倒れたかのように、舞台上に置かれていたのです。つまり上手奥から下手手前に向かって斜めに、ひざの高さぐらいの段が堂々と横切っている状態。ベンチ、テーブル、橋、境界線などさまざまに利用・想像できました。丸い裸電球が10個ぐらいずつ、下手奥と上手手前に吊り下げられて、ちょっとおしゃれな照明器具のようになってるのも可愛らしかったですね。劇場の壁にたてかけられた複数のはしごも良かった。
【A班】
●経済とH『金魚の行方』
脚本・演出:佐藤治彦 演出助手:石上慧 衣裳協力:小澤考太
出演:三嶋義信/平岩久資(田上パル)/富士たくや/小金井篤(野良猫連盟)/内田龍/一色洋平(早稲田大学演劇研究会)/藤野マキ(演劇集団アクト青山)/生井みづき/池内ひろ美(評論家)/佐藤治彦(経済とH)
今(と昔に)、日本で起こっている問題を羅列していきます。しゃべっている人を外側から見つめる第三者的な存在が常にいるため、冷静に眺めていられるのが良かったです。地震速報のアナウンスとACのCMは、今年3月と4月の私の記憶に直結していることを確認。
●Mrs.fictions『天使なんかじゃないもん』
脚本・演出:中嶋康太
出演:岡野康弘(Mrs.fictions)/今村圭佑(Mrs.fictions)/山口オン(elePHANTMoon)
偽シスターとだめヤクザ2人組のとぼけた会話で、優しい笑いを次々と生み出しますが、実は誰もが深刻な問題を抱えていることがわかってきます。うまくできた脚本だと思いました。
トークでとても良かったと話したあるセリフ・・・うーん、忘れちゃった。「美意識が(自分にかける)のろいになる」風な意味だったかな。その通りだと思いました。自分で自分にのろいをかけちゃうんですよね。
●DULL-COLORED POP『ボレロ、あるいは明るい未来のためのエチュード (Bolero, or an etude for a better future)』
作・演出:谷賢一(DULL-COLORED POP) 演出助手:元田暁子(DULL-COLORED POP) アクティング・アドバザー:広田淳一(ひょっとこ乱舞)
出演:東谷英人/大原研二/塚越健一/中村梨那(以上DULL-COLORED POP)/浅倉洋介/石井舞/岩瀬あき子(日穏-bion-)/川島佳帆里(TABACCHI)/窪田壮史/近藤強(青年団)/斉藤マッチュ/平佐喜子(Ort-d.d)/寺田ゆい/松崎映子/百花亜希/山本卓卓(範宙遊泳)/ワダタワー(クロカミショウネン18)/渡邊亮
同じ主題が繰り返される名曲「ボレロ」が流れる中、次々と日本の首相が変わり、所信演説を行っていきます。タイトルにちゃんと「ボレロ」と「エチュード(即興)」が入っているんですね。作・演出の谷賢一さんが舞台上でゴングを鳴らし、タイムキーパーの役割を果たされていました。これは『タンゴ』の影響かしら。⇒谷さんのツイート
トークで聞いたところ、最低限の構成・ルール以外はすべて即興だったようです。ある程度は即興だろうと思っていましたけど、そんなに大部分だとは気づかず。自立した役者さんたちが主体的に動いて柔軟に反応し合っていたから、「演技」「作品」に見えたのだと思います。私は舞台上でハプニング(予測不可能なこと)を起こす効果は大いにあると思いますが、演技については必ずしもいつも有効だとは思わないタイプの観客なので、「即興に見えなかった」のは成功だと受け取りました。
●風琴工房『博物学の終焉』
脚本・演出:詩森ろば
出演:鈴木シロー(A.C.O.A)/有吉宣人(ミームの心臓)/石田迪子/齋藤陽介
「消滅」という科学技術(?)が発明され、廃棄物の問題がすべて解消された、遠い未来。でもその技術が刑罰にも流用され、過剰な言論統制がおこなわれていた。
生徒が先生に向けていたピストルを自分に向けて撃った時、ギュっと胸が締め付けられました。彼は本当に先生に花束を渡したのだと思いました。とても良かった。
≪終演後の座談会≫
出演(左から):詩森ろば 谷賢一 中嶋康太 佐藤治彦 松枝佳紀
ゲスト:高野しのぶ
日本の教育現場にある問題について、公立小学校のある授業を例にお話ししました。親がモンスターにならざるを得ない状況は、先生ががんじがらめになって苦しんでいることが原因かもしれないと考えたことがありまして。学校に演劇ワークショップの授業があればいいなと思います。
ごく個人的なことですが、私のマイブームは「奉納する演劇」。演劇に限らず、芸術は「誰かに見せるもの」である前に「神様(のようなもの)に捧げるもの」なんじゃないかなぁ・・・と、最近よく考えます。※“神様”は特定の宗教をさすわけではないです。
【B班】
●ミナモザ『指』
脚本・演出:瀬戸山美咲 ドラマターグ:中田顕史郎
出演:山森信太郎 つついきえ
火事場泥棒の男女2人。女性の死体の手に指輪がありました。でもその指はしっかり車のハンドルを握っています。男は指を切って指輪を盗ろうとしますが・・・。美しい作品でした。終演後のトークで「演出してみたい」と言っている演出家がいたのにもうなづけます。
●アロッタファジャイナ『日本の終わり』
作・演出:松枝佳紀 演出助手:渡部直也
出演:西村優奈(H・I・A)/阿部侑加/松浦希美(SPGプロモーション)/白勢未生/西谷尊典/若月里菜(加川事務所)/ナカヤマミチコ(アロッタファジャイナ)/佐々木美奈(さいたまネクスト・シアター)/泊帝/神山武士(BESIDE-b.i.a)/西村誠太/西村壮悟(四畳半ヤング)
東京には優秀な人材が集まっている。でも大勢すぎて、その資源を有効活用できていない。だから東京以外の地域から上京してきた人を地元に“強制送還”することで、日本経済を活性化させる・・・という主張を持つ政治家(西村壮悟)が、とうとう首相になる。
トークで作・演出の松枝佳紀さんが「善いヒットラー」といった表現をされていたような気がします(間違ってる可能性大です、すみません)。西村壮悟さんの演説が素晴らしかったですね。女子高生が出て来て自分のプライベートな話をしちゃうのは、面白いアイデアだとは思えず。でも「論文を演劇で表現する」という意図は明快で、成功していたと思います。
東京に住んでいて、東京一極集中は幸福につながっていないと感じているので、各地域に人材が分散していくことには個人的には賛成ですね。“強制送還”は聞こえが悪いですが、過激な言葉のおかげで「もしそうなったら?」と考えてみたくなる効果があったと思います。
●ろりえ『枯葉によせて(仮)』
脚本・演出:奥山雄太 効果音:田中亮太 特殊小道具製作:田畑美穂 協力:(株)豪勢堂
出演:杏実えいか/木村香代子/香西佳耶/松下伸二/松下結衣子
今年3月に地震とは全く関係なく死んだ、ある男の奇想天外な旅路。
奇抜な展開が刺激的だし、役者さんも達者だし、面白いはずなのにな・・・と不思議な疎外感のまま終幕。奥山雄太さんの作品は前に1度しか観ていないのですが、それよりはずっと脚本にも演出にも惹かれました。だからこそ、舞台から客席の方にもっと迫ってくるものが欲しかったのだと思います。
●JACROW『甘えない蟻』
脚本・演出:中村暢明
出演:猿田モンキー/中村哲人/藤沢玲花/蒻崎今日子(JACROW)
夫の自殺現場に来た妻と娘、そして親戚の男性2人。
家族、親戚の関係がおおざっぱに感じました。たとえば高校生の娘の、おじさんに対する態度が横柄すぎるように感じたり。
他人に甘えることができずに自殺を選んでしまう日本人、多いと思います。
≪終演後の座談会≫
出演(左から):松枝佳紀 奥山雄太 瀬戸山美咲 中村暢明
ゲスト:「学生版 日本の問題」参加の6人の作・演出家
うーん、学生はしゃべらないで質問するだけにした方が良かったんじゃないかしら。しゃべればしゃべるほどボロが出て・・・。
演劇で日本を変える。ProjectBUNGAKU太宰治の企画者松枝佳紀がしかける国家的演劇プロジェクト
【ゲスト】
11/27(日)14:00~開演 (A):池田健三郎さん(経済評論家・大樹総研所長)
11/27(日)19:00~開演 (B):河野太郎さん(衆院議員・自民党)
11/28(月)14:00~開演 (B):宇野常寛さん(評論家・「リトル・ピープルの時代」著者)
11/28(月)19:30~開演 (A):山田まりやさん(女優) 、切通理作さん(評論家・脚本家)
11/29(火)14:00~開演 (A):?
