REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2012年01月31日

パルコ・プロデュース『猟銃』10/03-23パルコ劇場

 ※2011年11月13に鑑賞(2016/03/29加筆)。

 1949年に発表された井上靖さんの恋愛小説を、カナダ人演出家が舞台化。初舞台の中谷美紀さんが3役を演じます。翻案のセルジュ・ラモットさん、演出のフランソワ・ジラールさんはシルク・ド・ソレイユ『ZED』を手掛けた方々だそうです。

 中谷さんとロドリーグ・プロトーさんというカナダ人俳優との2人芝居ですが、中谷さんの一人語りで全編進むと言って過言ではなかったですね。3役を演じ分け、膨大なセリフ量を堂々とこなす、強靭な体力、知力、精神力に、感服でした。

 ※第19回読売演劇大賞の女優賞、スタッフ賞にノミネートされています。

 ⇒CoRich舞台芸術!『猟銃

 ≪作品紹介≫ 公式サイトより
 中谷美紀初舞台!
 文豪井上靖の恋愛小説『猟銃』をカナダ人演出家
 フランソワ・ジラールが舞台作品として創作。
 一人の男を通して描く三人の女のラブストーリー。
 ≪ここまで≫

 ここからネタバレします。

 幕開けの暗転がとても長く、じんわりと舞台が見えてきたら、なんと雨が降っていました・・・もうここでガッチリ心をつかまれてしまいました!観客を劇の世界へとスムーズに、官能的に誘う、ハイセンスなスタッフワークに背筋がシビれます。また、場面転換が衝撃的だったんです!木の板がパタン、パタンと動いて床を覆っていくのには度肝を抜かれました。大げさじゃなく、本当に!

 一番初めに登場したのは若い女性(愛人の娘)。床の水たまりに中谷さんの姿が映るの幻想的です。でも演技は大人しすぎてちょっと退屈しちゃったな・・・。
 2番目は豊満な胸をぎりぎりまで露出した、セクシーなドレス姿の、妻の語り。「炎が燃えるごとく」という形容詞がぴったりの情熱的、挑発的なキャラクターでした。石(?)の上を歩く動作と、感情の振れ幅が広いセリフの組み合わせを、きちんと計算した、理知的な演技だったように思います。厳しい稽古を積み重ねた跡を感じ取れました。

 3番目は愛人です。この役が一番良かったですね。着物を着ながらセリフを話すので、所作に気をとられる分、過剰な自意識がないので、言葉も意味もすっと体の中に入ってきました。

PARCO / USINEC Presents
≪カナダ、東京、兵庫、新潟、福岡、愛知、京都≫
出演:中谷美紀 ロドリーグ・プロトー
脚本:井上靖 翻案:セルジュ・ラモット 日本語台本監修:鴨下信一 演出:フランソワ・ジラール 美術:フランソワ・セガン 衣裳:フネ・アプリル 照明:デイヴィッド・フィン 音響:アレクサンダー・マクスウィーン プロダクション・マネージャー:藤崎遊び プロデューサー:佐藤玄 毛利美咲 ダニエーロ・ドゥ・フォントゥネ 製作:山崎浩一 後援:カナダ大使館 ケベック州政府在日事務所 企画製作:株式会社パルコ USINEC
【発売日】2011/07/30 ¥7,350(全席指定・税込) U-25チケット=¥5,000(25歳以下対象・当日指定席券引換/要身分証明書/チケットぴあ のみ取扱)
http://www.parco-play.com/web/play/huntinggun/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 21:59 | TrackBack

2012年01月29日

ドリルチョコレート×キコqui-co.『世田谷童貞機構』06/13-14駅前劇場(2011年)

 MCRの櫻井智也さんとqui-co.(キコ)の小栗剛さんが初めて(いきなり)タッグを組んだ、平日2日間、3ステージのみの公演。タイトルとチラシビジュアルで一目瞭然ですが(笑)、私個人としてはR18です。

 平日昼は2000円、それ以外は3000円という価格設定での駅前劇場公演。装置などはほぼなくて、パっと見はお手軽な印象でしたが、設定もストーリーも面白くて満足でした~。

 ⇒CoRich舞台芸術!『世田谷童貞機構
 レビューは記録のみ。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 「もし日本が戦争に負けていなかったら。」
 昭和85年(西暦2011年)。大日本帝国は超日本帝国になりました。
 戦争に負けなかった帝国民に西洋化の影響は無く「恥」の文化が栄えました。
 それはもう過剰なまでに。
 テレビ、ラジオ、雑誌、インターネット。
 すべての媒体からエロが根絶されました。
 帝國は「恥の概念」を利用し国民の統制を図っていたのです。
 しかし、帝國の繁栄とは人口を増やすこと。
 帝國の首都、東京は区ごとにイロマチと呼ばれる性の解放区を設立しました。
 そこでだけ、人々は「恥」を捨てることができます。
 年齢を問わず、肉体的な成熟さえあれば、誰でも立ち入り、性交の機会を得られるのです。
 イロマチ条例の施行により、東京都民は爆発的に増えました。
 これは、そんな世界の、とある日常。
 変わらぬ若者の青春の爆発です。
 ≪ここまで≫

 ここからネタバレします。

 最終的にスパイは本井博之さんだったんですが・・・バレても態度にあまり変化がないのが、怖くて良かったですね。

出演:小栗剛(キコqui-co.)・櫻井智也・諌山幸治(ブラジル)・本井博之(コマツ企画)・宮本奈津美(味わい堂々)・三科喜代
【原案】小栗剛(キコ qui-co.) 【脚本】櫻井智也(MCR/ドリルチョコレート)【演出】 櫻井智也と小栗剛【舞台監督】金安凌平【照明】久保田つばさ【音響】平井隆史【宣伝美術】メリケンサック【制作】ドリルチョコレート・塩田友克【製作】ドリルチョコレート
【発売日】2011/05/13(前売り、当日とも) 13日(月)19:30 14日(火)19:30開演の回は3000円  14日(火)15:00開演の回は2000円
http://www.mc-r.com/pr/drill1106/index.html


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 20:40 | TrackBack

快快『ゆく年くる年“SHIBA⇔トン”歳末大感謝祭』12/27-28 M EVENT SPACE & BAR

 ヨーロッパやアジアの国々で滞在型のパフォーマンス創作&発表を続けてきた快快。年末の忘年会イベント(?)に伺いました。12/7にKAATで行われたイベントで、快快リーダーの北川陽子さんが「人間の業の肯定は絶対必要」と力強くおっしゃっていたことに胸打れ、急きょ予約したんです。

 F/Tアワード受賞者の捩子ぴじんさんも出演する2月公演『アントン、猫、クリ』の予告編も披露されました。初演と比べ物にならない面白さ!

 ⇒かわひ_さんによる詳細レポート
 ⇒CoRich舞台芸術!『ゆく年くる年“SHIBA⇔トン”歳末大感謝祭

 立川志ら乃さんの落語を初めて聞いたんですが、めちゃくちゃ笑わせていただきした。お腹が痛くなったよ(笑)。落語にはあまりいい思い出がないので嬉しかったな。

 観客参加型のジャンケン大会や生々しい“ダメ人間”レポートを経て、初演から各段にグレードアップした「高速マッシュアップ版・芝浜」へ。お酒を飲みつつ本物の「女体盛り」も眺めつつ(笑)、圧巻のイベントでした。世界中のダメ人間を含めて、本当に、全部ラヴだった。

 ここからネタバレします。
 
 『Y時のはなし』に登場した天野史朗さんの人形に再会できて楽しかった~!

出演:天野史朗、篠田千明、大道寺梨乃、中林舞、野上絹代、山崎皓司、加藤和也、河村美帆香、北川陽子、佐々木文美、藤谷香子、しんぽうなおこ、捩子ぴじん、ほか
予約/当日ともに2500円 予約特典→!!年末ジャンボ宝くじ付き!!
http://faifai.tv/faifai-web/2011/11/shibahama-6.html
http://faifai.tv/works/shibahama/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 20:33 | TrackBack

Precog「『三月の5日間』以降」とは一体?」12/07(水) 神奈川芸術劇場・中スタジオ

 チェルフィッチュの代表作『三月の5日間』とチェルフィッチュの活動について、そしてこの作品が生まれた後の世代の演劇人が語るイベントに伺いました。『三月の5日間』は私が今までに最も多く通った演劇作品です。⇒2011年のレビュー

 内野儀さんと岡田利規さんのお話にはうなづくところが非常に多かったです。第二部の座談会の出演者は、劇場などから公的に支援されることに違和感がなくなった世代なんですよね。私もいつの間にか当たり前のように受け入れるようになったなぁと、時代の変化を感じつつ拝聴しました。以下、メモ程度の記録です。

 ⇒CoRich舞台芸術!『「『三月の5日間』以降」とは一体?

■第一部 「対談 内野儀 × 岡田利規」 ⇒Ustreamアーカイブ 
 ~「三月の5日間」について、それ以外のチェルフィッチュの活動について、といったことを中心に対話を行う。~
 出演:内野儀、岡田利規 進行:小澤英実

 内野「(演出家が)ある手法を生み出して、それが(観客や批評家に)ウケたら、そこで止める。でも岡田さんは(止めずに模索を)続けている。」

 内野「チェルフィッチュにはアンチテアトルとシアトリカリズムが両方ある。」


■第二部 若手作家の座談会 ⇒Ustreamアーカイブ
 ~気鋭の若手演劇作家達が、表現への関心や活動の狙いなどに加え、日本現代演劇というフィールドのもつ課題など、いろんなことをざっくばらんに語りあう。「『三月の5日間』以降」という言葉にリアリティ感じるか感じないか、というのも問いたい。~
 出演者:藤田貴大(マームとジプシー)  神里雄大(岡崎藝術座) 北川陽子(快快)三浦直之(ロロ) 二階堂瞳子(バナナ学園純情乙女組) 西尾香織(鳥公園) 進行:野村政之


 藤田「誰かに何かを話させることに困る。自分の言いたいことだけを言うのではつまらない。」

 三浦「『俺はあいつを好きで居たい』と思いこもうとする力は、観客が演劇の嘘を信じようとする力に似てる。」

 二階堂「驚くことにしか興味がない。解った時には終わってる。」

 北川「立川談志さんが亡くなった(ことがショック)。人間の業を肯定した人だった。今回の震災でもわかったことだけど、“ダメ人間バンザイ!”ってことは正しかった。絶対必要。」
 北川「私たちがやってること(快快の活動)は必要だから、(胸を張って、支援を)いただきます。次の作品も絶対面白いです。」

日時:2011年12月7日(水) 18:00スタート
料金:無料(※公演チケットをご購入された方)
http://precog-jp.net/ja/events/2011/12/chelfitsch-fivedaysinmarch-100performancesmemorialtour-preivent

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 20:26 | TrackBack

2012年01月25日

Théâtre des Annales『ヌード・マウス』01/24-29赤坂RED/THEATER

 谷賢一さんの新作です。プロデューサーが伊藤達哉さん、ドラマターグに野村政之さんという豪華な布陣の4人芝居。開幕前にリーディング・イベントや稽古場公開など、有名俳優が出演する公演では珍しく、積極的に観客と交流する企画が開催されていました(関連エントリー⇒

 谷さんには昨年素晴らしい作品(昨年の私的ベスト10入り)を観せて頂いたので、かなり期待して観に行ったせいもあり、感想はちょっと辛口にならざるを得ないですね。私が観たのはプレビューですので、本日の初日以降はきっと空間と役者さん、スタッフワークがこなれて来るんじゃないでしょうか。

 公演パンフレットがCD-ROMでした。同じもの(電子書籍)をダウンロードして購入できます。面白い試みだなぁと思い早速買ってみました。

 ⇒『ヌード・マウス』デジタルパンフ/電子書籍版
 ⇒CoRich舞台芸術!『ヌード・マウス』※こりっちでカンタン予約!

