中屋敷法仁さんが作・演出される劇団柿喰う客の「女体シェイクスピア」シリーズ第2弾(⇒第1弾)。シェイクスピア作『マクベス』を女優だけで上演します。
面白かった!女優さんがカッコいい!セクシー!第1弾より演出に主張があるのも好き!上演時間は約1時間30分。『マクベス』が凝縮されていますので、この短さが心地よいです。
★本日と明日、なんと本編が丸ごとUST配信されます。全国で無料で観られますので、ご都合よろしければぜひ! ⇒UST配はこちらから。
・「絶頂マクベス=本痴気=」Ust配信
2012年4月18日(水)22:30~(予定)
・「絶頂マクベス=乱痴気公演=」Ust配信
2012年4月19日(木)22:30~(予定)
女体シェイクスピア第3弾は2013年2月の『発情ジュリアス・シーザー』とのこと。日本ではマイナーな演目ですね。楽しみです。 ⇒4/17夜の終演後のトークの内容:1、2、3、4、5、6
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≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
スコットランド最強の武勇を誇る将軍マクベス!
邪悪な魔女たちが予言したのは光輝く王位の座!?
欲深い妻に駆り立てられ、
現国王ダンカンの殺害を夢想する―
「ヤっちまおう…それで何もかも終わりだ…!!」
女優によるシェイクスピア上演プロジェクト第2弾!!
“絶頂”を目指す泥沼の下剋上、ここに解禁!!
≪ここまで≫
ノリノリのダンス、ポージングで見せる身体表現、現代の若者らしい口語で、ポップに、リズミカルに、過激に立体化する若い女優だけの『マクベス』。大いに脚色されているものの、名セリフはきちんと届くように演出されていて素晴らしいですね。
装置は床に四角い模様が描かれているのみの、ほぼ何もないブラックボックスです。ごくシンプルな空間を、派手な衣装・ヘアメイクの女優たちが闊歩します。舞台奥の暗闇からの登場には胸躍りましたね。LEDを含む照明が明かりとしてだけでなく、舞台美術としてカラフルかつ鮮やかな存在感を示したのも良かったです。アガるわ~。
女優さんはそれぞれの個性を生かした熱演でした。他の公演では観たことのないような演技をしてる方もいらっしゃって、変貌っぷりが楽しいです。振付をしっかりこなすよう自分をコントロールされているのがかっこいいですね。
岡田あがささんはこのシリーズでは笑い担当なんでしょうか(笑)、医者もヘカテも○○○○の妻も強烈でした♪
作品全体のコンセプトもクオリティーも素晴らしいと思うのですが、最後まで観て感じたのは、もっと違うスタイルの演技を加えてもいいんじゃないかということ。たとえばチェルフィッチュのような現代口語劇を挟むと、さらに強弱のアクセントが付いて面白い気がします。踊ったりキメポーズしたりしている女優さんが、ぐだぐだダラダラするのも観たい(笑)。
ここからネタバレします。
マクベスが執事、マクベス夫人がメイドという衣裳がとてもいいと思います。中屋敷さんによるとテーマは社畜(パンフレットより)。丁寧語で自信なさげにしゃべる男が、魔女たちにそそのかされて、身の丈に合わない地位についてしまった悲劇、ととらえやすいですね。
マクベスが短剣(の幻)を追う場面で3人の魔女が登場し、彼女らが短剣を操っていると見せたのも面白かった。魔女の登場回数が多かったのは全般的に良かったと思います。
他にも面白かった場面、アイデアはたくさんあるのですが、特に書いておきたいのはほぼラストの「おめでとう、マクベス」と歌うシーン。あれはシビれましたね~。オリジナル音楽もいいですね。
女優によるシェイクスピア上演企画第2弾!
出演:七味まゆ味、深谷由梨香、葉丸あすか、内田亜希子、岡田あがさ、荻野友里、小野ゆり子、きたまり、葛木英、斎藤淳子、佃井皆美、新良エツ子、藤沢玲花、我妻三輪子、渡邊安理
【原作】W.シェイクスピア 【作・演出】中屋敷法仁 【舞台美術】原田愛 【照明】松本大介【音楽】佐藤こうじ 【音響】上野雅 【衣裳】高木阿友子 【メイク】田中順子 【演出助手】入倉麻美 【舞台監督】棚瀬巧 【宣伝美術】山下浩介 【宣伝写真】引地信彦 【映像撮影】竹崎博人 【票券】北澤芙未子 【制作助手】加藤恵梨花/亀田英愛/時澤香保里/丸山立 【制作】斎藤努 【制作協力】righteye/PAMC 【提携】アイホール 【共催】(公財)武蔵野文化事業団 【企画】柿喰う客 【主催】柿喰う客/ゴーチ・ブラザーズ
一般料金:3,500円 【初】初日割引(割引料金2,500円) 【女】ガールズナイト(女性は割引料金2,500円/男性は割増料金5,000円) 【昼】平日昼間割引公演(割引料金3,000円) 【乱】乱痴気公演(全キャストシャッフルにて上演3,500円) ≪各ステージ≫ 敬老(60歳以上):3,000円 学生:2,000円/高校生以下:1,000円(※前売引換券にて当日会場にて座席指定)
http://kaki-kuu-kyaku.com/macbeth/
※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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