11/29(火)19:30~開演 (B):中村うさぎさん(小説家・エッセイスト)
11/30(水)14:00~開演 (B):小熊英二さん(社会学者・慶應義塾大学教授)
11/30(水)19:30~開演 (A):永井愛さん(劇作家・演出家)
12/01(木)14:00~開演 (A):内田春菊さん(漫画家・女優)
12/01(木)19:30~開演 (A):松尾貴史さん(俳優・コメンテーター)
12/02(金)14:00~開演 (B):金子修介さん(映画監督)
12/02(金)19:30~開演 (B):上野千鶴子さん(社会学者・東京大学名誉教授)
12/03(土)14:00~開演 (A):高野しのぶさん(現代演劇ウォッチャー)
12/03(土)19:00~開演 (B):「学生版 日本の問題」参加の6人の作・演出家
12/04(日)13:00~開演 (AB):坂手洋二さん/8劇団主宰
プロデューサー:松枝佳紀 プロデューサー補:佐藤治彦、今村圭佑 舞台監督:本郷剛史 美術:坂本 遼 照明:柳田 充(Lighting Terrace LEPUS) 音響:井出"PON"三知夫(LaSens) 学生版プロデューサー:酒井一途 宣伝写真:所幸則 Printing Direction:青山功 宣伝美術:ナカヤマミチコ 制作:日本の問題制作部、ナカヤマミチコ 飯塚なな子、会沢ナオト スチール撮影:笠井浩司 当日パンフレット:ゴトウユウヤ(声を出すと気持ちいいの会) 「日本の問題」企画者:松枝佳紀(アロッタファジャイナ)
【発売日】2011/10/15 前売券 : 3200円 / 当日券 : 3500円 A・Bセット前売券 : 6000円 大人版(8劇団)と学生版(6劇団)セット券 : 9000円 ※各割引チケットはすべて事前予約が必要となります。
http://nipponnomondai.net
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
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チェルフィッチュ『三月の5日間』12/09-11早川倉庫(熊本)
岡田利規さんの岸田國士戯曲賞受賞作である、チェルフィッチュ『三月の5日間』の100回記念ツアーです。2004年の初演以来、日本と海外でツアーを重ねています。13カ国27都市での上演にあわせて7ヶ国語に字幕翻訳され、フランス語と韓国語では戯曲が出版されました。本日12/16より神奈川公演が開幕します。どうやら完売続出との噂が・・・。
私は初演から追いかけて、これまでに計6回観ています(過去レビュー⇒1、2、3)。この戯曲名の由来でもあるバンド“サンガツ”の生演奏にも惹かれて、熊本公演初日(99回目のステージ)に伺いました。⇒サンガツのブログに写真あり
上演時間は約1時間30分(途中15分の休憩を含む・その間サンガツの生演奏あり)。終演後には記念パーティーが催されました。
岡田さんは今年7月に神奈川県から熊本県にご家族と移住(避難)されました。御自身が暮らしはじめた街での初めての公演になったんですね。岡田さんは悲劇喜劇2012年1月号の「特集 2011年の回顧、2012年の抱負」に寄稿されています。チェルフィッチュの2011年の活動記録は演劇関係者必読かと。“小劇場すごろく”ではない道がこうやって具現化されてきたんですね。
⇒オシャレでもスタイリッシュでもなく『三月の5日間』の最新形
⇒CoRich舞台芸術!『「三月の5日間」100回公演記念ツアー』
岸田國士戯曲賞受賞作『三月の5日間』は白水社から出版されています。
書籍「わたしたちに許された特別な時間の終わり」は第2回大江健三郎賞受賞作です。小説版「三月の5日間」と、「わたしの関係の複数」という2つの短編(中編?)が収録されています。
新潮社
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山縣太一さんと松村翔子さん以外の役者さんは全員、私が『三月…』では観たことのない方々で、松村さんも今までとは違う役を演じてらっしゃいましたから、また新しく『三月…』と出会えました。ストーリーや演出はほぼ変わっていませんが、役者さんが違うと全然違いますね。登場人物の性格や背景が違うから。
イラク戦争が私にとって「懐かしい昔」になっていることにショックを受けました。初演から7年を経て、この戯曲は重みも、悲惨さも増したと思います。ある場面でボロボロと涙があふれてしまい、最前列桟敷席だったので、恥ずかしかった(汗)。
サンガツの生演奏に惹かれて熊本公演を予約しましたが、岡田さんがこの度の原発事故の影響でご家族と避難せざるを得なくなって、これから暮らす街として選んだ熊本という土地に、私も伺ってみたいと思ったからでもあります。飛行機に乗ってバスに乗って、テクテク歩いて到着した古い木造日本家屋。そこでチェルフィッチュ、サンガツ、スタッフの方々、そして観客の皆さんと出会って、一緒に2004年に生まれた現代日本の傑作舞台を味わった・・・。2011年3月11日を境に日本人は変わらざるを得なくなり、すでに大きく変化したことを実感しました。
終演後のパーティーでは福岡、愛知から来た方々と歓談。とっても寒かったので熊本県産焼酎のお湯割りをいただきました。ケータリングのお食事も美味しかったです。最後には100回公演記念のケーキが振舞われました。
ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。
ユッキーさん(松村翔子)とやりまくったミノベ君(山縣太一)が、「ホテルから出たら、(イラク)戦争は終わってるんじゃないか」と話すところ。山縣さんがお尻を板張りの床にドン!と落として、大きな音を鳴らしたんです。その後もしゃべりながら、四つん這いになってうずくまるようにして、足や手などで床をドン、ドン、と打ち付けました。怒りとあきらめ、悲しみの塊が、体と音とであらわされたように感じ、涙がぼろぼろあふれました。
あれから、サダム・フセインが処刑され、ウサーマ・ビン・ラディンも殺害(?)され、六本木と渋谷を含む東京には放射性物質がまき散らされました。今、原発事故の被害者になってやっと気づいたのですが、恥ずかしながら私にとってイラク戦争は対岸の火事だったのかもしれません。
ミノベ君は「英語話せるっていいよね」「アメリカに留学してたって、なんかいいよね」とユッキーのことを褒めます。これまでは「まあそう思うよね」とすんなり受け入れていたのですが、今回初めてひっかかりました。彼はアメリカがイラクを襲撃した戦争が早く終わって欲しいと思っているのに、「アメリカいいよね」と言っているんです。
最後はミノベ君(鷲尾英彰)が銀行から戻って、ユッキー(松村翔子)にお金を渡して、2人で渋谷駅へ向かう場面です。その前に、この公演でたった1度だけの短い暗転がありました。裸電球の明かりがじんわり点くと、それまでよりちょっと暗い目の、赤みがかった空間になりました。いきなりレトロなムードになり、まるで夢の再現、または過去の回想のようでした。木の壁と床も良かったですね。
サンガツには「5日間 (Five Days)」(⇒視聴できます ⇒ライブのレビュー)という曲があります。『三月…』とのつながりは一目瞭然ですよね。岡田さんはこの戯曲を執筆しながら「Five Days」をずっと聴いていたそうです(サンガツの小泉篤宏さんとのトークショーより)。六本木公演では途中休憩直前に流れていました。今回は休憩時間にライヴで堪能。山縣さんはその休憩中、音楽に合わせてずっと踊ってらっしゃいました。
終演後のパーティーはとっても心地よかったです。寒かったけど(笑)。ホテルに滞在するミノベ役を演じ続け、これまでの全99ステージに出演したのは山縣さんだけ。記念ケーキのろうそくを吹き消されました。
おまけ写真。帰りの空港で撮りました。熊本県のゆるキャラ「くまモン」です。私はかなり好き。
"5 days in March" 100回公演記念ツアー
≪熊本、神奈川≫
出演:山縣太一、松村翔子、武田力、青柳いづみ、渕野修平、鷲尾英彰、太田信吾
脚本・演出:岡田利規 広報(熊本):古殿万利子 記録写真:伊藤菜衣子 主催:チェルフィッチュ 企画・製作:precog
【発売日】2011/10/15 前売一般3500円、当日一般4000円 シルバー割引3000円、U24チケット1750円、高校生以下割引1000円
http://chelfitsch.net/next_performance/
http://www.kaat.jp/pf/chel35.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【オーディション】SPAC・静岡県舞台芸術センター「『マハーバーラタ』『ペール・ギュント』出演俳優募集」※01/31〆切(郵送orメール)
SPAC・静岡県舞台芸術センターが、芸術総監督の宮城聰さんが演出される『マハーバーラタ』(⇒過去レビュー)と『ペール・ギュント』(⇒過去レビュー)に出演する俳優を、各作品若干名募集しています。⇒詳細はこちら。
お稽古は静岡で行われます。静岡から世界に向けて発信する舞台に、どうぞチャレンジしてください。
●SPAC15周年記念公演『マハーバーラタ』
●「ふじのくに⇔せかい演劇祭2012」オープニング作品『ペール・ギュント』
・書類選考後、2012年2月11日(土・祝日)に実技オーディションを実施。
・性別不問/年齢:18歳以上50歳以下/国籍不問、ただし日本語を解すること。
・4月上旬から公演最終日(千穐楽)までの稽古・本番に昼夜・毎日参加できること。(稽古オフは週1日)
・千穐楽=『マハーバーラタ』2012年6月23日/『ペール・ギュント』2012年6月3日
・受験料は無料
・応募締切は郵送・Eメールともに2012年1月31日(火)<必着>
M&O plays プロデュース『アイドル、かくの如し』12/08-29本多劇場
『ルート66』に続いて岩松了さんの新作を拝見(⇒感想ツイート)。新作が2本同時上演中って凄いですよね。宮藤官九郎さんが出演されています。大人計画『SAD SONG FOR UGLY DAUGHTER』では岩松さんと立場が逆だったんですよね。
物語としては芸能界内の大人の恋愛群像劇ですが、岩松作品ならでは官能的な謎がそこかしこに。カーテンコールから客出しにかけての数分間、舞台美術がまるで生きているかのように見えました。上演時間は約2時間40分(途中休憩1回を含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『アイドル、かくの如し』
≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
弱小プロダクションに救世主のようにあらわれたアイドル!
そのアイドルを育てたのは、芸能プロの社長夫婦
宮藤官九郎主演で贈る岩松了新作は、ある芸能プロを舞台にした「平成夫婦善哉」
そして岩松的アイドル論
乞うご期待!!
≪ここまで≫
イケてる芸能事務所のシャープな具象美術。でも「それは現実だとおかしいよね?」と気になるところが、さりげなく点在。たとえば上手のベランダとオフィスの間に仕切り(ガラス戸など)がないとか(もともとそういう内装かもしれませんが)。室内に、ブラインドで外からの視線を遮断できる会議室があるのは、『シェイクスピア・ソナタ』の着替え用の部屋みたい。足元だけがガラス張りで透けている壁も岩松作品らしいです。
唐突な言葉。脈絡なく変わる話題。かみあわない会話。岩松さんのお芝居の登場人物は、自分で自分をコントロールできない(あえて直情的になる)人が大勢登場します。そして彼らは苛立っている。現状に、怒りをぶつけたがっている。観客はもちろん、もしかしたら登場人物自身も演じている役者さんも、なぜその言葉が出たのか、なぜその感情表現になるのかを、わかっていないかもしれません。謎を謎として舞台に乗せ、すばやく置き去りにしていくので、私は翻弄されます。それがとても心地いいのです。
人の心の中には、ブラインドで遮断された中身のわからない秘密の小部屋があって、そこには誰か・何かがいるかもしれない。得体の知れない衝動が、いつどのように飛び出すかわからない。登場人物はみな不器用で失敗ばかりしますが、自分の中にあるものに正直である姿はすがすがしいですし、本気の衝動から生まれた事件が、日常に変化を起こしていくのだと思います。
舞台装置が人間に見えた作品というと『ジェイプス~記憶の棲む家』を思い出しました。他にもあったかもしれませんがすぐには思いつかず。
ここからネタバレします。
想像上の人物がさらりと、さも当然のごとく現実に参加してるのがかっこいいです。むさくるしい格好の若い男性(金子岳憲)が大きなラジカセを持って登場します。最初は芸能事務所に所属しているミュージシャンかなと思ったのですが、違いました。彼は社長(夏川結衣)のお気に入りだった元所属俳優で、社長の想像上の人物でした。彼が自分でラジカセのスイッチを押して音楽(BGM)を鳴らすのが可笑しいです。他の人物とは違うこともよくわかりました。
社長の夫(宮藤官九郎)が「味方を作れば同時に敵ができる。俺たちはそうやって生きている。」といった意味のことを力説していて、心底同感でした。私たちの日常に、ごく身近な場所に、自分で作り出した敵と味方がいるんですよね。事務所の中に敵がいるし、自分の心の中に鬼がいる。若いマネージャー(足立理)が「あの女(元事務の女性)を犯そう」と言い出す場面はそれが顕著だったと思います。彼の「ここに留まってはいられない」といった若者らしい苛立ちやむやみな反骨精神は、今後コントロールできるかどうかわかりませんし、余計で深刻な問題を起こす火だねは、事務所の中にあるんですよね。
社長の夫(宮藤官九郎)の愛人(伊勢志摩)が、一度去ったのに舞い戻ってきます。彼女の真っ赤な帽子が、玄関の扉のガラスから透けて見えて、終幕。あれは愛人じゃなくて外部からやってくる敵、これから起こる事件の前触れを象徴しているのではないかと思いました。赤は血であり、恋の(煉獄の)炎であり。
≪東京、大阪、福岡、名古屋≫
出演:宮藤官九郎 夏川結衣 津田寛治 伊勢志摩 上間美緒 足立理 金子岳憲 宮下今日子、橋本一郎 岩松了
脚本・演出:岩松了 照明:沢田祐二 美術:伊藤雅子 音響:高塩顕 舞台監督:久保勲生 衣裳:戸田京子 ヘアメイク:大和田一美(APREA) 制作助手:土井さや佳 制作デスク:大島さつき 宣伝:竹内麻衣 吉田絵里(る・ひまわり) 制作協力:Little Giants プロデューサー:大屋亜由美 企画・製作:(株)森崎事務所(M&O PLAYS)
【休演日】12/12,19,26【発売日】2011/10/08 前売り・当日共6,800円(全席指定・税込)
http://www.morisk.com/plays/idol_index.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年12月13日
【オーディション】Theatre Polyphonic「ミュージカル『The Last 5 Years』主演女優募集」※01/25〆切(専用フォームorメール)
石丸さち子さんが代表をつとめるTheatre Polyphonicが、2012年12月に上演予定のミュージカル『The Last 5 Years』の主演女優を募集しています。音楽監督は伊藤靖浩さん。
『The Last 5 Years』は出演者が男女2人だけの有名ミュージカルです(⇒過去レビュー)。20代後半~30代前半に見える女性なら年齢・経験問わず。ご興味ある方はどうぞご応募ください。詳細はこちらでどうぞ。
●Theatre Polyphonic 「The Last 5 Years」(Jason Robert Brown 作/作曲)
オーディション: 2012/1/27(金)・28(土)・29(日) を予定。
応募資格:2012年10月後半からの稽古、12月の公演に参加できること。経験の有無、プロ・アマ問わず。
年齢制限:なし(20代後半?30代前半に見える方)
2011年12月11日
スペースクラフト・エンタテインメント『成河1人パフォーマンス』12/04青山~渋谷~駒場
演劇ぶっく&演劇キック主催「第2回東日本大震災チャリティオークション」にて落札された『成河(ソンハ)1人パフォーマンス』を拝見して参りました・・・!