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 ある日俊哉はため息をもらした。自分が自分じゃない気がした。
 「人間、いつ穴に落っこちるか、ホントわかったもんじゃない」
 ある日とつぜん脳に損傷を受けた沙智は、忘れていた。
 "恐怖"という感情を失った。「ビリヤードの玉、こいつと一緒だ」
 そして沙智は、十数年ぶりに父と再会する。脳科学者の父、母を捨てた父。
 「どこに転がるか、わからない。わからないように見えていて、すべて決まっている」
 二人は気持ちを壊したまま、迂闊な距離の詰め方をする。
 「姉さんの頭の中には、何がどう転がってるんだ?」
 ≪ここまで≫

 中央に変形ビリヤード台、周囲に透明の水槽が並ぶ黒い空間。青色発光ダイオードの照明はちょっと未来的な、冷淡な印象もある無機質な光です。

 物語が時系列どおりに進まず、唐突に時間を行ったり来たりするので、最初は戸惑いもあるのですが、「今はいつの場面なのかな?」と考えながら観るのが面白くなります。脳科学の知識から、人間はどこまで自覚的に行動できているのか、家族って何なのかなど、哲学的かつ現実的な問題へとスムーズに手を伸ばしている戯曲でした。ただ、全体的に説明過多に感じたのは残念。プレビューで、役者さんの演技が硬めだったからかもしれません。
 ストイックな会話劇は大好きなのですが、登場していないはずの人物が舞台上に居るとか、同時進行で複数の場面を見せるなど、演劇的な演出がもっとあってもいいのではないかと思いました。

 ツイッターで「わからないことが面白い」といった感想を目にしました。「わからない」ことは甘美で、だからこそ豊かだとは思います。でもこの戯曲については、「ここまでの情報だと、深いところまで咀嚼できないから物足りない」というのが私の感想ですね。最後のシーンの印象が変われば、また感想は変わるかもしれません。

 父役の山本亨さんがさすがの存在感。事故後の姉(佐藤みゆき)との2人っきりのシーンがすごく良かったです。

 電子書籍版パンフレットを開いてみたところ、中身はとっても充実!でも文字が小さいし画面が大きくならないので(方法がわからないだけかも)、デスクトップ向けじゃないですね。iPadなどの端末だときっと見やすいんじゃないかと(電子書籍なので当たり前か!)。

 ここからネタバレします。セリフなどは正確ではありません。

 母が死に、姉と弟は20年来会っていない父を尋ねた。両親の離婚は姉が5歳の時で、いま20歳の弟は父のことは全く記憶にない。父は山奥の“研究所”に1人でこもる脳科学者で、部屋に実験用のネズミ(ヌード・マウス)を大量に飼っている変わり者のようだ。弟は初めて会った父に興味をもち、そのまま研究所に留まった。
 数ヵ月後に姉が夫を連れて再び研究所を訪れると、父と弟の共同生活はうまくいっているようだった。だがそこで悲劇が起こる。運転免許を取得したばかりの弟の車が事故に遭い、同乗していた姉は脳を損傷してしまうのだ。“恐怖”を感じることができなくなった姉は別人のように奔放になり、父と弟は彼女を24時間体制で介護せざるを得なくなる。新婚の夫をことさらに傷つけたのは、彼女が性的にも奔放になってしまったことだった(前半のあらすじはこんな感じかと)。

 快感とスリルを求め、姉は父にも(おそらく弟にも)性的交渉を迫ります。しかもとても無邪気に。父が彼女に妻の姿を見出すシーンがとても良かったですね。そのシーンでは、姉を演じる佐藤みゆきさんは、姉であり、脳を損傷して別人になった新しい姉であり、そして母でもある。つまり3人の女性を演じていると言えます(女優さんご本人も入れると4人。これが演劇の醍醐味だと思います)。父がどの女性に惹かれていくのかが、じらされるように、ギリギリまでわからないのが官能的です(「会いたかった・・・沙智」というセリフで、彼が妻でなく娘を焦がれていたことがわかります)。暗転中、父と抱き合いながら姉が言った「湖に行こう」というセリフで、彼女は死ぬことを決めたのだろうと思いました。湖で入水自殺したのか、父が自殺ほう助をしたのかなど、耽美な方向へと想像できた、豊かな暗闇でした。
 ※しかしながらパンフレットの年表によると、姉は転落事故により死亡。・・・知らない方が良かったな(笑)。一緒に観た人によると、最初のシーンで「飛び降り」について語られていたそうです。

 最後の場面は一番最初の場面の続きでした。怒って研究所から出て行こうとする弟を、父が止めます。なぜ、どのようにして、姉が亡くなったのかは舞台では描かれませんし、姉の死からどれぐらい経った頃なのか私にはわからなかったのもあって、弟が何に憤っていて、なぜ出て行こうとするのかがわからず、不可解で腑に落ちないシーンでした。私がセリフを聴き逃したせいかもしれませんけど。姉の死後、父と息子の間にはきっと何かがあったと思うんですよね。そこを、匂わせるだけでいいので、見せて欲しかった。

 20年前に父が去ったのは母の浮気が原因で、もしかしたら弟は父の子ではないかもしれない、と匂わせていました(父と手術後の姉が語り合う場面)。だから、最後に父と弟が一緒に研究所に留まる(少なくとも父はそれを望んだ)ことで伝わってくるのは、血のつながりやともに生きた年数に関係なく、「一緒に居る」と決めた者同士による共同体を“家族”と呼べばいい、ということだと思います。眠ってしまった息子を置いて、幸せそうに部屋を出る父が可愛かった。

 「脳を損傷する姉」からわかりましたが、テネシー・ウィリアムズの『ガラスの動物園』が下地になっているんでしょうね(ウィリアムズの姉は実際にロボトミー手術を受けています)。『ガラス…』では父が消えて母、姉、弟の3人で生きてきた家族のもとに、外部の人(弟の友人で姉の恋人候補)がやってきます。『ヌード…』では母が死に、姉弟が約20年ぶりに父をたずねるという設定になっており、外部の人として姉の夫が登場します。長い年月を経た『ガラス…』後日譚のようで面白いですね。

出演:増田俊樹 佐藤みゆき 大原研二 山本亨
作・演出:谷賢一 美術:土岐研一 照明:松本大介 音響:岡田悠 衣裳:横田真理 ヘアメイク:大宝みゆき 演出助手:則岡正昭 舞台監督:棚瀬巧 ドラマトゥルク:野村政之 制作助手:齊藤友紀子 制作:小野塚央 プロデューサー:伊藤達哉 宣伝美術:今城加奈子 宣伝写真: 引地信彦 Web:MONOLITH 制作協力:DULL-COLORED POP 主催:ゴーチ・ブラザーズ 企画:Theatre des Annales(テアトル・ド・アナール)
http://www.nudemouse.jp

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 14:43 | TrackBack

【ワークショップ】世田谷パブリックシアター『ジョセフ・ナジ ダンスワークショップ』03/06-07 世田谷パブリックシアター(先着順・専用フォームより)

 ダンサー・振付家・演出家のジョセフ・ナジさんのワークショップ情報です。世田谷パブリックシアターではもう恒例なんですね。ナジ作品は黒田育世さんが出演されたこの公演を拝見したことがあります。
 新作『カラス/Les Corbeaux』のチケットを買った方ならダンサーに限らず、先着順20名まで参加できます!詳細は公式サイトをどうぞ。

 ●『ジョセフ・ナジ ダンスワークショップ』
  日程:3月6日(火)、7日(水)19:00~21:30 (2日間連続)
     ※2日間連続受講が望ましいですが、1日のみの受講も受付ます。
  場所: 世田谷パブリックシアター
  講師:ジョセフ・ナジ
  参加費 2日間3,000円(1日のみ参加 2,000円)
  対象: 体を動かして自分を表現することに興味のある方。(ダンサーに限りません)
    『カラス/Les Corbeaux』公演をご覧の方。
  募集人数: 各コースとも先着20名(要事前申込み)
   *集合場所など詳細は、申し込み後こちらから発送する受付確認メールをご参照ください。
   *ワークショップ当日、『カラス/Les Corbeaux』公演の半券を拝見いたします。

Posted by shinobu at 13:45 | TrackBack

2012年01月23日

こまつ座&ホリプロ『十一ぴきのネコ』01/10-31紀伊國屋サザンシアター

 ⇒CoRich舞台芸術!『十一ぴきのネコ

≪東京、山形、大阪≫
出演:北村有起哉、市川しんぺー、粟根まこと、蟹江一平、福田転球、大堀こういち、木村靖司、辰巳智秋、田鍋謙一郎、山内圭哉
音楽=宇野誠一郎・荻野清子
脚本:井上ひさし 演出:長塚圭史
【休演日】1/16,24
一般:7,800円
学生(高校生以上):5,800円
子供(小・中学生):4,800円(全席指定・税込)
※学生は、高校、大学、各種専門学校ならびに演劇養成所の学生が対象となります。
http://hpot.jp/11neko/
http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=170

Posted by shinobu at 23:37 | TrackBack

2012年01月21日

ハイバイ『ある女』01/18-02/01こまばアゴラ劇場

 岩井秀人さん率いる劇団ハイバイの新作です。東京公演の後に名古屋、福岡公演あり。上演時間は約1時間30分。

 性描写がけっこう赤裸々で、ストーリー展開もややハードなので、大人向けですね。表現に幾ひねりもあるのがかっこいいです。さすがは岩井さん。
 見終わって帰宅してしばらくしてから、やっとこの作品が示したことを咀嚼できたように思います。『ある女』は現代社会でタブー視される種類の性的関係を題材に、常識と非常識、現実と妄想、本当と嘘、意識と無意識などの“境”を描いた演劇作品だったのではないかと思います。

 東京公演は菅原永二さんと岩井秀人さんが主役の“不倫する女”を交代で演じる、ダブルキャスト公演です。主役が違うと作品から伝わる意味も変わるんじゃないかしら。岩井さんの回が完売続出とのことですが、菅原さん、素晴らしかったですよ~。

 ⇒「ぴあ」岩井秀人インタビュー(土佐有明)
 ⇒CoRich舞台芸術!『ある女
 レビュー加筆完了しました(2012/01/22)。

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより。
 いっしょに 社会をよけましょう。
 何人かの不倫してる人に話を聞かせてもらって笑っちゃうくらい興味深かったので、それを集めて一人の女の人の話にします。女の人に限らず、倫理的なコトって、当たり前だけど誰もいないところでは、つまりいわゆる社会ってものが存在しない場面では全く意味がなくて、人生はそういう、ちゃんとした社会の中の時間と、ちゃんとしてない時間が交互にやってくるわけで、みんな、その狭間でウワーとなってるんじゃないかしら。
 ≪ここまで≫

 イタイOLとその周囲の人々の日常を、より恥ずかしく、みっともなく描き、中盤までは(私は)苦笑・爆笑の連続。

 映像を使う場面が多いのが意外でしたが、その映像が面白い上にクオリティーがとっても高くて見入りました。登場人物の心情や過去の体験を解説する語り(猪股俊明)に合わせて、映像が進んでいきます。その語りの内容もすっごく面白い!岩井さんは(演劇から少し離れて)映像と小説の世界に行ってしまうんだろうな~・・・なんて勝手に想像して、舞台一辺倒の私は寂しい気持ちにもなりました。いえ、どんな分野にも進出していただきたいんですけどね!(ハイバイの次回公演チラシもありましたので心配無用)

 初日の主人公タカコ役は菅原さん。冒頭は「男性が女性を演じている」のが明白でしたが、すぐに女性にしか見えなくなりました。とても繊細で、美しい(作品に、役に奉仕している)演技でした。先日のこの公演でも思いましたが、プロの、素敵な俳優さんだと思います。
 菅原さん(男性)が演じているから笑ったり、客観視できました。女性がタカコを演じてたら、私にはキツかったと思いますね。痛々しくて苦しくて、見てられなかったかも。
 ところでタカコはなんであんなにモテるのかな~(笑)。

 ここからネタバレします。セリフ等は正確ではありません。

 タカコ(菅原)は職場の上司・森(小河原康二)に恋をして、定期的に性的関係を持つようになりますが、森に妻がいることを知り、今の関係が不倫だと気づきます。居心地が悪くなった森は、タカコと会うごとにお金を払うようになります。タカコが新しい恋を探そうとして出会ったのが、セクリ小林(平原テツ)。彼はセックス教室の先生でした。森のためにセックスがうまくなりたいと思ったタカコは、小林と関係を持ち、さらには彼が紹介する男たちと、お金をもらいながら次々とセックスをして、森を満足させられるテクニックを身につけます。

 やがてタカコが売春まがいのことをしていると知った森は、タカコに「離婚した。タカコと真剣に付き合いたい」と告白します。でもタカコは「今のままの方がいいかも」と返答するのです。森とだけ付き合っていたら不倫という不公平な関係に腹が立って、森との時間を幸せに過ごせないと考えたからでしょう。また、真意はわかりませんが、色んな男と関係を持つことで森に対して優位でいられるため(セックスも上手になるし)、タカコのプライドが保たれていたのも大きいと思います。
 でもタカコは森の思いに応えようと、小林との関係を絶つことします。他の男と寝るのも止めると伝えると、小林は突然暴力的になってレイプ同然の行為をしてきますが、タカコは彼の股間を噛んで逃げ切ります。

 タカコが暮らすマンションの隣りには不思議な定食屋があって、タカコは店の主人(猪股俊明)とその娘(上田遥)に、森との不倫やセックス教室のことなど、自分の日常を逐一報告していました。何でも聞いて受け入れてくれる隣人に、彼女はとても助けられていたのです。小林から命からがら逃げたタカコは、(箱根だか熱海だかに)温泉旅行中の定食屋親子をたずねました(娘の態度は冷たく、主人は川に落ちて意識不明の重体になってしまうのですが、そのエピソードは省略)。なんとそこで、妊娠中の妻を連れた森とばったり会ってしまうのです。あのお腹は少なく見積もっても妊娠5ヵ月以上じゃないかと・・・。ショックで放心状態のタカコを泣きっ面に蜂の展開が襲います。その場で小林とその一味に捕まってアジトに連れ去られ、縄でしばられたまま強姦されて、その後はバラバラ死体されてしまうかも・・・という恐ろしいことに!

