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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2012年03月20日

【映画】ドキュメンタリー映画「はじまりの記憶 杉本博司」

 現代美術家の杉本博司さんを1年間にわたり取材したドキュメンタリー映画です。仕事の関係で一般公開前に拝見させていただきました。とても、いい、映画でした。

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 靖国神社の骨董市で杉本さんが、沈みゆく潜水艦の中で書かれたのであろう、ある日本人兵士の遺書を手に、語られました。

 杉本「ついこないだの戦争のことを私たちは知らないわけです。その時代の人がどう思っていたのか、なぜこんな遺書を書いたのかが、物から直かに伝わる。実際にその時に作られたものを(骨董品を買って)所有して、触りながら実感すること。その物と一緒に暮らすことで、その時代がどんどん(自分の中で)咀嚼されていく。そうすると、歴史が一回、自分の中で蓄えられて、もう一度咀嚼するうちに、自分なりの形というものが出てくる。だから何かを真似するのではなく、一回、先人が通ってきた道を追体験することを(私は)常にやっているんです。」

 恥ずかしながら杉本さんのことは全く知らなかったのですが、昨年、杉本さんが演出された文楽を拝見し、興味を持ちました。あの公演に誘ってくれた友人に感謝します。

 杉本「アートとは、目には見えない精神を物質化することである。」

Posted by shinobu at 2012年03月20日 15:40 | TrackBack (0)