成河さんの所属事務所がある青山から渋谷、駒場へと散策しながら、成河さんの即興演技および朗読を鑑賞するツアー。ご本人とスタッフの方々を含め合計8名でのお散歩となりました。⇒参加者の感想ツイートまとめ ⇒私の感想ツイート
↓お散歩中の写真
まずは13時に事務所会議室に集合して歓談。成河さんはユーモアとサービス精神にあふれ、パっと周囲を明るくする開かれた姿勢で、参加者と1対1で対等に会話をしてくださいました。なんと参加者自己紹介も含めて約1時間半という長時間でした。
お買い物が苦手とおっしゃる成河さんのコンビニ迷子のエピソードには仰天(笑)。目的に向かって集中して直進するお人柄がよく表れていました。ギターの弦をどこに買いに行ったかというお話から、お父様の勧めでクラシックギターを長くお稽古されていた経歴も披露。ソロ・パフォーマンスで使用したイトミミズ入りバランスボールのお話は、示唆に富み非常に刺激的でした。コントラバス奏者の齋藤徹さんらと出演された、superdeluxeでの即興公演の裏話は、成河さんの俳優人生に大きな影響を与えたようです。特に「俳優が即興をすること」については、私もちょうど気になっていたところだったので興味深く拝聴しました。
参加者が大の舞台好きばかりだったこともあり、劇場で入手するチラシやパンフレットの保存方法など、ファンならではのコアな話題にも花が咲きました(笑)。「大きな決断」というお題についての暴露話はここでは触れません(ウフフ)。
じっくり話をして全員の距離感が気持ちいいバランスに縮まってから、散歩開始。青山から渋谷へテクテクと歩き出し、大勢のお客さんでにぎわう国連大学前のFarmer's Marketに寄り道しました。成河さんはオーガニックコットンのお店でしばし立ち寄り。お肌がデリケートなんですね。
渋谷のスクランブル交差点を経て文化村方面の坂を登り、成河さんが大学時代の演劇仲間とよく集まったパスタ屋さんを確認。昔ほどではないとはいえ、今も激安価格でした。Bunkamuraの正面を通って松涛方面へ抜けて、鍋島松濤公園へ。子供たちとお母様方が遊ぶ静かな池のある公園では紅葉も見られました。
山手通りの方から東京大学駒場Ⅰキャンパスに入りました。いわゆる裏門からですね。構内は成河さんにとって懐かしい風景ばかり・・・のはずでしたが、かつての劇団綺畸の部室だった小屋「バク」があった場所には新しいガラス張りのビルが建っており、小屋は消えていました。平台を運ぶ頑丈な台車「ポチ」は、陸上部などが利用中のグラウンドの脇で、朽ちていました。
「ポチ」の近くで、成河さんが学生時代に励んでいた身体訓練(肉体訓練)の『T(ティー)』を披露してくださいました。私も東大内の劇団にいた経験があり(成河さんより何年も前にですが)、一緒に『樽枝(タルエダ)』をやらせていただきました!障害物を避けながら走る(動きをする)訓練です。全力で走るマイムをして、「樽!」と言われたら前方から転がってきた(空想の)樽を飛び越える!「枝!」と言われたら上半身に降りかかってきた(空想の)木の枝をよける(しゃがむ)!成河さんと並んで『樽枝』をやった観客は私だけだろうてっ!ウッシッシ!!(←ドヤ顔で) しかし、俊敏な成河さんと比べて私がどれほど不恰好だったかと想像すると・・・恥ずかし過ぎる・・・(汗)。優しく見守ってくださった皆様、ありがとうございました。お目汚し失礼いたしました。
東大のイチョウ並木。右下に『レ・ミゼラブル』の看板↑
構内にある劇場、駒場小空間では東大ESSによる『レ・ミゼラブル』が上演中でした。ちょうど客出しのタイミングで、きちんと本物らしい衣裳を着た俳優さんがぞくぞくと劇場の外に出て来たところ。そこから成河さんが北区つかこへい劇団の入団オーディションで『レ・ミゼラブル』の1場面を演じたという話になり、1分間ほどのパフォーマンスを披露してくださいました。物語の最初の方で、ジャベールに囚人番号で呼ばれたジャン・バルジャンが、「俺はジャン・バルジャン!」と返事をする場面といえばわかるでしょうか。成河さんは歌いながらジャベールとジャン・バルジャンの2役をくるくる演じ分けます。迫力のある声に演技がピタリと乗っていて素晴らしいです。なぜいきなりこんな演技ができちゃうんでしょうか・・・だって入団オーディションって、もう何年も前ですよね。俳優って(成河さんって)やっぱり凄いな~と感心しきり。
東大を出て駒場東大前駅から線路の向こう側へと移動しました。成河さんが子供のころ、親戚のおじ様に『ミス・サイゴン』に連れて行ってもらったという話になり、駒場野公園へと続くゆるやかな坂道を歩きながら、『ミス・サイゴン』の「命をあげよう」を歌ってくださいました。まっすぐ、どこか(何か)に向かう力が込められた歌声は、薄暗くなってきた公園内の、木々が連なる優しい景色に轟きました。近所にお住まいの方は絶対驚いてるよね・・・とドキドキしつつ(笑)、味わいました。
坂を登りきったところで、四角いテーブルを囲むベンチに全員で腰掛けました。バーベキューができるスペースもある、小さな丘のような場所です。成河さんはそこで宮沢賢治の絵本「どんぐりと山猫」の朗読をしてくださいました。NHKで放送されたもののフルバージョンです(関連ページ⇒1、2)。人間、動物などの演じ分けが安定していて、声を聞いているだけで穏やかな満足感がありました。外灯の光を頼りにしなければならないほどの暗さでしたが、全て暗記されていたそうで問題なし。さすがです。
ちょうど物語の終盤で、なんと公園に本物の猫が出現!(出演?) にゃあにゃあと鳴きながら私たちのそばを通ったのです。絵本を読み終えた成河さんはサっと四つん這いになって“猫”になり、通りがかりの猫と見つめ合いました。しばしの間があって猫が去った後、成河さんは立ち上がって(おそらく“猫”のまま)木に登り、「聞こえますか?」と空に向かって叫びました。ここで終幕。「聞こえますか?」は荒野に響くようで、俳優のストイックな探究心と、孤独を感じました。猫出現は奇跡的なサプライズでしたね。参加者に猫好きな方が多かったので、「呼んだ」のかもしれません♪
朗読の後、まだ17時ぐらいだというのにとっぷりと日が暮れた夜道を歩いて、駒場東大前近くの喫茶店に入りました。コーヒー、紅茶をいただきながら、成河さんが一緒にお仕事をされてきた演出家や俳優、最近観た面白かったお芝居、次の出演作(りんご企画『やぎの一生』、東宝ミュージカル『ハムレット』)などが話題にのぼりました。参加者も演劇やミュージカルに詳しい方ばかりでしたので、内容の濃い歓談になりました。
私はこの喫茶店までで失礼しましたが、皆さんは渋谷の韓国料理屋さんに行かれたようです。うらやましい!
※韓国料理ではなくイタリア料理だったそうです。韓国料理は次の約束だったのかしら♪(2011/12/27加筆)
【旅を終えて】
成河さんと事務所のスタッフの皆さまが、東日本大震災のチャリティーとしてこのような企画を立ち上げてくださったことに、心から感謝申し上げます。オークション落札者さん(1名)のご厚意により、落札を試みた全員が招待されました。本当にありがとうございました!
成河さんとのお散歩は一観客としてとても贅沢で幸福な時間であり、1人の俳優との邂逅でもありました。即興(エチュード)と演技の差とは何なのか、俳優とは一体何を仕事とする職業なのかなど、考えをめぐらせました。即興には「インプロビゼーション」という表現ジャンルがありますし、演劇好きの私は基本的に「即興はお稽古だ」と考えるタイプです。舞台で起こることは脚本通り(予定どおり)だけれども、それをその場で起こっているように見せる、感じさせるのが、俳優の技能だと思います。でも目の前の俳優の動作が即興なのか演技なのかを、観客が厳密に見分けられるかというと・・・非常に難しいですよね。
・・・などと考えながらこのレポートを書いていく内に、ハっと気づきました。これは成河さんがつくった「脚本の実演」だったのではないか、と。成河さんは事務所の会議室で参加者に「渋谷にまつわる思い出」を尋ね、街を題材に演劇創作をしている岸井大輔さんのことを話されました(⇒過去レビュー)。歩いている時には、渋谷の地下を流れている水路のこと、2009年の百軒店商店街での演劇フェスティバルのことも話題にされました。※成河さんは柵の上を渡り歩くパフォーマンスをされました(⇒関連動画リンク ⇒公式ブログの写真)。
私たちは東大で上演中だった『レミゼ』の、ちょうど客出しのタイミングで駒場小空間にたどりつきました。成河さんはその流れで、北区つかこうへい劇団入団オーディションで先輩に「(そんな声じゃ)聞こえねえよ!」と言われたエピソードを披露してから、『レミゼ』の1分間パフォーマンスを実行。それに呼応するように、「命をあげよう」の歌の途中で「聞こえねえよ!」というセリフを挟み、朗読の最後は「聞こえますか?」で終幕しました。これは・・・間違いないですね・・・この日のために成河さんはどれほど計画を練って、どれだけの時間をかけてお稽古されたのでしょうか・・・!