 そこで、意識不明のはずの定食屋店主の声が聴こえてきます。なぜか縄がほどけて、タカコは声に導かれるままに歩きだし、小林らのアジトから出ることができました。でもいつまでたっても光が見えてこない。自分がどこにいるのか、どこに向かってるのかもわかりません。声はその先までは導いてくれませんでした。ゆるく明暗を繰り返す照明の中、ぐるぐる回るタカコ。終幕。

 岩井さんが終演後のトークでおっしゃっていたのですが、タカコのエピソードは、定食屋の主人(猪股俊明)がニート状態の娘の将来を想像した作り話だという設定があったそうです。映像の語りが定食屋の主人の声であったことからも納得です(でもそれがわかるような演出はされていません)。そもそも定食屋の入口は、タカコのマンションの玄関のドアのすぐ隣り付いている分電盤(?)のドアでした。定食屋といっても食事が出ることはなかったですから、定食屋親子もまた、タカコの想像だったのだと思います。


 恋人や配偶者とのセックスと、商売としてのセックスについて考えると、いつも思い浮かぶのが飯島愛さんのことです。彼女はもともと絶頂的な人気を博したAV女優で、約20年前にふんどしパンツ姿で東京大学でコンサートを行ったことをよく憶えています。テレビの人気者になったのには少々驚きましたが、彼女のトークがとても面白いので疑問はありませんでした。でも「有名お笑い芸人に『ヤらせてよ』と言われる(言われて困る)」と、バラエティー番組で苦笑しながらこぼしているのを偶然見たことがあって(しかもお笑い芸人本人の前での発言でした)。ずっとずっと、さげすむような目で見られてきたんだろうと、思ったんです。彼女の孤独死のニュースを知った時、なんとも表現しづらい苦々しい気持ちになりました。
 
 タカコは不倫と知らず森に恋をして、森が望むままにお金を受け取り、勉強(訓練・稽古)だと思って色んな男とセックスをしていました。金を受け取ることに、曖昧ながらも自分の心の折り合いをつけながら。「職業に貴賎なし」だとすると売春も普通の「仕事」です。でも、簡単には受け入れられない、片付けられない気持ちが、私の中にあります。そこの“境”を考えるお芝居だったと思います。


 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:松井周(サンプル) 岩井秀人 

 不倫している数人の女性にインタビューした内容を劇にしたそうで、ほぼ7割は実話。岩井さんは2時間4万円のセックス教室に、実際に取材に行かれたそうです。そんなのあるんだな、そして行く人いるんだな、とふむふむ。教室なのか風俗なのか、その境が曖昧ですよね。

 セクリ小林のセックス教室で「触られる役」のセイヤ(坂口辰平)は、実際にもいらしたそうです(女性)。

≪東京、愛知、福岡≫
出演:上田遥 坂口辰平 永井若葉 平原テツ 吉田亮 (以上ハイバイ) 小河原康二 (青年団) 猪股俊明 菅原永二/岩井秀人(菅原・岩井はWキャスト)
脚本・演出:岩井秀人 舞台監督:谷澤拓巳 照明:松本大介 照明操作:吉村愛子 音響:高橋真衣 中村嘉宏 衣裳:小松陽佳留(une chrysantheme)  映像:ムーチョ村松+富所浩一 撮影:トーキョースタイル 宣伝美術:土谷朋子(citron works)  記録写真:曳野若菜 WEB:斉藤拓 制作:三好佐智子(quinada) 坂田厚子(quinada) 野崎百合香 藤木やよい 西村和晃 企画:岩井秀人 三好佐智子(quinada) 提携:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 七つ寺共同スタジオ 西鉄ホール(西鉄ムーブスペシャル) 主催:ハイバイ・quinada
【休演日】1月23日、27日【発売日】2011/12/03 前半割引 前売:3,000円 当日:3,300円(1月18日~22日) 通常料金 前売:3,200円 当日:3,500円(1月24日~2月1日)
http://hi-bye.net/2011/10/29/1781

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 11:30 | TrackBack

五反田団『びんぼう君』01/17-29アトリエヘリコプター

 前田司郎さん(⇒ツイッター)が作・演出される五反田団の代表作『びんぼう君』の再演ツアーです。ミニマムな3人芝居を、「やはり時代が変わったんだなぁ」と確かめつつ拝見。

 初日はポスト・パフォーマンス・餅つきがありました。きなこも大根おろしも両方いただいちゃいました。ごちそうさまでした!

 ⇒マンスリー・ブリコメンドで五反田団『びんぼう君』をお薦め(鈴木励滋)
 ⇒CoRich舞台芸術!『びんぼう君

 ≪あらすじ≫
 働いてるんだかどうだかよくわからない父親(黒田大輔)と2人暮しの少年(大山雄史)は、「びんぼう君」というあだ名をつけられていた。
 ≪ここまで≫

 初演がいつだったのか知らないのですが、たとえば10年前だとしたら、「びんぼう」という言葉をもっと軽い気持ちで笑ったりできたと思うんです(失礼な話ですが)。でも今回は笑えなかった。たぶん私自身のすぐそばに「びんぼう」があるからでしょうね。な~んて深刻になる人は多くないと思います。ごく身近な(物理的にも接近した・笑)人々の、ある平凡な1日の数時間を、くだらない笑いいっぱいに演じてくださいますから。

 ただ、初日だったせいもあるかと思いますが、父と息子2人の場面はぎこちなさが目立ってあまり笑えず。息子のクラスメート役の端田新菜さんが出てきてから面白くなりました。

 ここからネタバレします。

 2畳の部屋から大胆にはみ出ていくのがいいですね。端田新菜さんの「ままごと」がすごく可笑しかった。最後に皆で月を見上げる場面が美しかったです。

≪東京、名古屋、静岡、京都≫ 第37回公演
出演:大山雄史(五反田団) 黒田大輔(THE SHAMPOO HAT) 端田新菜(青年団/ままごと)
脚本・演出:前田司郎  照明:山口久隆(S-B-S) 宣伝美術:木村敦子 WEBデザイン:石井雅美 舞台監督:榎戸源胤 制作:清水建志・門田美和
2011年12月18日(日)10:00 受付開始【前売】2500円【当日】2800円(日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付)
http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
http://4674d267a940abb2.lolipop.jp/binbou-kun/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 10:04 | TrackBack

Q『プール』01/19-22アトリエ・センティオ

 市原佐都子さんが作・演出されるの第2回公演です。ご縁があって旗揚げ前から拝見しています(過去レビュー⇒)。桜美林大学で上演された『虫虫Q』で第11回AAF戯曲賞を受賞されました(受賞時のタイトルは『虫』)。

 今回は排泄物、でした。もっと笑いたかったな~。上演時間は約1時間10分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『プール』※CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫
 便秘に困ってコーラックを飲んだ運子(吉田聡子)。プールに行ってももよおしちゃって・・・。
 ≪ここまで≫

 白い壁に囲まれた空間。壁にそってイス型の白い便器が10個ほど並んでいます。プール(泳ぐ場所)でのお話なので、上から下から、私も気分は排泄物まみれ(笑)。

 現代人はずいぶん清潔な社会に暮らしていますが、実は菌などとともに生きているんですよね。それを嫌悪感や開き直りも含めて突き詰めてみたのかなと思います。

 ここからネタバレします。

 プールに勤める潔癖症の男性が、プール内でおしっこしちゃう運子に勃起するという顛末は、いわゆるハッピーエンドと受け取っていいのだろうと思います。体の衝動を信じて全てを赦し、受け入れるという、ある意味、奇跡。

出演:内海正考 狩野佑奈 吉田聡子
脚本・演出:市原佐都子 舞台監督:小川陽子 舞台美術:中村友美 照明:塚原佑梨 音響:吉村紳平 宣伝美術:吉田聡子 写真:市原佐都子 制作:萩谷早枝子 サポート:市川公美子
【発売日】2011/11/21 予約 1800円 平日割引 1500円(予約のみ・対象19,20日) 当日 2000円
http:/ameblo.jp/blo9-q/entry-11137211246.html


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 09:26 | TrackBack

2012年01月18日

【オーディション・劇団員募集】乞局(コツボネ)「第21回公演『傘月(サンゲツ)』出演者&局員募集」※02/29〆切(メールor郵送)

 下西啓正さんが作・演出(出演も)される劇団乞局(コツボネ)が、新局員募集も兼ねたワークショップを開催します。乞局の作品には独特の世界観がありますので、公演を見たことがない方はDVDでぜひその味わいをお確かめください。参考レビュー⇒

 出演者募集は定期的に実施されていましたが、局員募集は5年ぶりとのこと。ご興味ある方は下記をご覧ください。

 ■乞局(コツボネ)第21回公演『傘月(サンゲツ)』(2012年秋上演)
 【出演募集人数】若干名
 【応募資格】下記条件を満たされる方
  ・18歳以上の男女
  ・乞局の公演/公演DVD/脚本をご覧になった事がある方
 【2次審査料】1500円(書類選考通過者のみ)
 【申込〆切】2012年2月29日(水) 必着(メールの場合は24時)

■乞局(コツボネ) 第21回公演『傘月(サンゲツ)』局員・出演者募集・オーディション
 ※劇団からいただいた情報です。

【募集内容】
乞局第21回公演『傘月(サンゲツ)』(2012年秋上演)の出演者を募集いたします。
ならびに2012年より新局員(俳優・制作)も募集いたします。

【応募資格】下記条件を満たされる方
・18歳以上の男女
・乞局の公演/公演DVD/脚本をご覧になった事がある方(DVD/脚本については販売をご覧ください)

【応募方法】下記よりお選びください
i.乞局HPより、申込書【エクセル形式】をダウンロードし、必要事項記入の上、
<info(アットマーク)kotubone.com>宛てにお送りください。
その際、件名は【乞局オーディション申し込み】としてください。
ii.乞局HPより、申込書【PDF形式】をプリントアウトし、必要事項記入の上、下記にお送りください。
<〒173‐0023 板橋区大山町16‐3大山マイコーポB-201 乞局事務局宛>
【スケジュール】
1次選考: 書類選考
2次選考: 3/10(土) 3/11(日)
※上記のうち、1日参加していただきます。各14:00 ~ 20:30(内40分程を予定しています)
3次選考: 3/17(土) 3/18(日) 3/20(火・祝)
※上記のうち、1日参加していただきます。詳細は、2次選考通過者にのみご連絡します。

【出演募集人数】 若干名
【2次審査料】 1500円(書類選考通過者のみ)
【会場】 都内
【応募受付開始】 2012年年明けより
【応募締め切り】 2012年2月29日(水) 必着(メールの場合は24時)
【お問い合わせ】 080-3096-8432 / info(アットマーク)kotubone.com
--------------------------------------------------------------------------------
乞局第21回公演 『傘月(サンゲツ)』
  脚本・演出:下西啓正
  2012年・10月中旬 上演予定


※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 16:22 | TrackBack

2012年01月17日

【オーディション】クロムモリブデン「2012年7月~8月公演の出演者オーディション(女優のみ)」※01/20〆切(郵送のみ)

 青木秀樹さんが作・演出される劇団クロムモリブデンが、2012年7月~8月に赤坂RED/THEATERで上演予定の新作の出演者オーディションを実施します。女優のみです。

 確固としたオリジナリティがあると断言できる劇団です。昨年末の『節電ボーダートルネード』(⇒動画)は素晴らしかった!
 役者さんにかかる負荷は非常に大きいと思いますが、出演できることを名誉と感じることができると思います。事故や事件でもない限り、私は絶対観に行きます。ご興味ある女優さんはぜひお申し込みください。

 ■クロムモリブデン次回公演
  公演期間:2012年7月28日~8月14日
  会場:赤坂RED/THEATER
 
 ◎出演者オーディション:女優若干名(女優のみ)
 ※応募資格
  女優(18才以上・高校生不可)
  クロムモリブデンの公演を見たことがあること
  5月上旬~8月14日の期間、稽古及び公演に参加出来ること

Posted by shinobu at 11:39 | TrackBack

【オーディション】椿組「『2012年夏・花園神社野外劇・20世紀少年少女唱歌集』出演者オーディション」※02/15〆切(郵送のみ)

 椿組は毎夏、花園神社で野外劇を上演し続けています。今年は鄭義信さんの戯曲『20世紀少年少女唱歌集』を松本祐子さんが演出されます。

 戯曲に登場する「少女ミドリ」(小学生)役のオーディションがあるようです(場合によっては他の役での出演も可能)。ご興味ある方は詳細をよく読んでお申し込みください。

 ■椿組2012年夏・花園神社野外劇『20世紀少年少女唱歌集』
  公演日時:2012年7月13日(金)~23日(月)11ステージ
  公演場所:新宿花園神社境内特設ステージ
  脚本:鄭義信 演出:松本祐子 

  稽古開始:2012年6月1日(金)@吉祥寺スペースBe
  オーディション申し込み締め切り:2012年2月15日 郵送必着

Posted by shinobu at 11:25 | TrackBack

【公募情報】世田谷パブリックシアター「『シアタートラム ネクスト・ジェネレーション vol.5』参加団体募集」2/20-29面接あり

 『シアタートラム ネクスト・ジェネレーション vol.5』の参加団体募集の詳細が発表されました。⇒公式サイト ⇒昨年の紹介記事

 Vol.4には世田谷シルクてがみ座が選ばれ、今週と来週に公演があります。募集概要をよく読んでお申し込みください。

 応募期間: 2012年2月20日(月)~2月29日(水)午後5時
 ※担当者に電話し、面接時間のアポイントを取ること。

Posted by shinobu at 11:10 | TrackBack

2012年01月16日

ホリプロ『ミュージカル「BONNIE&CLYDE(ボニー・アンド・クライド)」』01/08-22青山劇場

 映画「俺たちに明日はない」がミュージカルに!日本版の上演台本・演出を手掛けるのは田尾下哲さんです(⇒インタビュー記事)。田尾下さんの作品を拝見するのは新国立劇場のキッズオペラ以来だと思います。NODA・MAP公演の演出助手もされているので、オペラ、演劇、ミュージカルとジャンルの壁を超えて活躍されているんですね。

 主役男女の疾走にしっかりと根拠があり、群像劇としての厚みもあって満足!見逃したら後悔してたかも。上演時間は約3時間5分(途中15分の休憩を含む)。ブロードウェイ版はもっと上演時間が短いそうです。今回の台本は、今の日本で上演するために新たに作られたんですね。

