※2011年11月13に鑑賞(2016/03/29加筆)。
1949年に発表された井上靖さんの恋愛小説を、カナダ人演出家が舞台化。初舞台の中谷美紀さんが3役を演じます。翻案のセルジュ・ラモットさん、演出のフランソワ・ジラールさんはシルク・ド・ソレイユ『ZED』を手掛けた方々だそうです。
中谷さんとロドリーグ・プロトーさんというカナダ人俳優との2人芝居ですが、中谷さんの一人語りで全編進むと言って過言ではなかったですね。3役を演じ分け、膨大なセリフ量を堂々とこなす、強靭な体力、知力、精神力に、感服でした。
※第19回読売演劇大賞の女優賞、スタッフ賞にノミネートされています。
⇒CoRich舞台芸術!『猟銃』
≪作品紹介≫ 公式サイトより
中谷美紀初舞台!
文豪井上靖の恋愛小説『猟銃』をカナダ人演出家
フランソワ・ジラールが舞台作品として創作。
一人の男を通して描く三人の女のラブストーリー。
≪ここまで≫
ここからネタバレします。
幕開けの暗転がとても長く、じんわりと舞台が見えてきたら、なんと雨が降っていました・・・もうここでガッチリ心をつかまれてしまいました!観客を劇の世界へとスムーズに、官能的に誘う、ハイセンスなスタッフワークに背筋がシビれます。また、場面転換が衝撃的だったんです!木の板がパタン、パタンと動いて床を覆っていくのには度肝を抜かれました。大げさじゃなく、本当に!
一番初めに登場したのは若い女性(愛人の娘)。床の水たまりに中谷さんの姿が映るの幻想的です。でも演技は大人しすぎてちょっと退屈しちゃったな・・・。
2番目は豊満な胸をぎりぎりまで露出した、セクシーなドレス姿の、妻の語り。「炎が燃えるごとく」という形容詞がぴったりの情熱的、挑発的なキャラクターでした。石(?)の上を歩く動作と、感情の振れ幅が広いセリフの組み合わせを、きちんと計算した、理知的な演技だったように思います。厳しい稽古を積み重ねた跡を感じ取れました。
3番目は愛人です。この役が一番良かったですね。着物を着ながらセリフを話すので、所作に気をとられる分、過剰な自意識がないので、言葉も意味もすっと体の中に入ってきました。
PARCO / USINEC Presents
≪カナダ、東京、兵庫、新潟、福岡、愛知、京都≫
出演:中谷美紀 ロドリーグ・プロトー
脚本:井上靖 翻案:セルジュ・ラモット 日本語台本監修:鴨下信一 演出:フランソワ・ジラール 美術:フランソワ・セガン 衣裳:フネ・アプリル 照明:デイヴィッド・フィン 音響:アレクサンダー・マクスウィーン プロダクション・マネージャー:藤崎遊び プロデューサー:佐藤玄 毛利美咲 ダニエーロ・ドゥ・フォントゥネ 製作:山崎浩一 後援:カナダ大使館 ケベック州政府在日事務所 企画製作:株式会社パルコ USINEC
【発売日】2011/07/30 ¥7,350(全席指定・税込) U-25チケット=¥5,000(25歳以下対象・当日指定席券引換/要身分証明書/チケットぴあ のみ取扱)
http://www.parco-play.com/web/play/huntinggun/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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