私は成河さんと他の参加者の皆さんと一緒に渋谷を歩き、昔の渋谷を思い出しながら、今の渋谷を味わいました。そうやって私にとっての渋谷は更新されました。今度渋谷を歩く時は、きっとこの特別な一日を思い出し、幸せを再体験するでしょう。私1人だけの渋谷ではなくなったことも大きいですね。
あと、ごく個人的なことですが、私は大学時代のトラウマがなくなっていたことを確認できました。人間の忘却力ばんざい!(笑) もうこれからは東大、駒場といえば“成河”です!
⇒web dorama de songha「あとがきにかえて」
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社団法人日本劇団協議会『ポルノグラフィ』12/08-13恵比寿・エコー劇場
英国留学から帰国された文学座の上村聡史さんが、英国の劇作家サイモン・スティーヴンスさんの戯曲(⇒過去レビュー)を演出。このコンビにもキャストにも惹かれたので初日を拝見しました。“日本の演劇人を育てるプロジェクト 在外研修の成果公演”です。上演時間は約1時間50分。
ハプニング(予測不可能なこと)を常に起こし続ける演出で、飽きることなく観続けられました。上村さんの演出作品は正統派会話劇しか観たことがなかったので(過去レビュー⇒1、2、3)、このような大胆な挑戦に少々驚きつつも、個人的には大歓迎。また上村さんの演出作品を観たいと思いました。⇒参考になると思われる感想ツイート
※開演前にあらすじを読んでからご覧になると良いと思います。
⇒CoRich舞台芸術!『ポルノグラフィ』
≪あらすじ≫ 公式サイトより
2005年7月7日・・・
イギリス・ロンドンで起こった地下鉄・バス連続爆破テロ事件。
56名の人生を一瞬にして奪い、世界中を震撼させた。
死亡した人に中には4名の実行犯も含まれていた。
舞台は事件の前、数日間のそれぞれのドラマである。
近親相姦にふける姉弟、報告書の作成に追われるキャリアウーマン、
女性教師にしつこくつきまとう男子生徒、教え子を部屋に連れ込んだ
大学教授、孤独を愛する老婦人、そして爆破事件の実行犯・・・。
消えた命の向こうには何があったのか。それぞれのドラマを通して
見てくるロンドン同時爆破事件とは何だったのか。
地下鉄ホームの黄色いラインで隔てられるかのような生と死と、
行き場を失った現代人の孤独を描く、サイモン・スティーヴンスの意欲作。
≪あらすじ≫
黒い空間に銀色の金属が光る、シャープでスタイリッシュな美術。舞台中央を上下に横切る、ひざ上ぐらいの高さの通路のような台は、可動式です。独白や2人だけの会話劇などのミニマムなやりとりと平行して、予測不可能な要素に富んだ演出が同時進行します。現代美術のインスタレーションのようだと思いました。これは役者さん、ハードだ・・・。
ただ、演技についてはいわゆる翻訳劇の堅さから解放されておらず、独白や会話には引き込まれませんでした。なので私は、セリフの意味自体や物語、そして周囲で起こること(演出)に、より集中して観察する方向へと意識をシフトさせました。セリフを話さない役者さんが舞台上で行う、数々の、ハプニングを起こしていく演出が面白かったです。
ここからネタバレします。
水と白い紙を使用していました。柔らかいペットボトルに入った水を役者さんが遠慮なく舞台上にぶちまけ、やがて床全体を静かに水が覆います。そこにコピー用紙がばらまかれ、一部は紙飛行機だったり紙吹雪だったり。スプリンクラーは大々的だったな~。紙をつないで作る長いリース(幼稚園や小学校で輪っかをつなげてよく作ります)が、水で溶けて切れてしまうのも良かった。
帰宅難民になった80代女性のエピソードは今年の3月11日の私たちと同じだと感じました。でも、自爆テロによる無差別殺人と、この度の東日本大震災および原発事故とは、全く違う種類の犠牲だなと考えたりもしました。今の時期だと、どうしても比較する視点になってしまいますね・・・。
日本の演劇人を育てるプロジェクト 在外研修の成果公演
出演:大崎由利子、大家仁志(青年座/平成18年度派遣)、鍛治直人(文学座/平成21年度派遣)、小嶋尚樹、
照井健仁、那須佐代子(青年座)、町田マリー(ゴーチ・ブラザーズ)、森尾舞(俳優座/平成17年度派遣)
脚本:サイモン・スティーヴンス 翻訳:広田敦郎 演出:上村聡史(文学座/平成21年度イギリス派遣) 音楽:吉田さとる、美術:長田佳代子(平成21年度派遣)、照明:藤田隆広(平成18年度派遣)、音響:栗原亜衣(文学座)、衣裳:半田悦子(平成12年度派遣)、舞台監督:岩戸堅一(アートシーン)、プロデューサー:吉田健二(イッツフォーリーズ)、制作:社団法人日本劇団協議会 松村久美子
【発売日】2011/09/08 一般=4,000円 学生=3,000円(日本劇団協議会・オールスタッフのみ取扱)
http://gekidankyo.blog59.fc2.com/blog-entry-24.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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さいたまゴールド・シアター『ルート99』12/06-20彩の国さいたま芸術劇場小ホール
さいたまゴールド・シアターは団員数42名、平均年齢72歳の大人気劇団です。彩の国さいたま芸術劇場の芸術監督である蜷川幸雄さんが演出を手がけ、毎回有名劇作家が新作を書き下ろします。第5回公演となる今回は、第1回公演に続いて岩松了さんが新作を提供。過去レビュー⇒1、2、3
戯曲が掲載された悲劇喜劇2012年1月号をロビーで購入しました。読み直して何度も落涙・・・演劇には、見えないものの中にある時間があって、それが目に見えるもの(世界)を変えていくのだと、信じられました。たぶん私にとって2011年のNo.1新作戯曲になると思います。
初日の上演時間は約3時間30分強(途中休憩15分を含む)。
⇒CoRich舞台芸術!『ルート99』
≪あらすじ≫
舞台は日本本土から離れたある島の中の、異国の基地内にある民家。島の巫女ミラとその弟子姉妹が暮らしており、島民の集会場にもなっている。今は本土から招聘された劇団ゴールド・シアターの稽古場としても解放中だ。
島の銘菓「島まんじゅう」が、基地に隣接する国道99号線にばら巻かれる事件が起こった。まんじゅうを運ぶトラックの運転手が逮捕されたが、真相は分からない。
≪ここまで≫
ここから少々ネタバレします。読んでから観に行っても問題ないかと思います。
10日間だけ許された基地内の写真撮影に訪れたカメラマンたち、基地に反対する島民、基地で働く人々、本土から来た劇団員、演劇公演に関わる公務員、そして土地を奪われた地主など、さまざまな視点から沖縄の米軍基地問題を描きます。具体的な地名などは出てきませんが、舞台が沖縄であることは明らかです。
先日の『官能教育「犬」』で、人と人は「わかりあう」ことはできない、だからこそ豊かなのだと骨身に沁みるように体験したばかりなのもあって、この『ルート99』というお芝居の構成の複雑さ、存在の曖昧な登場人物などが、とんでもなく魅力的でした。登場人物の年齢が役者さんの実年齢と合っているわけはないので、老人が若い人物を演じているギャップがあり、演劇的に常に多層であり続けます。放りっぱなしにされる謎、空いたままの穴が、その意味通りの欠落でもあり、実はすべての答えでもあるように感じました。
対して、さいたまゴールドシアターの役者さんにはそういった余白(余裕)がなく、全身全霊で演技をされています。時におぼつかなくなるセリフ、必死さが透けて見える動作は、その人自身として存在している証拠でもあり、“かけがえのない、他の誰でもない人間たち”が舞台に居ました。
すべてを包括できる深淵な虚構が、嘘のない生々しい身体でいびつに立体化され、さらには全体がメタ演劇としてパッケージングされます(劇中でゴールドシアターが上演するお芝居のタイトルが『ルート99』になるのです)。演劇だからできる表象によって、理不尽で不可解で、悲しくていとおしくてたまらない現実世界が立ちあげられ、私はその世界(実生活)を全身で浴びて、“ずぶぬれる”ことができたように思います。
初日ということもあり、前半はうまくいかず手間取っていることがわかるシーンもありましたが、後半はずっと集中して観られました。大いに衝撃を受けつつ。出演者の皆様にはどうか怪我や病気などなく、千秋楽までこの大作を演じきっていただきたいです。
ミラ役の重本惠津子さんは今作でもさすがのカリスマ性。島民・益田役の益田ひろ子さんは、たとえば巫女姉妹の姉(深谷美歩)と2人で話す場面などで、セリフを聞かせる魅力も説得力もあり、素晴らしかったです。
ヨシユキ役の川口覚さんと深谷美歩さんはさいたまネクスト・シアターのメンバーです。お2人は来年2月の新作『2012年・蒼白の少年少女たちによる「ハムレット」』で、ハムレットとオフィーリアに抜擢されています。
ここからネタバレします。セリフは戯曲よりランダムに引用。
Coccoさんの楽曲「裸体」が流れるのは戯曲のト書きに書かれています。※Coccoさんは普天間基地の辺野古への移設に反対しているアーティストです。
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無理矢理土地を奪われた軍用地主の霊たちが、留め袖と袴姿で登場します。沖縄の人なのになぜ日本の礼服を着ているのかを想像するだけでも、胸が苦しくなります。白髪に袴形の男性が、杖をついてセリフを言いながら客席の階段を降りてくるのを見て、ぞっと鳥肌が立ちました。また、ゴールド・シアターのお芝居で死者が生き生きと現れたから。彼らはすべての人間であり、近い未来の私だと思いました。
男M(軍用地主):私たちの生活に。
軍用地主全員:ずぶぬれたくて!
巫女姉妹の姉の鼻血が白いシーツについて、その血が丸く広がって日章旗になり、さらに血のしずくがどんどん垂れていって、赤い丸が溶け出してしまいます。日本の歴史は多くの人々の血の上に成り立っていて、その血は今も流され続けています。岩松さんのお芝居ではいつも血が流れる、と何かで読みました(たぶんパンフレットとか)。傷つけられること、侵されること・・・犠牲の象徴のよう。また、鼻血なので子供や若者への放射能汚染の影響も想像せずにはいられませんでした。
終盤には劇中に登場する劇団によるお芝居(ゲネプロ)が披露されます。まさか『忠臣蔵』で「島まんじゅうバラまき事件」をあらわすとは!しかも歌舞伎!!留め袖同様、ゴールドシアターの皆さんは本当に着物姿がさまになります。劇中劇で浅野内匠頭が吉良上野介を斬れなかったのは「むやみに真面目」だったから。以下、カメラマンの島民中野(中野富吉)のセリフより一部抜粋。
男C(島民中野):(ヨシユキは)そう、真面目に仕事していた!そこに何があるんです!?われわれ島民は真面目に生きてきた。その果てがこのざまなんですよ!真面目って言葉が、いかにわれわれの前進をさまたげてきたかを考えてもごらんなさい!真面目では何も解決しない!