俺たちに明日はない [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ (2010-04-21)
売り上げランキング: 4732

 ⇒CoRich舞台芸術!『ミュージカル「ボニー・アンド・クライド」

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 舞台は世界恐慌の最中のテキサス。
 映画スターを夢みるボニーは、場末のカフェで退屈なウェイトレスとして働く毎日。
 かたや派手なギャングにあこがれるクライドは、窃盗で刑務所を出たり入ったり。
 時代の暗い閉塞感から抜け出て、スポットライトをあびたいと願っていた二人は、ある運命の出会いを果たし、恋に落ちる。
 街を飛び出し、車を盗み、銀行強盗を繰り返す、前代未聞のギャング・カップル「ボニー&クライド」の誕生に、世間の目は釘付け。
 しかし、警察も黙ってはいない。
 警官に追いつめられて二人の悪運もつきたかに見えたそのとき・・・
 銃の暴発によって、運命の歯車が思わぬ方向に狂い始める。
 ≪ここまで≫

 衣裳も装置も豪華で、有名な役者さんがちゃんと歌を聴かせてくれる、本格的なミュージカル。こういうゴージャスな観劇は『ピアフ』以来かもしれません。お正月気分がちょっぴりリフレイン。

 キスシーンをはじめとするラブシーンが本格的で回数も多く、最初はちょっと驚いたんですが、ボニー(濱田めぐみ)とクライド(田代万里生)が至近距離で見つめ合って歌う場面の密度が高くて、すっかり見とれまして。「あぁ、これは“1930年代のアメリカ(の人々)”を忠実に表現する方法を取ったのだな」と思いました。そう気づいてからは(そうじゃないかもしれませんが)、キスシーンも当然のものとして見つめることができました。あぁ日本人だね私(苦笑)。

 誰かを愛すると、その人の敵が自分の敵になります。たとえばクライドの敵はボニーの敵ですし、ボニーを愛する保安官テッド(藤岡正明)にとっては、ボニーを犯罪に巻き込むクライドが敵になります。でも愛ゆえに敵味方がするりと逆転することもあるんですよね(ブランチの場合)。犯罪者とその家族、彼らを追う警察、被害者らが登場する群像劇ですが、世界中で起こっている大規模な戦争と同じことだなと思いました。

 ボニーとクライドは大恐慌下のアメリカで、国や警察といった体制側を打破するヒーローのように扱われだします。そういったドラスティックな改革を行う英雄を待ち望む大衆心理は、危険なことですが、今の日本にも広がっているような気もするんですよね。もちろん破滅的なヒーローを肯定する作品ではないのですが、シンクロしていると思います。

 田代万里生さんがクライド役というのは、ちょっと合ってないんじゃないのかなぁと最初は思っていたんですが(王子様のような方なので)、低い声や叫ぶ演技など、徐々に野生的で危険な、悲しい犯罪者に見えてきました。あの一人語り(厳密には1人ではない)の場面が素晴らしかったです。
 濱田めぐみさんは元劇団四季の有名な女優さんなんですね。パワフルで安定感のある歌声を聴かせ、時には少女のようなキュートさも見せてくださいます。死を覚悟した若い女性の腹の据わった闘争心が、静かに、じわじわと歌声にこもっていくのが見て取れました。
 テッド役がダブルキャストで、私が拝見したのは藤岡正明さんでした。純粋な気持ちがまっすぐな歌声に乗って、とても良かったです。クライドとデュエットになるところも良かったわ~。
 
 S席11,000円で拝見しました。10,000円を超えるのはちょっと高いな~、でもB席3,500円って破格ですね!(完売でした) 価格帯が広いのは良心的だと思います。 

 ここからネタバレします。セリフなどは正確ではありません。
 
 妻ブランチ(白羽ゆり)の説得で自首したクライドの兄バック(岡田浩暉)は釈放され、相変わらず強盗を続けたクライドには懲役16年の判決が下されます。脱獄後に正反対の行動を取った2人を対比させ、人生の明暗がはっきり分かれるのをサラリと、鮮やかに描いており、自室のベッドでボニーが悲しむシーンは「ロミオとジュリエット」を想起させました。

 ボニーとクライドが追いつめられていった原因(不況や警察権力の横暴など)を市井の人々の生活も交えて描いていくので、2人は“ただの犯罪者”には映りません。クライドが獄中で凌辱を受けたり、クライドの面会に来たボニーが看守に性的ないやがらせをされるなど、弱者の2人が生きる“つめたい世界”をハードな演出で見せていました。

 ブランチは敬虔なクリスチャンで夫を無償の愛で包みますが、クライドのことは「生まれながらの犯罪者」と決めつけます。ボニーの母はカフェを経営しながら女手一つで娘を育てた立派な女性で、ボニーを心から愛していますが、ボニーを保安官のテッドとくっつけようと躍起だったり、ボニーの意志や夢を尊重する気はないんですよね。盲目的な愛が時にはひどく排他的であることもわかります。
 
 1幕の最後は、とうとうボニーとクライドが警官を(アクシデントで)殺してしまう場面でした。強盗と殺人者では全然違うんですよね。一線を超えてしまってから2人の犯罪はエスカレートしていきます。「誰も傷つけずに」と口では言うものの、武器を大量に仕入れ、人を殺してしまうんです。

 終盤。大勢の警察に囲まれてバックが撃たれたところで時間が止まり、クライドの独白が始まります。白くて細い照明が何本も交差しながら舞台に落ちて、ガラっと空気が変わりました。やがて保安官(木場勝己)がクライドに話しかけ、周囲の人々が全員静止した中でクライドと2人の会話場面となります。時空を超えた非常に面白い演出でした。これには興奮しましたね。

 最後は有名な、2人が車に乗ったまま警察の銃弾を受けて死ぬ場面でした。蜂の巣になるんですよね。小さな車からバチバチ!!と火花が無数に散って、煙が上がる中、静かにゆっくりと時間を掛けて、でも唐突に、2人が倒れて、暗転。車のヘッドライトの2つの光が、しばらく経ってから消えて終幕しました。
 ヘッドライトを残して暗転したとたんに拍手が起こるのは本当に悲しいな~。完全暗転してから、「これで、終わりなの・・・?」という余韻になる前の気持ちを共有した後で、拍手したいのに。まあそれを味わいたいなら初日に観ろってことなんですが。
 小さな車はこまわりが利いてとても可愛らしかったです。光岡自動車なんですね。

≪東京、大阪≫
【出演】ボニー:濱田めぐみ クライド:田代万里生 バック(クライドの兄):岡田浩暉 ブランチ(バックの妻):白羽ゆり テッド(ボニーの幼馴染の保安官):藤岡正明・中河内雅貴(ダブルキャスト) ヘンリー(クライド父):中山昇 シモンズ刑務所長:芝崎健太 クロウソン看守:戸室政勝 ジョンソン保安官代理:ヨウスケ・クロフォード ファーガソン州知事:徳垣友子 アンジェラ:家塚敦子 クレア:保科由里子 エレノア:宇野まり絵 キャミー(クライド母):明星真由美 ヘイマー特別捜査官:岸祐二 牧師:つのだ☆ひろ バド保安官代理:戸井勝海 エマ(ボニー母):池田有希子 シュミット保安官:木場勝己
作 : アイヴァン・メンチェル 作曲 : フランク・ワイルドホーン 作詞 : ドン・ブラック 上演台本・演出 : 田尾下哲 訳詞 : 小林香 音楽監督 : 前嶋康明 セノグラファー : 堀尾幸男 照明 : 原田保 音響 : 山本浩一 コレオグラファー : キミホ・ハルバート スタイリスト : 島津由行 ヘア : ASASHI メイク : Noda Norikata(lydia pro) ドラマツルグ : 長屋晃一 演出助手 : 坂本聖子 舞台監督 : 幸泉浩司 主催 : テレビ朝日 読売新聞社 ホリプロ 後援 : サンケイリビング新聞社 協力 : 光岡自動車 企画制作 : ホリプロ
料金:S席 ¥11,000 A席 ¥8,500 B席 ¥3,500 ディレクターズシート ¥11,000(全席指定・税込)
http://www.bonikura.com/
http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=171

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 21:29 | TrackBack

2012年01月14日

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ『あなた自身のためのレッスン』10/18-23メインホール特設ステージ&観客席

 富士見市民文化会館キラリ☆ふじみの芸術監督である多田淳之介さんが、清水邦夫さんの戯曲を初演出されます。中村まことさん(猫のホテル)や大川潤子さん(三条会)など、強烈な個性と実力を兼ね備えた舞台俳優さんがキャスティングされた、公共ホールによる意欲的なプロデュース公演です。同劇場のレパートリーになるんですね。

 途中休憩をはさむ、長い目のお芝居でした。休憩の時、清水邦夫作品で、こんなに日常と地続きに笑って楽しく感じるのって初めてかも・・・と思いました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『あなた自身のためのレッスン

 ≪あらすじ・作品紹介≫ 公式サイトより
 事故で記憶を失った男女3人が市民会館の舞台に逃げ込むと、彼らの家族と名のる男女が現れる。やがて会館に住み込む管理人夫婦も巻き込み、家財道具を並べた舞台のうえで、記憶を取り戻させるための奇妙な家族ごっこが始まる。そしてその過程では、はからずも崩壊してしまった、ある“家族”の姿があらわになっていく…
 愛と裏切りのレッスンから浮かび上がる、過去と現在と家族の真相…

 1960年代の「市民会館」に設定されたものがたりを、演出家・多田淳之介が「現在の劇場」に甦らせる。芸術監督がキラリふじみのレパートリー作品を創造するプログラム第一弾は、日本の現代演劇を牽引してきた劇作家、清水邦夫の戯曲に挑みます。
 ≪ここまで≫

 観客は舞台上に作られたひな壇の客席に座ります。劇場スタッフのような人たち(中村まこと、大川潤子)がイスを運んだり、幕を下ろしたり(上げたり)、いわゆる劇場での作業をはじめます。劇場全体が舞台空間で、その中に観客も参加した状態なんですね。ものすごくわくわくしました。

 今の感覚だと「そのセリフの後にそんな風に返すのは変だよね」と思うような会話がひん発するのですが、役者さんが体の中に根拠がある(と信じられる方法で)言葉を発してくださるので、意外性も含めて自然に受け入れられました。または、とっぴな展開をさらに上回るとっぴな行動(身体)を見せてくれて、笑ったり驚いたり、色んな方向に振り回されて、退屈しません。でも、ストーリーが苦手で・・・これはネタバレ以降に書きます。ごく個人的なことです。

 劇場が生き物のように感じられたのが良かったです。人間を吸い込んでしまう、化け物(怪物・魔物)みたいに。

 ここからネタバレします。

 後半では「劇場で暮らす」と決めた家族が、家具を運び込んで生活を始めてしまいます。黄色一色に塗られた家具たちがちょっと不気味(美術:島次郎)。

 結局、兄(宇井晴雄)が死んでしまうんですよね。ある共同体の中での仲間割れみたいな形で。そこで心が折れてしまいました。この劇から私が逃げてしまったんです。

 ツイッターでのご指摘を受けて数えてみたところ、私は清水邦夫さんの作品を13本観ていまして、それを知った自分が驚いてしまいました。観劇に夢中になってもう10年以上になりますので、自分の好みというか、素養(感受性の限界)はわかってきたはずです。ここらではっきりさせなきゃいけないなと思いました。
 私は「アングラが苦手」なんです。おそらくトラウマ? 大阪の田舎での息苦しい子供時代と、その頃に古いビルで見た天井桟敷の「奴婢訓」のポスターとが合体して、いわゆる60年代後半から70年代のアングラ演劇というものへの嫌悪感が、体に溜まっているんじゃないかと。そうじゃないと、こんなに反射的に心にシャッターが降りるはずないと思うんですよね・・・。これまでチャレンジの気持ちでそういう作品を観てきましたが、もう、これは体質なんだと受け入れ(あきらめ)ようと思います。
 ※アングラ演劇を批判する気持ちは全くありません。毎度書いてますように、ただの好みの問題です。

 ≪終演後のトーク≫
 出演(?):多田淳之介 岩城保(照明)

 全く変化してなさそうに見えて、実はかなり変化している、この作品の照明の実演をしてくださいました。

キラリふじみ・レパートリー新作
出演:宇井晴雄、伊東沙保、猪股俊明、中村まこと、大川潤子、大崎由利子、小田豊
作:清水邦夫 演出:多田淳之介(キラリふじみ芸術監督) 舞台美術:島次郎 舞台監督:中西隆雄、高橋京子 照明:岩城保 音響:泉田雄太 衣裳:竹原典子 演出助手:福本朝子
【日時指定・全席自由・整理番号つき】一般 3,000円 学生・シニア(65歳以上)2,000円 高校生以下1,000円 ※未就学児のご入場はお断りしております。保育サービスをご利用ください。
http://www.kirari-fujimi.com/program/view/35

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 22:38 | TrackBack

東宝『ピアフ』10/13-11/06シアタークリエ

 イギリスの女流劇作家パム・ジェムスさんの戯曲を栗山民也さんが演出。大竹しのぶさんがシャンソンの女王エディット・ピアフを演じます。大竹さんは東京公演中に紫綬褒章を受章されました。大竹さん以外もすごい豪華キャストなんですよね。

 エディット・ピアフが主人公のお芝居はたぶん2度拝見してまして、一番記憶にはっきりと残っているのは、ピアフの恋愛に焦点を当てた美輪明宏さん主演の『愛の賛歌』。今作は戦時中を生きた1人の有名歌手の人生を描いていたように思います。

 ⇒「『ピアフ』初日観劇レポート
 ⇒「大竹しのぶさん 紫綬褒章受章会見レポート
 ⇒CoRich舞台芸術!『ピアフ

 土曜日のお昼に日比谷の劇場に着くと、ゴージャスなムードの人だかり。劇場の壁には大竹さんの顔写真入りの紫綬褒章受賞記事が載った新聞が、拡大され貼り出されていました。
 そういえばシアタークリエに来たのは久しぶりでしたね~。シャープで品の良い色合いの、派手でなくとも決して地味にならない、洗練されたデザインのお洋服をお召しのマダムたちが、劇場前に集まって談笑されています(着物じゃなくて洋装なのが銀座との違いかしら)。劇場内も含め華やかな風景で、私がよく行く小劇場とのギャップにしばらく戸惑っちゃいました。「観劇」の意味が違うんだろうなー。私はこういう華やかでゴージャスなのも大好きです。

 お芝居の美術もまた豪華でした。凝った装飾がほどこされた金色の額縁が舞台枠を囲んでいます。でも柱がところどころ朽ちていて、骨組みの針金が露出していたりも。額縁を埋めるどっしりとした赤い緞帳が開いて現れたのは、路上でした。舞台奥に黒や灰色、こげ茶色などの暗い色合いの煉瓦の壁がそそり立っています。

 大竹さん以外の役者さんは色んな役を演じます。スピーディーに場面転換して次々と時代が進んでいくのが快いです。戦時中の場面では、人間の愛を歌っているはずのヒット曲が、敵の殺戮を肯定するかのように響いて、胸をかきむしられるような思いがしました。ピアフがフランスのレジスタンスを支援していたエピソードがあり、巨大な国旗で盛り上がるナショナリズムをあらわす演出が見事でした。

 この作品はミュージカルではなく音楽劇なんですね。たとえば田代万里生さんやKENTAROさんが歌うと、歌い終わった時に自然と拍手が起こるのですが、ピアフ(大竹しのぶ)が歌うと拍手が起こりません(一部例外はあります)。歌としてでなくセリフとして、どうしても止められなくて口から飛び出てしまった叫びとして、受け取るからだと思います。音楽として聴かせるための歌声ではなく、全身からしぼり出される、ひとりの人間の命の証しのような、慟哭。ピアフの命でもあり、「大竹しのぶ」という女優の命でもあるのだと思いました。

 大竹さんは本当にパワフル。熱を宿した岩石のような、ゆるがない存在感。こんなお芝居を昼と夜に2度も上演してるなんて・・・世界を変えるのは体力だと思います(⇒この芝居より ⇒「体力で地球を救わないと」)。

 ここからネタバレします。

 ハーケンクロイツの腕章をつけた兵士らを含むドイツ人が、フランスに勝って、マレーネ・ディートリッヒの「リリー・マルレーン」を力強く歌う場面がありました。世界が切り裂かれるのを歌で表現する、素晴らしい演出でした。

 恋人(男)がいないと心穏やかでいられないピアフの、最後の夫は若いギリシャ人のテオ。うーん、D-BOYS STAGEでとても良かったので期待していたせいか、碓井将大さんが伸び伸びしていなかったのが残念でしたね。

 「水に流して(Non, je ne regrette rien)」が最後の曲でした。

≪東京、新潟、富山、石川、大阪、愛知≫
出演(順不同):大竹しのぶ 彩輝なお 梅沢昌代 辻萬長、山路和弘、高橋和也、田代万里生、碓井将大、KENTARO、山口馬木也、吉田理恵
脚本:パム・ジェムス 翻訳:常田景子 演出:栗山民也 音楽監督:甲斐正人 美術:松井るみ 照明:高見和義 衣裳:前田文子 音響:山本浩一 ヘアメイク:佐藤裕子 ステージング:西祐子 アクション:渥美博 歌唱指導:菅井英斗 舞台監督:荒智司 津田光正 演出助手:鈴木ひがし 製作:東宝
【休演日】10/17,24,31【発売日】2011/09/03 全席指定 9,500円
http://www.tohostage.com/piaf/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 21:47 | TrackBack

2012年01月11日

劇団昴ザ・サード・ステージ『暗いところで待ち合わせ』01/09-15シアターグリーン BIG TREE THEATER

 映画が好きで観に行って正解♪ 良かった~泣いた~ 。現代ドラマでサスペンス要素もバッチリ!さすが寺十吾さんの演出。秋之桜子さんが舞台用に書かれた戯曲も良かったです。
 でも音楽は生演奏じゃない方がよかったかも。もっと暗さの密度が高い方が好み。たしか原作の乙一さんがトークゲストの回あり(完売)。上演時間は休憩十分を含む約二時間半。

暗いところで待ち合わせ DTSデラックス版 [DVD]
ジェネオン エンタテインメント (2008-07-02)
売り上げランキング: 185,611

 ※レビューは2017/08/30に公開しました。

≪あらすじ・作品紹介≫ CoRich舞台芸術!より
ミステリーの若き鬼才「乙一」を舞台化!

視力を無くし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。
駅のホームで起きた殺人事件が寂しい二人を引き合わせる。
犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家に逃げ込む・・・
孤独な二人の奇妙な同棲生活が始まった。

乙一作品は、その繊細な心理描写と映像的な情景描写から舞台劇にするのは不可能と思われていましたが、注目の新進作家、秋之桜子の新鮮な目線による脚色と、小劇場界の奇才と言われる、劇団tsumazuki no ishiの寺十吾を演出に迎え、「せつなさの達人」と呼ばれる乙一の世界を舞台劇として表現します。
≪ここまで介≫

 ここからネタバレします。

 「誰?!」じゃなくて、「ありがとう」って言ったのに泣いた~。
 学生時代の自分たちが同時に登場するのもいいですね。

第31回公演
出演:望木祐子、遠藤英恵、佐々木誠二、落合るみ、奥田隆仁、中西陽介、大島大次郎、小田悟、舘田裕之、吉田直子、吉澤恒多、舞山裕子、原田康正、あんどうさくら、本間薫、槙乃萌美、町屋圭祐、鈴木彩夏、林亜沙子
チェロ生演奏:坂本弘道
原作:乙一 脚色:秋之桜子(羽衣1011) 演出:寺十吾(tsumazuki no ishi)
美術:水谷雄司 照明:阿部康子 音響:岩野直人(ステージオフィス)衣装:仲村祐妃子 音楽/ 演奏: 坂本弘道 舞台監督:小林 岳郎(流山児★事務所) 演出助手:岡野正一(tsumazuki no ishi) 宣伝美術:真家亜紀子 宣伝写真:梅原渉 企画・制作:劇団昴 ザ・サード・ステージ、制作代表:磯辺万沙子
【発売日】2011/12/01 一般:4,000円 学生:3,000円 (学生は当日学生証提出・未就学児童の入場はご遠慮下さい)ジーンズシート2,500円(全ステージ10枚限定)
http://www.theatercompany-subaru.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています(順不同)。間違っている可能性があります。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~
★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガ↓も発行しております♪

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 23:55 | TrackBack

2012年01月10日

2011年しのぶの観劇ベストテン

2011_best10.jpg
2011年の総決算

 2011年のしのぶの観劇ベストテンを発表します。ベストテンは「CoRich舞台芸術アワード!2011」にも投票しています。wonderlandの「今年の3本」にも参加させていただきました。

 ※2011年の観劇本数は289本(内、同じ作品を2回観たのは1公演、ダブルキャストを両公演観たのが2公演)。

 ⇒点描ノート「2011年の演劇アンケートに参加しない理由」(徳永京子さんのブログ)

■メルマガ号外■ ※初日の早い順
・葛河思潮社『浮標(ブイ)
・TAKE IT EASY!×末満健一2011『舞台版「千年女優」(再演)
・ままごと『わが星(再演)
・流山児★事務所『ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-(再演)


■心に残る10本■ ※初日の早い順 ※号外を発行した公演を除く。
・マームとジプシー『コドモもももも、森んなか
・SPAC『苦悩
・SPAC『真夏の夜の夢
・世田谷パブリックシアター『モリー・スウィーニー
・SPAC『ヒロシマ・モナムール
・マームとジプシー『塩ふる世界。
・キューブ『奥さまお尻をどうぞ』
・KUNIO『エンジェルス・イン・アメリカ 第一部・第二部一挙上演』
・Produce lab 89『官能教育 藤田貴大×中勘助「犬」
・さいたまゴールドシアター『ルート99


■日本劇団協議会機関誌「join」74号特集「私が選ぶベストワン2011」■ ※2012/05/01加筆

・舞台
 SPAC『真夏の夜の夢』

・女優(対象となる舞台)
 土井真波(新国立劇場演劇研修所4期生試演会③『マニラ瑞穂記』)

・男優(対象となる舞台)
 渡辺敬彦(SPAC『真夏の夜の夢』)

・演出家(対象となる舞台)
 藤田貴大(Produce lab 89 presents『官能教育~官能をめぐるリーディング~ 藤田貴大×中勘助「犬」』)

・スタッフ(分野・対象となる舞台)
 ニック・シモンズ
 (照明・ Studio Life『PHANTOM THE UNTOLD STORY~語られざりし物語~』)

・団体(理由)
 非戦を選ぶ演劇人の会
 (『チャリティーリーディング「それゆけ安全マン ~レントゲン・チェルノブイリ・フクシマ~」』、『ピースリーディング「核・ヒバク・人間」』の上演。)

・戯曲(作家名)
 『ルート99』(岩松了)

・ノンジャンル※海外国内問わず、すべての舞台芸術から1作品
 マルグリット・デュラス作・クリスティーヌ・ルタイユール演出『ヒロシマ・モナムール』


▼演劇関連のお仕事▼
・こりっち「CoRich舞台芸術まつり!2011」審査員
・NPO法人FPAP「劇作家・演出家のための観劇ディスカッションツアー」アドバイザー
・高校演劇・東京都城東地区大会の審査員 ⇒都大会も一部拝見
・シアターアーツ劇評講座『劇評って何だろうか......

▼執筆▼ ※日付順

●稽古場レポート
・新国立劇場演劇研修所4期生試演会③『マニラ瑞穂記』⇒稽古場レポート
・東京芸術劇場プロデュース『チェーホフ?!』⇒稽古場レポート ⇒舞台写真つきレビュー
・世田谷パブリックシアター『往転―オウテン』⇒稽古場レポート

●記者発表
・新国立劇場演劇『わが町』 ⇒制作発表
・NODA・MAP『南へ』 ⇒制作発表
・東京芸術劇場「野田秀樹芸術監督就任1周年記者懇談会」
・Studio Life『11人いる!』 ⇒制作発表
・わらび座『ミュージカル おもひでぽろぽろ』⇒製作発表 ⇒初日前日キャストインタビュー
・二兎社『シングルマザーズ』⇒記者発表
・SPAC「ふじのくに⇔せかい演劇祭2011」⇒記者発表
・Studio Life『PHANTOM THE UNTOLD STORY~語られざりし物語~』⇒来日した英国スタッフ・インタビュー
・「フェスティバル/トーキョー11」(F/T11)⇒記者会見
・新国立劇場演劇・シリーズ【美×劇】⇒合同制作発表会

●その他
・【つぶやき】地震が起きて48時間経過した今、私にできること
・【動画】「Nataliya Gudziy sings "Spirited Away"
・【つぶやき】この震災のもとで、演劇の一観客として考えたこと
・【お知らせ】2011年4月のメルマガをお休みします
・緊急対談・平田オリザ×別役実「焼け跡と不条理-復興とは何か?-
・「Save Japan Museum ニッポンの文化財を守ろう!~東日本大震災写真展~
・シアターアーツ「劇評講座 Vol.6『公開フォーラム 震災後の演劇を語る』
・東電福島原発事故による放射能汚染(福島、栃木、茨城、群馬、埼玉、東京のほぼ全域)5/18掲載
・「日本版アーツカウンシル報告書案」パブリックコメント募集
・【情報】児玉龍彦教授の「放射線の健康への影響」についてのご発言をご覧ください
・大震災と演劇「対談:野田秀樹×別役実」「劇作家リレートーク」
・【写真レポート】北九州・枝光本町商店街アイアンシアターに伺いました(2010年9月)
・スペースクラフト・エンタテインメント『成河1人パフォーマンス
・福島県立いわき総合高校演劇部『Final Fantasy for XI.III.MMXI
・「しのぶの演劇レビュー」TOPで演劇関連情報の告知をしています。2011年は約70件。


~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 21:17 | TrackBack

2010年しのぶの観劇ベストテン

2010_best10.JPG
2010年の総決算

 選ぶだけ選んでおいて掲載できていなかった、「2010年しのぶの観劇ベストテン」です。もう2011年も終わったのですが、記録のために掲載します。

 ベストテンは「CoRich舞台芸術アワード!2010」にも投票しています。wonderlandの「今年の3本」、日本劇団協議会の会報紙「join」の「私が選ぶベストワン2010」にも参加させていただきました。※2010年の観劇本数は274本。

 ⇒The Japan Times“世界演劇マーケットで活躍する若手演劇人たちに聞く”(Friday, Dec. 10, 2010 By NOBUKO TANAKA )