男C(島民中野):……宗教ですよ、一種の……呪文のようなものです。「真面目」「真面目」それ以上のものでもなにもない……ただ、それをくり返してれば、入りこもうとする他人を排除することが出来る……どうせ言ってもわからないだろうって気持ちでね。
巫女姉妹の姉の恋人で、ヨシユキの逮捕と同時に姿を消した映写技師のタチバナは、とうとう最後まで登場しませんでした。ヨシユキが犯人でないのなら、タチバナがまんじゅうをバラまいたのかもしれない。つまり不在の(目に見えない)人物が、人々に変化をもたらしたんですね。演出家のセリフにあるように、「タチバナ」とは「演劇」なのだと思います。
ヨシユキ:タチバナとはよく話しましたよ。(略) 人間には、ふたつの時間があるって考え方なんですよ。見えるものからくる時間、見えないものの中にある時間。このふたつ……見えないものが見えるものを変えてゆくって、そんな言い方してたな……つまり、この島がこうあることを変えるために、われわれは見えない時間に生きる必要があるって……(略)
男K(演出家遠山):見えないものの中にある時間……そこに私は生きようとしているんですよ…(略)タチバナって呼んでみてくれませんか、私のことを。
女E(益田):私はね、今、ルート99に島まんじゅうをバラまいたのはこの私じゃないのか、そう思ってるくらいよ!
巫女姉妹の姉は恋人だったタチバナの代わりに、「ヨシユキを好きになる努力をする」ことにします。常に世界には犠牲があり、身代わりがいることを想像。姉のセリフは胸にグサっと刺さるものが多かったです。
姉:体を触れ合うことと触れ合わないことは、同じことだと、そうは思えない人たちに教える必要があったのですから。
姉:言葉を求めながら、その言葉を聞いた時すぐにでもその言葉は自分を裏切るにちがいないと感じてしまう……ならばそんな言葉など聞かなければよかったと……あなたは、私は、私たちは思ってしまう。(略) でも私はタチバナさんと言葉を交わした……。
姉:私は、これから努力するのよ。あなたのことを好きになるように。
ヨシユキ:……好きになるように?
姉:そう、私たちは、これまでにもそんな努力をしてきたから、仮の住まいで満足せよと言われて……好きになるように……好きになるように……!
ボランティアで劇団の制作をしている姉と偶然再会した公務員の妹のエピソードは、いつまでも人間は芸術をつかむ(わかる)ことができないことを表しているのだと思いました。でも追いかけ続けます。
以下、劇団の女性スタッフ2人が歌う歌の歌詞(抜粋)。
抱きしめましょう
ゆがんでしまったものたちを
抱きしめましょう
ゆがんでるねと微笑みながら
第5回公演
出演:【カメラマン】小川喬也 森下竜一 中野富吉 西尾嘉十 葛西弘 北澤雅章 倉澤誠一 【ミラの家】重本惠津子 深谷美歩(さいたまネクスト・シアター) 周本えりか(さいたまネクスト・シアター) 【島民】林田惠子 神尾冨美子 大串三和子 小渕光世 益田ひろ子 竹居正武 【基地内労働者】田内一子 都村敏子 ちの弘子 徳納敬子 たくしまけい 【市役所職員】寺村耀子 田村律子 【劇団ゴールド・シアター】上村正子 加藤素子 滝澤多江 林允子 中村絹江 百元夏繒 遠山陽一 美坂公子 石井菖子 吉久智恵子 【軍用地主】髙橋清 小林博 関根敏博 髙田誠治郎 石川佳代 渡邉杏奴 谷川美枝 佐藤禮子) ヨシユキ:川口覚(さいたまネクスト・シアター)
脚本:岩松了 演出:蜷川幸雄 演出補:井上尊晶 美術:中越司 照明:岩品武顕 衣裳:紅林美帆 音響:金子伸也 振付:佐野あい 劇中劇指導:藤間貴雅 音楽:かみむら周平 演出助手:大河内直子 藤田俊太郎 塩原由香理 舞台監督:山田潤一 特殊小道具:土屋工房(土屋武史) 制作統括:渡辺弘 関根章雄 技術統括:山海隆弘 営業宣伝:近藤一幸 鶴貝典久 小林辰郎 滝澤晶子 票券:松井哲 古出敬子 制作:高木達也 原口さわこ 辻本長 主催・企画・製作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
【休演日】12月8日、12日、16日 【発売日】2011/10/01 3,000円
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2011/p1206.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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2011年12月06日
【オーディション】空想組曲「2012年4月公演『深海のカンパネルラ』出演者募集」※12/26〆切(郵送のみ)
ほさかようさん(⇒ツイッター)が作・演出される空想組曲(過去レビューなど⇒1、2、3[PDF])が、赤坂レッドシアターで上演される2012年4月公演の出演者を募集しています。性別・年齢・国籍・演技経験不問。
ご興味ある役者さんはぜひ。お手伝いさんは随時募集中とのこと(オーディションと〆切は別・面接あり)。詳細はほさかよう公式ブログでどうぞ。
同じく赤坂レッドシアターで上演された前回公演がとても面白かったんです(⇒観客の感想)。ほさかさんは外部への脚本提供などでも活躍されています。
●空想組曲『深海のカンパネルラ』
公演日程:2012年4月15日(日)~22日(日)
会場:赤坂レッドシアター
出演:多田直人(演劇集団キャラメルボックス)・中田顕史郎・小玉久仁子(ホチキス)・二瓶拓也(花組芝居)・石黒圭一郎(ゲキバカ)・鶴町憲 他
【第一次・書類審査】
12月26日(月)郵送必着。
結果は12月30日(金)までに応募者全員にメール連絡。
【第二次・実技審査(ワークショップ形式)】
実施日程(どちらか一方)
A 1月14日(土) B 1月15日(日)
参加費:2000円
【第三次・最終審査】
実施日程 1月19日(木)
参加費:なし
2011年12月02日
【戯曲賞】(社)日本劇団協議会「『日本の劇』戯曲賞2012の戯曲募集」※2012年6/29必着(郵送or宅急便)
最優秀賞に選ばれると必ず上演される、(社)日本劇団協議会の「日本の劇」戯曲賞。今年も募集が始まりました。昨年度の上演作はこちら。昨年度の受賞作はこちら。募集要項は公式サイトでご覧ください。
●(社)日本劇団協議会「『日本の劇』戯曲賞2012」⇒公式サイト
募集締切:2012年6月29日(金)必着
最終選考委員:丹野郁弓、土田英生、西川信廣、原田一樹、宮田慶子
ブリティッシュ・カウンシル「ナショナル・シアター・ウェールズ芸術監督を囲んだ意見交換会」12/01ブリティッシュ・カウンシル東京センター
友人に誘われて、ナショナル・シアター・ウェールズ芸術監督を囲んだ意見交換会に参加させていただきました。
ナショナル・シアター・ウェールズとは、イギリス・ウェールズ地方の国立劇場で、2009年に設立されたばかり。なんと建物としての「劇場」を持たない、国立劇場(ナショナル・シアター)なのです。
公式サイトの舞台写真がかっこいい!ぜひご覧ください。⇒公演記録 ⇒トレイラー(2年目のラインナップ)
芸術監督のジョン・マクグラスさん(John McGrath ⇒ツイッター)が、オープンした最初の1年間(2010年)について、写真とともに詳しくお話しくださいました。毎月1回、つまり1年に12本の新作を、ウェールズ各地の個性的な場所(劇場ではない空間)で上演してきたそうです。国立劇場のスタッフは15人で、各公演ごとにアーティストやフリーランスのスタッフを雇うスタイル。1年間で600人以上のフリーランスの方々と仕事をされたそうです。
インターネット上に誰でも参加できるコミュニティーを作って、それが作品創作とも直結していることには驚かされました。“壁のない劇場(theatre without walls)”は、オンラインでも世界へと開かれているんですね。
公演とセットで開催される「アッセンブリー」と呼ばれる集会は、作り手と観客とが作品を通じて直接意見交換できる場で、舞台作品が箱の中の芸術に終わることなく、各地域およびそこに住む人々と不可分な関係を築く機会となっています。
2010年の12ヶ月間の最後を飾る「パッション(The Passion)」は、上演時間3日間72時間の大作で、プロのスタッフ・キャストを一部含む1,000人もの市民がさまざまな形で参加。上演会場となったポート・タルボット市には12,000人もの観客が集まったそうです。いわゆるキリスト受難劇としてだけでなく、ポート・タルボット市の今の姿を描き、同作はその年のイギリス全土を対象とした演劇賞を受賞されました。
刺激的で、未来への明るい想像ができるお話でした。劇場の中の座席という小さな個室での演劇鑑賞と、街中で多くの他の観客とともに味わう演劇体験には、それぞれに違う価値がありますよね。ナショナル・シアター・ウェールズという劇場(=演劇団体)の活動にこれからも注目していきたいです。
ナショナル・シアター・ウェールズ芸術監督を囲んだ意見交換会
‐コミュニティとの新しい関係性を模索する「壁のない劇場」の取り組みとは?‐
劇場という特定の活動拠点を持たない演劇団体として、その革新的な活動として注目を集めている英国のナショナル・シアター・ウェールズの芸術監督、ジョン・マクグラス氏の来日にあわせて、ブリティッシュ・カウンシルは日英の劇場運営のあり方について意見交換するラウンドテーブルセッションを以下の通り開催致します。皆様のご参加をお待ちしております。
日時: 2011年12月1日(木) 15:30 -17:30
会場: ブリティッシュ・カウンシル 東京センター
定員: 20名 参加費:無料 / 通訳あり 主催: ブリティッシュ・カウンシル 協力: 新国立劇場
お申込・問合せ: ブリティッシュ・カウンシル
http://forum.fringe.jp/comments.php?DiscussionID=471&page=1#Item_0
ブリティッシュ・カウンシル:http://www.britishcouncil.org/jp/japan.htm
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2011年12月01日
【オーディション】イキウメ「2012年5~6月新作公演出演者、文芸スタッフ、制作スタッフ募集」※2012 年01/14〆切(消印有効・持参不可)
前川知大さんが作・演出される劇団イキウメが、2012年5~6月の新作公演に向けて出演者、文芸スタッフ、制作スタッフを募集しています。詳細は以下のチラシからの情報でご確認ください。
世田谷パブリックシアターの「劇作家の作業場」と連携した企画で、小川絵梨子さんが前川さんの脚本を演出されるのにも注目ですね。
●イキウメ「2012年5~6月新作公演」@東京、大阪、福岡
作:前川知大 演出:小川絵梨子
現在決定している出演者:浜田信也 盛隆二 岩本幸子 伊勢佳世 森下創 大窪人衛 加茂杏子 安井順平
応募〆切:2012年1月14日(土) ※消印有効・持参不可
■イキウメ「次回公演+ワークインプログレス2012」
新作公演に向けて、出演者、文芸スタッフ、制作スタッフを募集いたします
次回は劇作家、演出家、俳優でワークショップを繰り返し、戯曲を練りあげていくところからスタートします。このワークインプログレスは、世田谷パブリックシアターの企画「劇作家の作業場」と連携して行われる予定です。
3/6-9、3/15-21に、文芸ワークショップ、俳優ワークショップを行い、最終日には途中経過の発表を行います。稽古は4月から始まり、公演は5/11-27シアタートラム(東京)、6/1-3 ABCホール(大阪)、6/9-10西鉄ホール(福岡)を予定しています。オーディションはワークインプログレスと稽古、公演日程に参加可能な方を対象にしています。ふるってご応募ください。
【応募要項】
1、出演者
[応募条件]上記日程参加可能な方
[応募書類締め切り]2012年1月14日(土)(消印有効持参不可)
[応募方法]必要書類以下3点をご郵送ください。書類選考の上、書面でご通知いたします。
①履歴書(簡単な自己紹介文、経験のある方は出演歴を明記)
②写真2点(顔・全身、裏面にお名前、身長、体重、3サイズを明記)
③返信用封筒(書類選考結果の郵送先ご住所を記載し、80円切手を貼付した長3封筒)
送り先
〒153-0061東京都目黒区中目黒1-1-65-301 HB内イキウメ「出演者募集」係
[実施日程(実技審査)]2012年2月4日(土)、2月5日(日)都内スタジオ
[参加費]実技審査のみ2,000円(審査時にお支払いいただきます)
2、文芸スタッフ、制作スタッフ
専用のお申込み用紙がございます。希望される方は劇団事務所までメールにてお問合せください。
応募書類の締め切りは1月14日(土)です。
[お問合せ]劇団事務所 電話:03-3715-0940 / E-Mail:office(アットマーク)ikiume.jp
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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イキウメ『太陽』11/10-27青山円形劇場
前川知大さんが作・演出される劇団イキウメの新作は、2006年に上演された作品をベースにしたSFです。イキウメの公演は毎回ハズレがないので、「誰にでもお薦めしたい劇団です」と言えます。今回も然り!東京公演は終了、大阪公演は12月2日~4日です。
上演時間は約2時間10分と短くはないのですが、引き込まれてあっという間でしたね。SFには違いないのですが、私たちのごく身近な実生活、たとえば家庭や職場、学校などで起こるドラマを観ているようでした。
当日パンフレットの「ストーリーライン」に書かれていることは、劇中では全くと言っていいほど説明されません。観劇前に読んでおいてもいいですし、観劇後に読んで味わいを深くするのもいいと思います。
写真↓(左から):大窪人衛・浜田信也 撮影:田中亜紀
⇒CoRich舞台芸術!『太陽』
レビューはほぼ記録のみ。
床の高さが微妙に違う抽象美術。ゴッホの油絵のようにごってりとした塗料で床が塗り込められていて、重厚です。照明の切り替えとともにすばやく場面転換するのがスリリング。劇団員および常連の役者さんがそろっていて、演技にも安定感があり、すっかり素直な気持ちになって物語の中に入って行けました。
冒頭場面で男性が1人立っているのが見えて、「あぁ、この人、怖い・・・」と感じたんです。どなたが演じてらっしゃるのかしばらくわからないほど、劇中の人物としての確かな存在感がありました。
ここからネタバレします。
冒頭の、キュリオの村から逃亡したトラブルメーカー役は、森下創さんでした。すごくいやらしくて怖い人に見えたんですよね。えらそうな言い方ですが、劇団員の役者さんも着実に成長してこられているのだなと思いました。いい劇場での多地域ツアーを続けている比較的若い劇団は、おそらく数えられるほどしかありません。イキウメがこれからも劇団活動を続けてくれたらと思います。
≪東京、大阪≫
青山演劇LABO #005 2011年11月10日(木)プレビュー公演 2011年11月12日(土)~27日(日)
出演:浜田信也 / 盛隆二 / 岩本幸子 / 伊勢佳世 / 森下創 / 大窪人衛 / 加茂杏子 / 安井順平 / 有川マコト
脚本・演出:前川知大 舞台監督:谷澤拓巳 美術:土岐研一 照明:松本大介 音楽:かみむら周平 音響:青木タクヘイ 衣装:今村あずさ ヘアメイク:西川直子 演出助手:大堀光威 福本朝子 制作:中島隆裕 吉田直美 演出部:棚瀬巧 渡邊亜沙子 文芸部:結木佐人 春謡漁介 コスメ協力:チャコット 大道具製作:C-COM 小道具:高津装飾美術 運搬:マイド宣伝美術:末吉亮 宣伝イラストレーション:吉實恵 舞台写真:田中亜紀 (東京公演)提携:こどもの城 青山円形劇場 運営協力:サンライズプロモーション東京 (大阪公演)運営協力:サンライズプロモーション大阪 主催:イキウメ/ エッチビイ
【休演日】11/11,21【発売日】2011/10/01 前売4,000円 / 当日4,200円 (全席指定・税込) ★プレビュー公演のみ 前売3,800円 / 当日4,000円 (全席指定・税込) 未就学児童は入場不可。
http://www.ikiume.jp/kouengaiyou.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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メルマガ 2011年12月のお薦め舞台

お薦めお芝居をご紹介しています
2011年12月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
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“しのぶの演劇レビュー” Vol. 90 2011.12.01 1,802部 発行
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今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
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◎とうとう2011年も師走がやって来てしまいました・・・。
決して忘れられない年にも、終わりがやってくる。
人間は否応なく時間に流されるものだと自覚しつつ、大切なことを
大切な人たちと共有して、かみしめて、心に刻みたいです。
舞台には、あなたの心を揺さぶり、
人生の輝きを増してくれる奇跡があります。
“今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪
◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
○
○○ 今回のもくじ
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◆1【今月のお薦め10本+α】
◎No.1→チェルフィッチュ『三月の5日間』
≪熊本、神奈川≫
12/16-23神奈川芸術劇場・中スタジオ
http://chelfitsch.net/
◆2【先月のベスト3】
◎No.1→Produce lab 89『官能教育 藤田貴大×中勘助「犬」』
11/23-27新世界
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1130162831.html
◆3【編集後記】
◎演劇公演の終演後のトークにゲスト出演します。
日本の問題『日本の問題』
11/27-12/04ザ・ポケット ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=27387
私が出るのは12/3(土)14:00の回の終演後です。
◆4【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪
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◆1 【今月のお薦め10本+α】
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▽★印がいちおし公演です(3本)。
▽初日の早い順に並べています。
▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
▽座種の記述がない公演は全席指定。
1.山の手事情社・2本立て公演
『傾城反魂香』12/01-04アサヒ・アートスクエア
『道成寺』12/07-11アサヒ・アートスクエア
☆出演:山本芳郎 浦弘毅 倉品淳子 山口笑美 大久保美智子 川村岳
岩淵吉能 水寄真弓 斉木和洋 植田麻里絵 文秉泰 園田恵 三井穂高
小栗永里子 安部みはる 谷洋介 石原石子 村田明香 鯉渕翼 中川佐織
構成・演出=安田雅弘
[前売]一般4,500円 高校生以下1,500円 平日昼3,800円(12/1昼の回)
2演目セット券7,000円 ペアチケット8,000円
[当日]一般5,000円 高校生以下2,000円
http://www.yamanote-j.org/works/works_hangonko-dojouji201112.html
『傾城反魂香』は近松門左衛門原作の全編を一挙上演。
今年6月、世界三大演劇祭の一つシビウ国際演劇祭で絶賛されたそうです。
『道成寺』は2004年初演で、再演が繰り返されている作品です。
両作品とも上演時間は90分予定。過去レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1102002853.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0527013938.html
2.梅田芸術劇場『みんな我が子』
12/02-18新国立劇場小劇場
≪東京、大阪≫
☆出演:長塚京三 麻実れい 田島優成 朝海ひかる 柄本佑 隆大介
山下容莉枝 加治将樹 浜崎茜
※子役ダブルキャスト:坂口湧久 鈴木知憲
脚本:アーサー・ミラー 演出:ダニエル・カットナー
S席 8,500円 A席 6,000円
http://www.umegei.com/schedule/57/
『みんな我が子』は米国劇作家A・ミラーの1947年トニー賞受賞作。
長塚京三さん、麻実れいさんら豪華出演者の重厚な翻訳劇に期待。
3.シス・カンパニー『その妹』
12/02-26シアタートラム
☆出演:市川亀治郎 蒼井優 秋山菜津子 段田安則 鈴木浩介 水野あや
内田亜希子 西尾まり
脚本:武者小路実篤 演出:河原雅彦
7,500円 未就学児童の入場不可。
http://www.siscompany.com/03produce/35sonoimouto/index.htm
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/12/post_254.html
戦争で失明した画家とその妹の物語。市川亀治郎さん、
蒼井優さんという大スターを300席の小空間で観られる贅沢。
4.パルコ・プロデュース『90ミニッツ』
12/03-30 PARCO劇場
三谷幸喜50周年大感謝祭
≪東京、北九州、大阪、石川、福岡、宮城、新潟、愛知、広島≫
☆出演:西村雅彦 近藤芳正
脚本・演出:三谷幸喜
8,000円 プレビュー公演7,000円 U-25チケット6,000円(25歳以下対象)
http://www.parco-play.com/web/page/information/90minutes/
三谷幸喜さんが作・演出された西村雅彦さんと近藤芳正さんの2人芝居
というと、映画化もされた『笑の大学』。海外でもよく上演されています。
三谷さんによる新作で、15年振りに伝説のタッグが復活。
5.社団法人日本劇団協議会『ポルノグラフティ』 ←『ポルノグラフィ』が正しいです。 お詫びして訂正します。
12/08-13恵比寿・エコー劇場
日本の演劇人を育てるプロジェクト 在外研修の成果公演
☆出演:大崎由利子、大家仁志、鍛治直人、小嶋尚樹、照井健仁、
那須佐代子、町田マリー、森尾舞
脚本:サイモン・スティーヴンス 演出:上村聡史(文学座)
一般=4,000円 学生=3,000円
http://gekidankyo.blog59.fc2.com/blog-entry-24.html
英国劇作家の戯曲を上村聡史さんが演出。海外で勉強してこられた
俳優、スタッフが大勢参加している公演です。
サイモン・スティーヴンス戯曲の過去レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0926221819.html
6.森崎事務所・M&O playsプロデュース『アイドル、かくの如し』
12/08-29本多劇場
≪東京、大阪、福岡、愛知≫
☆出演:宮藤官九郎 夏川結衣 津田寛治 伊勢志摩 上間美緒 足立理
金子岳憲 宮下今日子 橋本一郎 岩松了
脚本・演出:岩松了
前売り・当日共6,800円(全席指定・税込)
http://www.morisk.com/plays/idol_index.html
岩松了さんの新作は芸能界を舞台にしたアイドル論(?)。
宮藤官九郎さん、夏川結衣さんら豪華キャスト。
7.SCOT吉祥寺シアター公演『前衛漫画劇 帰ってきた日本』/
『別冊 谷崎潤一郎』/『エレクトラ-オレステスを待ちつつ』
12/09-23吉祥寺シアター
☆出演:SCOT
演出:鈴木忠志
5,000円 3演目セット券=12,000円 劇場会員割引などあり
http://www.scot-suzukicompany.com/kichijoji/
利賀を拠点にする鈴木忠志さんの劇団SCOTが、東京で3作品を上演。
SCOTは世界的にも有名なカンパニーです。
ご覧になったことのない方は一度体験してみる価値ありと思います。
8.パルコ・プロデュース『RICHARD O'BRIEN'S「ロッキー・ホラー・ショー」』
12/09-12/25神奈川芸術劇場・ホール
≪神奈川、福岡、大阪、東京≫
☆出演:古田新太 岡本健一 笹本玲奈 中村倫也 グリフィス・ちか 右近健一
辛源 ニーコ 飯野めぐみ 生尾佳子 JuNGLE 皆本麻帆 ROLLY 藤木孝
脚本・作詞・作曲:リチャード・オブライエン 演出:いのうえひでのり
S席9,500円 A席7,500円 B席5,500円
1階バルコニー後列席9,000円 ※未就学児の入場不可
http://www.parco-play.com/web/page/information/RHS_KAAT/
有名ホラー・ミュージカルを劇団☆新感線のいのうえひでのりさんが演出。
主演の古田新太さんをはじめ有名ミュージカル俳優など、
キャストが豪華・・・というか怪優ぞろい(笑)なので楽しみ!