■メルマガ号外■
・新国立劇場演劇『夢の裂け目

■心に残る10本■ ※初日の早い順 ※号外を発行した公演を除く。
・SePT独舞『ソコバケツノソコ
・うさぎと猫の芝居小屋『真夜中の太陽
・クロード・レジ演出『彼方へ 海の讃歌(オード)』
・松竹・Bunkamura『コクーン歌舞伎「佐倉義民傳」
・新国立劇場演劇『夢の痂(かさぶた)
・彩の国さいたま芸術劇場『音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~
・さいたまゴールド・シアター『聖地
・パルコ『ハーパー・リーガン
・あうるすぽっと『長短調(または眺(なが)め身近(みぢか)め)
・カンパニーデラシネラ『異邦人


▼演劇関連のお仕事▼

・こりっち「CoRich舞台芸術まつり!2010」審査員
・こまばアゴラ劇場・冬のサミット2009ワークショップ「演劇公演の宣伝について考えるラウンドテーブル」⇒出演報告
・芸団協2010「ラウンドテーブル『劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!』【まとめ】」
・『ぽんプラザホール10周年記念 福岡・九州地域演劇祭』⇒内覧会レポート
・「九州の地域演劇のこれからを考えるパネルトーク」に出演
・『Project BUNGAKU 太宰治』10/6(水)マチネ終演後のトークに出演
・高校演劇・山梨県大会の審査員


▼執筆▼ ※日付順

●インタビュー
・彩の国さいたま芸術劇場『音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~』⇒蜷川幸雄インタビュー
・Bunkamura『タンゴ-TANGO-』⇒長塚圭史インタビュー
・「黒田育世ロングインタビュー&ルーツ」⇒Choice!WEB(前編)(後編) 厳選シアター情報誌Choice!にも掲載。⇒web DICE

●稽古場レポート
・新国立劇場演劇研修所・第3期生修了公演『友達』⇒稽古場レポート
・彩の国さいたま芸術劇場『音楽劇 ガラスの仮面~二人のヘレン~』⇒稽古場レポート
・チェルフィッチュ『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』⇒稽古場レポート
・こまつ座『「水の手紙」「朗読劇 少年口伝隊一九四五」』⇒稽古場レポート
・Bunkamura『タンゴ-TANGO-』⇒稽古場レポート

●記者発表
・Studio Life「『トーマの心臓』『訪問者』連鎖公演」⇒製作発表会
・わらび座『ミュージカル「アトム」』⇒制作発表 ⇒秋田公演レビュー
・SPAC「Shizuoka春の芸術祭2010」⇒記者発表
・新国立劇場『ヘッダ・ガーブレル』⇒制作発表 
・王子小劇場「佐藤佐吉演劇祭2010」⇒前夜祭
・「フェスティバル/トーキョー10」⇒記者発表
・Bunkamura『黴菌(ばいきん)』⇒製作発表

●その他
・文化審議会文化政策部会「審議経過報告」に対するパブリックコメント提出
・「しのぶの演劇レビュー」TOPで演劇関連情報の告知をしています。2010年は約60件。


■日本劇団協議会の会報紙「join」の「私が選ぶベストワン2010」■

・舞台
 あうるすぽっとチェーホフフェスティバル2010「長短調(または眺め身近め)」

・女優(対象となる舞台)
 多部未華子(東京芸術劇場「農業少女」)

・男優(対象となる舞台)
 吉田鋼太郎(こまつ座&ホリプロ「黙阿弥オペラ」、Bunkamura「タンゴ」)

・演出家(対象となる舞台)
 長塚圭史(パルコ・プロデュース「ハーパー・リーガン」、Bunkamura「タンゴ」)

・スタッフ(分野・対象となる舞台)
 小野寺修二(パルコ・プロデュース「ハーパー・リーガン」)

・団体(理由)
 SPAC・(財)静岡県舞台芸術センター
 (SPAC春の芸術祭2010の開催、劇場周辺地域とのアウトリーチ事業)

・戯曲(作家名)
 「イノセント・ピープル」(畑澤聖悟)

・ノンジャンル※海外国内問わず、すべての舞台芸術から1作品
 SPAC・静岡舞台芸術センター招聘「彼方へ 海の讃歌(オード)」
 (クロード・レジ演出/ジャン=カンタン・シャトラン出演)


~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 20:14 | TrackBack

2012年01月09日

【意見】fringe blog「短すぎる公演日程や早すぎる開演時間の演劇は公共性がない」について

 fringeプロデューサーの荻野達也さんが「短すぎる公演日程や早すぎる開演時間の演劇は公共性がない」(⇒)という提言をされました。荻野さんらしい挑発的なタイトルをはじめ、熱のこもった内容だったためか、ツイッターやブログなどで異論、反論が次々と出てきました。

 私は激烈な反論をする方々の感情的なツイートにひるんでしまい、一時はこの議論に参加する気持ちを失ったのですが、「平日夜の開演時間を遅くして欲しい」という思いは荻野さんと同じなので、自分の思うところを書いてみました。
 ※公演期間については、観客の立場としては長い方がありがたいです。申し訳ないのですが作り手側の事情までちゃんとわからないです。

 ⇒Togetter「演劇公演や美術館の公共性について
 ⇒Togetter「舞台公演に平日19時半開演、20時開演の回を増やしてほしい
 ⇒Togetter「短すぎる公演日程や早すぎる開演時間の演劇は公共性がない?

 いわゆる都市部の観客である私の個人的感覚なんですが、東京で行われる公演は近県の住民も観客だと想定していることが特徴で、そうなると劇場と自宅が遠く離れている観客が多くなります。その人たちにとっては「終演時刻」がとても重要なんです。
 また都市には会社勤めの人が多いですよね。私の経験上、19時や19時半開演に間に合わないのは自分の仕事のせいかな~と思えるんですが、18時半開演だと「サラリーマンは平日には観に来なくていいですよ」と言われているような気がしてたんです。

 そこで、開演時刻について考えてみたんですが↓

 ■「開演時刻を遅くして欲しい!」と思う観客
 ・会社が終わってからだと平日18時半開演には間に合わない(19時台なら会社を出られるけど、18時台は出づらい!)。土日しか観にいけないので劇場から足が遠のく。土日公演はチケット取りづらい・・・。
 ・会社が終わってから公演関係者への差し入れを買って劇場に行きたいので、その余裕が欲しい(18時台はつらい)。
 ・そもそも夜遅くまで働くのが当たり前の首都圏の状況をどうにかして!

 ■「開演時刻を早くして欲しい!」と思う観客
 ・終演が遅いと観劇後の食事など、語らいの時間をゆっくり楽しめない。
 ・自宅が劇場から遠いので、終電に間に合わないと困る。
 ・てか、早く家に帰りたいの!夜遅いのはイヤ!

 ■劇場・公演主催者(作り手)
 ・終演時刻が遅くなると劇場職員が家に帰れなくなる。
 ・「上演時間が長くならないように」と気にして作品をつくるなんて本末転倒。
 ・住宅街にある劇場だと深夜の騒音は迷惑。→閉館時刻が決まっている。
 ・開演時刻に多様性を持たせると、開演時刻を間違える観客が多くなる。
 ・どんな上演時刻にしても必ず観客から文句が出る・・・(ある公共ホールの方に聞きました)。

 むむむ・・・難しいですね(汗)。何事も「あちら立てればこちらが立たぬ」「慣習を簡単には変えられない」「今の法律のままだとその変革は難しい」・・・となるものなんですね。でもあきらめるのは悲しいし、突破口が全然ないわけじゃないんじゃないかな~とも思うんです。

 首都圏(主に東京)の公演に限りますが、たとえばポスト・パフォーマンス・トークなどの終演後のイベントが当たり前のように開催されるようになったのは、この数年のことで、少なくとも10年前は「当たり前」じゃなかったです(私の経験上)。小劇場公演での託児サービスも今は珍しくなくなりました。平日マチネも増えましたよね。最近気になってるのは朝11時開演の回。お子様がいらっしゃるお母様方に好評だったようです。「どんなことでも、実行する団体が多くなれば当たり前になるかもっ!」という楽観的な気持ちを糧に、観客の方からも「これが欲しい!」「こうしたい!」と声に出していくのは無駄じゃないと思います。

 では・・・たとえば1日だけ、金曜日の夜だけ、19時半開演にしてみるとか、どうですか?ハナキン(←死語?)だけ特別に!・・・わがままだけど言ってみた!!
 ※「じゃあ、平日の開演時刻を19時半や20時にしたら、本当に劇場に観客は増えるの?」といわれると、申し訳ないことに私にはイエスともノーとも答えられないんですけどね・・・。

 金曜日のソワレというと今でもよく思い出すのが、2009年10月に新国立劇場で開催されていたFRIDAY PUBです(毎週金曜ソワレ終演後の20:45~21:30に開店 ⇒公式ブログ ⇒公演レビュー ⇒体験談)。こんなイベントも合わせてやっていただきたい!私は3回あったうちの1回に参加して、すっごく楽しかったんです♪次もあったらお友達を誘おうと思ってたぐらい。チケットがなくても自由に入れたので、初台で働くスーツ姿の方々もフラリといらしてたそうです。「金曜日の夜は楽しそうなことやってるよ~」というアピールと、実際に足を踏み入れた時の、あの解放感のある語らいの場は、外の世界に届くんじゃないかしら(騒音や立地の問題があると難しいですが)。

 開演時刻問題からFRIDAY PUBの話を書いてるうちに、Ort-d.dの演出家・倉迫康史さんが書かれている『「招き入れる」もしくは「迎え入れる」態勢を整えること』に近い気がしてきました。アウトリーチ活動のようによそいきの顔を作って出て行くのではなく、楽しい演劇の現場をみんなでシェアできるような場を設けること。ありのままで、その場で歓待することにヒントがあるのかもしれません。そういえば1月24日に開幕する『ヌード・マウス』で、ちょうど公開稽古があったばかりです。「ただ稽古を見て帰ってくれ、ってだけのイベント」なんですね。1/15、18にまた実施されます(⇒紹介エントリー)。

 どんな地域のどんな環境の公演でもアクセスはしやすい方がいいです。その方法はそれぞれに違うと思います。でも、アクセスしてくれた時に、どんな顔で、どんな状態で、迎え入れるのか。その方法・態勢は共通するんじゃないでしょうか。まずは私自身が“演劇の観客”という世界に、多くの人を「招き入れる」「迎え入れる」態勢でいること、それが見える状態にすることを心がけたいと思います。


~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 11:24 | TrackBack

【情報】Théâtre des Annales「『ヌード・マウス』公開稽古第2弾・1/15、18実施」※1/11〆 切(メールのみ)

 1/24に赤坂レッドシアターで開幕するThéâtre des Annales『ヌード・マウス』の公開稽古第2弾の情報です。⇒第1弾の告知エントリー ⇒作・演出の谷賢一さんが作品および第1弾の公開稽古について書かれています。

 加費無料、申込多数の場合は抽選、申込みにはtwitterアカウントが必要。ご興味のある方はぜひ。詳細は公式サイトでご確認ください。
 昨年末の「トーク&リーディングイベント」を拝聴し、面白そうな公演だと思いました。⇒メルマガ2012年1月号に情報掲載。

 ●Théâtre des Annales『ヌード・マウス』01/24-29赤坂レッドシアター
  出演:増田俊樹 佐藤みゆき 大原研二 山本亨
  作・演出:谷賢一
  公開稽古第二弾:1月15日(日)・18日(水)午後(2時間~3時間程)
  参加費無料、申込多数の場合は抽選。
  締切:1月11日(水)

■「ヌード・マウス」公開稽古第2弾!

1月15日(日)・18日(水)に「ヌード・マウス」公開稽古を行います。
劇場入りを翌週に控えてますます熱くなる稽古場!
作品が刻々変化し、進化していく過程に立ち会ってみませんか?
実施日:1月15日(日)・18日(水)午後(2時間~3時間程)
※詳細は直接参加者の方にのみご連絡いたします。
※参加費は無料です。
※申込多数の場合は抽選となります
※稽古場で簡単に質問・アンケートを取らせていただく場合があります。
お申込み方法:info(アットマーク)nudemouse.jpに件名を「第二弾」とご記入の上、
  1、お名前 2、ご希望の日程と時間帯(15時~21時の間で可能なお時間をお書きください。)
  3、twitterアカウント
をお送りください。

締切:1月11日(水)
※ご参加いただく方にのみ、1月13日(金)までにご連絡いたします。

出演:増田俊樹 佐藤みゆき 大原研二 山本亨
作・演出:谷賢一 美術:土岐研一 照明:松本大介 音響:岡田悠 衣裳:横田真理 ヘアメイク:大宝みゆき 演出助手:則岡正昭 舞台監督:棚瀬巧 ドラマトゥルク:野村政之 制作助手:齊藤友紀子 制作:小野塚央 プロデューサー:伊藤達哉 宣伝美術:今城加奈子 宣伝写真: 引地信彦 Web:MONOLITH 制作協力:DULL-COLORED POP 主催:ゴーチ・ブラザーズ 企画:Théâtre des Annales(テアトル・ド・アナール)
http://www.nudemouse.jp

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 10:47 | TrackBack

2012年01月07日

【オーディション】パルコ・プロデュース「中屋敷法仁演出『露出狂(仮)・オール男性キャスト』出演者募集」※02/14〆切(郵送のみ)

 (株)パルコが柿喰う客の演出家、中屋敷法仁さんを迎え、柿喰う客の人気作『露出狂』をオール男性キャストでリメイクします。『露出狂』は「CoRich舞台芸術まつり!2010春」グランプリ受賞作品です。⇒初演レビュー