9.TPT『プライド』
12/15-25 d-倉庫
☆出演:馬渕英俚可 須賀貴匡 山口馬木也 谷田歩
脚本:アレクシ・ケイ・キャンベル 訳:広田敦郎 演出:小川絵梨子
4,500円 25歳以下&65歳以上3,000円
http://www.tpt.co.jp/aboutus/archive/081.html
2008年ロンドン初演戯曲を小川絵梨子さんが演出。小川さん過去レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0624001051.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0825105451.html
4人の俳優による大人のドラマに期待できそう。
10.劇団青年座『欲望という名の電車』
12/15-25世田谷パブリックシアター
≪東京、埼玉≫
☆出演:高畑淳子 神野三鈴 宅間孝行 小林正寛 山本道子 塾一久
川辺邦弘 金内喜久夫 津田真澄 宇宙(たかおき)
脚本:テネシー・ウィリアムズ 演出:鵜山仁 音楽・演奏:小曽根真
S席(1・2階席)6,500円 A席(3席)5,000円
http://www.seinenza.com/performance/committee/111215.html
テネシー・ウィリアムズの有名戯曲を鵜山仁さんが演出。
小曽根真さんが作曲・生演奏で参加!!小曽根さんは2000年に
『欲望…』の音楽を担当されていました。↓過去レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2000/1101095925.html
☆☆☆──────────────────────────────
前売3000円台の気になる作品を7本ご紹介します。
──────────────────────────────☆☆☆
★《1》ままごと『あゆみ』
12/01-04森下スタジオ
≪東京、神奈川≫
☆出演:秋葉由麻 鈴木亜由子 長沼久美子 藤吉みわ フタヲカルリ
真嶋一歌 吉田愛
脚本・演出:柴幸男
全席自由/日時指定/整理番号付
【予約】3,000円【当日】3,500円
【高校生以下】予約/当日 1,000円 ※未就学児童は入場不可
http://www.mamagoto.org/ayumi-2011.html
『あゆみ』は柴幸男さんの代表作の1つ。昨年名古屋で製作された
新バージョンが、東京と横浜で初上演。↓過去レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0622235132.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0726231714.html
11/30にプレビュー↓を拝見。ほとんど新作になったようです。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1130234115.html
《2》(財)三鷹市芸術文化振興財団・城山羊の会『探索』
12/01-11三鷹市芸術文化センター星のホール
☆出演:石橋けい 猪野学 岡部たかし 永井若葉 岩谷健司 鈴木コウヤ
本村壮平 山口奈緒子 東加奈子 牧田明宏
脚本・演出:山内ケンジ
全席自由席・日時指定・整理番号付
一般前売:3,200円/一般当日:3,500円
高校生以下:前売・当日とも1,000円
【12/1~2=早期観劇割引・12/8昼の回=平日マチネ観劇割引】
一般前売:2,700円/一般当日:3,000円
高校生以下:前売・当日とも1,000円
http://shiroyaginokai.com
http://mitaka.jpn.org/ticket/1112010/ ↓過去レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0526161959.html
CMディレクターでもある山内ケンジさんの新作。キャストはくせ者ぞろい。
大人向けの不可思議な悲喜劇で、私をめいっぱい惑わせてほしい。
《3》渡辺源四郎商店『エクソシストたち』
12/02-04こまばアゴラ劇場
≪青森、東京≫
☆出演:藤由佳子 高坂明生 三上晴佳 柿崎彩香 工藤良平
牧野慶一 山田百次 斎藤千恵子 音喜多昭吾 音喜多咲子
脚本・演出:畑澤聖悟
前売 一般3,000円 学生2,000円 高校生以下500円
当日 一般3,300円 学生2,300円 高校生以下800円
http://www.nabegen.com ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=31382
高校演劇界でも有名な畑澤聖悟さん率いる青森の劇団の新作。
今年の秋は、老舗劇団の民藝への書き下ろし↓も好評でした。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1005225202.html
★《4》さいたまゴールド・シアター『ルート99』
12/06-20彩の国さいたま芸術劇場小ホール
☆出演:さいたまゴールド・シアター、川口覚、周本えりか、深谷美歩
脚本:岩松了 演出:蜷川幸雄
一般3,000円 劇場会員2,700円
http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2011/p1206.html
岩松了さんの書き下ろしを蜷川幸雄さんが演出されるだけでも大注目。
団員数42名、平均年齢72歳の大人気劇団です。過去レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0918113356.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0626001959.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0320171438.html
★《5》チェルフィッチュ『三月の5日間』
12/16-23神奈川芸術劇場・中スタジオ
≪熊本、神奈川≫
☆出演:山縣太一、松村翔子、武田力、青柳いづみ、渕野修平、
鷲尾英彰、太田信吾
脚本・演出:岡田利規
前売一般3500円、当日一般4000円 シルバー割引3000円、
U24チケット1750円、高校生以下割引1000円
http://chelfitsch.net/next_performance/
2004年初演の岸田國士戯曲賞受賞作↓が5年振りに首都圏で再演!
http://www.hakusuisha.co.jp/kishida/review49.php
上演回数計100回を記念したツアーです。私は熊本公演に行きます。
横浜公演トレイラー:http://bit.ly/viNg9Z
※100回公演記念プレイベント:「『三月の5日間』以降」とは一体?
日時と場所:12月7日(水)18時~@神奈川芸術劇場中スタジオ
http://chelfitsch.net/news/5_7.html
出演:内野儀、岡田利規、小澤英実、神里雄大、北川陽子、
二階堂瞳子、西尾佳織、野村政之、三浦直之、藤田貴大
公演のチケットを購入された方向け。メールにて要予約。無料。
●お薦めポイント●
メルマガ10月号↓にお薦め前売り情報を掲載しました。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1001000058.html
今どきの若者言葉でつづられた脚本とダンスのような独特の身体表現。
私は初演で感動し、再演時には六本木の会場に何度も通いました。
2007年、2006年、2004年レビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1212150053.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0324120402.html
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0525002641.html
前売一般3500円は破格!若者向け割引も太っ腹!高校生以下は1000円!!
ご家族、お友達、恋人を誘ってぜひ観に行っていただきたいです。
※私個人としては、鑑賞年齢は中学生以上推奨です。
《6》クロムモリブデン『節電 ボーダー トルネード』
12/20-30赤坂RED/THEATER
☆出演:森下亮 金沢涼恵 板倉チヒロ 奥田ワレタ 久保貫太郎
渡邉とかげ 幸田尚子 小林義典 武子太郎 花戸祐介 七味まゆ味
脚本・演出:青木秀樹
<一般>前売3500円、当日3800円 <学生>前売2500円、当日3500円
<リピーター割引あり>
http://crome.jp/
常に新作を発表し続けるクロムモリブデン。妄想が暴走する
独特の異世界へと、達者な役者さんがトリップさせてくれます。
《7》中野成樹+フランケンズ『ゆめみたい(2LP)』
12/23-27川崎市アートセンター アルテリオ小劇場
ハムレット「シェイクスピア」より
☆出演:村上聡一 福田毅 竹田英司 田中佑弥 洪雄大 野島真理
石橋志保 斎藤淳子 小泉真希 北川麗
原作:シェイクスピア 誤意訳・演出:中野成樹 翻訳:長島確
全席自由・日時指定 一般3,500円、ユース(27歳以下)3,000円
高校生以下2,000円
http://www.facebook.com/yumemitai
http://kawasaki-ac.jp/theater-archive/111223/
中野成樹さんが『ハムレット』を誤意訳・演出されます。
本来なら上演に3時間以上はかかる演目を、長島確さんの
新翻訳を得て、90分に凝縮するチャレンジングな試み。
★★★──────────────────────────────
前売2000円台以下の気になる作品を6本ご紹介します。
──────────────────────────────★★★
【1】乞局『乞局(こつぼね)』
12/08-13王子小劇場
☆出演:石田潤一郎/岩本えり/墨井鯨子/三橋良平/浅井浩介/
佐野陽一/柴田洋佑/用松亮/善積元/石村みか/ザンヨウコ/
田中のり子/徳橋みのり/西田麻耶/墨井鯨子/三橋良平 他
脚本・演出:下西啓正
前売り:¥2,800 当日:¥3,300 学生割引:¥2,500
喪服割引:¥2,500 初日割引=¥2,500
(当日券=¥2,800/学生割引・喪服割引はありません)
ハツボネ割引:¥1,500 WSセット券:¥3,500
http://kotubone.com/ ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=31421
下西啓正さんが作・演出される乞局(こつぼね)の旗揚げ公演の再々演。
粘着質でグロテスクな世界観を、達者なキャストで。↓2006年レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0610223122.html
【2】木ノ下歌舞伎『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』
12/16-19 STスポット
京都×横浜プロジェクト2011
≪京都、神奈川≫
☆出演:楠海緒 重岡漠 関亜弓 殿井歩 富松悠 松尾恵美 連木綿子
演出:白神ももこ 監修・補綴:木ノ下裕一 美術:杉原邦生
日時指定・入場整理番号付き・自由席
前売:一般¥2,500 学生¥2,000 当日:一般¥2,800 学生¥2,300
http://kinoshita-kabuki.org/ ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=31982
歌舞伎作品を現代的な演出・脚本で立ち上げる木ノ下歌舞伎の新作。
演出は、『わが星』↓の振付で、今年の読売演劇大賞中間選考会の
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0420225339.html
スタッフ賞ベスト5↓に選ばれた白神ももこさん。
http://info.yomiuri.co.jp/culture/2011/07/post-29.html
【3】Produce lab 89
『バナナ学園純情乙女組 六本木女子分校クリスマスパーティー2011
六本木姦姦娘★☆★純情乙女の陵辱Xデー!!!!!』
12/17-18新世界
☆出演:バナナ学園純情乙女組
演出:二階堂瞳子
SP席(スーパーパンチラシート)3,000円+ドリンク代(予約・当日共に)
S席(通常席)2,500円+ドリンク代(当日・予約共に)
当日は受付順に入場。立ち見の可能性あり。
http://www.producelab89.com/ ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=32656
バナナ学園純情乙女組が六本木のバーを占拠。
何が起こっても一緒に楽しむ意気込みで参戦したい。
22時開演の回がお薦めです!F/T11参加作品のレビュー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1026234937.html
【4】新国立劇場演劇研修所第5期生試演会2『牛山ホテル』
12/22-24新国立劇場小劇場
☆出演:演劇研修所第5期生、滝香織(2期生)、宇井春雄(2期生)
脚本:岸田國士 演出:西川信廣
A席3,000円 B席2,000円 Z席1,500円 学生割引(高校生以下)1,000円
http://www.nntt.jac.go.jp/training/20000575_training.html
日本唯一の国立俳優学校の5期生による試演会です。岸田國士戯曲を
新国立劇場小劇場にて上演。演出は文学座の西川信廣さん。
【5】時間堂『星の結び目』
12/22-01/02こまばアゴラ劇場
☆出演:菅野貴夫 鈴木浩司 ヒザイミズキ 直江里美 窪田優 荒井志郎
木下祐子 斉藤まりえ 酒巻誉洋 猿田モンキー 山田宏平
脚本:吉田小夏(青☆組) 演出:黒澤世莉(時間堂)
整理番号付自由席 前売・当日:3000円 学生割引:1900円
http://www.jikando.com/ ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=31802
オーソドックスなお芝居を小劇場で上演する時間堂。
吉田小夏さんの新作を、清楚な透明感、穏やかな浮遊感で立ち上げます。
【6】快快『ゆく年くる年“SHIBA⇔トン”歳末大感謝祭』
12/27-28 M EVENT SPACE & BAR
☆出演:天野史朗 篠田千明 大道寺梨乃 中林舞 野上絹代 山崎皓司
加藤和也 河村美帆香 北川陽子 佐々木文美 藤谷香子 しんぽうなおこ 他
予約/当日ともに2500円 予約特典:年末ジャンボ宝くじ
http://faifai.tv/faifai-web/2011/11/shibahama-6.html
日本を飛び出し世界で活躍する快快(ファイファイ)の年末イベント。
「演劇」「公演」という枠組みに収まらない自由で挑戦的なスタイルは、
“生きとし生けるもの、全員LOVE!!”という思想から生まれたもの。
観客を歓待する姿勢にもよく表れています。↓『SHIBAHAMA』レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0616095523.html
≪高校演劇≫
○高校演劇サミット「高校演劇サミット2011」
12/15-18アトリエ春風舎
☆参加高校(4校):成蹊高校『整理整頓』/
暁星高校『うれし泣くピラニアの声が聞こえる』/
都立世田谷総合高校『お里に帰れ』/群馬県立前橋南高校『箱式hollow』
全席自由、日時指定、要予約。一般券 1演目:1,000円
フリー券 一般フリー券:1,500円 高校生フリー券:500円
*フリー券は本人様に限り4演目何度でも観劇可能
http://kokoengeki.exblog.jp
http://www.komaba-agora.com/line_up/2011/12/highscho_summit/
高校演劇の大会で上演した作品をブラッシュアップし、小劇場にて上演。
現役高校生のお芝居を体験してみてください。
○福島県立いわき総合高等学校演劇部『Final Fantasy for XI.III.MMXI』
12/21-22アトリエヘリコプター
≪兵庫、東京≫
☆出演:いわき総合高等学校演劇部員
脚本:いしいみちこ 演出:長瀬有紀子
全席自由 2,000円
※23日に別会場で高校生以下対象の招待公演あり。一般観客は入場不可。
http://iwasoff11.exblog.jp/
福島県いわき市の高校生が、震災および原発事故を題材に創作したお芝居。
高校演劇福島県大会2011にて最優秀賞を受賞しました。来たる12/16~18に
山形市民会館で行われる東北大会への出場が決まっています。
http://blog.goo.ne.jp/keito-28/e/bdfbe21380f081356eba4a78ca3eacaf
※11/29の時点で12/22日(木)15時のみ残席あり。
≪リーディング・その他≫
○(社)国際演劇協会日本センター
紛争地域から生まれ演劇シリーズ3/「動乱と演劇」ドラマリーディング1
『ボイラーマンの妻』『罠』『ナパジ・ナパジ』
12/02-04イワト劇場
☆中国、カメルーン、オーストラリアの戯曲をリーディング上演。
1,500円 ITI会員は1000円 シンポジウムあり(有料・要予約)
http://www.green.dti.ne.jp/~iti/ ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=32088
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=32086
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=32087
○(社)国際演劇協会日本センター「ITI世界の秀作短編研究シリーズ ドイツ編」
12/16-18イワト劇場
12/19-20ドイツ文化会館ホール
☆ドイツ戯曲(計6作品)をリーディング上演。
日時指定・全席自由 一般1,500円
学生・ドイツ文化センター語学部受講生・ITI会員1,000円
トーク・シンポジウムは入場無料、予約不要
http://www.green.dti.ne.jp/~iti/german/index.html
※[1]~[3]の会場はイワト劇場 ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=31687
[1]ハイナー・ミュラー『画の描写』/デーア・ローアー『言葉のない世界』
[2]アンドレス・ファイエル、ゲジーネ・シュミット『キック』
[3]エルフリーデ・イェリネク『光のない。』(2011年初演)
※[4]と[5]の会場はドイツ文化会館ホール ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=31688
[4]ローラント・シンメルプフェニヒ『イドメネウス』
[5]ファルク・リヒター『氷の下』
○アトリエ春風舎プロデュース
『若手演出家サミット2011 成果発表会+トークセッション』
12/24-25アトリエ春風舎
☆出演:オーディション合格者
演出:奥山雄太(ろりえ)/柴幸男(ままごと)/中屋敷法仁(柿喰う客)
藤田貴大(マームとジプシー)/船岩祐太(演劇集団砂地)
前売2,000円 当日2,500円 (全席自由)
※12/15に別会場にてキックオフ・ミーティングあり。
全席自由・前売のみ 1,000円
※12/19-23のワークショップは観覧可能。全席自由・要事前予約。
1コマ見学券1,000円 10コマ通し券 5,000円
http://www.komaba-agora.com/line_up/2011/12/wes2011/
http://bit.ly/wes2011 ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=31042
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆2 【先月のベスト3】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.Produce lab 89『官能教育 藤田貴大×中勘助「犬」』
11/23-27新世界
☆壮絶でした。しばらく他のお芝居は観なくていいかも・・・と
思っちゃうぐらいの、大きな衝撃と感動。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1130162831.html
2.高校演劇都大会2011・都立新宿高校『ひたすら、国道6号線。』
11/12練馬文化センター小ホール
☆震災と原発事故に正面から向き合った、現役高校生の本音と覚悟。
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1114191651.html
上演台本がPDFファイルで公開されています↓
http://tokyo.koenren.org/mu0w50qfe-176/#_176
3.該当作なし。
その他はF/T11『レッドと黒の膨張する半球体』、東宝『ピアフ』、
世田谷パブリックシアター『往転』、箱庭円舞曲『いつも誰かのせいにする』、
イキウメ『太陽』、ままごと『あゆみ(プレビュー)』など(順不同)。
◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
2011年11月(観劇数31作品)は残念ながら発行せず。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆3 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎おすすめ3本すべてが3,000円台の作品になりました。内2本は再演です。
普段あまり小劇場に縁がない方にも、自信を持ってお薦めできます。
◎震災があり、家族が一緒に暮らせることのありがたみを、ひしひしと
感じています。年末年始は家族との時間を多く取るつもりです。
◎演劇公演の終演後のトークにゲスト出演します。
・日本の問題『日本の問題』
11/27-12/04ザ・ポケット
【A班参加団体】経済とH、風琴工房、DULL-COLOREDPOP、Mrs.fictions
【B班参加団体】ろりえ、ミナモザ、JACROW、アロッタファジャイナ
http://nipponnomondai.net ↓こりっちでカンタン予約!
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=27387
私が出るのは12/3(土)14:00 (A班)の回の終演後です。
◎高校演劇・東京城東地区発表会の審査員をさせていただいたご縁で、
東京都高等学校演劇連盟『中央発表会(都大会)』を一部拝見。↓レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1114191651.html
◎「しのぶの演劇レビュー」内の原発事故関連エントリー↓
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0804134402.html
文部科学省「東京都及び神奈川県の航空機モニタリングの測定結果」(PDF)↓
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1910/2011/10/1910_100601.pdf
◎おすすめ舞台中継 on TV(おすすめがある時だけ掲載)
【意見】NHK「芸術劇場」「ミッドナイトステージ館」
「プレミアムシアター」での演劇舞台中継の継続を嘆願します
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0202151800.html
【WOWOW ライブ】12/7(水)午後2:00~
Bunkamura『タンゴ-TANGO-』
http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/075487/
作:スワヴォミル・ムロジェック 演出:長塚圭史 ↓レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1209151257.html
【WOWOW ライブ】12/8(木)午後1:30~
Bunkamura『黴菌』
http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/075488/
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ ↓レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1218133902.html
【WOWOW ライブ】12/17(土)よる9:00~
世田谷パブリックシアター『現代能楽集VI 奇ッ怪 其ノ弐』
http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/075526/index.php
作・演出:前川知大 ↓レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0917171103.html
【NHK-BSプレミアム】12/19(月)23:00~1:30
D-BOYS STAGE 2011『ヴェニスの商人』
http://www.moon-light.ne.jp/news/2011/11/nhk-bs-butai2012.html
脚本:W.シェイクスピア 演出:青木豪 ↓レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0508000515.html
【WOWOW ライブ】12/23(金)午後5:30~
★生中継★Quaras『8人の女たち huit femmes』
http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/100053/index.php
原作:ロベール・トマ 演出・上演台本:G2
【WOWOW ライブ】12/23(金)深夜0:30~
SIS company『トップ・ガールズ』
http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/075513/
作:キャリル・チャーチル 演出:鈴木裕美
【WOWOW ライブ】12/24(土)よる9:00~
パルコ・プロデュース『クレイジーハニー』
http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/075525/
作・演出:本谷有希子 ↓レビュー
http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0813135454.html
◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
2011年11月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
・「奇跡」←子供たちが主役。題名は直球すぎてもったいないな~。
http://kiseki.gaga.ne.jp/
・「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦」
http://shinchan-movie.com/ ↑毎年レベル高し。
・「岳 -ガク-」←連載漫画を映画化すると途切れ途切れになりますね。
http://www.gaku-movie.jp/
・「マイ・バック・ページ」←松山ケンイチさんの空っぽな演技が凄い。
http://mbp-movie.com/
・「ライブテープ」←「あんにょん由美香」の松江哲明監督作品。
http://www.boundee.jp/news/details/315.html
◎【厳選シアター情報誌Choice!】TOPページ右下の“ちょいナビ”にて、
http://www.next-choice.com/
“しのぶの演劇レビュー”をご紹介いただいています!
◎ツイッターやってます!フォロワー3000人超えに感謝♪
⇒ @shinorev : http://twitter.com/shinorev
情報収集はもっぱらツイッター頼りです。
実名アカウント同士の身のあるやりとりから仕事に直結!
最近は震災・原発事故関連の公式リツイートが多いです。
◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
http://www.shinobu-review.jp/contact/
◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
感想も書き込めますよ♪
http://stage.corich.jp/
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http://www.corich.jp/stage/user_register.php
携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s
◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
それが私の望みです。
これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪
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このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
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