 「長塚圭史、本谷有希子、前川知大等に続く新たな才能として期待をかけるのが、中屋敷法仁です」とあります。「小劇場界の風雲児」というコピーは、中屋敷さんにぴったりだと思いますね。オーディション詳細は公式サイトでご確認ください。

 ●パルコ・プロデュース『露出狂(仮)』
  稽古期間:2012年6月下旬より稽古け開始予定(東京都内にて予定)
  公演期間:2012年7月下旬~8月。(多地域ツアー含む)
 【応募資格】
  ・18~30歳ぐらいまでの男性。(現在までの演劇経験は不問)。
  ・稽古・本番期間に、すべて参加できる方。
  ・身体能力に自信のある方

Posted by shinobu at 11:09 | TrackBack

2012年01月04日

【情報】サンプル「『女王の器』公開稽古」01/15川崎市アートセンターアルテリオ小劇場※1/14(土)15時〆切(専用フォームより)

 昨年度の岸田國士戯曲賞受賞者の松井周さん率いる劇団サンプルが、新作『女王の器』の公開稽古を行います。入場無料・定員50名(要予約・先着順)。詳細は公式サイトでご確認ください。

 ●サンプル「『女王の器』公開稽古」
  日程:2012年1月15日(日)15:00
   ※受付開始・開場ともに開始の20分前。
   ※17:00終了予定
  会場:川崎市アートセンター アルテリオ小劇場
  入場無料・定員50名(要予約・先着順)
  予約方法:専用フォームより。※お一人につき2名まで。
  予約〆切:2012年1月14日(土)15:00

Posted by shinobu at 21:32 | TrackBack

2012年01月02日

時間堂『星の結び目』12/22-01/02こまばアゴラ劇場

 2012年1月2日に鑑賞しました(2014/06/25)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『星の結び目』

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 その川には、龍の女が住むという。
 舞台は在りし日の東京。川や土と共に暮らす日々のあった頃。氷屋を営み、その財と力で名を馳せたある男と、その一族の物語。
 その年の氷の味は、初雪の色と龍の機嫌で決るらしい。
 川面を清める桜を待って、冬の星座が雪を降らす。
 梳いた黒髪、銀の帯、結んだ小指のその先に。
 「雪の白さに惑わされてはなりません。冷たく見えても、その下には、抗えないほど赤い血潮が隠れているのでございます。」

 骨太の物語、正統派の対話劇を丁寧な演出と軽やかな演技で見せる「大人のための小劇場」。
 時間堂は、現代のストレートプレイの醍醐味をお届けします。
 ≪ここまで≫

出演:鈴木浩司 菅野貴夫 直江里美 ヒザイミズキ 窪田優(以上、時間堂) 荒井志郎(青☆組) 木下祐子 斉藤まりえ 酒巻誉洋 猿田モンキー 山田宏平(山の手事情社)
作:吉田小夏(青☆組) 演出:黒澤世莉(時間堂) 舞台監督:藤本志穂 照明:工藤雅弘 吉村愛子 衣装:阿部美千代 宣伝写真:松本幸夫 宣伝美術:立花和政 Web制作:小林タクシー ビデオ撮影:$堂 演出助手:原田優理子 広報:オノマリコ 佐伯風土 大森晴香 劇団員:雨森スウ 制作:北澤芙未子 飯塚なな子 主催・企画制作:時間堂 / (有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 技術協力:鈴木健介(アゴラ企画) 制作協力:斎藤拓(アゴラ企画) 芸術監督:平田オリザ 資料提供:杉並区立郷土博物館
チケット 発売11月19日(土)10:00~ 前売・当日:3000円 学生割引:1900円(要予約・当日受付にて学生証の提示をお願いいたします) 整理番号付自由席
http://www.jikando.com/past-works/150-2011-04-10-08-59-51.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 23:55 | TrackBack

2012年01月01日

メルマガ 2012年01月のお薦め舞台

mail magazin visual.bmp
お薦めお芝居をご紹介しています

 2012年1月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
 ★メルマガへのご登録はこちら
 ★バックナンバーはこちらです。

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 91     2012.01.01  1,808部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎あけましておめでとうございます
  今年も“しのぶの演劇レビュー”をどうぞよろしくお願いいたします

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→こまつ座&ホリプロ『十一ぴきのネコ』
       01/10-31紀伊國屋サザンシアター
       ≪東京、山形、大阪≫
       http://hpot.jp/11neko/

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→さいたまゴールド・シアター『ルート99』
       12/06-20彩の国さいたま芸術劇場小ホール
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1211144859.html

 ◆3【いま、北村想作『寿歌(ほぎうた)』を観ること】

   ◎核戦争後の日本を描いた『寿歌』の上演が相次ぎます。

 ◆4【「シアタートラムネクストジェネレーションVol.4」の2公演】

   ◎若手劇団の登竜門。今年は世田谷シルクとてがみ座です。

 ◆5【編集後記】

   ◎wonderland「振り返る 私の2011」に参加させていただきました。

 ◆6【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め10本+α】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。
 ※高額公演のお薦めが少なかったので3,000円台の公演も含めました。


1.初春新派公演『東京物語』
  01/02-24三越劇場
  ☆出演:水谷八重子 波乃久里子 瀬戸摩純 英太郎 安井昌二 他
   脚本・演出:山田洋次
   小津安二郎監督の映画「東京物語」を山田洋次監督が舞台化されます。
   新春の三越劇場で日本のお話にしっとり浸るのもいいかも!
   8,500円
    http://www.shochiku.co.jp/shinpa/pfmc/1201/


2.劇団昴ザ・サード・ステージ『暗いところで待ち合わせ』
  01/09-15シアターグリーン BIG TREE THEATER
  ☆出演:望木祐子 遠藤英恵 佐々木誠二 落合るみ 奥田隆仁 中西陽介 大島大次郎
    小田悟 舘田裕之 吉田直子 吉澤恒多 舞山裕子 原田康正 あんどうさくら
    本間薫 槙乃萌美 町屋圭祐 鈴木彩夏 林亜沙子 演奏:坂本弘道
   原作:乙一 脚色:秋之桜子(羽衣1011) 演出:寺十吾(tsumazuki no ishi)
   一般4,000円 学生3,000円 ジーンズシート2,500円
   ※未就学児童の入場はご遠慮下さい。
    http://www.theatercompany-subaru.com/3rd.html
   人気小説家の乙一さんの『暗いところで待ち合わせ』を舞台化。
   『暗いところ…』は田中麗奈さん主演の映画版↓がすごく良かったんです。
    http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id325799/
   また、劇団昴ザ・サード・ステージは2010年に畑澤聖吾さんが書き下ろした
   『イノセント・ピープル』↓が素晴らしかったので期待が高まります。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0901110706.html


★3.こまつ座&ホリプロ『十一ぴきのネコ』
 01/10-31紀伊國屋サザンシアター
  ≪東京、山形、大阪≫
  ☆出演:北村有起哉 中村まこと 市川しんぺー 粟根まこと 蟹江一平 福田転球
    大堀こういち 木村靖司 辰巳智秋 田鍋謙一郎 山内圭哉 勝部演之
   脚本:井上ひさし 演出:長塚圭史
   一般7,800円  学生(高校生以上)5,800円  子供(小・中学生)4,800円
   ※未就学児はご入場いただけません。
    http://hpot.jp/11neko/
    http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=170
   長塚圭史さんが井上ひさし戯曲を初演出。男性ばかり12人の豪華キャストが
   “子どもとその付添いのためのミュージカル”で楽しく大暴れしてくれそう。

   ●お薦めポイント●
   1971年にテアトルエコーで初演され、1989年には決定版が上演された
   『十一ぴきのネコ』。今回は1971年版の脚本が採用されています。
   井上さんが36歳の時の戯曲と、現在36歳の長塚さんが出合うんですね。
   立派な大人の男性が猫を演じる“子ども向け”の作品ですが、
   強烈なラストが待っているそうですので、心して挑みたいです。   


4.ブラジル『イエスタデイ』
  01/18-22座・高円寺1
  第4回演劇村フェスティバル参加作品( http://www.murafes.jp/lineup/
  ☆出演:桑原裕子 柿丸美智恵 肘井美佳 櫻井智也 西山聡 諫山幸治 中川智明
      近藤美月 中澤功 三科喜代 橋本三雪 宮島朋宏 友松栄 原金太郎
   脚本・演出:ブラジリィー・アン・山田
   前売3,500円 当日3,800円
   ☆1/20(金)14時の回のみペア割引・2名様で5,500円 
    http://www.bra-brazil.com/ ↓こりっちでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=30379
   放送作家としても活躍中のブラジリィー・アン・山田さん率いるブラジルの
   新作。常連出演者に手練れの客演俳優も揃った“苦笑系喜劇”に期待。  


5.黒テント『青べか物語』
  01/18-29イワト劇場
  ☆出演:斎藤晴彦 服部吉次 小篠一成 内沢雅彦 木野本啓 宮崎恵治
    片岡哲也 光田圭亮 冨田訓広 平田三奈子 岡薫 本木幸世 滝本直子
    植田愛子 太田朝子 中島亜子
   原作:山本周五郎 演出・上演台本:鄭義信
   前売4000円、当日4500円、学生2500円
    http://www.ne.jp/asahi/kurotent/tokyo/
    http://aobeka2012.peatix.com/
   山本周五郎作の小説『青べか物語』が鄭義信(チョン・ウィシン)さんの
   手により新作舞台に。『青べか物語』は1962年に映画化もされています。
   鄭義信さんというと3月の『パーマ屋スミレ』↓も楽しみですね。
    http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000439_play.html


★6.ハイバイ『ある女』
  01/18-02/01こまばアゴラ劇場
  ≪東京、愛知、福岡≫
  ☆出演:上田遥 坂口辰平 永井若葉 平原テツ 吉田亮 (以上ハイバイ)
      小河原康二 猪股俊明
      菅原永二/岩井秀人(←東京公演はこの2人が交代するWキャスト)
   脚本・演出:岩井秀人
   前半割引 前売:3,000円 当日:3,300円(1月18日~22日)
   通常料金 前売:3,200円 当日:3,500円(1月24日~2月1日)
    http://hi-bye.net/2011/10/29/1781
   岩井秀人さん率いる劇団ハイバイの新作です。主人公は“不倫する女”。
   社会の一般常識から逸脱する女性を男性(菅原&岩井)が演じることで、
   大笑いしながらも、胸にぐっさり来るお芝居を観られる予感。


7.劇団うりんこ全国ツアー『お伽草紙/戯曲』
  01/19-22神奈川芸術劇場・中スタジオ
  ≪愛知・名古屋、神奈川、広島、福岡、大阪、東京、愛知・豊川、長野≫
  ☆出演:内田成信 越賀はなこ 丹羽美貴 高田博臣 牧野和彦 にいみひでお
      藤本伸江 和田幸加 花山ヨージロー
   原作:太宰治 脚本:永山智行(こふく劇場) 演出:三浦基(地点)
   前売:一般3000円 学生2000円 プレビュー2500円
   当日:一般3500円 学生2500円 プレビュー3000円
    http://www.urinko.jp/otogi2012.html
   名古屋の老舗児童劇団うりんこの再演ツアー。創立40周年なんですね。
   劇団プロデューサーの平松隆之さんらのインタビュー記事↓
    http://www.next-choice.com/data/?p=4733
   太宰治作「お伽草紙」↓の舞台化ですが、短編小説群を舞台にするだけでなく
    http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/307_14909.html
   太宰治という小説家を描く視点も含んだ、批評性に富んだ作品のよう。
   演出の三浦基さん曰く「大人になれない大人のための、子ども劇」です。


8.Theatre des Annales(テアトル・ド・アナール)『ヌード・マウス』
  01/24-29赤坂RED/THEATER
  ☆出演:増田俊樹 佐藤みゆき 大原研二 山本亨
   脚本・演出:谷賢一
   プレビュー公演4000円/本公演5000円
    http://www.nudemouse.jp/ ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=32459
   谷賢一さんが“脳科学”をテーマにした自身の新作4人芝居を演出。
   去年末のリーディング・イベントで戯曲を半分ほど聞くことができました。
   先端の科学知識を下地にした物語は知的欲求をそそる面白さ。
   心理描写に観客の想像の余地が広く残されており、結末が知りたくなりました。
   稽古場公開などの企画がありますので公式サイトは要チェックですね。


9.シベリア少女鉄道スピリッツ『太陽は僕の敵』
  01/25-29座・高円寺1
  第4回演劇村フェスティバル参加作品( http://www.murafes.jp/lineup/
  ☆出演:大川藍 (アイドリング!!!) 篠塚茜 染谷景子 羽鳥名美子 石井舞
    上福元沙織 鈴木由里 藤原幹雄 加藤雅人 高松泰治 篠原正明 小村裕次郎
   脚本・演出:土屋亮一
   4,000円 ※若者割引:3,000円(25才以下限定)
    http://www.siberia.jp/
   土屋亮一さんの新作。トリッキーでばかばかしさ炸裂のお芝居です。
   染谷景子さんの久々のシベ少出演も楽しみ♪昨年と一昨年のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0109112131.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0106230549.html


★10.敦-杏子(TON-ANZU)プロデュース『URASUJI~幕末編II~「仇花」』
  01/25-29本多劇場 ※1月30日(月)にライブあり
  ☆出演:杏子 深沢敦 岩崎大(※崎は異なる漢字) 西村直人 草野とおる
    森貞文則 中野順一朗 藤田記子 亀岡孝洋 加藤亜依 中山祐一朗 
    千代田信一 浅川稚広 渋谷飛鳥 内藤大希 矢沢誠 中川浩行 村田譲
    高祖正浩 木の実ナナ バイオリン演奏:土屋玲子 演奏:山田晃士
   脚本・演出:松村武(カムカムミニキーナ)
   本編・LIVEとも前売5,800円、当日6,000円 ※未就学児入場不可 
    http://www.urasuji.info/adabana.php
   「ザ・スズナリで帝劇感覚の異種格闘技を」というコンセプトだった
   “好色必殺時代劇版ミュージカル『URASUJI』”シリーズの新作です。
   歌、踊り、殺陣、ギャグ満載かつ、お色気もたっぷりのエンタメ舞台で、
   初演(2005年)ではメルマガ号外↓を発行しました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/0930230336.html
   2008年には再演と新作を同時に発表。レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2007/1227220416.html
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0103224954.html
   常連メンバーに木の実ナナさんらが加わって、会場が本多劇場に。


 ★★★────────────────────────────── 
  前売2000円台以下の気になる作品を3本ご紹介します。
 ──────────────────────────────★★★

【1】五反田団『新年工場見学会2012 業界人のニセモノ「業界人間クロダ」他』
  01/02-04アトリエヘリコプター
  ☆出演:黒田大輔 内田慈 菊川朝子 安倍健太郎 大山雄史 斉藤庸介
    佐藤沙恵 石澤彩美 木引優子 立蔵葉子 宮崎晋太郎 宮部純子 平田耕太郎
    平田ハルカ 平塚陽子 坊薗初菜 本田留美 成瀬正太郎 前田司郎 師岡広明
    岩井秀人 永井若葉 坂口辰平 平原テツ 吉田亮 上田遥 師岡広明 金子岳憲
    街角マチオ 街角マチコ中川幸子 西田麻耶 他
   予約・当日ともに2,000円(日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付)
    http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
   五反田団とハイバイの方々らによる毎年恒例新春イベント。昨年レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0122210122.html


【2】五反田団『びんぼう君』
  01/17-29アトリエヘリコプター
  ≪東京、名古屋、静岡、京都≫
  ☆出演:大山雄史 黒田大輔 端田新菜
   脚本・演出:前田司郎
   前売2500円 当日2800円(日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付)
    http://4674d267a940abb2.lolipop.jp/binbou-kun/
   前田司郎さんが作・演出される五反田団の代表作が約7年ぶりに再演。
   前田さんは劇作家、演出家、俳優としてだけでなく、小説やテレビ、映画
   の脚本家としても大活躍中です。2000円台という破格の演劇体験を是非!


【3】東京乾電池『AとBと一人の女』
  01/27-29新宿ゴールデン街劇場
  ☆出演:柄本佑 柄本時生
   脚本:別役実 演出:柄本かのこ
   前売・当日 2,000円
    http://www.tokyo-kandenchi.com
   柄本明さんのご子息2人が別役実戯曲に出演。
   お2人とも映画でよく拝見します。魅力的な役者さんだと思います。


≪首都圏以外・その他≫

 ○SPAC『グリム童話 ~少女と悪魔と風車小屋~』
  01/16-03/13静岡芸術劇場
   一般公演 2012年1月21日(土)、28日(土) 各日15時開演 
   2月25日(土) 13時30分開演(「本物のフィアンセ」との2本立公演)
  ☆出演:池田真紀子、武石守正、大内米治、貴島豪、大道無門優也、
      永井健二、布施安寿香、森山冬子、若宮羊市
   演出:宮城聰 作:オリヴィエ・ピィ 訳:西尾祥子 横山義志
   一般大人1公演4,000円 早期購入割引3,500円 2作品セット券6,400円
   ペア割引7,000円 ゆうゆう割引(満60歳以上)3,400円
   ゆうゆう割引(満60歳以上ペアチケット(2枚))6,400円
   グループ割引:3名様以上で1名様 3,200円 
   学割2,000円 高校生以下1,000円 障害者:2,800円
    http://www.spac.or.jp/12_spring/grimm.html
   2009年にオリヴィエ・ピィさんの作・演出で上演されたシリーズ↓を
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0629233641.html
   SPACがレパートリーとして新製作しています。
   2月には新作『本物のフィアンセ』との同日上演もあり。


 ○ワンダーランド演劇セミナー・徳永京子プロデュース
  「クロストーク150分『最前線の演劇知』(後期)」
  12/10~02/11水天宮ピット、他
  ☆第一線で活躍する演出家に話を聞く連続講座です。聞き手・案内役は
   演劇ジャーナリストの徳永京子さん。質疑応答の時間あり。
   1月14日(土)14:00-16:30  松尾スズキ(大人計画)
    会場:水天宮ピット
   1月28日(土)14:00-16:30  鵜山仁(文学座、前・新国立劇場芸術監督)
    会場:としまアートステーション「Z」
   受講料:各回(1回)3000円
    http://www.wonderlands.jp/seminar2011_geigeki2/ ↓紹介文
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1122000632.html
   回によっては残席あるようです。前期の簡単な感想↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0718173355.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆2 【先月のベスト3】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.さいたまゴールド・シアター『ルート99』
  12/06-20彩の国さいたま芸術劇場小ホール
  ☆私にとって2011年のNo.1新作戯曲です。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1211144859.html

2.クロムモリブデン『節電ボーダートルネード』
  12/20-30赤坂RED/THEATER
  ☆震災と原発事故で明るみに出た日本の腐敗体質を軽やかに風刺。
   “フィクションを超えた現実”を生きることになった私たちに、
   フィクションの力でその現実からの再生を示してくれました。
   http://crome.jp/

3.快快『ゆく年くる年 "SHIBA⇔トン" 歳末大感謝祭』
  12/27-28 M EVENT SPACE & BAR
  ☆ヨーロッパなどでの海外滞在制作を経て『SHIBAHAMA』↓がグレードアップ。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0616095523.html
   2月の新作『アントン、猫、クリ』の一部上演も素晴らしかった!
   http://faifai.tv/faifai-web/2011/12/-shiba.html

  その他は渡辺源四郎商店『エクソシストたち』、TPT『プライド』、
  いわき総合高校演劇部『Final Fantasy for XI.III.MMXI』、
  チェルフィッチュ『三月の5日間』熊本公演(順不同)。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2011年12月(観劇数17作品)は残念ながら発行せず。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆3 【いま、北村想作『寿歌(ほぎうた)』を観ること】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎『寿歌(ほぎうた)』は北村想さんの1979年初演戯曲↓です。
   http://www.performingarts.jp/j/data_drama/theater/d-00042.html
  核戦争後の関西の廃墟を舞台にした近未来フィクションが、
  私たちの現実にフィットすることとなってしまいました。
  上演が相次ぐこの機会に、観ておきたい3人芝居です。


 ○シス・カンパニー『寿歌(ほぎうた)』
  01/05-02/02新国立劇場小劇場
  ☆出演:堤真一 戸田恵梨香 橋本じゅん
   脚本:北村想 演出:千葉哲也
   S席7,500円 A席4,000円
    http://www.siscompany.com/03produce/36hogiuta/index.htm
   大スターが出演する注目公演。演出の千葉哲也さんが
   新国立劇場小劇場の空間をどう料理するのかにも興味あり。


 ○桜美林大学パフォーミングアーツプログラムvol.49
  G=OPAP2011『寿歌(ほぎうた)』
  01/15-22桜美林大学プルヌスホール(淵野辺キャンパス)
  ☆出演:(チーム花火)と(チーム火垂)のダブルキャスト
   ※キャストは学内オーディションによって選抜。
   作:北村想
   演出:金英秀/吉澤耕一(チーム花火) 演出:横田修(チーム火垂)
   プレビュー公演(前売り・当日)一律500円
   本公演(前売り・当日) 一般1200円、学生1000円、高校生以下500円 
   リピーター割:各券種の200円引、プレビュー公演割500円引
    http://www8.obirin.ac.jp/opai/opap_item.php?no=79
    http://www.obirin.ac.jp/topics/event/year_2011/7fl2960000034fqf.html
   舞台芸術を専攻する桜美林大学生による公演です。
   個人的にはタテヨコ企画の横田修さんの演出を観てみたいですね。


 ※3月には加藤健一事務所でも上演されます。

 ○加藤健一事務所『「ザ・シェルター」「寿歌」2本立て公演』
  03/02-11本多劇場
  ☆出演:加藤健一 小松和重 日下由美 占部房子
   脚本:北村想 演出:大杉祐
   チケット発売日:2012年1月15日 
   前売:5000円 当日:5500円 高校生割引:2500円
    http://homepage2.nifty.com/katoken/81-index.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆4 【「シアタートラムネクストジェネレーションVol.4」の2公演】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎シアタートラム・ネクストジェネレーションは若手劇団の登竜門。
  毎年話題を呼んでいます。過去の参加団体:toi、サスペンデッズ、
  快快、FUKAIPRODUCE羽衣、ミナモザなど。レビュー↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0131222724.html
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0125021311.html
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0124162328.html
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0130194545.html
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0122114832.html

  今年は世田谷シルクとてがみ座です。
  ステージ数が少ないのでチケット予約はお早めに!

【1】世田谷シルク『渡り鳥の信号待ち』
  01/19-22シアタートラム
  ≪東京、北海道、京都≫ 冬の三都市はとツアー
  ☆脚本・演出:堀川炎
   http://www.setagaya-silk.com/

【2】てがみ座『乱歩の恋文』
  01/26-29シアタートラム
  ☆脚本:長田育恵(てがみ座) 演出:扇田拓也(ヒンドゥー五千回)
   http://tegamiza.net/ ↓こりっちでカンタン予約!
   http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=32366

 ≪チケット情報≫
  一般:2,500円 劇場友の会:2,000円 世田谷区民:2,300円
  U24:1,250円 高校生以下:1,250円
  2劇団(世田谷シルク&てがみ座)セット券:4,000円


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆5 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎今年ほどお正月気分が薄いのはおそらく初めてで、自分でも驚いています。
  震災以降、生活が激変したせいもありますね。
  イライラせず、時間が解決してくれるのを待とうと思います。


 ◎wonderland「振り返る 私の2011」に参加させていただきました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1230202148.html


 ◎おすすめ舞台中継 on TV(おすすめがある時だけ掲載)

  【意見】NHK「芸術劇場」「ミッドナイトステージ館」
  「プレミアムシアター」での演劇舞台中継の継続を嘆願します
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0202151800.html

  【WOWOW ライブ】1月14日(土)21:00~
   パルコ・プロデュース『猟銃』
    http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/100166/index.php
   演出:フランソワ・ジラール 出演:中谷美紀

  【NHK-Eテレ】1月15日(日)15:00~17:00
   新国立劇場演劇『天守物語』
    http://cgi2.nhk.or.jp/navi/detail/index.cgi?id=11w13420120115
   作:泉鏡花 演出:白井晃 レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/1115114257.html

  【NHK-BSプレミアム】1月28日(土)23:30~午前3:30
   ホリプロ『黙阿彌オペラ』
    http://www.nhk.or.jp/bs/premium/
   脚本:井上ひさし 演出:栗山民也


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2011年12月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「心中天使」←ええ!そんな結末なの!?と驚かされた…。
    http://shinchutenshi.com/
  ・「アトムの足音が聞こえる」←ある芸術家のドキュメンタリー。
    http://www.atom-ashioto.jp/
  ・「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの
    『マネジメント』を読んだら」←私も“真摯”に生きようっ。
    http://moshidora.jp/
  ・「アンダルシア 女神の報復」←海外ロケが贅沢。ストーリーも面白かった。
    http://andalucia-movie.jp/
  ・「あぜ道のダンディ」←石井裕也監督作品はハズレなしですね。
    http://www.bitters.co.jp/azemichi/


 ◎【厳選シアター情報誌Choice!】TOPページ右下の“ちょいナビ”にて、
   http://www.next-choice.com/
  “しのぶの演劇レビュー”をご紹介いただいています!


 ◎ツイッターやってます!フォロワー3200人超えに感謝♪
  ⇒ @shinorev : http://twitter.com/shinorev
  情報収集はもっぱらツイッター頼りです。
  実名アカウント同士の身のあるやりとりから仕事に直結!
  震災・原発事故関連の公式リツイートが多いです。


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
   http://www.corich.jp/stage/user_register.php
  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆6 【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 このメルマガは、高野しのぶの演劇への情熱で書かれています。
 沢山の人に演劇に触れてもらいたい! ので、クチコミ・転送 大歓迎です♪

 ☆ご友人、お知り合いにどうぞこのメルマガをご紹介ください!
  【面白い演劇を紹介してるメルマガはコレ!】
   ⇒ http://archive.mag2.com/0000134861/index.html

 ☆もしこのメルマガを観てお芝居に行かれたら、劇場でのアンケート用紙に
  「高野しのぶのメルマガで知った」等、書いていただけると嬉しいです♪

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎東京および関東近郊の情報に限らせていただいております。
 ◎掲載内容には細心の注意を払っておりますが、
  間違いがあることもあります。情報は主催者URLでご確認ください。
 ◎お薦めを観に行って面白くなかったら・・・ごめんなさいっ。

 ◎私の好みはこちらです。
  → http://stage.corich.jp/my_troupe.php?member_id=57
  簡単なプロフィールはこちらです。
  → http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/0111000000.html

 ◎購読・解除はこちらから簡単にできます。
  まぐまぐ → http://www.mag2.com/m/0000134861.html

////////////////////////////////////////////////////////////////

Posted by shinobu at 00:07 | TrackBack